JP2009505603A - 帰還信号除去機能を備えた補聴器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、帰還信号除去機能を備えた補聴器に関するものである。本発明の好ましい一実施例によれば、マイクと、該マイクから入力される外部音をデジタル音声信号に変換するA/D変換部と、前記デジタル音声信号から特定周波数領域だけを検査して帰還信号を検出する帰還信号検出部と、該帰還信号検出部の制御により動作し、かつ独立成分分析(ICA)を適用した適応フィルタの相関係数を更新して前記帰還信号を除去する帰還信号除去部と、前記デジタル音声信号を、予め定められた聴覚損失特性に合うように、周波数別補償利得値情報を用いて増幅する周波数別増幅部と、前記デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部と、レシーバーと、を含む帰還信号除去機能を備えた補聴器が提供される。したがって、本発明により帰還信号を除去して高品質の音声信号だけを伝達することができる。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
本発明は、補聴器に関するもので、特に、帰還信号除去機能を備えた補聴器に関する。
人間の聴覚器官は外耳(external ear)、中耳(middle ear)、内耳(internal ear)で構成される。人間の耳で音を聞けるようになる経路は以下の通りである。先ず、空気の連鎖的伝達過程により伝えられた音エネルギーは頭蓋骨で外耳により集められ、外耳道の構造的な特性から2,000〜5,500Hz範囲で共鳴特性を示し、鼓膜を振動させる。これにより、音エネルギーは中耳を経て内耳に伝えられ、内耳に伝えられた音響エネルギーは、蝸牛内部のリンパを動かし、蝸牛内部の中間層にある数千の微細な有毛細胞がリンパの動きを感知して電気エネルギーに変換する。このように変換された電気エネルギーが聴神経を経て脳に伝達され、人間は音を感知することになる。
しかし、このような音、または電気エネルギーが円滑に伝達されないことから、聴覚の低下または喪失状態にある難聴(impaired hearing)患者の場合は、音または電気エネルギーの補償を行う補聴器が必須である。補聴器は、正常人が聞くことができる帯域の音を増幅または変換することにより、難聴者が正常人と略同程度の音を知覚できるようにする装置である。このような補聴器は、周辺環境における騒音の程度にかかわらず、補聴器着用者に正確な語音を伝達しなくてはならない。しかし、補聴器は、その構造的な特性から帰還信号が非常に容易に、しかも頻繁に発生するという問題点がある。
図1は、一般的に補聴器で発生する帰還信号の経路を例示する図面である。図1に示すように、補聴器100はその構造的な特性から、人の外耳道に直接挿入するように設計されている。これにより、閉鎖効果(Occlusion effect)が発生して補聴器100を着用することは不便であった。したがって、補聴器100に通気口(vent)130を開けることによりこの問題点を解決した。しかし、補聴器100のマイク110を通して入力された外部信号がレシーバー(Receiver)120に出力され、レシーバー120に出力された信号が通気口130を通して再入力される帰還信号(Feedback signal)が発生する。このような帰還信号は、シグナルループ(signal loop)によりハウリング(Howling)を発生させ、ハウリングの音のピッチ(裂けるような高音、爆音のような低音)は補聴器着用者に不快感を誘発させ、さらに補聴器を着用し難くする要因となる。
また、補聴器での帰還信号は、補聴器を着用するときや、口腔運動による出力信号の漏出経路の発生のために生じることがあり、日常生活でマイクの近くに手をあてたり、電話機のような障害物のために反射されてマイクに再び入力された場合など、頻繁に発生する虞がある。
したがって、上述した問題点を解決するために、本発明の目的は、補聴器の構造的な特性から発生する帰還信号を除去して高品質の音声信号だけを伝達する(正確な語音を伝達することができる音声信号だけを伝達する)補聴器を提供することにある。
本発明の他の目的は、補聴器の脱着時に発生する帰還信号を除去し、該帰還信号のために発生するハウリング現象を除去することにより、帰還信号の発生による補聴器着用の不便さ及び/または不快感をなくすことができる補聴器を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、補聴器で発生する帰還信号を除去するために、補聴器着用者が補聴器をコントロールするリモコンを常に携帯しなくても良い補聴器を提供することにある。
上記以外の本発明の目的は下記の実施例に関する説明を通して容易に理解できよう。
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて帰還信号を除去することができる補聴器が提供される。
