JP2009281455A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハーネスの結線作業を簡便化すると共に、センサが嵌挿される取付孔の精度を確保して密封性を高め、信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材5の複列の外側転走面5a、5b間に貫通してセンサ取付孔17が形成され、このセンサ取付孔17にセンサホルダ19が嵌挿されると共に、センサホルダ19に回転速度センサ18が包埋され、磁気エンコーダ22に対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、アウター側の転動体4列のピッチ円直径PCDoがインナー側のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定され、アウター側の転動体4列の転動体個数がインナー側よりも多く設定されると共に、センサ取付孔17が段部15を避けて円筒状の肩部16に開口するように形成され、センサホルダ19が肩部16から所定量突出して位置決めされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承すると共に、この車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。この一例として図6に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが形成された外方部材51と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ53を一体に有し、外周に複列の外側転走面51a、51aの一方に対向する内側転走面52aと、この内側転走面52aから肩部52bを介して小径段部52cが形成されたハブ輪52と、このハブ輪52に外嵌固定され、外周に複列の外側転走面51a、51aの他方に対向する内側転走面54aが形成された内輪54とを備えている。
ハブ輪52は、外方部材51の内径側に複列のボール55、55を介して回転自在に支承されている。これと共に、ハブ輪52の一部に円周方向に亙る特性を交互にかつ等間隔に変化させたエンコーダ56が固定されている。そして、このエンコーダ56の回転速度を、外方部材51の一部に支持されたセンサ57により検出自在としている。この検出精度を向上させるべく、エンコーダ56の形状を断面クランク形で全体を円環状に形成することにより、エンコーダ56の特性を変化させる部分の外径寸法を大きくすることが考えられている。このようなエンコーダ56は、外径側部分を構成する大径円筒部56aの外周面の特性を、円周方向に亙り交互にかつ等間隔に変化させると共に、内径側部分を構成する小径円筒部56bが、ハブ輪52の中間部58に外嵌固定された状態で、外方部材51の径方向内方に配置されている。また、センサ57は、外方部材51の軸方向中間部に設けられた取付孔57aに支持された状態で、このセンサ57の検出部をエンコーダ56の大径円筒部56aの外周面に対向させている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の使用時には、外方部材51が懸架装置に支持されると共に、ハブ輪52の車輪取付フランジ53に車輪が固定され、この車輪が懸架装置に対して回転自在に支承されている。そして、車輪の回転に伴ってエンコーダ56に対向するセンサ57の出力が変化する。このセンサ57の出力が変化する周波数は、車輪の回転速度に比例するため、センサ57の出力信号を車輪の回転速度を求める制御器(図示せず)に送ることによってABSを適切に制御することができる。
この種の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の場合、組立作業が面倒で、品質保証とコスト低減とを両立させることが難しい。すなわち、組み立てる際には、まず、外方部材51の内径側にハブ輪52を挿通させ、続いて、このハブ輪52の中間部58にエンコーダ56を締まり嵌めで外嵌固定する。このエンコーダ56は、円周方向に亙る特性の変化を大きくすべく、大径円筒部56aの外径寸法ができるだけ大きくされているため、この外嵌固定作業時に、エンコーダ56の外周縁部が外方部材51の内周面の近接位置で移動することになる。このため、エンコーダ56の圧入作業を注意深く行わないと、このエンコーダ56がハブ輪52に対して傾いた状態で圧入されることになる。
こうした問題を解決するため、ハブ輪52は、内輪54が外嵌固定される小径段部52cとエンコーダ56が外嵌固定される中間部58との間に肩部52bを介して案内部59が形成されている。この案内部59は、エンコーダ56の小径円筒部56bの自由状態での内径寸法よりも僅かに小径に形成されている。これにより、エンコーダ56をハブ輪52の中間部58に圧入する際には、予め小径円筒部56bを案内部59に緩く、かつガタツキなく外嵌することにより、エンコーダ56とハブ輪52との芯合せを行うことができる。したがって、エンコーダ56がハブ輪52に対して殆ど傾かず、大径円筒部56aの外周縁部が外方部材51に干渉するのを防止することができ、エンコーダ56の挿入作業が容易になると共に、品質保証とコスト低減とを両立させることができる。
特開平11−72116号公報
この従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置では、センサ57の出力はハーネス60によって取り出され、このハーネス60の先端に固定されているコネクタ(図示せず)と車両側に予め取り付けられているコネクタとが結合される。この場合、センサ57からハーネス60を取り回すことになる。然しながら、この時、ハーネス60が周辺部品に干渉して摩耗したり、損傷して断線しないようにハーネス60を取り出す必要がある。また、軸受の組立工程や搬送時においても、このハーネス60の取扱いが難しく煩雑な梱包となっていた。
さらに、複列のボール55、55のそれぞれのPCD(ピッチ円直径)を左右で異ならせて軸受寿命や剛性アップを図る場合、PCDの違いに伴って、外方部材51における複列の外側転走面51a、51aの肩部の内径も左右で異なってくる。したがって、外方部材51の内径部に段差が設けられた状態で前記センサ57の取付孔57aが形成されることになる。換言すれば、段差部に取付孔57aを形成しようとした場合、ドリル等の加工工具が外方部材51を貫通して内径部に達する時、加工工具が傾いて一時的に振れた状態で加工されることになる。