JP2010077317A - 接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法 - Google Patents

接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温でタック性を有し、フォトリソグラフィー法によりパターン形成が可能であり、フォトリソグラフィー法により硬化された後でも熱圧着で高い接着性を示す接着剤組成物及び接着フィルムを提供する。
【解決手段】有機弾性微粒子を含む粒子と、熱硬化性エポキシ樹脂と、硬化剤と、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂と、光重合触媒とからなる接着剤組成物で、光硬化性樹脂は式Iおよび式IIのうち少なくとも1つで表される構造を側鎖に有する接着剤組成物を提供する。
式I:[(CH2)mCOO]n
式II:[(CH2)mOCO]n
(式中mは独立に2以上10以下であり、nは独立に1以上3以下である)
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法に関し、より詳細には、室温においてタック性を有し、フォトリソグラフィー法により硬化された後でも熱圧着で接着性を示す接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法に関する。
プリント基板上に、ピエゾ素子、Charge Coupled Device (CCD)、Complementary Metal Oxide Semiconductor (CMOS)、Micro Electro Mechanical Systems (MEMS)、シリコンウェハーなどの半導体素子を実装する場合、通常半田を用いた接合が使われている。
また、導電性ペーストを用いて基板上に半導体素子を接合することも行われている。
一方、半導体素子と基板との接着や、複数の基板の接着のために、フォトリソグラフィー法によりパターン形成が可能な接着フィルムが提案されており、感光性を有し、パターン形成が可能な接着フィルムとしていくつかの樹脂が知られている。これらの樹脂は、半導体素子又は基板のいずれか一方に適用された後、マスクを用いた光照射を行うことでパターンが形成される。このパターン化した接着層をスペーサーとして用いて、半導体素子と基板との接着や、複数の基板の接着が行われている。たとえば、特許文献1には、光酸発生剤で硬化してパターンを形成する感光性エポキシ樹脂接着剤組成物が記載されている。
また、特許文献2には、アルカリ性溶液で処理することによりパターンが形成される、アルカリ可溶性基を有する樹脂を含む樹脂組成物が記載されている。
特開2006−321984号公報 特開2006−16610号公報
しかし、半田は一般に180℃以上の高温で融解するので、実装温度はそれ以上となり、半田を使った際に使用できる半導体素子や基板等の材料は耐熱性が要求されていた。
導電性ペーストは半田に比べて低温で融着できる一方、半田に比べて接合強度が弱いので、それ以外の部分で接着を補強する部分が必要であった。
これまでのフォトリソグラフィー法によりパターン形成が可能な樹脂については、室温においてタック性を有しないため、半導体素子や基板に直接塗布する手法や、PETフィルム等の基材に塗布して接着フィルムを得た場合には半導体素子や基板にラミネートする際に加熱をして接着フィルムを転写する手法がとられていた。また、従来のフォトリソグラフィー法で使用されていた樹脂では、半導体などの微細配線へ適応する場合に、パターン形成時や現像工程で微細配線が劣化するという問題が起こることもあった。
本発明の一態様によれば、有機弾性微粒子を含む粒子と、熱硬化性エポキシ樹脂と、硬化剤と、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂と、光重合触媒とからなる接着剤組成物で、光硬化性樹脂は式Iおよび式IIのうち少なくとも1つで表される構造を側鎖に有する接着剤組成物を提供する。
式I:[(CH2)mCOO]n
式II:[(CH2)mOCO]n
(式中mは独立に2以上10以下であり、nは独立に1以上3以下である)
また、本発明の他の態様によれば、上記接着剤組成物を含む接着フィルムを提供する。
本発明のさらなる他の態様によれば、導体を備えた基板と、素子とを用意する工程と、基板の表面に、上記接着フィルムをラミネートする工程と、接着フィルムの表面にフォトマスクを配置する工程と、フォトマスクの表面に光を照射する工程と、フォトマスクによって光を照射されなかった接着フィルムの一部を溶解現像し、開口部を形成する工程と、開口部に導電性ペーストを配置する工程と、素子を接着フィルム表面に熱圧着して、素子の裏面と接着フィルムの表面とを接着させる工程と、素子の裏面の一部に配置された端子に導電性ペーストを融着させる工程とを含む基板と素子とを電気接続する方法を提供する。
本発明の接着剤組成物、及び接着フィルムは室温でタック性を有し、フォトリソグラフィー法によりパターン形成が可能であり、フォトリソグラフィー法により硬化された後でも熱圧着で高い接着性を示す。
以下、本発明の接着剤組成物、接着フィルム及びその使用方法について説明する。
本発明の一態様の接着剤組成物は、有機弾性微粒子を含む粒子と、熱硬化性エポキシ樹脂と、硬化剤と、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂と、光重合触媒とを含んでいる。
