JP2009268004A - インピーダンス変換回路、高周波回路、及びインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電体チップ等の付加や、スタブ長の長いオープンスタブを用いることなく、インピーダンス変換の特性調整を可逆的に且つ微調整可能なようにしたインピーダンス変換回路及びそれを備えた高周波回路を構成する。
【解決手段】スタブST2の長さを固定したままスタブST1の長さを短くすると、インピーダンスZbはアドミッタンスチャート上を矢印A1で代表する方向に移動する。また、スタブST1の長さを固定したままスタブST2の長さを短くすると、インピーダンスZbはアドミッタンスチャート上の等コンダクタンス円上を矢印A2で代表して示すように移動する。したがって図中スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内では、インピーダンス軌跡は、スタブST1,ST2のトリミングによってインピーダンスは互いに可逆的に調整できることになる。
【選択図】図4
【解決手段】スタブST2の長さを固定したままスタブST1の長さを短くすると、インピーダンスZbはアドミッタンスチャート上を矢印A1で代表する方向に移動する。また、スタブST1の長さを固定したままスタブST2の長さを短くすると、インピーダンスZbはアドミッタンスチャート上の等コンダクタンス円上を矢印A2で代表して示すように移動する。したがって図中スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内では、インピーダンス軌跡は、スタブST1,ST2のトリミングによってインピーダンスは互いに可逆的に調整できることになる。
【選択図】図4
Description
この発明は、インピーダンス整合回路や出力回路・帰還回路等のインピーダンス変換回路、及びそれを備えた増幅回路・逓倍回路、混合回路・発振回路等の高周波回路に関するものである。
従来、高周波回路において、その特性調整のためにオープンスタブが調整されている。
高周波発振回路の出力回路部に調整用のオープンスタブを設けたものとして特許文献1が開示されている。この特許文献1に示されている高周波発振回路について図1を参照して説明する。
高周波発振回路の出力回路部に調整用のオープンスタブを設けたものとして特許文献1が開示されている。この特許文献1に示されている高周波発振回路について図1を参照して説明する。
図1に示すように、高周波発振回路100は、一方端が抵抗8を通じて接地されたマイクロストリップラインからなる線路7にFET9のゲート端が接続されている。線路7の所定位置には、誘電体共振器3が結合している。この誘電体共振器3には一方端を開放させた線路20が結合している。線路20と接地との間には可変容量ダイオード4が接続され、制御電圧入力端子6と線路20との間に抵抗5が接続されている。
FET9のソースは、結合線路11のうちの一方の線路を介して接地されている。結合線路11の他方の線路と出力端子13との間にはアッテネータ12が設けられている。FET9のソースにはオープンスタブ10が接続されている。
FET9のドレインとドレインバイアス端子19との間には、線路長が略λ/4の線路15、線路長が略λ/4のオープンスタブ16、抵抗17が接続されている。また、ドレインバイアス端子19はコンデンサ18を介して接地されている。これらの回路部分によってドレインバイアス回路が構成されている。そして、FET9のドレインに線路長が略λ/4の調整用オープンスタブ14が接続されている。
特開2006−42010号公報
このように特許文献1に示されている高周波発振回路においては、FETのドレイン端に、線路長が略1/4波長の調整用オープンスタブ14を備えていて、このオープンスタブ14をトリミングすることによって発振周波数を上昇させることができる。ところが、発振周波数を下降させるためには、調整用オープンスタブ14の開放端に誘電体チップを配置しなければならず、回路面積が大きくなってしまう。またマウンタを用いて誘電体チップを実装するといった新たな作業が必要となる。
なお、オープンスタブのカットの途中で反射位相が同じとなる点が2箇所以上存在するように、オープンスタブの長さを予め1/2波長以上にしておけば、トリミング量過多の場合に、再度所望の特性が得られるスタブ長に合わせる機会が生じるが、その分、回路基板が大きくなってしまう。しかも、逆方向への微調整はできない。また、スタブ長が長い程、線路損失が大きくなり出力電圧が低下するとともに、利得を有する部分が低周波帯に生じ、寄生発振を生じる可能性が高くなる。
そこで、この発明の目的は、誘電体チップ等の付加がなく、インピーダンス変換の特性調整を可逆的に且つ微調整可能なようにしたインピーダンス変換回路、それを備えた高周波回路、及びインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、この発明は次のように構成する。
