JP2010077360A - 熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンデム型反応押出機に於いて、未反応成分及び副生成物を減少させる事が可能な熱可塑性樹脂の製造方法を提供する事を課題とする。
【解決手段】 固体状の樹脂原料を可塑化し、第1段目反応の副原料を供給して反応を行う第1押出機と、第1押出機から供給された溶融樹脂に第2段目反応の副原料を供給して反応及び/又は脱揮を行う第2押出機と、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品と、第1押出機内圧力制御機構を有するタンデム型反応押出機に於いて、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力の制御機構を第2押出機原料供給口に設置し、且つ、圧力制御機構の第1押出機側圧力と第2押出機側圧力の差圧△Pを2MPa以上10MPa以下に制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タンデム型反応押出機による熱可塑性樹脂の製造方法及び、熱可塑性樹脂に関する。
押出機を用いて樹脂を加熱溶融し、溶融樹脂と反応剤とを連続的に反応させる反応押出法は、反応槽等で行うバッチ式法と比較して生産性に優れ、低コストで効率良く熱可塑性樹脂を製造出来るという特徴を有している。
しかしながら、従来の熱可塑性樹脂を溶融させて反応させる製造方法は反応効率及び反応均一性が低いため未反応成分及び副生成物が残るという問題点がある。
これより、反応効率及び反応均一性を向上させ未反応成分を減少させる方法として、押出機を用いた変性熱可塑性樹脂の製造方法に関して、反応媒体として二酸化炭素を用いる事により、反応効率を向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。このような方法は、反応媒体を用いる為、設備が複雑化して高価になると共に、製造コストが高いという問題がある。
また、重合釜と、脱揮押出装置と、該重合釜と該脱揮押出装置を連結する連結部と、連結部に機械式背圧弁を有し、機械式背圧弁にて加圧し圧力差を発生させることにより、揮発成分含有量の少ないアクリル系重合体の製造方法がある(例えば、特許文献2参照)。このような方法は、重合釜を用いるためバッチ式の製法になり生産性が悪い、設備が複雑化して高価になると共に、製造コストが高いという問題がある。
特開2002−256042 特開2005−112870
本発明は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、タンデム型反応押出機に於いて、未反応成分及び副生成物を大幅に減少させる事が可能な熱可塑性樹脂の製造方法を提供する事を目的とする。
本発明は第1押出機、第2押出機、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品、および第1押出機出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構を有するタンデム型押出機を用いることにより上記課題が解決出来る事を見出した。
すなわち、本発明は、
(i)第1押出機、第2押出機、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品、及び、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構を有するタンデム型押出機を用いて、第1押出機において主原料と副原料とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機において、第1押出機における反応生成物をさらに他の副原料と処理する第2段目反応を行う熱可塑性樹脂の製造方法であって、「圧力制御機構の第1押出機側圧力」と「第2押出機側圧力」の差圧△Pが2MPa以上10MPa以下であることを特徴とする製造方法。
(ii)前記タンデム型反応押出機に於いて、第1押出機と第2押出機それぞれが二軸押出機である事を特徴とする、(i)に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
(iii)第1押出機においてアクリル系樹脂とイミド化剤とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機において第1押出機における反応生成物をさらにエステル化剤と処理する第2段目反応を行うことを特徴とする、(i)〜(ii)の何れかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
(iv)熱可塑性樹脂が下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位及び/又は下記一般式(3)で表される単位とを有するイミド樹脂である事を特徴とする、(i)〜(iii)の何れかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
Figure 2010077360
(但し、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
Figure 2010077360
(但し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
