JP2009257521A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーキング機構を拘束状態から拘束解除状態に切り替えた場合、あるいは、拘束解除状態から拘束状態に切り替えた場合のショックを抑制することができる車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置1Aは、パーキング機構9のパーキングギア14をパーキングポール15で拘束する拘束状態とパーキングギア14に対するパーキングポール15の拘束を解除する拘束解除状態との間の切り替え動作をシフト操作装置10のシフト位置センサ18が検出するシフトレバー17の位置により予測して、変速機構8Aの第1ブレーキ及び第2ブレーキの少なくともいずれか一方の制動力を所定の制動力よりも低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輪側出力軸と、回転電機と、変速機構と、パーキング機構とを備え、回転電機と車輪側出力軸との間に変速機構を介在させた車両の動力伝達装置に関する。
回転電機と車輪側出力軸との間に変速機構が介在し、その変速機構には、回転電機と車輪側出力軸との間の動力伝達に関与する伝達要素を、トランスミッションケースのような車体側の固定部材に対して所定の制動力にて制動する制動状態と固定部材に対する伝達要素の制動を解除する制動解除状態との間で切り替えて当該変速機構の動作を変化させるブレーキが設けられたハイブリッド車両の動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、特許文献3が存在する。
特開2007−118692号公報 特願2007−333135号公報 特開平9−301141号公報
上記した動力伝達装置においては、車輪側出力軸に設けられたパーキングギアとパーキングポールとを噛み合わせて車輪の回転を拘束する拘束状態と、パーキングギアとパーキングポールとの噛み合いを外して車輪の拘束を解除する拘束解除状態との間で切り替え可能なパーキング機構が設けられることがある。この場合、パーキング機構を拘束解除状態から拘束状態に切り替えると車輪側出力軸に発生するトルクがそのまま回転電機に伝達されて、回転電機が急停止し、そのイナ―シャトルクによって変速機構にショックが発生することがある。また、パーキング機構による拘束状態で坂路等に停車した際にドライブシャフトに捻じれによるトルクが蓄えられる場合がある。この状態で、拘束状態から拘束解除状態に切り替えると蓄えられたトルクがそのまま回転電機に伝達されて、回転電機が急回転し、そのイナ―シャトルクによって変速機構にショックが発生することがある。
そこで、本発明は、パーキング機構を拘束状態から拘束解除状態に切り替えた場合、あるいは、拘束解除状態から拘束状態に切り替えた場合のショックを抑制することができる車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の車両の動力伝達装置は、車輪側出力軸と、回転電機と、前記回転電機と前記車輪側出力軸との間に介在し、前記回転電機の動力を前記車輪側出力軸に伝達する変速機構と、前記車輪と前記回転電機との間の動力伝達経路内に設けられたパーキングギアを拘束部材で拘束して前記車輪を制動する拘束状態と、前記パーキングギアに対する前記拘束部材の拘束を解除する拘束解除状態との間で切り替え可能なパーキング機構と、を備え、前記変速機構には、前記回転電機と前記車輪側出力軸との間の動力伝達に関与する伝達要素を、車体側の固定部材に対して所定の制動力にて制動する制動状態と前記固定部材に対する伝達要素の制動を解除する制動解除状態との間で切り替えて当該変速機構の動作を変化させる制動手段が設けられた車両の動力伝達装置において、前記パーキング機構の前記拘束状態と前記拘束解除状態との間の切り替え動作を予測する予測手段と、前記予測手段による前記切り替え動作の予測に応答して、前記制動手段の制動力を前記所定の制動力よりも低下させる制動制御手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の車両の動力伝達装置においては、パーキング機構の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替え動作が予測されると、これに対応して制動手段の制動力が制動状態におけるそれよりも低く抑えられる。そのため、パーキング機構の切り替え動作が実行される段階では、変速機構における伝達要素と固定部材との間が緩められ、パーキング機構の切り替え動作に伴うトルク変動を伝達要素と固定部材との間で逃がし、回転電機へのトルク入力を抑えることができる。従って、変速機構内におけるショックを抑制することができる。
