JP2010141086A - 光ファイバ結合器、光増幅装置、及びファイバレーザ - Google Patents

光ファイバ結合器、光増幅装置、及びファイバレーザ Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ結合器において、光ファイバのコア接続部で漏れ出る信号光を励起光光源に進行させず、励起光光源の不安定動作、破壊を防止する。
【解決手段】クラッドポンプファイバに対して、複数の励起光入力用ファイバの一端を束ねて一体化するとともに先端部を緩やかに縮径させ,当該縮径した先端部は励起光出力用マルチモードファイバと端面どうしで結合させた励起光伝播部と、信号光伝播用ファイバを前記励起光伝播部に沿って配列させてなる信号光伝播部とを結合し、励起光伝播部とクラッドポンプファイバのインナークラッド領域との接続部をクラッドポンプファイバの信号光用コアの軸心を中心として一定距離を超える位置に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、励起光、及び信号光を同時に結合させることができる光ファイバ結合器と、該光ファイバ結合器を具備した高信頼性の光増幅装置、ファイバレーザに関する。
クラッドポンプファイバとは、信号光を伝播するコア、そのコアの周囲にコアよりも屈折率の低いインナークラッド、さらにインナークラッドの周囲にインナークラッドよりも屈折率の低いアウタークラッドを備えた構造の光ファイバによる光増幅媒体である。
インナークラッドに入射した励起光はインナークラッドとアウタークラッドの界面で全反射を繰り返しながらインナークラッド内を伝播する。コアには、イッテルビウムのような希土類元素が添加されており、インナークラッド内を伝播する励起光がコアを通過する際、反転分布により励起光を吸収して信号光を誘導放出する。そして、コアで増幅された信号光はコアとインナークラッド間で全反射を繰り返しながらコアを伝播し、ファイバ端面より出射される。
クラッドポンプファイバは、大きな断面積をもつインナークラッドに大量に励起光を入射できる構造であり、シングルクラッド構造のようなコアだけに励起光を入射するポンプファイバと比較すると、格段の高出力化が可能となる。なお、以下、「信号光」はクラッドポンプファイバより誘導放出されたレーザ光を意味するものとする。
光ファイバ結合器は、励起光光源とクラッドポンプファイバの間、及び、信号光入出力対象物とクラッドポンプファイバの間で光の受け渡しを担う。具体的には、高出力発振が可能な複数のマルチモード半導体レーザから出射された励起光は、光ファイバ結合器で集光・高密度化された後、クラッドポンプファイバへと伝達される。
そして、クラッドポンプファイバのコアで誘導放出により発生した信号光は、光ファイバ結合器を介して外部へ出射される。もしくは、増幅させようとする信号光をクラッドポンプファイバへと入射させる機能を有する。光ファイバ結合器は、レンズ等に代表される空間結合器でたびたび必要となる光軸の微小調整をする必要がなく、強固に伝送媒体どうしが接続されている構造なので、信頼性が高い装置を構成できる。
クラッドポンプファイバによる光増幅システムは微小なコアを高出力な光が伝播しており、極めてエネルギー密度が高い状態であるので、光ファイバ自身の溶解、樹脂の発火、出射端面での破壊などの破損対策が必要である。光増幅システムが高出力になるにつれて、よりいっそう、光ファイバ伝送路の破損対策を確実に行うことが求められる。
この励起光を集光・高密度化してクラッドポンプファイバへと結合し、同時にクラッドポンプファイバで発生する信号光を結合する機能を有する光ファイバ結合器の構造として、従来、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1では、図6に示されるように、1本の信号光伝播用ファイバ901を中心に複数のマルチモードファイバ902を周囲に配置して束ねて、励起光を集光するために先端を縮径し、縮径した端面とクラッドポンプファイバ903の端面を接続した構造になっている。特許文献2では、コアから漏れ出る信号光が励起光源に進入しないように、ファイバ束の中心にある信号光伝播用ファイバ901のコア周囲にコアよりも屈折率が低くクラッドよりも屈折率の高い「放射光閉じ込め導波路」を具備した構造の光ファイバ結合器が開示されている。
米国特許第5864644号明細書 特開2008−10804号公報
