JP2009265406A - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】面方向の輝度低下の抑制と視野角特性の向上とを両立させつつ、従来よりも表示画質を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】異方性散乱フィルム18において、面内方向(X−Y平面内の方向)の領域を、厚み方向(Z方向)から傾斜した四角柱状からなる複数の高屈折率領域18Hと、低屈折率領域18Lとから構成する。これにより、四角柱状の高屈折率領域18Hの傾斜方向に応じて、散乱された表示光が選択的に出射される。また、四角柱状の高屈折率領域18Hにおいて、矩形断面の一辺(X方向の一辺)が面光源160の発光面と略平行となるようにする。これにより、傾斜方向以外の方向からの入射光が散乱されず、入射角θを維持したまま出射される。したがって、従来と比べ、入射光の光量損失が低減する共に、散乱に起因した表示画像のぼけが抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、配光特性をもつ表示光を出射する表示装置、およびそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
有機EL(ElectroLuminescence)素子やLED(Light Emitting Diode)などの自発光素子を用いた表示装置や光源装置において、光利用効率を向上させるため、多重反射を用いた共振器構造や反射鏡を用いた構造が提案され、実現されている。しかしながら、このような構造を採用した場合、出力光の配光分布において指向性が強くなる場合が多く、このような配光特性は表示装置としては好ましいものではない。特に、斜め方向から見たときの輝度の急激な低下や色ずれ(視野角特性)などは、表示画質を著しく低下させる原因となる。
従来、このような視野角特性を改善する方法として、樹脂中にビーズを散布した拡散板や、凹凸形状の表面からなる散乱板を用いる方法などがある。これらは、入射光に対して、均一な作用(拡散作用または散乱作用)を与えるものである。したがって、視野角分布に対する均一性を上げるためには、ビーズもしくは凹凸形状表面に対して臨界角以上の光入射の割合を増やし、入射光にケラレが生じることが必要となる。
ところが、そのようにケラレを生じさせた場合には、臨界角以上の光入射の割合が増えるため、輝度低下が生じる。このような輝度低下は消費電力の増大や電流密度の上昇を引き起こすことから、表示装置や光源装置に対する負荷が増大してしまうことになる。
また、散乱作用が非常に強い拡散板や散乱板を表示装置に適用した場合には、その散乱作用が強いことに起因して、表示画像のぼけやにじみ、反射光の増大といった問題が新たに発生する。したがって、表示装置への適用を考えた場合、鮮明な映像を提供することが困難となってしまう。
一方、近年では、角度選択性を有する異方性散乱フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、フィルムの法線方向(厚み方向)に一定の屈折率をもつと共に、フィルムの面内方向に異なる屈折率の領域を設けるようにしたものである。このような面内方向の屈折率差により、全反射による散乱作用と透過作用とを生じさせ、上記した角度選択性を有するようになっている。
特開2007−249182号公報
上記特許文献1等で提案されている異方性散乱フィルムでは、従来の拡散板や散乱板と同様の多重反射による散乱作用に加え、面内方向の円柱形状の屈折率領域におけるレンズ効果によって、新たな散乱作用を与えている。ここで、このような円柱形状の屈折率領域におけるレンズ効果は、散乱作用という観点からは、非常に有効であると思われる。しかしながら、このような異方性散乱フィルムを表示装置に適用した場合、前述した拡散板や散乱板と同様に非常に強い画素ぼかしの効果が生じるため、鮮明な映像を提供することが困難となってしまうことになる。
なお、これまで述べたような問題は、自発光素子を用いた表示装置だけでなく、液晶素子などを用いた表示装置においても、同様に生じうるものである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、正面方向の輝度低下の抑制と視野角特性の向上とを両立させつつ、従来よりも表示画質を向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
本発明の表示装置は、各画素に配置された発光素子と、この発光素子の観察面側に配置され、角度依存の配光特性を有する発光素子からの入射光を散乱させるための異方性散乱層とを備えたものである。ここで、上記異方性散乱層では、面内方向の領域が、複数の高屈折率領域と、これら高屈折率領域よりも屈折率の低い低屈折率領域とから構成されている。また、上記高屈折率領域が、厚み方向から傾斜してなる四角柱状であると共に、この四角柱状の高屈折率領域における矩形断面の一辺が、発光素子の発光面と略平行となっている。
本発明の電子機器は、表示機能を有する上記表示装置を備えたものである。
本発明の表示装置および電子機器では、角度依存の配光特性を有する発光素子からの入射光が異方性散乱層において散乱され、表示光として出射される。ここで、この異方性散乱層では、面内方向の領域が、厚み方向から傾斜した四角柱状からなる複数の高屈折率領域と上記低屈折率領域とから構成されていることにより、入射光の入射方向に応じて、異方性散乱層では異なる作用がなされる。すなわち、四角柱状の高屈折率領域の傾斜方向からの入射光は、この高屈折率領域内で多重反射され、傾斜方向へ選択的に散乱された表示光となる。また、この傾斜方向以外の方向からの入射光は、高屈折率領域を通過して表示光となる。その際、四角柱状の高屈折率領域における矩形断面の一辺が発光素子の発光面と略平行となっていることにより、従来とは異なり、傾斜方向以外の方向からの入射光が高屈折率領域において散乱されず、入射角を維持したまま出射される。
本発明の表示装置または電子機器によれば、異方性散乱層において、面内方向の領域を、厚み方向から傾斜した四角柱状からなる複数の高屈折率領域と上記低屈折率領域とから構成するようにしたので、四角柱状の高屈折率領域の傾斜方向に応じて、散乱された表示光を選択的に出射させることができる。また、四角柱状の高屈折率領域における矩形断面の一辺が発光素子の発光面と略平行となるようにしたので、傾斜方向以外の方向からの入射光が散乱されずに入射角を維持したまま出射することができ、従来と比べ、入射光の光量損失を低減する共に、散乱に起因した表示画像のぼけを抑えることができる。よって、正面方向の輝度低下の抑制と視野角特性の向上とを両立させつつ、従来よりも表示画質を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置(有機EL表示装置1)の断面構成(Z−X断面構成)を表すものである。この有機EL表示装置1では、例えば、ガラスなどよりなる駆動用基板11の上に、後述する複数の発光部16R,16G,16Bがそれぞれ画素10R,10G,10Bにマトリクス状に配置されている。また、駆動用基板11の上には、映像表示用の画素駆動回路である信号線駆動回路や走査線駆動回路(図示せず)が形成されている。具体的には、駆動用基板11と対向基板15との間には、駆動用基板11側から、発光部16R,16G,16B、絶縁層12、保護層13、封止層14、カラーフィルタ層17R,17B,17Gおよびブラックマトリクス層BMが、この順に積層されている。また、対向基板15における駆動用基板11の反対側(観察面側)には、異方性散乱フィルム18(異方性散乱層)が一様に形成されている。