これでは取付孔57aの精度が悪化し、この取付孔57aにOリング等のシール部材を介してセンサ57を嵌挿しても密封性を確保することは難しく、軸受内部に泥水やダスト等の異物が侵入して検出精度が低下するだけでなく、軸受短寿命を招来する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ハーネスの結線作業を簡便化すると共に、センサが嵌挿される取付孔の精度を確保して密封性を高め、信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸状部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合固定され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体列と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記ハブ輪に配設されたエンコーダとを備え、前記外方部材の複列の外側転走面間に貫通してセンサ取付孔が形成され、このセンサ取付孔にセンサホルダが嵌挿されると共に、当該センサホルダに前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが包埋され、この回転速度センサが前記エンコーダに所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記複列の転動体列におけるピッチ円直径が左右で異なって設定されると共に、前記センサ取付孔が、前記複列の外側転走面の肩部のうち円筒状の肩部に開口するように形成されている。
このように、ハブ輪に配設されたエンコーダを備え、外方部材の複列の外側転走面間に貫通してセンサ取付孔が形成され、このセンサ取付孔にセンサホルダが嵌挿されると共に、センサホルダに車輪の回転速度を検出する回転速度センサが包埋され、この回転速度センサがエンコーダに所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、複列の転動体列におけるピッチ円直径が左右で異なって設定されると共に、センサ取付孔が、複列の外側転走面の肩部のうち円筒状の肩部に開口するように形成されているので、ドリル等の加工工具が外方部材を貫通して内径部に達する時に内径部の段部の影響を受けず、加工工具が傾いたり振動するようなことはない。したがって、センサ取付孔の精度を確保して密封性を高め、信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記センサホルダにハーネスが装着されるコネクタが一体に形成されていれば、車両への組立後にハーネスをセンサホルダに結合することができ、組立工程でハーネスが周辺部品に干渉して摩耗したり、損傷して断線するのを防止することができると共に、軸受の組立工程や搬送時においても、このハーネスの取扱いが難しく煩雑な梱包形態となることもなく、組立作業が簡便化でき、信頼性を向上させることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記センサホルダが、前記外方部材の肩部から所定量突出して位置決め固定されていれば、エンコーダと外方部材の肩部との間に充分な環状空間が存在することになるので、組立時に、エンコーダと外方部材との干渉を防止するために注意深く作業する必要がなくなり、組立作業が簡便化できると共に、作業効率がアップして低コスト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ハブ輪の軸状部に金属環が外嵌固定されると共に、前記エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入され、加硫接着によって前記金属環に一体に接合されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されていれば、低コストで高精度な速度検出ができると共に、その出力信号が、磁性体からなる外方部材の影響を受けることもない。
また、請求項5に記載の発明のように、前記センサホルダが非磁性の合成樹脂材から射出成形によって形成されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記複列の転動体列のうちアウター側の転動体列のピッチ円直径がインナー側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、当該アウター側の転動体列の転動体個数が前記インナー側の転動体列の転動体個数よりも多く設定されていれば、軽量・コンパクト化を図りつつ、インナー側に比べアウター側の軸受列の剛性を向上させ、軸受の長寿命化を図ることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記ハブ輪のアウター側の端部にすり鉢状の凹所が鍛造加工によって形成され、この凹所に対応して端部の肉厚が略均一に設定されていれば、装置の軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決した車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸状部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合固定され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体列と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記ハブ輪の軸状部に外嵌固定されたエンコーダとを備え、前記外方部材の複列の外側転走面間に貫通してセンサ取付孔が形成され、このセンサ取付孔にセンサホルダが嵌挿されると共に、当該センサホルダに前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが包埋され、この回転速度センサが前記エンコーダに所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記複列の転動体列におけるピッチ円直径が左右で異なって設定されると共に、前記センサ取付孔が、前記複列の外側転走面の肩部のうち円筒状の肩部に開口するように形成されているので、ドリル等の加工工具が外方部材を貫通して内径部に達する時に内径部の段部の影響を受けず、加工工具が傾いたり振動するようなことはない。したがって、センサ取付孔の精度を確保して密封性を高め、信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体列と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記ハブ輪に配設された磁気エンコーダとを備え、前記外方部材の複列の外側転走面間に貫通してセンサ取付孔が形成され、このセンサ取付孔にセンサホルダが嵌挿されると共に、当該センサホルダに前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが包埋され、この回転速度センサが前記磁気エンコーダに所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記複列の転動体列のうちアウター側の転動体列のピッチ円直径がインナー側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定され、当該アウター側の転動体列の転動体個数が前記インナー側の転動体列の転動体個数よりも多く設定されると共に、前記センサ取付孔が、前記複列の外側転走面の肩部のうち円筒状の肩部に開口するように形成され、前記センサホルダが前記肩部から所定量突出して位置決め固定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と内輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された外方部材5とを備えている。