JP2009287456A - 排気絞り弁の故障診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気絞り弁の故障を確実に判定できる排気絞り弁の故障診断装置を提供する。
【解決手段】DPFの強制再生時に排気絞り弁により排気制限する一方、目標吸入空気量算出部71で強制再生の制御モード毎に目標吸入空気量tgtQaを算出し、現在実行中の制御モードと対応する目標吸入空気量tgtQaを選択部72で選択し、選択した目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQに基づき吸気絞り制御部62で吸気絞り弁をフィードバックして、排気絞り弁の流量特性の誤差を補償する。そして、このときの吸気絞り弁の制御状況に基づき、故障診断部63で排気絞り弁の故障の有無及び故障内容を判定する。
【選択図】図3
【解決手段】DPFの強制再生時に排気絞り弁により排気制限する一方、目標吸入空気量算出部71で強制再生の制御モード毎に目標吸入空気量tgtQaを算出し、現在実行中の制御モードと対応する目標吸入空気量tgtQaを選択部72で選択し、選択した目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQに基づき吸気絞り制御部62で吸気絞り弁をフィードバックして、排気絞り弁の流量特性の誤差を補償する。そして、このときの吸気絞り弁の制御状況に基づき、故障診断部63で排気絞り弁の故障の有無及び故障内容を判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は排気絞り弁の故障診断装置に係り、詳しくは、エンジンの排気流量を制限して排気通路に設けたDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を昇温する排気絞り弁の故障診断装置に関するものである。
例えばディーゼルエンジン等のようにリーン空燃比下で燃焼を行う内燃機関では、排ガス中にHC、CO、NOx以外にパティキュレートが多く含まれており、このパティキュレートを処理するための後処理装置として、排ガス中のパティキュレートをDPFに捕集する排気浄化装置が実用化されている。このような排気浄化装置では、DPFに捕集したパティキュレートを焼却除去する必要があるため、パティキュレートフィルタの上流側に酸化触媒を配設し、この酸化触媒により排ガス中のNOから生成されたNO2を酸化剤として利用して、フィルタ上のパティキュレートを連続的に燃焼させる、所謂連続再生を実施するように構成されている。
連続再生によるパティキュレートの焼却除去は、DPF温度が所定値以上であれば通常の運転中でも自ずと行われるが、この条件が満たされない運転状態が継続すると、DPFでのパティキュレートの捕集量が許容量を越えて過堆積に陥ってしまう。そこで、過堆積に至る以前にDPFを積極的に昇温することによりパティキュレートを焼却除去してDPFの再生を図る強制再生が実施されており、例えばメイン噴射後の膨張行程でポスト噴射により供給した未燃燃料を上流側の酸化触媒上で燃焼させて、下流側に位置するDPFを昇温してパティキュレートの燃焼を図っている。
以上のDPFによる機能が損なわれると、大気中へのパティキュレート排出等の不具合が生じるため、例えば特許文献1の記載の対策が提案されている。当該特許文献1の技術は、DPFの下流側に設けたスートセンサにより所定量以上のパティキュレートが検出されたときに、DPFの破損や機能故障が生じたとして故障判定を下すものである。
特開2007−315275号公報
ところで、上記DPFの強制再生時には、DPFの昇温促進を目的としてエンジンの排気通路に設けた排気絞り弁を閉弁制御する場合があり、排気制限による間接的な吸入空気量の制限、及びエンジン回転低下を補うための燃料噴射量の増加を利用して、DPFの昇温促進作用を得ている。
この種の排気絞り弁が故障すると、DPFの昇温促進による効率的な強制再生を望めなくなるばかりでなく、故障が排気絞り弁の閉固着の場合には、過度の排気制限によりエンジン破損等の重大な不具合が生じることから、排気絞り弁の故障を的確に診断して修理等の速やかな対処を行う必要がある。
この種の排気絞り弁が故障すると、DPFの昇温促進による効率的な強制再生を望めなくなるばかりでなく、故障が排気絞り弁の閉固着の場合には、過度の排気制限によりエンジン破損等の重大な不具合が生じることから、排気絞り弁の故障を的確に診断して修理等の速やかな対処を行う必要がある。
ところが、従来からDPFの昇温状況を監視して異常を判定することは行われていたが、当該DPFの昇温には、上記ポスト噴射や排気絞り制御の他に、吸気絞り制御や点火時期リタード等の種々の制御が併用されているため、昇温異常の要因が何れの制御にあるかは特定できず、必然的に排気絞り弁の故障を直接的に判定できず迅速な対処が望めなかった。当然ながら、DPF自体の故障を判定する上記特許文献1の技術では、排気絞り弁を故障判定することはできず、何ら解決策とはなり得なかった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気絞り弁の故障を確実に判定することができる排気絞り弁の故障診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に排ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタを配設し、フィルタのパティキュレート捕集量が所定値に達したときに、強制再生制御手段により排気通路に配設した排気絞り弁を閉弁制御しながらエンジンの排気昇温によりフィルタを昇温する強制再生を実行して、フィルタに捕集されたパティキュレートを焼却除去するエンジンの排気浄化装置において、エンジンの吸気通路に配設されて、吸気通路を流通する吸入空気を調整可能な吸気絞り弁と、強制再生時において、エンジンの運転状態に基づき算出された強制再生時の目標吸入空気量と実際の吸入空気量との偏差を縮小するように、吸気絞り弁の開度をフィードバック制御する吸気絞り制御手段と、強制再生時において、吸気絞り制御手段による吸気絞り弁の制御状況に基づき、排気絞り弁の故障を判定する故障判定手段とを備えたものである。
従って、排気絞り弁による排気制限は間接的にエンジンの吸入空気量を制限することに繋がるため、何らかの要因により排気絞り弁の流量特性が所期の設定に対して誤差を生じていれば、その誤差に応じて吸入空気量が変動する。吸気絞り弁のフィードバック制御によりエンジンの実吸入吸気量が強制再生時の最適値として設定された目標吸入空気量に調整されることにより、結果として排気絞り弁の流量特性に生じた誤差が補償されて適切な排気制限が実現される。
そして、このときの吸気絞り弁の制御状況は、排気絞り弁の流量特性に発生した誤差、ひいては誤差の発生要因となった排気絞り弁の故障内容を反映したものとなるため、吸気絞り弁の制御状況を表す指標として、例えば目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差、或いは吸気絞り弁の操作量等を設定し、これらの指標に基づき排気絞り弁の故障を確実に判定可能となる。
