JP2010077195A - 共重合ポリエステル樹脂、およびそれよりなる接着剤 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂、およびそれよりなる接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 共重合ポリエステル樹脂の共重合成分として炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を特定割合で用い、汎用の溶剤に対する溶解性を有する共重合ポリエステル樹脂の紫外吸収性を向上させているため、ポリエステルフィルムへの良好な接着性を保持しつつ紫外線吸収性を高めた共重合ポリエステル樹脂及びそれを用いた接着剤を提供する。
【解決手段】 炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸が全多価カルボン酸成分中の1mol%〜40mol%の範囲で共重合されており、汎用の溶剤に溶解し、また370nm以下の光の透過率が5%未満であることを特徴とする接着剤用共重合ポリエステル樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収性を有する接着剤用ポリエステル樹脂及びそれを用いた接着剤に関するものである。
従来、電気・電子分野における絶縁用フィルムとしてポリエステルフィルムが多用されているが、それを接着する接着剤用樹脂としては、ポリエステルフィルムへの接着性の点から、ポリエステル系樹脂が主に使用されている。ポリエステルフィルムは、耐熱性に加え、適度な紫外線カット性を有するため、電子回路の保護のために最適であるが、用いるポリエステル系接着剤においても、紫外線カット性を有することが要求されてきた。ポリエステルの紫外線カット性を高めるためには、ポリエステルフィルムに紫外線吸収材を添加したり、ポリエステルフィルム自体にベンゾフェノン構造を組み込むことで紫外線の吸収を増やし、紫外線の透過を低減したフィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、紫外線吸収剤を添加することにより、樹脂の透明性が失われることや、接着強度が低下し、問題であった。また、長期間の使用により添加剤がブリードアウトすることで透明性が失われることがあった(例えば、特許文献2)。紫外線吸収剤を用いずに、紫外線吸収性を高めたポリエステル樹脂としては、多環芳香族ジカルボン酸を共重合したポリエステル樹脂が知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、このような共重合ポリエステル樹脂は、汎用の溶剤には溶け難くなり、また、接着剤と用いても、十分な接着性が得られなかった。
特開平3−281685号公報 特開平7−278523号公報 特開平11−80335号公報
本発明は、ポリエステルフィルムへの良好な接着性を保持しつつ紫外線吸収性を高めた共重合ポリエステル樹脂及びそれを用いた接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、共重合成分として炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を特定割合で用い、汎用の溶剤に対する溶解性を有する共重合ポリエステル樹脂の紫外吸収性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1) 多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから構成される共重合ポリエステル樹脂であって、全多価カルボン酸に対して、炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を1〜40mol%含み、厚さ2mmtの板状成形品において、波長370nmで測定される透過率が5%未満であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
(2) 多環芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルであることを特徴とする(1)の共重合ポリエステル樹脂。
(3) (1)または(2)の共重合ポリエステル樹脂を、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサノンから選ばれる1種または2種以上を混合して得られる有機溶媒に15〜45質量%溶解してなる接着剤。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、共重合成分として炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を特定割合で用い、汎用の溶剤に対する溶解性を有する共重合ポリエステル樹脂の紫外吸収性を向上させているため、ポリエステルフィルムへの良好な接着性を保持しつつ紫外線吸収性を高めた共重合ポリエステル樹脂及びそれを用いた接着剤を提供することができる。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから構成され、各1種類の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とに加えて、さらに1種類以上の多価カルボン酸成分、多価アルコール成分、およびオキシ酸成分の何れかを含むポリエステル系樹脂である。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂に配合する多価カルボン酸成分は、全多価カルボン酸に対して、炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を1〜40mol%含むことが必要である。得られた共重合ポリエステルの紫外線吸収性と汎用の有機溶剤に対する溶解性、接着性のバランスのためには、1mol%〜30mol%が好ましく、2mol%〜24mol%が最も好ましい。炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸の配合が、1mol%未満であると、共重合ポリエステル樹脂に十分な紫外線吸収性が得られず、厚さ2mmtの板状成形品において、波長370nmで測定される透過率が5%未満とはならない。また、炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸の配合が、40mol%を越えると、紫外線吸収性は得られるものの、得られた共重合ポリエステル樹脂が汎用の有機溶剤に溶解しにくくなり、また、得られた接着剤の接着性が低下する。また、共重合ポリエステル樹脂の重合性も低下するため、収率が悪くなり、工業的に実施するためには適さない。
