JP2009255697A - 作業車のサスペンション構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サスペンション機構を前輪に備えた作業車において、比較的高速での走行中にブレーキが制動状態に操作された場合、機体の前部の上下動 (ノーズダイブ現象)を抑えながら、運転者にとっての乗り心地を向上させる。
【解決手段】 前輪のサスペンション機構7と、走行用のブレーキ、サスペンション機構7の減衰力を変更可能な減衰力変更手段とを備える。、ブレーキが制動状態に操作されると、衰力変更手段を減衰力の強側に操作する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、農用トラクタ等の作業車におけるサスペンション構造に関する。
作業車の一例である農用トラクタでは、例えば特許文献1に開示されているように、複動型のシリンダ (特許文献1のFIG.1の16)で構成されたサスペンション機構を、前輪に備えているものがある。
サスペンション機構を前輪に備えた作業車において、走行中にブレーキが制動状態に操作されると、機体の前進の慣性力により機体は前下がり状態となり、前下がり状態の反動により機体は前上がり状態になって、機体の前部の上下動が繰り返されることがある (ノーズダイブ現象)。
この場合、特許文献1のように複動型のシリンダによりサスペンション機構を構成した農用トラクタにおいて、前述のように走行中にブレーキが制動状態に操作されると、複動型のシリンダの作動油の給排を遮断して、複動型のシリンダが伸縮できないように構成されたものがあり、これによって機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を抑えることができる。
USP6145859号
しかしながら、前述のように走行中にブレーキが制動状態に操作された際に、サスペンション機構の作動(複動型のシリンダの伸縮)を固定してしまうと、機体の前進の慣性力がサスペンション機構により吸収されずに運転者に掛かる状態になるので、運転者にとっての乗り心地と言う面で改善の余地がある。
本発明は、サスペンション機構を前輪に備えた作業車において、走行中にブレーキが制動状態に操作された場合、機体の前部の上下動 (ノーズダイブ現象)を抑えながら、運転者にとっての乗り心地を向上させることを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車のサスペンション構造において次のように構成することにある。
前輪のサスペンション機構と、走行用のブレーキと、サスペンション機構の減衰力を変更可能な減衰力変更手段とを備える。ブレーキが制動状態に操作されると、減衰力変更手段を減衰力の強側に操作する操作手段を備える。
(作用)
本発明の第1特徴によれば、走行中にブレーキが制動状態に操作されると、減衰力変更手段が減衰力の強側に操作されて、サスペンション機構が作動し難い状態(硬い状態)となる。
このようにサスペンション機構を作動し難い状態(硬い状態)とすることにより、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を完全に止めてしまうのではなく、サスペンション機構により、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を抑えながら、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を少し許して機体の前進の慣性力を吸収することができる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、サスペンション機構を前輪に備えた作業車において、走行中にブレーキが制動状態に操作された場合、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を抑えながら、機体の前進の慣性力を吸収することができるようになって、運転者にとっての乗り心地を向上させることができた。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車のサスペンション構造において次のように構成することにある。
ブレーキが解除状態に操作されてから設定時間の経過後に、減衰力変更手段を減衰力の強側に操作される前の減衰力に操作するように、操作手段を構成する。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
一般に、走行中にブレーキが制動状態に操作されて機体 (走行)が停止した後においても、少しの間だけ機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が残ることが多い。
本発明の第2特徴によると、前項[I]に記載のように、走行中にブレーキが制動状態に操作され、減衰力変更手段が減衰力の強側に操作された後、ブレーキが解除状態に操作された場合、ブレーキが解除状態に操作されてから設定時間の経過後に、減衰力変更手段が減衰力の強側に操作される前の減衰力に操作される (戻される)。
