JP2010136734A - 内視鏡用胃幽門閉塞装置及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法 - Google Patents

内視鏡用胃幽門閉塞装置及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法 Download PDF

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Abstract

【課題】胃内部に内視鏡先端部から圧縮空気を送入して胃内部を拡張させる際に、従来では胃内部に送入した圧縮空気が胃の出口(胃幽門部)から腸管側に漏出することにより、腸管が拡張して腹部膨満感による苦痛が生じる。
【解決手段】内視鏡1の先端部にバルーン3を配置し、内視鏡1にバルーン3を内視鏡先端の前方に押し出すためのプッシャー4を設け、バルーン3に送気チューブ5の先端部を接続して、内視鏡1の手元側から送気ポンプ6により送気チューブ5を通してバルーン3内に圧縮空気を注入し得るようにしているとともに、送気チューブ5の先端部をバルーン3から切り離し可能とした内視鏡用胃幽門閉塞装置を使用することにより、胃幽門部81でバルーン3を拡張させて該胃幽門部81をバルーン3で閉塞させ得るようにしている。
【選択図】 図6

Description

本願発明は、内視鏡を併用して胃の幽門部を閉塞するための内視鏡用胃幽門閉塞装置、及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法に関するものである。
近年、例えば胃潰瘍や胃ガン等の治療において、内視鏡を使用して胃の内部から行うことが多く行われているが、胃内の疾患部を内視鏡を使用して胃の内部から治療する際には、胃を拡張させた状態で行うことが望ましい。即ち、胃の自然状態では、胃壁が収縮して胃容積が小さくなろうとし、胃容積が小さくなると、内視鏡による視野が狭くなったり内視鏡による治療作業がしにくくなるので、内視鏡により胃の内部から治療を行うときには胃を拡張させた状態で行うことが望ましい。
ところで、内視鏡治療時において胃容積を大きく(拡張)するのに、従来では一般に、図9に示すように胃8内に内視鏡1を挿入し、該内視鏡1の先端部1aから圧縮空気Aを胃8内に送入することによって行われている。
ところが、胃8の出口側には胃幽門部81を介して十二指腸84及び小腸が連続しており、胃8内に圧縮空気Aを注入すると、胃壁8aの自然縮小作用によって胃8内の空気が胃幽門部81から十二指腸84を通って矢印A′で示すように小腸内に移動していく(ときには大腸にまで達する)。従って、胃内部を拡張状態に維持させておくためには、常時(又は間欠的に)胃8内に空気Aを注入する必要があるが、治療に長時間がかかるほど腸管(小腸や大腸)側への空気A′の流入量が多くなっていく。
このように、腸管側への空気流入量が多くなると、患者にとっては腹部の膨満感による苦痛を感じるという問題が生じる。又、胃8からの空気で腸管(小腸や大腸)が拡張されると、内視鏡外科や腹腔鏡での施術時に拡張した腸管で視野が狭くなり、施術がしにくくなるという問題も起こる。
ところが、従来では、胃8を拡張させるために胃内部に送入した空気Aが胃幽門部81、十二指腸84を経て腸管内に移動するのを防止する手段がなく、胃内部を内視鏡治療する際に上記問題点(腸管が空気で拡張することによる患者の苦痛発生や施術時の視野が狭くなる点)を残したままで行っているのが現状である。
そこで、本願発明は、胃内部を内視鏡治療する際に、胃を拡張させるために胃内部に送入した空気が腸管側に移動しないようにすることができるようにした、内視鏡用胃幽門閉塞装置及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、内視鏡を併用して胃の幽門部を閉塞するための内視鏡用胃幽門閉塞装置を対象にしている。そして、本願請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置は、次の各構成を備えたものである。
まず、内視鏡の先端部には、空気により拡縮可能でその拡張状態では胃幽門輪の前後に跨がって胃幽門部を閉塞し得る形状となるバルーンを縮小状態で配置している。
