JP2009300611A - 偏光板及び液晶パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドリング性に優れ、かつ製造容易な集光機能を有する偏光板を提供する。
【解決手段】偏光子30と、該偏光子の一方主面に積層された第1の保護フィルム31を有し、該第1の保護フィルムの平均屈折率が1.58以上である偏光板によって、上記課題が解決される。さらに、集光に伴う画面の色付きを抑制する観点においては、該第1の保護フィルムはヘイズが2.0%以上であることが好ましい。また、前記偏光子と、前記第1の保護フィルムとの間に光拡散層を有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子と少なくとも1枚の保護フィルムが積層された偏光板に関する。さらに本発明は、当該偏光板を用いた液晶パネルおよびその製造方法に関する。また、本発明は、該液晶パネルを備える液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置の視認性向上などの観点より、光源より出射された光を、効率的に液晶セル等に入射するために、プリズムシート等の表面凹凸形状を有する集光シートによって出射光を正面方向へ集光し輝度を向上する技術が、一般的に用いられている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、前記の表面凹凸形状を有するフィルム等による集光シートは、ハンドリング性に乏しいため、シートの製造段階や、画像表示装置への組み込みの段階でシートに傷が生じ易い傾向がある。また、画像表示装置に組み込んだ際に、他の部材との空気隙間が不均一であること等に起因してモアレを生じる場合があった。
WO94/09974号国際公開パンフレット
本発明は、ハンドリング性に優れ、集光機能を有する偏光板を提供することを目的とする。さらには、当該集光機能を有する偏光板を用いた液晶パネル、並びにその製造方法、及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記観点に鑑み鋭意検討の結果、所定の光学特性を有するフィルムを偏光子の保護フィルムとして用いることで、プリズムシート等の表面凹凸形状による集光素子と遜色ない集光特性を有し、かつ、ハンドリング性に優れた偏光板を得られることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は、偏光子と、該偏光子の一方主面に積層された第1の保護フィルムを有する偏光板に関する。該第1の保護フィルムは平均屈折率が1.58以上である。該第1の保護フィルムの平均屈折率を大きくすることによって、フィルム界面での屈折率差によって斜め方向に入射した光を正面方向に向けることができる。
本発明の偏光板においては、前記第1の保護フィルムのヘイズが2.0%以上であることが好ましい。また、前記偏光子と、前記第1の保護フィルムとの間に光拡散層を有することも好ましい構成である。なお、該光拡散層はヘイズが20%以上であることが好ましい。このように第1の保護フィルムがヘイズを有すること、及び/又は光拡散層を有することにより、光が拡散され、集光された光が虹模様に着色することを抑制することができる。
本発明の偏光板は、前記偏光子の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面に第2の保護フィルムが積層された形態を採用することができる。かかる実施形態においては、第2の保護フィルムの平均屈折率を1.55以下とすることが好ましい。前記第1の保護フィルムの平均屈折率を1.58以上としながら、第2の保護フィルムを1.55以下とすることによって、第1の保護フィルムで集光された光を、その入射方向を大きく変えることなく液晶表示装置に入射させることができる。
さらに、本発明の偏光板においては、前記第2の保護フィルムのヘイズが2.0%以下であることが好ましい。第2の保護フィルムのヘイズを低くすることによって、散乱による偏光状態の解消(消偏)を抑制し、コントラストの高い画像表示を得ることができる。
本発明の偏光板においては、前記第1の保護フィルムがポリエステルフィルムであることが好ましい。
さらに、本発明の偏光板においては、前記第1の保護フィルムが、該第1の保護フィルムの偏光子と積層される側の面に易接着層が形成されたものであることが好ましい。このように易接着層を有することによって偏光子との接着性を向上することができる。
また、本発明は、前記偏光板を用いた液晶パネルに関する。本発明の液晶パネルにおいては、液晶セルの少なくとも一方主面に、前記偏光板を備え、該偏光板の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面が液晶セルと対向するように積層することが好ましい。
さらに、本発明は、前記液晶パネルの製造方法に関する。本発明の液晶パネルの製造方法の好ましい実施形態においては、前記偏光板の長尺シートをロール原反として準備するロール原反準備工程と、該ロール原反からシート製品を繰り出し、切断手段を用いて前記偏光板を所定サイズに切断する切断工程と、該切断工程後に、前記偏光板を粘着剤層を介して液晶セルに貼り合わせる貼合工程と、を有する。
さらに、本発明は前記液晶パネルと光源ユニットとを備える液晶表示装置に関する。本発明の液晶表示装置においては、前記液晶パネルの、前記偏光板が配置された側に光源ユニットを備えることが好ましい。
[偏光板の構成の概要]
本発明の偏光板の概略断面図を図1に示す。本発明の偏光板は、偏光子30の一方主面に第1の保護フィルム31を有するが、該偏光子30の第1の保護フィルム31が積層されない側の主面には、図1(a)に示すように何も積層されていなくても良いし、図1(b)に示すように、第2の保護フィルム32が積層された形態を採用することもできる。本発明の偏光板は、該第1の保護フィルムの平均屈折率が1.58以上であることを特徴とする。
以下、本発明の偏光板を構成する偏光子、保護フィルム、並びにそれらの積層手段等の好ましい形態について順次説明する。
[第1の保護フィルム]
(屈折率)
通常、偏光板は、偏光子の両主面に、偏光子の傷付きや光学特性の劣化防止等を目的として、保護フィルムとしての透明フィルムを備えた構造を有している。このような保護フィルムとしては、透明性や光学等方性の観点から、トリアセチルセルロース(屈折率1.48)のフィルムが広く用いられている。それに対して、本発明の偏光板においては、第1の保護フィルムの平均屈折率を1.58以上とすることによって、フィルム界面での屈折率差によって斜め方向に入射した光を正面方向に向けられるため、集光偏光板として作用する。
図2に示すように、光源から出射された光(r1)が極角θ(ただし、第1の保護フィルムの法線方向を極角=0°の基準とする)で第1の保護フィルムに入射する場合、空気と、第1の保護フィルムの屈折率差により、フィルム界面で光が屈折し、第1の保護フィルム中では極角θで光が伝播する。このθとθは、空気と第1の保護フィルムのそれぞれの屈折率をn、nに対して、以下の式1で表されるスネルの法則に従う。
×sinθ=n×sinθ (式1)
空気の屈折率n≒1であるから、上記の式1は以下の式2のように書き換えることができる。
sinθ=sinθ×(1/n) (式2)
従って、第1の保護フィルムの屈折率nを大きくすることで、第1の保護フィルム中を光が伝播する方向の極角θが小さくなるため、正面方向に光が集光されることとなる。例えば、第1の保護フィルムの屈折率が1.60の場合、空気中を極角θ=80°で伝播する光が、第1の保護フィルムに入射すると、極角θ=38°で伝播することになる。
集光特性を高める観点から、第1の保護フィルムの平均屈折率は、1.59以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましい。なお、平均屈折率の上限は特に制限されないが、過度に屈折率が大きくなると、界面での反射が大きくなり、液晶表示装置等の画像表示装置等に組み込んだ際に輝度が小さくなる場合がある。かかる観点から、第1の保護フィルムの平均屈折率は、1.70以下であることが好ましく、1.65以下であることがより好ましい。