しかしながら、従来の光ファイバ結合器は、図6に示されるように、励起光伝播領域であるマルチモードファイバ902の束の内部に信号光伝播領域である信号光伝播用光ファイバ901が配置されている。このため、ファイバ束先端とクラッドポンプファイバ903との接続部904での信号光用コアの不整合により、高出力信号光の一部が接続部904でコアからクラッドへと漏れ出し、この漏れ出る信号光(以下、信号光用コアより漏れ出る信号光を放射信号光905と記す。)が励起光集光用のファイバ束内を逆方向に伝播して、入力端906に接続している半導体レーザに入射してしまう。その結果、半導体レーザが不安定に動作する現象が発生し、最悪の場合は半導体レーザを破壊するという課題があった。
半導体レーザは光ファイバを使用した光増幅システムの中でも金額内訳の大部分を占める最も高価な部品であり、半導体レーザが破壊された時の損害は甚大である。光増幅システムを高出力化する際は、放射信号光も高出力してしまい、半導体レーザが悪影響を生じやすくなり、しかも、半導体レーザの設置数を増やして信号光を高出力化させるので、悪影響を受ける半導体レーザ数も必然的に増加してしまう。
コアから信号光が漏れ出す原因としては、使用する光ファイバ自体の構造設計に問題がないとすると、小さい局率半径の曲げによるコアからの信号光の漏れ、または、各光ファイバのコア接続部での信号光の漏れが原因として挙げられる。
曲げによる放射信号光は、組立時の局率半径を適切にすること、光ファイバの固定部で無理な力を加えないように注意することで防止できる。接続部におけるコアの不整合は、断面形状、モードフィールド径、開口数、接続角度などの相違が要因として考えられる。接続する各光ファイバの特性に全くの相違がない状態で接続することができれば問題はないが、光ファイバの製造公差、接続時の偶発的なズレ、さらには意図してコア径、開口数を異ならせる場合があり、放射信号光は極力抑制することは可能であるが完全に抑制することは難しい。発生した放射信号光を消滅させる対策として、一般的には、信号光伝播用ファイバのクラッド周囲にある被覆樹脂に速やかに吸収させて、熱エネルギーに変換する方法が用いられる。
特許文献2に開示された従来技術では、信号光伝播用ファイバ901のコア周囲に放射光閉じ込め導波路が存在することによって放射信号光905が励起光伝播用マルチモードファイバ902に進行しにくい構造である。
しかしながら、放射光閉じ込め導波路の全反射臨界角よりも大きな散乱角で放射信号光905が発生した場合、放射光閉じ込め導波路の効果はなく、励起光伝播用マルチモードファイバ902を伝播して半導体レーザに進行してしまう危険性がある。
また、放射信号光905は速やかにクラッド周囲の被覆脂層へ吸収されることが望ましいが、放射光閉じ込め導波路があるがために再度信号光用コアに捕捉され、パルス発振では、雑音として信号光用コア内を伝播してシステムに悪影響を与える可能性も考えられる。
しかも、この構造は放射光閉じ込め導波路の屈折率上昇分だけ接続部904での屈折率不整合が大きくなっている状態なので、放射光閉じ込め導波路がない場合よりも必然的に信号光が漏れやすい状態になっている。
本発明は、放射信号光による半導体レーザの不安定動作、破壊を効果的、且つ、容易に防止する光ファイバ結合器と、この光ファイバ結合器を用いた信頼性の高い光増幅装置、ファイバレーザを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、信号光伝播部が励起光集光用のファイバ束内部に存在しない状態、すなわち、励起光集光用のファイバ束の外側に沿わせて信号光を伝播させるファイバが具備された配列構造にする。
具体的には、励起光伝播部は、複数の励起光入力用ファイバの一端を束ねて一体化するとともに、効率良く励起光を集光させるために先端部を緩やかに縮径させ、縮径した先端部は励起光出力用マルチモードファイバと端面どうしで結合する。信号光伝播部は、信号光伝播用ファイバを励起光伝播部に沿って配列させる。
そして、信号光伝播部のクラッド側面と直接接する部分は、放射信号光を速やかに消滅させるため、このクラッドよりも屈折率の高い樹脂で被覆し、励起光伝播部の縮径部から出射端までのコア、及びクラッド側面と直接接する部分は、励起光を伝播させるため、このコア、及びクラッドよりも屈折率の低い樹脂で被覆して、信号光伝播部と励起光伝播部とは光学的結合させない。