(1)入力端子または出力端子と能動素子との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
第1・第2のオープンスタブと、
前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を備え、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定めたことを特徴とする。
(1)入力端子または出力端子と能動素子との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
第1・第2のオープンスタブと、
前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を備え、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定めたことを特徴とする。
これにより、オープンスタブのカット(トリミング)という簡易な方法により、周波数特性の可逆調整が可能になる。
(2)前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスは、入力端子または出力端子に接続される回路のインピーダンスより低く、かつ略純抵抗となるように、第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定める。
このように、入力端子または出力端子に接続される回路のインピーダンスより低く、かつ略純抵抗となる領域においては、2つのオープンスタブをカットした際のインピーダンスの軌跡がほぼ反対方向となるため、理想的な可逆調整が可能になる。
(3)前記第1のオープンスタブおよび前記第2のオープンスタブは容量性のオープンスタブとする。
これにより、第1・第2のオープンスタブと回路素子により構成されたπ型回路はローパスフィルタとなるため、簡易な構成で、第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスを、入力端子または出力端子に接続される回路のインピーダンスより低くすることができる。
(4)前記回路素子は、例えば所望の周波数において略1/8波長の長さをもつ線路で構成する。
これにより、前記所望の周波数においては、第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスを、略純抵抗とすることができる。
これにより、前記所望の周波数においては、第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスを、略純抵抗とすることができる。
(5)前記第1のオープンスタブ及び前記第2のオープンスタブは、例えば線路長が1/4波長未満のオープンスタブとする。
これにより、オープンスタブ形成部の占有面積を大きくすることなく、可逆調整可能な調整範囲を広くとることができる。
これにより、オープンスタブ形成部の占有面積を大きくすることなく、可逆調整可能な調整範囲を広くとることができる。
(6)前記回路素子は、伝送すべき周波数にてインピーダンスが誘導性となる例えばチップコンデンサで構成する。
これにより、回路素子をコンデンサにすることで、DC成分のカットを兼ねることができる。
これにより、回路素子をコンデンサにすることで、DC成分のカットを兼ねることができる。
(7)必要に応じて前記出力端子と前記第1のオープンスタブとの間または前記第2のオープンスタブと前記能動素子との間に、位相調整用線路を設ける。
これにより、所定の位相に調整するとともに、インピーダンスの可逆調整ができる。
これにより、所定の位相に調整するとともに、インピーダンスの可逆調整ができる。
(8)少なくとも一つの能動素子を備えるとともに、前記インピーダンス変換回路を、前記能動素子の少なくとも一つの端子と前記入力端子及び/又は出力端子との間に設けて高周波回路を構成する。
これにより、高周波回路の周波数特性調整を高精度で且つ高効率に調整できる。
これにより、高周波回路の周波数特性調整を高精度で且つ高効率に調整できる。
(9)入力端子または出力端子と能動素子との間に接続されるインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法であって、
前記インピーダンス変換回路に、第1・第2のオープンスタブと、前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を設け、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定める(スタブをトリミングすることにより)可逆調整が可能になる。
前記インピーダンス変換回路に、第1・第2のオープンスタブと、前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を設け、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定める(スタブをトリミングすることにより)可逆調整が可能になる。
