JP2009299944A - 熱交換器および熱交換器用フィンの製造方法 - Google Patents

熱交換器および熱交換器用フィンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることができる熱交換器および熱交換器用フィンの製造方法を提供する。
【解決手段】フィン2に気流方向X1と略平行な平面部21を設け、平面部21に、平面部21に対して予め定めた捻り角度で捻られたルーバ23を、気流方向X1に沿って複数設け、平面部21の空気流れ上流側端部および下流側端部に、気流方向X1と略平行な上流側平面部24および下流側平面部25をそれぞれ設け、平面部21に、気流方向X1と略平行になっており、ルーバ23の捻り方向を反転する転向部26を設け、上流側平面部24の気流方向X1の長さをL1、下流側平面部25の気流方向X1の長さをL2、転向部26の気流方向X1の長さをL3、ルーバ23のルーバピッチをLpとしたとき、Lp≦L3<2Lpの関係を満たすように構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、空気流れを乱流化して性能向上を図るフィンを備える熱交換器および熱交換器用フィンの製造方法に関するものである。
従来の熱交換器におけるフィンとして、空気の流通方向と略平行な平面部と、隣接する平面部間を繋ぐ頂部とを有するように波形状に形成されたコルゲートフィンが知られている。また、フィンの平面部に、平面部の一部を切り起こすことによりルーバを形成し、このルーバによる乱流効果にて流体とフィンとの熱伝達率を高めることにより、熱交換効率を高めるようにしている。
このようなルーバを備えるフィンにおいて、ルーバを小さくして高性能化を図ろうとすると、ルーバ間に空気が流れ難くなるという問題があった。
これに対し、隣接するルーバを空気流れ方向に対して垂直な方向にそれぞれ互い違いにずらして配設したフィンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−189792号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のフィンでは、ルーバ間に空気が流れ易くなるため熱交換性能を向上させることはできるが、同時に通風抵抗が増大する虞がある。
本発明は、上記点に鑑み、熱交換性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることができる熱交換器および熱交換器用フィンの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、フィン(2)は、薄板材料(11)にローラ成形法を施すことにより波形状に成形されており、第2流体の流れ方向(X1)と略平行な平面部(21)を有しており、平面部(21)には、平面部(21)に対して予め定めた捻り角度で捻られたルーバ(23)が、第2流体の流れ方向(X1)に沿って複数設けられており、平面部(21)の第2流体流れ上流側端部および下流側端部には、第2流体の流れ方向(X1)と略平行な上流側平面部(24)および下流側平面部(25)がそれぞれ設けられており、平面部(21)には、第2流体の流れ方向(X1)と略平行になっており、ルーバ(23)の捻り方向を反転する転向部(26)が設けられており、上流側平面部(24)の第2流体の流れ方向(X1)の長さをL1、下流側平面部(25)の第2流体の流れ方向(X1)の長さをL2、転向部(26)の第2流体の流れ方向(X1)の長さをL3、ルーバ(23)のルーバピッチをLpとしたとき、Lp≦L3<2Lpの関係を満たしていることを特徴としている。
本発明者らは、転向部(26)の第2流体の流れ方向の長さL3を短くして、ルーバ(23)の枚数を増加させれば、熱交換効率を向上させることができると考えた。しかしながら、本発明者らの検討によると、転向部(26)の長さL3が短すぎると、転向部(26)と、転向部(26)の第2流体流れ下流側に隣接するルーバ(23)との間に形成される通路(230)に第2流体が流れ難くなる。このため、第2流体の流れが理想的なV字状に流れず、熱交換性能が十分に発揮されない。
一方、転向部(26)の長さL3を長くすることで、第2流体流れが理想的なV字流れに近づく。さらに、転向部(26)の長さL3を長くすることにより、転向部(26)における第2流体流れの転向角度が大きくなるため、通風抵抗を低減することができる。
