JP2009302592A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
漏れ電流を悪化させることなく、ESR特性に優れ、且つ耐熱性にも優れた固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】
陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、前記第一電解重合層はアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有し、前記第二電解重合層はナフタレンジスルホン酸イオンを含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性高分子を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサに関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴って、高周波領域におけるインピーダンスが低く、小型で大容量の高周波用のコンデンサが要求されるようになってきた。
高周波用のコンデンサとしては、マイカコンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサなどが使用されているものの、これらのコンデンサは、大容量には適さない種類のコンデンサである。
一方、大容量化に適するコンデンサとしては、アルミ電解コンデンサや、タンタル電解コンデンサなどがある。しかしながら、アルミ電解コンデンサは低コストで大容量が達成可能であるが、電解液を使用しているために電解液の蒸発による経時変化や、高周波でのインピーダンスが高いなどの問題がある。
タンタル固体電解コンデンサは、電解質に固体の二酸化マンガンを用いているために容量劣化が少ないコンデンサである。しかしながら、二酸化マンガンの皮膜は、自己修復性が乏しいため通電中に誘電体皮膜が損傷した場合、発火などの危険性があるなどの短所があった。
そこで近年、上述した問題を解決するため、電気伝導性が優れ、固体電解質の形成が容易な導電性高分子を固体電解質として用いることが提案されている。この手法により、上述した固体電解コンデンサと比較して製造コストが安く、静電容量が確実に得られ、誘電体皮膜の損傷がなく、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサが得られるようになった。
ここで導電性高分子は、ピロール、チオフェン、フラン、アニリン等を重合して得られる高分子のことを示す。
このような固体電解コンデンサにおいても、信頼性向上のため、ESR(Equivalent SeriESResistance:等価直列抵抗)の低下や、LC(Leakage Current:漏れ電流)の低減等が求められている。
上記のような課題を解決するため、固体電解質層として、異なった性質を持つ複数のドーパントを混合した電解重合液を用いて導電性高分子を形成する方法が提案されている。(例えば特許文献1)
特開2005−116777号公報
しかしながら、上述の特許文献1の手法では、重合液の中に同時に特性の異なるドーパントを複数種入れているが、これらのドーパントは夫々反応に最適な条件が異なり、重合のバラツキがでるという問題があった。
また、上述の方法で作られた固体電解コンデンサは、ESRが低く且つ耐熱性に優れているが、漏れ電流が大きいという問題があった。
本発明における第1の態様は、陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、第一電解重合層はアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有し、第二電解重合層はナフタレンジスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする。
本発明における第2の態様は、陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、第一電解重合層はアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有し、第二電解重合層はフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする。
本発明における第3の態様は、陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、第一電解重合層はアルキルベンゼンスルホン酸イオンを含有し、第二電解重合層はナフタレンジスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする。
本発明における第4の態様は、陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、第一電解重合層はアルキルベンゼンスルホン酸イオンを含有し、第二電解重合層はフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする。
本発明によれば、各々のドーパントに最適な反応条件を設定できるため、安定した電解重合が容易となる。さらに、LCが大きい重合膜だと、誘電体皮膜、焼結体方向に電荷が流れることになり、容量に寄与しなくなる。また、LC特性が良好でもESRが大きいと高周波に対応できなくなる。そのため、焼結体、誘電体、化学重合膜に近い側にはLC特性の良好な電解重合膜を形成することで容量の減少を防ぎ、その上にESR特性の良好な電解重合膜を積層することで、高周波にも対応できる固体電解コンデンサを提供できる。
本発明の固体電解コンデンサの断面図。
本発明の実施の最良の形態について、図を用いて説明する。図1は本発明の固体電解コンデンサの断面図である。陽極リード(10)を有する陽極体(1)の周面に誘電体皮膜(2)、導電性高分子層からなる固体電解質層(3)を形成する。
前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具えている。第一電解重合層は、第二電解重合層より誘電体皮膜側に位置し、第一電解重合層は第一のドーパントを、第二電解重合層は第二のドーパントを含有している。
ここで、前記モノマーは、具体的にはピロール、チオフェン、フラン等の複素環化合物のことである。
第一のドーパントを含む電解重合層を具えた固体電解コンデンサは、漏れ電流が小さくなる。このようなドーパントとして、例えば、アルキル芳香族スルホン酸イオンや、アダマンタンスルホン酸イオン、アダマンタンカルボン酸イオン等がある。ここで、アルキル芳香族スルホン酸イオンとは、アルキル基を有するベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン等のことをいう。
ここで、ベンゼンスルホン酸イオンは、次の一般式にあらわされる。