Figure 2010077360
(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
本発明によれば、第1押出機、第2押出機、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品、および第1押出機出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構を有するタンデム型押出機を用い、圧力調整機構の第1押出機側圧力と第2押出機側圧力の差圧△Pが2MPa以上10MPa以下であることにより、未反応成分及び副生成物を大幅に減少させる事が可能になり、且、低コストで容易に効率良く熱可塑性樹脂を製造する事が出来る製造方法を提供出来る。
本発明は、第1押出機、第2押出機、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品、および第1押出機出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構を有するタンデム型押出機を用い、圧力調整機構の第1押出機側圧力と第2押出機側圧力の差圧を制御することを特徴とする。
本発明のタンデム型押出機とは、例えば、第1押出機、第2押出機の2台を、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品(以下、単に接続部品と略記することもある)で接続したものがあげられる。必要に応じてさらに、第3押出機を接続部品で接続したものであってもよい。少なくとも2基以上であれば、接続台数は適宜設定できる。タンデム型押出機は、過剰な熱履歴がかからないことにより樹脂劣化が抑えられるため、樹脂由来異物の減少が期待できる。また、2台以上の押出機で連続的に反応を実施することで、外界からの異物混入を抑えることもできる。
更に、前記タンデム型押出機は、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力の制御機構(単に圧力制御機構とも略記することもある)の「第1押出機側圧力」と「第2押出機側圧力」の差圧△Pが2MPa以上10MPa以下であることを特徴とする。差圧△Pとは、すなわち圧力制御機構前後に取り付けられた、圧力計の差であり、例えば、第1押出機の樹脂吐出口と、第2押出機原料供給口にそれぞれ圧力計を設置したときの圧力の差である。
差圧△Pを2MPa以上、10MPa以下にすることにより、未反応成分及び副生成物が減少されるため好ましい。さらに好ましくは、3MPa以上、8MPa以下である。
差圧△Pが2MPa未満の場合、脱揮性が悪くなる為、好ましくない。
又、差圧が10MPaより高い場合、圧力制御機構出口での圧力差が大きいため、リアベントでベントアップが発生し脱揮性が悪くなるため、好ましくない。
さらに、△Pが2MPa以上、10MPa以下であれば第1押出機側及び第2押出機側の圧力は特に制限されないが、第1押出機側圧力は2MPa以上、10MPa以下、第2押出機側圧力は0.01MPa以上、1MPa以下である事が好ましい。下限値としてさらに好ましくは、第1押出機側圧力は2.5MPa以上、特に好ましくは、3MPa以上、第2押出機側圧力は0.02MPa以上、特に好ましくは、0.03MPa以上である。上限値として、さらに好ましくは第1押出機側圧力は8MPa以下、特に好ましくは、6MPa以下、第2押出機側圧力は0.8MPa以下、特に好ましくは、0.6MPa以下である。
差圧△Pは、圧力制御機構で制御することで調整可能である。
図1に、本発明によるタンデム型反応押出機の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。同図に示すように、第1押出機(1)と第2押出機(2)がタンデム型に配置されている。タンデム型とは、図1のような並列配列でも、第1押出機(1)と第2押出機(2)が直角に配列される直交配列のどちらでも構わない。第1押出機(1)の吐出口(6)は、接続部品(3)を介して、第2押出機(2)の原料供給口(7)に接続されている。
接続部品とは、例えば、樹脂流路形状が円管、L型管のようなものがあげられる。本発明に係る接続部品は、緩やかな樹脂流路の容積変化を有したものが好ましい。特に好ましくは、容積変化の無い樹脂流路を有した接続部品である。急激に容積が変化した樹脂流路を持つ接続部品では、樹脂と反応副生成物が発泡、分離して押出が変動し、反応が不均一になる為、好ましくない。
本発明のタンデム型押出機は、接続部品に圧力制御機構(4)を具備することにより、押出変動を抑制することができるようになり、第1押出機(1)−第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品(3)内圧力を制御できる。圧力制御機構とは、樹脂流路容積を変化させ、圧力損失を制御可能な装置である。本発明に係る好ましい圧力制御機構は、定流圧力弁、ギアポンプ、オリフィス等を例示することができる。圧力制御機構に於ける樹脂流路の容積を急激に変化させると、樹脂と反応副生成物が発泡や分離を起こす可能性があり、その結果押出が変動することがあり、反応が不均一になる為、定流圧力弁、オリフィス等が特に好ましい。