本願発明で用いる炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸としては、ナフタレン骨格、フェナントレン骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格及びペリレン骨格を有する二価カルボン酸成分が挙げられる。また、各骨格を有するカルボン酸エステルでもよい。中でも2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルが、得られる共重合ポリエステル樹脂の紫外線吸収性と汎用溶剤に対する溶解性、接着性のバランスを取りやすく、特に好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂に配合する多価カルボン酸成分は、炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸以外には、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を用いることができる。そのようなジカルボン酸成分を具体的に例示すれば、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられ、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸のうちでも、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸及びセバシン酸が好ましい。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂を構成する二価アルコール成分としては、脂肪族グリコール、脂環族グリコール、芳香族グリコールが挙げられる。そのような二価アルコール成分を具体的に例示すれば、脂肪族グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリヘキシレングリコール、ポリノナンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタン)ジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ノナンジオール等が挙げられ、脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール等が挙げられ、芳香族グリコールとしては、ビスフェノール−Aのポリエチレングリコール付加物、ビスフェノール−Aのポリプロピレングリコール付加物、ビスフェノール−Aのポリテトラメチレングリコール付加物、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Sのエチレンオキサイド付加物、ダイマージオール等が挙げられる。
また、本願発明の共重合ポリエステル樹脂には、上記の二価アルコール成分やジカルボン酸成分以外に、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコール成分、あるいはトリメリット酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸成分、さらにはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、p−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシイソフタル酸等の成分が含まれていてもよい。これらは本発明の目的を逸脱しない範囲で、樹脂の要求性能に応じて1種類もしくは2種類以上含まれていてもよい。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量としては、好ましくは15,000〜100,000、さらに好ましくは20,000〜60,000が好ましい。数平均分子量が15,000未満である場合には、接着強度が不足する傾向にあるので好ましくない。一方、数平均分子量が100,000を超えると、溶剤に溶解させた場合に溶液が粘調になり基材へ塗布した場合に作業性が落ちるため好ましくない。
ガラス転移点は、-20℃から60℃の範囲が好ましく、-10℃から50℃の範囲がさらに好ましい。ガラス転移点が−20℃未満では、樹脂の取り扱い及び製造時における樹脂の払い出しが困難になる傾向にあるので好ましくない。一方、ガラス転移点が60℃を超えると、接着力が低下する傾向にあるので好ましくない。
本願発明の共重合ポリエステル樹脂は紫外線吸収性に優れており、その指標としては、370nm以下の波長の光の透過率が5%未満であることである。5%以上であると、十分な紫外線吸収性が得られず、紫外線吸収剤等を添加する必要がでてくることとなり問題である。
本発明の本願発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を得るための製造方法としては、特に限定されないが、直接エステル化法、エステル交換法等の溶融重合法による公知の共重合ポリエステル樹脂の製造方法によって製造することができる。
なお、共重合ポリエステル樹脂を製造する際のカルボン酸成分の原料としては、カルボン酸をそのまま用いることもできるが、カルボン酸のエステル誘導体やカルボン酸無水物を用いてもよい。
また、共重合ポリエステル樹脂を製造する際の触媒としては、公知の金属化合物を用いることができる。そのような金属化合物としては、テトラブチルチタネ−トなどの有機チタン酸化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどが挙あげられる。その際の触媒使用量は、生成する樹脂質量に対し、1. 0 質量% 以下で用いるのが好ましい。なお、上記の触媒は1種類で用いることもできるが、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、接着剤の主成分として用いられるものであり、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂に対して良好な接着性を有する。また、ポリエステル系樹脂以外の樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂等に対しても良好な接着性を有し、さらには銅、鉄、アルミニウム、ブリキ等の金属に対しても良好な接着性を有する。