クラッドポンプファイバとの接続は、信号光伝播部とクラッドポンプファイバのコア領域との接続部と、励起光伝播部とクラッドポンプファイバのインナークラッド領域との接続部を別々の位置で結合し、その接続位置は、クラッドポンプファイバの信号光用コアの軸心を中心として、コア半径の5倍の半径領域内に励起光伝播部との接続部がないことを特徴とする。
この構成によれば、光ファイバ結合器の信号光導波領域と励起光導波領域がお互いに干渉しないように分けることができ、クラッドポンプファイバとの信号光用コア接続部では、信号光が影響されるコア接続部周辺のクラッド領域に励起光伝播領域を設けていないので、信号光用コア接続部から発生する放射信号光が励起光集光用のファイバ束に進行することがなくなる。
また、光増幅装置、及びファイバレーザに本発明の光ファイバ集光器を備えることで、信号光用コア接続部から発生する放射信号光が励起光集光用のファイバ束に接続される半導体レーザに入射することがなくなる。
本発明の光ファイバ結合器、この光ファイバ結合器を具備した光増幅装置、ファイバレーザは、信号光伝播領域と励起光伝播領域を別々に分けた構造であり、放射信号光の進行方向に励起光伝播領域が存在しないので、信号光用コア接続部で発生する放射信号光は励起光集光用ファイバ束へと進行しない。このため、放射信号光が発生しても半導体レーザへ入射することがなく、半導体レーザの不安定動作、破壊がなくなり、光増幅システムの信頼性が高まる。そして、さらなる高出力化も期待できる。
本発明の光ファイバ結合器、光増幅装置、ファイバレーザの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるように、光ファイバ結合器10は複数の励起光入力用マルチモードファイバ11を束ねて一端が一体化されたテーパ状の縮径部12を有し、縮径先端部分と励起光出力用マルチモードファイバ13とが端面で結合され接続部14を有し、信号光伝播用ファイバ15が、この励起光集光用のファイバ束に沿って配置される。
そして、励起光出力用マルチモードファイバ13は、クラッドポンプファイバ16の信号光出射領域と重ならないようにして励起光出力用マルチモードファイバとクラッドポンプファイバの接続部17で結合され、一方、信号光伝播用ファイバ15の信号光用コア18とクラッドポンプファイバ16の信号光用コア19は接続部20で結合される。励起光集光用のファイバ束の内部に信号光伝播用ファイバ15を配置させず、ファイバ束の外側に沿って配置させることで、励起光、信号光を分割してクラッドポンプファイバと結合することが可能となる。
図2(a)は、励起光入力用マルチモードファイバ11の一例の断面図を示している。励起光が伝播するコア31は耐熱性のある石英ガラスが好ましい。クラッド32はコア31よりも屈折率が低くなるようにフッ素、ホウ素等をドープした石英ガラスが好ましい。コアの開口数は0.22が一般的である。
図2(b)は、励起光出力用マルチモードファイバ13の一例の断面図を示している。励起光が伝播するコア31は耐熱性のある石英ガラスが好ましい。クラッド33はコア31よりも屈折率が低く、且つ開口数が大きくなるように低屈折率被覆樹脂が好ましい。低屈折率被覆樹脂のクラッドは、コアの開口数を石英ガラスのクラッドよりも大きくすることができ、一般にコアの開口数は0.46である。
図2(c)は、信号光伝播用ファイバ15の一例の断面図を示している。信号光が伝播するコア18はゲルマニウム等をドープして屈折率を高めた石英ガラス、クラッド34は石英ガラスが好ましい。コア18の屈折率をncore、クラッド34の屈折率をn1、被覆樹脂35の屈折率をn’とすると、ncore>n1<n’の関係を満たしており、コアだけに光が伝播する状態となっている。被覆樹脂35に入射する光は吸収されて熱エネルギーに変換される。
製作方法は、まず、複数の励起光入力用マルチモードファイバ11の必要領域の被覆を除去した後、できれば最密充填構造となるように配列させる。最密充填配列後、ヒータ等の加熱源で被覆を除去した部分のファイバ束を溶融一体化して、軟化した部分を延伸する。延伸することによって、各々の励起光入力用マルチモードファイバ11は外径が縮小して、長手方向になだらかな縮径部12を有するファイバ束となる。この方法は通常の光ファイバスターカプラを作製する方法と同様である。接続損失が最小となるように励起光出力用マルチモードファイバ13のコア径と同じ寸法まで縮径させ、ファイバ束のくびれ中心部に傷をつけ、張力を付加して分割することで、片端が縮径・一体化しているファイバ束を作製することができる。