本発明の車両の動力伝達装置の一態様においては、前記変速機構は、制動手段として、いずれか一方を制動状態にすることで変速比の切り替えを行う少なくとも2つの第1ブレーキと第2ブレーキとを備え、前記制動制御手段は、前記第1ブレーキ及び前記第2ブレーキの少なくともいずれか一方の制動力を前記所定の制動力よりも低下させてもよい(請求項2)。この態様によれば、制動状態で変速機構の変速比の切り替えを行う第1ブレーキ及び第2ブレーキの少なくともいずれか一方の制動力を所定の制動力より低下させて回転電機へのトルク入力を抑えることができる。
本発明に係るパーキング機構は、パーキングギアが車輪と回転電機との間の動力伝達経路内に設けられていればよい。例えば、前記パーキング機構は、前記パーキングギアが前記車輪と前記変速機構との間の動力伝達経路内に設けられていてもよい(請求項3)。
本発明の車両の動力伝達装置の一態様においては、パーキングレンジを含む複数のレンジ間で切り替え操作可能なシフト操作手段をさらに具備し、前記パーキング機構は、前記シフト操作手段による前記パーキングレンジへの切り替え操作に応答して前記拘束状態に切り替えられ、前記シフト操作手段による前記パーキングレンジ以外のレンジへの切り替え操作に応答して前記拘束解除状態に切り替えられ、前記予測手段は、前記パーキングレンジと前記パーキングレンジ以外のレンジとの間の前記シフト操作手段の切り替え操作を検出することにより前記パーキング機構の前記切り替え動作を予測してもよい(請求項4)。この態様によれば、パーキング機構の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替え動作に先行して行われるシフト操作手段の切り替え操作によりパーキング機構の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替え動作を予測することができる。
以上説明したように、本発明によれば、パーキング機構の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替え動作が予測されると、これに対応して制動手段の制動力が制動状態における制動力よりも低く抑えられる。このため、パーキング機構の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替えにより変速機に発生するショックを抑制することができる。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る車両の動力伝達装置1Aのスケルトン図を示している。図1の動力伝達装置1Aは、ハイブリッド車両の動力伝達装置として構成されている。ハイブリッド車両は、内燃機関を走行用の駆動力源として備えるとともに、モータ・ジェネレータ等の回転電機を他の走行用の駆動力源として備えた車両である。動力伝達装置1Aは、内燃機関2からの動力を伝達する入力軸3と、第1モータ・ジェネレータ4と、回転電機としての第2モータ・ジェネレータ5と、入力軸3と第1モータ・ジェネレータ4との間に介在する動力分配機構6と、動力を車輪に伝達する車輪側出力軸7と、第2モータ・ジェネレータ5と車輪側出力軸7との間に介在し、第2モータ・ジェネレータ5の動力を車輪側出力軸7に伝達する変速機構8Aと、パーキング機構9と、シフト操作手段としてのシフト操作装置10と、電子制御装置11と、を備えている。
内燃機関2は、火花点火型の多気筒内燃機関として構成されており、その動力は入力軸3を介して動力分配機構6に伝達される。内燃機関2は、ハイブリッド車に搭載される周知のものと同じでよいため、詳細な説明は省略する。また、第1モータ・ジェネレータ4と第2モータ・ジェネレータ5とは、同様の構成であり、電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。第1モータ・ジェネレータ4及び第2モータ・ジェネレータ5もハイブリッド車に搭載される周知のものと同じでよいため、詳細な説明は省略する。