Figure 2009302592
上記一般式(1)において、m1はアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表わす。アルキル基(R1基)を1以上含むベンゼンスルホン酸イオン(m1≧1)は、アルキル基(R1基)を含まないベンゼンスルホン酸イオン(m1=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R1基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。なお、アルキル基(R1基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R1基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。
上記一般式(1)で示されるベンゼンスルホン酸イオンの具体例としては、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、モノドデシルベンゼンスルホン酸イオン、モノオクチルベンゼンスルホン酸イオン、ジオクチルベンゼンスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、アルキル基(R1)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いは少なく、いずれを用いてもよい。
また、ナフタレンスルホン酸イオンは、次の化式であらわされる。
Figure 2009302592
上記一般式(2)において、m2はアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。アルキル基(R基)を1以上含むナフタレンスルホン酸イオン(m≧1)は、アルキル基(R基)を含まないナフタレンスルホン酸イオン(m=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。なお、一般式(2)において、アルキル基(R基)及びスルホン酸イオン基(SO 基)は、ナフタレン環の水素が置換可能な範囲で、かつ配向性 の条件を満たす限り、ナフタレン環の任意の場所に位置することが可能であることを意味するものとする。
上記一般式(2)で示されるナフタレンスルホン酸イオンの具体例としては、ナフタレン、モノメチルナフタレンスルホン酸イオン、ジメチルナフタレンスルホン酸イオン、モノブチルナフタレンスルホン酸イオン、ジブチルナフタレンスルホン酸イオン等が挙げられる。ここで、アルキル基(R基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いはなく、いずれを用いてもよい。
テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンは、下記の式で表される。
Figure 2009302592
上記一般式(3)において、mはアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。アルキル基(R基)を1以上含むテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン(m≧1)は、アルキル基(R基)を含まないテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン(m=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく、溶けやすい。アルキル基(R基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。また、アルキル基(R基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。
上記一般式(3)で示されるテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンの具体例としては、テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、モノブチルテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、ジイソプロピルテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、ジノニルテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、アルキル基(R基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いはなく、いずれを用いてもよい。また、上記アルキル芳香族スルホン酸イオンは、アルキル基(R、R、R)の一部が置換した置換アルキル基でもよい。例えばアルキルの一部がハロゲン基(F基、Cl基、Br基、I基)で置換されたハロゲン置換アルキルでもよい。
また、アダマンタンカルボン酸イオン及びアダマンタンスルホン酸イオンは、下記の構造を有している。
Figure 2009302592
上記一般式(4)において、置換基Wが、カルボン酸イオン基([COO]基)であるものがアダマンタンカルボン酸イオン、置換基Wがスルホン酸イオン基([SO ]基)であるものがアダマンタンスルホン酸イオンである。
また、第二のドーパントを含有する電解重合層を具えた固体電解コンデンサは、ESR特性及び、耐熱性に優れている。このようなドーパントとして、例えば芳香族ポリスルホン酸イオンや、カルボニル芳香族スルホン酸イオン、芳香族スルホジカルボン酸イオン、芳香族キノンスルホン酸イオン等が挙げられる。
ここで芳香族ポリスルホン酸イオンとは、2つ以上のスルホン酸イオン基を有していることを特徴とし、具体的にはアルキルベンゼンポリスルホン酸イオン、アルキルナフタレンポリスルホン酸イオン、アルキルテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオンが挙げられる。
ここで、アルキルベンゼンポリスルホン酸イオンは、次の一般式で表される。
Figure 2009302592
上記一般式(5)において、mはアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わす。アルキル基(R基)を1以上含むベンゼンスルホン酸イオン(m≧1)は、アルキル基(R基)を含まないベンゼンスルホン酸イオン(m=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。なお、アルキル基(R基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。また、pはスルホン酸イオン基([SO ]基)の数であり、置換可能な範囲で2以上の任意の数をとることができる。