本発明において、圧力制御機構を取り付ける位置は、第2押出機原料供給口と第1押出機吐出口を接続する部品内であれば特に制限されないが、「第2押出機原料供給口と圧力制御機構との距離」が「第1押出機吐出口と圧力制御機構との距離」よりも短いことが好ましい。「第2押出機原料供給口と圧力制御機構との距離」が短ければ短いほど好ましく、第2押出機原料供給口に直結している場合が最も好ましい。「第2押出機原料供給口と圧力制御機構との距離」と「第1押出機吐出口と圧力制御機構との距離」が等しい場合または「第2押出機原料供給口と圧力制御機構との距離」よりも「第1押出機吐出口と圧力制御機構との距離」が短い場合及び第1押出機吐出口と圧力制御機構が直結している場合、圧力制御機構後の接続部品内で樹脂と反応副生成物が発泡したり、分離して押出が変動し、反応が不均一になる。また、圧力制御機構の種類によっては、圧力制御機構と、接続部品または第2押出機原料供給口(第2押出機で混練が開始される位置)が一体となっている場合などは、実体として生じる圧力差を△Pという。
本発明においては、原料は、固体状態の樹脂を用いることができ、第1押出機(1)の原料供給口(5)より、フィーダー装置等で供給され、押出機内で加熱溶融される。フィーダー装置としては、定重量フィーダー、定容積フィーダー等が挙げられる。押出機内で樹脂が溶融された後の部分に設けられた第1段目反応の副原料供給口(8)から、ポンプ等などの供給装置を用いて、固体、液体又は気体状態の副原料を供給し、樹脂と副原料の第1段目反応を行う。
第1押出機における第1段目反応生成物は樹脂吐出口から単離されることなく、樹脂吐出口に接続した接続部品を経由して第2押出機原料供給口へ導かれ、第2押出機へ投入される。
次いで、第2押出機(2)原料供給口(7)後に設けられたベント口(9)で、第1押出機から供給された第1押出機における反応生成物中の第1段目反応の未反応副原料、反応副生成物、分解物などを除去する。ベント口の圧力は大気圧下、または真空下等が挙げられ、好ましくは真空下である。又、ベント口は必要に応じて複数個設ける事も可能である。
第2押出機(2)への第2段目反応における固体、液体又は気体状態の副原料の供給は、第2段目反応の副原料供給口(10)から、ポンプ等を用いて供給し、第1押出機における反応生成物と副原料等による第2段目反応を行う。
次いで、第2押出機(2)の副原料供給口(10)より下流側にベント口(11)が設けられ、第2段目反応生成物中の未反応副原料、反応副生成物、分解物などを除去する。ベント口までの距離は、実施する反応の反応率などから適宜設定してやればよい。ベント口の圧力は大気圧下、または真空下等が挙げられ、好ましくは真空下である。又、ベント口は必要に応じて複数個設ける事も可能である。
更に、第2押出機(2)に於いては、第1段目反応生成物と第2段目副原料の第2段目反応を行わず、必要に応じて複数個のベントで第1段目反応の未反応副原料、反応副生成物、分解物などの脱揮のみを行う事も可能である。
触媒、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤等各種添加剤は、第1押出機(1)原料供給口(5)から原料樹脂と共に供給出来る。又、各種添加剤は必要に応じて、例えば、第2押出機(2)の添加剤供給口(12)からも供給出来る。添加剤供給口(12)からの各種添加剤の供給方法としては、サイドフィード法、押出機上部から添加する個別フィード法等が挙げられる。
本発明に於ける押出機としては、単軸押出機、同方向噛合型二軸押出機、同方向非噛合型二軸押出機、異方向噛合型二軸押出機、異方向非噛合型二軸押出機、多軸押出機等各種押出機が適用出来る。その中でも、特に、混錬/分散能力が高い点で各種二軸押出機を適用するのが好ましく、混錬/分散能力、生産性が高い事から同方向噛合型二軸押出機が更に好ましい。
本発明においては、前記タンデム型押出機を用いて第1押出機と第2押出機で異なる反応を行うことができる。
具体的には、第1押出機において主原料と副原料とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機において第1押出機における反応生成物をさらに他の副原料と処理する第2段目反応を行うことができる。
本製造方法によって得られる熱可塑性樹脂としては、上記のような製造方法で製造できる熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、例えば、イミド樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、マレイミド・オレフィン系樹脂、グルタルイミド系樹脂、ラクトン環含有重合体、グルタル酸無水物含有樹脂などの単独樹脂またはこれらを混合してなる樹脂組成物が挙げられる。好ましくはイミド樹脂である。
例えば、イミド樹脂を製造する方法として、第1押出機でアクリル系樹脂とイミド化剤とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機で第1押出機における反応生成物をさらにエステル化剤と処理する第2段目反応を行う反応をあげることができる。