ここで、平均屈折率について説明しておく。平均屈折率は物質固有の値であり、フィルムが光学等方性であっても、光学異方性であってもその値は同じである。フィルムが光学等方性の場合は、フィルムの各方向における屈折率の値は平均屈折率に等しい。一方、フィルムが光学異方性の場合、平均屈折率は、各方向の屈折率の平均値として表される。すなわち、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnzとした場合、平均屈折率nave=(nx+ny+nz)/3で表される。
(ヘイズ)
本発明の偏光板においては、前記第1の保護フィルムのヘイズが2.0%以上であることが好ましく、3.0%以上であることがより好ましい。第1の保護フィルムのヘイズが過度に小さい場合、第1の保護フィルムとして平均屈折率が高いもの用いて、光を正面方向に集光しても、その光が偏光子、あるいは第1の保護フィルムと偏光子の間に存在する接着剤や粘着剤等の媒体に入射する際の屈折率差によって、再度斜め方向(極角の大きい方向)に伝播することとなり、十分な集光特性を得られない場合がある。それに対して、第1の保護フィルムが適度のヘイズを有することで、第1の保護フィルム中で光が適度に散乱され、偏光子、あるいは第1の保護フィルムと偏光子の間に存在する接着剤や粘着剤等の媒体との屈折率差によって集光した光が再度極角の大きい方向に分散されるのを抑制することができる。
また、第1の保護フィルムのヘイズの上限は特に制限されないが、過度にヘイズが高いと、液晶パネルが輝度向上フィルムを備える構成において、偏光解消が大きくなるために、コントラストが低下する等の不具合を生じる場合がある。かかる観点から、第1の保護フィルムのヘイズは50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
(複屈折特性)
本発明の偏光板を後述する液晶パネルに用いるに際しては、集光偏光板として作用させる観点において、偏光板の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面が液晶セルと対向するように配置される。すなわち、第1の保護フィルム31は、偏光子30の液晶セルと対向しない側の面に配置されることとなる。そのため、第1の保護フィルム11が複屈折を有していても、その複屈折は液晶パネルの表示特性に直接的には影響を与えないことから、光学的等方性、あるいは複屈折の均一性は必ずしも必要ではない。このような観点からは、例えば、市販の二軸延伸ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)フィルムフィルム等のように、必ずしも複屈折の均一性が高いとはいえないフィルムであっても、使用することができる。
一方で、複屈折と厚みの積で表されるレターデーション値が大きいフィルムを第1の保護フィルムとして用いた場合、液晶表示装置が干渉による虹模様の着色を生じる場合がある。このような着色を抑制する観点からは、第1の保護フィルムの遅相軸方向(フィルム面内の屈折率が最大となる方向)と、偏光子の吸収軸方向が略平行または略直交となるように配置することが好ましい。なお、略平行、略直交とは、両者のなす角度が丁度0°、あるいは90°である場合のみならず、±10°、好ましくは±5°の範囲であることを意味する。
なお、第1の保護フィルムの遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向が平行または直交から外れている場合は、虹模様の着色が生じる場合があるが、かかる着色は、前述したように、第1の保護フィルムのヘイズ値を所定の範囲としたり、後述するように、光拡散層を配置することによって解消することができる。また、市販の二軸延伸ポリエステルフィルム等においては、延伸時のボーイング現象(遅相軸方向が幅方向で不均一となること)が生じるために、フィルム面内での遅相軸方向のばらつきや、フィルムの製品間(ロット間)での遅相軸方向のバラツキが生じるため、遅相軸方向と偏光子の吸収軸方向の配置方向を常に均一とはできない場合がある。かかる観点からも、第1の保護フィルムにヘイズを持たせることや、光拡散層を配置することは、虹模様の着色を防止する上で有用である。
(材料)
本発明の偏光板における第1の保護フィルムの材料は、前記屈折率範囲を満足するものであれば特に制限されず、各種の高分子材料等を用いることができる。その例としては、ポリエステル樹脂や、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。中でも、屈折率およびヘイズを前記範囲とする観点からは、ポリエステルを主成分とするポリエステルフィルムを用いることが好ましい。ポリエステルは、高い屈折率を有すると共に、半結晶性を有するため、加熱等によって結晶化を進行させることによって結晶化度が上昇し、ヘイズを所望の範囲とすることができる。さらに、一般に結晶部分は非晶部分に比して屈折率が高いため、結晶化度を高めることによって、フィルムの平均屈折率を高めることも可能である。
前記ポリエステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のジオールを、それぞれ1種を重縮合してなるホモポリマー、又はジカルボン酸1種以上とジオール2種以上を重縮合してなる共重合体、あるいはジカルボン酸2種以上と1種以上のジオールを重縮合してなる共重合体、及びこれらのホモポリマーや共重合体を2種以上ブレンドしてなるブレンド樹脂のいずれかのポリエステル樹脂を挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましく用いられる。
ポリエステルフィルムは、例えば上記のポリエステル樹脂をフィルム状に溶融押出、キャスティングドラムで冷却固化させてフィルムを形成させる方法等によって得られる。本発明の偏光板におけるポリエステルフィルムとしては、無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれも用いることができる。
ポリエステルフィルムが延伸フィルムである場合、その延伸方法は特に限定されず、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法、縦横同時二軸延伸法等を採用することができる。延伸手段としては、ロール延伸機、テンター延伸機やパンタグラフ式あるいはリニアモーター式の二軸延伸機等、任意の適切な延伸機によることができる。
(厚み)
第1の保護フィルムの厚みは、5〜500μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、10〜150μmがさらに好ましい。厚みが前記範囲より小さいと、フィルムが破断しやすくなり、偏光板に適用したときの強度に問題が生じたり、水分遮断性が不十分となり、偏光子の耐久性に劣る場合がある。厚みが前記範囲より大きいと、フィルムの屈曲性に欠け、ハンドリング性が低下したり、フィルムの製造が困難となる場合がある。
(易接着層)
第1の保護フィルムは後述するように、偏光子と接着剤等を介して積層されるが、ポリエステル等の高屈折率ポリマーは、セルロース系樹脂に比して、偏光子との接着性が低い傾向がある。そのため、本発明の偏光板においては、前記第1の保護フィルムの偏光子と積層される側の面には易接着層が形成されていることが好ましい。
易接着層としては、親水性セルロース誘導体、ポリビニルアルコール系化合物、親水性ポリエステル系化合物、ポリビニル系化合物、(メタ)アクリル酸化合物、エポキシ樹脂、ポリウレタン化合物、天然高分子化合物等により形成されたものが挙げられる。上記の中でも、接着性の観点から、ポリビニルアルコール系化合物、又はポリウレタン化合物を好適に用いることができる。
さらに、上記易接着層は、架橋剤を含んでいてもよい。特に、易接着層が主としてポリビニルアルコール系化合物やポリビニル系化合物等のように、一般にポリエステル等からなる第1の保護フィルムとの接着性(密着性)が低いものである場合、易接着層は架橋剤を含むことが好ましい。かかる架橋剤としては、例えばアクリル系、スチレン系、エポキシ系、フェノール系、フェノキシエーテル系、フェノキシエステル系、メラミン系、ウレタン系等の架橋剤が挙げられる。中でも、第1の保護フィルムと易接着層の密着性を向上させる観点からは、オキサゾリン基、ジイミド基、ヒドラジン基、エポキシ基を有している架橋剤を好適に用いることができる。
