JP2010053529A - 電気駆動式ドアの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】戸挟み検知の感度を高めながら、乗降客が戸先に挟まれる戸挟み発生時に圧迫を抑制することが可能な電気駆動式ドアの制御装置を提供する。
【解決手段】
電動機によって開閉駆動される電気駆動式ドア1の制御装置であって、前記電気駆動式ドア1の駆動力指令値を出力する駆動力指令値発生器11と、前記電気駆動式ドアのドア駆動系に対する機械的抗力を推定する状態観測器15と、該状態観測器15で推定された機械的抗力に対する前記電気駆動式ドア1の動力学的特性を規定する規範モデル17と、該規範モデル17の出力と前記電気駆動式ドアの実速度とを一致させる制御補償量を演算するゲイン補償器18と、該ゲイン補償器で演算した制御補償量を前記駆動力指令値発生器の駆動力指令値に加算する加算器19とを少なくとも備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動機によって駆動される電気駆動式ドアの制御装置に関し、特に、電気駆動式ドアに異物が挟まる戸バサミ発生時にドアを安全動作させるようにしたものである。
例えば鉄道車両の側引戸のような電動機によって駆動される電気駆動式ドアにあっては、戸閉時に乗客やその所持品等の異物が挟まる所謂戸挟みを検知することは安全確保上重要な機能である。
このため、従来、扉の開閉速度を検出する速度検出手段と、前記扉が開閉動作の中途位置にあることを検出する位置検出手段と、前記速度検出手段および位置検出手段の検出結果を受けて、開閉動作の中途位置にある扉の開閉速度が零、減少状態またはマイナス状態にあるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて開閉動作の中途位置にある扉の開閉速度が零、減少状態またはマイナス状態にあると判定されたとき、扉の戸先に異物が挟まれたとして報知信号を出力する報知手段とを備えた戸挟み検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、この特許文献1には、戸挟み検知装置として、鉄道車両において、扉の戸先に設けられたゴム内に感圧センサを設け、圧力変化から異物の挟み込みを検出する装置も記載されている。
このような戸挟み検知装置で戸挟みの発生が検出されると、ドアの推力を減じたり、一旦、ドアを全開方向に一定距離または全開位置まで開動作させることで、戸挟みとなった乗客の脱出や携帯物等の引き抜きが可能となるようにしている。
特開平3−189265号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、扉が全閉位置に達しないことや開閉動作の中途位置にある扉の開閉速度が零、減少状態またはマイナス状態にあると判定されたときに、扉の戸先に異物が挟まれたことを表す報知信号を出力するようにしているので、結果的にドアが戸挟み状態となったこと、換言すれば、戸挟みが既に発生してしまったことをもって戸挟みを検知する構成となっている。この結果、ドアに挟まれたもの、特に乗降客が挟まれた場合には、戸挟みが検知されるまでの間、挟まれたことによる圧迫を受け続けることになり、時に圧痛を感じることになる。
また、戸挟みの検知感度を高めるためには、ドアの剛性、特にドアの先端に設けられたゴム(以下、戸先ゴムと称す)の剛性を高める必要があるが、このことは逆に戸挟み発生時の圧痛を増すことにもなり、安全性の点で好ましくないという未解決の課題がある。
したがって、戸挟み検知の感度を高めながら、乗降客が戸先に挟まれる戸挟み発生時の圧迫を抑制することができる電気駆動式ドアの制御装置が望まれている。
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、戸挟み検知の感度を高めながら、乗降客が戸先に挟まれる戸挟み発生時に圧迫を抑制することが可能な電気駆動式ドアの制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電気駆動式ドアの制御装置は、電動機によって開閉駆動される電気駆動式ドアの制御装置であって、前記電気駆動式ドアの駆動力指令値を出力する駆動力指令値発生器と、前記電気駆動式ドアのドア駆動系に対する機械的抗力を推定する状態観測器と、該状態観測器で推定された機械的抗力に対する前記電気駆動式ドアの動力学的特性を規定する規範モデルと、該規範モデルの出力と前記電気駆動式ドアの実速度とを一致させる推力補償値を演算するゲイン補償器と、該ゲイン補償器で演算した推力補償値を前記駆動力指令値発生器の駆動力指令値に加算する加算器とを少なくとも備えたことを特徴としている。