その他の熱可塑性樹脂の製造方法として、ラクトン環含有重合体の製造法として、第1押出機では分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体をラクトン環化縮合反応させてラクトン環含有重合体(例えば、特開2000−230016号公報に記載)を得、さらに、重合により副生する酸成分をエステル基へ変性させるエステル化剤と処理する第一段目の反応を行い、第2押出機では揮発分を除く脱揮工程を行う反応をあげることができる。また、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体の製造法として、第1押出機では、無水マレイン酸・イソブテン共重合体(株式会社クラレ製、品名イソバン6)をメチルアミンと処理して、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体を合成し、第2押出機では揮発分を除く脱揮工程を行う反応をあげることができる。
ここでは、第1押出機でアクリル系樹脂とイミド化剤とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機で第1押出機における反応生成物をさらにエステル化剤と処理する第2段目反応を行い、イミド樹脂を得る製造法について、具体的に説明する。上記タンデム型反応押出機の第1押出機に於いて、先ずアクリル系樹脂を原料樹脂(主原料)として用い、これにアンモニア又は置換アミン等の第1段目反応の副原料(以下、イミド化剤と呼ぶ事がある)を処理した樹脂(以下、イミド樹脂中間体1と呼ぶ事がある)を得る事が出来る。
このイミド樹脂中間体1は、上記タンデム型反応押出機の第2押出機に於いて、第2段目反応の副原料(以下、エステル化剤と呼ぶ事がある)で処理し、必要により加熱処理等を行うことで、樹脂中に残存する酸成分(カルボキシル基および酸無水物基由来のモノ)の割合を制御する(以下、イミド樹脂中間体2と呼ぶ事がある)事が出来る。この際、エステル化剤によって処理する事無く、加熱処理等のみを行う事も出来る。第2押出機において、加熱処理(押出機内での溶融樹脂の混錬/分散)のみを行った場合、イミド樹脂中間体1におけるカルボキシル基同士の脱水反応および/またはカルボキシル基とアルキルエステル基の脱アルコール反応、等によりカルボキシル基の一部または全部を酸無水物基とする事が出来る。加熱処理温度は過剰な熱履歴による樹脂の分解、着色等を抑制する為に、反応温度は150〜400℃の範囲で行う。180〜320℃が好ましく、更には200〜280℃が好ましい。
更に、イミド樹脂中間体2を減圧脱揮等により、樹脂中に含まれるエステル化剤を除去し、本発明のイミド樹脂を得る事が出来る。
本発明のイミド樹脂中間体1及びイミド樹脂中間体2を得るには、イミド化或いは酸成分制御を進行させ、且つ、過剰な熱履歴による樹脂の分解、着色等を抑制する為に、反応温度は150〜400℃の範囲で行う。180〜320℃が好ましく、更には200〜280℃が好ましい。
前述のような製造方法以外でも、本発明のタンデム型反応押出機でイミド樹脂が得られる方法であれば、特に製造方法に制限はない。
この場合、主原料となるアクリル系樹脂としては、特に制限されないが、無水マレイン酸等の酸無水物又はそれらと炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルコールとのハーフエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸等をあげることができる。また、下記一般式(2)で示される繰り返し単位と下記一般式(3)で示される繰り返し単位からなるメタクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、又は一般式(2)で示される繰り返し単位からなるメタクリル酸メチル重合体等の(メタ)アクリル酸エステル重合体等があげられる。
Figure 2010077360
(但し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
Figure 2010077360
(但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
前記式(2)においてR4として好ましくは、水素原子であり、R5として好ましくはメチル基である。R6として好ましくはメチル基である。また、R7として好ましくは水素であり、R8として好ましくはフェニル基である。
本発明のイミド樹脂を製造する際に、先ずメチルメタクリレート−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、又はメタクリル酸メチル重合体等の(メタ)アクリル酸エステル重合体を重合し、これをイミド樹脂化する場合、本発明で用いる事ができる(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、イミド化反応が可能であれば、リニアー(線状)ポリマーであっても、またブロックポリマー、コアシェルポリマー、分岐ポリマー、ラダーポリマー、架橋ポリマーであっても構わない。ブロックポリマーはA−B型、A−B−C型、A−B−A型、又はこれら以外のいずれのタイプのブロックポリマーであっても構わない。コアシェルポリマーはただ一層のコア及びただ一層のシェルのみからなるものであっても、それぞれが多層になっていても構わない。