易接着層は、上記の化合物を溶液、分散液、あるいは乳化液として保護フィルムに塗布することによって形成することが好ましい。塗布にあたっては、環境汚染を防ぎ、防爆性を得る観点から、水性塗液として用いることが好ましい。また、保護フィルムへの水性塗液の濡れを促進する観点や塗液の安定性を向上させる観点において、界面活性剤を配合することもできる。塗液への界面活性剤の適切な配合量は、界面活性剤の種類によって異なるが、偏光子と十分な接着性を有するように適宜調製することができる。例えば、水性塗液の固形分100重量部あたり1〜10部程度含まれていればよい。塗液には、さらに、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、架橋剤、顔料、有機フィラー、無機フィラーを添加してもよい。
また、塗液を保護フィルムに塗布する際には、塗布性を向上させる観点から、事前にフィルム表面にコロナ処理、プラズマ処理等を施すこともできる。
塗液の塗布量は、易接着層の厚みが0.001〜10μm程度、さらには0.001〜5μm程度、特に0.001〜1μm程度となるように調整することが好ましい。塗布層の厚みが過度に小さいと、偏光子との接着力が不足する場合があり、厚みが過度に大きいと、ブロッキングが生じたりする場合がある。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を提供することができる。これらは単独で用いてもよく、組合せて用いてもよい。保護フィルム上に塗布された塗液は、加熱等によって乾燥することで、易接着層としてフィルム上に形成される。
[偏光子]
偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得るフィルムをいう。本発明に用いられる偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得るが、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものが好ましく用いられる。
本発明の偏光板においては、偏光子として、目的に応じて任意の適切ものが採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。また、米国特許5,523,863号等に開示されている二色性物質と液晶性化合物とを含む液晶性組成物を一定方向に配向させたゲスト・ホストタイプのO型偏光子、米国特許6,049,428号等に開示されているリオトロピック液晶を一定方向に配向させたE型偏光子等も用いることができる。
このような偏光子の中でも、高い偏光度を有するという観点、並びに前記易接着層が形成された保護フィルムとの接着性の観点から、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系フィルムによる偏光子が好適に用いられる。偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコール又はその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等が挙げられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸や、そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコールの重合度は、1000〜10000程度、ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。
前記ポリビニルアルコール系フィルム中には可塑剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオール及びその縮合物等が挙げられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。可塑剤の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20重量%以下とするのが好適である。
前記ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、ヨウ素染色処理が少なくとも施される。さらには、ホウ酸処理、ヨウ素イオン処理を施すことができる。また前記処理の施されたポリビニルアルコール系フィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥されて偏光子となる。
一軸延伸処理における延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等が挙げられる。延伸は多段で行うこともできる。前記延伸手段において、未延伸フィルムは、通常、加熱状態とされる。通常、未延伸フィルムは30〜150μm程度のものが用いられる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、延伸倍率(総延伸倍率)は2〜8倍程度、好ましくは3〜6.5倍、さらに好ましくは3.5〜6倍とするのが望ましい。延伸フィルムの厚みは5〜40μm程度が好適である。
また、偏光子には亜鉛を含有させることもできる。偏光子に亜鉛を含有させることは、加熱環境下における色相劣化抑制の点で好ましい。偏光子中の亜鉛の含有量は、亜鉛元素が、偏光子中に0.002〜2重量%含有される程度に調整することが好ましい。さらには、0.01〜1重量%に調整することが好ましい。偏光子中の亜鉛含有量が前記範囲において、耐久性向上効果がよく、色相の劣化を抑えるうえで好ましい。
亜鉛含浸処理には、亜鉛塩溶液が用いられる。亜鉛塩としては、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の水溶液の無機塩化合物が好適である。これらのなかでも、硫酸亜鉛が亜鉛の偏光子中における保持率を高めることができることから好ましい。また、亜鉛含浸処理には、各種亜鉛錯体化合物を用いることができる。亜鉛塩水溶液中の亜鉛イオンの濃度は、0.1〜10重量%程度、好ましくは0.3〜7重量%の範囲である。また、亜鉛塩溶液はヨウ化カリウム等によりカリウムイオン及びヨウ素イオンを含有させた水溶液を用いるのが亜鉛イオンを含浸させやすく好ましい。亜鉛塩溶液中のヨウ化カリウム濃度は0.5〜10重量%程度、さらには1〜8重量%とするのが好ましい。
[第1の保護フィルムと偏光子の積層]
前記偏光子と第1の保護フィルムの積層方法は特に限定されないが、作業性や、光の利用効率の観点からは、接着剤層や粘着剤層を介して空気間隙なく積層することが望ましい。接着剤層や粘着剤層を用いる場合、その種類は特に制限されず、種々のものを用い得る。
(接着剤層)
偏光子と保護フィルムの密着性を高める観点からは、両者の積層には接着剤層が好適に用いられる。接着剤層を形成する接着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム系、合成ゴム等のゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、偏光子と光学等方性フィルムはとの積層には水性接着剤が好ましく用いられる。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものが用いられる。
かかる接着剤に用いるポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂や、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール樹脂は、反応性の高い官能基を有するポリビニルアルコール系接着剤であり、偏光板の耐久性が向上するため好ましい。
また、接着剤は架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂、;更にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル等の二価金属、又は三価金属の塩及びその酸化物が挙げられる。これらのなかでもアミノ−ホルムアルデヒド樹脂やジアルデヒド類が好ましい。アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはメチロール基を有する化合物が好ましく、ジアルデヒド類としてはグリオキザールが好適である。なかでもメチロール基を有する化合物である、メチロールメラミンが特に好適である。