請求項2の発明は、請求項1において、故障判定手段が、強制再生の実行中において、目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差が予め設定された開固着判定値以上のときに、排気絞り弁の開固着に起因する故障判定を下すものである。
従って、排気絞り弁が開固着して排気制限が行われないときには、吸気絞り弁が閉側に制御されても補償しきれないため、目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差は0からかけ離れた大きな値となり、必然的に開固着判定値以上となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁の開固着による故障と見なすことができ、開固着に起因する故障判定が下される。
従って、排気絞り弁が開固着して排気制限が行われないときには、吸気絞り弁が閉側に制御されても補償しきれないため、目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差は0からかけ離れた大きな値となり、必然的に開固着判定値以上となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁の開固着による故障と見なすことができ、開固着に起因する故障判定が下される。
請求項3の発明は、請求項1において、強制再生前の吸気絞り弁の開度を原位置とした吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、故障判定手段が、初回の強制再生の実行中において、操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の操作量の絶対値が予め設定された個体差判定値以上のときに、排気絞り弁の個体差に起因する故障判定を下すものである。
従って、製造誤差や車体への組付誤差に起因する個体差を排気絞り弁が有しているときには、個体差無しの場合に比較して、目標吸入空気量に対して実吸入空気量が不足または過剰となり、その偏差を縮小するように吸気絞り弁が制御される。結果として、原位置からの吸気絞り弁の操作量は正側または負側にある程度の大きさの値となり、必然的に操作量の絶対値が個体差判定値以上となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁の個体差による故障と見なすことができ、個体差に起因する故障判定が下される。
請求項4の発明は、請求項1において、強制再生前の吸気絞り弁の開度を原位置とした吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、故障判定手段が、強制再生の実行中において、操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の開側への操作量が予め設定されたパティキュレート堆積判定値以上のときに、排気絞り弁のパティキュレート堆積に起因する故障判定を下すものである。
従って、排気絞り弁へのパティキュレートの堆積量はエンジン運転時間と共に次第に増大し、それに伴って強制再生時の排気絞り弁による排気制限は、同一制御量であってもより大きなものとなる。必然的にその流量特性の誤差を補償すべく、吸気絞り弁は次第に開側に制御され、原位置からの操作量が増大して何れかの時点でパティキュレート堆積判定値以上となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁へのパティキュレートの堆積による故障と見なすことができ、パティキュレートの堆積に起因する故障判定が下される。
請求項5の発明は、請求項1において、強制再生前の吸気絞り弁の開度を原位置とした吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、故障判定手段が、強制再生の実行中において、操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の閉側への操作量が予め設定された腐食穴空き判定値以上のときに、排気絞り弁の腐食による穴空きに起因する故障判定を下すものである。
従って、排気絞り弁に腐食による穴空きが生じて強制再生の実行毎に次第に拡大すると、それに伴って強制再生時の排気絞り弁による排気制限は、同一制御量であってもより小さなものとなる。必然的にその流量特性の誤差を補償すべく、吸気絞り弁は次第に閉側に制御され、原位置からの操作量が増大して何れかの時点で腐食穴空き判定値以上となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁の腐食による穴空きの故障と見なすことができ、排気絞り弁の穴空きに起因する故障判定が下される。
請求項6の発明は、請求項1において、吸気絞り制御手段が、強制再生の終了時に排気絞り弁の閉弁制御の中止に対して吸気絞り弁のフィードバック制御の中止を所定時間遅延させ、故障判定手段が、所定時間内において、目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差の絶対値が予め設定された閉固着判定値未満のときに、排気絞り弁の閉固着に起因する故障判定を下すものである。
従って、排気絞り弁の閉弁制御を中止した後の所定時間内において、排気絞り弁が閉固着せずに正常に開弁されて排気制限が終了したときには吸入空気量が急増し、制御を継続中の吸気絞り弁が閉側に制御されても補償しきれないため、目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差が閉固着判定値以上となるのに対し、排気絞り弁が閉固着して排気制限が終了しないときには、制御を継続中の吸気絞り弁により実吸入空気量と目標吸入空気量との偏差がほぼ0に保持され続け、必然的に閉固着判定値未満となる。よって、このような吸気絞り弁の制御状況では、排気絞り弁の閉固着による故障と見なすことができ、閉固着に起因する故障判定が下される。
請求項7の発明は、請求項3,4,6において、故障判定手段が、排気絞り弁の故障判定を下したときに、エンジンに対して燃料噴射量を減少させたリンプホームモードの実行を指令するものである。
従って、排気絞り弁の閉固着は、不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があり、排気絞り弁が吸入空気量の不足方向の個体差を有している場合、或いは排気絞り弁にパティキュレートが堆積している場合も、不必要な排気制限によりエンジン破損の虞がある。このときに燃料噴射量を減少させたリンプホームモードが実行されてエンジン負荷が軽減されるため、破損等のより重大な故障が未然に回避される。
従って、排気絞り弁の閉固着は、不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があり、排気絞り弁が吸入空気量の不足方向の個体差を有している場合、或いは排気絞り弁にパティキュレートが堆積している場合も、不必要な排気制限によりエンジン破損の虞がある。このときに燃料噴射量を減少させたリンプホームモードが実行されてエンジン負荷が軽減されるため、破損等のより重大な故障が未然に回避される。