この発明によれば、オープンスタブのカットという簡易な方法により、周波数特性の可逆調整が可能になる。また、所望の周波数特性を備えた高周波回路を効率よく得ることができる。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路及びそのインピーダンス変換特性の調整方法について図2〜図5を参照して説明する。
図4(A)はインピーダンス変換回路30の回路図である。このインピーダンス変換回路30は、第1のオープンスタブ(以下単にスタブという。)ST1の接続点と第2のスタブST2の接続点との間に、この発明に係る「回路素子」に相当する線路SL1が直列に接続されてπ型に構成されている。
第1の実施形態に係るインピーダンス変換回路及びそのインピーダンス変換特性の調整方法について図2〜図5を参照して説明する。
図4(A)はインピーダンス変換回路30の回路図である。このインピーダンス変換回路30は、第1のオープンスタブ(以下単にスタブという。)ST1の接続点と第2のスタブST2の接続点との間に、この発明に係る「回路素子」に相当する線路SL1が直列に接続されてπ型に構成されている。
このインピーダンス変換回路30の第1のスタブST1、第2のスタブST2、及び線路SL1の長さを変化させたときの特性変化について順に説明する。
図2は、線路SL1の線路長を0から1/4波長(以下波長をλで表す)まで変化させたときに、スミスチャート(一般的にはアドミッタンスチャートとインピーダンスチャートとを含めて表現する「イミッタンスチャート」と言うこともできる。この場合、アドミッタンスに着目したチャートであるので、以下「アドミッタンスチャート」という。)上でインピーダンスがどのように変化するかについて示す図である。
図2(A)は、前記インピーダンス変換回路30のスタブST2の接続点から端子T1方向を見たインピーダンスZaについて示している。
図2(B)(C)は、線路SL1の線路長を0からλ/4まで変化させたときに、アドミッタンスチャート上でインピーダンスがどのように変化するかを表している。
図2(B)に示した例では、回路の両端を50Ωの終端器Z1,Z2で終端させている。スタブST1は、特性インピーダンスZc=50Ω、長さL=λ/8で固定し、線路SL1は幅W=0.42mmとし、長さLを0からλ/4まで変化させる。
線路SL1の長さL=0のとき、図2(A)に示した破線から右側を見た周波数24GHzでのインピーダンスZaは、図2(C)において点P0で表される。
線路SL1の長さLを順次長くしていくと、図2(C)において矢印で示すように点が移動し、線路SL1の長さLがλ/8のとき上記インピーダンスは点P1で表される。線路SL1の長さLがλ/4のとき上記インピーダンスは点P2で表される。線路SL1の長さは、伝搬する信号の位相のみを変化させるので、このインピーダンス軌跡はアドミッタンスチャートの中心Oを中心とする円弧である。
図3は、スタブST1の長さLをλ/4から0にまで変化させたときに、アドミッタンスチャート上でインピーダンスがどのように変化するかについて示す図である。
図3(A)は、図2(A)と同様に前記インピーダンス変換回路30のスタブST2の接続点から端子T1方向を見たインピーダンスZaについて示している。
図3(B)(C)は、スタブST2の長さをλ/4から0まで変化させたときに、アドミッタンスチャート上でインピーダンスがどのように変化するかを表している。
図3(B)に示すように、このとき線路SL1の長さLは24GHz帯においてλ/8に固定している。スタブST1の長さL=λ/4のとき、前記インピーダンスZaは図3(C)において点P2で表される。スタブST1の長さL=λ/8のとき、インピーダンスZaは図3(C)において点P1で表される。さらにST1の長さL=0とすれば、インピーダンスZaは点P0で表される。
このようなインピーダンス軌跡は、スタブST1の長さの変化による等コンダクタンス円上の軌跡を、線路SL1の長さに相当する位相分回転させたものとなる。
図4は、インピーダンス変換回路30のスタブST1,ST2の長さによってインピーダンスがどのように変化するかを示す図である。
図4(A)は、インピーダンス変換回路30のスタブST2を含めた破線から右側を見たインピーダンスZbについて示している。
図4(B)(C)は、スタブST1の長さをλ/4から0まで変化させ、スタブST2の長さをλ/8から0まで変化させたときに、アドミッタンスチャート上でインピーダンスがどのように変化するかを表している。
図4(B)に示すように、線路SL1の長さはL24GHz帯においてλ/8で固定し、スタブST1,ST2の長さLをλ/4から0までの範囲でそれぞれ変化させる。
