JP2009257586A - 回転素子ベアリングのための能動的予負荷制御 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変動下における、組み合わせ回転素子ベアリングシステムの予負荷を制御する方法および装置が開示される。
【解決手段】1つまたは複数のスペーサ123が、組み合わせ回転素子ベアリングの外側リング105、109または内側リング107、111に隣接して配置される。この1つまたは複数のスペーサ123は、スペーサ123の軸方向の寸法を増加または減少させるために、加熱または冷却される。スペーサ123の軸方向の寸法の変化は、組み合わせ回転素子ベアリングシステムの予負荷を変化させる。システムの予負荷は、組み合わせ回転素子ベアリングシステム上に配置された1つまたは複数のセンサからの入力を受けとることにより見積もることができる。このセンサは温度センサまたは力変換器である。
【選択図】図1A
【解決手段】1つまたは複数のスペーサ123が、組み合わせ回転素子ベアリングの外側リング105、109または内側リング107、111に隣接して配置される。この1つまたは複数のスペーサ123は、スペーサ123の軸方向の寸法を増加または減少させるために、加熱または冷却される。スペーサ123の軸方向の寸法の変化は、組み合わせ回転素子ベアリングシステムの予負荷を変化させる。システムの予負荷は、組み合わせ回転素子ベアリングシステム上に配置された1つまたは複数のセンサからの入力を受けとることにより見積もることができる。このセンサは温度センサまたは力変換器である。
【選択図】図1A
Description
本発明は、概ね回転素子ベアリングの予負荷を制御する方法および装置に関する。より詳細には、本発明は、所望の予荷重を得るために、予負荷を監視して回転素子ベアリングの空間サイズを調整することにより、回転素子ベアリングの予負荷を能動的に制御することに関する。
回転素子ベアリングは様々な分野で用いられている。ベアリングはしばしば予め負荷が与えられ、これは、ベアリング上への軸方向の力の適用を必要とする。この予負荷は、ベアリングが受け入れ可能な硬さを維持し、摩擦、熱膨張、または公差による軸方向の空隙または他の僅かな不整合が存在するときの振動やノイズを最小化する。
適切なレベルの予負荷は、ベアリングの疲労寿命を増加させ、システムの堅牢さの予測可能なレベルを与え、高加速度でのボールのすべりを制御し、また、繰り返しの消耗を減らすことができ得る。しかし、予負荷のレベルが大きすぎたり小さすぎたりすると問題が生じ得るので、所望の予負荷レベルを維持することが重要である。予負荷のレベルが大きすぎるとベアリングに問題が生じ、たとえば、ベアリングの疲労が高レベルになり、寿命が短くなる、ノイズを増加させる、トルクレベルが増加する等の問題が生じる。予負荷レベルが小さすぎると、ベアリングは、ベアリング素子の振動により磨り減って消耗し得る。それゆえ、それぞれのベアリングの操作条件の全範囲にわたって、各ベアリングの予負荷のレベルを許容範囲に維持することが重要である。
適切なレベルの予負荷は、ベアリングの疲労寿命を増加させ、システムの堅牢さの予測可能なレベルを与え、高加速度でのボールのすべりを制御し、また、繰り返しの消耗を減らすことができ得る。しかし、予負荷のレベルが大きすぎたり小さすぎたりすると問題が生じ得るので、所望の予負荷レベルを維持することが重要である。予負荷のレベルが大きすぎるとベアリングに問題が生じ、たとえば、ベアリングの疲労が高レベルになり、寿命が短くなる、ノイズを増加させる、トルクレベルが増加する等の問題が生じる。予負荷レベルが小さすぎると、ベアリングは、ベアリング素子の振動により磨り減って消耗し得る。それゆえ、それぞれのベアリングの操作条件の全範囲にわたって、各ベアリングの予負荷のレベルを許容範囲に維持することが重要である。
航空機や宇宙船工業のような多くの応用において、システム構成部品はできるだけ軽量であることが望まれる。ベアリングはしばしば、軽量であるが耐久力のあるアセンブリ構成への要求を満たすために異なるタイプの材料から構成される。たとえば、鋼鉄のリングとセラミックの回転素子とを有するハイブリッドベアリングが開発されてきた。鋼鉄は回転素子ベアリングのリングに用いられる。これは、回転素子ベアリングのリングは典型的には、シャフトに嵌入衝突のときに、引張応力を受けるからである。ベアリングの回転素子は、ベアリングリングのような引張応力は受けず、よい圧縮特性を備える軽量の材料で構成することができる。これらの回転素子を構成するのに用いられる1つの材料は、軽量であり、耐久力があり、低回転摩擦を備えるセラミック材料である。