しかしながら、転向部(26)の長さL3を長くすると、平面部(21)における第2流体の流れ方向の長さAが一定の場合、ルーバ(23)の総枚数を減らす必要がでてくる。特に、ルーバ(23)が転向部(26)の第2流体流れ上流側と下流側とに同枚数ずつ配設されているフィン(2)の場合、転向部(26)の長さL3がルーバピッチLpの2倍以上になると、ルーバ(23)の総枚数を2枚減らさなければならなくなり、後述する図6に示すように、転向部(26)の長さL3がルーバピッチLpの2倍より短いときと比較して熱交換性能が低下してしまう。
したがって、転向部(26)の長さL3を、ルーバピッチLp以上、ルーバピッチLpの2倍より小さい範囲内にすることで、熱交換性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、チューブ(1)は、断面形状が扁平な長円形状に形成されており、複数のルーバ(23)のうち第2流体流れ最上流側に配置される上流端ルーバ(23a)は、上流側平面部(24)に接続されており、複数のルーバ(23)のうち第2流体流れ最下流側に配置される下流端ルーバ(23b)は、下流側平面部(25)に接続されており、上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)のルーバピッチは、それぞれ、複数のルーバ(23)のうち上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチの約半分の長さになっており、複数のルーバ(23)のうち上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチをLp、チューブ(1)の断面短径方向の寸法をBとしたとき、L1+Lp/2≧B/2、かつ、L2+Lp/2≧B/2の関係を満たしていることを特徴としている。
チューブ(1)の断面形状が扁平な長円形状に形成されている場合、チューブ(1)における第2流体の流れ方向(X1)の端部は断面円弧状になっている。このため、チューブ(1)における第2流体の流れ方向(X1)の長さと、フィン(2)における第2流体の流れ方向(X1)の長さ(A)とが略同一の場合、後述する図3に示すように、フィン(2)は、第2流体の流れ方向(X1)の端部からB/2離れた部位においてチューブ(1)と接触する。
したがって、上流端ルーバ(23a)が上流側平面部(24)に接続されており、かつ、上流端ルーバ(23a)のルーバピッチが、複数のルーバ(23)のうち上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチの約半分の長さになっている場合、L1+Lp/2がB/2より小さいと、上流端ルーバ(23a)とチューブ(1)との接触率が悪いため、熱伝導が十分に行われない。これにより、上流端ルーバ(23a)における熱交換性能が低下してしまう。
同様に、下流端ルーバ(23b)が下流側平面部(25)に接続されており、かつ、下流端ルーバ(23b)のルーバピッチが、複数のルーバ(23)のうち上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチの約半分の長さになっている場合、L2+Lp/2がB/2より小さいと、下流端ルーバ(23b)とチューブ(1)との接触率が悪いため、熱伝導が十分に行われない。これにより、下流端ルーバ(23b)の熱交換性能が低下してしまう。
これに対し、L1+Lp/2≧B/2、かつ、L2+Lp/2≧B/2とすることで、上流端ルーバ(23a)および下流端ルーバ(23b)の熱交換性能が低下することを抑制できる。
また、請求項3に記載の発明では、L1+L2<2Lpであることを特徴としている。
ルーバ(23)が転向部(26)の第2流体流れ上流側と下流側とに同枚数ずつ配設されているフィン(2)の場合、上流側平面部(24)および下流側平面部(25)の第2流体の流れ方向(X1)の長さの合計、すなわちL1+L2がルーバピッチLpの2倍以上になると、ルーバ(23)の総枚数を2枚減らさなければならないので、熱交換性能が低下してしまう。
したがって、上流側平面部(24)および下流側平面部(25)の長さの合計L1+L2を、ルーバピッチLpの2倍より小さくすることで、熱交換性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることが可能となる。
