図1に、本発明の加工条件生成装置の好ましい実施の形態の構成がブロック図で示される。実施の形態の加工条件生成装置は、基本的にパーソナルコンピュータと同じ構成を有しているが、加工機械の本機に並設されるコンピュータ数値制御装置(CNC, Computerized Numerical Controller)に設けることができる。以下に、実施の形態の加工条件生成装置として、形彫放電加工における加工条件の組合せを生成する加工条件生成装置について説明する。
加工条件生成装置は、入力装置1と、第1の記憶装置2と、第2の記憶装置3と、表示装置4と、操作装置5と、演算装置6を含んでなる。図1は、パーソナルコンピュータが加工条件生成装置として使用されることに限定して各装置の構成を示しているが、パーソナルコンピュータが加工条件を生成する以外の目的で使用されることを制限するものではない。
加工条件生成装置の入力装置1は、キーボードまたはマウスのような操作装置、磁気ディスクまたは光ディスクのような記憶媒体からデータを読み込むことができるディスクドライブ、外部からデータを取り込むことができるUSBフラッシュメモリ(USB, Universal Serial Bus)のような外部記憶装置、LANアダプタ(LAN, Local Area Network)ようにコンピュータネットワークからデータを取り込むことができる通信装置と、必要な入出力インターフェースを含んでいう。
入力装置1は、加工要求のデータを演算装置6に与える手段である。入力装置1から入力される加工要求のデータは、第2の記憶装置3に一旦記憶されて演算装置6によって適宜読み出される。また、入力装置1は、基礎データを作成するときに必要な数値データを入力する手段である。
加工要求のデータは、加工における制約を示すパラメータとして加工条件を決定する上で初期に要求される加工に関する情報として与えられる。加工要求は、所望の加工面粗さのような加工結果のパラメータである場合がある。加工要求は、制御装置に直接パラメータ値を入力して与えられる場合に限らず、制御装置に入力される加工要求ではないパラメータ値から演算して求められて与えられる場合がある。
加工要求は、使用できる加工条件を制限するとともに加工結果に変動を及ぼす。例えば、形彫放電加工の場合、加工要求は、所望の加工面粗さのような期待される加工結果、工具電極と被加工物の材質、電極減寸量、加工面積、加工深さ、加工形態(加工形状)、液処理方法がある。
第1の記憶装置2は、大容量のハードディスクドライブのようなデータを記憶させておく補助記憶装置である。第1の記憶装置2として、磁気ディスクや光ディスクなどの記憶媒体にデータを読み書きするディスクドライブ装置を用いることができる。また、USBフラッシュメモリのような外部記憶装置でもよく、電源が切れている間も基礎データを記憶しておくことができるものであれば限定されない。
第1の記憶装置2は、複数種類の基礎データを記憶しておく手段である。第1の記憶装置2は、必要に応じて、加工条件を決定するプロセスで最初に与えられるパラメータのデータを記憶する。実施の形態の加工条件生成装置においては、第1の記憶装置2は、最初に与えられるパラメータのデータとして、工具電極と被加工物との材質毎にファーストカットで取り得る複数のピーク電流値のデータを対応する無負荷電圧と極性のデータと共に記憶している。既に加工条件データベースを有している場合は、最初に与えられるパラメータのデータを抽出するときに、既存の加工条件データベースに登録されている複数組の加工条件の組合せのデータを利用できる。
基礎データは、一方の種類のパラメータ(以下、主体パラメータという)のパラメータ値に対応する主体パラメータとの間に理論的な相関関係を有する他方のパラメータ(以下、従属パラメータという)のパラメータ値のデータを集積したデータである。したがって、基礎データは、複数種類のパラメータ間の理論的な相関関係を示している。理論的な相関関係を有する複数種類のパラメータには、加工条件と加工要求が含まれる。
複数種類のパラメータ間に理論的な相関関係があるということは、複数種類のパラメータ間に直接因果関係がある場合に限定されず、主体パラメータが科学的な根拠をもって直接または間接的に従属パラメータに影響を与えて従属パラメータのパラメータ値が決まるような相関関係が認められる場合を含む。したがって、本発明における基礎データは、少なくとも理論的な相関関係がない複数種類のパラメータのパラメータ値の集積または加工条件と加工結果とが組み合わされた加工データの単なる寄せ集めではなく、主体パラメータのパラメータ値が決定すると必ず対応する従属パラメータのパラメータ値が予め定められた誤差の範囲で決定する。そのため、基礎データによって得られる主体パラメータのパラメータ値に対応する従属パラメータのパラメータ値は、理論上正しい値であって信頼性が高い。
複数種類の基礎データは、それぞれ任意のデータファイル名が与えられてデータファイルの形式で第1の記憶装置2に記憶されている。複数種類のパラメータの理論的な相関関係を示す基礎データは、物理式や化学式で複数種類のパラメータ間の相関関係が示されるデータだけではなく、実際の加工で期待される加工結果が得られているサンプルデータのように経験値によって理論的に相関関係が示されるデータを含む。
基本的な基礎データは、理論的な相関関係を有する複数種類のパラメータにおける実際の加工で期待される加工結果が得られているサンプルデータを含むパラメータ値が確定的な代表的なデータの集積である。基本的な基礎データは、代表的なデータをばらばらに集積したデータではなく、複数種類のパラメータの相関関係における理論と精度を逸脱しない範囲で適当な近似式で連続するパラメータ値として表わすことができるデータである。したがって、基礎データは、代表的なデータを複数集積して理論的な相関関係を有する複数種類のパラメータの連続するパラメータ値のデータとして表わす近似式のデータを含んでいることがある。近似式を含む基礎データは、主体パラメータと従属パラメータとの理論的な相関関係を線グラフで表わすことができる。
基礎データが複数種類のパラメータ間の理論的な相関関係に基づく代表的なデータから連続するパラメータ値のデータを形成する近似式のデータを含んでいる場合、代表的なデータに存在しないパラメータ値が与えられたときに、単なる中間値データではなく、必ず主体パラメータ値のパラメータ値に対応する従属するパラメータの理論値を得ることができる。また、実用上許容される誤差の範囲で理論に基づく連続するパラメータ値を得ることができる数の代表的なデータが与えられていればよいので、基礎データを加工データに基づいて生成する場合は、数少ないテスト加工で信頼性の高い基礎データを作成することができる利点を有する。