発光部16R,16G,16Bはそれぞれ、画素10R,10G,10Gに対応する領域に形成されており、赤色波長領域,緑色波長領域,青色波長領域の光を発する自発光型の発光素子(有機EL素子)により構成されている。図2は、この有機EL素子の断面構成(Z−X断面構成)を詳細に表したものである。有機EL素子は、駆動用基板11の側から、上述した画素駆動回路の駆動トランジスタ(図示せず)、ミラーとしての第1電極161、有機層である正孔注入層162、正孔輸送層163、発光層164および電子輸送層165、ならびにハーフミラーとしての第2電極166が、この順に積層された構造(共振器構造)となっている。このような共振器構造により、これら発光部16R,16G,16Bから発せられた光は、角度依存の配光特性を有するようになっている。
これらの有機EL素子は、窒化ケイ素(SiNx)などの保護層13により被覆され、更にこの保護層13上に封止層14を間にしてガラスなどよりなる対向基板15が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。なお、駆動トランジスタは、絶縁膜12に設けられた開口部12−1を介して第1電極161に電気的に接続されている。
第1電極161は、例えば、AgまたはAg合金にITO(インジウム・スズ複合酸化物)を積層した電極により構成されている。
発光部16R,16G,16Bにおける有機層は、上述したように、第1電極161の側から順に、正孔注入層162,正孔輸送層163,発光層164および電子輸送層165を積層した構成を有するが、これらのうち発光層164以外の層は、必要に応じて設ければよい。また、このような有機層は、有機EL素子の発光色によってそれぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層161は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層163、発光層164への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層164は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。この発光層164は、詳細は後述するように、電荷輸送性を有するホスト材料と、発光性を有するドーパント材料(ゲスト材料)とを含んでいる。電子輸送層165は、発光層164への電子輸送効率を高めるためのものである。なお、電子輸送層165と第2電極166との間に、例えば厚みが0.3nm程度であり、LiF,Li2 Oなどよりなる電子注入層(図示せず)を設けてもよい。
発光部16Rの正孔注入層162は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)により構成されている。発光部16Rの正孔輸送層163は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)により構成されている。発光部16Rの発光層164は、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、ホスト材料である9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(ADN)(ホスト材料)に、ドーパント材料である2,6≡ビス[4´≡メトキシジフェニルアミノ)スチリル]≡1,5≡ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合したものにより構成されている。発光部16Rの電子輸送層165は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、8≡ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3 )により構成されている。
発光部16Gの正孔注入層162は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、m−MTDATAあるいは2−TNATAにより構成されている。発光部16Gの正孔輸送層163は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、α−NPDにより構成されている。発光部16Gの発光層164は、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、ホスト材料であるADNに、ドーパント材料であるクマリン6(Coumarin6)を5体積%混合したものにより構成されている。発光部16Gの電子輸送層165は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、Alq3 により構成されている。
発光部16Bの正孔注入層162は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、m−MTDATAあるいは2−TNATAにより構成されている。発光部16Bの正孔輸送層163は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、α−NPDにより構成されている。発光部16Bの発光層164は、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、ホスト材料であるADNに、ドーパント材料である4,4´≡ビス[2≡{4≡(N,N≡ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%混合したものにより構成されている。発光部16Bの電子輸送層165は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、Alq3 により構成されている。
第2電極166は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。
絶縁層12は、駆動用基板11の表面を平坦化するためのものであり、例えば、ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2 )などの無機材料により構成されている。