これにより、走行中にブレーキが制動状態に操作されて機体 (走行)が停止した後に、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が残った場合、ブレーキが解除状態に操作されても設定時間の間だけ、サスペンション機構が作動し難い状態(硬い状態)が維持されるので、この間に機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が抑えられる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、走行中にブレーキが制動状態に操作されて機体 (走行)が停止した後に、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が残っても、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)を適切に抑えることができるようになって、運転者にとっての乗り心地を向上させることができた。
[1]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えて、作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタが構成されている。右及び左の後輪2は機体後部のミッションケース3にサスペンション機構を介して支持されておらず、位置固定状態で支持されている。
図1,2,4に示すように、機体の前部に配置されたエンジン4の下部に、支持フレーム5が連結されて前方に延出されており、側面視U字状の支持ブラケット6が支持フレーム5の後部の横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持されて、支持フレーム5の前部と支持ブラケット6の前部とに亘って、2本の油圧シリンダ7(サスペンション機構に相当)が接続されている。支持ブラケット6の前後軸芯P2周りに前車軸ケース8がローリング自在に支持されており、前車軸ケース8の右及び左側部に右及び左の前輪1が支持されている。
[2]
次に、油圧シリンダ7の油圧回路構造について説明する。
図3に示すように、油圧シリンダ7は底部側の油室7a及びピストン側の油室7bを備えた複動型に構成されている。油圧シリンダ7の油室7aに接続された油路9に、ガス封入式のアキュムレータ11、パイロット操作式の一対の逆止弁13及び油圧回路の保護用のリリーフ弁15が接続されており、切換弁17 (減衰力変更手段に相当)がアキュムレータ11の手前部分に備えられている。
図3に示すように、切換弁17は、絞り機能を備えない(又は口径が「大」のオリフィス部を備えた)第1位置17a、口径が「中」のオリフィス部を備えた第2位置17b、口径が「小」のオリフィス部を備えた第3位置17cを備えて、パイロット操作式に構成されており、切換弁17を操作するパイロット弁20が備えられている。油圧シリンダ7の油室7bに接続された油路10に、ガス封入式のアキュムレータ12、パイロット操作式の一対の逆止弁14及び油圧回路の保護用のリリーフ弁16が接続されている。
図3に示すように、逆止弁13,14にパイロット作動油を給排操作するパイロット弁19が備えられており、パイロット弁19により逆止弁13,14が遮断状態(アキュムレータ11,12と油圧シリンダ7の油室7a,7bとの間を遮断する状態)、及び開放状態(アキュムレータ11,12から油圧シリンダ7の油室7a,7b、及び油圧シリンダ7の油室7a,7bからアキュムレータ11,12への両方の作動油の流れを許容する状態)に操作される。
図3に示すように、ポンプ30の作動油がフィルター31、分流弁32及び逆止弁33を介して制御弁18に供給されており、分流弁32と逆止弁33との間にリリーフ弁34が接続されている。油路9における油圧シリンダ7の油室7aと逆止弁13との間の部分と、制御弁18とに亘って油路21が接続され、油路10における油圧シリンダ7の油室7bと逆止弁14との間の部分と、制御弁18とに亘って油路22が接続されている。
図3に示すように、制御弁18は、油路21(油圧シリンダ7の油室7a)に作動油を供給する上昇位置18U、油路22(油圧シリンダ7の油室7b)に作動油を供給する下降位置18D、及び中立位置18Nの3位置切換式で、パイロット操作式に構成されており、制御弁18を操作するパイロット弁29が備えられている。
図3に示すように、油路21にパイロット操作式の逆止弁23及び絞り部25が備えられている。油路22にパイロット操作式の逆止弁24、逆止弁26(逆止弁24が油路10側で、逆止弁26が制御弁18側)及び絞り部27が備えられており、逆止弁24と逆止弁26(絞り部27)との間にリリーフ弁28が接続されている。
パイロット弁19,20,29は電磁操作式であり、後述の[3]〜[7]に記載のように、制御装置35によってパイロット弁19及びパイロット弁20,29が操作され、逆止弁13,14、制御弁18及び切換弁17が操作される。
[3]
次に、油圧シリンダ7の作動について説明する。