ベアリング素子に2つの異なるタイプの材料を用いることは、寿命を延ばしシステムの総重量を低減するのに有益である。しかし、これらの回転素子は広範囲な操作温度範囲で動作し、材料が異なる熱膨張率を備えるので問題が生じ得る。たとえば、鋼鉄は5.6μin/in*°Fの熱膨張係数(CTE)を持ち、一方、セラミック回転素子はより低い約1.6μin/in*°FのCTEを備える。この熱膨張率の違いは、ベアリングの操作温度が変化したときに予負荷を変化させる原因となる。たとえば、宇宙で使用されるように設計されたベアリング素子は、180°Fから−65°Fの範囲の操作温度を備え得る。大きな温度変化の下で操作されるシステムにとって、ベアリングリングとベアリング回転素子との熱膨張率の差による予負荷の変化により問題が生じ得る。
受動的に予負荷を制御する方法は開発されており、たとえば米国特許第61357641号明細書に開示されている。しかし、これらの方法は、ベアリングの予負荷を制御するのに解析的な予測に基づいている。
それゆえ、ハイブリッド回転素子ベアリングのための予負荷レベルを制御する改良された方法への需要がある。
様々な温度の下での組み合わせ回転素子ベアリングシステム(duplex rolling element bearings system)の予負荷を制御するための方法および装置が説明される。組み合わせ回転素子ベアリングシステムは、予負荷が与えられる2つの回転素子ベアリングを備えることができる。異なる熱膨張係数を備える1つまたは複数のスペーサは、組み合わせ回転素子ベアリングのリングの間に配置され得る。この1つまたは複数のスペーサを、スペーサの軸方向の寸法を増加または減少させるために加熱または冷却することができる。スペーサの軸方向の寸法を変化させることにより、システムの予負荷を制御し得る。
システムの予負荷は、組み合わせ回転素子ベアリングシステム上に配置された1つまたは複数のセンサからの入力を受け取ることにより見積もることができる。この1つまたは複数のセンサは温度センサまたは力変換器とすることができる。システムの予負荷を検出して1つまたは複数のスペーサを加熱または冷却することにより、組み合わせ回転素子ベアリングシステムの温度の関数として、予負荷の変化にわたって高度の制御を達成することができる。
システムの予負荷を制御することにより、システム上の応力が減少されうる。システムの疲労、トルクの引きずり、ノイズもまた減少され得る。それゆえ、回転素子ベアリングシステムの部品の寿命を伸ばすことが期待できる。さらに、回転素子ベアリングシステムの部品は、低いレベルのシステム応力にさらされるので、部品をより軽量に設計できるようになり得る。これは、組み合わせ回転素子ベアリングシステムが導入されるシステムのより高い効率を提供し得る。また、これは、システム全体が軽量であることを要求する航空機または宇宙船に利益を与える。
本方法および装置は、回転素子ベアリングシステムの様々な異なる構成に用いることができ、たとえば、正面対合組み合わせベアリング(dual face-to-face bearings)、背面対合組み合わせベアリング(dual back-to-back bearings)、その他の組み合わせベアリング構成に利用できる。本方法および装置は、中心軸の周りを回転する内側リングまたは外側リングにおけるシステムに用いることができる。
システムの予負荷を制御するために様々な制御方法を採用することができる。予負荷制御システムは、組み合わせ回転素子ベアリングシステムが組み込まれる装置に搭載されるコンピュータに統合することができ、また、回転素子ベアリングシステムに専用の制御カードとすることができ、また、リレーおよびスイッチから構成することもできる。
これらは他の側面および利点とともに、以下の詳細の説明を添付図面とともに参照することにより、本技術分野の当業者に明らかになるであろう。また、この概要は単に説明のためのものであり、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。