前述した粒子に含まれる有機弾性微粒子は、室温で弾性を有する微粒子であって、例えば、微粒子を構成する有機高分子のガラス転移点(Tg)は約−140℃〜室温の範囲にある。本発明で使用する有機弾性微粒子は粒径が小さいため、接着剤組成物に含まれる溶媒を除去した際に、微粒子同士が凝集してフィルムを形成する傾向がある。微粒子の粒径が大きいとフィルム平坦性が低くなる。従って、本発明に使用する有機弾性微粒子の平均粒径は、典型的に約5μm以下であり、約3μm以下であることが好ましく、約1μm以下であることがより好ましい。また、有機弾性微粒子の平均粒径は、典型的に約0.01μm以上であり、約0.1μm以上であることが好ましく、約0.3μm以上であることがより好ましい。
フィルムを形成した際に、有機弾性微粒子が有している弾性が、フィルムに必要とされる強度及び可撓性を提供すると考えられるため、有機弾性微粒子の少なくとも表面を構成する材料のガラス転移点(Tg)が室温以下であることが好ましく、有機弾性微粒子が複数の材料から構成される場合には有機弾性微粒子を構成する全ての材料のTgが室温以下であることがより好ましい。
そのような有機弾性微粒子を構成する材料は、例えば衝撃改質剤の技術分野で多く知られており、例えば、アクリル、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、並びにこれらの混合物又はポリマーアロイが挙げられる。本発明の接着剤組成物に使用する場合、有機弾性微粒子の表面を構成する材料がアクリル系樹脂を含むことが好ましく、有機弾性微粒子が複数の材料から構成される場合には、有機弾性微粒子を構成する全ての材料がアクリル系樹脂を含むことがより好ましい。アクリル系樹脂を含む有機弾性微粒子は、他の材料に比べて、溶媒に対する分散性に優れているためである。
そのようなアクリル系樹脂として、例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含むラジカル重合性モノマーと、多官能性モノマーとを含むアクリル系共重合体が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。ラジカル重合性モノマーには、必要に応じて(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な他のラジカル重合性モノマーが含まれてもよい。使用できる(メタ)アクリレートモノマーとして、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なラジカルモノマーは、(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な、本技術分野で知られているラジカルモノマーであってよく、例えば、イソプレン、酢酸ビニル、分岐カルボン酸のビニルエステル、スチレン、イソブチレン等が挙げられる。多官能性モノマーは、得られるアクリル系共重合体の架橋点となり、製造中及び製造後のアクリル系共重合体粒子の望ましくない凝集を制御するために使用される。そのような多官能性モノマーとして、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の多官能性モノマーとして、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられる。これらの多官能性モノマーを2種類以上組み合わせて用いてもよい。これらを懸濁重合やエマルジョン重合することで、微粒子とすることができる。
有機弾性微粒子は、表面(シェル)部分と核(コア)部分とを有する、いわゆるコア−シェル型の弾性微粒子であってもよい。一般に、シェル部分のTgはコア部分のTgよりも高くなるように設計される。このようなコア−シェル型弾性微粒子を使用することにより、低Tgのコア部分が応力の集中点として働くことにより、形成されたフィルムに可撓性が提供される一方で、シェル部分が微粒子同士の望ましくない凝集を制御するため、溶媒及び熱硬化性エポキシ樹脂に対する微粒子の分散性が高まることが期待される。
このようなコア−シェル型の弾性微粒子の一例として、コア部分が、(メタ)アクリレート及び多官能性モノマーを含む共重合体であって、その外側にシェル部分として、(メタ)アクリレート及び多官能性モノマーを含む混合モノマーをグラフト共重合した、アクリル系のコア−シェル型弾性微粒子が挙げられる。本発明の一実施態様では、例えば、コア部分を構成する共重合体のTgが約−140℃以上、約−30℃以下であって、かつシェル部分のTgが約−30℃以上、約150℃以下となるように、(メタ)アクリレート及び多官能性モノマーの種類及び配合量が選択される。このように選択すると、弾性微粒子の分散性を高くすることができる。(メタ)アクリレートモノマー及び多官能性モノマーは、アクリル系樹脂について上述したようなものであってよく、同様に上述したような(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な他のラジカル重合性モノマーが、コア部分及び/又はシェル部分に含まれてもよい。また、組成の異なる複数のコア部分がコア−シェル型弾性微粒子に含まれていてもよく、コア部分をあるシェル部分が被覆し、そのシェル部分を別のシェル部分が被覆するような、多層シェル構造をコア−シェル型弾性微粒子が有していてもよい。
このようなコア−シェル型弾性微粒子は、例えば、従来から知られている乳化重合法、懸濁重合法等を用いて重合することによって製造できる。複数の種類のモノマーが含まれている場合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等の任意の適当な共重合を使用してもよい。コア−シェル構造の形成方法は、本技術分野で知られている方法を使用でき、例えば、上述したような重合法を用いてコア部の粒子を形成し、その粒子に対して、シェル部を形成する上述のようなモノマーをグラフト重合すればよい。シェル部のグラフト重合を、コア部の重合と同一の重合行程で連続して行ってもよい。
