JP2010077864A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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知由 小郷
Akitoshi Tomota
晃利 友田
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Tomoyuki Ono
智幸 小野
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Katsuhiro Ito
勝広 伊藤
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Abstract

【課題】吸気温及び過給圧を適切に制御することによって、低NOx及び低スモークを実現する。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、低NOx及び低スモークとなるように過給圧及び吸気温の制御を行う。具体的には、制御手段は、過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合には低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定すると共に、過給圧が第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が第2の所定温度未満である場合には高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。これにより、低NOx及び低スモークとなるように目標吸気温を設定して吸気温のみを制御する場合、及び低NOx及び低スモークとなるように目標過給圧を設定して過給圧のみを制御する場合と比較して、NOxをより低減することができると共に、スモークをより低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、NOxなどの低減を目的として、過給圧や吸気温などの制御を行う内燃機関の制御装置に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1及び2に記載されている。特許文献1には、高負荷・高過給時にEGRクーラにより吸気温を低下させることで、燃焼時の(圧縮端)最高温度を低下させて、NOxと粒子状物質とを低減する技術が提案されている。また、特許文献2には、高過給・高EGRにより低NOxを実現すると共に、EGRクーラによりEGRガスの温度を低下させることでスモークの悪化を抑制する技術が提案されている。
特開2003−176741号公報 特開2005−147010号公報
ここで、さらなる低NOx及び低スモークを実現するためには、吸気温を低下させる制御及び過給圧を上げる制御の両方を行うことが考えられる。また、近年、過給圧を上げることで噴霧微粒化促進や局所リッチ回避などにより、スモークが改善されることがわかってきている。
しかしながら、上記のように高過給圧化及び低吸気温化を実行しようとした場合、気体の状態方程式により、低吸気温化により、過給圧(吸気圧)も低下することが考えられる。つまり、高過給化によりスモークを低減する方向に制御しても、低吸気温化を進めた場合には、圧力と温度とは比例関係にあるため、同時に吸気圧も低下するものと考えられる。したがって、前述したような高過給化によるスモーク低減効果が目減りしてしまうものと考えられる。
なお、上記した特許文献1及び2には、低NOx及び低スモークとなるように、吸気温及び過給圧の両方を制御することについての記載はない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、吸気温及び過給圧を適切に制御することによって、低NOx及び低スモークを実現することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、目標過給圧を設定して過給圧の制御を行うと共に、目標吸気温を設定して吸気温の制御を行う制御手段を備えた内燃機関の制御装置は、前記制御手段は、過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定し、過給圧が前記第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度未満である場合には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。
上記の内燃機関の制御装置は、低NOx及び低スモークとなるように過給圧及び吸気温の制御を行う。具体的には、制御手段は、過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合(つまり高過給圧及び高吸気温の領域である場合)には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。また、制御手段は、過給圧が第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度未満である場合(つまり低過給圧及び低吸気温の領域である場合)には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。これにより、低NOx及び低スモークとなるように目標吸気温を設定して吸気温のみを制御する場合、及び低NOx及び低スモークとなるように目標過給圧を設定して過給圧のみを制御する場合と比較して、NOxをより低減することができると共に、スモークをより低減することができる。つまり、低NOx及び低スモークとなるように低吸気温化する制御、及び低NOx及び低スモークとなるように高過給圧化する制御と比較して、NOx及びスモークを効果的に低減することが可能となる。