本発明の接着剤としては、本発明の共重合ポリエステル樹脂が有機溶剤に溶解されてなるものである。本発明の接着剤に用いられる有機溶剤としては、本発明の接着剤用共重合ポリエステル樹脂を溶解する有機溶剤であればよく、特に限定されるものではないが、具体的に例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤、酢酸エチル、イソホロン、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、ブチルセルソルブ、エチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素が挙げられる。なお、有機溶剤としては、1種類のみを使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びこれらの混合溶媒が特に好ましい。
接着剤とする場合の固形分濃度は、15〜45質量%が好ましい。15質量%以下となると、塗布後の樹脂の膜厚が、薄くなりすぎて接着剤として十分に作用しない。また、45質量%以上となると、溶液が粘重となり作業性が落ちること及び樹脂が溶剤に完全に溶解しなくなる傾向となるので好ましくない。
また、本発明の接着剤には、その用途に応じて、共重合ポリエステル樹脂以外の樹脂や硬化剤が含まれていてもよい。そのような共重合ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、本発明の接着剤には、必要に応じて、ハジキ防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、滑剤、難燃剤等の各種の添加剤や、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ等の顔料、さらにはオレフィンワックス、カルナバワックスなどのワックス等が配合されていてもよい。
本発明の接着剤は、上記したポリエステル系樹脂を始めとする各種の樹脂からなる材料同士の接着や、樹脂材料と金属材料との接着に用いることができ、液状であるために被着体の形状を限定することなく、例えばフィルム状、板状、円筒状、繊維状等の色々な形状の材料に塗布して使用することができる。
本発明の接着剤は、電気・電子分野、機械分野、自動車分野、食品や医薬品等の包装材分野における接着剤として好適に利用することができる。また、金属缶で用いられるプレコートメタル塗料にも利用することができる。さらに、フラットパネルディスプレイのガラス接着に好適であり、フラットパネルディスプレイのバックライトからの紫外線を吸収する等の効果がある。また、本発明の接着剤は、液状で被着物の形状を選ばず、上記各分野における接着剤として好適であり、上記した共重合ポリエステル樹脂に由来する優れた性能を発揮する。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形および応用が可能である。なお、共重合ポリエステル樹脂の特性については、下記の方法で測定あるいは評価した。
1.測定方法
(a)構成成分
プロトンNMR分析装置(日本電子製、JEOL LAMDBA300WB)を用いて、樹脂の構成を分析した。
(b)ガラス転移温度
示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、Diamond DSC)を用い、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温した後、急冷し、再度昇温速度10℃/minで昇温した際の、2ndスキャンの昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
(c)紫外線吸収特性
共重合ポリエステル樹脂をトルエンとメチルエチルケトンを8対2の質量比で混合した有機溶剤に固形分濃度30質量%で溶解した後、ガラス板に流延させ乾燥し、厚さ2mmtの板状試験片を得た。この試験片にて、分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて、波長370nmにおける透過率を測定した。
(d)数平均分子量
高速液体クロマトグラフ(島津製作所製)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラムにより、検出器に紫外−可視分光高度計SPD−6AV(検出波長:254nm)を用いて測定した。溶媒はテトラヒドロフランを使用した。ポリスチレン換算分子量を求め、共重合ポリエステル樹脂の分子量とした。
(e)接着強度
共重合ポリエステル樹脂を、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(質量比が8対2)に30質量%の濃度となるように溶解し、38μmのPETフィルム上に溶液を塗布後、溶媒を除去して、20μm厚の接着剤層を形成した。次いで、接着剤層を形成したPETフィルム同士を120℃、1kgf/cmの条件で30秒間ホットプレスすることにより、PETフィルム/共重合ポリエステル樹脂からなる接着剤層/PETフィルムからなる積層体を得た。また、上記の方法で得た接着剤層を形成したPETフィルムを金属板上に重ね、120℃、1kgf/cm2の条件で30秒間ホットプレスすることにより、PETフィルム/共重合ポリエステル樹脂からなる接着剤層/金属板からなる積層体を得た。PETフィルム/共重合ポリエステル樹脂からなる接着剤層/PETフィルムからなる積層体の剥離強度の測定については、得られた積層体をインテスコ社製精密万能材料試験機2020型にて温度20℃湿度60%の雰囲気下、引張速度50mm/分でT字剥離試験を行なった。また、PETフィルム/共重合ポリエステル樹脂からなる接着剤層/金属板からなる積層体の剥離強度の測定については、得られた積層体をインテスコ社製精密万能材料試験機2020型にて温度20℃湿度60%の雰囲気下、引張速度50mm/分で180℃剥離試験を行なった。剥離強度は、5N/cmを合格とする。
(共重合ポリエステル樹脂の作成)
実施例1
表1に示す仕込み組成にしたがい、共重合ポリエステル樹脂の原料として、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、金属触媒をオートクレープに仕込み、系内の空気を窒素で置換した。続いて、通常のエステル交換法と重縮合法により共重合ポリエステル樹脂P−1を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂について、数平均分子量、ガラス転移点、370nmの透過率、溶剤溶解性の評価を行なった。その結果を表2に示す。
実施例2〜5