以下に好ましい実施形態が添付図面とともに説明される。添付図面において、同様の符号は同様の要素を示している。
回転素子ベアリングの予負荷を制御するための改良された装置および方法が説明される。本方法および装置は、少なくとも1つのスペーサを回転素子ベアリングのリングに沿って提供することを含み、回転素子ベアリングでは、2つのベアリングが互いに予負荷が与えられる。この1つまたは複数のスペーサは、様々な操作温度での所望のベアリングの予負荷のレベルを維持するのに必要なだけ、加熱および冷却される。予負荷は、予負荷の経路中の温度センサまたは力センサに基づいて予測される。
図1Aは予負荷が与えられたベアリングシステム100の断面を示している。ベアリングは回転軸137の周りを回転する。ベアリングは回転軸137の周りに対称に配置される。第1のベアリングは第1の内側リング107、第1の外側リング105、および複数の回転素子113を備える。第2のベアリングは、第2の内側リング111、第2の外側リング109、および複数の回転素子113を備える。回転素子113により、回転軸137の周りでの外側リング105、109に対する内側リング107、111の回転が可能になる。内側および外側のリング105、107、109、111は、鋼鉄から形成できる。リング105、107、109、111に使用できる1つの種類の鋼鉄は、440鋼鉄であり、約5.6μin/in/°FのCTEを備える。回転素子113は低いCTEを備えるセラミック材料から形成することができ、たとえば1.6μin/in/°FのCTEを備えるシリコン窒化物から形成できる。リング105、107、109、111と回転素子113は大きく異なるCTEを備えるので、これらのベアリングの予負荷は温度の関数として大きく変化する。
第1のおよび第2のベアリングは、1組の組み合わせ予負荷ハイブリッド回転素子ベアリングとすることができる。この第1および第2のベアリングは、正面対正面(DF)組み合わせ回転素子ベアリングまたは背面対背面(DB)組み合わせ回転素子ベアリングとすることができ、あるいは、他のタイプの組み合わせ予負荷ハイブリッド回転素子ベアリングとすることができる。
組み合わせベアリングは、本技術分野において周知の様々な方法で、ともに予負荷を与えることができる。たとえば、DFベアリングは外側リング105、109の両方の外側面に相対的に内側の力を与えることにより予負荷を与えることができる。これは、外側リング105、109の外側面にクランプ力を与えることにより達成でき、または、内側リング107、111の外側リング105、109に対する外側への変位を提供するために、スペーサを内側リング107、111の間に挿入することにより達成でき、または、外側リング105、109の内側リング107、111に対する内側への変位を提供するために、スペーサを外側リング107、111の少なくとも1つの外側面に沿って配置することにより達成でき、または、本技術分野で知られた他の方法により達成することができる。DF構成においてベアリングに予負荷を与えることにより、回転素子113は、図1Aに示されるDF予負荷ライン139に沿って予負荷が与えられる。
図1Bを参照すると、予負荷ベアリングシステム101はDBベアリングを備え、これは、相対的に内側に向かう力を内側リング107、111の両方の外側面に与えることにより予負荷が与えられる。これは、内側リング107、111の外側面にクランプ力を与えることにより達成でき、または、外側リング105、109に内側リング107、111に対する外側への変位を提供するために、スペーサを外側リング105、109の間に挿入することにより達成でき、または、内側リング107、111の外側リング105、109に対する内側への変位を提供するために、スペーサを内側リング107、111の少なくとも1つの外側面に沿って配置することにより達成でき、または、本技術分野で知られている他の方法により達成できる。DB構成においてベアリングに予負荷を与えることにより、回転素子113は、図1Bに示されるDB予負荷ライン141に沿って予負荷が与えられる。