前項[2]に記載の構造により、図3に示すように、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されている場合、地面の凹凸に応じて前車軸ケース8及び支持ブラケット6が横軸芯P1周りに上下に揺動しようとすると、油圧シリンダ7が伸縮して、油圧シリンダ7の油室7a,7bとアキュムレータ11,12との間で作動油が往復し、油圧シリンダ7がバネ定数K1を備えたサスペンション機構として作動する。
この場合、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力が、リリーフ弁28により設定圧MP1に維持されている。油圧シリンダ7の油室7aの圧力をPH、油圧シリンダ7の油室7aのピストンの受圧面積をAH、油圧シリンダ7の油室7bのピストンの受圧面積をAR(ピストンロッドの分だけARはAHよりも小さい)として、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)をMとし、重力加速度をgとすると、下記の式(1)が成立する。
式(1) M×g=PH×AH−MP1×AR
これにより、油圧シリンダ7の油室7bの圧力MP1、油圧シリンダ7の油室7aのピストンの受圧面積AH、油圧シリンダ7の油室7bのピストンの受圧面積ARが一定であるので、油圧シリンダ7の油室7aの圧力PHは、油圧シリンダ7の油室7bの圧力MP1よりも高いものとなっており、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mによって変化する。
油圧シリンダ7のバネ定数K1は、油圧シリンダ7の油室7a,7bの圧力PH,MP1によって決まるものとなっており、油圧シリンダ7の油室7aの圧力PHが大きくなるのに伴って大きくなり、油圧シリンダ7の油室7aの圧力PHが小さくなるのに伴って小さくなる。従って、油圧シリンダ7のバネ定数K1は、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mによって決まるものとなり、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが大きくなるのに伴って大きくなり、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが小さくなるのに伴って小さくなる。
図3に示すように、制御弁18が上昇位置18Uに操作され、逆止弁13,14が遮断状態に操作されると、制御弁18から作動油が油圧シリンダ7の油室7aに供給され、油圧シリンダ7の油室7bから作動油が、逆止弁24(制御弁18のパイロット作動油により開放状態に操作されている)、及びリリーフ弁28を介して排出される。この場合、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力が、リリーフ弁28により設定圧MP1に維持されている。
これにより、油圧シリンダ7が伸長作動して機体の前部が上昇する(油圧シリンダ7(サスペンション機構)の作動を機体上昇側に変更した状態に相当)。この後、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されると、油圧シリンダ7が伸長した状態で、前述のように油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する。
図3に示すように、制御弁18が下降位置18Dに操作され、逆止弁13,14が遮断状態に操作されると、制御弁18から作動油が油圧シリンダ7の油室7bに供給され、油圧シリンダ7の油室7aから作動油が、逆止弁23(制御弁18のパイロット圧により開放状態に操作されている)及び絞り部25、制御弁18を介して排出される。この場合、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力が、リリーフ弁28により設定圧MP1に維持されている。
これにより、油圧シリンダ7が収縮作動して機体の前部が下降する(油圧シリンダ7(サスペンション機構)の作動を機体下降側に変更した状態に相当)。この後、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されると、油圧シリンダ7が収縮した状態で、前述のように油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する。
[4]
次に、切換弁17の操作の前半について説明する。
図6に示すように、右の後輪2を制動可能な右のサイドブレーキ38(ブレーキに相当)、及び、右のサイドブレーキ38を制動状態に操作可能な右のサイドブレーキペダル39が備えられており、左の後輪2を制動可能な左のサイドブレーキ38(ブレーキに相当)、及び、左のサイドブレーキ38を制動状態に操作可能な左のサイドブレーキペダル39が備えられている。
図6に示すように、右及び左のサイドブレーキペダル39は運転部のフロアの右側に備えられており、右及び左のサイドブレーキペダル39の一方のみを踏み操作することが可能であり、右及び左のサイドブレーキペダル39の両方を同時に踏み操作することも可能である。運転者が右及び左のサイドブレーキペダル39の一方のみを踏み操作するのは、一般に右又は左への旋回時であり、右又は左への旋回時に旋回中心側の後輪2に制動を掛けることにより、右又は左への小回り旋回が可能になる。