実用上、中間値を必要としないパラメータに関する基礎データは、主体パラメータの代表的なパラメータ値または所定の範囲のパラメータ値に1対1で対応する主体パラメータとの間に理論的な相関関係を有する従属パラメータのパラメータ値または所定の範囲のパラメータ値でなるデータの集積である。このような基礎データは、主体パラメータと従属パラメータとの相関関係を示す対応表で表わすことができる。
第1の記憶装置2は、作業者が操作装置5によって表示装置4の表示画面上で1つ以上の図形化された単位演算プログラムを作成または修正して複数の単位演算プログラムを任意に結合して関連付けて1つ以上の演算プロシージャを作成または修正して加工条件を決定するプログラムを作成するとともに複数の演算プロシージャでなる演算プログラムユニットを作成して複数種類の加工条件を順番に決定していき加工条件の組合せを生成するプログラムを作成するツールであるアプリケーションソフトウェアを記憶する手段である。
加工条件の組合せを生成するプログラムは、単位演算プログラム、演算プロシージャ、演算プログラムユニットを含んでなる。演算プロシージャは、相互に関連付けられた複数の単位演算プログラムの集合体である。また、演算プログラムユニットは、1つ以上の演算プロシージャの集合体であり、複数の演算プロシージャが予め所定の順番で実行されるように関連付けられている。加工条件の組合せを生成するプログラムは、演算プログラムユニット単位で第1の記憶装置2に記憶される。
単位演算プログラムは、加工条件の組合せを生成するプログラムの最小単位である。単位演算プログラムは、与えられた値を演算アルゴリズムに従って演算して値を返すプログラムブロックである。本発明の単位演算プログラムにおける演算アルゴリズムは、入力されるパラメータ値に対応するパラメータ値を演算して出力するときの演算方法(算法)をいう。演算アルゴリズムは、具体的に、基礎データ、関数式、関数プログラムまたは近似法である。
実施の形態における基本的なフォームの単位演算プログラムは、パラメータ値を入力して予め指定または作成された基礎データ、関数式または関数プログラムに従って入力されるパラメータ値に対応するパラメータ値を演算して出力する。単位演算プログラムがパラメータ値を入力するときは、単位演算プログラムの外からパラメータ値を取得する場合に限らず、単位演算プログラムの中で予め与えられ、または演算されて得られるパラメータ値を取得する場合を含む。
単位演算プログラムは、1種類のパラメータに限らず、複数種類のパラメータのパラメータ値を取得することができる。また、単位演算プログラムに与えられるパラメータ値は、単一の値である場合に限定されず、複数の値である場合を含む。あるいは、単位演算プログラムに与えられるパラメータ値は、演算アルゴリズムとして指定または作成された基礎データ、関数式または関数プログラムに従って得られる連続するパラメータ値である場合を含む。また、単位演算プログラムから出力される演算結果であるパラメータ値は、単一の値である場合に限定されず、複数の値である場合や連続するパラメータ値である場合を含む。
基本的なフォームの単位演算プログラムが変形された単位演算プログラムは、入力されるパラメータ値と基礎データ、関数式または関数プログラムに従って得られる連続するパラメータ値y=f(x)と演算初期値x0,x1とを取得して、連続するパラメータ値と演算初期値に基づいて演算アルゴリズムとして指定された二等分割法(二分法)のような近似法に従って関数y=f(x)におけるパラメータ値yに対応するパラメータ値x(以下、単にy値に対するx解という)、2つの連続するパラメータ値の交点(x,y)、または連続するパラメータ値の最大値(頂点)xmaxを演算して出力する。出力されるパラメータ値は、予め定められた誤差の範囲内での近似値である。
演算プロシージャは、表示画面上で出力と入力とを接合線で結合させたり組み合わせたりして、複数の単位演算プログラムを任意に結合して関連付けて、複数の単位演算プログラムを関連付けられた順番に連続して実行するように構成された単位演算プログラムの集合体(リレーション)である。演算プロシージャは、演算プロシージャの終了を実行するプログラムブロック(エンドプログラム)で終了して、最終的に求めるパラメータ値を出力する。
演算プロシージャから出力される最終的に求めるパラメータ値が加工条件のパラメータ値である場合は、基本的に1つの演算プロシージャで1種類の加工条件のパラメータ値が出力される。作業者が複数の演算プロシージャを所定の順番で実行させることによって、複数種類の加工条件を順次決定していき、加工条件の組合せが得られる。
好ましくは、複数の演算プロシージャを予め定義された所定の順番で実行させるようにする。その結果、作業者が演算プロシージャを1つずつ起動して実行させることなく、最初の演算プロシージャを起動して実行させるだけで複数種類の加工条件が順次決定されて加工条件の組合せを生成させることができ、演算プロシージャの実行する順番を間違えることなくより確実にかつ容易に加工条件の組合せを生成することができる。
演算プロシージャは、パラメータを求める手法を示す単位演算プログラムを含む加工条件を決定するプロセスを示すものであるから、作業者が作成した演算プロシージャには、その作業者の有する加工条件を決定する理論、知識、ノウハウが含まれる。したがって、他の作業者は、特定種類の加工条件を決定する演算プロシージャを表示装置の表示画面上に図形化して表示させることによって、演算プロシージャを作成した作業者の特定種類の加工条件を決定する理論、知識、ノウハウを視覚的に理解することができる。
演算プロシージャから出力される最終的に求めるパラメータ値は、一旦第2の記憶装置3に記憶される。第2の記憶装置3に記憶されたパラメータ値は、後続の演算プロシージャにおける演算で利用することができる。したがって、複数の演算プロシージャが実行される毎に複数種類の加工条件のパラメータ値が第2の記憶装置2に記憶されていき、一連の演算プロシージャの実行が完了したときに、第2の記憶装置3に記憶された複数種類の加工条件から加工条件の組合せが生成される。
実施の形態では、1つ以上の演算プロシージャで演算プログラムユニットを構成するようにされている。演算プログラムユニットは、複数の演算プロシージャが予め定義された所定の順番で実行されるように関連付けられてなる。複数の演算プログラムユニットを予め定義された所定の順番で実行させるためには、例えば、加工条件生成装置を動作させるアプリケーションプログラムに予め演算プログラムユニットを読み出す順番を定義したルールをプログラムしておくか、または演算プログラムユニットに次の演算プログラムユニットを続けて実行させるための順番を演算プログラムユニットのデータに関連付けて第1の記憶装置2に記憶させておく。