請求項8の発明は、請求項3,4,6,7において、故障判定手段が、排気絞り弁の故障判定を下したときに、エンジンに対して再始動の禁止を指令するものである。
従って、排気絞り弁の閉固着は、不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があり、排気絞り弁が吸入空気量の不足方向の個体差を有している場合、或いは排気絞り弁にパティキュレートが堆積している場合も、不必要な排気制限によりエンジン破損の虞がある。このときにエンジンの再始動が禁止されるため、破損等のより重大な故障が未然に回避される。
従って、排気絞り弁の閉固着は、不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があり、排気絞り弁が吸入空気量の不足方向の個体差を有している場合、或いは排気絞り弁にパティキュレートが堆積している場合も、不必要な排気制限によりエンジン破損の虞がある。このときにエンジンの再始動が禁止されるため、破損等のより重大な故障が未然に回避される。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、排気絞り弁の流量特性に生じた誤差を吸気絞り弁側の流量制御により補償し、このときの吸気絞り弁の制御状況に基づき排気絞り弁を故障判定することにより、排気絞り弁に発生した故障を確実に判定することができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の開固着に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の開固着に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項3の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の個体差に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項4の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、パティキュレートの堆積に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項5の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の腐食による穴空きに起因する故障を確実に判定することができる。
請求項4の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、パティキュレートの堆積に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項5の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の腐食による穴空きに起因する故障を確実に判定することができる。
請求項6の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、排気絞り弁の閉固着に起因する故障を確実に判定することができる。
請求項7の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項3,4,6に加えて、排気絞り弁の故障判定時にリンプホームモードを実行することにより、エンジン破損等のより重大な故障を未然に回避することができる。
請求項7の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項3,4,6に加えて、排気絞り弁の故障判定時にリンプホームモードを実行することにより、エンジン破損等のより重大な故障を未然に回避することができる。
請求項8の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項3,4,6,7に加えて、排気絞り弁の故障判定時にエンジンの再始動を禁止することにより、エンジン破損等のより重大な故障を未然に回避することができる。
以下、本発明を具体化した排気絞り弁の故障診断装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の排気絞り弁の故障診断装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列6気筒ディーゼル機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
図1は本実施形態の排気絞り弁の故障診断装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列6気筒ディーゼル機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド4が装着され、吸気マニホールド4に接続された吸気通路5には、上流側より吸入空気量Qaを検出するエアフローセンサ6、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、インタクーラ8、アクチュエータ9aにより開閉駆動される吸気絞り弁9が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド10が装着され、排気マニホールド10には上記コンプレッサ7aと同軸上に連結されたターボチャージャ7のタービン7bを介して排気通路11が接続されている。
エンジン1の運転中においてエアフローセンサ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気絞り弁9、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド10を経てタービン7bを回転駆動した後に排気通路11を経て外部に排出される。
一方、吸気マニホールド4と排気マニホールド10とはEGR通路17により接続され、EGR通路17にはアクチュエータ18aにより開閉駆動されるEGR弁18及びEGRクーラ19が設けられている。エンジン1の運転中にはEGR弁18の開度に応じて排気マニホールド10側から吸気マニホールド4側に排ガスの一部がEGRガスとして還流される。
上記排気通路11は、上流側ケーシング31及び下流側ケーシング32をパイプ33a〜33cにより相互に接続して構成されている。上記ターボチャージャ7のタービン7bには第1パイプ33aを介して上流側ケーシング31が接続され、上流側ケーシング31は第2パイプ33bを介して下流側ケーシング32と接続されている。下流側ケーシング32は第3パイプ33cを介して消音器と接続され、消音器の後端は大気に開放されている。