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置にハブボルト6aが植設されている。また、外周にはアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。ハブ輪1の小径段部1bには外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが形成された内輪2が所定のシメシロを介して圧入され、小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1dによって所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後述するアウター側のシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、加締部1dは、鍛造加工後の未焼入れ部とされている。これにより、基部6bの耐摩耗性が向上するばかりでなく、内輪2の嵌合面となる小径段部1bのフレッティングが抑制されると共に、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。また、内輪2および転動体4はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
外方部材5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ5cを一体に有し、内周には前記内方部材3の複列の内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a、5bが一体に形成されている。これら外側転走面5a、5bは高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。そして、この外方部材5の外側転走面5a、5bと、これらに対向する複列の内側転走面1a、2a間には複列の転動体4、4がそれぞれ収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。また、外方部材5と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
なお、ここでは、転動体4をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず転動体4に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。また、第3世代構造の車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、第4世代構造であっても良い。
本実施形態では、アウター側の転動体4列のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体4列のピッチ円直径PCDiよりも大径(PCDo>PCDi)に設定されると共に、複列の転動体4、4のサイズは同じであるが、アウター側の転動体4列の転動体個数Zoがインナー側の転動体4列の転動体個数Ziよりも多く(Zo>Zi)なるように設定されている。これにより、軽量・コンパクト化を図りつつ、インナー側に比べアウター側の軸受列の剛性を向上させ、軸受の長寿命化を図ることができる。
なお、ここでは、アウター側の転動体4列のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体4列のピッチ円直径PCDiよりも大径(PCDo>PCDi)に、そして、アウター側の転動体4列の転動体個数Zoがインナー側の転動体4列の転動体個数Ziよりも多く(Zo>Zi)なるように設定されたものを例示したが、インナー側・アウター側の各軸受列に加わる荷重は互いに異なり、アウター側の軸受列に加わる荷重よりも、インナー側の軸受列に加わる荷重の方が大きくなる場合、適宜、PCDo<PCDi、Zo<Ziとなる構成としても良いし、さらに、転動体4のサイズを左右の軸受列で変更しても良い。
ここで、ハブ輪1の外郭は、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、内側転走面1aの溝底部からカウンタ部10と、このカウンタ部10からテーパ状の段部11と軸状部12を介して内輪2が突き合わされる肩部13および小径段部1bに続く形状に形成されている。
一方、外方部材5において、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、アウター側の外側転走面5aがインナー側の外側転走面5bよりも拡径して形成され、図2に拡大して示すように、アウター側の外側転走面5aの肩部14と、段部15を介して小径側となるインナー側の外側転走面5bの肩部16が形成されると共に、この肩部16にセンサ取付孔17が径方向に貫通して形成されている。そして、センサ取付孔17に回転速度センサ18が包埋されたセンサホルダ19が嵌挿されている。
センサホルダ19は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材から射出成形によって形成され、さらにGF(ガラスファイバー)等の強化材が添加されている。これにより、回転速度センサ18の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。回転速度センサ18は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。なお、センサホルダ19は前述した材質以外にPA(ポリアミド)66、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。
センサホルダ19には、図示しないハーネスが装着されるコネクタ20が一体に形成されている(図1参照)。これにより、車両への組立後にハーネスをセンサホルダ19に結合することができ、組立工程でハーネスが周辺部品に干渉して摩耗したり、損傷して断線するのを防止することができると共に、軸受の組立工程や搬送時においても、このハーネスの取扱いが難しく煩雑な梱包形態となることもなく、組立作業が簡便化でき、信頼性を向上させることができる。
センサホルダ19は棒状をなし、その外周にOリング等からなるシール部材21が装着されている。そして、センサ取付孔17にこのシール部材21を弾性接触させてセンサホルダ19が嵌挿されている。これにより、センサ取付孔17から泥水やダスト等の異物が侵入するのを防止できる。なお、シール部材21は、センサ取付孔17側に装着するようにしても良い。