また、請求項4に記載の発明のように、L1=0とすることで、1つの平面部(21)に形成されるルーバ(23)の総枚数を増加させることができるので、熱交換性能を向上させることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明のように、L2=0とすることで、1つの平面部(21)に形成されるルーバ(23)の総枚数を増加させることができるので、熱交換性能を向上させることが可能となる。
また、請求項6に記載の発明のように、フィン(2)における第2流体の流れ方向の長さ(X1)をAとしたとき、Lp/A≦0.05の関係を満たしていてもよい。
また、請求項7に記載の発明では、平面部(21)における流体の流れ方向(X1)の略中央部を除く部位に、平面部(21)に対して予め定めた捻り角度で捻られたルーバ(23)を、流体の流れ方向(X1)に沿って複数設ける工程と、平面部(21)おける流体の流れ方向(X1)の略中央部をストリッパ部(26)として構成し、当該ストリッパ部(26)において薄板材料(11)を成形ローラ(13a)から剥がす工程とを備えることを特徴としている。
これによれば、薄板材料(11)を成形ローラ(13a)から剥がすために平面部(21)における流体の流れ方向(X1)の両端部に従来設けられていたストリッパ部の流体の流れ方向(X1)の長さが小さい、もしくは無い場合であっても、薄板材料(11)を成形ローラ(13a)から剥がすことができる。これにより、薄板材料(11)が成形ローラ(13a)に巻き付いてしまうことを防止できる。このとき、平面部(21)に従来設けられていたストリッパ部の長さを小さくした、もしくは無くした分だけルーバ(23)の枚数を増やすことができるので、熱交換性能を向上させることが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る熱交換器を、水冷式内燃機関(以下、エンジンともいう)を冷却するラジエータに適用したものである。
図1は、本第1実施形態に係るラジエータを示す正面図である。図1に示すように、ラジエータは、第1流体としての冷却水が流れる管であるチューブ1を備えている。チューブ1は、第2流体としての空気の流れ方向(以下、気流方向X1という)が長径方向と一致するように、断面形状が扁平な長円形状に形成されている。またチューブ1は、その長手方向が鉛直方向に一致するように水平方向に複数本平行に配置されている。
また、チューブ1の両側の扁平面には波状に成形された伝熱部材としてのフィン2が接合されており、このフィン2により空気との伝熱面積を増大させて冷却水と空気との熱交換を促進している。なお、以下、チューブ1およびフィン2からなる略矩形状の熱交換部をコア部3と呼ぶ。
ヘッダタンク4は、チューブ1の長手方向(以下、チューブ長手方向X2という)の端部(本実施形態では、上下端)にてチューブ長手方向X2と直交する方向(本実施形態では、水平方向)に延びて複数のチューブ1と連通するもので、このヘッダタンク4は、チューブ1が挿入接合されたコアプレート4aと、コアプレート4aとともにタンク内空間を構成するタンク本体部4bとを有して構成されている。本実施形態では、コアプレート4aは金属(例えば、アルミニウム合金)製であり、タンク本体部4bは樹脂製である。また、コア部3の両端部には、チューブ長手方向X2と略平行に延びてコア部3を補強するインサート5が設けられている。
二つのヘッダタンク4のうち、上方側に配置されるとともに、チューブ1に冷却水を分流する入口側タンク41のタンク本体部4bには、エンジンを冷却した冷却水をタンク本体部4b内に流入させる入口パイプ4cが設けられている。また、二つのヘッダタンク4のうち、下方側に配置されるとともに、チューブ1から流出する冷却水を集合する出口側タンク42のタンク本体部4bには、空気との熱交換により冷却された冷却水をエンジンに向けて流出させる出口パイプ4dが設けられている。
図2は、本第1実施形態におけるフィン2を示す拡大斜視図である。図2に示すように、フィン2は、板状の板部21、および隣り合う板部21を所定距離離して位置づける頂部22を有するように波状に形成されたコルゲートフィンである。板部21は、気流方向X1に沿って広がる面を提供している。板部21は、平板によって提供されることができ、以下の説明では、平面部21とも称される。