動力分配機構6は、3つの回転要素の間に差動作用を生じさせる周知の遊星歯車機構として構成されており、外歯歯車であるサンギアS6と、そのサンギアS6に対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアR6と、これらのギアS6、R6に噛み合うピニオンギアを自転かつ公転自在に保持するキャリアC6とを備えている。この形態では、入力軸3がキャリアC6に、第1モータ・ジェネレータがサンギアS6に、車輪側出力軸7がリングギアR6にそれぞれ接続されている。
変速機構8Aは、第2モータ・ジェネレータ5から出力された動力を変速して車輪側出力軸7に伝達する機構であり、少なくとも高低2つの変速比に切り替えることができるように構成されている。変速機構8Aは、いわゆるラビニヨ型の遊星歯車機構として構成される。すなわち、変速機構8Aは、第1サンギアS81と、第1サンギアS81と同一軸線上に隣接して配置された第2サンギアS82と、これらのサンギアS81、S82と同心円上に配置されたリングギアR8と、これらのサンギアS81、S82とリングギアR8との間に配置されて軸線方向の長さが相違するロングピニオンP81及びショートピニオンP82を自転かつ公転自在に保持するキャリアC8とを備える。ショートピニオンP82は、第2サンギアS82およびロングピニオンP81のそれぞれと噛み合っており、ロングピニオンP81は、第1サンギアS81およびリングギアR8のそれぞれと噛み合っている。こうした構成により、第2サンギアS82とリングギアR8とは、ショートピニオンP82およびロングピニオンP81を備えるダブルピニオン型遊星歯車機構をなしており、また、第1サンギアS81とリングギアR8とは、ロングピニオンP81を備えるシングルピニオン型遊星歯車機構をなしている。
また、変速機構8Aには、制動手段として、リングギアR8を車体側の固定部材としてのトランスミッションケース12に対して所定の制動力にて選択的に制動する第1ブレーキB81と、第2サンギアS82を車体側の固定部材としてのトランスミッションケース12に対して所定の制動力にて選択的に制動する第2ブレーキB82とが設けられている。ブレーキB81、B82は、例えば摩擦式や噛み合い式などによって構成することができる。これらブレーキB81、B82は、例えば油圧の供給とその停止とを切り替えることにより、第2サンギアS82またはリングギアR8をトランスミッションケース12に対して制動する制動状態と制動を解除する制動解除状態との間で切り替えて変速機構8Aの動作を変化させる。そして、第1サンギアS81には第2モータ・ジェネレータ5が接続されており、キャリアC8には車輪側出力軸7が接続されている。変速機構8Aが備えるリングギアR8及び第2サンギアS82は、本発明に係る第2モータ・ジェネレータ5と車輪側出力軸7との間の動力伝達に関与する伝達要素に相当する。
変速機構8Aにおいて、第1ブレーキB81によってリングギアR8が制動された状態で第2モータ・ジェネレータ5から第2サンギアS82に動力が入力されると減速作用が生じて、第2サンギアS82に入力されたトルクは増幅されてキャリアC8から出力される。一方、第2ブレーキB82によって第2サンギアS82が制動された状態で第2モータ・ジェネレータ5から第2サンギアに動力が入力されると減速作用が生じて、第2サンギアS82に入力されたトルクは増幅されてキャリアC8から出力される。図示の形態では、リングギアE8が制動された場合の減速比は第2サンギアS82が制動された場合の減速比よりも大きくなるように設定されている。即ち、第1ブレーキB81によってリングギアE8を制動することにより低速変速比の低速段が設定され、第2ブレーキB82によって第2サンギアS82を制動することにより高速変速比の高速段が設定される。そして、これらのブレーキB81、B82をともに解放すると、変速機構8Aは、トルクを伝達しないニュートラル状態となる。従って、変速機構8Aは、低速変速比、高速変速比及びニュートラル状態の3つの状態に設定できるように構成されている。
パーキング機構9は、車輪13と第2モータ・ジェネレータ5との間の車輪側出力軸7に設けられたパーキングギア14と、不図示のアクチュエータにより動作する拘束部材としてのパーキングポール15とを備えている。パーキング機構9は、パーキングギア14をパーキングポール15で拘束して車輪13を制動する拘束状態と、パーキングギア14に対するパーキングポール15の拘束を解除する拘束解除状態との間で切り替えが可能である。なお、パーキングポール15は、拘束部材の一例にすぎず、これに限定されるものではない。