スタブST1の長さがλ/4、スタブST2の長さがλ/8であるとき、インピーダンスZbは図4(C)において点P20で表される。スタブST1の長さをλ/4としたままスタブST2の長さを短くすると、インピーダンスZbは等コンダクタンス円上を反時計回りに移動し、スタブST2の長さを0にまで短くしたとき、インピーダンスZbは図4(C)において点P2で表される。
また、スタブST1の長さがλ/8で、スタブST2の長さがλ/8のときインピーダンスZbは図4(C)において点P10で表される。スタブST1の長さがλ/8のままスタブST2の長さを0にすると、インピーダンスZbは図4(C)において点P1で示される位置へ移動する。
また、スタブST1の長さが0であり、スタブST2の長さがλ/8のとき、インピーダンスZbは図4(C)において点P00で表される。スタブST1の長さが0のままスタブST2の長さを0まで短くすると、インピーダンスZbは図4(C)において点P0まで移動する。
このように、スタブST2の長さを短くすると、図4(C)において矢印A2で代表して示すようにインピーダンスZbは等コンダクタンス円上を反時計回りに回る。
また、スタブST1の長さを短くすると、インピーダンスZbは図4(C)において代表する矢印A1で示す方向に移動する。したがって図中破線の特に楕円で示す領域では、スタブST1,ST2のトリミングによってインピーダンスは互いに略反対方向に変化することになる。
図5は上記インピーダンスの調整を可逆的に行える範囲について示している。オープンスタブST2の接続点からみたインピーダンスはスタブST1,ST2のトリミングによって移動するが、このインピーダンスの軌跡を見れば明らかなように、アドミッタンスチャートの中心Oとショート点Sとを結ぶ線を直径とする円Cの中に、オープンスタブST2の接続点からみたインピーダンスが入れば、インピーダンス変換の特性調整を可逆的に行える。したがって、オープンスタブST2の接続点からみたインピーダンスが、上記円Cの中に入るようにスタブST1,ST2の長さおよび線路SL1の定数・サイズを定めればよい。
より好ましくは、端子T1に接続される回路のインピーダンスより低くなり、かつ略純抵抗になるように第1のスタブST1、第2のスタブST2の長さ、及び線路SL1の定数・サイズを定める。これにより、2つのオープンスタブをカットした際のインピーダンスの軌跡がほぼ反対方向となるので、理想的な可逆調整が可能になる。
具体的には、第1のスタブST1、第2のスタブST2を容量性とすれば、端子T1に接続される回路のインピーダンスより低くすることが簡易に実現でき、線路SL1の長さを24GHz帯においてλ/8となるようにすれば、略純抵抗とすることができる。なお、第1のスタブST1、第2のスタブST2の長さをλ/4未満とすれば、オープンスタブ形成部の占有面積を小さくすることができる。
《第2の実施形態》
図6は第2の実施形態に係る高周波発振回路の回路図である。この高周波発振回路101は、共振回路1及び増幅(帰還)回路2とで構成されている。
図6は第2の実施形態に係る高周波発振回路の回路図である。この高周波発振回路101は、共振回路1及び増幅(帰還)回路2とで構成されている。
共振回路1は、線路SL4、これに結合する誘電体共振器DR、及び誘電体共振器DRに結合する線路SL5を備えている。線路SL4の端部は抵抗R2で終端されている。線路SL5には可変容量ダイオードVDが接続され、そのバイアス回路として抵抗R3及び制御電圧入力端子Vcが設けられている。
増幅回路2は、能動素子であるFET Q1による増幅回路、インピーダンス変換回路30、及びアッテネータATを備えている。FET Q1のソースには帰還回路としての線路SL3が設けられている。ドレインには抵抗R1、オープンスタブST3、及び線路SL2、バイパスコンデンサC2からなるバイアス回路が接続されている。ドレインバイアス端子Vdにはドレインバイアス電圧が印加される。
インピーダンス変換回路30は第1の実施形態で示したものであり、第1のスタブST1、第2のスタブST2、及び線路SL1で構成されている。FET Q1のドレインからの出力信号は、インピーダンス変換回路30、DCカット用コンデンサC1、アッテネータATを経由して出力端子T1から出力される。
インピーダンス変換回路30は、FET Q1のドレインから見て、FET Q1のドレインから出力される信号の一部を透過させ、その他を共振回路1側へ反射させるために必要なインピーダンス(位相,反射強度)に見えるようにインピーダンスを変換する。すなわちこのインピーダンス変換回路30は高周波発振回路において反射と透過の調整を行う帰還回路又は出力回路と呼ぶこともできる。
図7は、図6に示したインピーダンス変換回路30の線路SL1の代わりにチップコンデンサを用いた例について示している。直流的には図7(A)に示すように、チップコンデンサCCは直流をカットするコンデンサとして作用し、自己共振周波数を超える高周波の領域では誘導性となり、図7(B)に示すように所定インダクタンスのインダクタンス素子L1として作用する。コンデンサの容量が十分に大きい場合には、このL1のもつ等価的なインダクタンス値は容量値によらず、ほぼチップサイズに依存する。