演算プログラムユニットは、データファイル名を付けて1つのデータファイルとして第1の記憶装置2に保存することができる。したがって、複数種類の演算プログラムユニットを第1の記憶装置2に保存することができ、演算プログラムユニットの単位で第1の記憶装置2から選択的に読み出して表示装置4に表示させたり、実行させることができる。基本的に、1つの演算プログラムユニットで1組の加工条件の組合せを生成するようにされているが、1つ以上の演算プログラムユニットで1組の加工条件の組合せを生成するようにすることができる。
1つの演算プログラムユニットを選択して実行することによって加工条件の組合せを生成させることができる。そのため、作業者は、所要の演算プログラムユニットを起動して実行させるだけで目的の加工条件の組合せを生成させることができ、より確実にかつ容易に加工条件の組合せを生成することができる。また、演算プログラムユニットに含まれる複数の演算プロシージャを表示装置の表示画面上に図形化して同時に表示させることができる。そのため、作業者は、複数の演算プロシージャの関係を容易に判別して複数種類の加工条件を順次決定していく一連のプロセスを視覚的に知ることができ、加工条件の組合せを生成する理論、知識、ノウハウを体系的に理解することができる利点を有する。
好ましくは、複数の演算プログラムユニットを第1の記憶装置2から予め定義された所定の順番に読み出して、読み出した順番に従って演算プログラムユニットを順次実行させるようする。その結果、作業者が演算プログラムユニットを1つずつ起動することなく、最初の演算プログラムユニットを起動するだけで複数組の加工条件の組合せを連続して生成させることができるから、例えば、荒加工工程から最終仕上げ加工工程までの複数の加工工程でそれぞれ加工条件の組合せを設定する必要がある場合のように、複数の演算プログラムユニットを実行させて加工条件の組合せを生成する必要がある場合に、作業者が演算プログラムユニットを選択しながら順番に実行させる必要なく、加工条件の組合せを生成させることができ、作業効率が一層向上する。
演算プロシージャまたは演算プログラムユニットの中には、特定種類の加工条件を決定するために必要なパラメータのパラメータ値を得るための演算プロシージャまたは演算プログラムユニットがある。加工条件を決定するために必要なパラメータは、特定種類の加工条件または加工要求と理論的な相関関係を有している。
実施の形態の形彫放電加工における加工条件生成装置では、例えば、放電ギャップの大きさを推論する演算プログラムユニットが準備されている。放電ギャップの大きさを推論する演算プログラムユニットから最終的に求められた放電ギャップの大きさは、第2の記憶装置3に記憶される。放電ギャップは、加工条件および加工要求ではないパラメータであるが、放電ギャップの大きさは、加工要求である電極減寸量に制約を受けるとともに、ピーク電流値の影響を直接受けて変動する。したがって、放電ギャップの大きさは、ピーク電流値を決定するために必要なパラメータであり、ピーク電流値との間に理論的な相関関係を有している。
実施の形態における形彫放電加工の加工条件の組合せを生成するプログラムは、ピーク電流値、オン時間(放電電流パルス幅)、オフ時間(休止時間)、サーボ基準電圧(平均加工電圧)、極性、無負荷電圧(電源電圧)のような電気条件を生成する演算プログラムユニットと、ジャンプ速度、ジャンプ時間、揺動量のような移動条件を生成する演算プログラムユニットと、放電ギャップのような特定種類の加工条件を決定するために必要なパラメータのパラメータ値を演算する演算プログラムユニットとでなる。また、各種類の演算プログラムユニットは、荒加工工程と中仕上げ加工工程と仕上げ加工工程とでそれぞれ異なる演算プログラムユニットを有する。
実施の形態の加工条件生成装置は、予め定義された順番で実行させるように複数の演算プログラムユニットを1つの加工条件自動生成プログラムのデータファイルとして第1の記憶装置2に記憶させておくことができる。したがって、1つの加工条件自動生成プログラムのデータファイルを第1の記憶装置2から読み出して実行させるだけで、各加工工程における加工条件の組合せを連続的に生成して複数組の加工条件の組合せを設定させることができる。複数の加工条件自動生成プログラムを第1の記憶装置2に記憶させることができる。本発明では、説明の便宜上、各加工工程における複数組の加工条件の組合せを決定する加工条件自動生成プログラムをプロジェクトプログラム(加工計画実行プログラム)と称する。
図4に示されるように、表示装置4の表示画面上の表示領域70にプロジェクトプログラムに含まれる複数の演算プログラムユニットをツリー形式で表示させることができる。実施の形態の加工条件生成装置では、表示されたツリーの上側の演算プログラムユニットから順番に実行されるようにアプリケーションプログラム予め定義されている。また、表示されている演算プログラムユニットを選択的に指定して単独で実行させることができるとともに、指定した演算プログラムユニット毎に演算プログラムユニットの中の単位演算プログラムを含む図形化された演算プロシージャを表示装置4の表示画面上に表示させることができる。
以上のように、演算プロシージャ、演算プログラムユニット、プロジェクトプログラムの何れかの単位で第1の記憶装置2に記憶させ、第1の記憶装置2から読み出して実行させ、表示装置4の表示画面上に表示させることができる。データファイルをどのプログラム単位で構成するかは任意であるが、プロジェクトプログラムを1つのデータファイルとしておくことが、複数組の加工条件の組合せを生成するために加工条件生成装置を動作させるときや加工条件自動生成プログラムの全体の構造を図で理解するときに有利である。
第1の記憶装置2は、加工条件の組合せを生成するプログラムによって生成された加工条件の組合せを記憶させておくことができる。第1の記憶装置2に記憶された加工条件の組合せは、ディスクドライブ装置を通して記憶媒体に記憶させたり、USBポートを通してUSBフラッシュメモリに記憶させることができる。また、第1の記憶装置2に記憶される加工条件の組合せのデータは、加工条件番号を付けて既存の加工条件データベースの中に追加して登録させることができる。
第2の記憶装置3は、演算のために使用する揮発性メモリ(RAM, Random Access Memory)のような一時記憶装置である。第2の記憶装置3は、演算装置6との間で高速にデータのやり取りをできる一時的にデータを記憶しておくことができる記憶装置であればよい。
第2の記憶装置3は、入力装置1から入力された加工要求のデータ、演算装置6で生成された1組以上の加工条件の組合せのデータ、演算装置6の演算で得られる演算結果のデータ、演算装置6の演算に必要なデータなどを記憶しておく手段である。第2の記憶装置3は、演算装置6によって単位演算プログラムを実行して得られる演算結果のデータや演算プロシージャを実行して最終的に求める加工条件を含むパラメータ値を一旦記憶する。
