JP2009299523A - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸入室の圧力上昇により生じる可動スクロールの転覆を迅速に防止し、可動スクロールの公転旋回運動を安定的に行うことができるスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】スクロール型流体機械は、作動流体の吸入圧が作用する吸入室34と、可動スクロール22の鏡板26の背面26bとフレーム42とで形成される背圧室48と、背圧室を各鏡板26,28の径方向中央部側に位置して潤滑油の吐出圧が作用する高圧室51と各鏡板の径方向外周部側に位置して高圧室よりも減圧された中間圧室53とに仕切る環状の仕切り部材49とを備え、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときのみ吸入室の圧力を中間圧室へ逃がす圧力逃がし手段58を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に組み込まれて好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械は、例えば密閉型スクロール圧縮機は、各鏡板の各鏡板面に渦巻状のラップが対をなしてそれぞれ立設される固定及び可動スクロールからなるスクロールユニットを備え、固定スクロールに対し可動スクロールがフレーム上を公転旋回運動することにより、これら各ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、この圧縮室が各鏡板の径方向中央部に向けてその容積を減少させながら移動する。
そして、固定スクロールの鏡板と可動スクロールの鏡板面とで形成され、作動流体の吸入圧が作用する吸入室と、可動スクロールの鏡板の背面とフレームとで形成される背圧室とを備え、可動スクロールの鏡板に、吸入室と背圧室とを連通する複数の貫通孔を設ける技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、上記背圧室を各鏡板の径方向中央部側に位置して作動流体の吐出圧が作用する高圧室と各鏡板の径方向外周部側に位置して高圧室よりも減圧された中間圧室とに仕切る環状の仕切り部材を備えたスクロール圧縮機が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−213370号公報 特開2008−8161号公報
ところで、可動スクロールは主として中間圧室の背圧により吸入室の圧力に抗して固定スクロール側へ押圧されている。しかし、圧縮機が組み込まれた、例えば冷凍機の除霜運転時に冷凍回路の絞り手段の開度を変更したり、或いは、いわゆる液バック現象によってミスト状の作動流体を吸入室に吸入し、吸入室の高温となる外壁に付着した液状作動流体が気化することによって、吸入室の圧力が急激に上昇し、中間圧室の圧力より大きくなることがある。これにより、可動スクロールが固定スクロールとは反対側に押圧されて傾く転覆現象が発生し、ひいては圧縮室の作動流体が漏洩し、正常に圧縮機を運転できなくなり、更に、可動スクロールの公転旋回運動が不安定に行われることにより、圧縮機における圧縮不良や騒音を招くおそれがある。
そこで、上記特許文献1に記載されるように、吸入室と背圧室とを連通する貫通孔を設けることが考えられるが、これでは背圧室と吸入室との圧力が同じになり、スクロールユニットに背圧構造を形成することができず、可動スクロールを背圧室の背圧によって固定スクロール側へ押圧することができないため、可動スクロールの公転旋回運動を安定的に行うことができない。
また、上記特許文献1では、可動スクロールの転覆現象を防止するためには各鏡板の径方向外周部側に位置する中間圧室の圧力が問題になるものの、上記特許文献2の如く背圧室を高圧室と中間圧室とに仕切る背圧構造については格別な配慮がなされていないため、可動スクロールの転覆現象を効果的に防止することはできない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、吸入室の圧力上昇により生じる可動スクロールの転覆を迅速に防止し、可動スクロールの公転旋回運動を安定的に行うことができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械は、各鏡板の各鏡板面に渦巻状のラップが対をなしてそれぞれ立設される固定スクロール及び可動スクロールから構成され、固定スクロールに対し可動スクロールがフレーム上を公転旋回運動することにより、各ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、該圧縮室が各鏡板の径方向中央部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロールユニットと、固