JP2010142368A - 浴槽装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入浴者に継続的に運動させることができる、あるいは身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】背もたれ可能な第1の浴槽壁面と、前記第1の浴槽壁面に対向する第2の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第2の浴槽壁面に設けられ、前記第2の浴槽壁面に足を向けて前記浴槽に入浴している入浴者の足に噴流を吐水する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流の状態を、前記入浴者の足を屈曲させない第1の噴流状態と、前記第1の噴流状態よりも吐水流量が多く前記入浴者の足を屈曲させる第2の噴流状態と、に交互に設定し、且つ前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする浴槽装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明の態様は、一般的に、浴槽装置に関し、具体的には入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
近年、社会的に健康志向が高まり、フィットネスやエクササイズなどの運動によって健康管理を行いたいという要求が高まっている。また、入浴中に手軽に運動したいという要望もある。
例えば、特許文献1には、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術が開示されている。踏み台にはバネによって踏み込み負荷が与えられており、入浴者は座位姿勢のまま片足で踏み台を踏み込むことにより、運動することができる。しかしながら、普段から運動習慣の無い人が運動を行うには、相当な意志の力を要する。特に、入浴時はリラックスした精神状態になっているため、意志の力を発揮することは困難である。このため、浴槽内に運動器具を設置しても、運動が長続きしないことが予想される。また、同じ動作を繰り返すため、その動作に慣れたり飽きたりして、運動が長続きしないことが予想される。
一方、特許文献2には、内部に足置き部が設けられ、この足置き部に噴流を噴出する吐出口が設けられた循環式浴槽が開示されている。特許文献2には、入浴者が足置き部に足を載せた状態で、吐出口から噴流を噴出させることにより、入浴者の足裏を刺激して、マッサージを施すことができると記載されている。しかしながら、この循環式浴槽は、入浴者が足置き部に足を載せて使用するものであり、入浴者に身体の広範囲を運動させるものではない。
また、特許文献3には、噴出ノズルからの噴流を制御部によって噴出・停止を制御する気泡発生装置が開示されている。特許文献3には、両噴出個所により浴湯が噴出する一定のオーバーラップ時間が生じ、噴出個所の移行が円滑に行えて、入浴者に不快感を与えることがなくなると記載されている。しかしながら、この気泡発生装置は、特許文献2に開示された循環式浴槽と同様に、入浴者に身体の広範囲を運動させるものではない。
特開2003−236014号公報 特開2005−287541号公報 特許第2710829号公報
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、入浴者に継続的に運動させることができる、あるいは身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置を提供する。
本発明の一態様によれば、背もたれ可能な第1の浴槽壁面と、前記第1の浴槽壁面に対向する第2の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第2の浴槽壁面に設けられ、前記第2の浴槽壁面に足を向けて前記浴槽に入浴している入浴者の足に噴流を吐水する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流の状態を、前記入浴者の足を屈曲させない第1の噴流状態と、前記第1の噴流状態よりも吐水流量が多く前記入浴者の足を屈曲させる第2の噴流状態と、に交互に設定し、且つ前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする浴槽装置が提供される。
本発明の態様によれば、入浴者に継続的に運動させることができる、あるいは身体の部位をバランスよく運動させることができる浴槽装置が提供される。
第1の発明は、背もたれ可能な第1の浴槽壁面と、前記第1の浴槽壁面に対向する第2の浴槽壁面と、を有する浴槽と、前記第2の浴槽壁面に設けられ、前記第2の浴槽壁面に足を向けて前記浴槽に入浴している入浴者の足に噴流を吐水する吐水部と、前記噴流の状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流の状態を、前記入浴者の足を屈曲させない第1の噴流状態と、前記第1の噴流状態よりも吐水流量が多く前記入浴者の足を屈曲させる第2の噴流状態と、に交互に設定し、且つ前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、ノズルからの噴流の状態が不規則に変更されるため、入浴者の足の運動は、不規則に変化する。すなわち、同じリズムの足の運動が継続することはない。