表示装置4は、液晶ディスプレイ(LCD, Liquid Crystal Display)でなるモニタと表示しようとする画像データを表示用のデータに変換してモニタに送信する表示回路とで構成される。表示装置4は、グラフィックボードのようなグラフィック装置が増設されているときは、グラフィック装置を含む。
表示装置4は、基礎データの内容を表示する手段である。表示装置4は、図2に示されるように、作業者が数値データを入力することができるように、基礎データを表示画面上に表形式で表示する。表示装置4は、画面を切り換えて基礎データにおける複数種類のパラメータのパラメータ値をグラフ表示することができる。例えば、図2および図3に、形彫放電加工におけるピーク電流値毎のオン時間に対する放電ギャップのデータが表示画面上に表示されている状態が示されている。また、表示装置4は、例えば、図3に示されるように、複数種類の近似式の候補を選択できるように表示する。
表示装置4は、単位演算プログラムおよび複数の単位演算プログラムが関連付けられてなり最終的に求めるパラメータ値を出力する演算プロシージャを図形化して表示する手段である。具体的に、図形化された単位演算プログラムはブロック図形であり、図形化された演算プロシージャは単位演算プログラムのブロック図形が任意に結合して関連付けられたブロックダイヤグラムである。
図4に、単位演算プログラムのブロック図形10が表示装置4の表示画面上に表示された状態が示されている。単位演算プログラムの基本のブロック図形10(A)は、少なくとも入力されるパラメータ値を取得する入力部分11と、演算アルゴリズムを指定する指定部分12と、演算されたパラメータ値を出力する出力部分13とを有する。
理論的な相関関係を有する取得するパラメータと出力されるパラメータとのパラメータ値の関係を変化させる条件である第3のパラメータが存在することがある。条件となるパラメータのパラメータ値が異なると、相関関係の理論が同じであっても取得するパラメータのパラメータ値に対応する出力するパラメータのパラメータ値が異なる。このように理論的な相関関係を有する2種類のパラメータのパラメータ値を異ならしめるパラメータを中間パラメータという。
基礎データに理論的な相関関係を有する入力される主体パラメータと出力される従属パラメータとのパラメータ値の関係を変化させる条件である中間パラメータが存在するときは、単位演算プログラムのブロック図形10(B)は、単位演算プログラムの基本のブロック図形10(A)に、中間パラメータを系列として、中間パラメータを表示する系列部分14がブロック図形10(A)に追加されたブロック図形である。
単位演算プログラムが関数におけるy値に対するx解、交点または最大値を求める演算プログラムであるときは、単位演算プログラムのブロック図形10(C)は、単位演算プログラムの基本のブロック図形10(A)における入力されるパラメータ値を取得する第1の入力部分11に、入力されるパラメータと出力されるパラメータとの理論的な相関関係を示す基礎データ、関数式または関数プログラムに従って得られる連続するパラメータ値を取得する第2の入力部分15と、演算アルゴリズムである近似法によって近似解を得るために要求される任意の演算初期値を取得する第3の入力部分16とがブロック図形10(A)に追加されたブロック図形である。実施の形態の加工条件生成装置では、演算アルゴリズムである近似法は予め二等分割法に定義されている。
図4に、演算プロシージャブロックダイヤグラム20が表示装置4の表示画面上に表示されている状態が示されている。例えば、図4に示される演算プロシージャブロックダイヤグラム20は、形彫放電加工における加工条件のオン時間を演算する演算プロシージャブロックダイヤグラム20(A)とオフ時間を演算する演算プロシージャブロックダイヤグラム20(B)である。演算プロシージャブロックダイヤグラム20は、1つ以上の単位演算プログラムのブロック図形10を含んでいる。
演算プロシージャは、演算プロシージャの終了を実行するプログラムブロックであるエンドプログラムで終了する。エンドプログラムは、演算プロシージャで演算される最終的に求めるパラメータ値を第2の記憶装置3に記憶させて保存してから演算プロシージャの実行を終了させる。エンドプログラムは、最終的に求めるパラメータ値を入力して第2の記憶装置3に出力するので、広義には、単位演算プログラムに含まれる。エンドプログラムの演算アルゴリズムは、関数プログラムである。
図形化されたエンドプログラムは、ブロック図形30である。エンドプログラムのブロック図形30は、互いに関連付けられた単位演算プログラムのブロック図形10の中で最後に結合されている単位演算プログラムのブロック図形10(D)の出力を入力するように接続線17で結合されて表示装置4の表示画面上に配置される。
実施の形態の加工条件生成装置においては、エンドプログラムのブロック図形30には、重複しない数字(番号)が表示されている。演算プロシージャにおけるエンドプログラムのブロック図形30に示される番号が小さい順番で複数の演算プロシージャが連続して実行されるように加工条件生成装置を動作させるアプリケーションソフトウェアに予め定義されている。
例えば、図4で示される演算プロシージャの場合、エンドプログラムの番号が小さい演算プロシージャブロックダイヤグラム20(A)で示される演算プロシージャが先に実行されてオン時間のパラメータ値が求められ、第2の記憶装置3に記憶される。次に、第2の記憶装置3に記憶されているオン時間のパラメータ値を用いてエンドプログラムの番号が大きい演算プロシージャブロックダイヤグラム20(B)に示される演算プロシージャが実行されてオフ時間のパラメータ値が求められ、第1の記憶装置2に記憶される。
図4は、オン時間を演算する演算プロシージャブロックダイヤグラム20(A)とオフ時間を演算する演算プロシージャブロックダイヤグラム20(B)が表示されている状態を示しているが、他の演算プロシージャブロックダイヤグラムは、表示画面上の外に配置されていて、スクロールバー40を操作することによって、表示されていない他の演算プロシージャブロックダイヤグラムを表示画面上に表示させることができる。
表示装置4は、複数種類の加工要求の中で、加工要求のパラメータ値によって演算アルゴリズムとして使用する基礎データ、特定種類のパラメータを求める手法、または加工条件を決定するプロセスを異ならしめる種類の加工要求を表示領域50に表示させる。例えば、形彫放電加工におけるこのような種類の加工要求は、工具電極と被加工物の材質(材質組合せ)と加工形状である。表示領域50に表示された加工要求は、パラメータ値を任意または選択的に入力することができ、表示画面上に現在表示されている演算プログラムユニットと関連付けて第1の記憶装置2に記憶させることができる。