副原料としては、イミド化剤をあげることができる。イミド化剤としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン等の脂肪族炭化水素基含有アミン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン等の芳香族炭化水素基含有アミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式炭化水素基含有アミン、アンモニアなどが挙げられる。又、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素の如き、加熱によりこれらのアミンを発生する尿素系化合物を用いる事も出来る。これらのイミド化剤の内、コスト、物性の面からメチルアミン、アンモニア、シクロヘキシルアミンが好ましく、中でも、メチルアミンが特に好ましい。
イミド化剤の添加量は必要な物性を発現する為のイミド化率によって適宜決定してやればよい。好ましくは、主原料の100重量部に対して、1〜100重量部である。
エステル化剤としては、例えば、ジメチルカーボネート、2,2−ジメトキシプロパン、ジメチルスルホキシド、トリエチルオルトホルメート、トリメチルオルトアセテート、トリメチルオルトホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルサルフェート、メチルトルエンスルホネート、メチルトリフルオロメチルスルホネート、メチルアセテート、メタノール、エタノール、メチルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジメチル−t−ブチルシリルクロライド、イソプロペニルアセテート、ジメチルウレア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエトキシシラン、テトラ−N−ブトキシシラン、ジメチル(トリメチルシラン)フォスファイト、トリメチルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ジアゾメタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
エステル化剤の添加量は、必要な物性を発現する為の樹脂中に於ける酸成分の割合によって決定される。好ましくは、イミド樹脂中間体1の100重量部に対して、1〜100重量部である。
イミド樹脂中間体1をエステル化剤で処理、及び/又は加熱処理する際、又はイミド樹脂中間体2に対して、一般に用いられる触媒、酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤などを本発明の目的が損なわれない範囲で添加しても良い。
このように、本発明を有効に適応して合成する事の出来る熱可塑性樹脂としては、イミド樹脂などがあげられる。
イミド樹脂としては、たとえば、前述の方法で主原料及び副原料の種類や量を適宜設定することで種々のものを製造することができるが、具体的には下記一般式(1)で表される単位と、前記一般式(2)で表される単位及び/又は前記一般式(3)で表される単位とを有するものがあげられる。
Figure 2010077360
(但し、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
本発明のイミド樹脂を構成する、第一の構成単位は、前記一般式(1)で表されるものであり、一般的にグルタルイミド単位と呼ばれる事が多い(以下、一般式(1)をグルタルイミド単位と省略して示す事がある。)。
好ましいグルタルイミド単位としては、R1、R2が水素又はメチル基であり、R3が水素、メチル基、ブチル基、又はシクロヘキシル基である。R1がメチル基であり、R2が水素であり、R3がメチル基である場合が、特に好ましい。
該グルタルイミド単位は、単一の種類でもよく、R1、R2、R3が異なる複数の種類を含んでいても構わない。
尚、グルタルイミド単位は、上述したイミド樹脂を製造する方法において説明した主原料をイミド化する事により形成する事が可能である。
イミド樹脂を構成する、第二の構成単位は、前記一般式(2)で表されるものであり、一般的には(メタ)アクリル酸エステル単位と呼ばれる事が多い(ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルを示す。以下、一般式(2)を(メタ)アクリル酸エステル単位と省略して示す事がある。)。
イミド樹脂を製造する際に、先ず(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステル重合体を重合し、これを後イミド化して形成する場合、具体的に(メタ)アクリル酸エステル単位を残基として与える原料としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
これら第二の構成単位は、単一の種類でもよく、R4、R5、R6が異なる複数の種類を含んでいても構わない。同様に、前記(メタ)アクリル酸エステル単位を残基として与える原料も複数の種類を混合して用いても構わない。
本発明のイミド樹脂に必要に応じて含有させる第三の構成単位は、前記一般式(3)で表されるものであり、一般的には芳香族ビニル単位と呼ばれる事が多い(以下、一般式(3)を芳香族ビニル単位と省略して示す事がある。)
好ましい芳香族ビニル構成単位としては、R7が水素及びR8がフェニル基であるスチレン、R7がメチル基及びR8がフェニル基であるα−メチルスチレン等が挙げられる。これらの中でスチレンが特に好ましい。
これら第三の構成単位は、単一の種類でもよく、R7、R8が異なる複数の種類を含んでいても構わない。
