JP2010105903A - 第13族金属窒化物結晶の製造方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第13族金属窒化物結晶を成長させる液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比(N/第13族金属)を3.5〜50の範囲内に保持する。窒化物の添加は、第13族金属窒化物結晶を成長させる液中に断続的に行ってもよいし、連続的に行ってもよいが、より安定で継続的な結晶成長を実現するためには、連続的に窒化物の添加を行うことが好ましい。窒化物の添加方法は特に制限されず、気相の窒化物、液相の窒化物、固相の窒化物のいずれを液中に添加してもよい。GaNなどの第13族金属窒化物を添加すれば、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比も調整することができる。また、液中には、窒化物自体を添加せずに、窒化物を徐々に液中に供給することができる固体状の窒化物供給化合物を添加してもよい。
【選択図】なし
Description
[2] 前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比(N/第13族金属)を5〜20の範囲内に保持することを特徴とする[1]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[3] 前記液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを抑制することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする[1]または[2]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[4] 前記液を入れた容器に貫通孔を有する蓋を取り付けた状態で結晶成長させることにより、前記液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを抑制することを特徴とする[3]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[5] 前記液中に窒化物を溶解することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[6] 固体状の窒化物供給化合物を前記液と接触させて、前記結晶成長中に前記固体状の窒化物供給化合物から窒化物を前記液中に溶出することを特徴とする[5]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[7] 前記液と接触するように固体状の窒化物供給化合物を設置し、前記結晶成長中に前記固体状の窒化物供給化合物から窒化物を前記液中に溶出することを特徴とする[6]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[8] 前記固体状の窒化物供給化合物が第13族金属元素および第13族以外の金属元素素を含有する固体状の複合金属窒化物であることを特徴とする[7]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[9] 前記複合金属窒化物がLi3GaN2であることを特徴とする[8]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[10] 前記固体状の窒化物の粒径が10μm以上であることを特徴とする[7]〜[9]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[11] 前記液中に溶解する窒化物がLi3Nであることを特徴とする[5]〜[10]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[12] 前記結晶成長中に前記液中に添加する窒化物の量(MN)に対する、前記液内における第13族金属窒化物結晶の析出量(M13N)のモル比(MN/M13N)が0.1〜100となるように、前記窒化物の添加量を制御することを特徴とする[5]〜[11]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[13] 前記結晶成長中に前記液中に添加する窒化物の添加速度(RN)に対する、前記液内における第13族金属窒化物結晶の析出速度(R13N)のモルベースの速度比(RN/R13N)が0.1〜100となるように、前記窒化物の添加量を制御することを特徴とする[5]〜[12]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[14] 前記液中のナトリウム濃度、前記液中のカリウム濃度、または前記液中のセシウム濃度の少なくとも1つの濃度を制御することを特徴とする[1]〜[13]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[15] 前記液に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、およびフッ化セシウムからなる群より選択される少なくとも一種を添加することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする[1]〜[14]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[16] 前記結晶成長中に、前記液を攪拌することを特徴とする[1]〜[15]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[17] 前記攪拌を前記液中に浸漬したシードを回転させることにより行うことを特徴とする[16]に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[18] 前記液が溶融塩を含むことを特徴とする[1]〜[17]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[19] シード表面上に厚み10μm以上の第13族金属窒化物結晶を成長させることを特徴とする[1]〜[18]のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