表示装置4は、加工条件を決定するプロセスで最初に与えられるパラメータのデータを表示領域60に表示する。第1の記憶装置2は、例えば、最初に与えられるパラメータのデータとして、工具電極と被加工物との材質毎にファーストカットで取り得る複数のピーク電流値のデータを無負荷電圧および極性のデータと共に記憶している。最初に与えられるパラメータのデータは、データテーブル形式で保存されている。既に加工条件データベースが存在するときは、表示領域60で既存の加工条件データベースのデータファイル名を選択的に指定して、最初に与えられるパラメータのデータを加工条件データベースから取得することができる。
表示装置4は、1つ以上の演算プログラムユニットを有するプロジェクトプログラムの構成を演算プログラムユニットの単位で表示領域70にツリー形式で表示する。互いに関連付けられた複数の演算プロシージャは、演算プログラムユニットの単位で第1の記憶装置2に記憶されていて、マウスを用いて表示領域70に表示されている演算プログラムユニットのデータファイル名をクリックすると、第1の記憶装置2からその演算プログラムユニットが読み出されて演算プログラムユニットを構成する演算プロシージャが表示画面上に操作可能に表示される。
操作装置5は、主にキーボードやマウスである。実施の形態の操作装置5は、機能的に、第2の記憶装置3、表示装置4、演算装置6を含んでいう。また、操作装置5は、加工要求のパラメータ値や基礎データを作成するときに与える数値データを入力する入力装置1を含んでいる。
操作装置5は、作業者が表示装置4の表示画面上で単位演算プログラムのブロック図形を作成または修正して複数の単位演算プログラムのブロック図形10を任意に接合線で結合して関連付けて演算プロシージャを作成または修正するように操作する手段である。また、操作装置5は、作業者が表示画面上で単位演算プログラムのブロック図形10を任意に配置するように操作する手段である。また、操作装置5は、作業者が表示装置4の表示画面上で単位演算プログラムのブロック図形10の演算アルゴリズムを指定または作成して設定するように操作する手段である。
操作装置5によって、表示装置4の表示画面上で基礎データを生成して第1の記憶装置2に記憶させることができる。数値データは、入力装置1から入力される。操作装置5によって、表示装置4の表示画面上で基礎データを選択して第1の記憶装置2に記憶された特定の基礎データを読み出して、当該基礎データの内容を変更、削除または追加するようにすることができる。
基礎データが理論的な相関関係を有する複数種類のパラメータの代表的なデータを複数集積して理論的な相関関係を有する連続するパラメータ値のデータとして表わす近似式のデータを含むときは、作業者は、操作装置5を操作して近似式のデータを表示装置4の表示画面上に表示されている複数種類の近似式の候補の中から選択して設定することができる。
図形化された単位演算プログラムが少なくとも入力されてくるパラメータ値を取得する入力部分11と演算アルゴリズムを指定する指定部分12と演算されたパラメータ値を出力する出力部分13とを有する単位演算プログラムのブロック図形10であるときは、操作装置5は、作業者が表示装置4の表示画面上で出力部分13と入力部分11または指定部分12と入力部分11とを接続線17で結合させるだけで複数の単位演算プログラムを関連付けることができる。したがって、単位演算プログラムがブロック図形10である場合は、演算プロシージャをより容易に作成または修正することができる。
操作装置5は、作業者が表示装置5の表示画面上で複数の演算プロシージャを所定の順番で実行されるように関連付けて第1の記憶装置2に記憶させる手段である。演算プロシージャを所定の順番で実行されるように関連付けて記憶させる方法として、例えば、表示されている演算プロシージャ毎に実行する順番を示す数値データを入力することができるようにしておき、演算プロシージャと数値データとを関連付けて第1の記憶装置2に記憶させる方法がある。
また、操作装置5は、複数の演算プロシージャが所定の順番で実行されるように関連付けられてなる演算プログラムユニットを第1の記憶装置2に記憶させる手段である。実施の形態の加工条件生成装置は、演算プロシージャにおけるエンドプログラムに番号を与えておき、エンドプログラムに付された番号が小さい順番で演算プロシージャが実行されるように関連付けられている。
演算装置6は、中央演算処理装置(CPU, Central Processing Unit)である。演算装置6は、最初に決定されるべき種類の加工条件を決定する演算プロシージャが起動されたときに、加工条件を決定するプロセスで最初に与えられるパラメータ値に対応して演算プロシージャに従って複数の単位演算プログラムを関連付けられた順番で実行させて加工条件のパラメータ値を演算して出力する。
例えば、形彫放電加工における荒加工工程(ファーストカット)の加工条件の組合せを生成する場合、最初に実行される演算プロシージャは、荒加工で取り得るピーク電流値に対するオン時間を求める演算を行なう。オン時間を求める演算プロシージャに最初に与えられるパラメータは、ピーク電流値である。最初に与えられる1つ以上のピーク電流値のパラメータ値は、第1の記憶装置2に保存されている加工条件データベースからピーク電流値と無負荷電圧と極性の組合せで読み出して取得する。最初に与えられるパラメータ値は、加工条件の組合せを生成するプログラムを実行する前に、作業者が入力装置1から入力して与えておくことができる。
演算装置6は、予め定義された所定の順番で複数の演算プロシージャを実行する。また、演算装置6は、複数の演算プロシージャが予め定義された所定の順番で実行されるように関連付けられてなる演算プログラムユニットを第1の記憶装置2から所定の順番に読み出して、読み出した順番に従って演算プログラムユニットを実行させて加工条件の組合せを生成する。
以下に、実施の形態の加工条件生成装置において基礎データを作成または修正するプロセスと加工条件の組合せを生成するプログラムを作成または修正するプロセスを説明する。図5ないし図7は、単位演算プログラムのブロック図形を具体的に示す。
基礎データを作成するときは、操作装置5を操作して画面選択で数値入力ボタンをクリックして図2に示される基礎データの入力画面を表示装置4に表示させる。そして、入力装置1から数値データを入力して基礎データを作成する。基礎データにおける理論的な相関関係を有するパラメータの種類が2種類であるときのデータ次元数を2とし、パラメータの種類が3種類であるときのデータ次元数を3とする。
データ次元数が2であるときは、基礎データの縦軸と横軸に数値データを入力する。縦軸は、基礎データを線グラフ化したときの縦軸に相当し、出力する従属パラメータのパラメータ値である。横軸は、基礎データを線グラフ化したときの横軸に相当し、入力される主体パラメータのパラメータ値である。