そして、縮径部12の先端を励起光出力用マルチモードファイバ13の端面に接続する。機械的な信頼性を考えて接続部14は融着接続を行うのが望ましい。そしてこの部分を保護する為の被覆は、励起光を漏らさないように励起光出力用マルチモードファイバ13のクラッド33と屈折率が同じ低屈折率被覆樹脂36を使用する。
励起光を効率良く集光する為になだらかに縮径させているファイバ束において、入力端37での励起光入力用マルチモードファイバ11のコア径をDin、入射伝播光の開口数をNAinとし、励起光入力用マルチモードファイバ11の縮径された端面でのコア径をDout、出力伝播光の開口数をNAoutとすると、式(1)が成り立つ。
Figure 2010141086
この式より、NAoutが縮径したコア径比だけ大きくなるので、出力用マルチモードファイバ13は前述の図2(b)のような樹脂材料のクラッド33でコア開口数が大きくとれる構造が好ましい。ガラス材料を用いたクラッド32では光の漏れが大きく伝播効率が悪化してしまう。
図3はクラッドポンプファイバ16の一例を示した断面図である。信号光が伝播するコア19には希土類元素が添加されており、その周囲を石英ガラスで囲んだ一層、もしくは複数層のインナークラッド41、更にその周囲に低屈折率被覆樹脂で囲んだアウタークラッド42からなる構造である。
コア19の絶対屈折率をncore、インナークラッド41の絶対屈折率をn1、アウタークラッド42の絶対屈折率をn2とすると、ncore>n1>n2の関係を満たしているので、
Figure 2010141086
を満たす開口数でインナークラッド41に入射した光は、インナークラッド41とアウタークラッド42の境界で全反射を繰り返しながら光ファイバ内を伝播する。インナークラッド41はスキュー光をなくして励起光を効率良くコア19へと導く目的で、矩形断面形状のインナ−クラッド41が好ましい。
一般にインナークラッド41の開口数は0.46、コア19の開口数は高ビーム品質を達成する為に0.06〜0.12である。高出力発振においては、希土類元素としてイッテルビウムをドープしたファイバを使用するのが好ましく、イッテルビウムの場合は光−光変換効率が70%以上もあるクラッドポンプファイバ16が製作できる。
次に、信号光用コア18,19を接続する。機械的な信頼性を考えて信号光用コアの接続部20は融着接続を行うのが望ましい。そして信号光用コアの接続部20を保護する被覆は、信号光伝播用ファイバと同様にクラッド34よりも屈折率の高い被覆樹脂35を使用し、信号光用コア18だけに信号光が伝播する状態にしておく。
信号光用コア18,19を接続する場合、あらかじめ接続損失が少なくなるように最適なコア径、屈折率を計算しておくのが前提であるが、接続作業中にコアどうしの偶発的な接続ズレが発生して接続損失が増加してしまう恐れがある。このため、励起に関係のない波長の光を信号光用コア18,19に通しながら、接続前後での透過状態を測定するのが望ましい。
万一、接続損失が大きい状態で接続されたことが判明した場合は、高出力な信号光が漏れやすい状態になっているので、接続した2本の光ファイバを分断し、端面を平滑に加工して再接続しなければならない。信号伝播用部が励起光集光用のファイバ束内に備わっている構造では、再接続する際、端面の平滑加工によってファイバ径が必然的に太くなってしまうので、新たなファイバ束を使用しなければならなくなり、製造コスト増加の原因となる。
信号光用コアを接続した後は、励起光出力用マルチモードファイバ13とクラッドポンプファイバ16と接続する。機械的な信頼性を考えて接続部17は融着接続を行うのが望ましい。そして励起光出力用マルチモードファイバとクラッドポンプファイバの接続部17を保護する為の被覆は、励起光を漏らさないようにダブルクラッドファイバ16のアウタークラッド42と屈折率が同じように低屈折率被覆樹脂36を使用する。
ここで、図4(a)、(b)に示すように、励起光出力用マルチモードファイバ13の接続部17がクラッドポンプファイバ16のコア19を導波する信号光に影響を与えない領域に接続することが重要である。一般に開口数が0.12のシングルモード光であると、信号光はコア径の5倍程度クラッド内に光が染み出しながら伝播している。
例えばコア径がφ6μmならば、コア中心からの距離:6×5÷2=15μm以内の領域内に励起光出力用マルチモードファイバ13の一部が存在していると、信号光に影響を及ぼし、伝播効率悪化、及び励起光出力用マルチモードファイバ13への信号光進入の原因となる恐れがある。ファイバとの融着接続を考慮すると、一般に市販されている光ファイバのファイバ径はφ125μmであるので、コア中心と出力用マルチモードファイバ13表面の距離を125μm/2=62.5μm以上離しておけば問題ない。