例えば0603(600μm×300μm)のチップコンデンサを用いれば、このチップコンデンサはプリント基板上で0.5nH程度の等価インダクタンス値を持つ。実装ランドとあわせ、0.8〜1.0mm程度の伝送線路と等価な役割を得ることができるため、10〜30GHz程度の高周波においては、2つのオープンスタブST1・ST2と、その間に設けた等価インダクタンスからなるπ型回路のインピーダンスは可逆調整可能な条件を満たす。さらに低い周波数ではチップコンデンサの両端に伝送線路を設けるか、またはチップサイズの大きいコンデンサを使用することにより、可逆調整可能な条件を適切に選択することができる。より高い周波数においては、より寄生インダクタンスの小さい0402(400μm×200μm)サイズのチップコンデンサなどを用いればよい。0402サイズのチップコンデンサであれば、40GHz〜50GHz程度まで使用できる。
したがって、このようにインピーダンス変換回路30の線路SL1部分にチップコンデンサCCを用いれば、図6に示した直流カット用のコンデンサC1は不要となる。その分部品点数が削減でき、プリント基板が縮小化できる。
《第3の実施形態》
図8は第3の実施形態に係る逓倍器の回路図である。この逓倍器102は、入力端子Taから入力される基本波を基に所定次数の高調波信号を発生し、出力端子Tbへ出力するものである。能動素子であるFET Q2のゲートと入力端子Taとの間に整合回路としてのインピーダンス変換回路31が設けられている。またFET Q2のドレインと出力端子Tbとの間に整合回路としてのインピーダンス変換回路32が設けられている。
図8は第3の実施形態に係る逓倍器の回路図である。この逓倍器102は、入力端子Taから入力される基本波を基に所定次数の高調波信号を発生し、出力端子Tbへ出力するものである。能動素子であるFET Q2のゲートと入力端子Taとの間に整合回路としてのインピーダンス変換回路31が設けられている。またFET Q2のドレインと出力端子Tbとの間に整合回路としてのインピーダンス変換回路32が設けられている。
インピーダンス変換回路31は、基本波の周波数で入力端子Ta側の回路のインピーダンスとFET Q1のゲート入力部のインピーダンスと整合させる。またインピーダンス変換回路32は、FET Q2のドレイン側のインピーダンスと出力端子Tbに接続される回路のインピーダンスとを整合させる。
インピーダンス整合回路31の出力部(FET Q2側)には高調波信号が入力端子Ta側へ透過しないように高調波反射用のオープンスタブST13が設けられている。またインピーダンス変換回路32の入力側(FET Q2側)には、基本波信号が出力端子Tb側へ透過しないように基本波反射用のオープンスタブST23が設けられている。
ここで、高調波信号の整合を行うインピーダンス変換回路32の作用について図9を基に説明する。
図8に示したインピーダンス変換回路32のスタブST22の接続点から右側(出力端子Tb側を見たインピーダンスは、スタブST21,ST22のトリミングによって第1の実施形態で示したものと同様に変化する。図9において破線の楕円OA1及び矢印A1,A2はその動作を示している。
図8に示したインピーダンス変換回路32のスタブST22の接続点から右側(出力端子Tb側を見たインピーダンスは、スタブST21,ST22のトリミングによって第1の実施形態で示したものと同様に変化する。図9において破線の楕円OA1及び矢印A1,A2はその動作を示している。
図8において線路SL24は位相調整用線路である。この線路SL24の左側から出力端子Tb側を見たインピーダンスは、この線路SL24の位相分アドミッタンスチャート上を時計回りに回転する。図9において破線の楕円OA10及び矢印A11,A12はその様子を表している。
図9において、インピーダンス軌跡ZCは、周波数を変化させたときのFET Q2の出力反射特性S(2,2)を示している。ここでは、例としてマーカーM1で示した周波数での整合回路を考える。小信号設計において、FET Q2のドレインから右側を見たインピーダンスは、図9においてマーカーM2で示すように、M2に対して複素共役となるようにインピーダンス整合回路を設計するのが一般的である。図8に示したインピーダンス変換回路32においてスタブST21をトリミングすると、FET Q2のドレインから右側を見たインピーダンスは矢印A11方向に回転する。すなわち、より高い周波数で整合がとれる方向に移動する。一方、スタブST22をトリミングすると、矢印A12で示す方向に回転する。すなわち、より低い周波数で整合がとれる方向に移動することになる。このようにして本発明のインピーダンス変換回路を逓倍器の出力整合回路部に適用することによって、利得最大となる周波数を可逆的に調整可能となる。
《第4の実施形態》