胃の出口の幽門部には内面側に突出する環状の幽門輪(幽門括約筋)があり、該幽門輪の十二指腸側には径方向に拡張された十二指腸球部がある。そして、この請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置で使用されるバルーンには、十二指腸球部内で拡張される奥側袋体と幽門輪の胃側で拡張される手前側袋体とを連続して形成したものが好ましい。その場合、バルーンの奥側袋体と手前側袋体の間には、バルーン拡張時に小径となる括れ部が形成される。尚、このバルーンには、逆止弁付きの空気送入口が設けられている。
このバルーンは、内視鏡の外装チューブ内に設けた鉗子挿通穴の先端部に配置してもよく、あるいは内視鏡の外装チューブの外面に沿って外付けした細チューブの先端部に配置してもよい。
内視鏡には、内視鏡先端部に配置しているバルーンを内視鏡先端の前方に押し出すためのプッシャーを設けている。このプッシャーは、内視鏡の手元側から押し引き操作できるものである。
バルーンには、内視鏡の手元側から内視鏡先端側に向けて延出する送気チューブの先端部を接続している。そして、内視鏡の手元側から送気ポンプにより送気チューブを通してバルーン内に圧縮空気を注入し得るようにしている。
又、送気チューブの先端部は、バルーンに対して切り離し可能となっている。例えば、送気チューブの先端部とバルーンの空気送入口とは、空気送入時に不用意に外れない程度の圧接力で接続させておき、バルーンの拡張後に送気チューブを強く引くことで送気チューブ先端部を空気送入口から抜き外すことができるようにするとよい。尚、他の例では、送気チューブの先端部をバルーンの空気送入口に対して固定的に連続させておいて、バルーン袋体の拡張後に内視鏡の鉗子挿通穴を通して別の切断手段(ハサミ等)で送気チューブの先端部寄り位置を切断するようにすることもできる。
この請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置は、次項(請求項2)のようにして胃の幽門部を閉塞させることができるものである。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃壁切開部縫合方法を対象にしている。そして、この請求項2の発明の胃幽門閉塞方法は、以下に示す第1工程〜第5工程を順次行うことを特徴としている。
第1工程では、バルーンを縮小状態で内視鏡先端部に配置した状態で内視鏡先端を口腔から胃内の幽門部近傍位置まで挿入する。このとき、内視鏡のCCDカメラで観察しながら内視鏡先端を胃出口となる幽門部(幽門輪の穴)の直前近傍に位置させる。
第2工程では、プッシャーによりバルーンを内視鏡先端から胃幽門部の幽門輪を前後に跨ぐ位置に押し出す。このとき、内視鏡のCCDカメラで観察しながらプッシャーを内視鏡の手元側から操作し、バルーンが幽門輪を前後に跨ぐように位置させる。
第3工程では、内視鏡の手元側から送気ポンプにより送気チューブを通してバルーン内に圧縮空気を送入して、バルーンの外周面が胃幽門部の内周面に圧接するまで拡張させる。このとき、バルーンの外周面が胃幽門部の内周面に圧接するとともに、該バルーンが幽門輪の前後で拡張されるので、バルーンが胃幽門部に安定状態で位置保持される。
第4工程では、送気チューブの先端部を拡張状態のバルーンから切り離す。このとき、送気チューブ先端部をバルーンの空気送入口に対して抜き差し自在に接続させたものでは、送気チューブを内視鏡の手元側から強く引くことで該送気チューブ先端部をバルーンの空気送入口から抜き外すことができる。他方、送気チューブの先端部をバルーンに対して固定的に連続させたものでは、内視鏡の鉗子挿通穴を通して別の切断手段(ハサミ等)で送気チューブの先端部寄り位置を切断することができる。
第5工程では、拡張状態のバルーンを胃幽門部に残した状態で送気チューブ(切り離し済み)及びプッシャーを体外へ抜き出す。この場合、送気チューブ及びプッシャーは内視鏡とともに体外へ抜き出してもよい。
この請求項2の胃幽門閉塞方法では、上記請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて上記第1工程〜上記第5工程を行うことにより、バルーンを拡張状態で胃幽門部に残すことができる(胃幽門部をバルーンで閉塞できる)。このように胃幽門部をバルーンで閉塞していると、胃拡張のために内視鏡を通して胃内部に圧縮空気を送り込んでも、その空気が胃幽門部のバルーンで遮断されて腸管(小腸)側に漏出することがない。