さらに、凹凸欠陥(クニック)の発生を抑制する観点からは、接着剤に金属コロイドを含有することも好ましい構成である。かかる金属コロイドとしては、アルミナコロイド、シリカコロイド、ジルコニアコロイド、チタニアコロイド及び酸化スズコロイド等が挙げられる。具体的には、特開2008−15483号公報に記載のものを好適に用いることができる。
接着剤の塗布は、乾燥後の接着剤層の厚みが10〜300nm程度になるように行なうのが好ましい。接着剤層の厚みは、均一な面内厚みを得ることと、十分な接着力を得る点から、10〜200nmであることがより好ましく、20〜150nmであることがさらに好ましい。フィルムへの粘着剤層や接着剤層の付設は、適宜な方式で行い得る。
粘着剤層や接着剤層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層としてフィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚み等の粘着剤層とすることもできる。
また、保護フィルムは、接着剤や粘着剤を付設する前に、接着性の向上等を目的として、親水化等の表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等が挙げられる。
(光拡散層)
本発明の偏光板においては、集光された光が虹模様に着色するのを防止する観点において、図3に示すように、偏光子30と第1の保護フィルム31との間に光拡散層20を配置することも好ましい。かかる光拡散層としては、後方散乱が小さいものが好適に用いられる。中でも、光拡散層として拡散粘着剤層を用いることは、光拡散層としての機能に加えて、偏光子30と第1の保護フィルム31を空気隙間なく積層することができるため、好ましい構成である。かかる拡散粘着剤層としては、粘着剤に異なる屈折率の粒子を混合したもの等が有効に用いられる。このような粒子としては、例えば、特開2000−347006号公報、特開2000−347007号公報に開示されているような微粒子分散型拡散材料が好適に用いられる。
かかる光拡散層のヘイズは、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。ヘイズを上記範囲とすることで、画面が虹模様に着色することを抑制することができる。また、光拡散層のヘイズは、88%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましい。ヘイズが過度に高いと光拡散層による偏光解消が大きくなるため、液晶パネルが輝度向上フィルムを備える構成等において、コントラストが低下する傾向がある。
[第2の保護フィルム]
本発明の偏光板においては、前記した第1の保護フィルム31、偏光子30に加えて、図1(b)に示すように、第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面に第2の保護フィルム32が積層された形態を採用することもできる。
(複屈折)
前述の如く、本発明の偏光板を液晶パネルに用いるに際しては、偏光板の第1の保護フィルム31が積層されたのと反対側の主面、すなわち、偏光板が第2の保護フィルム32を有する場合は、かかる第2の保護フィルム32が液晶セルと対向するように配置される。そのため、第2の保護フィルムは偏光子と液晶セルの間に配置されることとなり、その複屈折は液晶パネルの表示特性に影響を及ぼし得る。かかる観点からは、第2の保護フィルムとしては、実質的に複屈折を有さない光学等方性のものか、あるいは、複屈折を有する場合であってもその位相差値や光軸の方向の面内均一性に優れたものを用いることが好ましい。また、かかる第2の保護フィルムとしては、後述する位相差板(光学補償層)を用いることもできる。
(屈折率)
本発明の偏光板においては、第2の保護フィルムの平均屈折率が1.55以下であることが好ましい。第2の保護フィルムの平均屈折率が過度に高いと、視認側から液晶セルを透過して偏光板に達した光が、第2の保護フィルムによって液晶セル側への反射される割合が大きくなるため、反射光の影響で、黒表示時に色浮き(黒浮き)を生じる場合がある。特に、半透過モードの液晶表示装置のように、円偏光を液晶セルに入射させる液晶パネルに適用する場合には、外光の反射による色浮きの影響が顕著となり易い。第2の保護フィルムの平均屈折率は、1.54以下であることがより好ましく、1.53以下であることがさらに好ましい。また、より高い集光特性を得る観点からも、第1の保護フィルムと第2の保護フィルムの平均屈折率に差を設けることが好ましい。両者の平均屈折率差は、0.05以上であることが好ましく、0.07以上であることがより好ましく、0.09以上であることがさらに好ましく、0.10以上であることが特に好ましい。
(ヘイズ)
第2の保護フィルムのヘイズは、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。第2の保護フィルムのヘイズが高いと、散乱によって偏光子で一定の偏光状態に変換された光の偏光状態が不均一に変化(消偏)し、本発明の偏光板を液晶表示装置に用いた場合に、コントラストが低下する場合がある。
(材料)
本発明の偏光板における第2の保護フィルムの材料は、特に制限されないが、前述の如く、光学特性が均一である透明ポリマーを好適に用いることができる。特に、透明性(低ヘイズ)の観点からは非晶質ポリマーが好適に採用される。かかる観点からは、第2の保護フィルムとしては、セルロース樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つを用いるのが好ましい。
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としでは、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピオニルセルロース、ジプロピオニルセルロース等があげられる。これらのなかでも、トリアセチルセルロースが特に好ましい。トリアセチルセルロースは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。トリアセチルセルロースの市販品の例としては、富士フィルム製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカミノルタ製の「KCシリーズ」等が挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂の具体的としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂があげられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などがあげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーがあげられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR製の商品名「アートン」、TICONA製の商品名「トーパス」、三井化学製の商品名「APEL」があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。Tgが115℃以上であることにより、偏光板の耐久性に優れたものとなりうる。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定きれないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。(メタ)アクリル系樹脂からは、面内位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)がほぼゼロのフィルムを得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)があげられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルがあげられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル樹脂系があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載のものがあげられる。