図10は第4の実施形態に係る混合器103の回路図である。この混合器103は、入力端子Tcから入力されるローカル信号LOと入力端子Tdから入力される高周波信号RFとをミキシングして、出力端子Teから中間周波信号IFを出力するものである。入力端子Tcと能動素子であるFET Q3のゲートまでの経路にインピーダンス整合回路としてのインピーダンス変換回路33が設けられている。また入力端子TdとFET Q3のドレインまでの経路にインピーダンス整合回路としてのインピーダンス変換回路34が設けられている。
図10は第4の実施形態に係る混合器103の回路図である。この混合器103は、入力端子Tcから入力されるローカル信号LOと入力端子Tdから入力される高周波信号RFとをミキシングして、出力端子Teから中間周波信号IFを出力するものである。入力端子Tcと能動素子であるFET Q3のゲートまでの経路にインピーダンス整合回路としてのインピーダンス変換回路33が設けられている。また入力端子TdとFET Q3のドレインまでの経路にインピーダンス整合回路としてのインピーダンス変換回路34が設けられている。
FET Q3のドレインには、線路SL42、SL43、スタブST43を含むバイアス回路が接続されると共に、コンデンサCoを介して中間周波信号IFを出力するように回路が構成されている。
バイアス端子Vdにはドレインバイアス電圧、Vgにはゲートバイアス電圧がそれぞれ印加される。
このように混合器103においても、インピーダンス変換回路33及び34は入力端子Tc,TdとFET Q3との間のインピーダンス整合をとる。その際、インピーダンス変換回路33はローカル信号LOの周波数に応じて入力レベルが変化し、インピーダンス変換回路34はRF信号の周波数に応じてその入力レベルが変化する。この2つのインピーダンス変換回路33,34の構成は第1の実施形態で示したものと同様であり、2つのスタブと線路をπ型に構成したものである。そのためインピーダンスの周波数特性が可逆的に調整でき、これらのインピーダンス変換回路33,34の周波数特性によって、混合器としての周波数変換利得の周波数特性が可逆的に調整可能となる。
《第5の実施形態》
図11は第5の実施形態に係る分配器104の回路図である。この分配器104は入力端子Tfからの入力信号を分配して出力端子Tg,Thへ出力するものである。
図11は第5の実施形態に係る分配器104の回路図である。この分配器104は入力端子Tfからの入力信号を分配して出力端子Tg,Thへ出力するものである。
能動素子であるFET Q4,Q5は分配された信号をそれぞれ増幅し、そのドレイン出力の信号をインピーダンス変換回路35,36を介してそれぞれ出力する。この2つのインピーダンス変換回路35,36の構成は第1の実施形態で示したものと同様であり、2つのスタブと線路をπ型に構成したものである。そのためインピーダンスの周波数特性が可逆的に調整でき、これらのインピーダンス変換回路35,36の周波数特性に応じて、周波数に対する分配特性が可逆的に調整できることになる。
1…共振回路
2…増幅回路
30〜36…インピーダンス変換回路
100,101…高周波発振回路
102…逓倍器
103…混合器
104…分配器
AT…アッテネータ
SL1…線路
ST1,ST21,ST31,ST41,ST51,ST61…第1のオープンスタブ
ST2,ST22,ST32,ST42,ST52,ST62…第2のオープンスタブ
ST3,ST13,ST23,ST43…オープンスタブ
T1,T2…端子
Z1,Z2…終端器
Q1…FET
2…増幅回路
30〜36…インピーダンス変換回路
100,101…高周波発振回路
102…逓倍器
103…混合器
104…分配器
AT…アッテネータ
SL1…線路
ST1,ST21,ST31,ST41,ST51,ST61…第1のオープンスタブ
ST2,ST22,ST32,ST42,ST52,ST62…第2のオープンスタブ
ST3,ST13,ST23,ST43…オープンスタブ
T1,T2…端子
Z1,Z2…終端器
Q1…FET
Claims (9)
- 入力端子または出力端子と能動素子との間に接続されるインピーダンス変換回路であって、
第1・第2のオープンスタブと、
前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を備え、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定めたことを特徴とするインピーダンス変換回路。 - 前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、入力端子または出力端子に接続される回路のインピーダンスより低く、かつ略純抵抗となるように、第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定めたことを特徴とするインピーダンス変換回路。
- 前記第1のオープンスタブ及び前記第2のオープンスタブは容量性のオープンスタブである、請求項1または2に記載のインピーダンス変換回路。
- 前記回路素子は、線路長が略1/8波長の線路である、請求項1〜3のいずれかに記載のインピーダンス変換回路。