[20] [1]〜[19]のいずれか一項に記載の製造方法により第13族金属窒化物結晶を製造する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また第13族金属は、周期表第13族金属を意味する。
(モル比の範囲)
本発明の製造方法は、窒素と第13族金属を含む液中において第13族金属窒化物結晶を成長させる際に、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を3.5〜50の範囲内に保持することを特徴とする。液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比とは、液中に存在している窒素原子のモル数を液中に存在している第13族金属原子のモル数で割った値を意味する(N原子のモル数/第13族金属原子のモル数)。また、ここでいう窒素原子と第13族金属原子のモル数には、液中に原子状窒素や原子状第13族金属として存在している原子のモル数だけでなく、窒素原子や第13族金属原子を含む分子、イオン、錯体、錯イオンを構成する窒素原子や第13族金属原子のモル数も含まれる。
窒素元素と第13族金属元素のモル比を3.5〜50の範囲内に保持するためには、種々の方法を採用することができる。代表的な方法について、以下において説明する。これらの方法は適宜組み合わせて採用することが好ましい。
例えば、第13族金属窒化物結晶を成長させる液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを抑制することにより、窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することができる。液から窒化物やN2が自由に蒸発するような開放系で結晶を成長させる場合は、液から窒化物やN2が次々と蒸発するため、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比は徐々に低下して行く。このため、時間の経過とともに結晶成長速度が低下し、やがて結晶成長が停止してしまう。このような窒素元素と第13族金属元素のモル比の減少に伴う弊害を回避するために、液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを種々の手段により抑制する方法を好ましく採用することができる。
貫通孔の通気可能な断面積は、例えば0.1〜200mm2とすることができ、1〜50mm2とすることが好ましく、2〜20mm2とすることがより好ましい。貫通孔を開閉する場合は、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が低下したときに貫通孔を閉じ、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が上昇したときに貫通孔を開けるように制御することが好ましい。このような制御は、溶液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比のモニタリング結果や経験則に基づいて自動で行うことができる。また、別の態様として、貫通孔の孔径を変えることにより制御することも可能である。すなわち、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が低下したときに貫通孔の孔径を小さくし、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が上昇したときに貫通孔を広げるように制御することができる。さらに別の態様として、蓋に設けられた複数の貫通孔の開閉個数を制御する方法もある。すなわち、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が低下したときに閉状態にする貫通孔の数を増やし、液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比が上昇したときに開状態にする貫通孔の数を増やすように制御することができる。
窒素元素と第13族金属元素のモル比を3.5〜50の範囲内に保持するための別の方法として、第13族金属窒化物結晶を成長させる液中に窒化物を添加する方法も好ましく採用することができる。この方法は、上記の蓋によるモル比の制御と組み合わせて採用することが好ましい。ここでいう窒化物としては、Li3N、Ca3N2、Mg3N2、Ba3N2、Li3GaN2、GaNなどを挙げることができ、Li3Nが好ましい。
たはアルカリ土類金属と第13族金属との複合金属窒化物を挙げることができ、Li3GaN2がより好ましい。Li3GaN2を用いる場合には、Li3GaN2に含まれている不純物Li3Nを除去したり逆にLi3Nを添加したりしてあらかじめLi3Nの含有量を調節しておくことが好ましい。本発明では、2種類以上の複合金属窒化物を用いてもよい。