この農用トラクタは四輪駆動型であり、右及び左の前輪1と右及び左の後輪2とが伝動系でつながっているので、右及び左のサイドブレーキ38が制動状態に操作されて右及び左の後輪2に制動が掛かると、右及び左の前輪1にも制動が掛かる。
図6に示すように、右のサイドブレーキペダル39が踏み操作されたこと (右のサイドブレーキ38の制動状態)を検出する右のサイドブレーキセンサー40、及び左のサイドブレーキペダル39が踏み操作されたこと (左のサイドブレーキ38の制動状態)を検出する左のサイドブレーキセンサー40が備えられており、右及び左のサイドブレーキセンサー40の検出値が制御装置35に入力されている。
図6に示すように、油圧シリンダ7の油室7aの圧力を検出する圧力センサー36が備えられて、圧力センサー36の検出値が制御装置35に入力されており、圧力センサー36の検出値に基づいて、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが演算される。
これにより、図7に示すように、右及び左のサイドブレーキ38の両方が解除状態に操作されている状態、右のサイドブレーキ38が制動状態 (左のサイドブレーキ38が解除状態)に操作されている状態、左のサイドブレーキ38が制動状態 (右のサイドブレーキ38が解除状態)に操作されている状態であると(ステップS1)、ステップS2に移行し圧力センサー36の検出値に基づいて、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが演算される(ステップS2)。
図7に示すように、機体の前部に装着する作業装置により、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが小さくなると(例えばフロントローダにより土砂の放出を行った状態や、荷物の積み下ろしを行った状態)(ステップS3)、油圧シリンダ7のバネ定数K1は小さくなるので(前項[3]参照)、これに伴い切換弁17が第1位置17aに操作されて(ステップS4)、油圧シリンダ7の減衰力が小さくなる。
図7に示すように、機体の前部に装着する作業装置により、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mが大きくなると(例えばフロントローダにより土砂のすくい上げ(積載)を行った状態や、荷物の積み上げを行った状態)(ステップS3)、油圧シリンダ7のバネ定数K1は大きくなるので(前項[3]参照)、これに伴い切換弁17が第2位置17bに操作されて(ステップS5)、油圧シリンダ7の減衰力が大きくなる。
[5]
次に、切換弁17の操作の後半について説明する。
走行中に右及び左のサイドブレーキ38が制動状態に操作されると、機体の前進の慣性力により機体は前下がり状態となり (油圧シリンダ7の収縮)、前下がり状態の反動により機体は前上がり状態になって (油圧シリンダ7の伸長)、機体の前部の上下動が繰り返されることがある (ノーズダイブ現象)。
図7に示すように、右及び左のサイドブレーキ38の両方が制動状態に操作された状態であると(ステップS1)、ステップS6に移行して切換弁17が第3位置17cに操作されて(ステップS6)、油圧シリンダ7の減衰力が十分に大きくなる (操作手段に相当)。これによって、油圧シリンダ7により、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が抑えられながら、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が少し許されて機体の前進の慣性力が吸収される。
機体 (走行)の走行が停止した後、右及び左のサイドブレーキ38の両方が解除状態に操作された状態、右のサイドブレーキ38が制動状態 (左のサイドブレーキ38が解除状態)に操作された状態、左のサイドブレーキ38が制動状態 (右のサイドブレーキ38が解除状態)に操作された状態になると(ステップS7)、ステップS8に移行して設定時間T13のカウントが開始され、設定時間T13が経過するまでは、切換弁17が第3位置17cに維持される(ステップS9)。
これにより、機体 (走行)が停止した後に、機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が残っても、切換弁17が第3位置17cに維持されるので、この間に油圧シリンダ7により機体の前部の上下動(ノーズダイブ現象)が抑えられる。
設定時間T13が経過すると(ステップS9)、ステップS1〜S5に移行するのであり、前項[5]に記載のように、機体の前部に掛かる重量(油圧シリンダ7に掛かる重量)Mに基づいて、切換弁17が第1及び第2位置17a,17bに操作される。
[6]
次に、油圧シリンダ7の制御の前半について、図8に基づいて説明する。