上流側ケーシング31内の上流側には前段酸化触媒34が収容され、下流側にはウォールフロー式のDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)35が収容されている。DPF35は排ガス中のパティキュレートを捕集する作用を奏し、エンジン1の排ガス温度が比較的高い運転状態では、前段酸化触媒34の酸化作用により排ガス中のNOからNO2が生成されて、NO2の酸化反応によりDPF35に捕集されたパティキュレートが連続的に焼却除去されることでDPF35の再生が図られる。
上流側ケーシング31内のDPF35の下流側には噴霧拡散室36が形成されている。噴霧拡散室36内にはフィン装置37が設置され、フィン装置37は、多数のフィン37aにより排ガスに旋回流を生起させるようになっている。
噴霧拡散室36内のフィン装置37の下流側には噴射ノズル38が設置され、噴射ノズル38は、図示しないタンクから圧送される尿素水を還元剤として噴霧拡散室36内に任意に噴射するようになっている。また、フィン装置37と噴射ノズル38との間には温度センサ39が設置され、温度センサ39により噴霧拡散室36内の排ガス温度Tnzlが検出される。
噴霧拡散室36内のフィン装置37の下流側には噴射ノズル38が設置され、噴射ノズル38は、図示しないタンクから圧送される尿素水を還元剤として噴霧拡散室36内に任意に噴射するようになっている。また、フィン装置37と噴射ノズル38との間には温度センサ39が設置され、温度センサ39により噴霧拡散室36内の排ガス温度Tnzlが検出される。
下流側ケーシング32内の上流側にはSCR触媒40(選択還元型NOx触媒)が収容され、下流側には後段酸化触媒41が収容されており、SCR触媒40は排ガス中のNOxを浄化する作用を奏する。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)51が設置されている。ECU51の入力側には、上記エアフローセンサ6、温度センサ39、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ52、吸気マニホールド4に配設されて各気筒の筒内に供給される吸気O2濃度を検出する吸気O2センサ53、SCR触媒40の温度Tcatを検出する触媒温度センサ54、アクセル操作量Accを検出するアクセルセンサ55、SCR触媒40の下流側におけるNOx排出量を検出するNOxセンサ56、吸気絞り弁9の開度θを検出する開度センサ57等の各種センサ類が接続されている。また、ECU51の出力側には、上記吸気絞り弁9、排気絞り弁12、EGR弁18の各アクチュエータ9a,12a,18a、燃料噴射弁2、噴射ノズル38、運転席に設けられた警告ランプ58等の各種デバイス類が接続されている。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)51が設置されている。ECU51の入力側には、上記エアフローセンサ6、温度センサ39、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ52、吸気マニホールド4に配設されて各気筒の筒内に供給される吸気O2濃度を検出する吸気O2センサ53、SCR触媒40の温度Tcatを検出する触媒温度センサ54、アクセル操作量Accを検出するアクセルセンサ55、SCR触媒40の下流側におけるNOx排出量を検出するNOxセンサ56、吸気絞り弁9の開度θを検出する開度センサ57等の各種センサ類が接続されている。また、ECU51の出力側には、上記吸気絞り弁9、排気絞り弁12、EGR弁18の各アクチュエータ9a,12a,18a、燃料噴射弁2、噴射ノズル38、運転席に設けられた警告ランプ58等の各種デバイス類が接続されている。
例えばECU51は、エンジン回転速度Neやアクセル操作量Accから所定のマップに従って燃料噴射量Qを設定すると共に、この燃料噴射量Q及びエンジン回転速度Neから所定のマップに従って燃料噴射時期ITを設定し、これらの燃料噴射量Q及び燃料噴射時期ITに基づき燃料噴射弁2を駆動制御し、各気筒の筒内に燃料を噴射してエンジン1を運転する。
また、ECU51は、温度センサ39により検出される排ガス温度Tnzl等に基づき噴射ノズル38からの尿素水の噴射量を制御する。噴射された尿素水は排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてアンモニア(NH3)を生成し、このアンモニアによりSCR触媒40上では排ガス中のNOxが無害なN2に還元されてNOxの浄化が行われる一方、このときの余剰アンモニアが後段酸化触媒41によりNOに酸化される。
また、ECU51はDPF35の浄化機能を維持するために適宜強制再生を実行する(強制再生制御手段)。即ち、渋滞による低速走行や寒冷地による外気温の低下等に起因してDPF35が温度低下したときには、上記連続再生の作用が得られずにDPF35でのパティキュレートの捕集量が許容量を越えて過堆積に陥ってしまう。そこで、ECU51は、例えばDPF35の前後差圧から求めたパティキュレート捕集量が所定の再生開始判定値に達した時点で、DPF35を昇温してパティキュレートを強制的に焼却除去する強制再生を実行する。なお、強制再生でパティキュレート燃焼の際に生じるHC,COは後段酸化触媒41によりCO2に酸化される。
強制再生は自動再生と手動再生とに大別され、通常時には車両走行中に自動再生が実行されてDPF35が昇温され、一方、低速走行の連続等により自動再生ではDPF35を十分に昇温できないときには、運転者に停車を促した上で、運転者の図示しないスタートボタンの操作に呼応してDPF35の昇温に最適条件の下でエンジン1を運転しながら手動再生が実行される。何れの強制再生も、メイン噴射後のポスト噴射、EGR制御、燃料噴射時期IT及び噴射圧力の制御、及び排気絞り弁12の閉弁制御等により実現されるが、自動再生と手動再生とでは制御内容が相違すると共に、何れの強制再生の場合も、DPF35の昇温過程(例えば、通常温度よりDPF35を昇温する予備昇温制御、予備昇温制御後に交互に実行されてDPF35を目標温度に保持する上昇制御及び下降制御等)に応じて制御内容が相違する。
ところで、排気絞り弁12の流量特性にはある程度の誤差が存在しているため、想定している所期の排気絞り弁12の流量特性に対して実際の流量特性が食い違い、不適切な排気制限により強制再生時の所要時間が長引いてしまう等の不具合が発生する可能性がある。その対策として本実施形態では、排気絞り弁12による流量特性の誤差を吸気絞り弁9側の流量制御により補償する対策を講じており(吸気絞り制御手段)、以下、当該対策のためにECU51が吸気絞り弁9を対象として実行する制御について説明する。
図2はECU51が実行する吸気絞り制御ルーチンを示すフローチャートであり、ECU51は当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
まず、ステップS2でDPF35の強制再生を実行中であるか否かを判定し、判定がNo(否定)のときにはステップS4で通常の吸気絞り弁9の制御を実行した後、一旦ルーチンを終了する。また、ステップS2の判定がYes(肯定)のときには、ステップS6に移行して強制再生の制御モードを判定する。制御モードは、上記のように自動再生及び手動再生の各昇温過程に対応して予め設定されており、ステップS6ではこれらの中から現在実行中の制御モードが判定される。次いでステップS8で流量特性補償制御を実行し、その後にルーチンを終了する。