また、(メタ)アクリル系樹脂としては、不飽和カルボン酸アルキルエステルの構造単位およびグルタル酸無水物の構造単位を有するアクリル樹脂を用いることができる。前記アクリル樹脂としては、特開2004−70290号公報、特開2004−70296号公報、特開2004−163924号公報、特開2004−292812号公報、特開2005−314534号公報、特開2006−131898号公報、特開2006−206881号公報、特開2006−265532号公報、特開2006−283013号公報、特開2006−299005号公報、特開2006−335902号公報などに記載のものがあげられる。
また、(メタ)アクリル系樹脂としては、グルタルイミド単位、(メタ)アクリル酸エステル単位、および芳香族ビニル単位を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。当該熱可塑性樹脂としては、特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328329号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報などに記載のものがあげられる。
また、光学等方性に優れる透明保護フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/又は非置換フェニル並びにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物等も好適に用いることができる。
(位相差値)
第2の保護フィルムとしては、前述の如く実質的に複屈折を有さない光学等方性のものか、あるいは、複屈折を有する場合であってもその位相差値や光軸の方向の面内均一性に優れたものが好適に用いられる。実質的に複屈折を有さない光学等方性のものとしては、正面位相差が40nm未満、かつ、厚み方向位相差が80nm未満であるものを用いることができる。このように複屈折が小さい保護フィルムとしては、無延伸フィルムが好適に用いられる。
正面位相差Reは、Re=(nx−ny)×d、で表わされる。厚み方向位相差Rthは、Rth=(nx−nz)×d、で表される。また、Nz係数は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)、で表される。[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]。
一方、正面位相差が40nm以上及び/又は、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有するフィルムを第2の保護フィルムとして用いることで、位相差板の機能を兼用させることもできる。その場合、正面位相差や厚み方向位相差は、位相差板として光学補償に必要とされる値に適宜調整することができる。かかる位相差板としては、延伸フィルムを好適に用いることができる。
前記位相差板は、nx=ny>nz、nx>ny>nz、nx>ny=nz、nx>nz>ny、nz=nx>ny、nz>nx>ny、nz>nx=ny、の関係を満足するものが、各種用途に応じて選択して用いられる。なお、ny=nzとは、nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、実質的にnyとnzが同じ場合も含む。
(厚み)
第2の保護フィルムの厚みは、5〜500μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、10〜150μmがさらに好ましい。厚みが前記範囲より小さいと、フィルムが破断しやすくなり、偏光板に適用したときの強度に問題が生じたり、水分遮断性が不十分となり、偏光子の耐久性に劣る場合がある。厚みが前記範囲より大きいと、フィルムの屈曲性に欠け、ハンドリング性が低下したり、フィルムの製造が困難となる場合がある。
[第2の保護フィルムと偏光子の積層]
前記偏光子と第2の保護フィルムの積層方法は特に限定されないが、作業性や、光の利用効率の観点からは、接着剤層や粘着剤層を介して空気間隙なく積層することが望ましい。接着剤層や粘着剤層を用いる場合、その種類は特に制限されず、種々のものを用い得る。例えば、第1の保護フィルムと偏光子の積層に用いられる接着剤層として前記したもの等を好適に採用し得る。
[その他の光学層]
本発明の偏光板は、上記の偏光子、第1の保護フィルム、第2の保護フィルム、並びにそれらを積層するための接着剤層、粘着剤層に加えて、その他の光学層を有することもできる。かかる光学層としては、例えば、表面処理層、輝度向上フィルム、反射層、位相差フィルムが挙げられる。
(粘着剤層)
本発明の偏光板には、各光学層を積層したり、液晶セル等の他の部材と接着するための粘着剤層を設けることもできる。粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましく用いうる。
粘着剤層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として積層光学フィルムやその他の光学層の片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚み等の粘着剤層とすることもできる。粘着剤層の厚みは、使用目的や接着力等に応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
(離型フィルム)
粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に離型フィルム(セパレータ)が仮着されてカバーすることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層に接触することを防止できる。離型フィルムとしては、上記厚み条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したもの等の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記の偏光板を形成する偏光子や、保護フィルム、接着剤、粘着剤層、その他の光学層等の各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式等の方式により紫外線吸収能をもたせたもの等であってもよい。
[液晶パネル]
本発明の偏光板は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置の形成に好ましく用いることができる。中でも本発明の偏光板は集光機能を有することに鑑みれば、光源ユニットや外光の反射等、画像表示セルの外部からの光を利用して表示を行う液晶表示装置に好適に用いることができる。液晶表示装置は、一般に図4に示すように、液晶セルに偏光板等の光学素子が積層された液晶パネル100と、バックライト等を含む光源ユニット200に、さらに必要に応じて駆動回路等を組込むこと等により形成される。
液晶パネルの形成においては、本発明による偏光板を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばVAモード、IPSモード、TNモード、STNモード、やベンド配向(π型)等の任意なタイプのものを用いうる。
本発明の偏光板は液晶セルの片側又は両側に配置することができる。液晶セルの片面に本発明の偏光板を配置する場合、液晶セルの光源側、視認側のいずれに配置することもできるが、偏光板の集光特性を発揮させる観点からは、光源側、すなわち、液晶パネル100と光源ユニット200を組み立てる際の光源ユニット200が配置される側の主面に本発明の偏光板を配置することが好ましい。また、同様の観点から、図4に示すように、第1の保護フィルム31が積層されたのと反対側の主面(第2の保護フィルム32が積層されている場合は、第2の保護フィルム32側の主面)が液晶セル10と対向するように本発明の偏光板1を積層することが好ましい。液晶セルの他方(視認側)の主面には、任意の光学フィルムを配置し得るが、好ましくは図4に示すように偏光板2を配置することが好ましい。かかる偏光板としては本発明の偏光板や、それ以外の任意の偏光板を用いることができる。