図6に示すように、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出する作動位置センサー37が備えられて、作動位置センサー37の検出値が制御装置35に入力されており、制御装置35において油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)が記憶されている。この場合、伸縮式の作動位置センサー37を油圧シリンダ7に直接に取り付けて、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出したり、ロータリ式の作動位置センサー37を図2に示す横軸芯P1の位置に取り付けて、支持フレーム5に対する支持ブラケット6の角度を検出することによって、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出する。
図5に示すように、油圧シリンダ7の作動の中央位置が制御装置35に設定されて、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)が中央位置であると、機体が地面と略平行(略水平)な状態となる。中央位置に対して機体上昇側及び機体下降側にある程度の範囲を持った目標範囲H1が制御装置35に設定されている。
積算回数Nが制御装置35に設定されており、先ず積算回数Nが「0」に設定される(ステップS11)。制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)において(ステップS12)、制御周期T12のカウントが開始され(ステップS13)、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)が検出されて記憶される(ステップS14)。
制御周期T12が経過すると(ステップS15)(図5の時点T2参照)、時点T2から設定時間T11だけ過去(図5の時点T2から時点T1参照)の全ての油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)から、油圧シリンダ7の作動の極大位置A1及び極小位置A2が検出されて(ステップS16)、極大及び極小位置A1,A2の間の中間位置B1(極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置)が検出される(ステップS17)。
図5に示すように、極大位置A1は、油圧シリンダ7の作動位置が機体上昇側に変位した後に機体下降側に変位する位置(油圧シリンダ7が伸長作動から収縮作動に切り換わる位置)である。極小位置A2は、油圧シリンダ7の作動位置が機体下降側に変位した後に機体上昇側に変位する位置(油圧シリンダ7が収縮作動から伸長作動に切り換わる位置)である。
この場合、前回の制御周期T12の経過時点から今回の制御周期T12の経過時点(図5の時点T2参照)までの間の油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)が、新たな油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)として記憶され、時点T2から設定時間T11だけ過去の時点T1よりも過去の油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)は消去されるのであり、制御周期T12の経過毎に、制御装置において記憶されている油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)の一部が更新されることになる。
ステップS15,S16において、設定時間T11を油圧シリンダ7(サスペンション機構)の共振周波数の1周期分よりも少し長い程度に設定すると、設定時間T11の間に1個の極大位置A1及び1個の極小位置A2が検出され、この場合には1個の極大及び極小位置A1,A2から中間位置B1が検出される(ステップS17)。
ステップS15,S16において、設定時間T11をある程度長いものに設定すると、設定時間T11の間に複数個の極大位置A1及び複数個の極小位置A2が検出される。この場合には、複数個の極大位置A1のうちの最大の極大位置A1を検出し、複数個の極小位置A2のうちの最小の極小位置A2を検出して、最大の極大位置A1及び最小の極小位置A2から中間位置B1が検出される(ステップS17)。
中間位置B1が検出されると、中間位置B1と目標範囲H1とが比較されて(ステップS18)、中間位置B1が目標範囲H1から機体下降側に外れていると、積算回数Nに「1」が減算され(ステップS19)、中間位置B1が目標範囲H1から機体上昇側に外れていると、積算回数Nに「1」が加算される(ステップS20)。中間位置B1が目標範囲H1に入っていると、積算回数Nへの加算及び減算は行われない。次にステップS13に移行しステップS13〜S20が行われて、中間位置B1の検出、中間位置B1と目標範囲H1との比較、積算回数Nの加算及び減算が行われるのであり、再びステップS13に移行して、ステップS13〜S20が繰り返して行われる。
[7]
次に、油圧シリンダ7の制御の後半について、図8に基づいて説明する。
積算回数Nと下降側設定回数ND1及び上昇側設定回数NU1とが比較され、積算回数Nが下降側設定回数ND1に達すると(下回ると)(ステップS21)、機体の前部が下降し、機体が地面に対して前下がり状態であると判断されて、制御弁18が上昇位置18Uに操作され、逆止弁13,14が作動状態に操作される(ステップS23)。