イミド樹脂中の、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位の含有量は、例えばR3の構造にも依存するが、イミド樹脂の20重量%以上が好ましい。グルタルイミド単位の、好ましい含有量は、20重量%から95重量%であり、より好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは、50〜80重量%である。グルタルイミド単位の割合がこの範囲より小さい場合、得られるイミド樹脂の耐熱性が不足したり、透明性が損なわれる事がある。また、この範囲を超えると不必要に耐熱性、溶融粘度が上がり、成形加工性が悪くなる他、得られるフィルムの機械的強度は極端に脆くなり、又、透明性が損なわれる事がある。
イミド樹脂の、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は、必要とされる物性に応じて設定すればよく、特に制限されないが、イミド樹脂の総繰り返し単位を基準として、1重量%以上が好ましい。芳香族ビニル単位の、好ましい含有量は、1重量%から40重量%であり、より好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは、1〜25重量%である。芳香族ビニル単位がこの範囲より大きい場合、得られるイミド樹脂の耐熱性が不足する場合がある。この範囲より小さい場合、得られるフィルムの機械的強度が低下することがある。
主原料である、一般式(2)、(3)及び、副原料であるイミド化剤の割合を調整することで、一般式(1)で表される単位と、一般式(2)で表される単位及び/又は一般式(3)で表される単位とを任意の割合で含有するイミド樹脂を得ることができ、一般式(1)、(2)、(3)の割合を調整することで、各種要求される物性に調整する事が可能である。例えば、本発明のイミド樹脂を、先ずメチルメタクリレート−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を重合した後にイミド化して形成する場合、例えば(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニルの重合割合を調整することで一般式(3)の割合を決め(一般式(3)の割合を0とする事も可能)、更にイミド化時のイミド化剤の添加割合を調整する事で、更に一般式(1)、(2)の割合を調整する事ができる。
イミド樹脂には、必要に応じ、更に、第四の構成単位が共重合されていてもかまわない。第四の構成単位として、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を用いる事ができる。これらは熱可塑性樹脂中に、直接共重合してあっても良く、グラフト共重合してあっても構わない。第四の構成単位は、主原料中に含まれている事が好ましい。
本発明の製造法において得られるイミド樹脂中で、一般式(3)を含有するタイプは、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体中の各構成単位量及びグルタルイミド単位の含有量を調節する事で実質的に配向複屈折を有さない特徴を付与する事も可能である。また、一般式(3)の含有量を少なくしたり、一般式(3)を含有させなかったりすること、または、一般式(1)の含有量を増やすことで、正の配向複屈折を有するイミド樹脂を製造することもできる。配向複屈折とは所定の温度、所定の延伸倍率で延伸した場合に発現する複屈折の事をいう。本明細書中では、特にことわりのない限り、イミド樹脂のガラス転移温度より5℃高い温度で、一軸に100%延伸した場合に発現する複屈折の事をいうものとする。
ここで配向複屈折は、ポリマー構造由来の固有複屈折と分子配向状態に由来する配向分布関数の積であり、延伸軸方向の屈折率(nx)と、それと直行する軸方向の屈折率(ny)から、次式
△nor=nx−ny
で定義され、位相差計により測定される位相差Re(nm)を厚みd(μm)で割った値である。
配向複屈折△nor=Re/d
配向複屈折は上記したように、延伸軸方向の屈折率(nx)とそれと直行する軸方向の屈折率(ny)の差であるので、nxがnyより大きい場合は正の値を示し、逆にnxがnyより小さい場合は負の値を示す。前記のイミド樹脂においては、用いる用途に応じて配向複屈折の値を調節することが可能である。
実質的に配向複屈折を有さない前記イミド樹脂の配向複屈折の値としては、−0.1×10-3〜0.1×10-3である事が好ましく、−0.01×10-3〜0.01×10-3である事がより好ましい。
実質的に配向複屈折を有さないイミド樹脂を得る為には、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体中の各構成単位量を調節、更にイミド化の程度を調製する必要があり、一般式(1)で示される繰り返し単位と、一般式(3)で示される繰り返し単位が、重量比で0.5:1.0〜10.0:1.0の範囲にあることが好ましく、2.0:1.0〜9.0:1.0の範囲がより好ましく、3.0:1.0〜7.0:1.0の範囲が更に好ましく、4.0:1.0〜6.5:1.0の範囲がとりわけ好ましい。