データ次元数が3であるときは、基礎データの縦軸、横軸、系列に数値データを入力する。データ次元数が3であるときは、基礎データに理論的な相関関係を有する主体パラメータと従属パラメータとのパラメータ値の関係を変化させる条件になる中間パラメータが存在する場合であり、中間パラメータを系列として、中間パラメータのパラメータ値を系列に入力する。
図2に、形彫放電加工におけるピーク電流値毎のオン時間に対する放電ギャップの相関関係を示す基礎データが表示画面上に表示されている状態が示されている。縦軸が従属パラメータである放電ギャップ、横軸が主体パラメータであるオン時間、系列が中間パラメータであるピーク電流値である。オン時間と放電ギャップは、オン時間が長くなるほど放電エネルギが大きくなるので放電ギャップが拡大するという理論に基づく相関関係を有する。また、ピーク電流値が高くなるほど放電エネルギが大きくなるのでオン時間が同じであっても放電ギャップが拡大するので、ピーク電流値は、オン時間と放電ギャップとのパラメータ値の関係を変化させる。
次に、操作装置5を操作して加工条件生成装置の画面選択でグラフ生成画面ボタンをクリックして図3に示される基礎データのグラフ生成画面を表示装置4に表示させる。そして、グラフ生成画面に表示されている複数の近似式の候補の中から主体パラメータと従属パラメータとの理論的な相関関係に適する近似式を選択する。選択可能に候補として表示される近似式は、累乗近似、直線近似、対数近似、逆対数近似、指数近似、双曲線近似、平方根近似、立方根近似、幾何曲近似、直角双曲近似、変形累乗近似、有利関数近似、変形双曲近似、多項式近似、多変量解析などがある。
近似式を選択して作成された基礎データは、近似式のデータを含んでいるので、代表的なデータが存在しないパラメータ値が与えられたときに、必ず主体パラメータのパラメータ値に対応する従属パラメータの理論値を所定の誤差の範囲で得ることができる。そして、このように理論に基づいて加工条件を決定していくので、膨大な数の加工条件の組合せを記録した加工条件データベースを予め準備しておく必要がない。そのため、テスト加工の数を減らすことができるとともに、加工結果のばらつきが小さい信頼性の高い加工条件の組合せを得ることができる利点を有する。
近似式が選択されているときは、近似グラフボタンをクリックすると、作成された基礎データを表示装置4にグラフ表示させることができる。中間パラメータが存在して系列を有する基礎データを線グラフ化したときは、図3に示されるように、中間パラメータ毎に線グラフが形成される。したがって、パラメータ値を入力した作業者は、基礎データが正しい理論に基づいて的確に基礎データが作成されているかどうかを容易に確認することができる利点がある。
また、基礎データは単なる加工データの集積ではなく、理論的な相関関係を有する複数種類のパラメータのデータであるから、基礎データの内容を知ることによって加工に関する理論を知ることができる。特に、グラフ表示によって主体パラメータと従属パラメータ、および中間パラメータとの理論的な相関関係を視覚的に容易に理解することができ、加工に関する理論を知り知識を高めることができるので、加工技術が向上する利点がある。そして、熟練作業者が作成して修正を加えながら進化させた基礎データを他の作業者が利用することによって、熟練作業者の知識や経験がより効果的に伝えられるので、加工技術が継承される利点がある。
作成された基礎データは、操作装置5を操作して任意にデータファイル名を付けてデータファイルとして第1の記憶装置2に記憶される。第1の記憶装置2に記憶された基礎データは、操作装置5を操作して演算装置4によって読み出され表示装置4に再び表示させることができる。また、操作装置5を操作して入力装置1から数値データを入力して、基礎データの数値を変更、削除、追加することができる。同様に操作装置5を操作して近似式を指定し直して変更することができ、変更された基礎データから新しい線グラフを生成することができる。
このように、基礎データを適時読み出して表示させることによって、作業者がより容易にかつ的確に基礎データを修正することができ、作業効率が向上する。そして、作業者は、操作装置5を操作して基礎データを作成し、基礎データの内容を変更、追加、削除して編集することによって基礎データの精度を向上させ充実させて、加工技術の知識を広げたり、常に新しい優れた理論または熟練作業者の経験の蓄積で進歩する理論や知識に合わせて基礎データをより容易に進化させることができる利点がある。
加工条件を決定するプログラムを作成するときは、操作装置5を操作して加工条件生成装置の画面選択で図4に示される演算プロシージャの作成または修正画面を表示装置4に表示させる。そして、最初に決定するべき種類の加工条件のパラメータ値を求める演算プロシージャを作成する。最初に決定するべき種類の加工条件は、他の種類の加工条件を決定するときに与えられるパラメータ値として必要になる種類の加工条件である。実施の形態の加工条件生成装置では、最初に決定するべき種類の加工条件は、工具電極と被加工物との材質毎にファーストカットで取り得る複数のピーク電流値に対するオン時間である。
演算プロシージャは、複数の単位演算プログラムを関連付けて作成される。実施の形態の加工条件生成装置では、画面左側に配置されたブロック図形10の単位演算プログラムから画面右側に配置されたブロック図形10の単位演算プログラムに向かって順番に実行されるように定義されている。したがって、作業者は、操作装置5を操作して先に実行されるべき単位演算プログラムのブロック図形10と次に実行されるべき単位演算プログラムのブロック図形を表示画面上に画面左側から順番に配置して、先に実行されるべき単位演算プログラムのブロック図形10のパラメータ値を出力する出力部分13または演算アルゴリズムを指定する指定部分12とパラメータ値を取得する入力部分11とを接続線17で結合する。
単位演算プログラムのブロック図形10は、演算アルゴリズムによって大きく3種類に分類される。基本的な第1の種類の単位演算プログラムは、演算アルゴリズムが第1の記憶装置2に記憶された基礎データである場合であり、図4に示されるように、基本のブロック図形10(A)で示される。第2の種類の単位演算プログラムは、演算アルゴリズムが関数式または関数プログラムである場合であり、ブロック図形10(E)で示される。第3の種類の単位演算プログラムは、演算アルゴリズムが予め定められた近似法であって求める近似解が値に対する解、交点または最大値を求めるものである場合であり、ブロック図形10(C)で示される。
単位演算プログラムのブロック図形10を表示装置4の表示画面上に配置するときは、操作装置5を操作して単位演算プログラム選択ボタン群80の配置したい単位演算プログラムの種類(基礎データ、関数、y値に対するx解、交点、最大値)をクリックして、配置したい場所にポインタを移動させてクリックする。また、例えば、表示されたブロック図形10をクリックすると、ブロック図形10の表示色が黒色から赤色に変更されて操作可能な状態(アクティブ)になるので、アクティブのブロック図形10をクリックしたまま移動すると、表示されているブロック図形10を任意の位置に移動することができる。
