JP2010096548A - 非水電解質二次電池検査装置 - Google Patents

非水電解質二次電池検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非水電解質二次電池内部の電極間に存在する気泡およびX線吸収率の低い異物を検出することができる非水電解質二次電池検査装置を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池100に平行X線310を照射するX線照射手段300を設け、X線照射手段によって照射された平行X線が非水電解質二次電池を透過したときに生ずる透過X線311を、屈折像によりX線検知手段320で検知する。
【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池検査装置に関し、より詳細には、平行X線の照射により電池内部の気泡およびX線吸収率の低い異物を検出する非水電解質二次電池検査装置に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、非水電解質電池(非水系溶媒型二次電池とも称される)、中でもあらゆる種類の非水電解質電池の内でも最も高い理論エネルギ密度を有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
かかるリチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続されてなる発電要素(積層構造体)を有する。また、外部へ電力を取り出す目的で、発電要素には電極端子(正極端子および負極端子)が電気的に接続されている。発電要素は、金属またはラミネートシートの中に、電極端子が外部に導出するように収容されるのが一般的である。
このように、発電要素が金属またはラミネートで覆われた構造を有している電池は、電池内部の検査が困難である。
周知のように、従来、電池の内部形状を検査するのにX線撮影を用いている(特許文献1)。
特開2004−171960号公報
しかし、X線撮影を用いても、電池内部の異物については、金属などX線吸収率の高い材料でないと検出することができなかった。また、電極間に存在する気泡については、X線を用いたとしても、集電箔のX線吸収率が高いために鮮明な透過像が得にくく、透過X線に含まれる情報に重なりが大きく必要な情報が埋もれてしまうことから、検出がより困難であった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、電極間に存在する気泡および電池内部のX線吸収率の低い異物を高精度で検出することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る非水電解質二次電池検査装置は、平行X線を非水電解質二次電池に照射することによる平行X線の屈折を利用する。すなわち、本発明に係る非水電解質二次電池検査装置は、X線照射手段とX線検知手段とを備え、X線照射手段は、非水電解質二次電池に平行X線を照射するために用いられる。そして、X線検知手段は、非水電解質二次電池を透過した透過X線を屈折像により検知するために用いられる。
本発明に係る非水電解質二次電池検査装置によれば、非水電解質二次電池に平行X線を照射し、屈折現象による透過X線の輪郭強調効果を利用できるようにしたので、電池内部の電極間に存在する気泡およびX線吸収率の低い異物を高精度に検出することができる。
以下に、本発明に係る非水電解質二次電池検査装置について、第1、第2実施形態に分けて詳細に説明する。
これらの実施形態の説明をする前に、本発明の理解を容易なものとするために、非水電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池について簡単に説明する。ここでは、扁平型のリチウムイオン二次電池(積層型)について説明するが、本発明はその他のリチウムイオン二次電池にも適用できることは勿論である。たとえば、リチウムイオン二次電池は、本実施の形態で示した扁平型のリチウムイオン二次電池に限らず、捲回型のリチウムイオン二次電池であってもよい。
図1は、リチウムイオン二次電池の外観図である。図2は、図1に示すリチウムイオン二次電池の断面図である。なお、本明細書において「二次電池の電極」とは、発電要素120の正極および負極を指す。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、たとえば、長方形状の扁平な形状を有し、その両側部からそれぞれ電力を取り出すための正極タブ110Aおよび負極タブ110Bが引き出される。発電要素120は、リチウムイオン二次電池100の外装材(たとえば、ラミネートフィルム)130によって包まれ、その周囲は熱融着されており、正極タブ110Aおよび負極タブ110Bを引き出した状態で密封される。
図2に示すように、発電要素120は、正極集電体210および正極集電体210の両面に形成された正極活物質層211からなる正極と、負極集電体220および負極集電体220の両面に形成された負極活物質層221からなる負極と、を有する。発電要素120は、正極および負極が電解質層230を介して複数積層されてなる。正極集電体210は、電気を取り出すための正極タブと接続する。また、負極集電体220は、電気を取り出すための負極タブと接続する。
以下、発電要素を構成する集電体、活物質層、および電解質層について説明する。