又、本発明のイミド樹脂は、1×104ないし5×105の重量平均分子量を有する事が好ましい。熱可塑性樹脂の製造過程で、樹脂に対して過剰な熱履歴を与えると熱分解が生じ、重量平均分子量が1×104を下回る。更には、架橋が生じ、重量平均分子量が5×105を上回る場合もある。本発明に於ける熱可塑性樹脂の製造方法を適用すれば、熱可塑性樹脂の製造過程で、樹脂に対する熱履歴が低減でき、上記重量平均分子量の範囲を達成できる。重量平均分子量が1×104を下回る場合には、フィルムにした場合の機械的強度が不足し、5×105を上回る場合には、溶融押出時の粘度が高く、成形加工性が低下し、成形品の生産性が低下する事がある。
本発明のイミド樹脂に於けるガラス転移温度は110℃以上である事が好ましく、120℃以上である事がより好ましい。ガラス転移温度が上記の値を下回ると、耐熱性が要求される用途においては適用範囲が制限される。
本発明のイミド樹脂には、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂を添加する事が出来る。成形加工の際には、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤等を本発明の目的が損なわれない範囲で添加しても良い。
本発明を用いてイミド樹脂を合成する場合、得られるイミド樹脂は、イミド化率のバラツキが1%以内である新規な熱可塑性樹脂を得ることができる。
また、酸化のバラツキも0.1mmol/g以内であるイミド樹脂を得ることができる。
ここで、イミド化率のバラツキとは、イミド樹脂の生産開始後、イミド樹脂中間体1を得る反応が安定した後、30分の間で、生成する樹脂の単位時間(1分)当たりのイミド化率の最大値と最小値の差のことである。
酸成分のバラツキとは、イミド樹脂の生産開始後、イミド樹脂中間体1を得る反応、又はイミド樹脂中間体2を得る反応が安定した後、30分の間で、生成する樹脂の単位時間(1分)当たりの酸成分の最大値と最小値の差のことである。
本発明のイミド樹脂から得られる成形品は、例えば、カメラやVTR、プロジェクター用の撮影レンズやファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズ等の映像分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤーなどの光ディスク用ピックアップレンズ等のレンズ分野、CDプレイヤーやDVDプレイヤー、MDプレイヤー等の光ディスク用の光記録分野、液晶用導光板、偏光子保護フィルムや位相差フィルム等の液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルム等の情報機器分野、光ファイバ、光スイッチ、光コネクター等の光通信分野、自動車ヘッドライトやテールランプレンズ、インナーレンズ、計器カバー、サンルーフ等の車両分野、眼鏡やコンタクトレンズ、内視境用レンズ、滅菌処理の必要な医療用品等の医療機器分野、道路透光板、ペアガラス用レンズ、採光窓やカーポート、照明用レンズや照明カバー、建材用サイジング等の建築・建材分野、電子レンジ調理容器(食器)、家電製品のハウジング、玩具、サングラス、文房具、等に使用可能である。
本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)未反応成分の定量方法
生成物のペレット1gに含まれる未反応成分の量を、Dionex製DX−120液体捕集−イオンクロマトグラフ法により、加熱条件270℃(90分間)、流速200mL/min(窒素)で測定した。ここで、未反応成分とはイミド化剤として用いる成分モノメチルアミンのことである。
(2)イミド化率の測定
生成物のペレット1gをジクロロメタン5ccに溶解し、日本分光製FT/IR−4100を用いて、室温にてIRスペクトルを測定した。得られたスペクトルより、1720cm-1のエステルカルボニル基に帰属される吸収強度(Absester)と、1660cm-1のイミドカルボニル基に帰属される吸収強度(Absimide)の比からイミド化率を求めた。ここで、イミド化率とは全カルボニル基中のイミドカルボニル基の占める割合をいう。本実施例、比較例においては、製造開始1時間後から10分毎に60分間ペレットを採取し、上記方法でイミド化率の割合を測定した。得られた測定値の最大値と最小値の差をそれぞれイミド化率のバラツキとした。
(実施例1)
装置としては、図1に示すものと同等なものを使用した。タンデム型反応押出機に関しては、第1押出機(1)、第2押出機(2)共に直径75mm、L/D(押出機の長さLと直径Dの比)が74の同方向噛合型二軸押出機を使用し、コイルスクリュ式定容積フィーダー(クボタ(株)製)を用いて、第1押出機原料供給口に原料樹脂を供給した。第1段目反応副原料(イミド化剤)、第2段目反応副原料(エステル化剤)の供給位置は図1に示すものと同等とした。又、第1押出機、第2押出機に於けるベントの位置も図1に示すものと同等とし、ベント(10)(12)の減圧度は−0.1MPa、ベント(9)の減圧度を−0.003MPaとした。更に、直径38mm、長さ1.8mの配管で第1押出機と第2押出機を接続し(接続部品(3))、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力制御機構(4)には定流圧力弁を用いた。第2押出機から吐出された樹脂(ストランド)は、水槽で冷却した後、ペレタイザーでカッティングしペレットとした。ここで、第1押出機の樹脂の吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力調整、又は押出変動を見極める為に、第1押出機出口、第1押出機と第2押出機接続部品中央部、第2押出機出口に樹脂圧力計を設けた。