保護層13は、発光部16R,16G,16B内の有機層に水分などが侵入することを防止するためのものであり、透過水性および吸水性の低い材料により構成されると共に十分な厚みを有している。また、保護層13は、発光層164で発生した光に対する透過性が高く、例えば80%以上の透過率を有する材料により構成されている。このような保護層13は、例えば、厚みが0.5μm〜7.0μm程度であり、無機アモルファス性の絶縁性材料により構成されている。具体的には、アモルファスシリコン(α−Si),アモルファス炭化シリコン(α−SiC),アモルファス窒化シリコン(α−Si1-x x )およびアモルファスカーボン(α−C)が好ましい。これらの無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを構成しないので透水性が低く、良好な保護層13となる。また、保護層13は、ITOのような透明導電材料により構成されていてもよい。
封止層14は、例えば熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂により構成されている。
対向基板15は、発光部16R,16G,16Bの第2電極166の側に位置しており、封止層14と共に発光部16R,16G,16Bを封止するものであり、発光部16R,16G,16Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。対向基板15には、例えば、カラーフィルタ層17R,17G,17Bが設けられており、発光部16R,16G,16Bで発生した光を取り出すと共に、発光部16R,16G,16Bならびにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するようになっている。この対向基板15にはまた、後述するブラックマトリクス層BMおよび異方性散乱フィルム18が設けられている。
カラーフィルタ層は、赤色フィルタであるカラーフィルタ層17R,緑色フィルタであるカラーフィルタ層17Gおよび青色フィルタであるカラーフィルタ層17Bにより構成されており、発光部16R,16G,16Bに対応して、各画素に配置されている。カラーフィルタ層17R,17G,17Bは、それぞれ例えば矩形形状で隙間なく形成されている。これらカラーフィルタ層17R,17G,17Bは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されており、顔料を選択することにより、目的とする赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
ブラックマトリクス層BMは、画素10R,10G,10B間に対応する領域に形成されており、画素10R,10G,10Bの表示領域を区画すると共に、各色の区域どうしの境界における外光の反射の防止および画素間の光漏れを防止し、コントラストを高めるためのものである。このブラックマトリクス層BMは、金属、金属酸化物および金属窒化物の薄膜層を積層したもの、または樹脂により構成されており、例えば、CrO(xは任意数)およびCrの積層からなる2層クロムブラックマトリクス、あるいは反射率を低減させたCrO、CrNおよびCr(x,yは任意数)の積層からなる3層クロムブラックマトリクスなどにより構成されている。
異方性散乱フィルム18は、角度依存の配光特性を有する発光部16R,16G,16B(有機EL素子)からの入射光を散乱させるためのフィルムである。ここで、図3(A)は、この異方性散乱フィルム18の詳細な断面構成(Z−X断面構成)を表したものである。また、図3(B)は、異方性散乱フィルム18の平面構成(X−Y平面構成)を表したものである。
この異方性散乱フィルム18は、図3(A)に示したように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)またはTAC(トリアセチルセルロース)などの材料よりなる支持部180上に、複数の散乱層が積層された構造となっている。具体的には、対向基板15側から支持部180側へ沿って、低角散乱層181A,181B、中間散乱層182A,182Bおよび高角散乱層183A,183Bの順に積層された6層構造となっている。
ここで、図4(A)は、各散乱層181〜183の詳細な断面構造(Z−X断面構造)を、発光部16R,16G,16Bによる面光源160と共に表したものである。また、図4(B)は、各散乱層181〜183の詳細な断面構造(X−Y断面構造)を面光源160と共に表したものである。
各散乱層181〜183では、例えば図4(B)に示したように、面内方向(X−Y平面内方向)の領域が、複数の高屈折率領域18H(例えば、屈折率が1.55〜1.80程度の屈折率領域)と、これら高屈折率領域18Hよりも屈折率の低い低屈折率領域18L(例えば、屈折率が1.52〜1.77程度の屈折率領域)とから構成されている。具体的には、X−Y平面内方向において、複数の高屈折率領域18Hが互いに接触しないようにマトリクス状に配置されると共に、これら高屈折率領域18Hの隙間に低屈折率領域18Lが配置されている。また、図4(A),図4(B)に示したように、高屈折率領域18Hは四角柱状であると共に、各散乱層181〜183の厚み方向(有機EL表示装置1の観察面の法線方向)に対し、傾斜角α(例えば、α=10°〜15°程度)の分だけ傾斜している。また、図4(B)に示したように、この四角柱状の高屈折率領域18Hにおける矩形断面の一辺(ここでは、X方向の一辺)が、面光源160の発光面と略平行となっている。なお、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける傾斜角αは、各散乱層181〜183への入射光の臨界角以下に設定されているのが好ましい。後述するように、この高屈折率領域18H内で入射光が全反射されることにより、効果的な散乱作用を生じさせることができるからである。このような構成により各散乱層181〜183では、詳細は後述するが、例えば図5に示したようなヘイズ特性を示すようになっている。すなわち、入射角が臨界角(ここでは、±15°)以下の光(例えば、図4(A)に示した光線L1)を、全反射による多重反射によって選択的に散乱させると共に、入射角が臨界角以上の光(例えば、図4(A),図4(B)に示した光線L2)を選択的に透過させるようになっている。
この異方性散乱フィルム18ではまた、前述の図3(A)に示した低角散乱層181A,181B、中間散乱層182A,182Bおよび高角散乱層183A,183Bのように、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける傾斜角αが、複数の散乱層ごとに互いに異なっている。具体的には、低角散乱層181A,181Bでは、傾斜角αが低角(例えば、α=0°〜10°程度)となり、中間散乱層182A,182Bでは、傾斜角αが中間角(例えば、α=8°〜20°程度)となり、高角散乱層183A,183Bでは、傾斜角αが高角(例えば、α=15°〜45°程度)となっている。なお、低角散乱層181A、中間散乱層182Aおよび高角散乱層183Aにおける傾斜方向は、例えば図3(B)中の矢印Paの方向(+X方向)となっている一方、低角散乱層181B、中間散乱層182Bおよび高角散乱層183Bにおける傾斜方向は、例えば図3(B)中の矢印Pbの方向(−X方向)となっている。また、このような傾斜角αは、面光源160の発光面側から有機EL表示装置1の観察面側となるのに従って、低角→中間角→高角のように、次第に大きくなるように設定されている。