図1A、1B、3−9のシステムのそれぞれは、当業者に知られた組み合わせ回転素子ベアリングに予負荷を与える任意の方法により予負荷を与えることができ、組み合わせ回転素子ベアリングに予負荷を与える何らの特定の方法に制限されるべきではない。
宇宙環境においては、予負荷ベアリングシステム101は極端な温度変動にさらされ得る。これは、約−65°Fから180°Fの範囲であり得る。予負荷が与えられるベアリングシステム101の部品は異なるCTEを備えるので、これらの部品は異なる割合で膨張および収縮し得る。これらの異なる膨張率および収縮率は、部品のアライメントを変化させる原因となり、予負荷ベアリングシステム101に追加的な応力を与えることになり得る。さらに、異なる膨張率および収縮率は、予負荷ベアリングシステム101の予負荷を変化させ、これは、前述の不適切な予負荷に関する問題を生じさせる原因となり得る。
再び図1Aを参照すると、予負荷ベアリングシステム101は、シャフト103とともに回転する固定された外側リングおよび内側リングを備える。
ベアリングカートリッジ121が第1および第2のベアリングの周りに配置されてもよい。第1および第2のベアリングは、外側リング105、109がベアリングカートリッジ121の内側に配置されるように取り付けることができる。ベアリングカートリッジ121は、ベアリングカートリッジ121の本体から回転軸137に垂直な方向に延びるベアリングカートリッジ突出部139を備えることができる。外側リング105、109は、僅かな隙間を備える嵌合により取り付けることができる。外側リングクランプナット117は、第2の外側リング109の外側面とベアリングカートリッジ121との間に配置することができる。外側リングクランプナット117は、ベアリングカートリッジ突出部139とともに、第1および第2のベアリングをベアリングカートリッジ121内に固定するのを支援し、外側リング105、109のベアリングカートリッジ121に対する軸方向の移動を防止する。ベアリングカートリッジ121に対する外側リング105、109の半径方向の運動は、外側リングクランプナット117とベアリングカートリッジ突出部との間に作用するクランプ力により防止できる。
ベアリングカートリッジ121が第1および第2のベアリングの周りに配置されてもよい。第1および第2のベアリングは、外側リング105、109がベアリングカートリッジ121の内側に配置されるように取り付けることができる。ベアリングカートリッジ121は、ベアリングカートリッジ121の本体から回転軸137に垂直な方向に延びるベアリングカートリッジ突出部139を備えることができる。外側リング105、109は、僅かな隙間を備える嵌合により取り付けることができる。外側リングクランプナット117は、第2の外側リング109の外側面とベアリングカートリッジ121との間に配置することができる。外側リングクランプナット117は、ベアリングカートリッジ突出部139とともに、第1および第2のベアリングをベアリングカートリッジ121内に固定するのを支援し、外側リング105、109のベアリングカートリッジ121に対する軸方向の移動を防止する。ベアリングカートリッジ121に対する外側リング105、109の半径方向の運動は、外側リングクランプナット117とベアリングカートリッジ突出部との間に作用するクランプ力により防止できる。
ベアリングカートリッジ121は、複数の固定具129によりハウジング119に接続できる。
内側リング107、111はシャフト103の周りに嵌められる。内側リング107、11は、圧縮嵌合(press-fit)、干渉嵌合(interference fit)、または線対線接触嵌合(line-to-line contact fit)によりシャフトに嵌合させることができ、あるいは本技術分野で知られている任意の方法で嵌合させることができる。典型的には、内側リング107、111は、シャフト103に取り付け温度で嵌合させることができ、これは約55°Fから80°Fの範囲である。シャフト103に対する内側リング107、111の半径方向の運動を防止するように、内側リング107、111はシャフトに嵌められる。内側リング107、111は、シャフトナット115およびシャフトの突出部103により、共にシャフト103に対してきつくクランプされる。