[集電体]
集電体210、220は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。正極集電体210としては、好ましくはアルミニウム箔が用いられ、負極集電体220としては、銅箔の他にステンレス(SUS)箔や、Ni箔、Pt箔を用いることができる。
[活物質層]
活物質層は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層211は、正極活物質を含む。正極活物質としては、たとえば、LiMnやLiNiO等のリチウム−遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層221は、負極活物質を含む。負極活物質としては、たとえば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、上述したようなリチウム−遷移金属化合物、金属材料、リチウム−金属合金材料が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
各活物質層211、221に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、通常は0.1〜100μm程度であり、好ましくは1〜20μmである。ただし、この範囲を外れる形態が採用されてもよい。
正極活物質層211および負極活物質層221に含まれうる添加剤としては、たとえば、バインダ、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)が挙げられる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダが挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層211または負極活物質層221の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSOが挙げられる。
[電解質層]
電解質層230は、セパレータと、セパレータ中に注入された電解質とから構成される。
セパレータは、正負の活物質層を分離し、これらの間の短絡を防止する機能を有する。セパレータは、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンから構成される微多孔膜からなる。場合によっては、同様の材料から構成される不織布や粒子によって、セパレータを形成してもよい。
セパレータの厚さについて特に制限はなく、所望の電池性能等を考慮して適宜設定されうる。具体的には、セパレータの厚さは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。一方、セパレータの厚さの下限についても特に制限はないが、正負の活物質層間の短絡を有効に防止するという観点から、セパレータの厚さは、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上であり、さらに好ましくは1μm以上である。ただし、場合によっては、これらの範囲を外れる厚さのセパレータが用いられてもよい。
さらに、セパレータは、電解質を保持する機能も有する。セパレータ中に保持される電解質としては、液体電解質およびゲル電解質が挙げられる。
液体電解質は、可塑剤である非水系溶媒(有機溶媒)に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。非水系溶媒およびリチウム塩としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類、および、LiBFなどの、電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に用いられうる。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしても同様に、ポリエチレンオキシド(PEO)やポリプロピレンオキシド(PPO)などの、電極の活物質層に添加されうるポリマーが用いられうる。
なお、ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用い、当該重合開始剤の作用要因に応じて、マトリックスポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
以下、本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置について説明する。
[第1実施形態]
図3は、本発明の第1実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置30を示した図である。
図3に示すように、本実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置30は、平行X線310を検査対象であるリチウムイオン二次電池(以下、「電池」と称する)100に照射するX線源300、電池を透過した透過X線311を検知するX線検知器320、画像処理装置330、画像表示装置340、から構成されうる。