表1に示す仕込み組成とする以外は実施例1と同様にして、共重合ポリエステル樹脂P−2〜P−5を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂について、数平均分子量、ガラス転移点、370nmの透過率、溶剤溶解性の評価を行なった。その結果を表2に示す。
比較例1
共重合ポリエステル樹脂の原料として、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、金属触媒をオートクレープに仕込み、共重合ポリエステル樹脂の重合を行った。ここで、2,6−ナフタレンジカルボン酸の配合は行わなかった。系内の空気を窒素で置換し、通常のエステル交換法と重縮合法により共重合ポリエステル樹脂P−6を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂について、数平均分子量、ガラス転移点、370nmの透過率、溶剤溶解性の評価を行なった。その結果を表2に示す。
比較例2〜比較例4
表1に示す仕込み組成とする以外は実施例1と同様にして、共重合ポリエステル樹脂P−7〜P−9を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂について、数平均分子量、ガラス転移点、370nmの透過率、溶剤溶解性の評価を行なった。その結果を表2に示す。
(共重合ポリエステル樹脂接着剤の作成)
実施例6〜12
実施例1〜実施例5で作成した共重合ポリエステル樹脂P−1〜P−5をトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(質量比8:2)に固形分濃度が30質量%となるように溶解させて、接着剤を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂接着剤を用いて、PET/樹脂/PET、およびPET/樹脂/金属板の剥離強度の測定を行い、接着性の評価を行なった。その結果を表3に示す。
比較例5
共重合ポリエステル樹脂P−1をトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(質量比8:2)に固形分濃度が60質量%となるように溶解させ、接着剤を得ようとしたが、樹脂が溶剤に完全に溶解せず、固形分濃度が60質量%の接着剤を得る事ができなかった。
比較例6
共重合ポリエステル樹脂P−1をトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(質量比8:2)に固形分濃度が50質量%となるように溶解させ、接着剤を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂接着剤を用いて、PETフィルム上に接着剤を塗布しようとしたが、溶液が粘重であり、均一な膜厚の接着剤層を得る事ができなかった。
比較例7
共重合ポリエステル樹脂P−1をトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(質量比8:2)に固形分濃度が10質量%となるように溶解させ、接着剤を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂接着剤を用いてPETフィルムに塗布したが、溶液の粘度が低いため20μmの膜厚の樹脂層を得る事ができなかった。
比較例8
比較例3で作成した共重合ポリエステル樹脂P−7をトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(質量比8:2)に固形分濃度が30質量%となるように溶解させて、接着剤を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂接着剤を用いて、PET/樹脂/PET、およびPET/樹脂/金属板の剥離強度の測定を行い、接着性の評価を行なった。PET/樹脂/PETの接着強度は3N/cmであり、十分な接着強度が得られなかった。
実施例1〜5は、本願発明の配合にしたがって共重合ポリエステル樹脂の製造を行ったため、得られた共重合ポリエステル樹脂の、数平均分子量、ガラス転移点、370nmの透過率、溶剤溶解性は、所定の特性を有し、また、実施例6〜12に示すように、それら共重合ポリエステル樹脂を溶媒に溶解して得た接着剤は、優れた接着性を有した。よって、これら共重合ポリエステル樹脂を接着剤として用いた場合は、被着体を実用的に十分な接着強度で接着するとともに、370nm以下の紫外線を吸収するため、紫外線カットを目的とした部材の接着に好適に用いることが出来る。
比較例1は、2,6−ナフタレンジカルボン酸の配合を行わず、共重合ポリエステル樹脂の作成を行ったため、370nmの透過率は大きかった。比較例2は、2,6−ナフタレンジカルボン酸の配合量が多すぎるため、溶剤に完全に溶解しなかった。比較例3及び比較例4は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を所定量配合しなかったために、370nmの透過率が大きかった。
比較例5は、固形分濃度が高すぎたため樹脂を溶剤に完全に溶解する事ができなかった。比較例6は、固形分濃度が高く粘調な溶液となったため、均一な膜厚の接着剤層を得る事ができず、接着強度を測定することができなかった。比較例7は、固形分濃度が低すぎたため接着強度の評価に必要な膜厚が得られなかった。比較例8は、十分な接着強度が得られなかった。


Claims (3)

  1. 多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから構成される共重合ポリエステル樹脂であって、全多価カルボン酸に対して、炭素数12〜22の多環芳香族ジカルボン酸を1〜40mol%含み、厚さ2mmtの板状成形品において、波長370nmで測定される透過率が5%未満であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
  2. 多環芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルであることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル樹脂。
  3. 請求項1または2に記載の共重合ポリエステル樹脂を、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサノンから選ばれる1種または2種以上を混合して得られる有機溶媒に15〜45質量%溶解してなる接着剤。
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