本発明の好ましい一実施例によれば、外部の音声信号が入力されると電気的な音声信号に変換するマイクと、前記電気的な音声信号をデジタル音声信号に変換するA/D変換部と、前記デジタル音声信号から帰還信号が主に発生する特定周波数領域だけを検査して前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出する帰還信号検出部と、前記帰還信号検出部の制御により動作し、かつ独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数を更新し、前記デジタル音声信号から帰還信号を除去する帰還信号除去部と、前記デジタル音声信号を、予め定められた聴覚損失特性に合うように、周波数別補償利得値情報を用いて増幅する周波数別増幅部と、前記デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部と、前記アナログ音声信号を出力するレシーバーと、を含む帰還信号除去機能を備えた補聴器が提供される。
前記帰還信号検出部が前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出する場合には、前記帰還信号除去部の動作を指示し、また、前記デジタル音声信号から帰還信号を検出しなかった場合には、前記デジタル音声信号をバイパスし、前記帰還信号除去部は、前記帰還信号検出部が前記帰還信号を検出した場合にだけ前記独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数を更新することができる。
本発明の好ましい一実施例によれば、前記A/D変換部で変換された前記デジタル音声信号を周波数領域に変換して前記帰還信号検出部へ出力する周波数領域変換部と、前記周波数領域の前記デジタル音声信号を時間領域に変換して前記時間領域に変換されたデジタル音声信号を前記D/A変換部へ出力する時間領域変換部と、をさらに含むことができる。
本発明の好ましい一実施例によれば、補聴器着用者の前記聴覚損失特性に合う周波数別補償利得値に関する情報または信号処理アルゴリズムを格納している格納部をさらに含むことができる。
前記外部信号及び前記アナログ音声信号は、非ガウシアン(non−gaussian)特性を有することができる。
本発明の好ましい一実施例によれば、前記マイクから入力されるアナログ音声信号を、予め定められた大きさに増幅する前置増幅器と、前記D/A変換部から入力されるアナログ音声信号を予め定められた大きさに増幅して前記レシーバーに出力する後置増幅器と、をさらに含むことができる。
前記帰還信号検出部は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて前記デジタル音声信号の特定周波数だけを検査し、任意の周波数を検査するために前記周波数に対応するバンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を更新することができる。
前記独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタは、前記外部信号と前記アナログ音声信号との間の情報を最小化する相互情報量(mutual information)を用いて前記適応フィルタ係数を算出することができる。
本発明の他の実施形態によれば、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて補聴器から帰還信号を除去することができる帰還信号除去方法が提供される。
本発明の好ましい一実施例によれば、補聴器で行われる帰還信号除去方法において、マイクを通して入力された外部信号を電気的な信号に変換するステップと、前記電気的な信号をデジタル音声信号に変換するステップと、前記デジタル音声信号の特定周波数を検査して前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出するステップと、帰還信号が検出される場合に独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて前記デジタル音声信号から前記帰還信号を除去するステップと、前記帰還信号が除去されたデジタル音声信号を、予め定められた聴覚損失特性に合う周波数別補償利得値情報を用いて周波数別に増幅するステップと、前記周波数別に増幅されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してレシーバーに出力するステップと、を含む補聴器の帰還信号除去方法が提供される。
前記バンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を連続的に更新するステップと、前記帰還信号が検出される場合、前記独立成分分析(ICA)が適用された前記バンド適応フィルタの相関係数を更新するステップと、をさらに含むことができる。
上述したように、本発明に係る帰還信号が除去できる補聴器を提供することにより、補聴器の構造的な特性から発生する帰還信号を除去して、高品質の音声信号だけを伝達できる(正確な語音を伝達できる音声信号だけを伝達できる)という効果が得られる。
また、本発明は、補聴器の脱着時に発生する帰還信号を除去して、帰還信号に起因して発生するハウリング現象を排除することにより、帰還信号発生のために補聴器着用での不便さ及び/または不快感をなくすことができる。