本願請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置及び本願請求項2の胃幽門閉塞方法では、次のような効果がある。
まず、上記のように胃の出口となる胃幽門部を拡張させたバルーンで閉塞できるので、胃幽門部閉塞状態で胃内部に圧縮空気を送入しても、その送入空気が胃幽門部から腸管(十二指腸、小腸)側に漏出することがなくなり、その結果、従来のように腹部膨満感による患者への苦痛がなくなるとともに、胃からの空気で腸管(小腸や大腸)が拡張されることがないので、内視鏡外科や腹腔鏡での施術時に視野が狭くならない(施術がし易くなる)という効果がある。
又、本願発明では、胃幽門部を閉塞するのに、内視鏡を併用してバルーンをプッシャーで内視鏡先端から前方に押し出し、送気ポンプにより送気チューブを通してバルーン袋体内に圧縮空気を送入した後、送気チューブをバルーンから切り離すことで、バルーンにより胃幽門部を閉塞できるので、胃幽門部の閉塞が簡単に且つ確実に行えるという効果がある。
以下、図1〜図8を参照して本願実施例の内視鏡用胃幽門閉塞装置及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法を説明する。
図3〜図6に示すように、胃8の出口となる幽門部81には、内面側に突出する環状の幽門輪(幽門括約筋)82があり、該幽門輪82の十二指腸84側には径方向に拡張された十二指腸球部83がある。尚、十二指腸84の先端側には、図示しない腸管(小腸〜大腸)が連続している。
まず、図1〜図2に示す内視鏡用胃幽門閉塞装置の構成について説明すると、この実施例の内視鏡用胃幽門閉塞装置は、胃カメラと称される通常の内視鏡1に胃の出口となる幽門部を閉塞するための胃幽門閉塞装置2を併設したものである。
内視鏡1は、所定長さを有し可撓性のある外装チューブ11の先端に図2に示すように撮像装置(CCDカメラ)12と照明灯(図示省略)とを設けている。内視鏡1の外装チューブ11の先端部は、手元操作器10によって指向方向を変更できるようになっている。尚、内視鏡1の外装チューブ11の太さは、10〜15mm程度のものが多い。
内視鏡1の外装チューブ11内には、送気通路15が設けられている。この送気通路15は、手元操作器10から内視鏡の先端面1aに達する長さを有している。
内視鏡1の外装チューブ11の手元側には、鉗子挿通口14が設けられている。この鉗子挿通口14から内視鏡1の先端面1aまで挿通穴14aが設けられていて、該鉗子挿通口14から鉗子やその他の器具(後述の胃幽門閉塞装置2のプッシャー4や送気チューブ5等)を挿入することにより、内視鏡1の先端前方で各種の作業を行えるようになっている。
胃幽門閉塞装置2は、外装チューブ11の先端部に配置したバルーン3と、該バルーン3を内視鏡先端面1aから前方に押し出すプッシャー4と、バルーン3の袋体31に接続された送気チューブ5と、該送気チューブ5に圧縮空気を送入する送気ポンプ6とを有している。
バルーン3は、袋体31に逆止弁32付きの空気送入口33を設けたものが採用されている。逆止弁32は、袋体31内への送気を許容する一方で、袋体31内の空気が外部に漏出するのを阻止する機能を有するものである。バルーン袋体31を最縮小させた状態では、図1及び図2に示すように該袋体31を鉗子挿通穴14a内に収容できるようになっている。
バルーン3の袋体31は、圧縮空気により拡縮可能なもので、例えばゴム風船が採用できる。この袋体31には、奥側袋体31aと手前側袋体31bとを有している。そして、この袋体31では、奥側袋体31aと手前側袋体31bとの間に、袋体拡張状態(図5、図6)において径方向に小径となる括れ部31cが形成されるようになっている。尚、袋体31の拡張状態では、後述する(図5及び図6)ように、奥側袋体31aと手前側袋体31bで胃幽門81の幽門輪82を前後から挟んだ状態で、奥側袋体31aが十二指腸球部83の内面に圧接する一方、手前側袋体31bが幽門輪82の前面(胃側部分)に圧接するようになる。
そして、このバルーン3は、図1及び図2に示すように、袋体31を縮小させた状態で鉗子挿通穴14a内の先端部寄り位置に配置される。