本発明の他の観点では、目標過給圧を設定して過給圧の制御を行うと共に、目標吸気温を設定して吸気温の制御を行う制御手段を備えた内燃機関の制御装置は、前記制御手段による目標吸気温は、低NOx及び低スモークとなるように吸気温のみを制御する場合に設定される目標吸気温よりも高温側に設定されており、前記制御手段による目標過給圧は、低NOx及び低スモークとなるように過給圧のみを制御する場合に設定される目標過給圧よりも低圧側に設定されている。これによっても、NOx及びスモークを効果的に低減することができる。
上記の内燃機関の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記過給圧の制御及び前記吸気温の制御のいずれの制御を行うことによって、前記目標吸気温及び前記目標過給圧により早く近付くかを判断し、当該判断に基づいて制御を行う。これにより、目標吸気温及び目標過給圧に速やかに到達させることが可能となる。
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両100の概略構成を示すブロック図である。なお、図1において、実線の矢印は吸気及び排気の流れを示し、破線の矢印は信号の入出力を示す。
車両100は、主に、エンジン(内燃機関)10と、燃料噴射弁15と、吸気温センサ16と、過給圧センサ17と、吸気通路20と、エアフロメータ21と、スロットルバルブ22と、ターボチャージャ23と、インタークーラ(IC)24と、排気通路25と、触媒30と、高圧EGR装置50と、低圧EGR装置51と、ECU(Engine Control Unit)7と、を備える。
エンジン10は、直列4気筒のディーゼルエンジンとして構成され、車両100における走行用動力源を出力する。エンジン10の各気筒は、吸気マニホールド11及び排気マニホールド12に接続されている。エンジン10は、各気筒に設けられた燃料噴射弁15と、各燃料噴射弁15に対して高圧の燃料を供給するコモンレール14とを備え、コモンレール14には不図示の燃料ポンプにより燃料が高圧状態で供給される。
吸気マニホールド11に接続された吸気通路20には、エンジン10への吸入空気量(新気量)を検出するエアフロメータ21と、吸気を過給するターボチャージャ23のコンプレッサ23aと、吸気を冷却するインタークーラ24と、吸入空気量を調整するスロットルバルブ22と、が設けられている。エアフロメータ21は、検出した吸入空気量に対応する検出信号S21をECU7に供給する。また、インタークーラ24は、通過する吸気を冷却する効率を可変に構成されている。例えば、インタークーラ24は、内部に流れる冷却水の流量を可変に構成されている。この場合、インタークーラ24は、ECU7から供給される制御信号S24によって、その冷却効率(以下、単に「IC効率」とも呼ぶ。)が調整される。更に、吸気マニホールド11には、吸気温を検出する吸気温センサ16、及び過給圧を検出する過給圧センサ17が設けられている。吸気温センサ16及び過給圧センサ17は、それぞれ検出した吸気温及び過給圧に対応する検出信号S16、S17をECU7に供給する。
排気マニホールド12に接続された排気通路25には、排気ガスのエネルギーによって回転されるターボチャージャ23のタービン23bと、排気ガスを浄化可能な触媒30と、が設けられている。ターボチャージャ23は、例えば、低中速域で過給能力の大きい小容量の低速型の過給機として構成されている。なお、このような小型のターボチャージャ23を用いた場合には、大型のターボチャージャと比較して、ターボ効率最適点が低流量側にずれるため、パーシャル域(低流量域)で効果的に過給圧を上昇させることが可能となる。また、ターボチャージャ23には、ターボチャージャ23による過給圧を調整可能な可変ノズル(VN(Variable Nozzle))44が設けられている。可変ノズル44は、ECU7から供給される制御信号S44に基づいて制御される。更に、触媒30としては、例えば酸化触媒やDPF(Diesel Particulate Filter)などが用いられる。
また、車両100は、タービン23bの上流側からコンプレッサ23aの下流側に排気ガスを還流させる高圧EGR装置(HPL(High Pressure Loop)EGR装置)50、及び、タービン23b及び触媒30の下流側からコンプレッサ23aの上流側に排気ガスを還流させる低圧EGR装置(LPL(Low Pressure Loop)EGR装置)51を備える。高圧EGR装置50は、高圧EGR通路31及び高圧EGR弁33を有する。高圧EGR通路31は、排気通路25のタービン23bの上流位置と、吸気通路20のインタークーラ24より下流位置とを接続する通路である。また、高圧EGR通路31には、還流される排気ガスを冷却する高圧EGRクーラ32、及び還流させる排気ガス量を制御するための高圧EGR弁33が設けられている。高圧EGR弁33は、ECU7から供給される制御信号S33によって開閉などが制御される。