[液晶表示装置]
図4は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。この液晶表示装置は、液晶パネル100と、光源ユニット200を備える。光源ユニット200は、光源130及び導光板120を備える。また、別の実施形態においては、図4に例示した光学部材は、本発明を満足する限りにおいて、用いられる液晶セルの駆動モードや用途に応じて、その一部が省略されるか、若しくは他の光学部材に代替され得る。また、本発明の液晶表示装置は、図4に例示した以外の部材を備えるものであってもよい。
[液晶パネルの形成方法]
液晶パネルの形成にあたり、特に図1(a)のように、偏光子の一方主面のみに、第1の保護フィルムが積層されており、偏光子の他方の面には保護フィルムが積層されていない形態や、図1(b)のように、偏光子の両主面に保護フィルム(第1の保護フィルム及び第2の保護フィルム)が積層されている場合であっても、両者が異なる種類のフィルムである場合には、偏光子のフィルム界面に付与される応力が、偏光子の一方主面と他方の主面で異なる場合がある。すなわち、偏光子の表裏で層構造が異なるため、偏光子に付与される外部応力がフィルムの表裏で異なる場合がある。このような外部応力差がある場合、フィルムは湾曲性を有しやすい。このように湾曲しやすいフィルムは、従来の製造工程では、以下に示すように、画像表示装置に加工することが困難であった。
(従来の液晶パネルの製造工程)
従来の液晶パネルの製造工程は、図5に概念的に示すように、光学フィルム製造メーカにおける製造工程と、パネル加工メーカにおける製造工程に大別される。まず、光学フィルム製造メーカでは、偏光板等の光学フィルムを長尺(帯状)のシート状製品のロール原反として製造する(#1)。次いで、ロール原反を所定サイズ(液晶セルのサイズに従ったサイズ)にスリットする(#2)。次いで、スリットされた長尺の原反を、液晶セル等、貼り合わされる液晶セルのサイズに合わせて定尺切断する(#3)。次いで、定尺切断された枚葉のシート状製品(光学フィルム)を外観検査する(#4)。この検査方法としては、例えば、目視による欠点検査、公知の欠点検査装置を用いた検査が挙がられる。欠点は、例えば、表面又は内部の汚れ、傷、異物をかみ込んだ打痕状欠陥、凹凸欠陥、気泡、異物等を意味している。次いで、完成品検査をする(#5)。完成品検査は、外観検査よりも良品判定の厳しい品質基準に従った検査である。次いで、枚葉のシート状製品の4方の端面を端面加工する(#6)。これは、輸送中において、端面から粘着剤等がはみださないように防止するために行なわれる。次いで、クリーンルーム環境において、枚葉のシート状製品をクリーン包装する(#7)。次いで、輸送のために包装(輸送梱包)する(#8)。以上のようにして枚葉のシート状製品が製造され、パネル加工メーカに輸送される。
パネル加工メーカでは、輸送されてきた枚葉のシート状製品を梱包解体する(#11)。次いで、輸送中あるいは梱包解体時に生じた傷、汚れ等を検査するために外観検査をする(#12)。検査で良品判定された枚葉のシート状製品は、次工程に搬送される。なお、この外観検査を省略する場合もある。枚葉のシート状製品が貼り合わされる液晶セルは、予め製造され、液晶セルは貼り合わせ工程の前に洗浄される(#13)。
次いで、枚葉のシート状製品と液晶セルを貼り合わせる(#14)。枚葉のシート状製品から粘着剤層を残して離型フィルムが剥離され、粘着剤層を貼り合わせ面として液晶セルの一方の面に貼り合わせる。さらに、液晶セルの他方の面にも同様に貼り合わせることができる。両者に貼り合わせる場合、液晶セルのそれぞれの面には、同一構成の光学フィルムが貼り合わせるように構成されてもよく、異なる構成の光学フィルムが貼り合わされるように構成されていてもよい。次いで、貼り合わせた状態の検査及び欠点検査を行なう(#15)。この検査で良品判定された液晶パネルは、実装工程に搬送され、液晶表示装置等の画像表示装置に実装される(#16)。一方、不良品判定された液晶パネルは、リワーク処理が施される(#17)。リワーク処理で、液晶セルから光学フィルムが剥離される。リワーク処理された液晶パネルは、新たに光学フィルムが貼り合わされる(#14)。
以上のような従来の製造工程を、湾曲しやすいフィルムに適用した場合、偏光板がロール状で存在する(#1)、(#2)の工程においては、搬送ライン間に掛け渡されているために、その張力によって湾曲挙動が抑制されている。しかしながら、これを定尺切断(#3)すると、偏光板の湾曲挙動を抑制していた張力が開放されるため、湾曲が生じ、外観検査(#4)〜液晶セルとの貼り合わせ(#14)におけるハンドリングが困難となる。さらには、従来の製造工程の場合は、上記の湾曲性によるハンドリングの問題に加えて、検査、梱包等多工程であるため、製造コストが上昇するという問題もあった。
(連続方式による製造方法)
このような長尺のロール状に形成されたフィルムを、張力の存在下で繰り出しながら連続的に液晶セルに貼合することで、湾曲が抑制され、かかる問題を解決し得る。すなわち、従来、光学フィルム製造メーカとパネル加工メーカで別に行っていた定尺切断(#3)と液晶セルへの貼り合わせ(#14)を1箇所で連続的に行うことによって、外観検査(#4)。完成品検査(#5)、端面加工(#6)、クリーン包装(#7)輸送梱包(#8)、梱包解体する(#11)、外観検査(#12)が不要となる上に、湾曲によるハンドリング性の問題も解決することができる。
このような連続方式による画像表示装置の形成は、本発明の偏光板の長尺シートをロール原反として準備するロール原反準備工程と、該ロール原反からシート製品を繰り出し、切断手段を用いて前記偏光板を所定サイズに切断する切断工程と、該切断工程後に、前記偏光板を粘着剤層を介して液晶セルに貼り合わせる貼合工程とを有する。その一例について以下に示す。
(連続方式による実施形態1(通常の切断方式))
(1)第1ロール原反準備工程(図6、S1)
長尺に成形された本発明の偏光板を第1ロール原反として準備する。この偏光板は、図7(a)に示すように、偏光子30と、該偏光子の一方主面に積層された第1の保護フィルム31とが積層された第1光学フィルム11と、第1粘着剤層14と、第1離型フィルム12とが積層されている。第1粘着剤層および第1離型フィルムは、光学フィルム11の、第1の保護フィルム31が積層されていない側の主面に設けられている。なお、第1ロール原反として用いられる偏光板は、図7(a)に示した形態に限定されず、例えば、図7(b)に示すように、偏光子30の第1の保護フィルム31が積層されていない側の主面に、第2の保護フィルム32を有するもの等を用いることができる。
(2)第1切断工程(図6、S2)
次いで、準備され設置された第1ロール原反から第1シート製品を繰り出し、切断手段を用いて前記第1離型フィルム12を切断せずに前記第1光学フィルム11及び前記第1粘着剤層14を所定サイズに切断する。これにより、第1離型フィルム12を切断せずに第1光学フィルム11と第1粘着剤層14を切断することができる。よって、第1離型フィルム12上に第1粘着剤層14を介して第1光学フィルム11が形成されたままであるため、第1光学フィルム11が湾曲することがない。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッター、その他の公知の切断手段等が挙げられる。
(3)第1光学フィルム貼合工程(図6、S3)
次いで、第1切断工程後に、前記第1離型フィルム12を除去しながら、当該第1離型フィルム12が除去された第1光学フィルム11を、前記第1粘着剤層14を介して液晶セルWに貼り合わせる。よって、第1離型フィルム12を剥離しても第1光学フィルム11の湾曲が抑制された状態で、第1光学フィルム11を液晶セルWに貼り合わせることができる。液晶セルWは、貼り合わせ前に予め洗浄処理されていることが好ましい。
これら、第1ロール原反準備工程、第1切断工程、第1光学フィルム貼合工程のそれぞれの工程は連続した製造ラインで実行されている。以上の一連の製造工程では、液晶セルWの一方主面に第1光学フィルム11を貼り合わせたものである。以下では、他方の主面に第2光学フィルム21を貼り合わる製造工程について説明する。
(4)第2ロール原反準備工程(図6、S4)