ここで、このような異方性散乱フィルム18における各散乱層181〜183は、例えば以下のようにして形成される。すなわち、まず、各散乱層181〜183は、光硬化性化合物を含む組成物を硬化させてなることが好ましい。これによれば、異方性散乱フィルム18を簡便に製造することができるからである。
上記光硬化性化合物を含む組成物の形態としては、(A)光重合性化合物単独の形態、(B)光重合性化合物を複数混合して含む形態、(C)単独または複数の光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂とを混合して含む形態等が挙げられる。ここで、上記(A)および(C)の形態における単独の光重合性化合物は、光重合の前後で屈折率変化が大きいものが好ましい。また、上記(B)および(C)の形態における複数の光重合性化合物としては、硬化後の屈折率の異なる組み合わせが好ましい。更に、上記(C)の形態における光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂としては、各々の硬化後の屈折率が異なる組み合わせが好ましい。なお、上記屈折率変化および屈折率の差は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.10以上であることが更に好ましい。
また、上記光硬化性化合物は、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマーまたはモノマーの光重合性化合物(ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物)と光開始剤とを含み、紫外線及び可視光線を照射することで重合硬化する性質を有するものであることが好ましい。
上記カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基、ビニルエーテル基、および/または、オキセタン基を1個以上含有する化合物を用いることができる。上記分子中にエポキシ基を含有する化合物としては、ビスフェノールA、水添ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステル、ダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類等が挙げられる。更に、3,4−エポキシシクロヘキサンメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)−オキセタン等のオキセタン化合物、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル化合物等も用いることができる。
上記光重合性化合物は、上述したものに限定されない。また、充分な屈折率の差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入してもよく、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入してもよい。また、各散乱層181〜183での高屈折率化を図るため、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化錫(SnO)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面にアクリル基やエポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を光重合性化合物に添加することも有効である。
上記ラジカル重合性化合物を重合させることができる光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物を重合させることができる光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることができる化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が用いられ、これらの対イオンには、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロ砒素酸イオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )等のアニオンが用いられる。カチオン重合性化合物の光開始剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.01重量部以上、10重量部以下で配合されることが好ましい。上記光開始剤が、0.01重量部未満であると、光硬化性が低下するおそれがあり、10重量部を超えると、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下するおそれがあるからである。上記光開始剤は、光重合性化合物100重量部に対して、0.1重量部以上、7重量部以下で配合されることがより好ましく、0.1重量部以上、5重量部以下で配合されることが更に好ましい。
上記(C)の形態における光重合性を有しない高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂は、光重合の前には、光重合性化合物と充分な相溶性を有していることが必要であり、このような相溶性を確保するために、各種有機溶剤や可塑剤等を用いることも可能である。なお、光重合性化合物としてアクリレートを用いる場合、高分子樹脂は、相溶性の観点から、アクリル樹脂の中から選択されることが好ましい。
上記組成物を硬化させる方法としては、特に限定されないが、例えば、上記組成物を基体上にシート状に設け、これに所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射する方法が挙げられる。これにより、図4(A),図4(B)に示した形状の高屈折率領域18Hを形成することができる。
上記組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式(コーティング)や印刷方式を用いることができる。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスロールコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等の塗工方式や、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷方式を用いることができる。また、上記組成物の粘度が低い場合には、基体の周囲に所定の高さの構造物を設け、この構造物で囲まれた領域に液状の組成物を塗布する方法も用いることができる。