また、請求項2に係る電気駆動式ドアの制御装置は、請求項1に係る発明において、前記電気駆動式ドアの正常動作時に推定した前記ドア駆動系の機械的抗力をドア駆動力の補償量として前記駆動力指令値に加算する加算器を備えたことを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電気駆動式ドアの制御装置は、請求項2に係る発明において、前記ドア駆動力の補償量として、正常動作時の前記電気駆動式ドアの位置毎に推定したドア駆動系の機械的抗力を用いることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電気駆動式ドアの制御装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記電気駆動式ドアは鉄道車両の側引き戸構成を有することを特徴としている。
本発明によれば、状態観測器で電気駆動式ドアのドア駆動系に対する機械的抗力を推定し、推定した機械的抗力に対する電気駆動式ドアの動力学的特性を規定する規範モデルを生成し、規範モデルの出力と電動駆動式ドアの実速度とを一致させる推力補償値を演算し、この推力補償値を駆動力指令値発生器の駆動力指令値に加算するようにしたので、戸挟みが発生するときの外力に対する電気駆動式ドアの挙動が所定の動力学特性となるように管理することができ、戸挟み発生時の衝撃を緩和することが可能となり、ドア動作の安全上好ましく、また乗降客にはって優しいドアとすることができるという効果が得られる。
また、正常時に推定したドア駆動系の機械的抗力をドア駆動力の補償量として駆動力指令値に加算することにより、戸挟みの発生などで外界からドアに加わる正味の外力を推定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の嫉視形態に係る電気駆動式ドアの制御装置の概略構成を示すブロック図、図2は図1の制御装置の具体的構成を示すブロック線図である。
図1において、鉄道車両の車体には、乗降客が乗降に使用する側引き戸用戸閉め装置を構成する電気駆動式ドア1が設けられ、この電気駆動式ドア1の各ドア部1a及び1bの閉じる側の先端には戸先ゴム2が取付けられている。また、鉄道車両には、電気駆動式ドア1を駆動する電動機と電動機の駆動力をドア開閉の直線運動に変換または伝達するドア駆動機構13から構成されるドアオペレータ3及びドアオペレータ3とドアリーフとを連結する連結部4と、電気駆動式ドア1の位置及び速度を検出して、これらに応じた位置情報p及びドア開閉速度情報vを出力する位置・速度検出器14とが設けられている。
そして、ドア駆動機構13は制御装置10に内蔵されたインバータなどの電力変換器と電動機から構成される電気駆動系12によって駆動されて電気駆動式ドア1を開閉駆動する。
この制御装置10は、図2に示すように、図示しない戸閉め制御装置から入力されるドアの開閉動作を指示する開閉動作指令cが入力されると共に、位置・速度検出器14から出力されるドア位置情報p及びドア開閉速度情報vが入力される駆動力指令値発生器としての推力指令発生器11を有する。この推力指令発生器11では、戸開き又は戸閉めの開閉動作指令cが入力されると、ドア位置情報p及びドア開閉速度情報vに基づいて所定の演算を行なうか又は制御マップを参照して目標推力指令τ*を演算し、演算した目標推力指令τ*を、インバータと電動機を含んで構成される電気駆動系12に出力し、この電気駆動系12で目標推力指令τ*に基づいてドアを開閉するための推力fを発生し、ドア駆動機構13を介してドアオペレータ3を駆動する。
推力指令発生器11から出力される目標推力指令τ*には、加算器19で後述するゲイン補償器18から供給される推力補償値τmが加算されるとともに、加算器20で後述するメモリ16から供給されるドア駆動機構13に対する外力の和を推定する外力推定値feの平均値femが加算され、加算器20の加算出力が電気駆動系12に入力される。
加算器19から出力される目標推力指令τ*に推力補償値τmが加算された補償後推力指令値τcは、状態観測器15の一方の入力側に供給され、この状態観測器15の他方の入力側に位置・速度検出器14で検出されたドア開閉速度情報vが入力される。この状態観測器15では、加算器19から出力される補償後目標推力指令τcとドア開閉速度情報vとに基づいてドア駆動機構13に対する電気駆動式ドア1の摩擦などの機械的抗力fmと戸挟み時に電気駆動式ドア1に作用される外力fdとの和でなる外力推定値feを算出する。