頂部22は、狭い幅の平面を外側に面するように提供する平板状の頂板部を有する。頂板部と平面部21との間には、ほぼ直角の曲げ部が設けられている。頂板部は、チューブ1に接合され、フィン2とチューブ1とが熱伝達可能に接合される。頂部22は、その頂板部の幅が充分に狭く形成され、曲げ部が大きな半径をもって形成されると、全体として湾曲した湾曲部として見ることができる。よって、以下の説明では、頂部22は湾曲部22とも称される。
この波状のフィン2は本実施形態では、薄板金属材料にローラ成形法を施すことにより成形されている。フィン2の湾曲部22はチューブ1の扁平面にろう付けされている。
図3は本第1実施形態におけるチューブ1およびフィン2をチューブ長手方向から見た断面図で、図4は図2のA−A断面図である。
図3および図4に示すように、フィン2の平面部21には、平面部21を切り起こすことにより鎧窓状のルーバ23が一体形成されている。ルーバ23は、チューブ1の積層方向X3(以下、チューブ積層方向X3という)から見たとき、平面部21に対して予め定めた角度(以下、捻り角度という)で捻られており、気流方向X1に沿って平面部21に複数設けられている。そして、隣接するルーバ23間には、ルーバ間通路230が形成されている。
本実施形態では、ひとつの平面部21に形成された複数のルーバ23は、冷却用空気流れ上流側に位置する複数のルーバ23を含む上流ルーバ群と、冷却用空気流れ下流側に位置する複数のルーバ23を含む下流ルーバ群に二分されている。そして、上流ルーバ群に属するルーバ23の捻り方向と、下流ルーバ群に属するルーバ23の捻り方向とが異なっている。
平板部21の空気流れ上流側の端部は、ルーバ23が形成されていない上流側平面部24となっている。同様に、平板部21の空気流れ下流側の端部は、ルーバ23が形成されていない下流側平面部25となっている。
平板部21の気流方向X1における略中央部、すなわち上流ルーバ群と下流ルーバ群との間は、ルーバ23の捻り方向、すなわち空気流れ方向が反転する転向部26として構成されている。この転向部26には、ルーバ23が形成されていない。また、転向部26は、後述するフィン2の製造工程においてフィン材料11を成形ローラ13aから剥がすためのストリッパ部として機能するようになっている。
複数のルーバ23のうち空気流れ最上流側に配置される上流端ルーバ23aは、上流側平面部24に接続されている。また、複数のルーバ23のうち空気流れ最下流側に配置される下流端ルーバ23bは、下流側平面部25に接続されている。
次に、フィン2の製造方法の概略を述べる。図5は本第1実施形態におけるローラ成形装置の模式図であり、材料ロール(アンコイラ)10から取り出された薄板状のフィン材料11は、フィン材料11に所定の張力を与えるテンション装置12により張力が与えられる。なお、フィン材料11が、本発明の薄板材料に相当している。
このテンション装置12は、重力によって一定の張力をフィン材料11に与えるウエイトテンション部12aと、フィン材料11の進行とともに回転するローラ12b及びこのローラ12bを介してフィン材料11に所定の張力を与えるバネ手段12cからなるローラテンション部12dとから構成されている。
なお、テンション装置12によってフィン材料11に所定の張力を与えるのは、後述するフィン成形装置13によって折り曲げ成形されたフィンのフィン高さを一定に保持するためである。
フィン成形装置13は、テンション装置12によって所定の張力が与えられたフィン材料11を折り曲げて多数個の湾曲部22を形成してフィン材料11を波状にするとともに、平面部21に相当する部位にルーバ23を形成するものである。
そして、このフィン成形装置13は、一対の歯車状の成形ローラ13aと、成形ローラ13aの歯面に設けられ、ルーバ23を形成するカッタ(図示せず)とから構成されており、フィン材料11が一対の成形ローラ13a間を通過する際に成形ローラ13aの歯部13bに沿うように折り曲げられて波状に成形されるとともに、ルーバ23が形成される。
切断装置14は、1つのフィン2に湾曲部22が所定の数だけ有するようにフィン材料11を所定長さに切断するもので、所定長さに切断されたフィン材料11は、送り装置15によって後述する矯正装置16に向けて送られる。