内側リング107、111はシャフト103の周りに嵌められる。内側リング107、11は、圧縮嵌合(press-fit)、干渉嵌合(interference fit)、または線対線接触嵌合(line-to-line contact fit)によりシャフトに嵌合させることができ、あるいは本技術分野で知られている任意の方法で嵌合させることができる。典型的には、内側リング107、111は、シャフト103に取り付け温度で嵌合させることができ、これは約55°Fから80°Fの範囲である。シャフト103に対する内側リング107、111の半径方向の運動を防止するように、内側リング107、111はシャフトに嵌められる。内側リング107、111は、シャフトナット115およびシャフトの突出部103により、共にシャフト103に対してきつくクランプされる。
スペーサ123は、第1のベアリングの外側リング103と第2のベアリングの外側リング109との間に配置される。スペーサ123が、ベアリングリング103、105、107、109のCTEと類似のCTEを備える材料から形成することができる。スペーサ123は、スペーサ123に接触する部品への熱の移動量を低減するために、低い熱伝導率を備える。スペーサ123に接触する部品への熱移動の量を低減することにより、予負荷に影響を与えるための、スペーサ123に与える熱量またはスペーサ123から取り除く熱量を小さくすることができる。スペーサ123に用いることができる1つのタイプの材料は鋼鉄であり、これは、約7−9.6μin/in/°Fの高いCTE、および、約8−10btu−ft/hr/ft2/°Fの低い熱伝導率を備える。
負荷センサ127を第1の外側リング105とベアリングカートリッジ突出部139との間に取り付けることができる。負荷センサ127は、第1の外側リング105とベアリングカートリッジ突出部139との間に作用する力を測定することができ、予負荷ベアリングアセンブリ101内の予負荷量を見積もるために用いることができる。負荷センサ127は、任意のタイプの負荷センサとすることができる。理想的には、負荷センサ127は、円形力変換器(circular force transducer)である。負荷センサ127の出力は、以下に図10と共に説明される制御装置またはスイッチに接続される。負荷センサ127からの出力の関数として組み合わせベアリングシステムの予負荷を見積もる方法は本技術分野において知られている。
代替的に、図1A、1B、および図2−5の組み合わせベアリングシステムの予負荷を見積もるために温度センサを用いてもよい。組み合わせベアリングシステム101の予負荷は外側リング105、109、スペーサ123、および内側リング107、111の温度を検出することにより見積もることができる。多くのシステムでは、組み合わせベアリングシステム101の予負荷を、外側リング105、109およびスペーサ123の温度を検出して見積もることが許容される。温度センサは図1A、1Bおよび図3−9には示されていないが、温度センサを取り付ける方法は本技術分野において知られている。温度センサが少なくともスペーサ123および外側リング105、109の温度を測定するために存在するならば、負荷センサ127は、システムの予負荷を十分に見積もるのに必ずしも必要ではない。組み合わせベアリングシステムの予負荷を、回転素子ベアリングのリングおよびスペーサからの出力温度の関数として見積もる方法は本技術分野で知られている。
熱伝導性取付部131は、ベアリングカートリッジ121とハウジング119との間に配置される。熱伝導性取付部131は、高い熱伝導率を備える任意のタイプの材料から形成することができる。熱伝導性取付部131は、任意の形状および任意の寸法とすることができる。熱伝導性取付部131はベアリングカートリッジ121内に配置される開口を通る。ベアリングカートリッジ121からの熱は、熱伝導性取付部131に対流的に伝達されないので、ベアリングカートリッジ121に接触しない熱伝導性取付部131は、効率的な熱伝導を提供する。