この状態観測器15で算出した外力推定値feがメモリ16に供給されるとともに、目標値応答規範モデル17に供給される。メモリ16では、位置・速度検出器14で検出された位置情報pが入力され、この位置情報p及び記録回数などの履歴情報と、外力推定値feとを組合せて算術平均などの種々の数学的手法を用いてデータ処理した後電気駆動式ドア1の位置毎の状態観測器15の外力推定値feの平均値femを記憶する。このとき、電気駆動式ドア1の潤滑が正常で、かつ支障物の挟み込みなどがない状態即ち外力fdが零の状態でドアの開閉動作を行なってメモリ16に平均値femを記憶することで、電気駆動式ドア1の正常状態における摺動部の摩擦などによる機械的抗力fmを認識することができる。そして、メモリ16は、位置・速度検出器14から入力される位置情報pに基づいて該当する位置における平均値femを読出し、これを加算器20に出力する。
また、状態観測器15から出力される外力推定値feが入力される目標値応答規範モデル17では、外力に対する電気駆動式ドア1の望ましい動力学特性として、戸挟みした場合の衝撃を吸収する柔らかなバネや、戸挟みしたときの衝撃を小さくするように電気駆動式ドア1の見かけの慣性を減じた電気駆動式ドア1の動力学特性を表す数学規範モデルを表す。この規範モデル17に状態観測器15で推定した外力推定値feを加えたときの速度vmと実際のドア開閉速度vとを減算器21で減算して速度偏差ΔVを算出し、算出した速度偏差ΔVをゲイン補償器18に供給する。
このゲイン補償器18では、入力される速度偏差ΔVに所定の補償ゲインKvを乗算して推力補償値τmを算出し、算出した推力補償値τmを加算器19に供給する。このとき、補償ゲインKvとして適正な特性を設定することにより、目標値応答規範モデルから出力される速度vmと実際に位置・速度検出器14で検出されるドア開閉速度vとを一致させることができる。ここで、補償ゲインKvとしては、単なるスカラー量の比例ゲインに限定されるものではなく、比例補償と積分補償さらには微分補償を組み合わせたものであっても良い。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
先ず、鉄道車両の工場出荷時や、保守・点検時に、電気駆動式ドア1の潤滑が正常で、且つ支障物の挟み込みなどがない正常動作状態で、電気駆動式ドア1の開閉を所定回数繰り返し、この繰り返しの開閉時の位置・速度検出器14で検出した位置情報pが変化する毎に状態観測器15の外力推定値feを順次履歴回数及び位置情報pと組み合わせてメモリ16に記憶し、記憶された位置情報p毎の所定数の外力推定値feを算術平均処理又は移動平均処理することによって、位置情報p毎の平均値femを算出し、算出した平均値femを位置情報pとともにメモリ16に記憶する。この正常動作状態での状態観測器15で検出した位置情報p毎の外力推定値feの平均値femを記憶することにより、ドア駆動機構13に外力fdが作用していない状態での外力推定値fe即ち摩擦などによる機械的抗力fmのみがドア駆動機構13に作用している状態の外力推定値feの平均値femを位置情報p毎にメモリ16に記憶させることができる。
このため、実際に鉄道車両を乗降駅に停車させて、戸閉め制御部でドア開閉動作指令cを推力指令発生器11に出力すると、この推力指令発生器11で、位置・速度検出器14で検出した位置情報p及びドア開閉速度情報bとに基づいて電気駆動式ドア1を所望の速度パターンで開閉させる目標推力指令τ*が算出され、これが加算器19に出力される。
この加算器19には、ゲイン補償器18で算出される、前述したように、目標値応答規範モデルから出力される速度vmと実際に位置・速度検出器14で検出されるドア開閉速度vとを一致させることができる推力補償値τmが入力され、この推力補償値τmが目標推力指令τ*に加算されるので、ドア速度の目標値と実際のドア開閉速度vとが零となるよう、換言すれば、電気駆動式ドア1が規範モデル17で規定した動力学特性を示すようにドアを制御することができる。
このため、外力fdが増加して戸挟みが発生するときに、この外力fdを状態観測器15で外力推定値feとして正確に推定することができ、この外力fdに応じた外力推定値feが推定されたときに、規範モデル17で算出される速度vmと実際のドア開閉速度vとを一致させることができる。このため、電気駆動式ドア1に対する外力、すなわち戸挟みしたときの外力に対する電気駆動式ドア1の動力学特性を例えばスポンジのような弾性を持った特性とすることで、この特性に応じた速度となるように実際のドア開閉速度vを制御することができ、戸挟み発生時の衝撃を緩和することができる。
したがって、戸先ゴム2の弾性を高めることと組み合わせることで、戸挟み検知感度を改善しながら、戸挟み発生時の衝撃の増加を抑制することが可能となる。このため、ドア動作の安全上好ましく、また乗客にとって優しいドアとなる。