長尺の第2シート製品2を第2ロール原反として準備する。第2シート製品2の積層構造は、前記第1光学フィルムの場合と同様に、第2光学フィルム21と、第2粘着剤層24と、第2離型フィルム22とを有している。なお、第2光学フィルムとしては、任意の光学フィルムを用い得るが、偏光子を含む偏光板であることが好ましい。
(5)第2切断工程(図6、S5)
次いで、準備され設置された第2ロール原反から第2シート製品を繰り出し、前記第1光学フィルムの場合と同様に、第2離型フィルム22を切断せずに第2光学フィルム21及び前記第2粘着剤層24を所定サイズに切断する。
(6)第2光学フィルム貼合工程(図6、S6)
次いで、第2切断工程後に、前記第2離型フィルム22を除去しながら、当該第2離型フィルム22が除去された第2光学フィルム21を、前記第2粘着剤層24を介して、液晶セルWの第1光学フィルム11が貼り合わされている面と異なる面に貼り合わせる。よって、第2離型フィルム22を剥離しても第2光学フィルム21の湾曲が抑制された状態で、第2光学フィルム21を液晶セルWに貼り合わせることができる。これによって、液晶セルWの一方面に第1光学フィルム11が、その他面に第2光学フィルム21が貼り合わされ、両面に光学フィルムが設けられた液晶パネルを製造することができる。
そして、第1ロール原反準備工程、第1切断工程、第1光学フィルム貼合工程、第2ロール原反準備工程、第2切断工程、第2光学フィルム貼合工程のそれぞれの工程を連続した製造ラインで実行する。
(7)検査工程
さらに、連続工程として、検査工程(図6、S7)を有することが好ましい。検査工程としては、貼り合わせ状態を検査する検査工程と、貼り合わせ後の欠点を検査する検査工程が例示され、いずれか一方のみの検査でもよいが、両方の検査を行なうことが好ましい。
(8)実装工程
検査工程において、良品判定された液晶パネルは、画像表示装置に実装される。不良品判定された場合、リワーク処理が施され、新たに光学フィルムが貼られ、次いで検査され、良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分とする。
なお、上記に示した実施形態においては、第1光学フィルム11として本発明の偏光板を用いたが、第2光学フィルム21として本発明の偏光板を用いることもできる。また、第1光学フィルム11、第2光学フィルム21の両方に本発明の偏光板を用いることもできる。
上記のようなロール原反からの切断、液晶セルとの貼り合わせを連続して実施する製造方法によって、偏光子の表裏で貼り合わせられている保護フィルムが異なるために湾曲が生じ易い本発明の偏光板を用いた場合でも、偏光板と液晶セルを効率よく貼り合わせることができるため、生産性に優れ、かつ、従来の液晶パネルの製造工程に比して、工程数を削減できるために、生産コストを削減することも可能である。
なお、図6に示したフローチャート並びに上記の各工程の説明は、本発明の画像表示パネルの製造方法を示す一例であり、ロール原反準備工程と、切断工程と、貼合工程とを有していれば、その他の工程は省略してもよい。さらには、上記製造方法の目的の範囲で他の工程を有していてもよい。例えば、偏光板を所定サイズに切断する前に欠点の有無を検査し、その欠点を含む部分を除去するように所定サイズに切断する方法を採用することにより、画像表示セルの歩留まりを大幅に向上し、リワーク処理を要する頻度を下げることが可能である。
このようにして得られた液晶パネルは、従来の液晶パネルと同様に、任意の適切な液晶表示装置に好適に使用し得る。特に本発明の液晶パネルは、集光特性を有する偏光板を用いることで、プリズムシート等の表面凹凸形状による集光素子を用いない場合であっても、バックライト等の光源からの光を効率よく利用し得る点においても、生産性向上やコスト削減に寄与し得る。その用途は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等である。
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に示した実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、参考例、及び比較例の評価は、下記の方法により行ったものである。
[測定、評価方法]
(ヘイズ)
積分球式透過率測定機((株)村上色彩研究所製の商品名「HM−150」)を用いて測定した。
(屈折率)
アタゴ製のアッベ屈折計を用い、波長589nmにおける屈折率を測定した。
(輝度およびコントラスト)
23℃の暗室にて、液晶表示装置に黒画像及び白画像を表示させ、それぞれの輝度(XYZ表示系のY値)をELDIM製製品名「EZ Contrast160D」により、測定した。測定は、方位角0°(画面の左方向)に対して極角0°(正面方向)〜70°の範囲で測定を行い、極角0°での値を1として規格化した相対値で表している。また、コントラスト(CR)は、黒輝度と白輝度の比(白輝度/黒輝度)である。
(画面の着色)
23℃の暗室にて、液晶表示装置に白画像を表示させ、正面方向から目視した場合の虹模様の画面の着色の有無を確認した。
[実施例1]
(ポリエステルフィルムへの易接着層の形成)
厚み38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製 商品名「ダイアホイル T−500」、ヘイズ4.0%、以下「PET1」とする)をコロナ処理した後、ポリエステル系水分散ウレタン接着剤(第一工業製薬製 商品名「スーパーフレックスSF210」)を、メッシュ#200のグラビアロールを備える塗工試験機を用いて塗工し、150℃で1分乾燥して、該ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み0.3μmの易接着層を形成した。
(偏光子の作成)
平均重合度2700、厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを周速の異なるロール間で染色しながら延伸搬送した。まず、30℃の水浴中に1分間浸漬させてポリビニルアルコールフィルムを膨潤させつつ搬送方向に1.2倍に延伸した後、30℃のヨウ化カリウム濃度0.03重量%、ヨウ素濃度0.3重量%の水溶液中で1分間浸漬することで、染色しながら、搬送方向に、全く延伸していないフィルム(原長)を基準として3倍に延伸した。次に、60℃のホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%の水溶液中に30秒間浸漬しながら、搬送方向に、原長基準で6倍に延伸した。次に、得られた延伸フィルムを70℃で2分間乾燥することで偏光子を得た。なお、偏光子の厚みは30μm、水分率は14.3重量%であった。
(接着剤の調製)
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度1200、ケン化度98.5%モル%、アセトアセチル基変性度5モル%)100重量部に対して、メチロールメラミン50重量部を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7重量%の水溶液を調製した。この水溶液100重量部に対して、正電荷を有するアルミナコロイド(平均粒子径15nm)を固形分濃度10重量%で含有する水溶液18重量部を加えて金属コロイド含有接着剤水溶液を調製した。接着剤溶液の粘度は9.6mPa・sであり、pHは4〜4.5の範囲であり、アルミナコロイドの配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して74重量部であった。
なお、アルミナコロイドの平均粒子径は、粒度分布計(日機装製、製品名「ナノトラックUAP150」)により、動的光散乱法(光相関法)により測定したものである。
(ポリエステルフィルムを有する偏光板の作成)
前記偏光子の一方主面に、前記易接着層を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、偏光子の他方主面に、セルロース系樹脂からなる位相差フィルム(富士フィルム製 商品名「商品名「WVBZ」)を、それぞれ、乾燥後の接着剤層厚みが80nmとなるように前記接着剤を塗布して、ロール機を用いて貼り合わせ、70℃で6分間乾燥させて偏光板を作成した。なお、易接着層を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの配置は、ポリエステルフィルムの易接着層形成面と偏光子が対向するように積層した。このようにして得られた光学補償層付きの偏光板を「偏光板A」とする。