第1の種類の単位演算プログラムを作成するときは、操作装置5を操作して単位演算プログラム選択ボタン群80の基礎データのボタンをクリックし、表示画面上の任意の位置に基本のブロック図形10(A)を配置する。図5に示されるような表示画面上に配置されたブロック図形10(A)の演算アルゴリズムを指定する指定部分12をダブルクリックすると、図5の下側に示されるように、第1の記憶装置2に記憶され登録されている基礎データ一覧の画面がウィンドウ表示される。
既に作成されて第1の記憶装置2に記憶されることで登録されている基礎データの中から演算アルゴリズムに使用する基礎データが選択されると、図4に示されるようなブロック図形10(A)の指定部分12に基礎データのデータファイル名が表示される。同時に、演算装置6は、選択された基礎データを解析して、主体パラメータ、従属パラメータ、中間パラメータを探索する。探索の結果、中間パラメータが存在しないときは、入力するパラメータの名称が入力部分11に表示され、出力するパラメータの名称が出力部分13に自動的に表示される。また、中間パラメータが存在するときは、表示されている基本のブロック図形10(A)が変形されて図4に示されるブロック図形10(B)のように系列部分14が拡張して表示され、中間パラメータの名称が系列部分14に自動的に表示される。
第2の種類の単位演算プログラムを作成するときは、操作装置5を操作して単位演算プログラム選択ボタン群80の関数のボタンをクリックし、表示画面上の任意の位置にブロック図形10(E)を配置する。図6に示されるような表示画面上に配置されたブロック図形10(E)の演算アルゴリズムを指定する指定部分12をダブルクリックすると、図6の下側に示されるように、関数式または関数プログラムを作成する画面(関数プロパティ)がウィンドウ表示される。
関数式は、数学で広く使用されている演算子と変数符号で記述される。関数プログラムは、図6に示されるように、数式だけでは表現できない関数演算を実行する。関数プログラムは、比較的簡単なプログラム言語で作成される。簡単なプログラム言語は、例えば、C言語のような高度なプログラム言語のようにアプリケーションプログラムを作成することはできないが、簡単な演算を実行する程度の関数プログラムを作成することができる。そのため、作業者にとっては、高度な専門的なコンピュータプログラミングの知識が不要である利点がある。
具体的に、関数プログラムを作成する簡単なプログラム言語は、図6に示されるような広く知られているビジュアルベーシックが採用される。関数演算は、ビジュアルベーシックの規定に従う演算子、変数符号、命令(ステートメント)を使用して表現される必要があるが、演算子と変数符号の殆んどが数学で広く使用されている演算子と変数符号である。また、基本的な命令文は一般の言語に近似しているとともに、ビルダと称される支援ツールを利用して演算子、変数符号、ステートメント、あるいは例文を読み出してプログラムを記述することができる。
関数式または関数プログラムを作成して定義した後に、関数式または関数プログラムに任意の関数名を付けて入力する。そして、操作装置5を操作してOKボタンをクリックすると、作成した関数が演算単位プログラムのデータの一部分として記憶され保存される。関数を保存して登録すると、図4に示されるようなブロック図形10(E)の指定部分12に登録された関数名が表示されるとともに、入力部分11と出力部分13に関数のパラメータ(変数符号)が表示される。
第3の種類の単位演算プログラムを作成するときは、操作装置5を操作して単位演算プログラム選択ボタン群80の求める近似解のボタンをクリックし、表示画面上の任意の位置にブロック図形10(C)を配置する。実施の形態の加工条件生成装置では、演算アルゴリズムである近似法は予め二等分割法に定義されており、求めることができる近似解の種類は、y値に対するx解、交点または最大値に決められている。したがって、y値に対するx解を選択するときはY>=Xのボタンをクリックし、交点を選択するときは交点のボタンをクリックし、最大値を選択するときは頂点のボタンをクリックする。
二等分割法によって近似解を求める単位演算プログラムのブロック図形10(C)は、図4および図7に示されるように、入力される主体パラメータのパラメータ値を取得する第1の入力部分11と、演算アルゴリズムを指定する指定部分12と、入力するパラメータと出力するパラメータとの理論的な相関関係を示す基礎データ、関数式または関数プログラム(以下、連続するパラメータ値を示す関数と総称する)に従って得られる連続するパラメータ値y=f(x)を取得する第2の入力部分15と、任意の演算初期値を入力する入力部分16と、出力される従属パラメータのパラメータ値である近似解を出力する出力部分13を有する。
演算アルゴリズムは、二等分割法に定義されているので、演算アルゴリズムを指定する指定部分12には、求める近似解の種類が表示される。図7に示されるブロック図形10(C)の場合、求める近似解の種類としてY>=X(y値に対するx解)が表示されている。
近似解を求めるための基礎となる連続するパラメータ値を示す関数は、第1の記憶装置2に記憶されている基礎データから選択的に指定するか、関数式または関数プログラムを作成する画面で関数式または関数プログラムを作成して登録する。また、他の単位演算プログラムの演算アルゴリズムに指定された基礎データ、関数または関数プログラムを引用することができる。
他の単位演算プログラムの演算アルゴリズムに指定された基礎データ、関数または関数プログラムを引用して連続するパラメータ値を示す関数を指定する場合は、操作装置5を操作して他のブロック図形10(A)またはブロック図形10(B)の演算アルゴリズムを指定する指定部分12の右端をクリックして連続するパラメータ値を示す関数を指定している状態で、図7に示されるブロック図形10(C)の連続するパラメータ値を取得する入力部分15まで接続線17を引いて、2つの単位演算プログラムを結合させる。
連続するパラメータ値を示す関数が指定されると、演算装置6は、指定された連続するパラメータ値を示す関数を解析して、求める近似解のパラメータを探索する。そして、求める近似解のパラメータの名称が近似解の出力部分13に自動的に表示される。
二等分割法で近似解を計算するためには、求める近似解が間に存在し得る大小の演算初期値が必要である。演算初期値を入力する場合は、操作装置5を操作して演算アルゴリズムを指定する指定部分12をダブルクリックすると、図7の下側に示されるように、演算初期値を与える画面がウィンドウ表示されるので、求めるy値に対するx解、交点または最大値における近似解が大小の演算初期値の間に存在しかつ演算に要する時間が可能な限り短くなるような適当な演算初期値を予測して入力する。