接着剤組成物に含まれる粒子には、上述した有機弾性微粒子の他、無機粒子を使用することもできる。無機粒子としてはシリカ、アルミナまたはジルコニア粒子等を使用することができるが、熱膨張率を低下させるという観点からはシリカを用いることもできる。
接着剤組成物に含まれる粒子の含有量が多いほど、接着フィルムの凝集力、フィルム形成性、フィルムとしての強度を高くすることができる。一方、粒子の含有量が少なくなると、熱圧着後の接着力を高めることができる。例えば、接着剤組成物に含まれる粒子の含有量は、接着剤組成物の固形分質量に対して、約35質量%以上であってよく、約40質量%以上であることが好ましく、約45質量%以上であることがより好ましく、また、約80質量%以下であってよく、約75質量%以下であることが好ましく、約70質量%以下であることがより好ましい。
上述の有機弾性微粒子を分散可能な溶媒は、有機弾性微粒子の表面官能基の極性、有機弾性微粒子を構成する高分子の種類、有機弾性微粒子の平均粒径に応じて、所望の水準の分散が得られるように選択すればよい。
そのような溶媒を選択するにあたって、有機弾性微粒子の分散性は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒径分布測定装置(例えば、LS−230、ベックマンコールター)、動的光散乱法を測定原理とする粒径分布測定装置(例えば、「ナノトラックUPA」、日機装株式会社)などを用いて、分散した粒子の二次粒径の経時変化を測定することによって評価できる。上述したような評価法を用いることにより、当業者であれば、目的とする用途に応じて接着剤組成物に使用可能な溶媒を適宜選択することができる。このような溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系、ジオキサンなどのエーテル系、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル等などのエステル系などの有機溶剤が挙げられる。酢酸エチルは比較的低沸点の溶媒であり、フィルム化時の乾燥が容易に行えるため特に好適に使用できる。
溶媒の含有量は、接着剤組成物に所望する粘度を考慮した上で、粒子を分散するのに必要な量であればよく、接着剤組成物の固形分質量100質量部に対して、約100質量部以上であることが望ましく、約200質量部以上であることがより好ましい。また、溶媒の含有量は、接着剤組成物の固形分質量100質量部に対して、約1000質量部以下であることが望ましく、約500質量部以下であることがより好ましい。
接着剤組成物中の熱硬化性エポキシ樹脂は、熱圧着時に硬化して、基板と半導体素子、基板どうし等を接着する。また、熱硬化性エポキシ樹脂は接着剤組成物において、粒子のバインダーとしても機能する。
熱硬化性エポキシ樹脂は、本技術分野で知られている任意のエポキシ樹脂を含んでいてよいが、上述したように、粒子のバインダーとして機能するためには、室温(約25℃)で液状であることが望ましい。そのような熱硬化性エポキシ樹脂は、硬化前25℃での粘度が、約0.1Pa・s以上であることが好ましく、約0.5Pa・s以上であることがより好ましく、約1Pa・s以上であることがさらにより好ましい。また、硬化前25℃での粘度が、約200Pa・s以下であることが好ましく、約150Pa・s以下であることがより好ましく、約100Pa・s以下であることがさらにより好ましい。熱硬化性エポキシ樹脂の粘度は、例えば、Brookfield回転粘度計を用いて測定すればよい。
そのような常温で液状のエポキシ樹脂として、平均分子量約200〜約500の、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、F、AD等とから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンとフェノールノボラック又はクレゾールノボラックとから誘導されるエポキシノボラック樹脂;ナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン型エポキシ樹脂;グリシジルアミン、グリシジルエーテル等のグリシジル基を、ビフェニル、ジシクロペンタジエン等の1分子内に2個以上有する、様々なエポキシ化合物;脂環エポキシ基を1分子内に2個以上有する脂環式エポキシ化合物、及びこれらの2種以上の混合物を使用してもよい。具体的には、例えば、エピコートEP828(ビスフェノールA型、エポキシ当量:190g/eq、ジャパンエポキシレジン)、YD128(ビスフェノールA型、エポキシ当量:184〜194g/eq、東都化成)、エピコートEP807(ビスフェノールF型、ジャパンエポキシレジン)、EXA7015(水添ビスフェノールA型、DIC)、EP4088(ジシクロペンタジエン型、旭電化)、HP4032(ナフタレン型、DIC)、PLACCEL G402(ラクトン変性エポキシ、エポキシ当量:1050〜1450g/eq、ダイセル化学工業)、セロキサイド2021(脂環式、ダイセル化学工業)等を挙げることができる。接着剤組成物は、上記のような熱硬化性エポキシ樹脂を1種類又は2種類以上混合して含んでいてもよい。
熱硬化性エポキシ樹脂の含有量は、例えば、樹脂の種類、構造及び分子量、要求される接着特性及び硬化特性、粒子の種類及び含有量に加えて、フィルムに形成して使用する場合は形成されたフィルムの特性(例えば凝集力、可撓性、パターン形成性等)を考慮して、当業者であれば適宜選択することができる。一例を挙げると、熱硬化性エポキシ樹脂の含有量は、接着剤組成物の固形分質量に対して、約2質量%以上であってよく、約5質量%以上であることが好ましく、約10質量%以上であることがより好ましい。また、熱硬化性エポキシ樹脂の含有量は、接着剤組成物の固形分質量に対して、約60質量%以下であってよく、約50質量%以下であることが好ましく、約40質量%以下であることがより好ましい。