磁気エンコーダ22は、ハブ輪1に装着された金属環23に加硫接着によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ22はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されてロータリーエンコーダを構成している。そして、回転速度センサ18に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して配設されている。一方、金属環23は、ハブ輪1の軸状部12に外嵌固定された小径円筒部23aと、この小径円筒部23aから径方向外方に延びる立板部23bと、この立板部23bから軸方向に延びる大径円筒部23cとからなり、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によって断面略コの字状に、全体として円環状に形成されている。これにより、低コストで高精度な速度検出ができると共に、磁気エンコーダ22の磁気出力が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
なお、ここでは回転速度検出装置として、磁気エンコーダ22と、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサ18とからなるアクティブタイプの回転速度検出装置を例示したが、本発明に係る回転速度検出装置はこれに限らず、例えば、歯車等と、磁石と巻回された環状のコイル等からなるパッシブタイプであっても良い。
本実施形態では、センサ取付孔17が外方部材5の径方向に貫通して形成され、内径部の段部15を避けて円筒状の肩部16に開口されているので、ドリル等の加工工具が外方部材5を貫通して内径部に達する時に段部15の影響を受けず、加工工具が加工中に傾いたり振動するようなことはない。したがって、センサ取付孔17の精度を確保して密封性を高め、信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
さらに、センサ取付孔17にセンサホルダ19を嵌挿する際、センサホルダ19は外方部材5の肩部16から所定量突出して位置決め固定されている。これにより、磁気エンコーダ22と外方部材5の肩部16との間に充分な環状空間が存在することになるので、磁性体からなる外方部材5が磁気エンコーダ11の出力信号に悪影響を及ぼすことがない。また、磁気エンコーダ22が接合された金属環23は、まず、外方部材5の内径側にハブ輪1を挿通させた後、このハブ輪1の軸状部12に外嵌固定されるが、この外嵌固定作業時に、外方部材5の肩部16との干渉を防止するために注意深く作業する必要がなくなり、組立作業が簡便化できると共に、作業効率がアップして低コスト化を図ることができる。
図3は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は前述した実施形態と基本的にはハブ輪の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は従動輪用の第3世代と称され、ハブ輪24と内輪2からなる内方部材25と、この内方部材25に複列の転動体4、4を介して外挿された外方部材5とを備えている。
本実施形態では、ハブ輪24は、一端部に車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に内側転走面1aと、この内側転走面1aの溝底部からカウンタ部10と、このカウンタ部10からテーパ状の段部11と軸状部12を介して小径段部1bが形成されている。また、ハブ輪24のアウター側の端部にはすり鉢状の凹所26が鍛造加工によって形成されている。そして、この凹所26の深さは、内側転走面1aの溝底部を越えて段部11付近までとされ、ハブ輪24のアウター側の端部が略均一な肉厚に形成されている。これにより、車輪取付フランジ6にモーメント荷重が負荷された場合でも、充分な強度・剛性を確保しつつ、軽量化を達成することができる。
また、前述した実施形態と同様、左右の転動体4、4列のサイズは同じであるが、アウター側の転動体4列のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体4列のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定され、その分、アウター側の転動体4の個数が多く収容されている。そして、ハブ輪24のアウター側の端部の肉厚が略均一に設定されているので、装置の軽量・コンパクト化と高剛性化という相反する課題を同時に解決した車輪用軸受装置を提供することができる。
図4は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、図5は、図4の検出部を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は前述した第1の実施形態(図1)と基本的には外方部材の構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は従動輪用の第3世代と称され、ハブ輪1と内輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体4、4を介して外挿された外方部材27とを備えている。
外方部材27はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に車体取付フランジ5cを一体に有し、内周に複列の外側転走面5a、5bが一体に形成されている。
外方部材27は、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、アウター側の外側転走面5aがインナー側の外側転走面5bよりも拡径して形成され、図5に拡大して示すように、小径側となるインナー側の外側転走面5bの肩部28が形成され、この肩部28からアウター側の外側転走面5aの肩部29がテーパ状に形成されている。そして、肩部28にセンサ取付孔17が径方向に貫通して形成されている。
本実施形態では、センサ取付孔17が外方部材27のテーパ状の肩部29を避けて円筒状の肩部28に開口するよう外方部材27の径方向に貫通して形成されるので、テーパ状の肩部29の影響を受けず、加工工具が加工中に傾いたり振動するようなことはない。したがって、取付孔17を精度良く加工することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造においてあらゆるタイプの回転速度検出装置が内蔵された第3世代または第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の検出部を示す要部拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 図4の検出部を示す要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1、24・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・・・・セレーション