シフト操作装置10は、装置本体16と、シフトレバー17と、シフトレバー17の位置を検出するシフト位置センサ18とを備えている。図2に示すように、装置本体16の上面にはシフトゲート19が形成されている。シフトゲート19には、「P、R、N、D、+、S、−」の文字で示された複数のレンジが設定されている。シフトレバー17は、シフトゲート19に沿ってそれらのシフトレンジ間で操作可能である。シフトゲート19に「P」と示されたパーキングレンジ20は、パーキング機構9の拘束状態に対応している。また、「R」と示されたRレンジ21及び「D」と示されたDレンジ23は、走行用レンジであり、走行状況により設定される変速機構8Aの低速段又は高速段に対応している。シフト位置センサ18は、シフトレバー17のシフトゲート19内における位置を検出し、その検出位置を示す信号を出力する。
電子制御装置11は、不図示のマイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだコンピュータとして構成されている。電子制御装置11は、車両に組み込まれた各種センサから出力された信号を参照しつつ所定のプログラムに従って動力伝達装置に関する各種の制御を実行する。シフト位置センサ18も電子制御装置11が参照するセンサの一つとして使用される。電子制御装置11は、シフト位置センサ18の出力信号を参照して、変速機構8AのブレーキB81、B82及びパーキング機構9の動作をそれぞれ制御する。例えば、シフトレバー17がDレンジ23に位置し、かつ、走行状態が低車速状態である場合、あるいは要求駆動力が大きい場合、電子制御装置11は第1ブレーキB81を制動状態に制御して変速機構8Aを低速段に設定する。また、電子制御装置11は、シフトレバー17がパーキングレンジ20に切り替え操作されたことを確認すると、パーキング機構9を拘束状態に切り替える。逆に、シフトレバー17がパーキングレンジ20からRレンジ21、Dレンジ23等のパーキングレンジ20以外に切り替え操作されたことを確認すると、パーキング機構9を拘束解除状態に切り替える。さらに、電子制御装置11は、シフトレバー17のパーキングレンジ20とパーキングレンジ20以外との間の切り替えによるショックを緩和するため、図3に示す制動力制御ルーチンを所定の周期で繰り返し実行する。
図3に示す制動力制御ルーチンを開始すると、電子制御装置11は、まずステップS1にてシフトレバー17がパーキングレンジ20とパーキングレンジ20以外の他のレンジとの間で切り替え操作されているか否かを判別する。例えば、電子制御装置11は、シフト位置センサ18が検出するシフトレバー17の位置がパーキングレンジ20から左方へと変化している場合、又はパーキングレンジ20に向かって右方へと変化している場合にステップS1の条件が満たされたものと判断する。ステップS1が肯定判断された場合、電子制御装置11はステップS2に進み、ブレーキB81、B82の油圧を解放してリングギアR8及び第2サンギアS82の制動を解除する。その後、電子制御装置11は今回のルーチンを終了する。一方、ステップS1の条件が満たされない場合、電子制御装置11はステップS2をスキップして今回のルーチンを終了する。
以上の処理によれば、シフトレバー17がパーキングレンジ20からRレンジ21に向かって操作され、あるいは、パーキングレンジ20に向かって操作される際にステップS1が肯定されてブレーキB81、B82によるリングギアR8及び第2サンギアS82の制動が解除される。シフトレバー17がパーキングレンジ20から操作されてRレンジ21まで移動し、あるいはRレンジ21からパーキングレンジ20へと切り替え操作された場合には、上記の通りにパーキング機構9が拘束状態と拘束解除状態との間で切り替えられる。パーキング機構9の切り替え動作に先行して、シフトレバー17のパーキングレンジ20からRレンジ21に向かう操作及びパーキングレンジ20に向かう操作は行われる。そのため、パーキング機構9の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替え動作に先行してステップS1が肯定判断されてブレーキB81、B82の制動力が解放され、パーキング機構9が切り替え動作する際には、第2モータ・ジェネレータ5とトランスミッションケース12との間におけるトルク伝達が不可能になり、車輪側出力軸7から変速機構8Aにトルクが入力されても、そのトルクが第2モータ・ジェネレータ5には伝わらない。従って、パーキング機構9の切り替え動作時における変速機構8Aのショックを抑えることができる。