るかわりに、以下の方法にしたがってLi3Nを含む固体を添加することができる。まず、Li3NをLiClに加え、得られた混合物を融点以上に加熱してLi3NがLiClに溶融した混合溶液を作成する。この混合溶液を冷却し混合固体とし、その混合固体を液に添加する。添加するLi3Nの量が少ない場合(例えば1mg以下の場合)にLi3Nを単独で添加する手法では1mg以下の重量を測定添加することは難しいため正確な添加が困難となる。しかし上記Li3NとLiClを含む混合固体を添加する手法では、例えば1mgのLi3Nと1gのLiClを混合して溶解し、冷却して作成した混合固体中のLi3N濃度は0.1%となるため、0.1mgのLi3Nを溶液に添加する際には100mgの混合固体を添加すれば良く、添加量の精密な制御が容易となる利点がある。
また、窒化物や窒化物供給化合物の添加量を決定するために、液中の窒素濃度を測定したり、液中の窒素元素と第13属金属元素のモル比を分析したりして、その結果を添加量にフィードバックすることが特に好ましい。液中のモル比を分析するためには結晶成長中に液をサンプリングし組成分析する手法や、電気化学、光学的な手法で液中のモル比を算出することもできる。これらのモル比の分析の際にも反応系内に酸素や水分の混入を防ぐことが好ましい。
窒素元素と第13族金属元素のモル比を3.5〜50の範囲内に保持するための別の方法として、第13族金属窒化物結晶を成長させる液中におけるNa濃度を制御する方法も好ましい。この方法も、上記の蓋によるモル比の制御や窒化物添加による制御と組み合わせて採用することが好ましい。液中のモル比を組成分析するためには、任意の元素分析手法を用いることができるが、例えばGa濃度の分析にはICP−AES法が好ましく、NおよびNa濃度の分析にはイオンクロマトグラフィー法が好ましい。
本発明では、上記のような方法を適宜組み合わせることにより、結晶成長させる液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を3.5〜50の範囲内に保持するが、一段と安定かつ継続的な結晶成長を実現するためには、特に液中の窒化物量の変動を最小限にとどめることが好ましい。
さらに一段と安定かつ継続的な結晶成長を実現するために、結晶成長させる液は攪拌することが好ましい。攪拌することにより、液中の濃度むらをなくすことができるとともに、反応効率を上げることができる。攪拌は、反応容器内に設けられた攪拌子を回転させることにより行ったり、シードを回転させることにより行ったりすることができる。シードを回転させる場合には、回転速度を通常0.1〜100rpmとし、0.5〜80rpmとすることが好ましく、5〜50rpmとすることがより好ましい。従来の方法では、攪拌することにより液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比がさらに低下してしまい、反応効率を下げていたが、本発明の方法では攪拌することにより一段と安定で継続的な結晶成長を実現することができる。
本発明の製造方法は、窒素と第13族金属を含む液中で第13族金属窒化物結晶を成長させる。ここで用いる液に含まれる第13族金属は、結晶成長させようとしている結晶を構成する第13族金属である。本発明で用いる液は溶液または融液であり、イオン性溶媒を含むことが好ましい。
イオン性溶媒としては、以下の(A)〜(D)の機能を有するものを選択することが好ましい。なお、複合金属窒化物を使用しない場合は、(B)および(C)の機能を有するものを選択することが好ましい。
(A)複合金属窒化物を溶解し、溶液を作成する機能。
(B)生成する第13族金属窒化物結晶を溶解する機能。
(C)液からの第13族金属窒化物結晶の析出を促進させる機能。
(D)複合金属窒化物に含まれる第13族以外の金属元素の窒化物を溶解させる機能。
(B)の機能がないと、本願発明の製造方法で第13族金属窒化物が生成した際に直ちに固体として析出してしまい、大型で高品質な結晶を得ることが困難となる。よって、イオン性溶媒は第13族金属窒化物結晶を溶解する機能を有することが好ましい。
(B)の機能を発揮させるために、例えば、複合金属窒化物としてLi3GaN2を用いる場合にはLiClとLi3Nの混合イオン性溶媒を用いることができる。これはLi3Nの存在により、GaNが溶媒に溶解するためである。Li3NはLiClと共存することで、低温で液相になりイオン性溶媒となる。複合金属窒化物を溶解させるイオン溶媒としてLiClのみを用いた場合であっても本発明の反応によりLi3Nが副生成物として生成し、系内でLiClとLi3Nの混合イオン性溶媒となる(後記式(3)参照)が、(B)の機能をより効果的に用いるために、あらかじめLiClとLi3Nを含む混合イオン溶媒を用い、これに複合金属窒化物を溶解させることも好適に行われる。
(C)の機能を発揮させるために、例えば、複合金属窒化物に含まれる第13族の金属元素を含まないイオン性溶媒を(A)(B)の機能を持つイオン性溶媒に添加して用いることができる。複合金属窒化物としてLi3GaN2を用いる場合にはNaClが好ましい。(B)と(C)の機能をあわせもつイオン性溶媒としては、例えば、LiClとNaClの混合イオン性溶媒や、LiCl,Li3N,NaClの混合イオン性溶媒を好適に用いることができる。
(D)の機能を発揮させるために、例えば、複合金属窒化物としてLi3GaN2を用いる場合には、副生成物のLi3Nを溶解するLiClを溶媒に用いることが好ましい。