上記平行光線(紫外線等)を照射するために用いる光源としては、通常は、ショートアークの紫外線ランプが用いられ、具体的には、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射するために用いる装置としては、特に限定されないが、一定面積に均一な強度の平行紫外線を照射できるもので、市販装置の中から選択することが可能であるという観点から、レジスト露光用の露光装置を用いることが好ましい。なお、サイズが小さい散乱層を形成する場合は、紫外線スポット光源を点光源として、充分離れた距離から照射する方法も用いることが可能である。
上記組成物をシート状にしたものに照射される平行光線は、光重合性化合物を重合硬化することが可能な波長を含んでいることが必要であり、通常、水銀灯の365nmを中心とする波長の光線が用いられる。この波長帯の光線を用いて散乱層を形成する場合、照度は、0.01mW/cm以上、100mW/cm以下であることが好ましい。照度が0.01mW/cm未満であると、硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなるおそれがあり、100mW/cmを超えると、光重合性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、所望の異方散乱特性を発現できなくなるおそれがあるからである。上記照度は、0.1mW/cm以上、20mW/cm以下であることがより好ましい。
次に、本実施の形態の表示装置(有機EL表示装置1)の作用および効果について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
この有機EL表示装置1では、図示しない画素駆動回路から供給される駆動信号により、各発光部16R,16G,16Bにおける有機EL素子において、第1電極161および第2電極166の間に駆動電流が流れることにより、正孔と電子とが再結合し、発光層165において発光が起こる。この発光層165からの光は、第2電極16,保護層13,封止層14,カラーフィルタ層17R,17G,17Bおよび対向基板15を透過し、表示装置外部へ取り出される。これにより、駆動信号に基づいた映像表示がなされる。
その際、各発光部16R,16G,16Bが図2に示したような共振器構造であるため、各発光部16R,16G,16Bから発せられた光は、例えば図6に示したように、角度依存の配光特性を示すことになる。これにより、輝度の視野角依存性が大きくなるため、そのままではこの場合、例えば視野角が45°のときの輝度が、正面輝度(視野角が0°のときの輝度)の40%程度に低下してしまうことになる。
ここで、例えば図7(A),(B)に示した比較例1に係る従来の有機EL表示装置では、上記した角度依存の配光特性による輝度の視野角依存性を抑えるため、拡散板108が設けられている。この拡散板108では、低屈折率領域108L内に、真球状のビーズをなす高屈折率領域108Hがランダムに配置されている。このような拡散板108では、面光源106から入射光は、図7(A)に示したZ−X断面内(厚み方向)および図7(B)に示したX−Y平面内のいずれの方向においても、図中の光線L101,L102のように、屈折率差によるレンズ効果を多重に受けるため、散乱されることになる。これにより、その散乱作用に起因して、表示画像のぼけやにじみおよび輝度低下が生じるため、表示画質が劣化してしまうことになる。
一方、例えば図8(A),(B)に示した比較例2に係る従来の有機EL表示装置では、上記した角度依存の配光特性による輝度の視野角依存性を抑えるため、異方性散乱フィルム208が設けられている。この異方性散乱フィルム208では、図8(B)に示したように、フィルムの面内方向(X−Y平面内の方向)に、低屈折率領域208Lと高屈折率領域208Hとが形成されている。また、この高屈折率領域208Hは、低屈折率領域20L内でマトリクス状に配置されると共に、例えば図8(A)に示したように、厚み方向(Z方向)に対して傾斜角α201をなす円柱状となっている。このような異方性散乱フィルム208では、面内方向の屈折率差により、高屈折率領域208内での多重の全反射による散乱作用(図中の光線L201参照)と、透過作用(図中の光線L202参照)とが生じ、角度選択性を示す。すなわち、比較例1に係る拡散板108と同様の多重反射による散乱作用に加え、フィルム面内方向の円柱形状の高屈折率領域208Hにおけるレンズ効果によって、新たな散乱作用が生じている。しかしながら、このような異方性散乱フィルム208においても、比較例1に係る拡散板108と同様に、フィルム面内方向において、拡散作用に起因した強い画素ぼかしの効果および輝度低下が生じるため(図中の光線L202参照)、やはり表示画質が劣化してしまうことになる。
そこで本実施の形態の有機EL表示装置1では、例えば図4(A),(B)に示した散乱層181〜183からなる異方性散乱フィルム18が設けられている。具体的には、この異方性散乱フィルム18では、フィルム面内方向(X−Y平面内の方向)の領域が、厚み方向(Z方向)から傾斜した四角柱状からなる複数の高屈折率領域18Hと、低屈折率領域18Lとから構成され、これにより入射光の入射方向に応じて異なる作用がなされる。すなわち、四角柱状の高屈折率領域18Hの傾斜方向からの入射光(例えば、図中の光線L1)は、この高屈折率領域18H内で多重反射され、傾斜方向へ選択的に散乱された表示光となる。また、この傾斜方向以外の方向からの入射光(例えば、図中の光線L2)は、高屈折率領域18Hを通過して表示光となる。その際、高屈折率領域18Hが四角柱形状であると共にその矩形断面の一辺(ここでは、X方向の一辺)が面光源160の発光面と略平行となっているため、比較例1に係る拡散板108(高屈折率領域108Hがおよび比較例2に係る異方性散乱フィルム208(高屈折率領域208Hが円柱状)とは異なり、傾斜方向以外の方向からの入射光(例えば、図中の光線L2)が高屈折率領域18Hにおいて散乱されず、入射角(例えば、図中の入射角θ)を維持したまま出射される。すなわち、ビーズや円柱の断面のように曲面を通過しないことから、フィルム面内方向においてレンズ効果が発生せず、入射光の入射角θが維持されるため、表示画像においてぼけが生じないと共に、輝度低下も抑えられる。
なお、このような効果は、上記したように、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける矩形断面の一辺が、面光源160の発光面と略平行となっている場合に生ずるものである。したがって、例えば図9に示した異方性散乱フィルム308のように、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける矩形断面の一辺が、面光源160の発光面に対して傾斜している場合には、比較例1,2と同様に、フィルム面内方向(X−Y平面内の方向)においてレンズ効果が発生してしまうことになる(図中の光線L301,L302参照)。