しかも、メモリ16から正常時における各位置情報p毎のドア駆動機構13に作用する機械的抗力fmに対応する外力推定値feの平均値femが出力され、これが加算器20で補償後目標推力指令τcに加算され、その加算値が電気駆動系12に供給されるので、この電気駆動系12で摩擦などの機械的抗力fmを加味した推力fを発生することができ、これが電気駆動系12を構成する電動機に供給されることにより、このドア駆動機構13に作用する機械的抗力fmを相殺することができ、電気駆動式ドア1が外部に対して発生する正味の推力を管理することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図3について説明する。
この第2の実施形態では、状態観測器15の入力として、電気駆動系12に加えられる推力指令τcに代えて、電圧や電流などの電気駆動系12の状態量Eを用いていることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図2との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態では、電気駆動系12の電動機に供給する電圧や電流などの状態量Eを用いて状態観測器15で算出される外力推定値feは前述した第1の実施形態と略同様な値となり、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、状態観測器15としては、上記第1及び第2の実施形態の構成に限定されるものではなく、ドア駆動機構13に作用する外力(fm+fd)を正確に推定できる構成であれば、任意の状態観測器を適用することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、本発明を鉄道車両の電気駆動式ドア1に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自動車等の車両に搭載する電気駆動式ドアにも本発明を適用することができ、さらに側引き戸構成のドアに限らず、他の構成のドアにも本発明を適用することができる。
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては回転型電動機とその回転力をドアの直線運動に変換するドア駆動機構13から構成される電気駆動式ドアに本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、直線運動するリニアモータによって直接ドアを駆動する場合にも本発明を適用することができる。
本発明を鉄道車両の電気駆動式ドアに適用した場合の概略構成図である。 図1の制御装置の具体的構成を示すブロック線図である。 本発明の第2の実施形態を示す制御装置の具体的構成を示すブロック線図である。
符号の説明
1…電気駆動式ドア
2…戸先ゴム
3…ドアオペレータ
10…制御装置
11…推力指令発生器
12…電気駆動系
13…ドア駆動機構
14…位置・速度検出器
15…状態観測器
16…メモリ
17…目標値応答規範モデル
18…ゲイン補償器
19,20…加算器
21…減算器

Claims (4)

  1. 電動機によって開閉駆動される電気駆動式ドアの制御装置であって、
    前記電気駆動式ドアの駆動力指令値を出力する駆動力指令値発生器と、前記電気駆動式ドアのドア駆動系に対する機械的抗力を推定する状態観測器と、該状態観測器で推定された機械的抗力に対する前記電気駆動式ドアの動力学的特性を規定する規範モデルと、該規範モデルの出力と前記電気駆動式ドアの実速度とを一致させる推力補償値を演算するゲイン補償器と、該ゲイン補償器で演算した推力補償値を前記駆動力指令値発生器の駆動力指令値に加算する加算器とを少なくとも備えたことを特徴とする電気駆動式ドアの制御装置。
  2. 前記電気駆動式ドアの正常動作時に推定した前記ドア駆動系の機械的抗力をドア駆動力の補償量として前記駆動力指令値に加算する加算器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気駆動式ドアの制御装置。
  3. 前記ドア駆動力の補償量として、正常動作時の前記電気駆動式ドアの位置毎に推定したドア駆動系の機械的抗力を用いることを特徴とする請求項2に記載の電気駆動式ドアの制御装置。
  4. 前記電気駆動式ドアは鉄道車両の側引き戸構成を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気駆動式ドアの制御装置。
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