- 前記第1のオープンスタブ及び前記第2のオープンスタブは、線路長が1/4波長未満のオープンスタブである、請求項3または4に記載のインピーダンス変換回路。
- 前記回路素子は、伝送すべき周波数でインピーダンスが誘導性となるチップコンデンサである、請求項1〜5のいずれかに記載のインピーダンス変換回路。
- 前記出力端子と前記第1のオープンスタブとの間、または前記第2のオープンスタブと前記能動素子との間に、位相調整用線路が設けられた、請求項1〜6のいずれかに記載のインピーダンス変換回路。
- 少なくとも一つの能動素子を備えるとともに、
請求項1〜7のいずれかに記載のインピーダンス変換回路を、前記能動素子の少なくとも1つの端子と前記入力端子及び/又は前記出力端子との間に設けたことを特徴とする高周波回路。 - 入力端子または出力端子と能動素子との間に接続されるインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法であって、
前記インピーダンス変換回路に、第1・第2のオープンスタブと、前記第1のオープンスタブの接続点と前記第2のオープンスタブの接続点との間に直列に接続された線路またはインダクタンス素子である回路素子と、を設け、
前記第1・第2のオープンスタブのうち一方のオープンスタブの接続点からみたインピーダンスが、スミスチャートの中心とショート点とを直径とする円内に入るように、前記第1・第2のオープンスタブの長さおよび回路素子の定数・サイズを定めることを特徴とするインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法。
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|---|---|---|---|
| JP2008118067A JP2009268004A (ja) | 2008-04-30 | 2008-04-30 | インピーダンス変換回路、高周波回路、及びインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2008118067A JP2009268004A (ja) | 2008-04-30 | 2008-04-30 | インピーダンス変換回路、高周波回路、及びインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法 |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2009268004A true JP2009268004A (ja) | 2009-11-12 |
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Family Applications (1)
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| JP2008118067A Pending JP2009268004A (ja) | 2008-04-30 | 2008-04-30 | インピーダンス変換回路、高周波回路、及びインピーダンス変換回路のインピーダンス変換特性調整方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2009268004A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012105570A1 (ja) | 2011-01-31 | 2012-08-09 | イマジニアリング株式会社 | プラズマ生成装置 |
| JP5543024B2 (ja) * | 2011-05-25 | 2014-07-09 | 三菱電機株式会社 | 高効率能動回路 |
| WO2015029720A1 (ja) * | 2013-08-29 | 2015-03-05 | 住友電気工業株式会社 | 変圧装置 |
| JP2024063535A (ja) * | 2022-10-26 | 2024-05-13 | 住友電気工業株式会社 | 増幅器 |
-
2008
- 2008-04-30 JP JP2008118067A patent/JP2009268004A/ja active Pending
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| US9712069B2 (en) | 2013-08-29 | 2017-07-18 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Distributed-constant type transformer for voltage conversion |
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