まず、ステップS2でDPF35の強制再生を実行中であるか否かを判定し、判定がNo(否定)のときにはステップS4で通常の吸気絞り弁9の制御を実行した後、一旦ルーチンを終了する。また、ステップS2の判定がYes(肯定)のときには、ステップS6に移行して強制再生の制御モードを判定する。制御モードは、上記のように自動再生及び手動再生の各昇温過程に対応して予め設定されており、ステップS6ではこれらの中から現在実行中の制御モードが判定される。次いでステップS8で流量特性補償制御を実行し、その後にルーチンを終了する。
流量特性補償制御は、排気絞り弁12の流量特性の誤差を補償すべく、吸気絞り弁9の開度をフィードバック制御するものであり、図3に流量特性補償制御のためにECU51が実行する処理手順を示す。この図に示すように、ECU51は、流量特性補償制御を実行するための構成として、指令値設定部61と吸気絞り制御部62とを備えている。指令値設定部61は、排気絞り弁12による流量特性の誤差を補償するために必要な吸気絞り弁9の制御に関する指令値を算出する機能を果たし、吸気絞り制御部62は、吸気絞り弁9のアクチュエータ9aを駆動制御する機能を果たす。
まず、指令値設定部61について述べる。目標吸気量算出部71では、エンジン回転速度Ne及び燃料噴射量Qに基づき、強制再生の制御モード毎に設定されたマップに従って目標吸入空気量tgtQaがそれぞれ算出される。強制再生では各制御モードで想定しているDPF35の昇温状況を達成するための最適な吸入空気量が存在し、この最適な吸入空気量を目標吸入空気量tgtQaとして導き出すように各マップ特性が設定されており、これらのマップから現在のエンジン1の運転状態を前提とした目標吸入空気量tgtQaが制御モード毎に算出される。
目標吸入空気量算出部71により算出された各制御モードの目標吸入空気量tgtQaは選択部72に入力され、選択部72では現在実行中の制御モードに対応する目標吸入空気量tgtQaが選択される。選択された目標吸入空気量tgtQaは、エアフローセンサ6により検出された実吸入空気量Qaと共に偏差算出部73に入力され、双方の偏差ΔQが算出される。
以上が指令値設定部61で実行される処理であり、算出された偏差ΔQは吸気絞り制御部62に入力される。吸気絞り制御部62では、入力された偏差ΔQに基づくPID制御により吸気絞り弁9の制御量が算出され、算出された制御量に基づき吸気絞り弁9の開度θがフィードバック制御される。
以上の流量特性補償制御により、強制再生中には何れの制御モードでも常にエンジン1の実吸入空気量Qaが目標吸入空気量tgtQaに調整される。排気絞り弁12による排気制限は間接的にエンジン1の吸入空気量Qaを制限することに繋がるため、仮に排気絞り弁12の流量特性に誤差がなければ目標吸入空気量tgtQaが達成されるはずであり、一方、排気絞り弁12の流量特性に誤差が生じていれば、その誤差に応じて吸入空気量Qaが変動する。従って、流量特性補償制御により実吸入空気量Qaが目標吸入空気量tgtQaに調整されることにより、結果として排気絞り弁12の流量特性に生じた誤差を補償でき、排気絞り弁12の流量特性に誤差が生じていない場合と同様の適切な排気制限を実現でき、もって安定した強制再生を実現することができる。
以上の流量特性補償制御により、強制再生中には何れの制御モードでも常にエンジン1の実吸入空気量Qaが目標吸入空気量tgtQaに調整される。排気絞り弁12による排気制限は間接的にエンジン1の吸入空気量Qaを制限することに繋がるため、仮に排気絞り弁12の流量特性に誤差がなければ目標吸入空気量tgtQaが達成されるはずであり、一方、排気絞り弁12の流量特性に誤差が生じていれば、その誤差に応じて吸入空気量Qaが変動する。従って、流量特性補償制御により実吸入空気量Qaが目標吸入空気量tgtQaに調整されることにより、結果として排気絞り弁12の流量特性に生じた誤差を補償でき、排気絞り弁12の流量特性に誤差が生じていない場合と同様の適切な排気制限を実現でき、もって安定した強制再生を実現することができる。
一方、このように排気絞り弁12が有する流量特性の誤差は流量特性補償制御により補償されるため、そのまま稼働を継続することもできる。但し、流量特性の誤差は種々の要因により発生し、例えば排気絞り弁12の製造誤差や車体への組付誤差に起因等の個体差により流量特性の誤差が発生している場合には、排気絞り弁12の交換や車体への再組付・調整等を実施すべきであり、また、パティキュレートの堆積に伴う経年変化に起因して流量特性の誤差が発生している場合には、排気絞り弁12の分解清掃等を実施すべきであり、このような対処を実行するには、排気絞り弁12を故障診断して運転者に警告する必要がある。
また、例えば排気絞り弁21が開固着した場合には、流量特性補償制御では完全な補償が困難であるため十分な排気昇温を望めず、排気絞り弁12が閉固着した場合には、流量特性補償制御では対処できずにエンジン負荷の急増による破損等の虞が生じる。よって、これらの問題を回避するためにも、排気絞り弁12の故障診断は必要である。
そこで、ECU51は、排気絞り弁21の故障の有無及び故障内容を診断し、診断結果に基づき運転者に対して警告等を行う故障診断部63を備えており、以下、当該故障診断部63により実行される故障診断について説明する。
そこで、ECU51は、排気絞り弁21の故障の有無及び故障内容を診断し、診断結果に基づき運転者に対して警告等を行う故障診断部63を備えており、以下、当該故障診断部63により実行される故障診断について説明する。
図4はECU51が実行する故障診断ルーチンを示すフローチャートであり、ECU51は当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
まず、ステップS12でDPF35の強制再生が終了したか否かを判定し、未だ強制再生を実行中のときにはNoの判定を下してステップS14に移行する。ステップS14では、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQが予め設定された開固着判定値ΔQ1以上であるか否かを判定する。当該判定処理は、排気絞り弁12の開固着(開弁状態で弁が固着したときの本来の開固着のみならず、エア漏れ等に起因する開弁状態での動作不良も含むものとする)を故障として判定するものである(故障判定手段)。図5は排気絞り弁12に開固着が生じたときの排気制限状況を示すタイムチャートであり、図中に実線で示すように、排気絞り弁12が開固着せずに正常に閉弁されて排気制限が行われたときには、実吸入空気量Qaが急減して流量特性補償制御で設定される目標吸入空気量tgtQaに略一致する。