接着剤組成物中の硬化剤には潜在性硬化剤を用いることができる。潜在性硬化剤とは、室温では硬化性を発現せずに、接着剤組成物又は接着フィルムに含まれる熱硬化性エポキシ樹脂の硬化を進行させないが、加熱すると硬化性を発揮して、熱硬化性エポキシ樹脂を所望の水準まで硬化させることが可能な硬化剤である。
本発明で使用可能な潜在性硬化剤として、イミダゾール、ヒドラジド、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン、第3級アミン、アルキル尿素等のアミン化合物、ジシアンジアミド、及びこれらの変性物、並びにこれら2種以上の混合物が挙げられる。
上述した潜在性硬化剤の中でも、イミダゾール潜在性硬化剤が好ましい。イミダゾール潜在性硬化剤は、本技術分野で知られているイミダゾール潜在性硬化剤、例えば、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との付加物を含んでもよく、そのようなイミダゾール化合物として、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが挙げられる。
さらに、貯蔵安定性と短時間硬化性という相反する特性を両方とも高めるために、上述した潜在性硬化剤を核とし、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、Ni、Cu等の金属薄膜等で被覆したカプセル化硬化剤を、本発明の潜在性硬化剤として使用してもよく、そのようなカプセル化硬化剤の中でも、カプセル化イミダゾールを使用することが好ましい。
このようなカプセル化イミダゾールとして、イミダゾール化合物を尿素やイソシアネート化合物でアダクトし、さらにその表面をイソシアネート化合物でブロックすることによりカプセル化したイミダゾール系潜在性硬化剤や、イミダゾール化合物をエポキシ化合物でアダクトし、さらにその表面をイソシアネート化合物でブロックすることによりカプセル化したイミダゾール系潜在性硬化剤を挙げることができる。具体的には、例えば、ノバキュアHX3941HP、ノバキュアHXA3042HP、ノバキュアHXA3922HP、ノバキュアHXA3792、ノバキュアHX3748、ノバキュアHX3721、ノバキュアHX3722、ノバキュアHX3088、ノバキュアHX3741、ノバキュアHX3742、ノバキュアHX3613(いずれも旭化成ケミカルズ社製)等を挙げることができる。なお、ノバキュアはカプセル化イミダゾールと熱硬化性エポキシ樹脂とをある比率にて混合した製品である。
また、本発明に使用可能な潜在性硬化剤として、本技術分野で知られているアミン系潜在性硬化剤を含んでもよく、ポリアミン(例えば、H−4070S、H−3731S旭化成ケミカルズ社製)、第3級アミン(例えば、H3849S 旭化成ケミカルズ社製)、アルキル尿素(例えばH−3366S、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、熱硬化性エポキシ樹脂の質量に対して、約0.1質量%以上であってよく、約0.5質量%以上であることが好ましく、約1質量%以上であることがより好ましい。また、硬化剤の含有量は、熱硬化性エポキシ樹脂の質量に対して、約50質量%以下であってよく、約25質量%以下であることが好ましく、約21質量%以下であることがより好ましい。ここで、熱硬化性エポキシ樹脂と硬化剤との混合物の市販品を使用した場合、硬化剤の含有量とは、混合物中の熱硬化性エポキシ樹脂成分と他の熱硬化性エポキシ樹脂成分との合計質量を基準にした、混合物中に含まれる硬化剤成分の割合を含むことに注意する。また、硬化剤の反応開始温度(又は活性温度とも呼ぶ)が高いほど接着剤組成物の貯蔵安定性が高くなり、反応開始温度が低いほど短時間で硬化させることができる。短時間硬化性と貯蔵安定性を可能な限り高い水準で両立させるために、硬化剤の反応開始温度が、典型的には約50℃以上であることが好ましく、約100℃以上であることがより好ましい。また、硬化剤の反応開始温度が約200℃以下であることが好ましく、約180℃以下であることがより好ましい。ここで、硬化剤の反応開始温度(活性温度)とは、DSC(示差走査熱量計)を用い、熱硬化性エポキシ樹脂と硬化剤との混合物を試料として室温から10℃/分で昇温させた時に得られるDSC曲線において、発熱量がピークの1/2となる低温側の温度での接線がベースラインと交わる点の温度と定義される。
接着剤組成物中の(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂は、光照射により架橋され、一般的な有機溶剤には不溶になる。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基であり、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂は一分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を含む。これらは単独で用いることも可能であるが、2種以上の(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂を混合して用いることも可能である。