本発明で用いるイオン性溶媒は溶融塩を主成分とすることが好ましい。具体的には、使用するイオン性溶媒の50重量%以上が溶融塩であることが好ましく、70重量%以上が溶融塩であることがより好ましく、90重量%以上が溶融塩であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法では、シード上に第13族金属窒化物結晶を成長させることが好ましい。使用するシードは、第13族金属窒化物結晶であってもよいし、サファイア、SiC、ZnO等の異種基板であってもよい。好ましいのは、シードとして、第13族金属窒化物結晶または基板を用いる場合である。シードの形状は特に制限されず、平板状であっても、棒状であってもよい。また、ホモエピタキシャル成長用のシードであってもよいし、ヘテロエピタキシャル成長用のシードであってもよい。具体的には、気相成長させたGaN、InGaN、AlGaN等の13族金属窒化物のシードを挙げることができる。また、サファイア、シリカ、ZnO、BeO等の金属酸化物や、SiC、Si等の珪素含有物や、GaAs等の気相成長法等で基板として用いられる材料を挙げることもできる。これらのシードの材料は、本発明で成長させる第13族金属窒化物結晶の格子定数にできるだけ近いものを選択することが好ましい。棒状のシードを用いる場合には、最初にシード部分で成長させ、次いで水平方向にも結晶成長を行いながら、垂直方向に結晶成長を行うことによってバルク状の結晶を作製することもできる。
本発明の製造方法によれば、例えばシード上に厚みが10μm以上の第13族金属窒化物結晶を成長させることができる。また、30μm以上、70μm以上、140μm以上など任意の厚みの第13族金属窒化物結晶を成長させることができる。
本発明に用いられる反応容器は、熱的および化学的に安定な酸化物を主成分とする反応容器であることが好ましい。ここでいう主成分とは、反応容器内の溶液または融液に触れる壁面を構成する材質に含まれる酸化物成分において90重量%以上を占める成分を意味し、好ましくは反応容器内の溶液または融液に触れる壁面を構成する材質に含まれる酸化物成分において95重量%以上を占める成分である。反応容器が均一な材質からなる場合は、反応容器全体を構成する材質に含まれる酸化物成分において90重量%以上、好ましくは95重量%以上を占める成分に等しい。また、ここでいう酸化物は、Mg、Ca、Al、Ti、Y、Ce、La等の周期表第2〜3族金属元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下であり化学的に安定な酸化物、具体的にはY2O3、CaO、La2O3、MgOなどが好ましく、特に好ましくは標準生成エネルギーが1000Kにおいて−1000kJ/mol以下である酸化物、具体的にはY2O3、CaO、La2O3などが好ましい。
本発明の製造方法は、半導体デバイスの製造方法における第13族金属窒化物結晶を製造する工程に用いることができる。その他の工程における原料、製造条件および装置は一般的な半導体デバイスの製造方法で用いられる原料、条件および装置をそのまま適用できる。本発明の製造方法によれば、パワーIC、高周波対応可能な半導体デバイス等を製造することができる。
(調整例1)
石英製反応管内に、LiClを5g、Li3GaN2を0.5g入れたY2O3製第1るつぼと、NaClを1.75g、LiClを3.25g入れたY2O3製第2るつぼを横に並べて設置した。各るつぼには蓋をせず、石英製反応管に反応管用の蓋をした。その後、石英製反応管を電気炉に設置し、反応管内を真空に引き、窒素で置換した。100ml/minの窒素気流中において、電気炉による昇温を開始し、745℃に達した後にその温度で138時間保持した。第2るつぼから第1るつぼに気相経由でNaClが移動し、第1るつぼ内のNa濃度は0.80重量%となり、N/Ga比は4.4となった。
745℃における保持時間を235時間に変更した点を除いて参考例1と同じ方法を実施した。その結果、第1るつぼ内のNa濃度は1.26重量%となり、N/Ga比は5.1となった。
以上の調製例1および調製例2の方法に準じて、N/Ga比を所望の値に制御することができる。
(製造例1)
酸素濃度が10ppmかつ露点が−70℃であるアルゴンボックス内において、金属ガリウム6.5gおよび金属リチウム2.1gをY2O3製ボートに入れ、ボートをバルブ付き石英製反応管に入れた。ボート内容物が酸素、水分に触れないようにバルブを閉じてから石英製反応管をアルゴンボックスから取出し電気炉に設置した。バルブを介して石英製反応管をガスラインに接続し、100Nml/minのアルゴンを石英製反応管内に流通させながら、ボート部の温度が700℃になるまで室温から1時間で昇温し、700℃で1時間保持した。その後、流通ガスを窒素100ml/minに切り替えて700℃で10時間窒化を行い、窒素流通のまま電気炉電源を切り室温まで自然放冷した。バルブを閉じた後石英製反応管をアルゴンボックス内に戻し、ボートから固体生成物を取り出し、乳鉢で所定の大きさに粉砕した。XRD測定により得られた固体生成物が複合窒化物Li3GaN2であることが確認された。
金属ガリウムを5.4g用いた以外は製造例1と同じ手法で複合窒化物の合成を行った。XRD測定により得られた固体生成物は複合窒化物Li3GaN2とLi3Nの焼結体であることが確認された。また焼結体中のGa濃度およびN濃度をそれぞれICP−AES法およびイオンクロマトグラフィー法で分析した結果、この焼結体1gにはLi3Nが70mg含まれていることが分かった。
(実施例1)
図1に示す反応容器を用いてGaN結晶を成長させた。
酸素濃度が10ppmで露点が−70℃であるアルゴンボックス内において、外径31mm、内径25mm、高さ200mmのY2O3製るつぼ(5)に、LiClを9.7g、NaClを0.3g、製造例1で合成した粒径2mm以上のLi3GaN2(7)(2mmのふるいを通過しなかったLi3GaN2:以下同じ)を1.0g入れてY2O3製蓋(11)を装着し、さらにるつぼ(5)を石英製反応管(4)に入れて反応管用の蓋をした。また、縦3mm、横15mm、厚み300μmのGaNシード(6)(面指数(10−1−1))をTaワイヤーで保持し、ワイヤーの他端を直径3mmの攪拌用のタングステン製シード保持棒(8)に取り付けた。シード保持棒(8)の先に取り付けたGaNシード(6)を、反応管用の蓋に設けられた挿入機構を通して石英製反応管(4)内に挿入し、さらにるつぼの蓋(11)に設けられた直径8mmの貫通孔(10)を通して挿入した。このとき、GaNシードはるつぼ内の混合物に接触しないように、反応管用の蓋の直下に保持した。実施例1で用いた反応装置では、るつぼの蓋に設けられた貫通孔(10)とシード保持棒(8)の間の空隙を通して、るつぼ内外が通気しているが、その通気量は蓋がない場合に比べると大幅に制限されている。また、シード保持棒(8)を石英製反応管(4)に挿通した挿入機構には通気性はない。石英製反応管の蓋に設けられているガス導入口(1)およびガス排気口(2)の各バルブを閉状態にすることにより石英製反応管(4)を密閉した。