熱伝導性取付部131の一部は、スペーサ123と熱的に連通する。熱伝導性取付部の反対側の部分は、熱電対(thermoelectric coupling;TEC)133に熱連通する。TEC133は、任意のタイプの熱電装置である。TEC133は、ペルチェ効果を用いることができ、これによりTEC133が熱伝導性取付部131に熱を伝達し、または熱伝導性取付部131から熱を吸収する。TEC133に電圧が与えられると、TECは温度差を形成する。TEC133に与える電圧の符号を変化させることにより、スペーサ123への熱移動またはスペーサ123からの熱移動の方向が変化する。従って、TEC133に与える電圧を変化させることにより、スペーサ123を加熱または冷却することができる。スペーサ123を加熱または冷却することにより、スペーサの軸方向の寸法が変化し、予負荷ベアリングシステム101の予負荷を変化させる。TECに与えられる電圧は、制御装置またはスイッチにより制御され、これは図10と共に以下で説明する。
内側スペーサ125は、第1のベアリングの内側リング107と第2のベアリングの内側リング111との間に配置される。内側スペーサ125は、外側リング105、109の間に取り付けられるべきスペーサ123のための空間を提供するために、第1のベアリングの内側リング107と第2のベアリングの内側リング111との間に配置できる。内側スペーサは任意の材料から形成できるが、予負荷ベアリングシステム101の予負荷に影響を与える温度の変化による内側スペーサ125の膨張および収縮の効果を低減できるように、低CTEの材料から形成されるのが好ましい。内側スペーサ125に用いることができる1つのタイプの材料は、インバール(Invar)(商標)であり、これは0.5μin/in/°Fより小さいCTEを備える。代替的に、内側スペーサ125は、ベアリング105、107、109、111のCTEと類似の特性を備える材料から形成してもよい。
図2は、代替実施形態を示している。予負荷ベアリングシステム102は、図1A,1Bに示される内側スペーサ125を備えていない。外側リング105、109は、内側リング107、111に対して挿入部を備える。この外側リング105、109上の挿入部は、スペーサ123が位置する空間を形成することができる。外側リング105、109の挿入部は、外側リング105、109の一部を機械切削することにより形成することができる。この予負荷ベアリングシステム102は、システム100、101と比べて、総体として小さなベアリング幅を提供することができる。さらに、内側スペーサ125がないので、熱伝導モデルおよび応力モデルの正確性を増強することができる。
図3を参照すると、TEC133が熱電対(thermocouple)135に交換されている。熱電対135は、高熱伝導率を備える材料から形成することができる。熱電対135は、熱伝導性取付部131と同一の材料としてもよい。熱電対135は、スペーサ123よりも高いまたは低い温度を備えるハウジング119の外側に位置する領域と熱連通することができる。熱伝導性取付部131および熱電対135を通じて、熱はスペーサ123へまたはスペーサ123から移動できる。熱移動は、制御装置またはスイッチにより制御でき、これは図10と共に以下で説明される。
図4を参照すると、スペーサ123は2つの外側スペーサ403、405により交換される。外側スペーサ403、405は、スペーサ123と同一の材料から形成できる。外側スペーサ403、405はそれぞれ、熱伝導性取付部131に熱連通している。熱伝導性取付部は、TEC133と接触できる。TEC133は、図1A、1Bで説明したものとすることができる。
図5を参照すると、外側スペーサ403、405を加熱するために、抵抗性加熱素子503が、熱伝導性取付部131およびTEC133の所定位置に用いられる。これらのシステムにおいて、抵抗性加熱素子503は、図1A、1B、図3−4のTEC133の低価格な代替物を提供する。図5において、負荷センサ127は、ベアリングカートリッジ121と抵抗性加熱素子503との間に配置される。