本発明の(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂は、式Iおよび式IIのうち少なくとも1つで表される構造を有する。式Iで示される構造を有する、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂としては、たとえば、ω―カルボキシーポリカプロラクトンモノアクリレート、イソシアヌール酸EO・ε―カプロラクトン変性トリアクリレート等のラクトン変性アクリレート等が使用できる。具体的には、たとえば、アロニックス(商標)M−325、M−5300、M−5600(いずれも東亞合成社製)等が使用できる。
式IIで示される構造を有する、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂としては、たとえば、エステル化合物等が使用できる。具体的には、たとえば、アロニックス(商標)M−5400(東亞合成社製)等が使用できる。
接着剤組成物に含まれる光硬化性樹脂の含有量を多くすると、光照射後のパターン形成性能を高くすることができる。一方、光硬化性樹脂の含有量が少なくなると、接着フィルムの凝集力を高めることができる。例えば、接着剤組成物に含まれる光硬化性樹脂の含有量は、接着剤組成物の固形分質量に対して、約3質量%以上であってよく、約5質量%以上であることが好ましく、約10質量%以上であることがより好ましく、また、約60質量%以下であってよく、約50質量%以下であることが好ましく、約40質量%以下であることがより好ましい。
接着剤組成物中の光重合触媒は、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂を重合させる触媒である。このような光重合触媒としては、公知のものを使用でき、たとえば、
2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等のヒドロキシケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。具体的には、Vicure 10、30(いずれもStauffer Chemical社製)、Irgacure 127、184、500、651、2959、907、369、379、754、1700、1800、1850、819、OXE01、Darocur 1173、TPO、ITX(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、Quantacure CTX(いずれもAcetoChemical社製)、ESACURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で入手可能な光重合触媒も使用することができる。これらの光重合触媒は1種または2種以上の混合物として使用される。
光重合触媒は、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂の質量に対して、約0.1質量%以上であってよく、約0.5質量%以上であることが好ましく、約1質量%以上であることがより好ましい。また、硬化剤の含有量は、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂の質量に対して、約50質量%以下であってよく、約20質量%以下であることが好ましく、約15質量%以下であることがより好ましい。
本発明の効果を損なわない限度において、他の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、および充填剤等のうち1種類以上を接着剤組成物に添加してもよい。
本発明の接着剤組成物は、有機弾性微粒子を含む粒子、熱硬化性エポキシ樹脂、硬化剤、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂、光重合触媒、添加剤及び溶媒を、例えば高速ミキサー等を使用して混合することにより製造できる。
各成分を混合する順序は特に限定されないが、硬化剤に潜在性硬化剤を使用する場合は機械的混合によって損傷しないように潜在性硬化剤を工程の最後に加えることが好ましい。例えば、粒子を溶媒に分散してから、熱硬化性エポキシ樹脂、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂、光重合触媒、潜在性硬化剤をその分散液に混合してもよく、あるいは溶媒に熱硬化性エポキシ樹脂を予め混合してから、粒子をその混合液中に分散し、最後に潜在性硬化剤を加えてもよい。粒子が二次凝集している場合、必要に応じてビーズミルなどを使用して、混合前に粉砕してもよい。
本発明の接着フィルムは、たとえば、上述のようにして得られた接着剤組成物を基材上に塗布し、接着剤組成物に含まれる溶媒を除去して成膜することによって形成することができる。基材として、シリコーン処理したポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン等の離型性が付与された樹脂フィルムや、これらの樹脂フィルムで被覆したステンレス板等を使用することができる。
また、本発明の一態様として、感光性を有する基材に本発明の接着剤組成物を塗布して接着フィルムを得ることもできる。この場合、接着フィルムを被着体にラミネートした後、フォトリソグラフィー法により、感光性を有する基材と接着剤組成物の不要な部分を取り除いてパターンを形成する。
接着剤組成物は、ナイフコーター、バーコーター、スクリーン印刷等を用いて基材に塗布してもよく、固形分含量及び塗布量を調節することによって、様々な厚さのフィルムを形成してもよい。溶媒除去は、オーブン、ホットプレートなどを用いて、硬化剤が活性化しない温度、例えば、約100℃以下に加熱することによって行うことができる。