なお、この送り装置15は、フィン成形装置13にて形成された隣り合う湾曲部22間距離と略等しい基準ピッチを有する一対の歯車状の送りローラ15aから構成されている。ここで、波形状に曲げ成形されたフィン2において隣り合う湾曲部22間距離は一般にフィンピッチPfと称される。
矯正装置16は、湾曲部22の尾根方向に対して略直角方向から湾曲部22を押圧して湾曲部22の凹凸を矯正する矯正装置であり、この矯正装置16は、フィン材料11を挟んでフィン材料11の進行とともに従動的に回転する一対の矯正ローラ16a、16bから形成されている。なお、矯正ローラ16a、16bは、矯正ローラ16a、16bの回転中心を結ぶ線が、フィン材料11の進行方向に対して直角となるように配置されている。
ブレーキ装置17は、複数個の湾曲部22に接してフィン材料11の進行方向反対側に向けて摩擦力を発生するブレーキ面17a、17bを有するブレーキ装置であり、このブレーキ装置17は、矯正装置16よりフィン材料11の進行方向側に配置されて、送り装置15が発生する送り力と、ブレーキ面17a、17bで発生する摩擦力とによって、フィン材料11の湾曲部22が互いに接するようにフィン材料11を押し縮めるものである。
また、ブレーキ面17aが形成されたブレーキシュー17cは、一端側は回転可能に支持されており、他端側には摩擦力調節機構をなすバネ部材17dが配置されている。そして、ブレーキ面17a、17bで発生する摩擦力は、このバネ部材17dの撓み量を調節することにより調整される。なお、ブレーキシュー17c及びブレーキ面17bを形成するプレート部17eは、耐磨耗性に優れた材料、例えばダイス鋼である。
次に、本実施形態によるフィン成形装置の作動をフィン成形装置内で行われる工程順に述べる。
材料ロール10からフィン材料11を引き出し(引出工程)、引き出したフィン材料11に対して、フィン材料11の進行方向に所定張力を与える(テンション発生工程)。そして、フィン成形装置13にてフィン材料11に湾曲部22およびルーバ23を成形した後(フィン成形工程)、ルーバ23が形成されていない転向部26においてフィン材料11を成形ローラ13aから剥がし(フィン剥がし工程)、切断装置14にて所定長さに切断する(切断工程)。
次に、送り装置15にて所定長さに切断されたフィン材料11を矯正装置16に向けて送り出し(送り工程)、矯正装置16にて湾曲部2bを押圧して凹凸を矯正する(矯正工程)とともに、ブレーキ装置17にて隣り合う湾曲部22が互いに接するようにフィン材料11を縮める(縮め工程)。
そして、縮め工程を終えたフィン材料11は、自身の弾性力により伸びて所定のフィンピッチPfとなり、寸法検査等の検査工程を経てフィン2の成形が終了する。
ここで、上記構成になる本実施形態のフィン2について、上流側平面部24の気流方向X1の長さ(以下、上流側平面部24の長さL1という)、下流側平面部25の気流方向X1の長さ(以下、下流側平面部25の長さL2という)、および転向部26の気流方向X1の長さ(以下、転向部26の長さL3という)を変更した場合のフィン2の放熱性能の変化を求めて、フィン2の最適仕様の検討を行った。
本実施形態のフィン2は、図4に示すように、ルーバ23が転向部26の空気流れ上流側と下流側とに同枚数ずつ配設されている。また、複数のルーバ23は、平面部21の空気流れ方向の中心線に対して対称に配置されている。
1つの平面部21には、ルーバピッチの異なる二種類のルーバ23が複数枚ずつ設けられている。ここで、二種類のルーバ23のうち、ルーバピッチの大きいルーバを第1ルーバ231といい、第1ルーバ231よりルーバピッチの小さいルーバを第2ルーバ232という。第1ルーバ231は、第2ルーバ232より転向部26に近い側に配置されている。
また、第1ルーバ231のルーバピッチをLp1とし、第2ルーバ232のルーバピッチをLp2としたとき、上流端ルーバ23aおよび下流端ルーバ23bのルーバピッチは、それぞれ、第2ルーバ232のルーバピッチLp2の半分の長さ(Lp2/2)になっている。また、フィン2の平面部21の気流方向X1の長さをAとしたとき、本実施形態では、Lp2/A≦0.05となっている。
ところで、本発明者らは、転向部26の長さL3を短くして、ルーバ23の枚数を増加させれば、フィン2の熱交換効率を向上させることができると考えた。しかしながら、転向部26の長さL3が短すぎると、転向部26と、転向部26の空気流れ下流側に隣接するルーバ23との間に形成されるルーバ間通路230に空気が流れ難くなる。このため、空気流れが理想的なV字状に流れず、放熱性能が十分に発揮されない。