また、本発明では、補聴器で発生する帰還信号を除去するために、補聴器着用者が補聴器をコントロールするリモコンを常に携帯しなくても良いという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の好ましい一実施例に係る補聴器の構成を示すブロックダイアグラムであり、図3は、本発明の好ましい一実施例に係る補聴器の信号処理部のブロックダイアグラムであり、図4は、補聴器において帰還信号が発生する前のデジタル音声信号を周波数領域に変換したグラフを例示する図面であり、図5は、補聴器において帰還信号が発生した後のデジタル音声信号を周波数領域に変換したグラフを例示する図面である。
図2に示すように、本発明に係る補聴器200は、マイク210、前置増幅器215、A/D変換部220、信号処理部225、格納部230、D/A変換部235、後置増幅器240、レシーバー245を含む。
マイク210は、外部から入力された音声信号を、電気的なアナログ信号に変換して前置増幅器215に伝達する。
前置増幅器215は、マイク210から入力された電気的なアナログ信号を、予め定められた大きさでの一定水準(Level)へと増幅してA/D変換部220に伝達する。
A/D変換部220は、前置増幅器215から入力された電気的なアナログ信号をデジタル音声信号に変換して信号処理部225に伝達する。
信号処理部225は、A/D変換部220から伝達されたデジタル音声信号に対し、格納部230に予め格納されているアルゴリズム(例えば、周波数別補償アルゴリズム、帰還信号除去アルゴリズム、音質向上アルゴリズムなど)を用いて信号処理を施してD/A変換部235に伝達する。例えば、信号処理部225は、A/D変換部220から伝達されたデジタル音声信号に帰還信号が含まれているか否かを検査して、帰還信号が含まれている場合には帰還信号を除去してD/A変換部235に伝達することができる。
図3に示すように、本発明に係る信号処理部225は、周波数領域変換部310、帰還信号検出部320、帰還信号除去部330、周波数別増幅部340、時間領域変換部350で構成される。
図3を参照して本発明に係る信号処理部225の構成要素について詳細に説明すると、周波数領域変換部310はA/D変換部220を通して変換されたデジタル音声信号を周波数領域に変換して帰還信号検出部320に伝達する。周波数領域変換部310には離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)、多重位相(Polyphase)フィルタバンク、直交鏡像分割フィルタ(QMF:Quadrature Mirror Filter)などの技術を用いることができ、これら技術に対する説明は当業者にとって自明なことであるから省略する。
帰還信号検出部320は、A/D変換部220から伝達されたデジタル音声信号に帰還信号が含まれているか否かを検出するために、周波数領域変換部310を通して変換された周波数領域において帰還信号が発生する特定周波数領域を検索する。また、帰還信号検出部320は、デジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断した場合、帰還信号除去部330が動作するように制御することができる。
例えば、帰還信号検出部320は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF:Band Adaptive Notch Filter)を用いて帰還信号が発生する特定の(主な)周波数領域だけを検索することができる。図4には帰還信号が発生する前のデジタル音声信号を周波数領域に変換したグラフが例示されており、図5には帰還信号が発生した後のデジタル音声信号を周波数領域に変換したグラフが例示されている。上述したように、帰還信号の大部分は、レシーバー245から出力された信号が、補聴器着用に伴う閉鎖効果の防止のための通気口(vent)を通して漏出して、マイク210に再入力することにより発生する。このような帰還信号のうち、入力信号と同位相でありながら同一またはより大きいレベルの帰還信号は帰還経路を通過することにより通常40〜50dB程度減衰するが、帰還経路の一部の狭い周波数帯域では約20dB程度の、より少ない減衰が生じる。反面、補聴器の増幅利得は通常15〜50dB程度が与えられるので、帰還された音響信号は容易に入力信号に近い大きさになり得る。これにより、過増幅を必要とする難聴者にとっては最大安定利得(maximum usable gain)に制限をかける要因となる。図4と図5に示すように、デジタル音声信号に帰還信号が含まれる場合、特定周波数領域が過増幅されることが分かる。したがって、帰還信号検出部320は、周波数領域変換部310で変換され入力されたデジタル音声信号の特定周波数領域だけを検索できるバンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いてデジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出することができる。