そのため、入浴者は、不規則に変化する運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、入浴者に継続的に運動させることができる。さらに、入浴者の足は、不規則に変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。すなわち、この浴槽装置は、入浴者を座らせた状態にありながら、他動的に運動を行わせることができる運動浴槽装置であると言える。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流状態の変化の周期に対する前記第1および第2の噴流状態の継続時間の割合を変化させることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、入浴者の足の運動モードを、ストレッチ運動に近似した運動と、歩行運動のような屈伸運動と、バランストレーニングに近似した運動と、に不規則に変化させることができる。これにより、入浴者は、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流状態の変化の周期を変化させることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、入浴者の足の運動モードを、歩行運動のような屈伸運動と、ストレッチ運動あるいはバランストレーニングに近似した運動と、に不規則に変化させることができる。これにより、入浴者は、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかにおいて前記吐水部から吐水される吐水流量を変化させることを特徴とする浴槽装置である。
この浴槽装置によれば、入浴者の足の屈曲角度を不規則に変化させることができる。すなわち、入浴者の足の運動モードを不規則に変化させることができる。これにより、入浴者は、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、入浴者に継続的に運動させることができる。また、入浴者の身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる浴槽装置を例示する模式的断面図である。
図1に表したように、本実施形態にかかる浴槽装置1は、浴室ユニット60内に設けられている。浴室ユニット60は、防水パン61によって床が構成されており、壁パネル62によって壁が構成されており、天井パネル(図示せず)によって天井が構成された箱形の水密ユニットである。浴槽装置1は、防水パン61上に配置されている。
浴槽装置1には、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は例えば略直方体形状であり、長手方向の一端部の内側面は、入浴者Mの背中m1が接触する背側面(第1の浴槽壁面)2aとなっており、長手方向の他端部の内側面は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときにその足裏m2が対向する足側面(第2の浴槽壁面)2bとなっている。つまり、入浴者Mは、背側面2aに背をもたれることができる。また、背側面2aと足側面2bとは、底面2cを挟んで相互に対向している。
浴槽2の足側面2bには、入浴者Mの足に噴流を吐水するノズル(吐水部)3が設けられている。このノズル3は、左足用のノズル3Lと、右足用のノズル3Rと、を有する。ノズル3は、浴槽2の内部に向けて水流(噴流)を噴射するものであり、この噴流の方向は足側面2bから背側面2aに向かう方向である。これらの一対のノズル3は水平方向に配列されており、例えば、足側面2bにおいて上下方向に延びる中心線に関して対称となる位置に配置されている。なお、図1においては、図示の便宜上、ノズル3L及び3Rを相互にずらして描いているが、実際にはノズル3L及び3Rは同じ高さに配置されている。
浴槽2の長手方向の長さ、すなわち、浴槽2における足側面2bと背側面2aとの間の長さは、標準的な体格の入浴者Mが入浴姿勢をとったとき、すなわち、臀部を浴槽2の底面2cに接触させ、背中m1を浴槽2の背側面2aに接触させ、足裏m2を足側面2bに対向させたときに、足裏m2でノズル3を覆うことができる程度の長さである。
また、浴槽装置1には、噴流を生成する駆動部として、ポンプ4が設けられている。このポンプ4は、左足用のノズル3Lに水を吐出するポンプ4Lと、右足用のノズル3Rに水を吐出するポンプ4Rと、を有する。つまり、ポンプ4Lは、ノズル3Lに接続されており、ポンプ4Rは、ノズル3Rに接続されている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。ポンプ4の吸入口7は浴槽2の内部に連通されている。これにより、ポンプ4は浴槽2内から水を汲み上げ、噴流を生成して吐出する。
但し、ポンプ4は、ノズル3Lおよび3Rにそれぞれ接続されたポンプ4Lおよび4Rを必ずしも有していなくともよく、1つのポンプであってもよい。この場合には、ポンプ4によって生成された噴流の流路を切替えて、噴流をノズル3Lおよび3Rに対して交互に供給する切替部が、ノズル3とポンプ4との間に設けられる。これによれば、ポンプ4のサイズを小さくすることができ、浴槽2の足側面2bと壁パネル62との間の距離を短縮することができる。これにより、防水パン61、足側面2b及び壁パネル62により囲まれ、ポンプ4等を収納する空間を小さくすることができ、浴槽ユニット内の限られた空間を有効に利用することができる。