図6を参照すると、予負荷ベアリングシステム110は、固定シャフト、固定内側リング、回転軸137の周りでハウジング119とともに回転する外側リングを備える。シャフト103は固定されているので、内側リング107、111は固定される。制御部および接続部は、固定されるベアリング機構の側部上で、より容易に達成される。従って、スペーサ603、熱伝導性取付部131、TEC133、および負荷センサ127は、予負荷ベアリングシステムの110の内側リング側に配置することができる。スペーサ603は内側リング107、111の間に配置することができる。スペーサ603は、図1A、1B、図3−5で説明したスペーサ123と同様の材料で形成することができる。負荷センサ127は、内側リング107とシャフト103との間に配置することができる。熱伝導性取付部131およびTEC133はシャフト103内に配置することができる。シャフト103は中空にすることができ、熱伝導性取付部131およびTECはシャフト103内に延びることができる。負荷センサ127とTEC133との間の接続部もまたシャフト103内に配置することができる。この接続部は図6には図示されていないが、これらの接続部を形成する方法は本技術分野において知られている。予負荷ベアリングシステム110の部品は、図1Aで説明したのと同様に機能する。
代替的に、図6−9の組み合わせベアリングシステムの予負荷を見積もるために、温度センサを用いることができる。組み合わせベアリングシステム101の予負荷は、外側リング105、109、スペーサ603、および内側リング107、111の温度を検出することにより見積もることができる。多くのシステムにおいて、内側リング107、111、およびスペーサ603の温度を検出することにより、組み合わせベアリングシステム101の予負荷を見積もることを許容できる。図1A、1B、図3−9には、温度センサは図示されていないが、温度センサを組み合わせベアリングシステムに取り付ける方法は、本技術分野で知られている。温度センサが、少なくともスペーサ603および内側リング107、111の温度を測定するために存在するならば、予負荷センサ127は、システムの予負荷を十分に見積もるためには必ずしも必要ではない。
図7を参照すると、抵抗性加熱素子503がスペーサ603を加熱するのに用いられる。いくつかのシステムでは、抵抗性加熱素子503は、図1A、1B、3−4、6、8のTEC133の低価格な代替物を提供する。負荷センサ127はベアリングカートリッジ121と抵抗性加熱素子503との間に配置できる。代替的に、図6で説明したように、少なくとも内側リング107、111およびスペーサ603上に温度センサを配置することにより、予負荷を見積もるために温度センサを用いてもよい。
図8を参照すると、内側リング107、111の外面上に配置されたスペーサ803が、予負荷ベアリングシステム114の予負荷を制御するのに用いられる。熱は、図1Aで説明したように、熱伝導性取付部131を介してTEC133により、内側スペーサ803の内側に、およびそこから移動する。予負荷センサ127は、シャフト103とスペーサ803との間に配置できる。代替的に、図6で説明したように、温度センサを少なくとも内側リング107、111、およびスペーサ803上に配置することにより、予負荷を見積もるために温度センサを用いることができる。
図9を参照すると、抵抗性加熱素子503がスペーサ803を加熱するのに用いられる。多くのシステムにおいて、スペーサ803に熱を加えることだけが必要である。これらのシステムにおいて、抵抗性加熱素子503は、図1A、1B、3−4、6、8のTEC133の低価格な代替物を提供する。負荷センサ127は、シャフト103と抵抗性加熱素子503との間に配置できる。代替的に、図6で説明したように、温度センサを少なくとも内側リング107、111およびスペーサ803上に配置することにより、予負荷を見積もるために温度センサを用いることができる。
図10は、組み合わせベアリングシステムの予負荷を制御する方法の例を示している。センサ入力1001は、1つまたは複数の負荷センサまたは温度センサからの入力とすることができる。制御装置1003は、予負荷ベアリングシステムの制御に専用のカード式制御装置とすることができる。代替的に、制御装置1003は、予負荷ベアリングシステムが取り付けられる装置の搭載コンピュータまたはスイッチ装置とすることもできる。熱伝導機構1005は、図1A、1B、3−9で述べたように、TEC、熱電対、または抵抗性加熱素子とすることができる。制御装置1003は、制御ロジックを含み、この制御ロジックにより、制御装置1003は、センサ入力1001に基づいて予負荷を決定し、熱伝達システムに、予負荷を制御するために必要な、熱をスペーサに移動させるため、または熱をスペーサから移動させるための信号を送る。代替的に、制御装置1003の制御ロジックは、センサ入力1001が所定の設定値よりも高いまたは低いときに、熱移動を開閉するスイッチまたは複数のスイッチシステムとすることができる。制御装置1003は、センサ入力1001を受け取ることができる。その後、制御装置1003は、熱をスペーサに移動させる、または熱をスペーサから移動させるために、所定の制御ロジックに従って、熱伝達機構1005に信号を送る。