例えば、帰還信号検出部320は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて特定周波数領域を検索するためにバンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を更新し、特定周波数領域内の該当周波数で予め定められている閾値(Threshold value)以上の大きさが検出される場合、デジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断して帰還信号除去部330が動作するように制御できる。
帰還信号除去部330は、帰還信号検出部320の制御により動作し、帰還信号検出部320から入力された帰還信号が含まれているデジタル音声信号から帰還信号を除去して周波数別増幅部340に伝達する。例えば、帰還信号除去部330は、帰還信号を除去するために、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)技法(アルゴリズム)が適用された適応フィルタを含むことができる。例えば、帰還信号除去部330は独立成分分析(ICA)アルゴリズムを用いた適応フィルタ係数更新値を算出して適応フィルタ係数を更新し、帰還信号を除去することができる。以下では、理解と説明の便宜のため、独立成分分析(ICA)アルゴリズムについて簡略的に説明する。独立成分分析(ICA)は、線形的に混合された(mixing)信号から、統計学的に相互に独立的な原信号を分離する技術である。マイク210を通して入力された信号源は、例えば、下記の数式1で表すことができる。
例えば、会議室で多数の話者が同時に話をしていると仮定する。この時、会議室で発生する音は多数の話者の声、物体の音(例えば、紙をめくる音、コンピュータからの雑音など)が入り乱れて補聴器200のマイク210に入力される。独立成分分析アルゴリズムとは、センサから検出された信号だけをもってそれぞれの音を各々分離するという概念である。ここで、それぞれの音が入り乱れる過程を混合行列(mixing matrix)と定義する。したがって、数式1で定義された数式は下記数式2のように混合行列と原信号との積で表される。
周波数別増幅部340は、帰還信号除去部330を通して入力されたデジタル音声信号を補聴器着用者の聴覚損失特性に合わせて周波数別に増幅し、時間領域変換部350に伝達する。ここで、補聴器着用者の聴覚損失特性に合う周波数別情報は格納部230に予め格納しておくことができる。
時間領域変換部350は、周波数別増幅部340から入力されたデジタル音声信号を時間領域に変換してD/A変換部235に出力する。
再び図2を参照すると、格納部230は補聴器200の着用者の聴覚損失特性に合う周波数別情報、帰還信号除去部330の適応フィルタ係数更新値、本発明に係る補聴器200に適用されるアルゴリズム(例えば、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)のアルゴリズム、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタのアルゴリズムなど)を格納している。
D/A変換部235は、信号処理部225を通して入力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して後置増幅器240に伝達する。
後置増幅器240は、D/A変換部235から入力されたアナログ音声信号を予め指定された大きさに増幅してレシーバー245に伝達する。
レシーバー245は、後置増幅器240から増幅され入力されたアナログ音声信号を出力する。これにより、難聴患者(補聴器着用者)は補聴器200を通して提供される音を認識できるようになる。
図2には示していないが、本発明に係る補聴器200の各々の装置には電源を供給するための電源供給部、バッテリソケット(Battery Socket)などをさらに含むことができる。
図6は、本発明の好ましい一実施例に係る信号処理部の帰還信号検出及び帰還信号除去方法を示すフローチャートであり、図7は、本発明の好ましい一実施例に係る独立成分分析が適用された適応フィルタを用いる帰還信号除去のためのブロック図であり、図8は、本発明の好ましい一実施例に係る独立成分分析が適用された適応フィルタを用いて帰還信号を除去した後の周波数信号を例示する図面であり、図9は、従来の最小平均自乗法を用いた適応フィルタを用いて帰還信号を除去した後の周波数信号を例示する図面である。
図6を参照すると、ステップ610、615で帰還信号検出部320はデジタル音声信号が入力されると、特定周波数帯域を検索する。上述したように、帰還信号検出部320はバンド適応ノッチフィルタ(BANF)を含むことができる。帰還信号が発生する経路は限定されているので、特定周波数領域だけを検索するバンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いることにより、入力されたデジタル音声信号の特定周波数領域だけを検索して、デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出することができる。例えば、図4に示すように、帰還信号は主に1000〜8000Hz帯で過増幅するので、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて1000〜8000Hz帯を検査すれば、帰還信号を検出することができる。