本発明の接着フィルムは、有機弾性微粒子を含む粒子、熱硬化性エポキシ樹脂、硬化剤、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂、光重合触媒から本質的になる。接着剤組成物から溶媒を除去した際に、有機弾性微粒子が凝集することによってフィルムが形成され、熱硬化性エポキシ樹脂は凝集した有機弾性微粒子の間の空間に存在して、有機弾性微粒子のバインダーとして機能している。
接着フィルムの厚さ、大きさ及び形状は、電気接続しようとする導体の厚さに応じて適宜選択すればよい。一例として、一般的なフラットパネルディスプレイの製造において、FPCと回路基板を電気接続するためには、接着フィルムの厚さが、例えば、約5μm〜約1mmであることが望ましく、約10μm〜約200μmであることが好ましく、約20μm〜約50μmであることがより好ましい。
本発明の接着フィルムは室温(25℃)でタック性を有するため、FPCや回路基板等の様々な被着体に仮固定することができる。タック性を有しない場合、たとえば、接着フィルムに熱をかけて被着体に圧着したり、接着剤組成物を溶媒に溶解させ被着体に塗布したりすることにより仮固定しなければならないので、作業が煩雑になる。本明細書中、25℃でタック性を有するとは、50μm厚さのポリイミドフィルム上に接着フィルムを25℃の雰囲気下、2kgゴムローラーで1往復圧着した後、ポリイミドフィルムを逆さにしてもその接着フィルムが自重で落下しない程度に接着フィルムがタックを有することをいう。
ここで、いかなる理論にも拘束されることを意図するわけではないが、本発明の(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂は、式Iおよび式IIのうち少なくとも1つで表される構造を有することにより、熱硬化性エポキシ樹脂との相溶性が制御され、室温でのタック性を発現していると考えられる。
接着フィルムは室温で凝集力を持つことが望ましい。離型性が付与された樹脂フィルムに接着剤組成物を塗布して接着フィルムを得た場合、被着体に貼り付けた後、その離型性が付与された樹脂フィルムを剥離して接着フィルムを被着体にラミネートするため、接着フィルムに凝集力が無いと完全に転写せず、離型性が付与された樹脂フィルム上に部分的に接着フィルムが残ってしまうからである。
接着フィルムは被着体上に積層され、遮光部と透光部が所定のパターンで形成されたフォトマスクを介して紫外線等の硬化エネルギー線を照射され、接着フィルムの所定の部位を硬化され、現像により不要部分を溶解除去されることで、被着体上に所定のパターンが形成される。公知の方法による硬化エネルギー線照射であれば、特に限定されるものではないが、光源としては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アーク灯、ガリウムランプ等を用いることができる。照射量は、通常、50mJ/cm2以上、好ましくは150mJ/cm2以上、または、通常1500mJ/cm2以下、好ましくは1000mJ/cm2以下である。
溶解除去する際に使用される溶剤としては、接着フィルムに含まれる熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、粒子等の種類や量等に応じて、適宜選択されるが、熱硬化性エポキシ樹脂を溶解するような溶媒が使用できる。たとえば、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、モルホリン、アセトニトリルなどを使用しても良い。溶解除去する際には、たとえば、スプレー法や浸漬法が用いられる。
被着体上に所定のパターンを形成した接着フィルムを介して、この被着体に別の被着体を圧着し、熱処理を行うことで、接着フィルム中の熱硬化性エポキシ樹脂を反応させ、2枚の被着体を接着することができる。熱処理は、通常、80℃以上、好ましくは100℃以上、又は、通常220℃以下、好ましくは200℃以下で行われる。
本発明の接着フィルムは、タック性を有するため被着体に仮固定でき、感光性を有するためパターン形成が可能で、かつパターン形成時に露光され架橋された部分も熱圧着により接着性を有する。
こういった性質を利用してたとえば以下のような接続をすることができる。
図1(a)に示すように、基板11及び導体12から成るプリント基板1の表面に、接着フィルム3をラミネートした後、フォトマスク4で一部をマスクして接着フィルム3に光5を照射する。次に、図1(b)に示すように、フォトマスク4によって光を照射されなかった部分を溶解現像し、開口部6を形成する。この開口部に、導電性ペースト7をディスペンサー等で供給する(図1(c))。次に、図1(d)に示すように、素子8を準備し、接着フィルム表面31に熱圧着して、素子裏面82と接着フィルム表面31とを接着させるとともに、素子裏面の端子9に導電性ペースト7を融着させる。
その他の接続方法の一態様を図2に示す。上記接続方法と同様にして、FPC(導体を備えた基板)10のビアホールに、開口部を有する接着フィルム3を形成する。素子8を熱圧着すると、素子の端子9が導電性ペースト7を介してFPC上の回路101に接続される。このような接続方法は、例えばプリンターヘッド用ピエゾ素子のFPC上への実装に用いることができる。
また、別の接続方法を図3(a)及び(b)を用いて説明する。図3(a)に示すように、端子9を有するシリコンウェハー(素子)81上に、上記接続方法と同様にして、開口部を有する接着フィルム3を形成し、端子9上に導電性ペーストでバンプ7を形成する。このウェハーを点線Lに沿ってダイシングすることでチップ20を得ることができる。次に、図3(b)に示すように、基板11及び導体12から成るプリント基板1を用意し、上記手法により得られたチップ20を、チップ上のバンプ7が導体12と接触するようにして熱圧着する。チップ上のバンプ7の周囲にある接着フィルム3が熱圧着により熱硬化することで、プリント基板とシリコンウェハーとの接触を保持する。