ここで、図10(A),(B)は、図3に示した各散乱層181〜183を、単層構造で有機EL表示装置1に設けた場合における配光特性例を表したものである。これらの図において、「±15」,「05−35」,「15−45」,「25−55」はそれぞれ、散乱層における傾斜角αの範囲を表しており、以下同様である。図10(B)に示した相対輝度の視野各依存性によれば、四角柱状の高屈折率領域18Hの傾斜角αの大きさに応じて、各散乱層181〜183を設けない場合(有機EL素子本来の配光特性)と比べ、相対輝度が向上している角度領域が存在していることが分かる。このことは、例えば図5に示したようなヘイズ特性の散乱層を用いることにより、輝度の視野角特性の向上が可能であることを示している。また、図10(A)に示した絶対輝度の視野各依存性によれば、正面輝度の低下は例えば9%程度であり、従来の拡散板や散乱板(比較例1)を用いたとき(正面輝度の低下が約50%程度)と比べ、大幅に抑制されていることが分かる。
ただし、このとき例えば図11中の符号P1で示したように、フィルムの厚み方向の散乱に起因して、輝度の視野角特性が改善している角度領域の低角側に、輝度の視野角特性が劣化している角度領域(凹部)が存在していることが分かる。このような凹部が生じていると、例えば図12(A),(B)に示したように、表示エリアの画角(例えば、観察者が地点P10にいる場合の画角θ1)によって、観察面に暗帯が発生してしまうことを意味している。このような暗帯が発生すると、表示画質において重大な欠陥となってしまう。
そこで、本実施の形態の有機EL表示装置1では、例えば図13に示したように、配光特性G11を示す散乱層における凹部P11に対して、それよりも低角で散乱する散乱層(例えば、図中の配光特性G12を示すもの)の凸部P12を重ねることにより、散乱層の凹部P11を解消させるようにするのが好ましい。このようにして、複数の散乱層を積層させて組み合わせる(具体的には、各散乱層における傾斜角αが、面光源160の発光面側から有機EL表示装置1の観察面側となるのに従って、低角→中間角→高角のように、次第に大きくなるように設定する)ことにより、各散乱層における輝度の視野角特性での凹凸を相殺もしくは緩和させることが可能となるからである。
具体的には、例えば表1に示した傾斜角α、凸部の角度(凸角度)、凹部の角度(凹角度)および層数からなる各散乱層では、例えば図14に示したような配光特性G21〜G23を示す。また、各散乱層を低角側から積層させた場合には、例えば図15(A),(B)に示したような輝度の視野角特性を示すようになる。これらの図において、「(±25)&(05−35)*2&(15−45)*2」は、傾斜角α=±25程度の散乱層と、傾斜角α=5°〜35°程度の散乱層2層と、傾斜角α=15°〜45°程度の散乱層2層とを積層させたものを表している。具体的には、積層時の輝度の凹凸に若干のずれがあるために滑らかな変化とはなっていないが、各散乱層単体で発生していた凹凸がほぼ解消され、暗帯も観察されなかった。また、図15(A)に示した絶対輝度の視野角依存性によれば、散乱層の多層化によって、各散乱層単体のときよりも正面輝度の低下が約12%増加してしまっているものの、従来の拡散板等を用いたとき(正面輝度の低下が約50%)と比べると、正面輝度の低下は低く抑えられていることが分かる。また、図15(B)に示した相対輝度の視野角依存性によれば、異方性散乱フィルム18を設けない場合と比べ、視野角45°のときの輝度が約30%向上していることが分かる。さらに、例えば図16に示した色度ずれの視野角依存性によれば、異方性散乱フィルム18を設けない場合と比べ、異方性散乱フィルム18による散乱作用により、色度のずれ量が約1/4程度に減少していることが分かる。
Figure 2009265406
以上のように本実施の形態では、異方性散乱フィルム18において、面内方向(X−Y平面内の方向)の領域を、厚み方向(Z方向)から傾斜した四角柱状からなる複数の高屈折率領域18Hと、低屈折率領域18Lとから構成するようにしたので、四角柱状の高屈折率領域18Hの傾斜方向に応じて、散乱された表示光を選択的に出射させることができる。また、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける矩形断面の一辺(X方向の一辺)が面光源160の発光面と略平行となるようにしたので、傾斜方向以外の方向からの入射光が散乱されずに入射角θを維持したまま出射することができ、従来と比べ、入射光の光量損失を低減する共に、散乱に起因した表示画像のぼけを抑えることができる。よって、正面方向の輝度低下の抑制と視野角特性(輝度および色度ずれの視野角特性)の向上とを両立させつつ、従来よりも表示画質を向上させることが可能となる。
また、正面方向の輝度低下を抑制することができるため、有機EL表示装置1の低消費電力化および電流密度上昇の抑制が可能となり、有機EL素子等の劣化を抑え、長寿命化を図ることが可能となる。
また、異方性散乱フィルム18を、積層された複数の散乱層181〜183により構成すると共に、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける傾斜角αが散乱層ごとに互いに異なっている(具体的には、四角柱状の高屈折率領域18Hにおける傾斜角αが、発光面側から観察面側となるのに従って次第に大きくなっている)ようにしたので、各散乱層における輝度の視野角特性での凹凸を、相殺もしくは緩和させることが可能となる。
以下、本発明の変形例をいくつか挙げて説明する。なお、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
図17(A),(B)は、変形例1に係る異方性散乱層(異方性散乱フィルム18A)の断面構成を表したものである。この異方性散乱フィルム18Aは、上記実施の形態で説明した視野角改善手法を、表示装置の長手方向(X方向)だけではなく垂直方向(Y方向)に対しても適用させたものであり、4層×3=12層の構造となっている。具体的には、低角散乱層181A〜181Dでは、傾斜角αが低角となり、中間散乱層182A〜182Dでは、傾斜角αが中間角となり、高角散乱層183A〜183Dでは、傾斜角αが高角となっている。また、低角散乱層181A、中間散乱層182Aおよび高角散乱層183Aにおける傾斜方向は、例えば図17(B)中の矢印Paの方向(+X方向)となっており、低角散乱層181B、中間散乱層182Bおよび高角散乱層183Bにおける傾斜方向は、例えば図17(B)中の矢印Pbの方向(−X方向)となっており、低角散乱層181C、中間散乱層182Cおよび高角散乱層183Cにおける傾斜方向は、例えば図17(B)中の矢印Pcの方向(+Y方向)となっており、低角散乱層181D、中間散乱層182Dおよび高角散乱層183Dにおける傾斜方向は、例えば図17(B)中の矢印Pdの方向(−Y方向)となっている。さらに、このような傾斜角αは、面光源160の発光面側から有機EL表示装置1の観察面側となるのに従って、低角→中間角→高角のように、次第に大きくなるように設定されている。