上述したように、帰還信号の大部分は、レシーバー245から出力された信号が、補聴器着用に伴う閉鎖効果を防止するための通気口を通して漏出して、マイク210に再入力されて、繰り返し増幅されることから発生する。このような帰還信号は、音のピッチ(裂けるような高音、爆音のような低音)現象を発生させて補聴器着用者に不快感を誘発させる原因となる。
バンド適応ノッチフィルタ(BANF)は、周波数領域別に検索するためにバンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を更新し、特定周波数領域の周波数を検索する。ここで、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を更新する理由は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)が任意の周波数を検索するために当該周波数に対応するフィルタ係数を必要とするからである。
ステップ620で、帰還信号検出部320は、入力されたデジタル音声信号が予め設定された閾値を超過するか否かを判断することでデジタル音に帰還信号が含まれているか否かを判断する。例えば、帰還信号検出部320は、デジタル音声信号の入力信号レベルが予め設定されている閾値を超過した場合に、デジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断する。一般的に帰還信号は、反復的に増幅されるので、デシベル(dB)値がとても高いという特徴がある。例えば、閾値は、実験により帰還信号が発生したと判断できる最小帰還信号の強度で決定することができる。そして、帰還信号検出は、例えば、マイク210に入力される信号の成分中、最も大きい信号のパワーレベルを、実験により設定された実験的閾値と比較することにより、帰還信号を検出することができる。
デジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断される場合、ステップ625で、帰還信号検出部320は帰還信号除去部330が動作するように制御する。そして、帰還信号除去部330は、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数を更新する。理解と説明の便宜のために、まず、本発明に係る補聴器の独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタのフィルタ係数を算出する過程を説明する。図7を参照すると、
と
は互いに独立しており、非ガウシアン(non−gaussian)の分布を有すると仮定する。
と
はそれぞれ、
と
の累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)を近似化する非線形関数を通過した値であって、例えば、下記数式4と数式5から算出することができる。
と
は互いに独立しており、非ガウシアン(non−gaussian)の分布を有すると仮定する。
と
はそれぞれ、
と
の累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)を近似化する非線形関数を通過した値であって、例えば、下記数式4と数式5から算出することができる。
入力信号
と出力信号
との二つの信号間のジョイントエントロピ(joint entropy)は、それぞれの信号に対するエントロピと二つの信号の相互情報量(mutual information)との差と同じであるので、例えば、下記数式6から算出することができる。
は
に対する確率質量関数(PMF:Probability Mass Function)である。そして、周辺エントロピ(marginal entropy)を求めるために出力信号の確率密度関数(PDF:Probability Density Function)は入力信号の確率密度関数(PDF)をヤコビアン行列式(jacobian determinant)で割っても変わらないので数式6を整理できる。すなわち、
は
と同じである。また、
はヤコビアン行列式であって、数式7で表す。
数式6で、非線形関数の出力に対するエントロピを最大にするために、統計的グラジエント(statistical gradient)増加技法を適用し、wで偏微分すると
となり、数式6は下記数式8のように整理することができる。
となり、数式6は下記数式8のように整理することができる。
はスコア関数(score function)であって、入力信号
と適応フィルタにより更新出力される出力信号
との差を示す
の確率密度関数(PDF)である。本明細書では、スコア関数(score function)について、超ガウシアン(super−gaussian)分布の累積分布関数(CDF)を近似関数とするサイン(sign)関数を用いる。これにより、独立成分分析アルゴリズムを用いた適応フィルタ係数更新値は、例えば下記数式10から算出することができる。
例えば、f(n)は、帰還経路710を通して流入する信号を示す。入力信号