一方、低圧EGR装置51は、低圧EGR通路35と、低圧EGRクーラ36と、低圧EGR弁37とを有する。低圧EGR通路35は、排気通路25上の触媒30における下流位置と、吸気通路20のコンプレッサ23aにおける上流位置とを接続する通路である。また、低圧EGR通路35上には、還流される排気ガスを冷却する低圧EGRクーラ36、及び還流させる排気ガス量を制御するための低圧EGR弁37が設けられている。低圧EGR弁37は、ECU7から供給される制御信号S37によって開閉などが制御される。
ECU7は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えて構成される。ECU7は、車両100に設けられた各種センサの出力を取得し、これに基づいて車両100の各構成要素に対する制御を行う。本実施形態では、ECU7は、主に、前述したセンサから取得される吸入空気量、吸気温、及び過給圧などに基づいて、過給圧の制御を行うと共に、吸気温の制御を行う。具体的には、ECU7は、可変ノズル44の開度や、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度などを制御することで、過給圧の制御を行う。また、ECU7は、インタークーラ24へ流す冷却水の流量を制御することでIC効率を調整したり、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度を制御することで、EGR量や高圧EGR装置50より還流させるEGR量と低圧EGR装置51より還流させるEGR量との比率などを調整したりすることで、吸気温の制御を行う。
例えば、ECU7は、インタークーラ24へ流す冷却水の流量を増量することで吸気温を低下させたり、インタークーラ24へ流す冷却水の流量を減量することで吸気温を上昇させたりする。また、ECU7は、高圧EGR装置50よりも低圧EGR装置51より還流されるEGR量が多くなるように、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度を制御する(例えば、高圧EGR弁33を閉側に制御すると共に低圧EGR弁37を開側に制御する)ことで、吸気温を低下させる。更に、ECU7は、低圧EGR装置51よりも高圧EGR装置50より還流されるEGR量が多くなるように、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度を制御する(例えば、高圧EGR弁33を開側に制御すると共に低圧EGR弁37を閉側に制御する)ことで、吸気温を上昇させる。なお、高圧EGRクーラ32及び/又は低圧EGRクーラ36の冷却効率を可変に構成した場合には、ECU7は、当該冷却効率を調整することで吸気温の制御を行うことができる。
また、ECU7は、基本的には、ターボチャージャ23の使用域などにより、最適な吸入空気量(新気量)、過給圧、吸気温の目標値を実験などによりマップ化し、当該マップに基づいて制御を行う。更に、過渡状態においては当該マップとのずれが生じる傾向にあるが、この場合には、ECU7は、センサから取得される吸入空気量、吸気温、及び過給圧に基づいて制御を行う。
このように、ECU7は、本発明における内燃機関の制御装置に相当し、制御手段として機能する。なお、ECU7は車両100における他の構成要素の制御も行うが、本実施形態と特に関係の無い部分については説明を省略する。
[制御方法]
以下で、本実施形態における制御方法について具体的に説明する。本実施形態においては、ECU7は、低NOx及び低スモークとなるように目標吸気温及び目標過給圧を設定して、吸気温及び過給圧を制御する。即ち、ECU7は、吸気温及び過給圧の両方を最適に制御することで、低NOx及び低スモークを実現する。
具体的には、ECU7は、現在の過給圧及び吸気温が高過給圧及び高吸気温の領域である場合には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定し、現在の過給圧及び吸気温が低過給圧及び低吸気温の領域である場合には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定して、吸気温及び過給圧を制御する。詳しくは、ECU7は、過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。また、ECU7は、過給圧が第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が第1の所定温度よりも低い第2の所定温度未満である場合には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定する。
なお、過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合とは、低NOx及び低スモークとなるような制御を行う必要があるような高過給圧及び高吸気温の領域に、現在の過給圧及び吸気温が存在する場合に相当する。また、過給圧が第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が第2の所定温度未満である場合とは、低NOx及び低スモークとなるような制御を行う必要があるような低過給圧及び低吸気温の領域に、現在の過給圧及び吸気温が存在する場合に相当する。なお、第1及び第2の所定圧力と、第1及び第2の所定温度とは、例えば、エミッションなどを考慮して車種ごとに設定されて、ECU7内の記憶媒体(メモリ)に記憶される。
