JP2009274251A - 透明バリアフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の透明バリアフィルムは、プラスチック基材2の片面または両面に、少なくとも3層以上の高密度酸化珪素膜3aと低密度酸化珪素膜3bを順次積層してなるバリア層3を有する透明バリアフィルム1であって、高密度酸化珪素膜成膜時に、炭素含有前駆体を核とした膜を形成後に酸素を含む反応性ガスプラズマで処理する成膜方法を用いる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、蒸着法による酸化珪素膜は、バリア性を向上させようとすると着色してしまい、また、透明性を向上しようとすると十分なバリア性が得られない問題があった。
前記バリア層は、高密度酸化珪素膜と低密度酸化珪素膜を交互に積層してなることを特徴とする透明バリアフィルムである。
(ここで、nは3以上の整数を表す)
これによると、バリア層は少なくとも3層以上の酸化珪素膜から形成されていることで、重ね合わせの効果により、単層で発生した欠陥をカバーし、水蒸気や酸素などの通り道となるピンホールが少なく、高いバリア性能を有する透明バリアフィルムを得ることができる。
また、高密度の酸化珪素膜のと低密度の酸化珪素膜を交互に積層することにより、高密度酸化珪素膜のもつ膜応力を緩和することができ、微小な粒界やクラックの発生を抑え、さらには、フレキシビリティが良好で、膜応力の小さい透明バリアフィルムを得ることができる。
これによると、バリア層の総膜厚が20nm以上1000nmであることで、バリア層のフレキシビリティが高く保たれ、クラックの発生のない緻密で高いバリア性能を有する透明バリアフィルムを得ることができる。
これによると、高密度酸化珪素膜の膜密度が2.0g/cm3以上2.5g/cm3以下であり、膜厚が10nm以上25nm以下であることで、高密度酸化珪素膜中にダングリングボンドや、欠陥の少ない緻密な膜を得ることができる。また、高密度酸化珪素膜は、プラスチック基材表面を均一にカバーしているため、より高いバリア性を付与することができる。
これによると、低密度酸化珪素膜の膜密度が1.8g/cm3以上2.0g/cm3未満であることで、高密度酸化珪素膜に比べて膜応力が低く、高密度膜と高密度膜の間の緩衝層として働き、フレキシビリティを向上させることができる。さらに、低密度酸化珪素膜自体の粒界やクラックが少なく、高密度酸化珪素膜上の微小クラックやピンホールなどの欠陥をカバーし、水蒸気バリア性を向上させる働きをする。
前記酸化珪素膜は、分子内に炭素を有するシラン化合物と反応性ガスとを用いたプラズマCVD法により形成されることを特徴とする透明バリアフィルムの製造方法である。
これによると、分子内に炭素を有するシラン化合物と反応性ガスとを用いたプラズマCVD法により形成することで、容易かつ安全に透明バリアフィルムを作製することができる。
これによると、分子内に炭素を有するシラン化合物を気化させた有機シラン系モノマーと前記反応性ガスを異なるガス導入口より導入することで、膜組成をガラスに非常に近いものとすることができる。
これによると、ガラス転移点の低いプラスチック基材においても、基材に熱的ダメージを与えることなく、高品質のバリアフィルムを得ることができる。
これによると、モノマーガスが気相成長するよりも基材表面での成長・反応が主体になるため、酸化珪素の粒界が少なく、より高密度で欠陥の少ない膜を得ることが可能になる。
図1は、本発明の透明バリアフィルムの一例を概略的に示す断面図である。
透明バリアフィルム1は、プラスチック基材2の一方の面上に、高密度の酸化珪素膜3a(第1層、第3層、第5層)と、低密度の酸化珪素膜3b(第2層、第4層)を順次積層してなるバリア層3から構成されている。
バリア層が酸化珪素膜単層であると、成膜中に発生した欠陥や膜中の微小な空孔によりバリア性を損ないやすく、ディスプレイの劣化につながる恐れがある。そのため、多層に積層することで、各層で発生した欠陥を補完する効果を得ることができ、高いバリア性を維持することが可能となる。
一方で、層数が多すぎても総膜厚が増えることによりバリア層の応力が大きくなり、クラックや剥離などを起こしやすくなる。
高密度酸化珪素膜(3a)の膜密度と、低密度酸化珪素膜(3b)の膜密度との差は、
0.1〜0.5g/cm3が好ましく、0.3〜0.5g/cm3がさらに好ましい。
図2は、酸化珪素膜からなるバリア層を形成するための真空成膜装置の概略図である。図2に示す真空成膜装置は、本発明の一態様に係る装置であり、これに限定されるものではない。
その他低密度酸化珪素膜を形成する場合にはモノマーガスと反応性ガスを同時に、同じ供給口から供給してもよいが、気相中での反応のほうが強くなり、クラスター状の付着物が多く形成される場合があるため、より均質でピンホールや粒界等の欠陥が少ない膜を得る場合には別々に供給する方がよい。
厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをプラスチック基材として、図2に示す真空成膜装置17の巻き出し軸6にセットし、真空ポンプで排気し、真空成膜装置17内部を、5×10−4Paにまで減圧をした。