と帰還信号f(n)とはマイク210で混合される。すなわち、混合信号s(n)は入力信号
と帰還信号f(n)との和である。ここで、帰還信号f(n)については、混合信号s(n)の特定周波数領域を、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて連続的に検査することにより、帰還信号f(n)が発生したか否かを判断できる。また、u(n)は、混合信号s(n)から、出力信号z(n)のうち独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタ740を通過した信号y(n)を引くことにより算出できる。すなわち、u(n)は、帰還経路710における出力と適応フィルタの出力との差により算出することができる。u(n)を補聴器着用者の聴覚損失特性に合わせて周波数別に増幅720して出力信号
を出力する。ここで、帰還信号検出部320がデジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断すれば、帰還信号検出部320は帰還信号除去部330が動作するように制御することができる。帰還信号検出部320の動作制御により動作する帰還信号除去部330は、u(n)のジョイントエントロピを最大にするH(e)を算出し(例えば、数式6を用いる)、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数更新値を算出して(例えば、数式10を用いる)、適応フィルタ相関係数を更新することができる。そして、帰還信号除去部330は、出力信号z(n)を独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタに通過させてy(n)を出力し、混合信号s(n)からy(n)を引いて、帰還信号が除去されたu(n)を出力することができる。図7のブロック図で独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタ740を通過した信号y(n)、帰還経路を通して流入された帰還信号f(n)と入力信号
、u(n)にはそれぞれある程度の時間差はあるが、その時間差が非常にわずかであるので、説明の便宜のために、時間差を無視して説明する。
と帰還信号f(n)とはマイク210で混合される。すなわち、混合信号s(n)は入力信号
と帰還信号f(n)との和である。ここで、帰還信号f(n)については、混合信号s(n)の特定周波数領域を、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて連続的に検査することにより、帰還信号f(n)が発生したか否かを判断できる。また、u(n)は、混合信号s(n)から、出力信号z(n)のうち独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタ740を通過した信号y(n)を引くことにより算出できる。すなわち、u(n)は、帰還経路710における出力と適応フィルタの出力との差により算出することができる。u(n)を補聴器着用者の聴覚損失特性に合わせて周波数別に増幅720して出力信号
を出力する。ここで、帰還信号検出部320がデジタル音声信号に帰還信号が含まれていると判断すれば、帰還信号検出部320は帰還信号除去部330が動作するように制御することができる。帰還信号検出部320の動作制御により動作する帰還信号除去部330は、u(n)のジョイントエントロピを最大にするH(e)を算出し(例えば、数式6を用いる)、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数更新値を算出して(例えば、数式10を用いる)、適応フィルタ相関係数を更新することができる。そして、帰還信号除去部330は、出力信号z(n)を独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタに通過させてy(n)を出力し、混合信号s(n)からy(n)を引いて、帰還信号が除去されたu(n)を出力することができる。図7のブロック図で独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタ740を通過した信号y(n)、帰還経路を通して流入された帰還信号f(n)と入力信号
、u(n)にはそれぞれある程度の時間差はあるが、その時間差が非常にわずかであるので、説明の便宜のために、時間差を無視して説明する。
図6のステップ630で、帰還信号除去部330は、更新された独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて帰還信号検出部320から入力されたデジタル音声信号のうち、帰還信号を除去して周波数別増幅部340に伝達する。
しかし、ステップ620で帰還信号検出部320が、デジタル音声信号に帰還信号が含まれていないと判断された場合には、帰還信号検出部320はデジタル音声信号を周波数別増幅部340に伝達する。