上記の制御を言い換えると、ECU7は、低NOx及び低スモークとなるように目標吸気温及び目標過給圧を設定して吸気温及び過給圧を制御する制御(以下、「吸気温・過給圧制御」と呼ぶ。)における目標吸気温を、低NOx及び低スモークとなるように吸気温のみを制御する場合に設定される目標吸気温よりも高温側に設定する。また、ECU7は、当該吸気温・過給圧制御における目標過給圧を、低NOx及び低スモークとなるように過給圧のみを制御する場合に設定される目標過給圧よりも低圧側に設定する。
ここで、図2及び図3を参照して、上記のような制御を行う理由などを具体的に説明する。
図2は、過給圧(吸気圧に相当する)と排出されるNOx量との関係の一例を示した図である。具体的には、図2は、横軸に過給圧を示し、縦軸にNOx量を示している。また、このような関係は、回転負荷を概ね一定に維持すると共に、吸気温を概ね一定に維持した際に得られたものに相当する。図2より、過給圧が高くなるほど、NOx量が少なくなっていることがわかる。これは、過給圧を上昇させたことにより、噴霧微粒化促進や局所リッチ回避などでスモークが改善し、EGR量を増量できたため、NOx量が低減したものと考えられる。つまり、過給圧を高過給圧にしてスモークが低減したことで、吸入空気量(新気量)を高吸入空気量に維持したままEGR量を増量できたことによりNOx量が低減したものと考えられる。
図3は、吸気温と排出されるNOx量との関係の一例を示した図である。具体的には、図3は、横軸に吸気温を示し、縦軸にNOx量を示している。また、このような関係は、回転負荷を概ね一定に維持すると共に、過給圧を概ね一定に維持した際に得られたものに相当する。更に、実線A1は、比較的低過給圧である際における吸気温とNOx量との関係の一例を示しており、破線A2は、比較的高過給圧である際における吸気温とNOx量との関係の一例を示している。実線A1より、吸気温が低くなるほど、NOx量が少なくなっていることがわかる。これは、吸気温が低くなることで、燃焼温度が下がったために、NOx量及びスモークが低減したものと考えられる。
また、破線A2より、高過給圧である場合には、低過給圧である場合(実線A1参照)と比較して、NOx量が少ないことがわかる。しかしながら、破線A2より、基本的には吸気温が低くなるほどNOx量が少なくなる傾向があるが、ある程度吸気温が低くなるとNOxが増加していることがわかる(破線領域R1参照)。このようにNOxが増加しているのは、吸気温の低下に伴い燃焼が緩慢になり、未燃焼のHCが増大することを改善するため(つまりHCの排出クライテリアを超えないようにするため)、EGR量を低減したことにより燃焼室内の燃焼温度が上昇して、サーマルNOxが増大したからであると考えられる。よって、高過給圧化によりスモークを低減する方向に制御しても、低吸気温化を進めた場合には、高過給圧化によるスモーク低減効果が目減りしてしまうと言える。特に、ターボチャージャを小型化することで、高過給可能に構成した場合には、このような問題が顕著になるものと考えられる。
なお、上記とは逆に、高過給圧化を進めた場合(つまり、過給圧のみを制御した場合)には、高過給圧化により吸気温も同時に上昇するものと考えられる。つまり、高過給圧化を進めた場合には、吸気温も高温化する傾向にあるため、低吸気温化によるNOx低減の効果が目減りしてしまうことが考えられる。
ここで、図2及び図3の実線A1に示すような関係によれば、低吸気温及び高過給圧の双方を適切に実現できた場合には、NOx及びスモークが最適になるものと考えられる。しかしながら、図3の破線A2で示したように、実際には、ある程度吸気温が低くなるとNOxが増加する傾向にある。つまり、吸気温の低下に伴い燃焼が緩慢になり、未燃焼のHCが増大することを改善するためにEGR量を低減したことにより、燃焼室内の燃焼温度が上昇してサーマルNOxが増大する傾向にある。よって、単純に吸気温を低下させるだけではNOxを十分に低減することは困難であり、最適な吸気温に制御する必要があると考えられる。
したがって、本実施形態では、吸気温と過給圧とのバランスが取れ、NOx及びスモークが最小となるような吸気温及び過給圧に制御する。具体的には、ECU7は、低NOx及び低スモークとなるように吸気温のみを制御する場合に設定される目標吸気温よりも高温側に目標吸気温を設定すると共に、低NOx及び低スモークとなるように過給圧のみを制御する場合に設定される目標過給圧よりも低圧側に目標過給圧を設定して、吸気温・過給圧制御を行う。これにより、低NOx及び低スモークとなるように目標吸気温を設定して吸気温のみを制御する場合、及び低NOx及び低スモークとなるように目標過給圧を設定して過給圧のみを制御する場合と比較して、NOxをより低減することができると共に、スモークをより低減することができる。具体的には、低NOx及び低スモークとなるように低吸気温化する制御、及び低NOx及び低スモークとなるように高過給圧化する制御と比較して、NOx及びスモークを効果的に低減することが可能となる。