一方、転向部26の長さL3を長くすることで、フィン2内の空気流れがV字状に近づく。さらに、転向部26の長さL3を長くすることにより、転向部26における空気流れの転向角度が大きくなるため、通風抵抗を低減することができる。
図6は、転向部26の長さL3と放熱性能との関係を示す特性図である。図6に示すように、上流ルーバ群に属するルーバ23の枚数と下流ルーバ群に属するルーバ23の枚数がともに6枚である場合、転向部26の長さL3を長くする程、放熱性能が向上する。そして、転向部26の長さL3が、1つの平面部21に形成される複数のルーバ23のうち最もルーバピッチの小さいルーバ(本実施形態では第2ルーバ232)のルーバピッチLp2以上となると、上流ルーバ群に属するルーバ23の枚数と下流ルーバ群に属するルーバ23の枚数がともに7枚である場合より、放熱性能を向上させることができる。
しかしながら、転向部26の長さL3を第2ルーバ232のルーバピッチLp2の2倍以上にするためには、上流ルーバ群に属するルーバ23の枚数と下流ルーバ群に属するルーバ23の枚数をともに1枚ずつ減らす必要がある。すなわち、上流ルーバ群に属するルーバ23の枚数と下流ルーバ群に属するルーバ23の枚数をともに5枚としなくてはならない。このとき、上流ルーバ群に属するルーバ23の枚数と下流ルーバ群に属するルーバ23の枚数をともに6枚である場合より、熱交換性能が低下してしまう。
したがって、転向部26の長さL3を、下記の数式1を満たすように設定すれば、放熱性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることが可能となる。
Lp2≦L3<2Lp2…(数式1)
ここで、チューブ1の断面短径方向の寸法をBとする。本実施形態では、チューブ1の断面形状が扁平な長円形状に形成されているので、チューブ1の気流方向X1の端部は断面円弧状になっている。このため、チューブ1の気流方向X1の長さと、フィン2の平面部21の気流方向X1の長さAとが略同一の場合、図3に示すように、フィン2は、気流方向X1の端部からB/2だけ離れた部位においてチューブ1と接触する。
したがって、上流側平面部24の長さL1と上流端ルーバ23aの長さLp2/2との合計がB/2より小さいと、上流端ルーバ23aとチューブ1との接触率が悪くなるため、熱伝導が十分に行われない。これにより、上流端ルーバ23aにおける熱交換性能が低下してしまう。
同様に、下流側平面部25の長さL2と下流端ルーバ23bの長さLp2/2との合計がB/2より小さいと、下流端ルーバ23bとチューブ1との接触率が悪くなるため、熱伝導が十分に行われない。これにより、下流端ルーバ23bの熱交換性能が低下してしまう。
したがって、上流側平面部24および下流側平面部25の各長さを、下記の数式2、3を満たすように設定すれば、上流端ルーバ23aおよび下流端ルーバ23bの熱交換性能が低下することを抑制できる。
L1+Lp2/2≧B/2…(数式2)
L2+Lp2/2≧B/2…(数式3)
ところで、本実施形態のように、ルーバ23が転向部26の空気流れ上流側と下流側とに同枚数ずつ配設されているフィン2の場合、上流側平面部24および下流側平面部25の気流方向X1の長さの合計、すなわちL1+L2が第2ルーバ232のルーバピッチLp2の2倍以上になると、1つの平面部21に形成されるルーバ23の総枚数を2枚減らさなければならないので、熱交換性能が低下してしまう。
したがって、上流側平面部24の長さL1および下流側平面部25の長さL2を、下記の数式4を満たすように設定すれば、放熱性能を低下させることなく、通風抵抗を低減させることが可能となる。
L1+L2<2Lp2…(数式4)
以上説明したように、フィン2の仕様を上記の数式1〜4を満たすように設定するのが望ましい。さらに、上流側平面部24、下流側平面部25、転向部26の各長さを下記の数式5を満たすように設定すれば、本実施形態において1つの平面部21に形成されるルーバ23の総枚数を最大とすることができる。
L1+L2+L3<2Lp2…(数式5)
ここで、上記の数式2と数式3から数式6が得られる。
L1+L2+Lp2≧B…(数式6)
また、数式5と数式6から数式7が得られる。
L3<3Lp2−B…(数式7)