一方、図1に表した浴槽装置1によれば、ポンプ4は、ノズル3Lおよび3Rにそれぞれ接続されたポンプ4Lおよび4Rを有するため、ノズル3Lおよび3Rは、噴流を同時に吐水したり交互に吐水することができる。さらに、ノズル3Lおよび3Rには、ポンプ4Lおよび4Rがそれぞれ接続されているため、そのノズル3Lおよび3Rは、それぞれ異なる吐水流量や吐水時間の噴流を吐水できる。以下、本実施形態にかかる浴槽装置1では、ポンプ4がポンプ4Lおよび4Rを有する場合を例に挙げて説明する。
浴槽装置1には、ポンプ4の動作を制御する制御部5がさらに設けられている。この制御部5は、ポンプ4に電気的に接続され、ポンプ4の動作を制御することによりノズル3からの噴流の状態を制御できる。そして、制御部5は、ノズル3からの噴流の状態を、入浴者Mの足を屈曲させない噴流状態(第1の噴流状態)と、第1の噴流状態よりも吐水流量が多く入浴者Mの足を屈曲させる噴流状態(第2の噴流状態)と、に設定できる。
第1の噴流状態のときのノズル3からの吐水流量Q1は、例えば約30リットル/分程度である。一方、第2の噴流状態のときのノズル3からの吐水流量Q2は、例えば約130リットル/分程度である。このように、第2の噴流状態のときの吐水流量Q2は、マッサージ用として噴出される噴流の吐水流量よりもかなり大きい。そのため、第2の噴流状態のときのノズル3からの噴流は、入浴者Mが背中m1を背側面2aに接触させ、足裏m2をノズル3に対向させたときに、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節を同時に屈曲させることが可能である。
また、本実施形態にかかる浴槽装置1は、例えばリモコンなどの操作部8を備える。この操作部8は、例えば、浴室ユニット60の壁パネル62に取り付けられており、入浴者Mからの操作により制御部5へ制御信号を送信できる。そして、制御部5は、操作部8からの制御信号に基づいてポンプ4の動作を制御できる。つまり、入浴者Mは、操作部8を操作することによりポンプ4の動作を制御し、ノズル3からの噴流の状態を変更できる。
なお、前述したように、第1の噴流状態のときの吐水流量Q1は、例えば約30リットル/分程度であり、0(ゼロ)リットル/分でない。そのため、制御部5がノズル3からの噴流を第1の噴流状態から第2の噴流状態に切り替えた場合でも、ポンプ4に対して過負荷がかかるおそれは少ない。さらに、第1の噴流状態から第2の噴流状態に切り替わる時間、すなわち吐水流量Q1から吐水流量Q2の噴流が吐水されるまでの時間を短縮することができる。
図2は、入浴者がノズルからの噴流を足に受けているときの状態を表す模式図である。 なお、図2(a)は、入浴者の足の屈曲期を表しており、図2(b)は、入浴者の足の保持期を表しており、図2(c)は、入浴者の足の伸展期を表している。
まず、浴槽2内に水(湯)Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる(図1参照)。すなわち、入浴者Mは、臀部を浴槽2の底面2cに接触させ、背中m1を浴槽2の背側面2aに接触させ、足裏m2を足側面2bに対向させる。そして、入浴者Mは、左の足裏m2で左のノズル3Lを覆い、右の足裏m2で右のノズル3Rを覆うように、左右の足を配置し、ノズル3から噴出される噴流を足裏で捉える初期姿勢をとる。このとき、入浴者Mはリラックスした状態にあり、足関節、膝関節及び股関節は脱力されているものとする。
この状態から、ポンプ4を作動させる。これにより、ポンプ4は、浴槽2内の水を吸入口7から汲み上げて噴流を生成し、ノズル3に対して供給する。そして、図1に関して前述したように、制御部5は、ノズル3からの噴流の状態を、入浴者Mの足を屈曲させない第1の噴流状態(吐水流量Q1)と、第1の噴流状態よりも吐水流量が多く入浴者Mの足を屈曲させる第2の噴流状態(吐水流量Q2)と、に設定できる。
ノズル3から吐水流量Q2の噴流が噴射されると、この噴流は入浴者Mの足裏m2を押圧する。これにより、図2(a)に表した屈曲期のように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲し、足は背側面2aに向かって移動する。このとき、ノズル3からの噴流は、入浴者Mの足部を包むように流れ場を生成するため、噴流から足部が外れないような力を足裏m2に与える。これは、噴水の上にピンポン玉をのせたときに、そのピンポン玉が落ちずに噴水の略中心部で留まる現象と同じである。
続いて、第2の噴流状態がしばらく継続すると、図2(b)に表した保持期のように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節は、同時に屈曲して静止した状態となる。但し、第2の噴流状態の継続時間が短い場合には、図2(b)に表した保持期は、ほとんど存在しない場合がある。この場合には、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節は、図2(a)に表した屈曲期から図2(c)に表した伸展期に略連続的に遷移する。
続いて、ノズル3から吐水流量Q1の噴流が噴射されると、足裏m2を押圧する圧力が低下する。そのため、図2(c)に表した伸展期のように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸び、足は足側面2bに向かって移動する。このとき、入浴者が足裏m2でノズル3を覆うように足の位置を意識的に調節することにより、足はノズル3の近傍に戻る。従って、ノズル3が吐水流量Q1およびQ2の噴流を交互に噴射することにより、入浴者の足は、浴槽2の長手方向に沿って往復運動する。