まず、ステップS12でDPF35の強制再生が終了したか否かを判定し、未だ強制再生を実行中のときにはNoの判定を下してステップS14に移行する。ステップS14では、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQが予め設定された開固着判定値ΔQ1以上であるか否かを判定する。当該判定処理は、排気絞り弁12の開固着(開弁状態で弁が固着したときの本来の開固着のみならず、エア漏れ等に起因する開弁状態での動作不良も含むものとする)を故障として判定するものである(故障判定手段)。図5は排気絞り弁12に開固着が生じたときの排気制限状況を示すタイムチャートであり、図中に実線で示すように、排気絞り弁12が開固着せずに正常に閉弁されて排気制限が行われたときには、実吸入空気量Qaが急減して流量特性補償制御で設定される目標吸入空気量tgtQaに略一致する。
これに対して図中に破線で示すように、排気絞り弁12が開固着して排気制限が行われないときには、実吸入空気量Qaが全く減少しない若しくは僅かに減少するだけとなる。これに呼応して流量特性補償制御により吸気絞り弁9が閉側に制御されても、実吸入空気量Qaを増加させるべきハッチングの領域を補償しきれないため、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQは0からかけ離れた大きな値となり、必然的に開固着判定値ΔQ1以上となる。
このような排気絞り弁12の開固着が発生せず偏差ΔQが開固着判定値ΔQ1未満のときには、ECU51はステップS14でNoの判定を下してステップS16に移行する。
ステップS16では、吸気絞り弁9の操作量Δθの絶対値が予め設定された個体差判定値Δθ1以上であるか否かを判定する。操作量Δθとは、強制再生前の吸気絞り弁9の開度θを原位置とした開度θの変化量を意味する。本実施形態では、全開位置と全閉位置との間に原位置が設定され、この原位置を中心として流量特性補償制御では吸気絞り弁9が開側及び閉側の両方向に制御され、説明の便宜上、吸気絞り弁9の開側への操作量Δθを正の値とし、吸気絞り弁9の閉側への操作量Δθを負の値とする。操作量Δθは開度センサ57により検出された吸気絞り弁9の開度θに基づき算出され、算出された操作量Δθに基づきステップS16の判定が行われる(操作量判定手段)。
ステップS16では、吸気絞り弁9の操作量Δθの絶対値が予め設定された個体差判定値Δθ1以上であるか否かを判定する。操作量Δθとは、強制再生前の吸気絞り弁9の開度θを原位置とした開度θの変化量を意味する。本実施形態では、全開位置と全閉位置との間に原位置が設定され、この原位置を中心として流量特性補償制御では吸気絞り弁9が開側及び閉側の両方向に制御され、説明の便宜上、吸気絞り弁9の開側への操作量Δθを正の値とし、吸気絞り弁9の閉側への操作量Δθを負の値とする。操作量Δθは開度センサ57により検出された吸気絞り弁9の開度θに基づき算出され、算出された操作量Δθに基づきステップS16の判定が行われる(操作量判定手段)。
ステップS16の判定処理は、新品の排気絞り弁12が有する個体差を故障として判定するものである(故障判定手段)。図6は排気絞り弁12が個体差を有するときの排気制限状況を示すタイムチャートであり、製造誤差や車体への組付誤差に起因する許容できない個体差を排気絞り弁12が有している場合には、図中に実線で示す個体差無しの場合に比較して、破線で示すように目標吸入空気量tgtQaに対して実吸入空気量Qaが不足または過剰となり、ハッチングの領域を補償すべく、偏差ΔQを縮小するように吸気絞り弁9の開度θが制御される。結果として吸気絞り弁9の操作量Δθは正側または負側にある程度の大きさの値となり、必然的に操作量Δθの絶対値は個体差判定値Δθ1以上となる。
このような排気絞り弁12の個体差が発生せず操作量Δθの絶対値が個体差判定値Δθ1未満のときには、ECU51はステップS16でNoの判定を下してステップS18に移行する。なお、新品の排気絞り弁12で既に個体差は発生しているため、ステップS16の判定処理は新車の車両が運行開始した初回の強制再生時にのみ実行され、2回目以降の強制再生時には無条件で個体差による故障無しを意味するNoの判定が下される。
ステップS18では、上記吸気絞り弁9の操作量Δθが予め正側(開側)の値として設定されたパティキュレート堆積判定値Δθ2以上であるか否かを判定する。当該判定処理は、パティキュレートの堆積に伴う排気絞り弁12の流量特性の変化(流量減少方向)を故障として判定するものである(故障判定手段)。図7は排気絞り弁12にパティキュレートが堆積したときの各強制再生時の排気制限状況を示すタイムチャートであり、エンジン運転時間と共に排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積量は次第に増大し、それに伴って強制再生時の排気絞り弁12による排気制限は、同一制御量であってもより大きなものとなり、目標吸入空気量tgtQaに対して実吸入空気量Qaが次第に不足する。必然的にハッチングの領域を補償すべく、強制再生時の実行毎に吸気絞り弁9は次第に開側に制御され、その操作量Δθは正側に増大して何れかの時点でパティキュレート堆積判定値Δθ2以上となる。
このような排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積が未だ進行しておらず、吸気絞り弁9の操作量Δθがパティキュレート堆積判定値Δθ2未満のときには、ECU51はステップS18でNoの判定を下してステップS20に移行する。
ステップS20では、上記吸気絞り弁9の操作量Δθが予め負側(閉側)の値として設定された腐食穴空き判定値Δθ3未満であるか否かを判定する。当該判定処理は、排気絞り弁12の腐食による穴空きに伴う排気絞り弁12の流量特性の変化(流量増加方向)を故障として判定するものである(故障判定手段)。図8は排気絞り弁12に腐食による穴空きが生じたときの各強制再生時の排気制限状況を示すタイムチャートであり、腐食の進行により穴は次第に拡大し、それに伴って強制再生時の排気絞り弁12による排気制限は、同一制御量であってもより小さなものとなり、目標吸入空気量tgtQaに対して実吸入空気量Qaが次第に過剰となる。必然的にハッチングの領域を補償すべく、強制再生時の実行毎に吸気絞り弁9は次第に閉側に制御され、その操作量Δθは負側に増大して何れかの時点で腐食穴空き判定値Δθ3未満となる。
ステップS20では、上記吸気絞り弁9の操作量Δθが予め負側(閉側)の値として設定された腐食穴空き判定値Δθ3未満であるか否かを判定する。当該判定処理は、排気絞り弁12の腐食による穴空きに伴う排気絞り弁12の流量特性の変化(流量増加方向)を故障として判定するものである(故障判定手段)。図8は排気絞り弁12に腐食による穴空きが生じたときの各強制再生時の排気制限状況を示すタイムチャートであり、腐食の進行により穴は次第に拡大し、それに伴って強制再生時の排気絞り弁12による排気制限は、同一制御量であってもより小さなものとなり、目標吸入空気量tgtQaに対して実吸入空気量Qaが次第に過剰となる。必然的にハッチングの領域を補償すべく、強制再生時の実行毎に吸気絞り弁9は次第に閉側に制御され、その操作量Δθは負側に増大して何れかの時点で腐食穴空き判定値Δθ3未満となる。