プッシャー4は、この実施例では、図1及び図2に示すように可撓性のあるチューブ状のものが採用されており、以下の説明ではこのプッシャー4をプッシャーチューブということがある。このプッシャーチューブ4は、内視鏡1の鉗子挿通穴14aの全長より所定長さだけ長いものが使用されている。そして、このプッシャーチューブ4は、内視鏡1の鉗子挿通穴14a内に挿脱自在に挿通されている。尚、このプッシャーチューブ4の太さ(外径)は、バルーン3の逆止弁32のケーシングの外径とほぼ同程度であり、後述するようにプッシャー4をバルーン3に対して前進させたときに、プッシャーチューブ4の先端部4aでバルーン3の逆止弁32を押圧できるようになっている。
送気チューブ5は、プッシャー4の内径より僅かに小径(例えば2mm程度)で可撓性のあるものが採用されている。又、この送気チューブ5は、プッシャーチューブ4の全長より所定長さだけ長いものが使用されている。そして、この実施例では、送気チューブ5の先端部5aをバルーン3の空気送入口33に対して接離自在に連結し得るようになっている。尚、送気チューブ先端部5aと空気送入口33とは、空気送入時に不用意に外れない程度の圧接力で接続されており、バルーン袋体31の拡張後に送気チューブ5を強く引くことで送気チューブ先端部5aを空気送入口33から抜き外すことができるようにしている。
この送気チューブ5とプッシャーチューブ4とは、該送気チューブ5をプッシャーチューブ4内に挿通させた状態で、該プッシャーチューブ4を内視鏡1の鉗子挿通穴14a内に挿通して装着される。そのとき、プッシャーチューブ4の手元側端部4bを鉗子挿通口14から所定長さだけ露出させる一方、送気チューブ5の手元側端部5bをプッシャーチューブ4の手元側端部4bから所定長さだけ露出させる。
バルーン3と送気チューブ5とプッシャーチューブ4とは、内視鏡1の鉗子挿通穴14aに対して例えば次のようにしてセットすることができる。まず、プッシャーチューブ4の先端部4a側を鉗子挿通口14から挿入して、該送気チューブ5を鉗子挿通穴14a内に挿通させる。次に、送気チューブ5を単独で(バルーン3を連結する前に)その先端部5aをプッシャーチューブ4の手元側端部4bから挿入して、該送気チューブ先端部5aをプッシャーチューブ4の先端部4a及び内視鏡1の先端部1aから前方に露出させる。続いて、その露出させた送気チューブ先端部5aにバルーン3の空気送入口33を嵌入して、送気チューブ先端部5aにバルーン3を接続する。その後、送気チューブ5の手元側端部5bを引き上げて(必要に応じてプッシャーチューブ4の手元側端部4bも引き上げる)、図1及び図2に示すようにバルーン3を縮小状態で鉗子挿通穴14aの先端寄り内部に収納させる。尚、他のセット例として次のように行ってもよい。まず、内視鏡1及びプッシャーチューブ4外において予め送気チューブ5の先端部5aにバルーン3を接続させておき、鉗子挿通穴14aにプッシャーチューブ4を挿通させてその先端部4aを鉗子挿通穴14aの先端より露出させ、該プッシャーチューブ4の先端部4aから送気チューブ5の手元側端部5bを挿入させて該送気チューブ5の手元側端部5bをプッシャーチューブ4の手元側端部4bから露出させ、最後にプッシャーチューブ4及び送気チューブ5の各手元側端部4b,5bを引き上げて、バルーン3を鉗子挿通穴14aの先端寄り内部に収納させる。
送気チューブ5の手元側端部5bには、送気ポンプ6の吐出口6aを挿脱自在に連結し得るようになっている。尚、この実施例では、送気ポンプ6として注射器を採用しているが、この送気ポンプ6は送気チューブ5内に送気し得るものであれば適宜の構造のものを使用できる。
次に、図3〜図8を併用して上記内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法について説明すると、この実施例の胃幽門閉塞方法は、以下に示す第1工程〜第5工程を順次行って最終的に図7に示すように胃8の出口である幽門部81を拡張させたバルーン3で閉塞させるためのものである。
まず、第1工程では、図1及び図2に示すように内視鏡1に胃幽門閉塞装置2をセットした状態で、内視鏡1の先端部1a側を口腔から胃8内に挿入し、図3に示すように該内視鏡先端部1aを胃幽門部81の手前側近傍に位置させる。尚、このとき、送気ポンプ6は送気チューブ5の手元側端部5bに接続させておく。又、この第1工程では、内視鏡1のCCDカメラ12で観察しながら、内視鏡先端部1aの向き及び位置を手元操作器10で調整しながら行う。