X線源300は、平行X線310を電池100に照射する。平行X線310は、X線の屈折による輪郭強調効果が得やすく、透過X線の屈折像の画像を鮮明とするために、発散角が10mrad未満の平行度を有することが望ましい。さらに、測定時間を短縮するために、X線の強度が強いシンクロトロン放射光であることがより望ましい。平行X線310は、電池100の電極に対し垂直に入射させるように構成する。このような構成により、透過X線の強度を最も強くすることができるからである。
電池100を構成する材料のうち、負極の集電体によく用いられる銅は、X線吸収率が高いために、X線を吸収し、透過X線311の強度を落とすといった問題がある。そこで、平行X線310が、電池100の電極に対し垂直に入射させるように構成することで、透過X線311が透過する集電箔の距離が最も短くなるため、透過X線311の強度が最も強くなり、検出する屈折像の画像を鮮明とすることができる。
X線検知器320は、検査対象である電池100を透過した透過X線311を検知する機能を有する。X線検知器320のX線源300と対向するX線検出面321を、X線源300が電池100へ照射するX線の方向と垂直をなす向きに設置し、X線検知器320により透過X線の強度分布を検知する。一般的に、X線源300から放射したX線310は、検査対象を透過することで強度が弱まる。しかし、後述するように、X線として平行X線を使用することにより、X線が検査対象を透過する際に屈折する現象(以下、「屈折現象」と称する)を利用して、電池100内の気泡や異物を検出することが可能となる。すなわち、検査対象である電池100に平行X線310を照射し、透過X線311を屈折像として検出することで、電池100内の気泡や異物を検出することができる。後述するが、X線検知器320でX線の屈折像を効果的に検出し、画像処理装置330で鮮明な屈折像を得るためには、電池とX線検知器との距離を適切な距離dとする必要がある。
X線検知器320で検出した屈折像のデータは、画像処理装置330に送信される。画像処理装置330は、X線検知器320で検出した屈折像のデータを、画像化するための処理をする。
画像表示装置340は、画像処理装置330で処理された屈折像のデータを画像として表示する機能を有する。屈折現象により気泡や異物の輪郭が強調される(輪郭強調効果)ため、作業者は、画像表示装置340で視覚化された屈折像から、気泡や異物を高精度に検出することができる。ただし、画像表示装置340を用いず、画像処理装置330で処理されたデータから自動的に気泡や異物を検出してもよい。たとえば、X線の強度分布を解析することで気泡や異物を検出してもよい。
本実施形態において平行X線を用いるのは、発散角が比較的大きい通常のX線を用いると、屈折した透過光が発散角の範囲内となり、屈折像により輪郭強調効果を検知することが困難となるためである。
図4は、平行X線を検査対象に照射したときの屈折像のイメージを説明するための説明図である。説明の明確化のために、直方体と半円柱との結合体、すなわち、直方体とその両端でそれぞれ結合した2つの半円柱からなる柱状物を検査対象400として用いる。図4は、柱状物の厚さ方向に平行に平行X線310を照射し、透過光311をX線検知器320で屈折像として検出している状態を、検査対象400である柱状物の上方から見た図である。ここで、X線の進行方向を矢印の方向で示し、X線の強度を矢印の太さで示した。
図4の(A)に示すように、検査対象400である柱状物の両端の半円柱の先端部分でX線の屈折が顕著になる。これにより、屈折したX線312と直進したX線313との重なりが生じる。屈折したX線と直進したX線との重なりが生じることでX線の強度が増した部分は、X線の強度が強く、強度が強いX線としてX線検知器320で検出される。すなわち、屈折現象により生じたX線の強度分布を、X線検知器320で、屈折像として検出することができる。
平行X線310を検査対象400に入射させると、屈折像において、検査対象400内部で密度が変化する境界線(密度分布境界線)に相当する部分、および、表面に凹凸を有する部分では、屈折現象が生じ、屈折したX線と直進したX線の重なりが顕著に現れる。このため、照射する平行X線の強度を弱めても、検査対象400の密度分布による屈折により輪郭強調効果が得られる。検査対象である電池内部に気泡や異物が存在すると、その気泡や異物とその周囲に存在する物質(たとえば電解質)との境界が密度分布境界線となる。密度分布境界線においてX線が屈折するため、密度分布境界線近傍で屈折したX線と直進したX線との重なりが現れる。これにより、気泡や異物の外周部分でX線の強度が増大する。
したがって、X線検知器320で屈折像を検出することで気泡やX線吸収率の低い異物(たとえば、軽金属)の検出感度を向上させることができる。また、これに伴って、電池内部の異物混入不良、ガス抜き不良といった不良品除去が高精度に実施できる。
図4の(B)は、図4の(A)に示したX線検知器320で検出した検査対象400の屈折像を簡略的に示した図である。図4の(B)の屈折像においては、X線の強度が強い部分ほど濃い黒色で示している。すなわち、屈折したX線と直進したX線が重なった部分でX線の強度が増すため、図4の(B)における黒色の濃度が高くなっている。そして、検査対象が電池であって、電池内に気泡や異物が存在する場合は、気泡や異物の外周部分に対応してX線の強度が増大することで、気泡や異物を検出できることとなる。