GaNシードを回転させなかった点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は10であり、720℃で60時間結晶成長させた後の溶融塩中のN/Ga比は12であり、720℃で200時間結晶成長させた後の溶融塩中のN/Ga比は9.0であった。また、720℃で200時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は70μm増加していた。シード上に成長したGaNは無色透明であった。
るつぼ内に入れたLi3GaN2の量を0.25gに変更し、さらにLi3N21mgも添加した点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は10であり、720℃で210時間結晶成長させた後の溶融塩中のN/Ga比は9.3であった。また、シードの厚みを膜厚計で測定した結果、シード厚みは16μm増加していた。シード上に成長したGaNは無色透明であった。
るつぼ内に入れたLi3GaN2の量を0.5gに変更した点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は9.1であり、720℃で200時間結晶成長させた後の塩中のN/Ga比は13であった。また、720℃で200時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は30μm増加していた。シード上に成長したGaNは無色透明であった。
製造例2で示した方法で合成したLi3GaN2−Li3N焼結体1gを用い、GaNシードの面指数を(10−10)とし、過剰なLi3Nを除去してるつぼ内のN/Ga比を調整するための保持時間を70時間とし、温度を745℃で保持したままGaNシードを溶融塩に浸漬し、745℃で130時間成長した点を除いて実施例2と同じ方法で実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は46であり、焼結体から溶液に徐々にLi3Nが放出されたため、50時間結晶成長させた後の溶液中のN/Ga比は17と高かった。また130時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は70μm増加していた。
GaNシードの面指数を(10−10)とし、過剰なLi3Nを除去してるつぼ内のN/Ga比を調整するための保持時間を50時間とし、GaNシードを溶融塩中に浸漬させてから100時間結晶成長した点を除いて実施例4と同じ方法で実施した。720℃で100時間結晶成長させた後の塩中のN/Ga比は6.0であり、また720℃で100時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は33μm増加していた。
GaNシードの面指数を(10−10)とし、GaNシードを溶融塩中に浸漬させてから8時間毎にLi3N1mgを添加し195時間結晶成長した点を除いて実施例1と同じ方法で実施した。745℃で195時間結晶成長させた後の塩中のN/Ga比は14.0であり、また745℃で195時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は35μm増加していた。溶液中には膜厚が増加したGaNシードの他にも自発核発生結晶が生成しており、両者を合わせて本実施例で生成したGaN重量の総和は45mgであった。添加したLi3N量の総和は24mgであり、GaNの生成に伴ってLi3GaN2から溶液に溶解したLi3N量は19mgであるため、MN/M13NおよびRN/R13Nは2.3であった。
るつぼ用のY2O3製蓋を使用しなかった点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は7.0であり、720℃で210時間結晶成長させた後の溶融塩中のN/Ga比は2.7であった。また、シードの厚みを膜厚計で測定した結果、シードの厚み増加は認められなかった。
Li3Nを添加しなかった点を除いて実施例3と同じ方法を実施した。720℃で210時間GaNシードを保持した後の溶融塩中のN濃度とGa濃度は測定限界以下であり、N/Ga比を得ることはできなかった。また、シードの厚みを膜厚計で測定した結果、シードの厚み増加は認められなかった。
製造例1で合成したLi3GaN2を粉砕して、10μmのふるいを通過した粒子を得た。この粒径10μm未満のLi3GaN2を用いた点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は7.1であり、720℃で210時間GaNシードを保持した後の溶融塩中のN/Ga比は2.5であった。また、シードの厚みを膜厚計で測定した結果、シードの厚み増加は認められなかった。
粒径10μm未満のLi3GaN2を用いた点と、るつぼ用のY2O3製蓋を使用しなかった点と、GaNシードを回転させなかった点を除いて実施例1と同じ方法を実施した。実施例1と同様にサンプリングした結果、結晶成長開始時の溶融塩中のN/Ga比は7.8であり、720℃で20時間結晶成長させた後の溶融塩中のN/Ga比は3.4であった。また、720℃で20時間結晶成長させた後のシード厚みを膜厚計で測定したところ、膜厚は2μmしか増加していなかった。さらに720℃に長時間保持しても結晶成長はほとんど見られなかった。