図8は、本発明に係る独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて帰還信号を除去した後の信号を周波数領域に示した図面であり、図9は、従来の最小平均自乗法(NLMS:Normalized Least mean Square)が適用された適応フィルタを用いて帰還信号を除去した後の信号を周波数領域に示した図面である。図8と図9を比べると、図8に示すように、3300〜5500Hzの間の信号は、最小平均自乗法(NLMS)よりも、独立成分分析(ICA)を適用した適応フィルタの方が、帰還信号を効果的に除去していることが分かる。図8と図9に示すように、独立成分分析(ICA)アルゴリズムが、入力信号と帰還信号との差に対する2次統計技法を用いた正規化最小平均自乗法(NLMS)アルゴリズムよりも実際の音声分布のような非ガウシアン(non−gaussian)特性の信号を表現する上でさらに効果的であることが分かる。
図10は、本発明の好ましい一実施例に係る帰還信号除去方法を示すフローチャートである。
図10を参照すると、ステップ1010で、本発明に係る補聴器200は、マイク210から外部信号が入力されるとこれを電気的な信号に変換して、前置増幅器215に伝達する。上述したように、例えば、マイク210から入力される外部信号は、補聴器200のマイク210を通して入力され、レシーバー245を通して出力された信号が、通気口(vent)を通して帰還して入力される帰還信号、人の音声、物体の音声信号などと合成された信号であり得る。
図10を参照すると、ステップ1010で、本発明に係る補聴器200は、マイク210から外部信号が入力されるとこれを電気的な信号に変換して、前置増幅器215に伝達する。上述したように、例えば、マイク210から入力される外部信号は、補聴器200のマイク210を通して入力され、レシーバー245を通して出力された信号が、通気口(vent)を通して帰還して入力される帰還信号、人の音声、物体の音声信号などと合成された信号であり得る。
ステップ1015で、前置増幅器215は、マイク210から入力された電気的な信号を予め定められている大きさに増幅してA/D変換部220に伝達する。
ステップ1020で、A/D変換部220は、前置増幅器215で増幅され入力された電気的な信号をデジタル音声信号に変換して周波数領域変換部310に伝達する。
ステップ1025で、周波数領域変換部310は、A/D変換部220から入力されたデジタル音声信号を周波数領域に変換して帰還信号検出部320に伝達する。
ステップ1030で、帰還信号検出部320は、周波数領域変換部310で変換されたデジタル音声信号の周波数帯域を検査してデジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出する。例えば、帰還信号検出部320は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて特定周波数帯域を検査して、帰還信号が含まれているか否かを判断する。そして、帰還信号が検出されない場合にはステップ1040に進む。
しかし、帰還信号が検出される場合、帰還信号検出部320は、帰還信号除去部330にデジタル音声信号を伝達して帰還信号除去部330の動作を制御し、ステップ1035で、帰還信号除去部330は独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いてデジタル音声信号から帰還信号を除去して周波数別増幅部340に伝達する。
そして、ステップ1040で、周波数別増幅部340を通してデジタル音声信号は、補聴器200の着用者の聴覚損失特性に合わせて周波数別に増幅され、ステップ1045で時間領域変換部350を通して周波数領域から時間領域への変換が行われる。
ステップ1050で、D/A変換部235はデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、後置増幅器240に伝達する。そして、ステップ1055では、後置増幅器240に入力されたアナログ音声信号が、予め定められている大きさに対応して増幅され、レシーバー245を通して出力される。
上述したように、本発明に係る補聴器で帰還信号が発生した場合、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて帰還信号を効果的に除去することにより、高品質の信号だけを補聴器着用者に伝達することができる。これにより、補聴器着用者は、より正確な語音を認知できるようになる。
なお、前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更することができることを理解できよう。
210:マイク
215:前置増幅器
220:A/D変換部
225:信号処理部
230:格納部
235:D/A変換部
240:後置増幅器
245:レシーバー
310:周波数領域変換部
320:帰還信号検出部
330:帰還信号除去部
340:周波数別増幅部
350:時間領域変換部
215:前置増幅器
220:A/D変換部
225:信号処理部
230:格納部
235:D/A変換部
240:後置増幅器
245:レシーバー
310:周波数領域変換部
320:帰還信号検出部
330:帰還信号除去部
340:周波数別増幅部
350:時間領域変換部
Claims (10)