予負荷ベアリングシステム100、101、102、104、106、108、110、112、114は、温度の変動による予負荷の変化を低減させるように機能する。予負荷を負荷センサまたは温度センサにより直接見積もることができ、また、スペーサをセンサの出力に基づいて加熱または冷却するので、このシステムは、広い温度範囲にわたる予負荷の改良された制御を提供する。さらに、予負荷は直接制御されるので、ベアリングの予負荷の変動範囲が小さくなり、最大予負荷が低減される。最大予負荷が小さくなるので、ベアリング部品上の応力も小さくなる。それゆえ、ベアリングがより小さな範囲のベアリング予負荷応力を受けることになるので、ベアリングの、寸法、コスト、重量を小さくできる。さらに、ベアリング予負荷制御は、ベアリング引きずりトルクを改良し、ベアリングの疲労応力を小さくする。
説明された実施形態は、単に説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するためのものではないことを理解されたい。特許請求の範囲は、特に明示されていない限り、説明された順序または要素に限定して読まれるべきではない。添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨およびその均等物の範囲内のあらゆる実施形態が、本発明として請求されている。
Claims (3)
- 予負荷が与えられる組み合わせベアリングシステム(100)の予負荷を制御するための装置であって、
前記装置はシャフト(103)を有し、回転軸(137)が前記シャフトの軸に沿って位置し、
前記装置は複数の回転素子ベアリングを備え、前記回転素子ベアリングはそれぞれ、
内側リング(107、111)と、
外側リング(105、109)と、
複数の回転素子(113)とを有し、前記外側リングおよび内側リングの一方は、前記回転軸の周りを回転し、
前記装置は、少なくとも1つのスペーサ(127)と、
少なくとも1つのスペーサ(123)とを有し、前記少なくとも1つのスペーサは、前記外側リングまたは前記内側リングに隣接し、
前記装置は制御ロジックを備える制御装置(1003)を有し、前記制御装置は、少なくとも1つのセンサから少なくとも1つの入力を受け取り、前記制御装置は、前記少なくとも1つのセンサからの前記少なくとも1つの入力に基づいて、少なくとも1つの出力を送出し、
前記装置は熱伝導機構(1005)を有し、前記熱伝導機構は、前記制御装置の出力を受け取ると、前記少なくとも1つのスペーサへ、または前記少なくとも1つのスペーサから、熱を移動させる、装置。 - 請求項1に記載の装置であって、前記熱伝導機構は、
少なくとも1つの熱伝導性取付部(131)を有し、前記少なくとも1つの熱伝導性取付部は熱伝導性材料から形成され、前記少なくとも1つの熱伝導性取付部は、前記少なくとも1つのスペーサに熱的に連通しており、
前記熱伝導機構は、前記少なくとも1つの熱伝導性取付部に熱連通する、少なくとも1つの熱電対(133)を有し、前記少なくとも1つの熱電対は、
熱電回路を有し、前記熱電回路は、第1の電圧を受け取ると、前記少なくとも1つの熱伝導性取付部から熱を移動させ、前記熱電回路は、第2の電圧を受け取ると、前記少なくとも1つの熱伝導性取付部へ熱を移動させ、前記第2の電圧は、前記第1の電圧と反対符号であり、前記第1の電圧および前記第2の電圧は、前記制御装置の前記少なくとも1つの出力に基づいて、前記熱電対に与えられる、装置。 - 請求項1に記載の装置であって、前記熱伝導機構は、
前記少なくとも1つのスペーサに熱連通する、少なくとも1つの抵抗性加熱素子(503)を有し、前記少なくとも1つの抵抗性加熱素子は、前記制御装置から前記少なくとも1つの出力を受け取ると、前記少なくとも1つのスペーサに熱を移動させる、装置。
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