なお、入浴者Mは、この運動によって姿勢のバランスを崩され、不安定な姿勢となる。そのため、入浴者Mは、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行う。入浴者は、これによっても運動することができる。
また、この運動は外部から与えられる他力的な他動運動であり、入浴者の意志によって行われる自動運動ではないため、入浴者Mの意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、入浴者は、リラックスした状態で運動することができる。この結果、運動を継続しやすい。なお、「他動運動」とは、人が自分の筋力ではなく外力を利用して行う運動をいい、本願明細書においては、上述の如く姿勢を崩された場合の補償動作も含むものとする。すなわち、本実施形態に係る浴槽装置は、入浴者を座らせた状態にありながら、他動的に運動を行わせることができる運動浴槽装置であると言える。
さらに、入浴による温熱効果により、運動効果がより一層向上する。また、噴流により入浴者Mの周囲の温度境界層が常に破壊されるため、入浴者Mが温まり易く、運動効果がさらに向上する。このように、前述した運動を浴槽内で行うことにより、浴槽外で行う場合と比較して、より高い運動効果を得ることができる。
ここで、ノズル3が吐水流量Q1およびQ2の噴流を交互に噴射することにより、入浴者Mの足は、浴槽2の長手方向に沿って往復運動できるが、入浴者Mは、同じリズムの運動が継続すると、その運動に慣れるおそれがある。そして、入浴者Mは、同じリズムの運動に慣れると、その運動に飽きるおそれがある。また、同じリズムの運動が継続すると、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、略同じになる。そのため、身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができないおそれがある。
そこで、本実施形態にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流の状態を、第1の噴流状態(吐水流量Q1)と、第2の噴流状態(吐水流量Q2)と、の少なくともいずれかを変化させる。より具体的には、ノズル3からの噴流状態の変化の周期と、噴流状態の変化の周期に対する第1および第2の噴流状態の継続時間の割合(比率)を表すデューティ比と、ノズル3からの噴流の吐水流量と、の少なくともいずれかを不規則的に変化させる。なお、本願明細書において「周期」とは、第1の噴流状態(吐水流量Q1)が吐水開始されてから次の第1の噴流状態(吐水流量Q1)が吐水開始されるまでの時間、あるいは第2の噴流状態(吐水流量Q2)が吐水開始されてから次の第2の噴流状態(吐水流量Q2)が吐水開始されるまでの時間をいうものとする。
また、「不規則的」とは、厳密に不規則である場合のみならず、入浴者Mが規則的ではないと感ずる程度の規則性を有する場合も含むものとする。例えば、周期を変化させる場合について具体例を挙げると、ノズル3からの噴流状態の変化の周期が、厳密に不規則に変化する場合のみならず、例えば、10周期の不規則な変化を1セットとし、これを繰り返すような場合も、入浴者が規則的ではないと感ずる場合には、本願における「不規則的」な変化に含むものとする。
これによれば、ノズル3からの噴流の状態が変化するため、入浴者Mの足の運動も変化する。すなわち、噴流の状態が不規則的に変更されるため、入浴者Mの足の運動も不規則的に変化する。つまり、同じリズムの足の運動が継続することはない。そのため、入浴者Mは、不規則的に変化する運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。さらに、入浴者Mの足は、不規則的に変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、本実施形態にかかる浴槽装置1は、入浴者Mの身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。すなわち、本実施形態に係る浴槽装置は、入浴者を座らせた状態にありながら、他動的に運動を行わせることができる運動浴槽装置であると言える。
次に、本実施形態にかかる浴槽装置の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、デューティ比を不規則的に変更する動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、の具体例を例示するグラフ図である。
また、図4は、本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
図3に表した上段のグラフ図は、ノズル3からの噴流の時間に対する吐水流量を表している。図3に表した下段のグラフ図は、足側面2bから足裏m2までの時間に対する距離を表している。なお、図4に表した浴槽装置では、ノズル3Rおよびポンプ4Rを省略しているが、ノズル3Lおよびポンプ4Lに関する動作と同様である。