るつぼ内にLiCl 10g、Li3N30mgを投入し、GaNシードも昇温前に投入(これはLi3Nを除去してるつぼ内のN/Ga比を調整する時間をゼロとしたことに相当する)し、結晶成長時間を変更させた以外は実施例2と同じ方法で実施した。745℃に到達した直後(30分後)に溶融塩の一部を分析用にサンプリングし分析すると溶融塩中のN/Ga比は52.2であった。2時間経過後にGaNシードを溶液から取り出し変化を観察したところ、GaNシードはN/Ga比が52.2と高い値の溶融塩中に浸漬されていたため表面がメルトバックし成長は見られず、重量も5%減少していた。
2 ガス排気口
3 電気炉
4 石英製反応管
5 るつぼ
6 シード
7 窒化物供給化合物
8 シード保持棒
9 溶媒(溶融塩)
10 貫通孔
11 るつぼの蓋
Claims (20)
- 窒素元素と第13族金属元素を含む液中において第13族金属窒化物結晶を成長させる際に、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比(N/第13族金属)を3.5〜50の範囲内に保持することを特徴とする第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比(N/第13族金属)を5〜20の範囲内に保持することを特徴とする請求項1に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを抑制することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液を入れた容器に貫通孔を有する蓋を取り付けた状態で結晶成長させることにより、前記液から窒化物またはN2の少なくとも一方が蒸発するのを抑制することを特徴とする請求項3に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液中に窒化物を溶解することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記第13族金属窒化物結晶の成長中に、前記液中に窒化物を連続的に溶解することを特徴とする請求項5に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 固体状の窒化物供給化合物を前記液と接触させて、前記結晶成長中に前記固体状の窒化物供給化合物から窒化物を前記液中に溶出することを特徴とする請求項6に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記固体状の窒化物供給化合物が第13族金属元素および第13族以外の金属元素を含有する固体状の複合金属窒化物であることを特徴とする請求項7に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記複合金属窒化物がLi3GaN2であることを特徴とする請求項8に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記固体状の窒化物供給化合物の粒径が10μm以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液中に溶解する窒化物がLi3Nであることを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記結晶成長中に前記液中に添加する窒化物の量(MN)に対する、前記液内における第13族金属窒化物結晶の析出量(M13N)のモル比(MN/M13N)が0.1〜100となるように、前記窒化物の添加量を制御することを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記結晶成長中に前記液中に添加する窒化物の添加速度(RN)に対する、前記液内における第13族金属窒化物結晶の析出速度(R13N)のモルベースの速度比(RN/R13N)が0.1〜100となるように、前記窒化物の添加量を制御することを特徴とする請求項5〜12のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液中のナトリウム濃度、前記液中のカリウム濃度、または前記液中のセシウム濃度の少なくとも1つの濃度を制御することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、およびフッ化セシウムからなる群より選択される少なくとも一種を添加することにより、前記液中の窒素元素と第13族金属元素のモル比を制御することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記結晶成長中に、前記液を攪拌することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記攪拌を前記液中に浸漬したシードを回転させることにより行うことを特徴とする請求項16に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 前記液が溶融塩を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- シード表面上に厚み10μm以上の第13族金属窒化物結晶を成長させることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
- 請求項1〜19のいずれか一項に記載の製造方法により第13族金属窒化物結晶を製造する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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