第2工程では、図3に鎖線図示するように、内視鏡1に対してプッシャーチューブ4の手元側端部4bを先端部側に押して、バルーン3を図3に符号3′で示すように内視鏡先端1aから前方に押し出す。このとき、内視鏡1のCCDカメラ12で観察しながらバルーン袋体31の奥側袋体31aと手前側袋体31bとが胃幽門部81の幽門輪82を前後に跨ぐように位置させる(図4の実線図示状態となる)。
第3工程では、図4に示すように、内視鏡1の手元側から送気ポンプ6により送気チューブ5を通してバルーン袋体31内に圧縮空気を注入して、バルーン袋体31の奥側袋体31a及び手前側袋体31bの各外周面が図4に鎖線図示(符号31a′,31b′)するように胃幽門部81の内周面に圧接するまで該バルーン袋体31を拡張させる(図5の状態となる)。このとき、図5に示すように、バルーン袋体31の外周面が胃幽門部81の内周面に圧接し、且つ袋体31の奥側袋体31a部分と手前側袋体31b部分で幽門輪82を前後から挟み付けている(袋体31の括れ部31cが幽門輪82に対応している)ので、バルーン3が胃幽門部81に安定状態で位置保持される。尚、バルーン袋体31内に送入された圧縮空気は、逆止弁32により袋体31内に封入されたままとなる。
第4工程では、図5の状態から送気チューブ5の先端部5aを拡張状態のバルーン3の空気送入口33から切り離すが、このとき、プッシャーチューブ4の手元側端部4bを押し込んで(図5の矢印P)該プッシャーチューブ4の先端部4aをバルーン3の逆止弁(ケーシング)32に押し当てた状態で、送気チューブ5の手元側端部5bを強く引くことにより、図6に示すように送気チューブ5の先端部5aをバルーン3の空気送入口33から抜き外すことができる。尚、送気チューブ先端部5aを空気送入口33から抜き外しても、逆止弁32が閉じるので袋体31内に空気が空気送入口33から漏出することがなく、バルーン袋体31は拡張状態(閉塞状態)を維持している。
第5工程では、拡張状態のバルーン3を胃幽門部81に残した状態で切り離し済みの送気チューブ5及びプッシャーチューブ4を体外へ抜き出す。この場合、内視鏡1をそのままにして送気チューブ5及びプッシャーチューブ4を内視鏡1から抜き出してもよく、あるいは該送気チューブ5及びプッシャーチューブ4を内視鏡1とともに体外に抜き出してもよい。そして、この第5工程を終えると、バルーン3による胃幽門部81の閉塞作業が完了する。
尚、上記第1工程〜第5工程の作業中は、胃壁8aが収縮して胃8の内容積が小さくなることがあるが、この胃幽門部閉塞作業中には胃内部が縮小しても特に支障がない。
この実施例の胃幽門閉塞方法では、上記第1工程〜第5工程を順次行うことにより、胃幽門部81をバルーン3で閉塞させることができるが、この胃幽門閉塞方法で使用される内視鏡用胃幽門閉塞装置は比較的簡単且つ安価な構成のものであり、しかもこの各作業工程も比較的簡単に実施できる。
図7は、胃幽門部81をバルーン3で閉塞させた状態で、内視鏡1の送気通路15を通して内視鏡先端部1aから圧縮空気Aを胃内に送入させている様子を示しているが、胃内に圧縮空気Aを送入すると胃8内が高圧になることにより、胃壁8aの収縮作用に抗して胃内部が拡張される。このとき、胃幽門部81がバルーン3で塞がれているので、胃8内が高圧になっても胃幽門部81を通って十二指腸84側に胃内の空気が漏出することがない。従って、従来(図9)のように、胃8内の空気が腸管(十二指腸84、小腸)側に漏出することによる各種の問題点(腹部膨満感による苦痛や、腸管が膨れることによる視野の減少等)を未然に解消できる。
そして、図7に示すように内視鏡先端部1aからの送気によって胃8内部を拡張させた状態で、胃内の患部を内視鏡1で所定の治療を行うが、その治療に長時間を要しても、腹部膨満感がないので、その分、患者への苦痛を緩和できる。