尚、接続形態は特にこれに限定されるものでなく、励起光出力用マルチモードファイバ13とクラッドポンプファイバ16との接続形態は、図4(c)に示すように、各々の樹脂を除去して側面どうしを接続する方法もある。この場合、励起光出力用マルチモードファイバ13の先端部を滑らかなテーパ形状にして、クラッドポンプファイバ16に励起光が効率良く移るようにすることが好ましい。テーパ形状作製方法には、ファイバ束を作製したのと同様に溶融延伸する方法、または、フッ酸でファイバ先端をテーパ状に溶解させて作製する方法がある。
最後に、励起光入力用マルチモードファイバ11の入力端37には、ファイバピグテイル付の半導体レーザ(図示せず)を接続する。励起する波長はクラッドポンプファイバ16のコア19に含有されている希土類元素を効率的に反転分布させる特定波長を用いる。イッテルビウムがコアに含有されている場合、励起波長は975nm、915nmが代表値であり、ネオジウムがコア19に含有されている場合、励起波長は807nmが代表値である。
ここでも機械的な信頼性を考えて入力端21での接続は融着接続を行うのが望ましい。保護用の被覆は、ガラスクラッド32が存在しない場合はコアよりも屈折率の低い樹脂を使用し、ガラスクラッド32が存在する場合は屈折率を考慮しなくても良い。
これら上述の接続構造を用いた光ファイバ結合器10は、信号光用コアの接続部20で放射信号光5が発生しても、励起光出力用マルチモードファイバ13へ伝播することがないので、半導体レーザの不安定動作、破壊を防止できる。
また、信号光用コア18には放射光閉じ込め導波路がないため、放射信号光5は信号光用コア18に再び捕捉されることなく速やかにクラッド周囲の被覆樹脂35へ吸収される。このため光増幅システムの雑音の原因にはならない。
安全を考慮すると、放射信号光5が被覆樹脂35の特定の場所で吸収される部分をなくして分散させて被覆樹脂35に吸収させることが必要になるので、接続部以降の30cm程度は局率半径を大きくとることが望ましい。局率半径を小さくして曲げると、放射信号光5を集中して吸収する部分ができてしまい、被覆樹脂35が燃えて光増幅システム全体が破壊される恐れがある。
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の単なる例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
以下の手順により、図1に示す構成の光ファイバ結合器を製作した。使用したファイバは以下のとおり。製造方法は前記の最良の形態と同じ方法である。
光ファイバ結合器10は以下の仕様の部材によって構成される。
励起光入力用マルチモードファイバ11の仕様は、コア径φ105μm、クラッド径φ125μm、コア開口数0.22である。励起光出力用マルチモードファイバ13の仕様は、コア径φ125μm、樹脂クラッド径φ200μm、コア開口数0.46である。信号光伝播用ファイバ15の仕様は、コア径φ6μm、クラッド径φ125μm、コア開口数0.12である。
クラッドポンプファイバ16の仕様は、イッテルビウムドープコア、コア径φ6μm、インナークラッド寸法400μm、コア開口数0.12、インナークラッド開口数0.46である。
まず、励起光入力用マルチモードファイバ11を7本最密充填配列になるように束ねて、ヒータで溶融させて一体化し、その後、延伸して励起光出力用マルチモードファイバ13と導波路の断面積が同じになるようにした後、両者を融着接続して接続部14を形成した。
次に、半導体レーザ51を光ファイバ結合器10の入力端に7台融着接続した。半導体レーザ51の仕様は、発振波長915nm、低格出力10[W]であった。出力端に受光器を設置し、出力値を読み取った結果、励起光伝播領域は90%以上の高い集光効率であった。
クラッドポンプファイバ16との接続は、クラッドポンプファイバ16のコア中心軸から125μm以上離れた箇所に励起光出力用マルチモードファイバ13の中心軸が位置するように融着接続して接続部17を形成し、また、信号光用コアどうしを融着接続して接続部20を形成した。最後に低屈折率被覆樹脂36で被覆して光ファイバ結合器10が完成した。