第1押出機に関して、原料樹脂として、市販のメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(新日鐵化学(株)製MS−800)を使用し、イミド化剤として、モノメチルアミンを用いてイミド樹脂中間体1を製造した。この際、押出機各バレル温度を260℃、スクリュ回転数は60rpm、原料樹脂供給量は150kg/時間、モノメチルアミンの添加量は原料樹脂100部に対して16部とした。又、圧力調整機構の第1押出機側圧力を5.6MPa、第2押出機側圧力を0.1MPaにし差圧△P5.5MPaになるように調整した。
第2押出機に関して、エステル化剤として炭酸ジメチルとトリエチルアミンの混合溶液を用いてイミド樹脂中間体2を製造した。この際、押出機各バレル温度を260℃、スクリュ回転数は55rpm、炭酸ジメチルの添加量は原料樹脂100部に対して4部とした。更に、ベントでエステル化剤を除去し、イミド樹脂を得た。
上記条件で約2時間の製造を行い、得られたイミド樹脂のイミド化率70%に対してバラツキは1%、未反応成分は0ppmであった。
(実施例2)
第2押出機でのベントにより圧力調整機構での脱揮効果が確認しにくくなるため、第2押出機ではエステル化は行わず、さらに第2押出機でのベントの減圧をやめた以外は、実施例1と同様の方法で製造したイミド樹脂のイミド化率70%に対してバラツキは1%、未反応成分は8ppmであった。
(比較例1)
圧力制御機構を使用せず差圧が発生しない以外は、実施例1と同様の方法で製造したイミド樹脂はイミド化率が50%と反応が不十分であった。
(比較例2)
第1押出機と第2押出機を接続せずに、第1押出機でイミド化反応を行って、押し出されたストランドをペレットとした以外は、実施例2と同じ条件で行った。ただし、実際に使用した反応押出機は図2に示すとおりであり、L/Dは90であった。その他の条件は実施例2と同じ条件で実施した。
結果、得られたイミド樹脂のイミド化率70%に対してバラツキは1%、未反応成分は20ppmであった。
Figure 2010077360
本発明によるタンデム型反応押出機の構成図である。 本発明の比較例2における反応押出機の構成図である。
符号の説明
1 第1押出機
2 第2押出機
3 接続部品
4 第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機原料供給口を接続する部品内圧力制御機構
5 第1押出機原料供給口
6 第1押出機吐出口
7 第2押出機原料供給口
8 第1段目反応の副原料供給口
9 第2押出機ベント口
10 第2押出機ベント口
11 第2段目反応の副原料供給口
12 第2押出機ベント口
13 各種添加剤供給口
14 押出機
15 原料供給口
16 反応の副原料供給口
17 ベント口

Claims (4)

  1. 第1押出機、第2押出機、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品、及び、第1押出機の樹脂吐出口と第2押出機の原料供給口を接続する部品内圧力制御機構を有するタンデム型押出機を用いて、第1押出機において主原料と副原料とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機において、第1押出機における反応生成物をさらに他の副原料と処理する第2段目反応を行う熱可塑性樹脂の製造方法であって、「圧力制御機構の第1押出機側圧力」と「第2押出機側圧力」の差圧△Pが2MPa以上10MPa以下であることを特徴とする製造方法。
  2. 前記タンデム型反応押出機に於いて、第1押出機と第2押出機それぞれが二軸押出機である事を特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 第1押出機においてアクリル系樹脂とイミド化剤とを処理する第1段目反応を行い、第2押出機において第1押出機における反応生成物をさらにエステル化剤と処理する第2段目反応を行うことを特徴とする、請求項1〜2の何れかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂が下記一般式(1)で表される単位と、下記一般式(2)で表される単位及び/又は下記一般式(3)で表される単位とを有するイミド樹脂である事を特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
    Figure 2010077360
    (但し、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
    Figure 2010077360
    (但し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数5〜15の芳香環を含む置換基を示す。)
    Figure 2010077360
    (但し、R7は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、炭素数6〜10のアリール基を示す。)
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