上記の形態においては、電子制御装置11が図3のステップ1を実行することにより、シフト位置センサ18と電子制御装置11とが協働して予測手段が実現される。また、電子制御装置11が図3のステップS2を実行することにより制動力制御手段が実現される。
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態について図4を参照して説明する。図4は、第2の形態に係る車両の動力伝達装置1Bのスケルトン図を示している。以下では、第1の形態と共通の構成には図5に同一符号を付して説明を省略する。図4に示すように、第2の形態は、変速機構8Bの構成と、第2モータ・ジェネレータ5と変速機構8Bとを減速機構25を介して接続する構成とが第1の形態と比べて相違している。即ち、第2の形態に係る動力伝達装置1Bは、内燃機関2および第1モータ・ジェネレータ4の動力を伝達する伝達軸24と、伝達軸24と第2モータ・ジェネレータ5との間に介在する減速機構25と、減速機構25と車輪側出力軸7との間に介在し、減速機構25から出力される動力を車輪側出力軸7に伝達する変速機構8Bと、を備えている。
減速機構25は、動力分配機構6と同様に3つの回転要素の間に差動作用を生じさせる周知の遊星歯車機構として構成されている。即ち、外歯歯車であるサンギアS25と、そのサンギアS25に対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアR25と、これらのギアS25、R25に噛み合うピニオンギアを自転かつ公転自在に保持するキャリアC25とを備えている。減速機構25の形態では、伝達軸24がキャリアC25に、第2モータ・ジェネレータ5がサンギアS25にそれぞれ接続され、リングギアR25が固定部材としてのトランスミッションケース12に固定されている。
変速機構8Bは、減速機構25から出力された動力を変速して車輪側出力軸7に伝達する機構であり、いわゆるダブルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。即ち、変速機構8Bは、外歯歯車であるサンギアS30と、そのサンギアS30に対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアR30と、サンギアS30に噛み合う第1ピニオン31及びリングギアR30に噛み合う第2ピニオン32を相互に噛み合わせた状態で、各ピニオン31、32を自転かつ公転自在に保持するキャリアC30とを備える。
また、変速機構8Bには、サンギアS30を固定部材としてのトランスミッションケース12に対して制動する制動状態と制動を解除する制動解除状態との間で動作する制動手段としてのブレーキB33が設けられている。更に、サンギアS30と車輪側伝達軸7とを接続する接続状態とその接続を解放する解放状態との間で動作するクラッチCL33が設けられている。ブレーキB33及びクラッチCL33は、例えば油圧の供給とその停止とを切り替えることにより状態の切り替えを行い、変速機構8Bの動作を変化させるように構成されている。なお、ブレーキB33及びクラッチCL33の形式は、例えば摩擦式や噛み合い式が考えられるが、任意の形式で良い。そして、サンギアS30は、ブレーキB33又はクラッチCL33と選択的に接続可能に構成されており、キャリアC30は、車輪側伝達軸7に接続されている。また、リングギアR30は、伝達軸24に接続されている。
変速機構8Bにおいて、ブレーキB33によってサンギアS30を制動した制動状態で、伝達軸24からリングギアR30に動力が入力されると変速作用が生じて、入力された動力はキャリアC30に出力される。一方、クラッチCL33によってサンギアS30と車輪側出力軸7とを接続状態にすると、車輪側出力軸7はキャリアC30と接続されているためサンギアS30とキャリアC30は同じ回転数となる。クラッチCL33を接続状態としてブレーキB33を制動解除状態とすると低速段が設定され、ブレーキB33を制動状態としてクラッチCL33を接続解除状態とすると高速段が設定される。これらブレーキB33、クラッチCL33をともに、それぞれ制動解除状態、接続解除状態とすると、動力を伝達しないニュートラル状態となる。変速機構8Bが備えるサンギアS30及びキャリアC30は、本発明に係る第2モータ・ジェネレータ5と車輪側出力軸7との間の動力伝達に関与する伝達要素に相当する。