半導体レーザへの影響を確認する為、図5に示すような光増幅装置を構成した。クラッドポンプファイバ16の片端のコアに信号光光源を光学的に結合し、信号光出力側には、光ファイバ結合器10接続した。信号光伝播部の出力端には破壊防止の為に石英ガラスのエンドキャップ53を融着接続した。エンドキャップ53は無反射コーティングを施している。
レーザ発振を1時間以上持続させたが、入力端37に接続している全ての半導体レーザ51は出力変動なく動作し、破壊しなかった。それ以前に作製した図6に示されるような励起光集光用のファイバ束の中心に信号光用コアが含まれる光ファイバ結合器での実験では、半導体レーザ51が破壊していた。
本発明にかかる光ファイバ結合器は、半導体レーザの不安定動作、破壊を防止することできるので、光増幅装置、ファイバレーザの高信頼性に寄与し、さらには高出力化も期待できる。
(a)本発明の光ファイバ結合器の一例の側面図、(b)本発明の光ファイバ結合器の出力端付近の一例の断面図、(c)本発明の光ファイバ結合器の束状配列部の一例の断面図 (a)励起光入力用マルチモードファイバの一例の断面図、(b)励起光出力用マルチモードファイバの一例の断面図、(c)信号光伝播用ファイバの一例の断面図 クラッドポンプファイバの一例の断面図 クラッドポンプファイバとの接続形態の複数の例を示す概略図 本発明の光ファイバ結合器を備えた光増幅装置の一例を示す構成図 従来技術の光ファイバ結合器の側面図
符号の説明
10 光ファイバ結合器
11 励起光入力用マルチモードファイバ
12 縮径部
13 励起光出力用マルチモードファイバ
14 接続部
15 信号光伝播用ファイバ
16 クラッドポンプファイバ
17 接続部
18 信号光用コア
19 信号光用コア
20 信号光用コアの接続部
31 コア
32 クラッド
33 クラッド(樹脂)
34 クラッド
35 被覆樹脂
36 低屈折率被覆樹脂
37 入力端
41 インナークラッド
42 アウタークラッド
51 励起光光源(半導体レーザ)
52 信号光光源
53 エンドキャップ

Claims (5)

  1. 信号光が伝播するコアと,当該コアの周辺にコアよりも低い屈折率の材料で形成されたインナークラッドと,さらに当該インナークラッドの周辺にインナークラッドよりも低い屈折率の材料で形成されたアウタークラッドを有するクラッドポンプファイバに対して、
    複数の励起光入力用ファイバの一端を束ねて一体化するとともに先端部を緩やかに縮径させ,当該縮径した先端部は励起光出力用マルチモードファイバと端面どうしで結合させた励起光伝播部と、
    信号光伝播用ファイバを前記励起光伝播部に沿って配列させてなる信号光伝播部とを結合する光ファイバ結合器であって、
    前記励起光伝播部と前記クラッドポンプファイバのインナークラッド領域との接続部が、前記信号光伝播部と前記クラッドポンプファイバのコア領域との接続部に対して異なる位置で結合されるとともに、その接続位置が前記クラッドポンプファイバの信号光用コアの軸心を中心として一定距離を超える位置に設定されたことを特徴とする光ファイバ結合器。
  2. 前記一定距離を少なくともコア半径の5倍の距離としたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ結合器。
  3. 前記信号光伝播部のクラッド側面と直接接する部分を当該クラッドよりも屈折率の高い樹脂で被覆するとともに、前記励起光伝播部の縮径部から出射端までのコア、及びクラッド側面と直接接する部分においては当該コア及び当該クラッドよりも屈折率の低い樹脂で被覆することを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ結合器。
  4. 請求項1乃至3に記載の光ファイバ結合器を備えた光増幅装置。
  5. 請求項1乃至3に記載の光ファイバ結合器を備えたファイバレーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107017551A (zh) * 2017-05-27 2017-08-04 中国工程物理研究院应用电子学研究所 一种(2+1)×1侧面融锥型光纤泵浦合束器的封装方法
CN115152103A (zh) * 2020-03-10 2022-10-04 株式会社藤仓 光纤激光装置
CN116417881A (zh) * 2021-12-31 2023-07-11 华为技术有限公司 一种泵浦合束器与掺铒光纤放大器

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