内視鏡1による胃内患部の治療が終了すると、バルーン3を体外に排出する必要があるが、その作業は図8に示すようにして行う。即ち、内視鏡1の鉗子挿通口14から破袋装置(先端に破袋針16を有する)を挿入し、該破袋装置の手元操作器20を操作して破袋針16で拡張状態のバルーン袋体31を突き破る。すると、バルーン袋体31内の空気が抜けて該バルーン袋体が鎖線図示(符号31′)するように縮小する。続いて、鉗子挿通口14に鉗子装置を差し替えて、その先端の鉗子17で縮小したバルーン袋体31′を摘まみ、該バルーン袋体31′を鉗子17とともに体外に抜き出せば、バルーン3の排出作業は完了する。尚、この場合、鉗子17でバルーン袋体31′を摘まんだ状態で、内視鏡1ごと体外に抜き出してもよい。
尚、上記実施例では、送気チューブ5の先端部5aをバルーン3の空気送入口33に対して接離自在に連結し得るようにしたものを採用しているが、他の実施例では、送気チューブ5の先端部5aをバルーン3の空気送入口33に対して固定的に連続させたもので行うことができる。その場合は、図5に示すようにバルーン袋体31を胃幽門部81で拡張させた後に、その拡張状態のバルーン3と送気チューブ5とを残して内視鏡1をプッシャーチューブ4とともに体外に抜き出す。このとき、送気チューブ5の手元側端部5bは口腔から体外に露出している。そして、内視鏡1の先端部を胃内に挿入し、鉗子挿通穴14aに別の切断手段(先端にハサミ付き)を挿入して、該切断手段(ハサミ)で送気チューブ5の先端部寄り位置を切断し、その切り離した送気チューブ5を抜き出せば胃幽門部81に拡張状態のバルーン3だけを残すことができる。
本願実施例の内視鏡用胃幽門閉塞装置の正面図である。 図1の内視鏡用胃幽門閉塞装置の部分拡大図である。 本願実施例の胃幽門閉塞方法の第1及び第2工程の説明図である。 同胃幽門閉塞方法の第3工程の説明図である。 同胃幽門閉塞方法の第3工程完了状態の説明図である。 同胃幽門閉塞方法の第4工程の説明図である。 胃幽門閉塞状態での機能説明図である。 胃幽門部に残されたバルーンの排出方法の説明図である。 従来から行われている胃拡張方法の説明図である。
符号の説明
1は内視鏡、2は胃幽門閉塞装置、3はバルーン、4はプッシャー(プッシャーチューブ)、5は送気チューブ、6は送気ポンプ、8は胃、11は外装チューブ、12はCCDカメラ、14は鉗子挿通口、14aは鉗子挿通穴、15は送気通路、31はバルーン袋体、31aは奥側袋体、31bは手前側袋体、31cは括れ部、32は逆止弁、33は空気送入口、81は胃幽門部、82は幽門輪、83は十二指腸球部である。

Claims (2)

  1. 内視鏡を併用して胃の幽門部を閉塞するための内視鏡用胃幽門閉塞装置であって、
    内視鏡の先端部に、空気により拡縮可能でその拡張状態では胃幽門輪の前後に跨がって胃幽門部を閉塞し得る形状となるバルーンを縮小状態で配置し、
    内視鏡に、内視鏡先端部に配置しているバルーンを内視鏡先端の前方に押し出すためのプッシャーを設け、
    バルーンに内視鏡の手元側から内視鏡先端側に向けて延出する送気チューブの先端部を接続して、送気ポンプにより送気チューブを通してバルーン内に圧縮空気を注入し得るようにしているとともに、
    送気チューブの先端部はバルーンに対して切り離し可能となっている、
    ことを特徴とする内視鏡用胃幽門閉塞装置。
  2. 上記請求項1の内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法であって、
    バルーンを縮小状態で内視鏡先端部に配置した状態で内視鏡先端を口腔から胃内の幽門部近傍位置まで挿入する工程と、
    プッシャーによりバルーンを内視鏡先端から胃幽門部の幽門輪を前後に跨ぐ位置に押し出す工程と、
    送気ポンプにより送気チューブを通してバルーン内に圧縮空気を注入して、バルーンの外周面が胃幽門部の内周面に圧接するまで拡張させる工程と、
    送気チューブの先端部を拡張状態のバルーンから切り離す工程と、
    拡張状態のバルーンを胃幽門部に残した状態で送気チューブ及びプッシャーを体外へ抜き出す工程、
    とを順次行うことを特徴とする内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法。
JP2008312798A 2008-12-09 2008-12-09 内視鏡用胃幽門閉塞装置及び該内視鏡用胃幽門閉塞装置を用いて行う胃幽門閉塞方法 Pending JP2010136734A (ja)

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