このような腐食による穴空きがない、若しくは穴空きが生じていたとしても未だ小さく、吸気絞り弁9の操作量Δθが腐食穴空き判定値Δθ3以上のときには、ECU51はステップS20でNoの判定を下して一旦ルーチンを終了する。
一方、DPF35の強制再生が終了して上記ステップS12の判定がYesになると、ECU51はステップS22に移行する。ステップS22では、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQの絶対値が閉固着判定値ΔQ2未満であるか否かを判定する。強制再生の終了に伴って、排気絞り弁12は閉弁制御を中止されて全開に復帰し、吸気絞り弁9は流量特性補償制御を中止されて強制再生前の原位置に復帰するが、ステップS22の判定処理を実行するために流量特性補償制御では、排気絞り弁12に対する閉弁制御の中止に対して吸気絞り弁9に対するフィードバック制御の中止を所定時間だけ遅延させており、この所定時間内でステップS22の判定処理が実行される。
一方、DPF35の強制再生が終了して上記ステップS12の判定がYesになると、ECU51はステップS22に移行する。ステップS22では、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQの絶対値が閉固着判定値ΔQ2未満であるか否かを判定する。強制再生の終了に伴って、排気絞り弁12は閉弁制御を中止されて全開に復帰し、吸気絞り弁9は流量特性補償制御を中止されて強制再生前の原位置に復帰するが、ステップS22の判定処理を実行するために流量特性補償制御では、排気絞り弁12に対する閉弁制御の中止に対して吸気絞り弁9に対するフィードバック制御の中止を所定時間だけ遅延させており、この所定時間内でステップS22の判定処理が実行される。
当該判定処理は、排気絞り弁12の閉固着を故障として判定するものである(故障判定手段)。図9は排気絞り弁12に閉固着が生じたときの排気制限状況を示すタイムチャートであり、図中に実線で示すように、排気絞り弁12が閉固着せずに正常に開弁されて排気制限が終了したときには吸入空気量Qaが急増し、継続中の流量特性補償制御により吸気絞り弁9が閉側に制御されても、実吸入空気量Qaを減少させるべきハッチングの領域を補償しきれないため、目標吸入空気量tgtQaと実吸入空気量Qaとの偏差ΔQの絶対値は閉固着判定値ΔQ2以上となる。
これに対して排気絞り弁12が閉固着して排気制限が終了しないときには、破線で示すように実吸入空気量Qaが減少し続け、たとえ排気絞り弁12の流量特性に誤差があったとしても(図は誤差無しのQa=tgtQaの場合を示す)、継続中の流量特性補償制御により実吸入空気量Qaと目標吸入空気量tgtQaとの偏差ΔQの絶対値はほぼ0に保持され続け、必然的に閉固着判定値ΔQ2未満となる。
このような排気絞り弁12の閉固着が発生せず偏差ΔQの絶対値が閉固着判定値ΔQ2以上のときには、ECU51はステップS22でNoの判定を下してルーチンを終了する。
一方、排気絞り弁12の開固着として上記ステップS14でYesの判定を下したときには、ステップS24に移行する。ステップS24では排気絞り弁12の開固着を示す診断データを保存し、続くステップS26で警告ランプ58を点灯させた後にルーチンを終了する。
一方、排気絞り弁12の開固着として上記ステップS14でYesの判定を下したときには、ステップS24に移行する。ステップS24では排気絞り弁12の開固着を示す診断データを保存し、続くステップS26で警告ランプ58を点灯させた後にルーチンを終了する。
また、排気絞り弁12の個体差として上記ステップS16でYesの判定を下したときには、ステップS28で排気絞り弁12の個体差を示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
また、排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積として上記ステップS18でYesの判定を下したときには、ステップS30で排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積を示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
また、排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積として上記ステップS18でYesの判定を下したときには、ステップS30で排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積を示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
また、排気絞り弁12に腐食による穴空きが生じたとして上記ステップS20でYesの判定を下したときには、ステップS32で排気絞り弁12の腐食による穴空きを示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
また、排気絞り弁12の閉固着として上記ステップS22でYesの判定を下したときには、ステップS34で排気絞り弁12の閉固着を示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
また、排気絞り弁12の閉固着として上記ステップS22でYesの判定を下したときには、ステップS34で排気絞り弁12の閉固着を示す診断データを保存し、上記ステップS26に移行する。
以上のECU51の故障診断処理により、排気絞り弁12に故障が発生したときには、故障内容を示す診断データがECU51内に保存されると共に、警告ランプ58の点灯により運転者への警告が行われる。従って、故障発生を認識した運転者により車両が速やかに整備工場に持ち込まれて適切な対処が行われると共に、修理作業者はサービスツールでECU51から読み出した診断データに基づき、排気絞り弁12の故障内容を速やか且つ正確に把握できる。例えば従来技術ではDPF35の昇温異常が発生したとしても、その要因がDPF35の昇温時に実行される種々の制御の内の何れにあるかも特定できなかったが、本実施形態によれば、要因が排気絞り弁12の故障にあることは勿論、その故障内容まで特定できる。結果として修理作業者は、故障内容を突き止めるための余分な作業を省略して、直ちに故障内容に則した修理を開始することができる。
例えば、排気絞り弁12の開固着に対しては、排気絞り弁12の交換やエアラインの点検・修理で対処し、排気絞り弁12の個体差に対しては、排気絞り弁12の交換や車体への再組付・調整で対処し、排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積に対しては、排気絞り弁12の分解清掃で対処し、排気絞り弁12の腐食による穴空き及び排気絞り弁12の閉固着に対しては、排気絞り弁12の交換で対処することになるが、それぞれの故障内容に則した点検・修理を直ちに開始することができる。
また、排気絞り弁12の故障内容を特定することは修理作業の面だけでなく、故障内容から車両走行に対する影響度を推し量ることができるため、故障内容に応じて故障発生から修理までの車両走行中の制御を最適化できる。