上述したように、本実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置はX線の屈折効果を利用する。したがって、屈折現象の効果を十分検出するために、電池とX線検知器との距離を最適な距離とすることが必要となるが、電池とX線検知器との距離は50mm〜200mmとすることが望ましい。検査対象が電池である場合、該距離において、X線の屈折による輪郭強調効果が最も効果的となるからである。5mm未満では、屈折像に現れる屈折効果が弱いために気泡や異物の輪郭が見えにくくなり、200mm以上では、屈折効果が強いために画像がぼやけやすくなる。
以上、本発明の第1実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置について詳細に説明したが、本実施形態におけるX線源は本発明のX線照射手段に相当し、X線検知器はX線検知手段に相当する。
以下に、本発明の第1実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置の効果を示す。
・電極内部の気泡や、X線吸収率の低い異物を高い精度で検出することができる。
・電池内部の異物混入不良、ガス抜き不良といった不良品除去が高精度に実施できる。
・平行X線としてシンクロトロン放射光を用いることで、測定時間を短縮することができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置を示した図である。第1実施形態と異なる点は、電池100の電極に対する平行X線310の照射角度をそれぞれ異ならせた複数の透過X線311から気泡または異物を検出する点である。第1実施形態と共通する内容は、重複説明の回避のため省略する。
図5の(A)または(B)に示すように、本実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置は、平行X線310を検査対象である電池100に照射するX線源300、電池100を透過した透過X線311を検知するX線検知器320、画像処理装置330、画像表示装置340、および画像処理装置330に接続した記憶装置510から構成されうる。
図5の(A)に示すように、平行X線310を電池100の電極に対し(すなわち、電池100の被照射面110に対し)垂直に入射させると、X線検知器320で検出した屈折像のデータは、画像処理装置330に送信される。画像処理装置330は、X線検知器320で検出した屈折像のデータを、画像化するための処理をした後、記憶装置510に記憶させる。
図5の(B)に示すように、図5の(A)に対し、平行X線310の照射方向に対する電池100の被照射面110の角度を変える。すなわち、電池の電極に対する平行X線の照射角度を変える。画像処理装置330は、X線検知器320で検出した屈折像のデータを、画像化するための処理をした後、記憶装置510に記憶させる。
画像処理装置330は、記憶装置510に記憶された、電池100の電極に対する平行X線310の照射角度を互いに異ならせた2つの透過X線311の屈折像のデータを画像処理する。これにより、電池100内部の奥行情報を抽出し、電池100の電極の積層方向のどこに気泡または異物があるのかを判断することができる。すなわち、気泡または異物の奥行位置を判断することができる。たとえば、2つの屈折像のデータを画像データとして重ねて合成画像を作成するといった画像処理により、立体的に電池内部の屈折像を表示でき、電池内部の奥行情報を抽出することができる。ただし、2つの屈折像のデータから奥行情報を抽出する画像処理であれば、これに限定されないことは勿論である。画像表示装置340に該合成画像を表示することで、作業者は視覚的に気泡または異物の奥行位置を検出することができる。また、画像表示装置340を用いなくても、該合成画像のデータから、たとえば、X線の強度分布を解析することにより自動的に気泡や異物の奥行位置を検出してもよい。
以上、本発明の第2実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置について詳細に説明したが、本実施形態における画像処理装置330、記憶装置500、画像表示装置340は本発明の位置検出手段に相当する。
本発明の第2実施形態に係る燃料電池の運転方法は、第1実施形態が有する効果に加えて、以下の効果を有する。
・電池の電極の積層方向のどこに気泡または異物があるのかを判断することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例においては、特に断りのない限り、正極材料、負極材料として以下ものを用いた。
<正極材料>
・以下の材料を、下記所定の比で混合して正極スラリを作製した。
・正極活物質:LiMn(85重量%)
・導電助剤:アセチレンブラック(5重量%)
・バインダ:PVDF(10重量%)
・スラリ粘度調整溶媒としてNMPを使用して、塗布のための粘度を調整した。
・アルミニウム箔(20μm)の両面に上記スラリを塗布し、乾燥させることで正極電極を作製した。
<負極材料>
・以下の材料を、下記所定の比で混合して負極スラリを作製した。
・負極活物質:錫(60重量%)
・導電助剤:アセチレンブラック(20重量%)
・バインダ:polyimide(20重量%)
・スラリ粘度調整溶媒としてNMPを使用して、塗布のための粘度を調整した。
・銅箔(15μm)の両面に上記スラリを塗布し、乾燥させることで負極電極を作製した。
電極構造体作製工程、電池作製工程は以下の順序で行った。
<電極構造体作製工程>
・正極、負極のロールプレスをそれぞれ加え、それぞれの電極が膜を突き破らない程度に加熱プレスを行い、積層した。