定スクロールの鏡板と可動スクロールの鏡板面とで形成され、作動流体の吸入圧が作用する吸入室と、可動スクロールの鏡板の背面とフレームとで形成される背圧室と、背圧室を各鏡板の径方向中央部側に位置して作動流体の吐出圧が作用する高圧室と各鏡板の径方向外周部側に位置して高圧室よりも減圧された中間圧室とに仕切る環状の仕切り部材とを備え、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときのみ吸入室の圧力を中間圧室へ逃がす圧力逃がし手段を具備することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、圧力逃がし手段は、可動スクロールの鏡板を貫通して形成され、吸入室と中間圧室とを連通する連通路と、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときは連通路を連通するリリーフ弁とからなることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項2において、連通路の吸入室側の開口部は、可動スクロールの1公転旋回運動に要する時間のうちの少なくとも半分以上の時間は吸入室に開口する位置に設けられることを特徴としている。
請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときのみ吸入室の圧力を中間圧室へ逃がす圧力逃がし手段を具備する。これにより、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大きくなるときのみ吸入室の圧力上昇分を中間圧室に付与することができるため、可動スクロールの転覆を迅速に防止し、可動スクロールの公転旋回運動を安定的に行うことができる。
具体的には、請求項2記載の発明によれば、圧力逃がし手段は、可動スクロールの鏡板を貫通して形成され、吸入室と中間圧室とを連通する連通路と、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときは連通路を連通するリリーフ弁とからなり、簡易な構成にて可動スクロールの転覆を効果的に防止することができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、連通路の吸入室側の開口部は、可動スクロールの1公転旋回運動に要する時間のうちの半分以上の時間は吸入室に開口する位置に設けられることにより、可動スクロールの公転旋回運動によって連通路が固定スクロールにより一時的に閉塞されても可動スクロールの転覆を確実に防止することができる。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械の一例として、密閉型スクロール圧縮機の縦断面図を示しており、この圧縮機1は冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれている。当該回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒と称する)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
圧縮機1はシェル2を備え、シェル2の円筒胴部をなすセンターシェル4は、その上側及び下側がトップシェル6及びボトムシェル8によってそれぞれ気密に嵌合され、センターシェル4の内部は密閉されて冷媒の吐出圧が作用している。センターシェル4に形成される冷媒の吸入室には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、トップシェル6の適宜位置には、シェル2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
センターシェル4には、上から順にスクロールユニット14、電動モータ16、ポンプユニット18が収容され、電動モータ16内には回転軸20が配置されており、回転軸20は電動モータ16への通電によって回転駆動される。
回転軸20は、その上端側がスクロールユニット14に、その下端側がポンプユニット18に連結されており、回転軸20が電動モータ16によって回転駆動されることにより、スクロールユニット14は、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、スクロールユニット14は非対称となる可動スクロール22及び固定スクロール24から構成され、可動スクロール22は鏡板26を備え、この鏡板26の鏡板面(正面)26aには固定スクロール24の鏡板28に向けて延びる渦巻き状のラップ30が立設され、一方、固定スクロール24の鏡板28の鏡板面28aにも鏡板26に向けて延びる渦巻き状のラップ32が立設されている。