具体的には、排気絞り弁12の閉固着は、強制再生中以外にも不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があることから、最も重大な故障と見なせる。そこで、上記ステップS22で排気絞り弁12の閉固着が判定されたときには、例えば、エンジン1の燃料噴射量を減少補正してリンプホームモードに切り換えると共に、一旦エンジン1を停止させた後は再始動を禁止する(運転者には事前に再始動禁止を予告する)。これにより、たとえ排気絞り弁12を閉固着させたまま走行してもエンジン負荷が軽減されると共に、エンジン停止後は再始動が防止されるため、エンジン破損等のより重大な故障を未然に回避することができる。
具体的には、排気絞り弁12の閉固着は、強制再生中以外にも不必要に排気制限が行われてエンジン破損の虞があることから、最も重大な故障と見なせる。そこで、上記ステップS22で排気絞り弁12の閉固着が判定されたときには、例えば、エンジン1の燃料噴射量を減少補正してリンプホームモードに切り換えると共に、一旦エンジン1を停止させた後は再始動を禁止する(運転者には事前に再始動禁止を予告する)。これにより、たとえ排気絞り弁12を閉固着させたまま走行してもエンジン負荷が軽減されると共に、エンジン停止後は再始動が防止されるため、エンジン破損等のより重大な故障を未然に回避することができる。
また、排気絞り弁12へのパティキュレートの堆積、及び排気絞り弁12の閉側の個体差でも、閉固着ほどではないが不必要な排気制限が行われ、流量特性補償制御では補償しきれない可能性がある。そこで、上記ステップS16で正側の操作量Δθの発生により排気絞り弁12の個体差が判定されたとき、或いはステップS18でパティキュレートの堆積が判定されたときには、排気絞り弁12の閉固着と同じくリンプホームモードへの切換を行うと共に、必要に応じて再始動禁止を行うようにすれば、エンジン破損を未然に回避することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では直列6気筒ディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化したが、パティキュレート捕集用のDPF35を備え、排気通路11に配設した排気絞り弁12を閉弁制御しながらDPF35の強制再生を実行する排気浄化装置であれば、エンジン形式や強制再生の制御内容等はこれに限定されるものではなく任意に変更可能である。
1 エンジン
5 吸気通路
9 吸気絞り弁
11 排気通路
12 排気絞り弁
35 DPF(フィルタ)
51 ECU(強制再生制御手段)
61 目標吸入空気量算出部(吸気絞り制御手段)
62 吸気絞り制御部(吸気絞り制御手段)
63 故障診断部(故障判定手段、操作量判定手段)
5 吸気通路
9 吸気絞り弁
11 排気通路
12 排気絞り弁
35 DPF(フィルタ)
51 ECU(強制再生制御手段)
61 目標吸入空気量算出部(吸気絞り制御手段)
62 吸気絞り制御部(吸気絞り制御手段)
63 故障診断部(故障判定手段、操作量判定手段)
Claims (8)
- エンジンの排気通路に排ガスに含まれるパティキュレートを捕集するフィルタを配設し、該フィルタのパティキュレート捕集量が所定値に達したときに、強制再生制御手段により上記排気通路に配設した排気絞り弁を閉弁制御しながら上記エンジンの排気昇温により上記フィルタを昇温する強制再生を実行して、該フィルタに捕集されたパティキュレートを焼却除去するエンジンの排気浄化装置において、
上記エンジンの吸気通路に配設されて、該吸気通路を流通する吸入空気を調整可能な吸気絞り弁と、
上記強制再生時において、上記エンジンの運転状態に基づき算出された上記強制再生時の目標吸入空気量と実際の吸入空気量との偏差を縮小するように、上記吸気絞り弁の開度をフィードバック制御する吸気絞り制御手段と、
上記強制再生時において、上記吸気絞り制御手段による吸気絞り弁の制御状況に基づき、上記排気絞り弁の故障を判定する故障判定手段と
を備えたことを特徴とする排気絞り弁の故障診断装置。 - 上記故障判定手段は、上記強制再生の実行中において、上記目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差が予め設定された開固着判定値以上のときに、上記排気絞り弁の開固着に起因する故障判定を下すことを特徴とする請求項1記載の排気絞り弁の故障診断装置。
- 上記強制再生前の上記吸気絞り弁の開度を原位置とした該吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、
上記故障判定手段は、初回の強制再生の実行中において、上記操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の操作量の絶対値が予め設定された個体差判定値以上のときに、上記排気絞り弁の個体差に起因する故障判定を下すことを特徴とする請求項1記載の排気絞り弁の故障診断装置。 - 上記強制再生前の上記吸気絞り弁の開度を原位置とした該吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、
上記故障判定手段は、上記強制再生の実行中において、上記操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の開側への操作量が予め設定されたパティキュレート堆積判定値以上のときに、上記排気絞り弁のパティキュレート堆積に起因する故障判定を下すことを特徴とする請求項1記載の排気絞り弁の故障診断装置。 - 上記強制再生前の上記吸気絞り弁の開度を原位置とした該吸気絞り弁の操作量を判定する操作量判定手段をさらに備え、
上記故障判定手段は、上記強制再生の実行中において、上記操作量判定手段により判定された吸気絞り弁の閉側への操作量が予め設定された腐食穴空き判定値以上のときに、上記排気絞り弁の腐食による穴空きに起因する故障判定を下すことを特徴とする請求項1記載の排気絞り弁の故障診断装置。 - 上記吸気絞り制御手段は、上記強制再生の終了時に上記排気絞り弁の閉弁制御の中止に対して上記吸気絞り弁のフィードバック制御の中止を所定時間遅延させ、
上記故障判定手段は、上記所定時間内において、上記目標吸入空気量と実吸入空気量との偏差の絶対値が予め設定された閉固着判定値未満のときに、上記排気絞り弁の閉固着に起因する故障判定を下すことを特徴とする請求項1記載の排気絞り弁の故障診断装置。 - 上記故障判定手段は、上記排気絞り弁の故障判定を下したときに、上記エンジンに対して燃料噴射量を減少させたリンプホームモードの実行を指令することを特徴とする請求項3,4,6の何れかに記載の排気絞り弁の故障診断装置。
- 上記故障判定手段は、上記排気絞り弁の故障判定を下したときに、上記エンジンに対して再始動の禁止を指令することを特徴とする請求項3,4,6,7の何れかに記載の排気絞り弁の故障診断装置。
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