1d・・・・・・・・・・・・・・加締部
2・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3、25・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・転動体
5、27・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・アウター側の外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・インナー側の外側転走面
5c・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・基部
7・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・カウンタ部
11、15・・・・・・・・・・・段部
12・・・・・・・・・・・・・・軸状部
13、14、16、28、29・・肩部
17・・・・・・・・・・・・・・センサ取付孔
18・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
19・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
20・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
21・・・・・・・・・・・・・・シール部材
22・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
23・・・・・・・・・・・・・・金属環
23a・・・・・・・・・・・・・小径円筒部
23b・・・・・・・・・・・・・立板部
23c・・・・・・・・・・・・・大径円筒部
26・・・・・・・・・・・・・・凹所
51・・・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、54a・・・・・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・・・・・肩部
52c・・・・・・・・・・・・・小径段部
53・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54・・・・・・・・・・・・・・内輪
55・・・・・・・・・・・・・・ボール
56・・・・・・・・・・・・・・エンコーダ
56a・・・・・・・・・・・・・大径円筒部
56b・・・・・・・・・・・・・小径円筒部
57・・・・・・・・・・・・・・センサ
57a・・・・・・・・・・・・・取付孔
58・・・・・・・・・・・・・・中間部
59・・・・・・・・・・・・・・案内部
60・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
PCDi・・・・・・・・・・・・インナー側の転動体列のピッチ円直径
PCDo・・・・・・・・・・・・アウター側の転動体列のピッチ円直径
Zi・・・・・・・・・・・・・・インナー側の転動体個数
Zo・・・・・・・・・・・・・・アウター側の転動体個数

Claims (7)

  1. 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸状部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合固定され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体列と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
    前記ハブ輪に配設されたエンコーダとを備え、
    前記外方部材の複列の外側転走面間に貫通してセンサ取付孔が形成され、このセンサ取付孔にセンサホルダが嵌挿されると共に、
    当該センサホルダに前記車輪の回転速度を検出する回転速度センサが包埋され、この回転速度センサが前記エンコーダに所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記複列の転動体列におけるピッチ円直径が左右で異なって設定されると共に、前記センサ取付孔が、前記複列の外側転走面の肩部のうち円筒状の肩部に開口するように形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記センサホルダにハーネスが装着されるコネクタが一体に形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記センサホルダが、前記外方部材の肩部から所定量突出して位置決め固定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記ハブ輪の軸状部に金属環が外嵌固定されると共に、前記エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入され、加硫接着によって前記金属環に一体に接合されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記センサホルダが非磁性の合成樹脂材から射出成形によって形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記複列の転動体列のうちアウター側の転動体列のピッチ円直径がインナー側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、当該アウター側の転動体列の転動体個数が前記インナー側の転動体列の転動体個数よりも多く設定されている請求項1乃至5いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記ハブ輪のアウター側の端部にすり鉢状の凹所が鍛造加工によって形成され、この凹所に対応して端部の肉厚が略均一に設定されている請求項6に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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KR101454907B1 (ko) * 2013-04-11 2014-10-27 주식회사 일진글로벌 베어링 어셈블리
JP2020020443A (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 スズキ株式会社 車両用動力伝達装置

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