図3および図4に表したように、本具体例における噴流状態の変化の周期は、周期T1で一定である。一方、本具体例における噴流状態のデューティ比は、変化している。つまり、デューティ比は、不規則的に変更されている。より具体的には、時間t1において、ノズル3から第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始され、その第2の噴流状態が継続時間a1だけ継続する。このときのデューティ比(a1/T1)は、比較的小さく、例えば約0.3〜0.4程度である。そして、このときの入浴者Mの足の運動は、ストレッチ運動に近似した運動となる。これについては、後に詳述する。
続いて、時間t2において、ノズル3から再び第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始され、その第2の噴流状態が継続時間a2だけ継続する。このときのデューティ比(a2/T1)は、例えば約0.5〜0.6程度である。そして、このときの入浴者Mの足の運動は、歩行運動のような屈伸運動となる。これについては、後に詳述する。
続いて、時間t3において、ノズル3から再び第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始され、その第2の噴流状態が継続時間a3だけ継続する。このときのデューティ比(a3/T1)は、比較的大きく、例えば約0.7〜0.8程度である。そして、このときの入浴者Mの足の運動は、バランストレーニングに近似した運動となる。これについては、後に詳述する。
なお、図4に表した矢印の長さは、図3に表した吐水流量Q2の継続時間a1、a2、a3の長さにそれぞれ対応している。また、図4に表した矢印が描かれていない時間帯では、ノズル3から第1の噴流状態(吐水流量Q1)でそれぞれ吐水されている。
このように、本具体例にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流状態のデューティ比を不規則的に変更する。そのため、入浴者Mの足の運動モードを、ストレッチ運動に近似した運動と、歩行運動のような屈伸運動と、バランストレーニングに近似した運動と、に不規則的に変化させることができる。これにより、入浴者Mは、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、本具体例にかかる浴槽装置1は、入浴者に継続的に運動させることができる。
なお、本具体例においては、周期T1ごと、すなわち1周期ごとにデューティ比を変更する動作を例に挙げて説明したが、これだけに限定されない。例えば、2周期や3周期ごとなどの複数周期ごとにデューティ比を変更してもよい。これによっても、前述した効果を得ることができる。さらにこの場合には、入浴者Mは、ゆっくり不規則的に変化する運動モードを楽しむことができる。
図5〜図7は、本実施形態にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。
なお、図5は、デューティ比が約0.3〜0.4程度の噴流状態における足側面から足裏までの距離を表しており、図6は、デューティ比が約0.5〜0.6程度の噴流状態における足側面から足裏までの距離を表しており、図7は、デューティ比が約0.7〜0.8程度の噴流状態における足側面から足裏までの距離を表している。
本発明者は、本実施形態にかかる浴槽装置1を使用したときの約10往復分程度における足側面2bから足裏m2までの距離を実測した。なお、本願明細書において「1往復」とは、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期から屈曲期へ遷移し、再び自然に伸びた伸展期に戻るまでの動きをいうものとする。そして、その実測値の一例は、図5〜図7に表した如くである。
つまり、デューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合には、図5に表したグラフ図のように、足側面2bから足裏m2までの距離が短い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間は、比較的長い。一方、足側面2bから足裏m2までの距離が長い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲して静止した保持期の時間は、比較的短い。これは、図3に表した下段のグラフ図おいて、第2の噴流状態が継続時間a1だけ継続した場合の足側面2bから足裏m2までの距離からも判断できる。
そのため、デューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合の運動は、ストレッチ運動に近似した運動となる。これは、図8に関して後述するように、本実施形態にかかる浴槽装置1を使用した被験者からのヒアリング調査によっても判断できる。つまり、デューティ比を約0.3〜0.4程度と比較的小さく設定することにより、ストレッチ運動に近似した運動を実現することができる。
また、デューティ比が約0.5〜0.6程度である場合には、図6に表したグラフ図のように、足側面2bから足裏m2までの距離が短い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間は、比較的短い。これと同様に、足側面2bから足裏m2までの距離が長い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲して静止した保持期の時間は、比較的短い。つまり、入浴者Mの足は、略継続的に往復運動しており、静止した状態はほとんどない。これは、図3に表した下段のグラフ図おいて、第2の噴流状態が継続時間a2だけ継続した場合の足側面2bから足裏m2までの距離からも判断できる。