- 外部の音声信号が入力されると電気的な音声信号に変換するマイクと、
前記電気的な音声信号をデジタル音声信号に変換するA/D変換部と、
前記デジタル音声信号から、帰還信号が主に発生する予め設定された特定周波数領域だけを検査して前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出する帰還信号検出部と、
前記帰還信号検出部の制御により動作し、かつ独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数を更新して前記デジタル音声信号から帰還信号を除去する帰還信号除去部と、
前記デジタル音声信号を、予め定められた聴覚損失特性に合わせて周波数別補償利得値情報を用いて増幅する周波数別増幅部と、
前記デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部と、
前記アナログ音声信号を出力するレシーバーと、を含むことを特徴とする帰還信号除去機能を備えた補聴器。 - 前記帰還信号検出部は、前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出する場合に前記帰還信号除去部の動作を指示し、前記デジタル音声信号から帰還信号を検出しなかった場合に前記デジタル音声信号をバイパスし、
前記帰還信号除去部は、前記帰還信号検出部が前記帰還信号を検出した場合にだけ前記独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタの相関係数を更新することを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。 - 前記A/D変換部で変換された前記デジタル音声信号を周波数領域に変換して前記帰還信号検出部へ出力する周波数領域変換部と、
前記周波数領域の前記デジタル音声信号を時間領域に変換して前記時間領域に変換されたデジタル音声信号を前記D/A変換部へ出力する時間領域変換部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。 - 補聴器着用者の前記聴覚損失特性に合う周波数別補償利得値に関する情報または信号処理アルゴリズムを格納している格納部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。
- 外部信号及び前記アナログ音声信号は、非ガウシアン(non−gaussian)特性を有することを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。
- 前記マイクから入力されるアナログ音声信号を予め定められた大きさに増幅する前置増幅器と、
前記D/A変換部から入力されるアナログ音声信号を予め定められた大きさに増幅して前記レシーバーに出力する後置増幅器をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。 - 前記帰還信号検出部は、バンド適応ノッチフィルタ(BANF)を用いて前記デジタル音声信号の特定周波数だけを検査し、任意の周波数を検査するために前記周波数に対応するバンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を更新する、ことを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。
- 前記独立成分分析(ICA)を適用した適応フィルタは、外部信号と前記アナログ音声信号との間の情報を最小化する相互情報量(mutual information)を用いて適応フィルタ係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の帰還信号除去機能を備えた補聴器。
- 補聴器で行われる帰還信号除去方法において、
マイクを通して外部信号が入力された場合に電気的な信号に変換するステップと、
前記電気的な信号をデジタル音声信号に変換するステップと、
前記デジタル音声信号の特定周波数を検査して前記デジタル音声信号に含まれている帰還信号を検出するステップと、
帰還信号が検出される場合には、独立成分分析(ICA)が適用された適応フィルタを用いて前記デジタル音声信号から前記帰還信号を除去するステップと、
前記帰還信号が除去されたデジタル音声信号を、予め定められた聴覚損失特性に合う周波数別補償利得値情報を用いて、周波数別に増幅するステップと、
前記周波数別に増幅されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してレシーバーに出力するステップと、を含むことを特徴とする補聴器の帰還信号除去方法。 - バンド適応ノッチフィルタ(BANF)の相関係数を連続的に更新するステップと、
前記帰還信号が検出される場合には、前記独立成分分析(ICA)が適用された前記適応フィルタの相関係数を更新するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の補聴器の帰還信号除去方法。
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