ブレーキB33及びクラッチCL33に対する制御は、第1の形態の電子制御装置11を適用することができる。即ち、車両に組み込まれた各種センサから出力された信号を参照し、所定のプログラムに従ってブレーキB33及びクラッチCL33の制御を行う。そして、第2の形態においても電子制御装置11が図3のステップ1を実行することにより、シフト位置センサ18と電子制御装置11とが協働して予測手段が実現される。また、電子制御装置11が図3のステップS2を実行することにより制動制御手段が実現される。これにより、車両の動力伝達装置1Bは、第1の形態と同等の効果を達成することができる。
但し、本発明は以上の各形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施できる。上記の形態は本発明に係る車両の動力伝達装置1A、1Bをハイブリッド車両に適用したものであるが、回転電機を備えたものであればハイブリッド車に限らず、電気自動車に適用することもできる。また、上述の形態では、パーキング機構9を車輪13と変速機構8A、8Bとの間の車輪側出力軸7上に配置しているが、このような配置に限定されるものではなく、車輪13と第2モータ・ジェネレータ5との間の動力伝達経路内に配置されていればよい。
また、上述した動力分配機構6及び変速機構8A、8Bの構成は一例にすぎず、これらを機構学上等価な別形態に変更することも可能である。動力分配機構6及び変速機構8A、8Bの各回転要素に対する接続関係も別形態に変更することは可能である。更に、これらを遊星歯車機構で構成することは一例にすぎず、例えばこれらを歯車ではない摩擦車(ローラ)を回転要素として持つ遊星ローラ機構に置き換えても実施することは可能である。
また、上述の図2に示すゲート式シフトパターンはシフト操作装置10の一例にすぎず、例えば、図5に示す直線式シフトパターンでもよい。この場合、図5に示すように、装置本体16の上面には溝34が形成されており、「P、R、N、D、2、L」の文字で示された複数のレンジが設定されている。シフトレバー17は、溝34に沿ってそれらのシフトレンジ間で操作可能である。また、シフトレバー17にはシフトレバーSW35が設けられており、シフトレバーSW35を押すことでRレンジ21からパーキングレンジ20への移動及びパーキングレンジ20からRレンジ21への移動が可能になる。シフト位置センサ18は、シフトレバー17のレンジ位置及びシフトレバーSW35の状態を検出し、その検出した信号を出力する。さらに、上述のシフト操作装置10の構成は、一例にすぎず、シフト操作手段として、例えば、切り替えボタンを備えていてもよい。
上述した各形態では、パーキング機構9の拘束状態と拘束解除状態との間における切り替え動作を、シフトレバー17のパーキングレンジ20から左方への移動、あるいはパーキングレンジ20に向けての右方への移動を検出することによって予測しているが、パーキング機構9の切り替え動作の予測はそのような形態に限定されず、パーキング機構9の切り替え動作に先行して制動手段の制動力を低下させ得る限りにおいて、予測手段は適宜の情報に基づいてパーキング機構の切り替え動作を予測して良い。例えば、図5に示す直線式シフトパターンにあっては、シフトレバー17がパーキングレンジ20に位置している状態でシフトレバーSW35が押された場合、又はシフトレバー17がRレンジ21に位置している状態でシフトレバーSW35が押された場合に、図3のステップS1の条件が満たされたものと判断してもよい。また、例えば、シフト操作手段として、切り替えボタンを備えている場合にあっては、事前に行う変速動作、或いは、ブレーキ動作等、切り替えボタン操作前に検出される各種信号により図3のステップS1の条件を満たすか否かを判断してもよい。
上記の各形態では、電子制御装置11がパーキング機構9の切り替え動作の予測に対応してブレーキB81、B82、B33の油圧を解放することにより制動制御手段が実現され、変速機構8A、8Bのショックを抑えている。しかし、各ブレーキB81、B82、B33の油圧を解放することは一例にすぎない。例えば、電子制御装置11がブレーキB81、B82、B33による制動力を走行中に与えるべき制動力よりも低下させることによっても、ショックの抑制効果を得ることができる。