このようにして本変形例の異方性散乱フィルム18Aでは、上記実施の形態で説明した視野角改善手法を、表示装置の長手方向(X方向)だけではなく垂直方向(Y方向)に対しても適用させるようにしたので、上下左右方向(+X方向、−X方向、+Y方向および−Y方向)に対して、視野角改善を行うことが可能となる。
[変形例2]
図18は、変形例2に係る異方性散乱層(異方性散乱フィルム18B)の断面構成を表したものである。この異方性散乱フィルム18Bでは、積層構造を保持している支持部が、AR(反射防止)処理が施されたAR支持部180Bとなっている。
このようにして本変形例の異方性散乱フィルム18Bでは、異方性散乱フィルム18Bにおける支持部としてAR支持部180Bを用いるようにしたので、ARフィルムを別途用意する必要がなくなる。よって、表面からの正反射および追加のAR処理を不要とすることにより、コストを低減することが可能となる。
[変形例3]
図19は、変形例3に係る表示装置(有機EL表示装置1C)の断面構成を表したものである。この有機EL表示装置1Cでは、異方性散乱フィルム18Cが、発光面の近傍、具体的には保護層13と封止層14との層間に配置されている。
このようにして本変形例の有機EL表示装置1Cでは、異方性散乱フィルム18Cを発光面の近傍に配置するようにしたので、異方性散乱フィルム18Cが多層構造の場合であっても、表示画像のぼけを最小限に抑えることが可能となる。
[変形例4]
図20は、変形例4に係る表示装置(有機EL表示装置1D)の断面構成を表したものである。この有機EL表示装置1Dでは、各発光部16R,16G,16B(有機EL素子)の観察面側に、光取り出し効率を向上させるための反射鏡19が設けられている。そしてこのような反射鏡19によって、各発光部16R,16G,16Bから異方性散乱フィルム18への入射光が、角度依存の配光特性を示すようになっている。
このようにして本変形例の有機EL表示装置1Dでは、各発光部16R,16G,16B(有機EL素子)の観察面側に、光取り出し効率を向上させるための反射鏡19と、異方性散乱フィルム18とを設けるようにしたので、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。
[変形例5]
図21は、変形例5に係る表示装置(液晶表示装置2)の断面構成を表したものである。本変形例は、これまで説明した有機EL表示装置の代わりに、液晶表示装置において異方性散乱フィルムを設けるようにしたものである。この液晶表示装置2では、発光素子が、バックライト20と、液晶素子とを含んで構成されている。
また、この液晶素子は、一対の透明基板(駆動用基板11および対向基板15)と、これら一対の透明基板間に充填された液晶層22と、透明基板上に配置された一対の偏光板211,212と、駆動用基板11側の画素電極261と、対向電極15側の対向電極262とを含んで構成されている。そして異方性散乱フィルム18が、観察面側の偏光板212よりも観察面側に配置されている。ただし、この異方性散乱フィルム18の配置位置は、この位置には限られない。
このようにして本変形例の液晶表示装置2では、液晶表示装置2において異方性散乱フィルム18を設けるようにしたので、上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。
また、異方性散乱フィルム18を、観察面側の偏光板212よりも観察面側に配置するようにしたので、発光面側に配置した場合と比べ、コントラストの低下を抑えることが可能となる。
(適用例)
次に、図22〜図26を参照して、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
(適用例1)
図22は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
(適用例2)
図23は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
(適用例3)
図24は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531,文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
(適用例4)
図25は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541,この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542,撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有しており、その表示部544は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
(適用例5)
図26は、上記実施の形態等の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、異方性散乱フィルムが、積層された複数の散乱層からなる多層構造により構成されている場合について説明したが、異方性散乱フィルムが単一の散乱層により構成されているようにしてもよい。また、この場合において、四角柱状の高屈折率領域18Hが、単一の散乱層内で互いに異なる複数の傾斜角αを有するようにしてもよい。
また、異方性散乱フィルムの配置位置は、上記実施の形態で説明した位置には限られず、発光素子の観察面側の任意の位置に配置することが可能である。
また、上記実施の形態では、四角柱状の高屈折率領域18Hが、低屈折率領域18L内でマトリクス状に配置されている場合について説明したが、例えば、四角柱状の高屈折率領域18Hが、低屈折率領域18L内でランダムに配置されているようにしてもよい。
また、異方性散乱フィルムの各散乱層における高屈折率領域18Hの傾斜方向および層数は、上記実施の形態で説明したものには限られず、任意の傾斜方向および層数に設定することが可能である。例えば、120度ずつ異なる傾斜方向の3層構造×3種類の散乱角=9層の構造としてもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子を備えた表示装置の一例として、有機EL素子を発光部16R,16G,16Bにおいて備えた有機EL表示装置1,1C,1Dと、液晶素子を備えた液晶表示装置2とを挙げて説明したが、本発明は、例えば、発光素子として無機EL素子を備えた無機EL表示装置や、FED(Field Emission Display;電界放出ディスプレイ)などの他の表示装置にも適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。 図1に示した発光部の詳細構成を表す断面図である。 図1に示した異方性散乱フィルムの詳細構成を表す断面図および平面図である。 図1に示した異方性散乱フィルムの詳細構成および作用について説明するための断面図である。 図4に示した四角柱状硬化領域におけるヘイズ特性の一例を表す特性図である。 