(ポリエステルフィルムを有さない偏光板)
ポリエステルフィルムを有さない偏光板として、偏光子の片面に位相差フィルムが積層された市販の偏光板(日東電工製 商品名「NPF VEGQ1724DU」を用いた。なお、この市販の偏光板は、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系フィルムによる偏光子の一方主面にセルロース系樹脂からなる位相差フィルム(富士フィルム製 商品名「商品名「WVBZ」)、他方主面にトリアセチルセルロースフィルムが、それぞれ接着剤層を介して積層されたものである。この偏光板を「偏光板B」とする。
(液晶パネルの作成)
VAモードの液晶セルを備える液晶テレビ(ソニー製 商品名(BRAVIA KDL−32 S2500)から液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた偏光板および光学補償フィルムを取り除いて、該液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの光源側の表面に、上記の偏光板A(集光偏光板)を、元の液晶パネルに配置されていた光源側偏光板の吸収軸方向と同様の方向となるように、かつ、偏光板Aの光学補償層側の面が液晶セルと対向するように、アクリル系粘着剤を介して液晶セルに配置した。
次いで、液晶セルの視認側の表面に、上記の偏光板Bを、元の液晶パネルに配置されていた視認側偏光板の吸収軸方向と同様の方向となるように、かつ、偏光板Bの光学補償層側の面が液晶セルと対向するように、アクリル系粘着剤を介して液晶セルに配置した。このようにして、液晶セルの一方主面に偏光板A、他方主面に偏光板Bが配置された液晶パネルを得た。
(液晶表示装置の作成)
上記の液晶パネルを、元の液晶表示装置に組込み、液晶表示装置の光源を点灯させて30分後に輝度を測定した。
[実施例2]
(偏光板の作製)
前記実施例1のポリエステルフィルムを有する偏光板(偏光板A)の作成において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET1)に代えて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ製 PTH38、ヘイズ 30%、以下「PET2」とする)を用いた以外は同様にして、光学補償層付きの偏光板(「偏光板C」とする)を得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作製)
前記実施例1の液晶パネルの形成において、偏光板Aを用いる代わりに上記偏光板Cを用い、液晶パネルの一方主面に偏光板C、他方主面に偏光板Bが配置された液晶パネルを得た。この液晶パネルを、元の液晶表示装置に組込み、光源を点灯させて30分後に輝度を測定した。
[比較例1]
(偏光板の作製)
(液晶パネルおよび液晶表示装置の作製)
前記実施例1の液晶パネルの形成において、偏光板Aを用いる代わりに上記偏光板Bを用い、液晶パネルの両主面に偏光板Bが配置された液晶パネルを得た。この液晶パネルを、元の液晶表示装置に組込み、光源を点灯させて30分後に輝度を測定した。
上記に用いた、ポリエステルフィルム(PET1、並びにPET2)及びトリアセチルセルロースフィルム(TAC)の屈折率およびヘイズを表1に一覧として示す。また、白輝度の測定結果を図8に、コントラストを図9にそれぞれ示す。
Figure 2009300611
また、図8に示した結果に基づいて、白輝度が正面方向(極角0°)の輝度の半分となる極角(正面方向の輝度を1として規格化した場合の輝度が0.5となる極角)を求めた(この値を「半値角」と称する)。この半値角の値、及び、目視による画面の着色の有無の確認結果を表2に示す。
Figure 2009300611

◎ 画面に着色が認められない
○ 画面に若干の着色がみられるが許容範囲である
△ 画面に虹模様に着色している
図8及び表2から分かるように、実施例の液晶表示装置においては、比較例の液晶表示装置と比較して極角が大きい領域での白輝度が低下しており、正面方向に光が集光されていることが分かる。また、図9に示したように、実施例の液晶表示装置は比較例の液晶表示装置と比較して正面コントラストが向上していることがわかる。さらに、実施例2のように、保護フィルムのヘイズを高くすることによって、虹模様の着色が抑制されていることがわかる。
なお、上記実施例においては、液晶セルの光源側にのみポリエステルフィルムを有する集光偏光板(偏光板Aまたは偏光板C)を配置したが、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置はかかる構成に限定されず、液晶セルの視認側のみ、あるいは両主面に集光偏光板が配置された構成においても、同様の集光効果を得ることができる。
本発明の偏光板の概略断面図である。(a)は偏光子の一方主面にのみ保護フィルムが積層された実施形態、(b)は偏光子の両主面に保護フィルムが積層された実施形態を表す。 本発明の偏光板において、第1の保護フィルムに光が入射する際に、正面方向に光が集光される様子を模式的に表す概念図である。 本発明の好ましい実施形態による偏光板の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。 従来の液晶パネルの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の液晶パネルの製造方法の一例を表すフローチャートである。 本発明の液晶パネルの製造に用いられる第1光学フィルムの構成例を表す概略断面図である。 実施例および比較例による液晶表示装置の白輝度の極角依存性を表す図である。 実施例および比較例による液晶表示装置のコントラストの極角依存性を表す図である。
符号の説明
30 偏光子
31 保護フィルム
32 保護フィルム
10 液晶セル
100 液晶パネル
1 偏光板(第1シート製品)
2 偏光板(第2シート製品)
80 光源
120 導光板
200 光源ユニット
11 光学フィルム
12 離型フィルム
14 粘着剤層

Claims (10)

  1. 偏光子と、該偏光子の一方主面に積層された第1の保護フィルムを有し、該第1の保護フィルムの平均屈折率が1.58以上である偏光板。
  2. 前記第1の保護フィルムのヘイズが2.0%以上である、請求項1記載の偏光板。
  3. 前記偏光子と、前記第1の保護フィルムとの間に光拡散層を有する、請求項1記載の偏光板。
  4. 前記偏光子の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面に第2の保護フィルムが積層されており、該第2の保護フィルムの平均屈折率が1.55以下である、請求項1〜3のいずれか記載の偏光板。
  5. 前記第2の保護フィルムのヘイズが2.0%以下である、請求項4記載の偏光板。
  6. 前記第1の保護フィルムがポリエステルフィルムである、請求項1〜5のいずれか記載の偏光板。
  7. 前記第1の保護フィルムが、該保護フィルムの偏光子と積層される側の面に易接着層が形成されたものである、請求項1〜6のいずれか記載の偏光板。
  8. 液晶セルの少なくとも一方主面に、請求項1〜7のいずれか記載の偏光板を備え、該光板の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面が液晶セルと対向するように積層された液晶パネル。
  9. 請求項8記載の液晶パネルの、前記請求項1〜7のいずれか記載の偏光板が配置された側に光源ユニットを備える液晶表示装置。
  10. 請求項8記載の液晶パネルの製造方法であって、
    前記請求項1〜7いずれかの偏光板の長尺シートをロール原反として準備するロール原反準備工程と、
    該ロール原反からシート製品を繰り出し、切断手段を用いて前記偏光板を所定サイズに切断する切断工程と、
    該切断工程後に、前記偏光板を粘着剤層を介して液晶セルに貼り合わせる貼合工程と、
    を有する液晶パネル製造方法。
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