ここで、チューブ1の断面短径方向の寸法Bが、第2ルーバ232のルーバピッチLp2以下、すなわちB≦Lp2である場合、3Lp2−B≧2Lp2となる。したがって、転向部26の長さL3を、上記の数式1を満たすように設定するのが最も望ましい。
一方、チューブ1の断面短径方向の寸法Bが、第2ルーバ232のルーバピッチLp2より大きい、すなわちB>Lp2である場合、3Lp2−B<2Lp2となる。したがって、転向部26の長さL3を、下記の数式8を満たすように設定するのが最も望ましい。
Lp2<L3<3Lp2−B…(数式8)
本実施形態では、フィン2の平面部21の気流方向X1の長さAを15.35mm、チューブ1の断面短径方向の寸法Bを1.3mm、第1ルーバ231のルーバピッチLp1を0.9mm、第2ルーバ232のルーバピッチLp2を0.7mm、上流側平面部24の長さL1を0.3mm、下流側平面部25の長さL2を0.3mm、転向部26の長さL3を0.75mmとしている。
ところで、従来、フィンの製造工程において、フィン材料11を成形ローラ13aから剥がすために、平面部21における気流方向X1の両端部にルーバ23が形成されていないストリッパ部を設けていた。しかし、ストリッパ部の気流方向X1の長さが小さい場合、フィン材料11が成形ローラ13aから剥がせなくなり、成形ローラ13aに巻き付いてしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態のように、平面部21の転向部26をストリッパ部として機能するように構成するとともに、フィン製造工程に、転向部26においてフィン材料11を成形ローラ13aから剥がす工程を設けることで、平面部21における気流方向X1の両端部に従来設けられていたストリッパ部の長さを小さくしても、フィン材料11を成形ローラ13aから剥がすことができる。これにより、フィン材料11が成形ローラ13aに巻き付いてしまうことを防止できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7に基づいて説明する。図7は、本第2実施形態に係るフィン2をチューブ積層方向X3から見た断面図であり、図4に対応している。
図4に示すように、本実施形態のフィン2の平面部21には、上流側平面部および下流側平面部が設けられていない。すなわち、平面部21のうち転向部26を除く部位には、気流方向X1における全域にわたってルーバ23が形成されている。このため、本実施形態では、L1=0、L2=0となっている。これにより、1つの平面部21に形成されるルーバ23の総枚数を増加させることができるので、放熱性能を向上させることができる。
本実施形態のように、平面部21の転向部26をストリッパ部として機能するように構成するとともに、フィン製造工程に、転向部26においてフィン材料11を成形ローラ13aから剥がす工程を設けることで、平面部21における気流方向X1の両端部にストリッパ部が設けられていなくても、転向部26においてフィン材料11を成形ローラ13aから剥がすことができる。これにより、フィン材料11が成形ローラ13aに巻き付いてしまうことを防止できる。
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態では、1つの平面部21に、ルーバピッチの異なる二種類のルーバ23を複数枚ずつ設けた例について説明したが、これに限らず、ルーバピッチの等しい、すなわち1種類のルーバ23を複数枚設けてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明に係る熱交換器をエンジン冷却水を冷却するラジエータに適用した例について説明したが、これに限らず、凝縮器、ヒータコアユニット、エバポレータ等の各種の熱交換器に適用してもよい。この場合、第1流体としては、冷却水以外のものを用いてもよい。
第1実施形態に係るラジエータを示す正面図である。 第1実施形態におけるフィン2を示す拡大斜視図である。 第1実施形態におけるチューブ1およびフィン2をチューブ長手方向から見た断面図である。 図2のA−A断面図である。 第1実施形態におけるローラ成形装置の模式図である。 転向部26の長さL3と放熱性能との関係を示す特性図である。 第2実施形態に係るフィン2をチューブ積層方向X3から見た断面図である。
符号の説明
1 チューブ
2 フィン
11 フィン材料(薄板材料)