上記一般式(5)で示されるベンゼンポリスルホン酸イオンの具体例としては、ベンゼンジスルホン酸イオン、ジメチルベンゼンジスルホン酸イオン、モノドデシルベンゼンジスルホン酸イオン、ベンゼントリスルホン酸イオン、ジメチルベンゼントリスルホン酸イオン、モノドデシルベンゼントリスルホン酸イオン等がある。ここで、スルホン酸イオン基([SO ]基)がジ体かトリ体であるか、アルキル基(R基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いはなく、いずれを用いてもよい。
また、アルキルナフタレンポリスルホン酸イオンは、下記の一般式で表される。
Figure 2009302592
上記一般式(6)において、qは、スルホン酸イオン基([SO ]基)の数であり、置換可能な範囲で2以上の任意の数をとることができる。mはアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。アルキル基(R基)を1以上含むナフタレンスルホン酸イオン(m≧1)は、アルキル基(R基)を含まないナフタレンスルホン酸イオン(m=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。なお、一般式(6)において、アルキル基(R基)及びスルホン酸イオン基(SO 基)は、ナフタレン環の水素が置換可能な範囲で、かつ配向性の条件を満たす限り、ナフタレン環の任意の場所に位置することが可能であることを意味するものとする。
上記一般式(6)で示されるナフタレンポリスルホン酸イオンの具体例としては、ナフタレンジスルホン酸イオン、ジメチルナフタレンジスルホン酸イオン、ジブチルナフタレンジスルホン酸イオン、ナフタレントリスルホン酸イオン、ジメチルナフタレントリスルホン酸イオン、ジブチルナフタレントリスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、スルホン酸イオン基([SO ]基)がジ体かトリ体であるか、アルキル基(R基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いはなく、いずれを用いてもよい。
また、アルキルテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオンは、次の一般式で表される。
Figure 2009302592
上記一般式(7)において、rは、スルホン酸イオン基([SO ]基)の数であり、置換可能な範囲で2以上の任意の数をとることができる。mはアルキル基(R基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。アルキル基(R基)を1以上含むテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオン(m≧1)は、アルキル基(R基)を含まないテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオン(m=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。なお、一般式(7)において、アルキル基(R基)及びスルホン酸イオン基([SO ]基)は、テトラヒドロナフタレン環の水素が置換可能な範囲で、かつ配向性の条件を満たす限り、テトラヒドロナフタレン環の任意の場所に位置することが可能であることを意味するものとする。
上記一般式(7)で示されるテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオンの具体例としては、テトラヒドロナフタレンジスルホン酸イオン、モノブチルテトラヒドロナフタレンジスルホン酸イオン、イソプロピルテトラヒドロナフタレンジスルホン酸イオン、テトラヒドロナフタレントリスルホン酸イオン、ジブチルテトラヒドロナフタレントリスルホン酸イオン等が挙げられる。ここで、スルホン酸イオン基([SO ]基)がジ体かトリ体であるか、アルキル基(R基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いはなく、いずれを用いてもよい。
また、上記アルキル芳香族ポリスルホン酸イオンは、アルキル基(R、R、R)の一部が置換した置換アルキル基でもよい。例えばアルキル基の一部がハロゲン基(F基、Cl基、Br基、I基)で置換されたハロゲン置換アルキルでもよい。具体的には、フルオロアルキルベンゼンポリスルホン酸イオン、フルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオン、フルオロアルキルテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオン、クロロアルキルベンゼンポリスルホン酸イオン、クロロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオン、クロロアルキルテトラヒドロナフタレンポリスルホン酸イオン、ブロモアルキルベンゼンポリスルホン酸イオン、ブロモアルキルナフタレンポリスルホン酸イオン等がある。
ここで、カルボニル芳香族スルホン酸イオンとして、カルボニルベンゼンスルホン酸イオン、カルボニルナフタレンスルホン酸イオン、カルボニルテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンが挙げられる。ここで、カルボニルベンゼンスルホン酸イオンは、下記の一般式で表される。
Figure 2009302592
一般式(8)において、Xは、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−ジアリールアミノ基からなる群から選ばれた基のいずれかである。Yは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれた基のいずれかである。また、mは置換基Yの数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。また、スルホン酸イオン基([SO ]基)及び置換基(Y基)は、置換可能な範囲で任意の場所に位置することができる
芳香族キノンスルホン酸イオンは、具体的には、ベンゾキノンスルホン酸イオン、ナフトキノンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸イオンのことをいう。
これらの方法で得た固体電解質層の周面に、カーボン層(4)、銀ペースト層(5)を形成して、コンデンサ素子を得る。得られたコンデンサ素子の陽極リード部材(10)と陽極リード端子(20)、銀ペースト層(5)と陰極端子(21)を接続し、陽極端子(20)と陰極端子(21)の一部を残してコンデンサ素子(8)を外装樹脂(7)で被覆し、露出している陽極端子(20)と陰極端子(21)を外装樹脂(7)表面に沿って折り曲げ、固体電解コンデンサが完成する。
本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