シフト操作装置10等のシフト操作手段は必須の構成要素ではない。例えば、自動運転の場合等のようにシフト操作手段に対する運転者の関与がない場合であってもパーキング機構9の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替えを行うことができる動力伝達装置として本発明を実施することも可能である。この場合、例えば事前の変速及び減速、或いはブレーキ動作等のパーキング機構9の拘束状態と拘束解除状態との間の切り替えを実行する信号を出力する前に検出される各種信号により図3のステップS1の条件を満たすか否かを判断してもよい。
本発明の第1の形態に係る車両の動力伝達装置のスケルトン図。 ゲート式シフトパターンの図。 本発明に係る電子制御装置の制動力制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 本発明の第2の形態に係る車両の動力伝達装置のスケルトン図。 直線式シフトパターンの図。
符号の説明
1A、1B 車両の動力伝達装置
5 第2モータ・ジェネレータ
7 車輪側出力軸
8A、8B 変速機構
9 パーキング機構
10 シフト操作装置(シフト操作手段)
11 電子制御装置(予測手段、制動力制御手段)
12 トランスミッションケース(固定部材)
13 車輪
14 パーキングギア
15 パーキングポール(拘束部材)
18 シフト位置センサ(予測手段)
20 パーキングレンジ
B81 第1ブレーキ(制動手段)
B82 第2ブレーキ(制動手段)
S82 第2サンギア(伝達要素)
R8 リングギア(伝達要素)
B33 ブレーキ(制動手段)
S30 サンギア(伝達要素)

Claims (4)

  1. 車輪側出力軸と、
    回転電機と、
    前記回転電機と前記車輪側出力軸との間に介在し、前記回転電機の動力を前記車輪側出力軸に伝達する変速機構と、
    前記車輪と前記回転電機との間の動力伝達経路内に設けられたパーキングギアを拘束部材で拘束して前記車輪を制動する拘束状態と、前記パーキングギアに対する前記拘束部材の拘束を解除する拘束解除状態との間で切り替え可能なパーキング機構と、を備え、
    前記変速機構には、前記回転電機と前記車輪側出力軸との間の動力伝達に関与する伝達要素を、車体側の固定部材に対して所定の制動力にて制動する制動状態と前記固定部材に対する伝達要素の制動を解除する制動解除状態との間で切り替えて当該変速機構の動作を変化させる制動手段が設けられた車両の動力伝達装置において、
    前記パーキング機構の前記拘束状態と前記拘束解除状態との間の切り替え動作を予測する予測手段と、
    前記予測手段による前記切り替え動作の予測に応答して、前記制動手段の制動力を前記所定の制動力よりも低下させる制動制御手段と、
    を備えた車両の動力伝達装置。
  2. 前記変速機構は、前記制動手段として、いずれか一方を制動状態にすることで変速比の切り替えを行う少なくとも2つの第1ブレーキと第2ブレーキとを備え、
    前記制動制御手段は、前記第1ブレーキ及び前記第2ブレーキの少なくともいずれか一方の制動力を前記所定の制動力よりも低下させる請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 前記パーキング機構は、前記パーキングギアが前記車輪と前記変速機構との間の動力伝達経路内に設けられている請求項1又は2に記載の車両の動力伝達機構。
  4. パーキングレンジを含む複数のレンジ間で切り替え操作可能なシフト操作手段をさらに具備し、
    前記パーキング機構は、前記シフト操作手段による前記パーキングレンジへの切り替え操作に応答して前記拘束状態に切り替えられ、前記シフト操作手段による前記パーキングレンジ以外のレンジへの切り替え操作に応答して前記拘束解除状態に切り替えられ、
    前記予測手段は、前記パーキングレンジと前記パーキングレンジ以外のレンジとの間の前記シフト操作手段の切り替え操作を検出することにより前記パーキング機構の前記切り替え動作を予測する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の動力伝達機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013145102A1 (ja) * 2012-03-26 2015-08-03 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP2017089893A (ja) * 2015-11-12 2017-05-25 本田技研工業株式会社 制御装置

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