これにより、前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が伸長作動して機体の前部が上昇する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が伸長作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、ステップS1に移行して積算回数Nが「0」に設定されて、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)に復帰する。
積算回数Nと下降側設定回数ND1及び上昇側設定回数NU1とが比較され、積算回数Nが上昇側設定回数NU1に達すると(上回ると)(ステップS22)、機体の前部が上昇し、機体が地面に対して前上がり状態であると判断されて、制御弁18が下降位置18Dに操作され、逆止弁13,14が作動状態に操作される(ステップS24)。
これにより、前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が収縮作動して機体の前部が下降する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が収縮作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、ステップS1に移行して積算回数Nが「0」に設定されて、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)に復帰する。
前述のようにして、ステップS13〜S20が繰り返して行われても、積算回数Nが下降側設定回数ND1に達せず(下回らず)(ステップS21)、且つ、上昇側積算回数NUが上昇側設定回数NU1に達しなければ(上回らなければ)(ステップS22)、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)が維持され続ける。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図8のステップS15〜S16において設定時間T11を少し長く設定して、複数個の極大位置A1及び複数個の極小位置A2を検出するように構成した場合、以下のようにして図8のステップS17の中間位置B1を検出してもよい。
(1)複数個の極大位置A1及び複数個の極小位置A2において、1個の極大位置A1及び1個の極小位置A2を1個の組として、極大及び極小位置A1,A2の複数の組に分けて、各組において中間位置B1を検出することによって、複数個の中間位置B1を検出して、複数個の中間位置B1の平均値を図8のステップS17の中間位置B1とする。
(2)複数個の極大位置A1において極大位置A1の平均値を検出し、複数個の極小位置A2において極小位置A2の平均値を検出し、極大及び極小位置A1,A2の平均値から中間位置B1を検出して、図8のステップS17の中間位置B1とする。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置に設定するのではなく、機体の前部に装着する作業装置(例えばフロントローダ)の有無や種類、作業形態等に基づいて、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体上昇側(油圧シリンダ7の伸長側)の位置に設定したり、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体下降側(油圧シリンダ7の収縮側)の位置に設定したりしてもよい。
例えば機体の前部に作業装置(例えばフロントローダ)を装着した場合、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体上昇側(油圧シリンダ7の伸長側)の位置に設定することにより、機体が地面に対して少し前上がり状態になるようにすればよい。
本発明は、右及び左の後輪2にも油圧シリンダ7等によるサスペンション機構を備えた作業車や、後二輪駆動型式の作業車にも適用できる。
農用トラクタの全体側面図 前車軸ケース及び支持ブラケット、油圧シリンダの付近の側面図 油圧シリンダの油圧回路構造を示す図 支持ブラケットの斜視図 油圧シリンダの作動位置(伸縮位置)の状態を示す図 制御装置とパイロット弁との関係を示す図 切換弁の操作の流れを示す図 油圧シリンダの制御の流れを示す図
符号の説明
7 サスペンション機構
17 減衰力変更手段
38 ブレーキ
T13 設定時間

Claims (2)

  1. 前輪のサスペンション機構と、走行用のブレーキと、前記サスペンション機構の減衰力を変更可能な減衰力変更手段とを備え、
    前記ブレーキが制動状態に操作されると、前記減衰力変更手段を減衰力の強側に操作する操作手段を備えてある作業車のサスペンション構造。
  2. 前記ブレーキが解除状態に操作されてから設定時間の経過後に、前記減衰力変更手段を減衰力の強側に操作される前の減衰力に操作するように、前記操作手段を構成してある請求項1に記載の作業車のサスペンション構造。
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