13a 成形ローラ
21 平面部
23 ルーバ
23a 上流端ルーバ
23b 下流端ルーバ
24 上流側平面部
25 下流側平面部
26 転向部

Claims (7)

  1. 第1流体が流通するチューブ(1)と、
    前記チューブ(1)の外表面に接合され、前記第1流体と、前記チューブ(1)周りを流通する第2流体との熱交換を促進するフィン(2)とを備える熱交換器であって、
    前記フィン(2)は、薄板材料(11)にローラ成形法を施すことにより波形状に成形されており、前記第2流体の流れ方向(X1)と略平行な平面部(21)を有しており、
    前記平面部(21)には、前記平面部(21)に対して予め定めた捻り角度で捻られたルーバ(23)が、前記第2流体の流れ方向(X1)に沿って複数設けられており、
    前記平面部(21)における前記第2流体流れ上流側端部および下流側端部には、前記第2流体の流れ方向(X1)と略平行な上流側平面部(24)および下流側平面部(25)がそれぞれ設けられており、
    前記平面部(21)には、前記第2流体の流れ方向(X1)と略平行になっており、前記ルーバ(23)の捻り方向を反転する転向部(26)が設けられており、
    前記上流側平面部(24)の前記第2流体の流れ方向(X1)の長さをL1、前記下流側平面部(25)の前記第2流体の流れ方向(X1)の長さをL2、前記転向部(26)の前記第2流体の流れ方向(X1)の長さをL3、前記ルーバ(23)のルーバピッチをLpとしたとき、Lp≦L3<2Lpの関係を満たしていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記チューブ(1)は、断面形状が扁平な長円形状に形成されており、
    前記複数のルーバ(23)のうち前記第2流体流れの最上流側に配置される上流端ルーバ(23a)は、前記上流側平面部(24)に接続されており、
    前記複数のルーバ(23)のうち前記第2流体流れの最下流側に配置される下流端ルーバ(23b)は、前記下流側平面部(25)に接続されており、
    前記上流端ルーバ(23a)および前記下流端ルーバ(23b)のルーバピッチは、それぞれ、前記複数のルーバ(23)のうち前記上流端ルーバ(23a)および前記下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチの約半分の長さになっており、
    前記複数のルーバ(23)のうち前記上流端ルーバ(23a)および前記下流端ルーバ(23b)を除くルーバ(23)のルーバピッチをLp、前記チューブ(1)の断面短径方向の寸法をBとしたとき、L1+Lp/2≧B/2、かつ、L2+Lp/2≧B/2の関係を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. L1+L2<2Lpであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. L1=0であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. L2=0であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器。
  6. 前記フィン(2)における前記第2流体の流れ方向の長さ(X1)をAとしたとき、Lp/A≦0.05の関係を満たしていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱交換器。
  7. 薄板材料(11)にローラ成形法を施すことにより波形状に成形され、流体の流れ方向(X1)と略平行な平面部(21)を有する熱交換器用フィンの製造方法であって、
    前記平面部(21)における前記流体の流れ方向(X1)の略中央部を除く部位に、前記平面部(21)に対して予め定めた捻り角度で捻られたルーバ(23)を、前記流体の流れ方向(X1)に沿って複数設ける工程と、
    前記平面部(21)おける前記流体の流れ方向(X1)の略中央部をストリッパ部(26)として構成し、当該ストリッパ部(26)において前記薄板材料(11)を成形ローラ(13a)から剥がす工程とを備えることを特徴とする熱交換器用フィンの製造方法。
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