弁作用金属からなり、陽極リードを具えた陽極体(1)の周面に、誘電体皮膜(2)を形成し、その表面に化学重合法を用いて導電性高分子層を形成した。次に、ピロールを0.2mol/l、アルキルナフタレンスルホン酸イオンを0.1mol/l含有する電解重合液を用いて第一の電解重合層を形成し、次いでピロールを0.2mol/l、フルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンを0.1mol/l含む電解重合液を用いてとして用いた第二の電解重合層を形成し、固体電解質層(3)を形成した。
前記固体電解質層(3)の表面にカーボン層(4)、銀ペースト層(5)を形成し、コンデンサ素子(8)を作製した。さらに、陽極リード(10)に陽極端子(20)、銀ペースト層(5)に陰極端子(21)を夫々接続し、陽極端子(20)と陰極端子(21)の一部を残してコンデンサ素子(8)を外装樹脂(7)で被覆し、露出している陽極端子(20)と陰極端子(21)を外装樹脂(7)表面に沿って折り曲げ、固体電解コンデンサを完成させた。
(実施例2)
第二の電解重合層に用いるドーパントをフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンでなくナフタレンジスルホン酸イオンにしたこと以外は製法、使用量共に実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
第一の電解重合層の形成に用いるドーパントをアルキルナフタレンスルホン酸イオンでなくアルキルベンゼンスルホン酸イオンにしたこと以外は製法、使用量共に実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例4)
第二の電解重合層の形成に用いるドーパントをフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンでなくナフタレンジスルホン酸イオンにしたこと以外は製法、使用量共に実施例4と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
第二の電解重合層を形成しないこと以外は実施例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを0.1mol/lと、アルキルナフタレンスルホン酸イオンを0.1mol/lと、ピロールを0.2mol/l含む電解液を用いて電解重合層を形成したこと以外は比較例1と同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
上記全ての実施例及び比較例について、リフロー前のESR,255℃でリフロー後のESR及び漏れ電流を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009302592
表1より、実施例1、2、3、4は、単一のドーパントを用いた比較例1に比べ、漏れ電流は同程度であるが、ESRが低減されている。また、実施例1、2、3、4は比較例2と比べて、リフロー前後のESR変化は同程度であるが、漏れ電流が著しく小さくなっている。このことから、本発明の固体電解コンデンサは、漏れ電流特性及びESR特性に優れ、且つ耐熱性に優れていることがわかる。
以上より、本発明によると、化学重合層に接する電解重合層に、漏れ電流を低減させる効果のあるドーパントを、前記電解重合層より陰極引出層に近い側にESRを低減させる効果を有するドーパントを用いて固体電解コンデンサを形成することによって、1種類のドーパントで電解重合層を一層しか有さない固体電解コンデンサや、異なる性質を有する複数種のドーパントを混合させた一層の電解重合を有する固体電解コンデンサに比べ、漏れ電流を低く維持したまま、ESR特性及び耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供できる。
上記実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の発明を限定する様に解すべきでない。本発明は、特許請求の範囲内及び均等の意味の範囲内で自由に変更することができる。
例えば、実施例では電解重合による導電性高分子層は2層であるが、本発明は2層と限定されず、3層及びそれ以上とすることも可能である。
(1) 陽極体
(2) 誘電体皮膜
(3) 固体電解質層
(31) 化学重合による導電性高分子層
(32) 電解重合による導電性高分子層
(4) カーボン層
(5) 銀ペースト層
(7) 外装樹脂
(8) コンデンサ素子
(10) 陽極リード
(20) 陽極端子
(21) 陰極端子

Claims (4)

  1. 陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、
    第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、
    前記第一電解重合層はアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有し、
    前記第二電解重合層はナフタレンジスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、
    第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、
    前記第一電解重合層はアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有し、
    前記第二電解重合層はフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、
    第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、
    前記第一電解重合層はアルキルベンゼンスルホン酸イオンを含有し、
    前記第二電解重合層はナフタレンジスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 陽極体周面に、誘電体皮膜、固体電解質層、陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、
    前記固体電解質層は、同一のモノマーを電解重合することにより形成される少なくとも第一、第二の電解重合層を具え、
    第一電解重合層は第二電解重合層よりも誘電体皮膜側に形成され、
    前記第一電解重合層はアルキルベンゼンスルホン酸イオンを含有し、
    前記第二電解重合層はフルオロアルキルナフタレンポリスルホン酸イオンを含有していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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