複数の単位演算プログラムを結合して関連付けるときは、先に実行されるブロック図形10の出力部分13をクリックしながら次に実行される単位演算プログラムの入力部分11まで接続線17を引いてクリックを解除する。接続線17によってブロック図形10同士が結合すると、実際の単位演算プログラムが実行する順番に関連付けられる。ブロック図形10の中で最後に結合されている単位演算プログラムのブロック図形10(D)の出力部分と演算プロシージャの終了を実行するエンドプログラムを示すブロック図形30とを接続線17で結合すると、1つの演算プロシージャ20が形成される。
エンドプログラムのブロック図形30に表記される番号は、演算プロシージャを実行する順番を決定する。したがって、操作装置5を操作して表示装置4の表示画面上でブロック図形30を配置してブロック図形10(D)と結合することで、複数の演算プロシージャが所定の順番で実行されるように関連付けられる。
実施の形態の加工条件生成装置においては、演算プログラムユニットの単位で第1の記憶装置2に加工条件自動生成プログラムのサブプログラムとして記録することができるようにされている。複数の演算プロシージャは、エンドプログラムの番号の順番で実行されるように関連付けられているので、演算プログラムユニットに任意のデータファイル名を付けて第1の記憶装置2に記憶させるだけで、複数の演算プロシージャを予め定義された所定の順番で実行されるように関連付けられた状態で保存される。
実施の形態の加工条件生成装置は、複数の演算プログラムユニットを1つのプロジェクトプログラムとしてデータファイル名を付けて第1の記憶装置2に記憶させることができる。プロジェクトプログラムは、1つの加工条件自動生成プログラムのメインプログラムである。演算装置6は、作業者が操作装置5を操作して複数の演算プログラムユニットを第1の記憶装置2に記憶させるときに、複数の演算プログラムユニットがツリー形式で関連付けられるように記憶させる。
ツリー形式で関連付けられて記憶された複数の演算プログラムユニットは、ツリー形式で表示装置4の表示画面上の表示領域70に表示される。表示されたツリーの上側の演算プログラムユニットから順番に実行されるようにアプリケーションプログラム予め定義されているので、プロジェクトプログラムが起動され実行されるときは、ツリー形式で予め定められた順番で演算プログラムユニットが実行される。
演算プロシージャを修正するときは、表示装置4の表示画面の表示領域70に表示されている修正したい演算プロシージャを含む演算プログラムユニットをクリックすることで第1の記憶装置2から修正したい演算プログラムユニットを読み出して、図4に示される表示画面に表示させる。そして、操作装置5を操作して単位演算プログラムのブロック図形10同士の結合を変更し、ブロック図形10をアクティブにして削除し、演算アルゴリズムを変更し、あるいはブロック図形10を新しく作成して追加する。
表示装置4の表示画面を加工条件の組合せを生成する画面に切り換えると、図示しない1種類以上の加工要求を入力する表示画面が表示される。作業者が入力することを要求されている1種類以上の加工要求のパラメータ値を順次入力してから加工条件の組合せを生成するプログラムを実行させると、演算装置6は、所定のプロジェクトプログラムを第1の記憶装置2から読み込んで実行する。
演算装置6は、プロジェクトプログラムを解読して実行し、最初にツリー形式で予め定義されている上位の演算プログラムユニットに含まれるエンドプログラムの番号が最も小さい最初の演算プロシージャを実行する。したがって、最初に加工条件を決定するプロセスで最初に与えられるパラメータ値に対応して演算プロシージャに従って複数の単位演算プログラムを関連付けられた順番で実行して、加工条件のパラメータ値を演算して出力する。そして、エンドプログラムの番号で予め定義された所定の順番で次々と演算プロシージャを実行させて複数種類の加工条件のパラメータ値を順次決定する。
求められた加工条件のパラメータ値は、演算プロシージャが終了するときに第2の記憶装置3に記憶される。全ての演算プロシージャが終了して演算プログラムユニットの実行が完了すると、複数の演算プロシージャが実行される毎に第2の記憶装置3に順次記憶された複数種類の加工条件のパラメータ値が結合されて加工条件の組合せが生成される。生成された加工条件の組合せは、加工条件番号が付されて第2の記憶装置3に一旦記憶される。
加工の種類によって、1つの加工における複数の加工工程毎に加工条件の組合せを設定することがある。このような場合は、それぞれの加工工程毎に加工条件の組合せを生成する演算プログラムユニットが作成されている。複数の演算プログラムユニットで複数の加工条件の組合せを生成するプログラムが構成されている場合は、演算装置6は、複数の演算プログラムユニットをツリー形式で予め定義された順番に実行して各加工工程における加工条件の組合せを順番に生成して加工条件番号を付して第2の記憶装置3に記憶させる。
表示装置4の表示画面の表示領域70にフォルダ形式で表示されている複数の演算プログラムユニットのデータファイル名を指定して起動することによって、必要に応じて任意に1つの演算プログラムユニットを第1の記憶装置2から読み出して単独で実行させることができる。単独で実行させたときに生成される加工条件の組合せは、第2の記憶装置3に一時的に記憶され、適時表示装置4に表示させることができる。
NCプログラムに加工条件の組合せを記述するときは、加工条件の組合せを生成するプログラムを実行させて生成され第2の記憶装置3に一旦記憶されている加工条件の組合せを抽出して、加工条件番号を含む加工条件の組合せのデータをNCプログラムの形式で所定の位置に記述してNCプログラムと共に保存する。
既に加工条件データベースが存在する場合は、プロジェクトプログラムあるいは演算プログラムユニットを実行することによって生成されて第2の記憶装置3に記憶されている加工条件番号が付された1組以上の加工条件の組合せは、加工条件番号と共に第1の記憶装置2に記憶されている加工条件データベースに追加して記憶させることができる。そのため、テスト加工を行なうことなく、加工条件データベースを拡充することができる利点がある。
本発明の加工条件生成装置は、以上に説明され図示される実施の形態の加工条件生成装置と同一の構成に限定されず、本発明の目的と効果を逸脱しない範囲で種々の変形と応用が可能である。例えば、操作装置は、キーボードやマウスに限定されず、キーパッドや液晶ディスプレイ上のタッチパネルであってよい。また、発明の詳細な説明における特定の用語で示される部品、部材、データ、パラメータに限定されることなく、実質的に同一の意味を有する部品と部材を含む。