図1に示した発光部における配光特性の一例を表す特性図である。 比較例1に係る従来の散乱フィルムの構成および作用を表す断面図である。 比較例2に係る従来の散乱フィルムの構成および作用を表す断面図である。 図4に示した四角柱状硬化領域を傾斜配置させた場合の構成および作用を説明するための断面図である。 図3に示した各散乱層における配光特性の一例を表す特性図である。 散乱層の配光特性において生ずる凹部の一例について説明するための特性図である。 図11に示した配光特性における凹部により生ずる暗帯の一例を表す断面図および平面図である。 図12に示した暗帯の発生防止方法の原理について説明するための特性図である。 図12に示した暗帯の発生防止のために用いられる各散乱層の配光特性の一例を表す特性図である。 図14に示した各散乱層を組み合わせた場合における表示装置の視野角輝度特性の一例を表す特性図である。 図14に示した各散乱層を組み合わせた場合における表示装置の視野角色度ずれ特性の一例を表す特性図である。 本発明の変形例1に係る異方性散乱フィルムの構成を表す断面図および平面図である。 本発明の変形例2に係る異方性散乱フィルムの構成を表す断面図である。 本発明の変形例3に係る表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の変形例4に係る表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の変形例5に係る表示装置の構成を表す断面図である。 本発明の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
1,1A〜1D…有機EL表示装置、10R,10G,10B…画素、11…駆動用基板、12…絶縁層、12−1…開口部、13…保護層、14…封止層、15…対向基板、16R,16G,16B…発光部、160…面光源、161…第1電極、162…正孔注入層、163…正孔輸送層、164…発光層、165…電子輸送層、166…第2電極、17R,17G,17B…カラーフィルタ層、18,18A〜18C…異方性散乱フィルム、18L…低屈折率領域、18H…高屈折率層(四角柱状硬化領域)、180…支持部、180B…AR支持部、181A〜181D…低角散乱層、182A〜182D…中間散乱層、183A〜183D…高角散乱層、19…反射鏡、2…液晶表示装置、211,212…偏光板、22…液晶層、261,262…画素電極、510…映像表示画面部、511…フロントパネル、512…フィルターガラス、521…発光部、522…表示部、523…メニュースイッチ、524…シャッターボタン、531…本体、532…キーボード、533…表示部、541…本体部、542…レンズ、543…スタート/ストップスイッチ、544…表示部、710…上部筐体、720…下部筐体、730…連結部、740…ディスプレイ、750…サブディスプレイ、760…ピクチャーライト、770…カメラ、BM…ブラックマトリクス層、α…傾斜角、θ…入射角(射出角)、L1〜L2…光線、Lout…表示光(射出光)。

Claims (13)

  1. 各画素に配置された発光素子と、
    前記発光素子の観察面側に配置され、角度依存の配光特性を有する前記発光素子からの入射光を散乱させるための異方性散乱層と
    を備え、
    前記異方性散乱層では、面内方向の領域が、複数の高屈折率領域と、これら高屈折率領域よりも屈折率の低い低屈折率領域とから構成され、
    前記高屈折率領域が、厚み方向から傾斜してなる四角柱状であると共に、この四角柱状の高屈折率領域における矩形断面の一辺が、前記発光素子の発光面と略平行である
    表示装置。
  2. 前記異方性散乱層が単一の散乱層により構成され、
    前記四角柱状の高屈折率領域が、前記単一の散乱層内で、互いに異なる複数の傾斜角を有する
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記異方性散乱層が、積層された複数の散乱層により構成され、
    前記四角柱状の高屈折率領域における傾斜角が、前記複数の散乱層ごとに互いに異なっている
    請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記四角柱状の高屈折率領域における傾斜角が、前記発光面側から前記観察面側となるのに従って、次第に大きくなるように設定されている
    請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記四角柱状の高屈折率領域における傾斜角が、前記入射光の臨界角以下に設定されている
    請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記異方性散乱層の面内方向において、前記複数の高屈折率領域がマトリクス状に配置されると共に、これら高屈折率領域の隙間に、前記低屈折率領域が配置されている
    請求項1に記載の表示装置。
  7. 前記異方性散乱層が、前記発光面の近傍に配置されている
    請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記発光素子が有機EL素子であり、有機EL表示装置として構成されている
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 前記有機EL素子が、共振器構造を有するものである
    請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記有機EL素子の前記観察面側に、反射鏡が設けられている
    請求項8に記載の表示装置。
  11. 前記発光素子が、光源と液晶素子とを含み、液晶表示装置として構成されている
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
  12. 前記液晶素子が、一対の透明基板と、これら一対の透明基板間に充填された液晶層と、前記透明基板上に配置された一対の偏光板とを含んで構成され、
    前記異方性散乱層が、前記一対の偏光板のうちの前記観察面側の偏光板よりも、観察面側に配置されている
    請求項11に記載の表示装置。
  13. 表示機能を有する表示装置を備え、
    前記表示装置は、
    各画素に配置された発光素子と、
    前記発光素子の観察面側に配置され、角度依存の配光特性を有する前記発光素子からの入射光を散乱させるための異方性散乱層と
    を有し、
    前記異方性散乱層では、面内方向の領域が、複数の高屈折率領域と、これら高屈折率領域よりも屈折率の低い低屈折率領域とから構成され、
    前記高屈折率領域が、厚み方向から傾斜してなる四角柱状であると共に、この四角柱状の高屈折率領域における矩形断面の一辺が、前記発光素子の発光面と略平行である
    電子機器。
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