次に実施例、比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本明細書においては、以下の略称を使用することがある。
EXL2314:粒子(PARALOID(商標)EXL2314、Rohm and Haas Company製)
EXL2655:粒子(PARALOID(商標)EXL2655、Rohm and Haas Company製)
FB-ISDX:シリカ粒子(FB-ISDX、電気化学工業社製)
YD-128: 熱硬化性エポキシ樹脂(YD-128、東都化成製)
AER4152:熱硬化性エポキシ樹脂(AER4152、旭化成エポキシ社製)
D1173: 光重合触媒(ダロキュア(商標)D1173、チバ・スペシャリティー・ケミカル製)
2MI: 2−メチルイミダゾール
HX3941HP:潜在性硬化剤(ノバキュア(商標)HX3941HP、旭化成ケミカルズ社製)
HXA3792:潜在性硬化剤(ノバキュア(商標)HXA3792、旭化成ケミカルズ社製)
KBM-403:シランカップリング剤(KBM-403、信越化学工業社製)
M-5300: (メタ)アクリロイル基を含む光重合性樹脂(アロニックスM-5300、東亞合成社製)次記化学式で表されるω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n ≒ 2)モノアクリレートを含む。
M-5400: (メタ)アクリロイル基を含む光重合性樹脂(アロニックスM-5400、東亞合成社製)次記化学式で表されるωフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートを含む。
M-5600: (メタ)アクリロイル基を含む光重合性樹脂(アロニックスM-5600、東亞合成社製)次記化学式で表されるアクリレートを含む。
M-325:(メタ)アクリロイル基を含む光重合性樹脂(アロニックスM-325、東亞合成社製)次記化学式で表されるε-カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル) (l+m+n ≒ 1)を含む。
実施例1〜実施例27
表1に記載した配合比(質量部)で各材料を酢酸エチルに分散、溶解させ、固形分が25質量%の接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物をシリコーン処理したポリエステルフィルム(50μm厚さ、商品名SP−PET、東セロ株式会社社製)上にナイフコーターで塗布し、100℃で10分間乾燥し、厚さ30μmの接着フィルムを作製した。
得られたポリエステルフィルム付き接着フィルムで以下の測定を行なった。結果を表2に示す。
(25℃でのタック性)
25℃の雰囲気下、50μm厚さのポリイミドフィルム上に、上記ポリエステルフィルム付き接着フィルムを、2kgゴムローラーで1往復圧着してタック性を観察した。ポリイミドフィルムを逆さにするとその接着フィルムが自重で落下した場合は1、落下しない程度にタック性を有した場合は3、さらにシリコーン処理したポリエステルフィルムを剥離して、凝集破壊することなく接着フィルムをポリイミドフィルム上に転写できた場合には5とした。
(微細パターン形成性)
50μm厚さのポリイミドフィルム上に、上記ポリエステルフィルム付き接着フィルムを、2kgゴムローラーで1往復圧着した後、ポリエステルフィルム上にフォトマスクを密着させ、その上から紫外線照射(700mJ/cm2)を行った。フォトマスク及びポリエステルフィルムを剥離し、現れた接着フィルムに溶剤(シクロヘキサノン/メタノール=50/50)を吹きつけ、溶解現像した。図4に示すように幅1mmのラインがスムースにエッチングできた場合には5、幅1mmのラインではスムースなエッチングができなかったが幅5mmのラインがエッチングできた場合には3、幅5mmのラインがスムースにエッチングできなかった場合には1とした。
(接着力)
厚さ35μmの圧延銅箔(商品名 RCF、福田金属箔粉工業社製)に上記ポリエステルフィルム付き接着フィルムを、2kgゴムローラーで1往復圧着した後、全面に紫外線照射(700mJ/cm2)を行った。ポリエステルフィルムを剥離し、現れた接着フィルム側をガラエポ基板(松下電工製、FR4)に対向するように置き、温度185℃、圧力3MPaで10秒間熱圧着し、圧延銅箔とガラエポ基板とを接着した。室温(25℃)で圧延銅箔をガラエポ基板に対して90度方向に50mm/分の速度で剥離させた時の剥離強度を接着力とした。
(接続実験)
図5(a)のように12mm×12mmのプリント基板(FR4)を準備した。このプリント基板には接続をとるために4隅に直径約0.2mmのランド51があり、ランド51にはそれぞれ幅0.1mmの2本のリード52がつながり、リード端には2×2mmの端子53がある。実施例26で得られたポリエステルフィルム付き接着フィルム54を図5(b)のようにプリント基板表面にラミネートし、ランド51の周辺をマスクして紫外線照射(700mJ/cm2)を行った。その後、ポリエステルフィルムを剥離し、接着フィルムに溶剤(メタノール/シクロヘキサノン=50/50)を洗ビンから約20秒程度吹きかけ、ランド上に接着フィルムの開口部55を形成した(図5(c))。この開口部に導電性ペースト(ドータイト(商標)XA-460、藤倉化成製)をディスペンスし、室温で3時間、100℃で5分間乾燥させた。次に、6mm×6mmのシリコンウェハーに金を蒸着した素子の代用物56を図5(d)に示すように、金蒸着面を接着フィルムに対向するように配置し、150℃、3MPaで20秒間圧着した。これにより4つのランド51は電気的に接続されたので、ランド間の抵抗を4端子法で測定した。この結果、それぞれの接続点での接触抵抗は、0.0352、0.0259、0.0253、0.0269Ωであった。