ここで、吸気温がある程度低く、過給圧がある程度低い状態(以下、「第1状態」と呼ぶ。)と、吸気温がある程度高く、過給圧がある程度高い状態(以下、「第2状態」と呼ぶ。)とを例に挙げて、排出されるNOx量及びスモークを比較する。具体的には、第1状態及び第2状態の両方について、筒内の状態(吸入空気量、EGR量、噴射量)を合わせて、スモークが所定値となるまでEGR量を増量するような制御を行った場合を比較する。なお、第1状態よりも第2状態のほうが、吸気温が高く、過給圧が高いものとする。
この場合、第2状態においては、高過給圧による噴霧微粒化促進の効果を得ることができ、第1状態と比較して、スモークが低減すると考えられる。そのため、スモークが低減した分だけEGR量を増量でき、NOxが低減すると言える。即ち、吸気温がある程度高く、過給圧がある程度高い場合のほうが、吸気温がある程度低く、過給圧がある程度低い場合よりも、スモークが低減して、NOxが低減すると言える。
次に、図4を参照して、ECU7が行う制御を具体的に説明する。図4は、過給圧(横軸)と吸気温(縦軸)とに対するNOx量(等高線で示す)の関係を模式的に表した図である。図4中の直線B1は、気体の状態方程式に従った吸気温と過給圧との関係の一例を示している。つまり、吸気温及び過給圧を変化させた場合には、例えば直線B1に示すような関係に従って変化する傾向にあると言える。この場合、白抜き矢印C1で示すように低過給圧及び低吸気温の領域ではNOx量が大きくなる傾向にあり、白抜き矢印C2で示すように高過給圧及び高吸気温の領域ではNOx量が大きくなる傾向にある。なお、低NOx及び低スモークとなるように吸気温のみを制御した場合には、吸気温を低下させる制御が行われるため、白抜き矢印C1で示すように、NOx量が大きくなる傾向にあると言える。また、低NOx及び低スモークとなるように過給圧のみを制御した場合には、過給圧を上昇させる制御が行われるため、白抜き矢印C2で示すように、NOx量が大きくなる傾向にあると言える。
更に、図4において、斜線領域R2は、NOx及びスモークが最適となるような過給圧及び吸気温の領域に相当する。具体的には、斜線領域R2は、吸気温と過給圧とのバランスが取れ、NOx及びスモークが最小となるような領域に相当する。このような斜線領域R2は、例えば運転条件ごとにマップとして設定されたり、若しくは運転条件ごとに所定の演算式により求められたりする。
本実施形態では、ECU7は、このような領域R2内に吸気温及び過給圧が入るように、吸気温及び過給圧を制御する。具体的には、ECU7は、現在の過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ現在の吸気温が第1の所定温度以上である場合には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定し、現在の過給圧が第2の所定圧力未満で、且つ現在の吸気温が第2の所定温度未満である場合には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定して、吸気温・過給圧制御を行う。この場合、ECU7は、予め設定したマップ若しくは所定の演算式に基づいて、目標過給圧及び目標吸気温を求めて、吸気温・過給圧制御を行う。このような吸気温・過給圧制御によれば、吸気温のみを制御した場合及び過給圧のみを制御した場合と比較して、NOxをより低減することができると共に、スモークをより低減することができる。
また、本実施形態では、ECU7は、上記したような吸気温・過給圧制御の開始後において(詳しくは、吸気温・過給圧制御の実行後において、未だ目標過給圧及び目標吸気温に達していない際)、過給圧の制御及び吸気温の制御のいずれの制御を行うことによって、目標吸気温及び目標過給圧により早く近付くかを判断し、当該判断に基づいて制御を行う。具体的には、ECU7は、前述したセンサから吸入空気量、吸気温、及び過給圧を取得して、気体の状態方程式に基づいて、過給圧の制御及び吸気温の制御のどちらによって目標値(例えば破線領域R2に示すような目標領域)に早く、より近付くかを判断して、制御を実行する。つまり、より早く近付くと判断されたほうの制御(吸気温のみに対する制御、及び過給圧のみに対する制御のいずれか)を実行する。これにより、目標吸気温及び目標過給圧に速やかに到達させることが可能となる。
図5は、このような本実施形態における制御処理を示すフローチャートである。当該処理は、ECU7によって繰り返し実行される。また、当該処理は、上記した吸気温・過給圧制御の開始後に行われる。
まず、ステップS101では、ECU7は、エアフロメータ21、吸気温センサ16、及び過給圧センサ17のそれぞれから、吸入空気量、吸気温、及び過給圧を取得する。そして、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、ECU7は、過給圧の制御のほうが、吸気温の制御よりも、より早く目標値に近付くか否かを判定する。具体的には、ECU7は、ステップS101で取得された吸入空気量、吸気温、及び過給圧を状態方程式に代入することで、過給圧の制御及び吸気温の制御のどちらの制御を行うことによって、目標値(例えば破線領域R2に示すような目標領域)により早く近付くかを判断する。例えば、ECU7は、過給圧の制御を行う場合と吸気温の制御を行う場合とで、それぞれ、状態方程式より得られた値と目標値との差を求めて、この差が小さいほうの制御を、目標値により早く近付く制御であると判断する。