<電池作製工程>
・正極と負極のそれぞれにタブを溶接し、アルミラミネートに電解液(PC+EC+DEC(1:1:2) 1M LiPF)とともに密封した。
・所定の電流値で充電を行い、脱ガス工程を加えないことで、電極間に気泡を含む積層型リチウムイオン二次電池とした。
評価方法は、以下の通りに行った。
<評価方法>
・X線検査装置により、作製した電池の電池内部の検査を行った。
・X線を直接電池に当て、投射像の透過X線像を得た後に画像解析を行い、電極間の気泡検出および活物質粒子の観察を行った。
・X線検出には、浜松ホトニクス製BMとCCDカメラC4880を使用した。
・検出器と電池との距離および検出器の露光時間は画像を見ながら最適な値を探した。
比較例に対し、実施例1〜3の気泡検出評価結果は以下のようになった。
[比較例]
<X線検査装置>
平行X線を用いない従来のX線検査装置である。
<電池>
通常の電極構造体(積層構造体)のリチウムイオン二次電池である。
<評価>
下記表1に示すように、電池とX線検知器との距離d(以下、「距離d」と称する)を100mm、露光時間を5分としても、活物質粒子の判別、気泡検出ともできなかった。
[実施例1]
<X線検査装置>
本発明に係るX線検査装置である。
<電池の構造>
通常の電極構造体(積層構造体)のリチウムイオン二次電池である。
<評価>
下記表1に示すように、距離dを70mm、露光時間を1分とした結果、気泡の検出および活物質粒子の判別が可能であった。図6に、本実施例のX線屈折像の画像を示す。図6において、気泡が検出されていることが判る。
[実施例2]
<X線検査装置>
本発明に係るX線検査装置である。
<電池の構造>
活物質を錫からシリコンに変えた以外は実施例1と同様とした。
<評価>
下記表1に示すように、距離dを70mm、露光時間を1分とした結果、実験例1と同様、気泡の検出および活物質粒子の判別が可能であった。
[実施例3]
<X線検査装置>
本発明に係るX線検査装置である。
<電池の構造>
実施例1と同様とした。
<評価>
下記表1に示すように、距離dを170mm、露光時間を1分とした結果、実験例1と同様、気泡の検出および活物質粒子の判別が可能であった。
実験例1と比較して、距離dを大きくしているため、輪郭強調効果(屈折の効果)が強くなるが、該距離が170mmであっても、強すぎるということはなく、気泡の検出が可能であった。
リチウムイオン二次電池の外観図である。 リチウムイオン二次電池の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置を示した図である。 平行X線を検査対象に照射したときの屈折像のイメージを説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る非水電解質二次電池検査装置を示した図である。 本発明の実施例1のX線屈折像の画像を示す。
符号の説明
30 非水電解質二次電池検査装置、
100 リチウムイオン二次電池、
110 被照射面、
120 発電要素、
130 外装材、
210 正極集電体、
211 正極活物質層、
220 負極集電体、
221 負極活物質層、
230 電解質層、
300 X線源(X線照射手段)、
310 平行X線、
311 透過X線、
312 屈折したX線、
313 直進したX線、
320 X線検知器(X線検知手段)、
330 画像処理装置(位置検出手段)、
340 画像表示装置(位置検出手段)、
400 検査対象、
510 記憶装置(位置検出手段)。

Claims (6)

  1. 非水電解質二次電池に平行X線を照射するX線照射手段と、
    前記非水電解質二次電池を透過した透過X線を屈折像により検知するX線検知手段と、
    を有することを特徴とする非水電解質二次電池検査装置。
  2. 前記X線照射手段は、前記非水電解質二次電池の電極に対し垂直に前記平行X線を入射させて前記非水電解質二次電池に前記平行X線を照射することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池検査装置。
  3. 前記非水電解質二次電池と前記X線検知手段との距離は、50mm〜200mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池検査装置。
  4. 前記X線照射手段が照射する前記平行X線は、発散角が10mrad未満の平行度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池検査装置。
  5. 前記X線照射手段が照射する前記平行X線は、シンクロトロン放射光であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池検査装置。
  6. さらに、前記X線検知手段が検知した前記透過X線から、前記非水電解質二次電池の内部の気泡または異物の奥行位置を検出する位置検出手段を有し、
    前記位置検出手段は、前記X線検知手段が検知した、前記非水電解質二次電池の電極に対する前記平行X線の照射角度を互いに異ならせた複数の前記透過X線、から前記気泡または前記異物の奥行位置を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池検査装置。
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