比較例
材料及びその配合比を、EXL2314/YD128/(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂/D1173/メチルイミダゾール=60/20/20/0.5/0.5(質量比)とした以外は実施例1〜27と同様にして接着剤組成物を作製し、同様にして接着フィルムを得た。ここで、(メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂としては、化学式(I)で表される構造、または化学式(II)で表される構造を有さない、以下の樹脂を使用した。
光硬化性樹脂:メチルアクリレート、エチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アクリル酸、ベンジルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトールトリアクリレート、トリメイロールプロパントリアクリレート
得られた接着フィルムについて、実施例1〜27と同様にして接着力の測定を行ったが、どの光硬化性樹脂を使用しても結果は1N/cm以下という低い値になった。これは、いかなる理論に拘束されるものでもないが、光硬化性樹脂が接着フィルム中で熱硬化性エポキシ樹脂と相分離して不均一な構造になったため接着力が低くなったからと考えられる。
接着フィルムを用いた電気接続方法の一例のうち、フォトマスク表面に光を照射する工程(図1(a))、開口部を形成する工程(図1(b))、開口部に導電性ペーストを配置する工程(図1(c))、素子を接着フィルム表面に熱圧着して、素子の裏面と接着フィルムの表面とを接着させる工程(図1(d))を示す。 接着フィルムを用いた電気接続方法の一例を示す。 接着フィルムを用いた電気接続方法の一例のうち、開口部に導電性ペーストを配置する工程(図3(a))、フリップチップ実装工程(図3(b))を示す。 微細パターン形成性の試験で、スムースにエッチングできた一例を示す。 接着フィルムを用いた接続実験のうち、プリント基板(図5(a))、ポリエステルフィルム付き接着フィルムをプリント基板にラミネートした図(図5(b))、接着フィルムに開口部を形成した図(図5(c))、素子の代用物を接着フィルムに配置した図(図5(d))を示す。
符号の説明
1 プリント基板
11 基板
12 導体
3 接着フィルム
31 接着フィルム表面
4 フォトマスク
5 光
6 開口部
7 導電性ペースト(バンプ)
8 素子
81 シリコンウェハー
82 素子裏面
9 端子
10 FPC
101 回路
20 チップ
51 ランド
52 リード
53 端子
54 接着フィルム
55 開口部
56 素子代用物

Claims (7)

  1. 有機弾性微粒子を含む粒子と、
    熱硬化性エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    (メタ)アクリロイル基を含む光硬化性樹脂と、
    光重合触媒と
    を含み、前記光硬化性樹脂は式Iおよび式IIのうち少なくとも1つで表される構造を側鎖に有する接着剤組成物。
    式I:[(CH2)mCOO]n
    式II:[(CH2)mOCO]n
    (式中mは独立に2以上10以下であり、nは独立に1以上3以下である)
  2. 前記有機弾性微粒子を含む粒子の含有量が接着剤組成物に対して35質量%以上、75質量%以下である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記硬化剤が潜在性硬化剤である、請求項1〜2のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の接着剤組成物を含む接着フィルム。
  5. 導体を備えた基板と、素子とを用意する工程と、
    前記基板の表面に、請求項4に記載の接着フィルムをラミネートする工程と、
    前記接着フィルムの表面にフォトマスクを配置する工程と、
    前記フォトマスクの表面に光を照射する工程と、
    前記フォトマスクによって光を照射されなかった前記接着フィルムの一部を溶解現像し、開口部を形成する工程と、
    前記開口部に導電性ペーストを配置する工程と、
    前記素子を前記接着フィルム表面に熱圧着して、前記素子の裏面と前記接着フィルムの表面とを接着させる工程と、
    前記素子の裏面の一部に配置された端子に前記導電性ペーストを融着させる工程と
    を含む、基板と素子とを電気接続する方法。
  6. 導体を備えた基板と、素子とを用意する工程と、
    前記素子の表面に、請求項4に記載の接着フィルムをラミネートする工程と、
    前記接着フィルムの表面にフォトマスクを配置する工程と、
    前記フォトマスクの表面に光を照射する工程と、
    前記フォトマスクによって光を照射されなかった前記接着フィルムの一部を溶解現像し、開口部を形成する工程と、
    前記開口部に導電性ペーストを配置する工程と、
    前記基板を前記接着フィルム表面に熱圧着して、前記基板の裏面と前記接着フィルムの表面とを接着させる工程と、
    前記導体に前記導電性ペーストを融着させる工程と
    を含む、基板と素子とを電気接続する方法。
  7. 請求項5または6のいずれかに記載の方法で電気接続された基板と素子とを含む、電子機器。
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