そして、これらラップ30,32は所定のインボリュート曲線に基づいて形成され、これらを互いに対をなして配置し協働させることにより、鏡板28において吸入管10が接続された冷媒の吸入室34から冷媒を吸入してラップ30,32の間に圧縮室36を形成する。
吸入室34は、固定スクロール24の鏡板28と可動スクロール22の鏡板面26aとで形成され、冷媒の吸入圧Psが作用し、一方、圧縮室36は、固定スクロール24に対する可動スクロール22の公転旋回運動により、鏡板26,28の径方向中央部側に向けてその容積を減少させながら移動する。
可動スクロール22に公転旋回運動を付与するため、鏡板26の背面26b側にはボス38が形成され、ボス38は軸受を介して回転軸20の上端側に一体形成される偏心軸40に回転自在に支持されている。なお、可動スクロール22の自転は図示しない自転阻止ピンにより阻止されている。
これに対し固定スクロール24は、センターシェル4の内側に固定されるメインフレーム42に支持、固定されており、固定スクロール24の中央部分には圧縮室36に連通可能な吐出孔44が穿設されている。
一方、ポンプユニット18は、ボトムシェル8の内側に貯油された潤滑油を吸引し、吸引された潤滑油は回転軸20内に穿孔された油路46を経て回転軸20の上端から電動モータ16やスクロールユニット14等に供給され、各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールや潤滑に寄与する。
詳しくは、図2のスクロールユニット14の要部拡大図に示されるように、油路46を経た潤滑油は回転軸20の上端から回転軸20に沿って電動モータ16側に流下される一方、可動スクロール22の鏡板26の背面26bとメインフレーム42との間に形成される背圧室48に供給され、背圧室48から鏡板26の外周面26cとメインフレーム42との間の間隙50を経た潤滑油は可動スクロール22の鏡板26に固定スクロール24に対し摺動する摺動面52に供給される。
ここで、背圧室48は、メインフレーム42に固定された環状のシールリング(仕切り部材)49により、鏡板26,28の径方向中央部側に位置して油路46を経た潤滑油の冷媒の吐出圧が作用する高圧室51と、鏡板26,28の径方向外周部側に位置して高圧室51よりも減圧された中間圧室53とに仕切られている。そして、このような背圧構造を形成することにより、主として中間圧室53の圧力によって可動スクロール22が固定スクロール24に対して適切に押圧され、可動スクロール22の円滑な公転旋回運動が実現される。
上述した圧縮機1によれば、回転軸20の回転に伴って可動スクロール22が自転することなく公転旋回運動することにより、吸入管10を介してスクロールユニット14に吸入された冷媒は圧縮室36を形成し、圧縮室36内の冷媒はスクロールユニット14の中心に向けて移動されながら圧縮された後に吐出孔44よりシェル2内に吐出され、シェル2内を循環した後に吐出管12を介して圧縮機1外へ送出される。
ところで、本実施形態は、可動スクロール22の鏡板26を貫通して形成され、吸入室34と中間圧室53とを連通する連通路54と、吸入室34の圧力が中間圧室53の圧力よりも大となるときは連通路54を連通するリリーフ弁56とからなる圧力逃がし機構(圧力逃がし手段)58を備えている。
リリーフ弁56は、鋼球56aと鋼球56aに一端が接続されたばね56bとからなる逆止弁であって吸入室34から中間圧室53への冷媒の移動を許容し、中間圧室53から吸入室34への冷媒の移動は阻止している。
連通路54には、その吸入室34側に鋼球56aを支持する鋼球支持部60が形成され、ばね56bにより鋼球56aが鋼球支持部54aに押圧付勢されることにより、吸入室34と中間圧室53とが完全に遮断可能になっている。一方、連通路54の中間圧室53側にばね56bの他端を支持するばね押さえ62が形成されている。
ばね56bは、所定の弾性係数を有するものが選定され、吸入室34の圧力、すなわち吸入圧Psが中間圧室53の圧力、すなわち背圧Pbよりも大きくなるときにのみ、鋼球56aがばね56bの弾性力に抗して鋼球支持部60を離間し、吸入室34から中間圧室53への冷媒の移動を許容し、吸入室34の圧力上昇分Prを中間圧室53へ逃がすように構成されている。具体的には、吸入室34と中間圧室53との差圧ΔP(ΔP=Pb−Ps)は通常は例えば0.5MPa程度であり、このとき差圧ΔPが0.5MPaを超えると、その超えた分の圧力上昇分Pr(Pr=ΔP−0.5MPa)を吸入室34から中間圧室53へ逃がす。
また、図2中では、連通路54の吸入室34側の開口部54aは、吸入室34に面する位置に位置づけられているが、開口部54aは、可動スクロール22の公転旋回運動によっても吸入室34から吸入室34近傍に形成される圧縮室36にかからない位置であって、可動スクロール22の1公転旋回運動に要する時間のうちの少なくとも半分以上の時間は吸入室34に開口する位置に設けられる。