次に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO):酸素=10:100となるように、各々の原料ガスをモノマーガス供給パイプ16およびシャワーヘッド電極9より導入し、成膜室5内部を0.5Paとした。モノマーガスはフィルム流れ方向の上流側のみから供給した。
続いて、各電極に13.56MHzの高周波を1.0kW印加し、プラズマを発生させた。
続いてPETフィルムを0.5m/minで走行させて成膜を行った。そのとき得られた酸化珪素膜の膜厚は単層で20nmであり、これを第1層目の高密度酸化珪素膜とした。
さらに、成膜室5のコンダクタンスバルブを調整し、成膜圧力を1.0Paとなるようにして、第1層目の高密度酸化珪素膜上に2層目の低密度酸化珪素膜を100nm堆積した。さらに高密度酸化珪素膜を20nmと低密度酸化珪素膜100nmを繰り返して堆積し、最後に高密度酸化珪素膜を20nm堆積して、層数5層、総膜厚260nmとなる本発明の目的である透明バリアフィルム1を得た。なお、成膜中のPETフィルムの表面温度は、85℃であった。
HMDSO:酸素比=5:100とし、また酸化珪素膜の膜厚が単層で20nmとなるようにラインスピードを調節し、これを高密度酸化珪素膜として積層した以外は、実施例1と同様の条件で透明バリアフィルム1を得た。
実施例1と同様の条件で高密度酸化珪素膜(単層膜厚20nm)と低密度酸化珪素膜(単層膜厚100nm)を積層し、これを9層重ねて総膜厚500nmとした透明バリアフィルム1を得た。
実施例1の高密度酸化珪素膜の成膜条件と同様に、HMDSO:酸素比=10:100とし、酸化珪素膜の膜厚が260nmとなるように単層20nmの膜を13層積層して高密度酸化珪素膜のみの成膜を行なった。
高密度酸化珪素膜の膜厚が単層で10nmとなるようにラインスピードを調節した以外は、実施例1の高密度酸化珪素膜の条件と同様にして、高密度酸化珪素膜と低密度酸化珪素膜(100nm)を5層積層して総膜厚230nmの透明バリアフィルムを作製した。
高密度酸化珪素膜を成膜するときの、モノマーガスの供給方向をフィルム流れ方向の下流側のみから供給した以外は、実施例1の高密度酸化珪素膜の条件と同様にして、高密度酸化珪素膜と低密度酸化珪素膜(100nm)を5層積層して総膜厚260nmの透明バリアフィルムを作製した。
なお、前記水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN−W 3/33)の測定限界は、0.01g/m2/dayである。
また、酸化珪素膜の膜密度は、薄膜構造評価用X線回折装置ATX−G(リガク社製)を用いてX線反射率法により測定した。
その結果を表1に示す。
また、このようにして作製された実施例では、膜厚を厚く積層していってもバリアの劣化は認められず、300nm以上の積層でMOCON測定限界以下の高いバリア性能を有する透明バリアフィルムを得ることができた。
また、高密度酸化珪素膜成膜時にモノマーガスの供給方向を変えて、酸素を含む反応性ガスプラズマを初期に当てた後にモノマーガスプラズマを当てた場合、十分なガスバリア性が得られなかった。
Claims (8)
- プラスチック基材の片面または両面に、少なくとも3層以上の酸化珪素膜を第1層から第n層まで順次積層してなるバリア層を有する透明バリアフィルムであって、
前記バリア層は、高密度酸化珪素膜と低密度酸化珪素膜を交互に積層してなることを特徴とする透明バリアフィルム。
(ここで、nは3以上の整数を表す) - 前記バリア層の総膜厚が20nm以上1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の透明バリアフィルム。
- 前記高密度酸化珪素膜の膜密度が2.0g/cm3以上2.5g/cm3以下であり、1層あたりの膜厚が10nm以上25nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明バリアフィルム。
- 前記低密度酸化珪素膜の膜密度が1.8g/cm3以上2.0g/cm3未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明バリアフィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の透明バリアフィルムの製造方法において、
前記酸化珪素膜は、分子内に炭素を有するシラン化合物と反応性ガスとを用いたプラズマCVD法により形成されることを特徴とする透明バリアフィルムの製造方法。 - 前記分子内に炭素を有するシラン化合物を気化させた有機シラン系モノマーと前記反応性ガスを異なるガス導入口より導入することを特徴とする請求項5に記載の透明バリアフィルムの製造方法。
- 前記酸化珪素膜を形成中のプラスチック基材の表面温度が200℃以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の透明バリアフィルムの製造方法。
- 前記高密度酸化珪素膜が、堆積初期に炭素を含む形状をなし、微細な核形成が基材全面に起こることで基材表面を隙間なくカバーし、その後堆積した炭素を含む酸化珪素核集合体が酸素を含む反応性ガスプラズマで酸化処理されることにより、より強固で高密度な酸化珪素薄膜を形成することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の透明バリアフィルムの製造方法。
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