過給圧の制御のほうが吸気温の制御よりも、より早く目標値に近付く場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進む。この場合、ECU7は、過給圧の制御を行う(ステップS103)。具体的には、ECU7は、可変ノズル44の開度や、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度などを制御することで、過給圧の制御を行う。一例としては、ECU7は、過給圧が目標過給圧をオーバーシュートすることを許容して、過給圧の制御を行う。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
吸気温の制御のほうが過給圧の制御よりも、より早く目標値に近付く場合(ステップS102;No)、処理はステップS104に進む。この場合、ECU7は、吸気温の制御を行う(ステップS104)。具体的には、ECU7は、インタークーラ24へ流す冷却水の流量を制御することでIC効率を調整したり、高圧EGR弁33及び低圧EGR弁37の開度を制御することで、EGR量や高圧EGR装置50より還流させるEGR量と低圧EGR装置51より還流させるEGR量との比率などを調整したりすることで、吸気温の制御を行う。一例としては、ECU7は、吸気温が目標吸気温をオーバーシュートすることを許容して、吸気温の制御を行う。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
なお、ECU7は、吸気温のみが目標吸気温に達し、過給圧が目標過給圧に達しない場合には、当該目標過給圧を緩和することができる。例えば、ECU7は、現在の過給圧に比較的近い圧力に目標過給圧を変更する。これに対して、ECU7は、過給圧のみが目標過給圧に達し、吸気温が目標吸気温に達しない場合には、当該目標吸気温を緩和することができる。例えば、ECU7は、現在の吸気温に比較的近い温度に目標吸気温を変更する。このように目標過給圧若しくは目標吸気温を緩和することにより、吸気温と過給圧とが比例関係に従って変化することに起因して、高過給圧化によるスモーク低減の効果が目減りしたり、低吸気温化によるNOx低減の効果が目減りしたりすることを適切に抑制することが可能となる。
更に、ECU7は、吸気温が目標吸気温からずれている場合には、過給圧によってフィードバック制御を実行することができる。つまり、過給圧をフィードバック対象として制御を行うことができる。こうするのは、吸気温よりも過給圧のほうが、制御における応答性が良い傾向にあるからである。このように過給圧によってフィードバック制御を行うことにより、制御性を適切に向上させることが可能となる。
本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両の概略構成図を示す。 過給圧(吸気圧)とNOx量との関係の一例を示した図である。 吸気温とNOx量との関係の一例を示した図である。 過給圧と吸気温とに対するNOx量の関係を模式的に表した図である。 本実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
7 ECU
10 エンジン(内燃機関)
16 吸気温センサ
17 過給圧センサ
20 吸気通路
21 エアフロメータ
23 ターボチャージャ
23a コンプレッサ
23b タービン
24 インタークーラ
25 排気通路
30 触媒
50 高圧GR装置
51 低圧EGR装置
100 車両

Claims (3)

  1. 目標過給圧を設定して過給圧の制御を行うと共に、目標吸気温を設定して吸気温の制御を行う制御手段を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記制御手段は、
    過給圧が第1の所定圧力以上で、且つ吸気温が第1の所定温度以上である場合には、低過給圧側及び低吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定し、
    過給圧が前記第1の所定圧力よりも低い第2の所定圧力未満で、且つ吸気温が前記第1の所定温度よりも低い第2の所定温度未満である場合には、高過給圧側及び高吸気温側に目標過給圧及び目標吸気温を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 目標過給圧を設定して過給圧の制御を行うと共に、目標吸気温を設定して吸気温の制御を行う制御手段を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記制御手段による目標吸気温は、低NOx及び低スモークとなるように吸気温のみを制御する場合に設定される目標吸気温よりも高温側に設定されており、
    前記制御手段による目標過給圧は、低NOx及び低スモークとなるように過給圧のみを制御する場合に設定される目標過給圧よりも低圧側に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記過給圧の制御及び前記吸気温の制御のいずれの制御を行うことによって、前記目標吸気温及び前記目標過給圧により早く近付くかを判断し、当該判断に基づいて制御を行う請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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