以上のように、本実施形態では、吸入室34の圧力が中間圧室53の圧力よりも大となるときのみ吸入室34の圧力を中間圧室53へ逃がす圧力逃がし機構58を備えている。これにより、吸入圧Psが背圧Pbよりも大きくなるときのみ吸入室34の圧力上昇分Prを中間圧室53に付与することができるため、可動スクロール22の転覆を迅速に防止し、可動スクロール22の公転旋回運動を安定的に行うことができる。
具体的には、圧縮機1が組み込まれた、例えば冷凍機の除霜運転時に冷凍回路の絞り手段の開度を変更したり、或いは、いわゆる液バック現象によってミスト状の冷媒を吸入室34に吸入し、吸入室34の高温となる外壁に付着した液冷媒が気化することによって、吸入圧Psが急激に上昇し、吸入圧Psが背圧Pbより大きくなっても、可動スクロール22の転覆を迅速に防止し、これに伴う圧縮室36からの冷媒漏洩、圧縮不良ひいては騒音を防止することができる。
また、圧力逃がし機構58は、連通路54とリリーフ弁56とからなる簡易な構成にて可動スクロール22の転覆を効果的に防止することができる。
更に、連通路54の吸入室34側の開口部54aは、可動スクロール22の1公転旋回運動に要する時間のうちの半分以上の時間は吸入室34に開口する位置に設けられることにより、可動スクロール22の公転旋回運動によって連通路54が固定スクロール24により一時的に閉塞されても可動スクロール22の転覆を確実に防止することができる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、連通路54とリリーフ弁56からなる圧力逃がし機構58を形成しているが、これに限らず、例えば連通路54にオリフィスを設けることにより吸入室34と中間圧室53との差圧ΔPを所定値に保持する圧力逃がし機構を形成しても、上記と同様に可動スクロール22の転覆を効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる二酸化炭素冷媒を使用した密閉型スクロール圧縮機について説明しているが、本発明はこれに限らず種々の作動流体を使用した、種々の分野における圧縮機または膨脹機等の流体機械に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る密閉型スクロール圧縮機を示した縦断面図である。 図1のスクロールユニットの要部拡大図である。
符号の説明
1 密閉型スクロール圧縮機(スクロール型流体機械)
14 スクロールユニット
22 可動スクロール
24 固定スクロール
26 鏡板
26a 鏡板面
26b 背面
28 鏡板
28a 鏡板面
30 ラップ
32 ラップ
34 吸入室
36 圧縮室
42 メインフレーム(フレーム)
48 背圧室
49 シールリング(仕切り部材)
51 高圧室
53 中間圧室
54 連通路
54a 開口部
56 リリーフ弁
58 圧力逃がし機構(圧力逃がし手段)

Claims (3)

  1. 各鏡板の各鏡板面に渦巻状のラップが対をなしてそれぞれ立設される固定スクロール及び可動スクロールから構成され、前記固定スクロールに対し前記可動スクロールがフレーム上を公転旋回運動することにより、前記各ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、該圧縮室が前記各鏡板の径方向中央部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロールユニットと、
    前記固定スクロールの前記鏡板と前記可動スクロールの前記鏡板面とで形成され、作動流体の吸入圧が作用する吸入室と、
    前記可動スクロールの前記鏡板の背面と前記フレームとで形成される背圧室と、
    前記背圧室を前記径方向中央部側に位置して作動流体の吐出圧が作用する高圧室と前記各鏡板の径方向外周部側に位置して該高圧室よりも減圧された中間圧室とに仕切る環状の仕切り部材とを備え、
    前記吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときのみ吸入室の圧力を中間圧室へ逃がす圧力逃がし手段を具備することを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 圧力逃がし手段は、可動スクロールの鏡板を貫通して形成され、吸入室と中間圧室とを連通する連通路と、吸入室の圧力が中間圧室の圧力よりも大となるときは連通路を連通するリリーフ弁とからなることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 連通路の吸入室側の開口部は、可動スクロールの1公転旋回運動に要する時間のうちの少なくとも半分以上の時間は吸入室に開口する位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械。
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