そのため、デューティ比が約0.5〜0.6程度である場合には、脚部における屈曲と伸展との動作を滑らかに連続して行うこととなる。その結果、図8に関して後述するように、本実施形態にかかる浴槽装置1を使用した被験者から歩行に近い運動感を感じるとの意見を得ている。つまり、脚部の屈伸運動を引き起こす吐水のデューティ比を約0.5〜0.6程度に設定することにより、歩行に近い運動感を感じながら運動を使用者へ提供することが可能となる。
また、デューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、図7に表したグラフ図のように、足側面2bから足裏m2までの距離が短い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間は、ほとんどない。一方、足側面2bから足裏m2までの距離が長い時間、すなわち入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲して静止した保持期の時間は、比較的長い。つまり、入浴者Mの足は、伸展して足側面2bあるいはノズル3に接触しようとしても、接触前に再び屈曲され静止した状態となる。これは、図3に表した下段のグラフ図おいて、第2の噴流状態が継続時間a3だけ継続した場合の足側面2bから足裏m2までの距離からも判断できる。
そのため、デューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合の運動は、バランストレーニングに近似した運動となる。これは、図8に関して後述するように、本実施形態にかかる浴槽装置1を使用した被験者からのヒアリング調査によっても判断できる。つまり、デューティ比を約0.7〜0.8程度と比較的大きく設定することにより、ストレッチ運動に近似した運動を実現することができる。
なお、入浴者Mの足が伸展して足側面2bあるいはノズル3に接触しようとしても、接触前に再び屈曲され静止した状態となるのは、本具体例における噴流状態の周期T1における場合である。例えば、周期T1よりも長い周期の場合には、デューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合であっても、入浴者Mの足は、伸展して足側面2bあるいはノズル3に接触することもある。
図8は、噴流状態のデューティ比に対する運動モードを例示する表である。
本発明者は、本実施形態にかかる浴槽装置を被験者に使用してもらい、噴流状態のデューティ比を変更したときに被験者が感じた運動モードをヒアリング調査している。その運動モードは、ストレッチ運動、歩行運動、およびバランストレーニングに大別される。
デューティ比が約0.3〜0.4(30%〜40%)程度と比較的小さい場合には、図5に関して前述したように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間は、比較的長く、一方で、同時に屈曲して静止した保持期の時間は、比較的短い。そのため、この場合の運動は、ストレッチ運動に近似していると感じた被験者が多いことが分かった。
また、デューティ比が約0.5〜0.6(50%〜60%)程度である場合には、図6に関して前述したように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間と、同時に屈曲して静止した保持期の時間と、はともに比較的短い。つまり、被験者の足は、略継続的に往復運動しており、静止した状態はほとんどない。そのため、この場合の運動は、歩行運動のような自然な運動に近いと感じた被験者が多いことが分かった。
また、デューティ比が約0.7〜0.8(70%〜80%)程度と比較的大きい場合には、図7に関して前述したように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸びた伸展期の時間は、ほとんどなく、一方で、屈曲して静止した保持期の時間は、比較的長い。つまり、被験者の足は、空中で歩行しているような動き、あるいは、いわゆる「バランスボール」に乗っているような動きをしている。そのため、この場合の運動は、バランストレーニングに近似していると感じた被験者が多いことが分かった。
図9は、噴流状態のデューティ比に応じて使用される身体の部位を例示する表および模式図である。
なお、図9(a)は、被験者が本実施形態にかかる浴槽装置を体験したことにより使用したと感じた身体の部位を例示した表であり、図9(b)は、図9(a)に表した身体の部位を表す模式図である。
本発明者は、本実施形態にかかる浴槽装置を7人の被験者に使用してもらい、デューティ比を設定変更したときに使用感のあった身体の部位をヒアリング調査している。このヒアリング調査の結果によれば、図9(a)に表したように、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合には、腹部・体幹部m3、股関節m4、大腿部m5、下腿部m6、および足部m7の少なくともいずれか部位を使用したと感じていることが分かった。つまり、比較的広い範囲の筋群を使用したと感じていることが分かった。
腹部・体幹部m3の筋群は、脊柱起立筋、腹直筋、および腹斜筋を有する。股関節m4の筋群は、腸骨筋、大腰筋、および長内転筋を有する。大腿部m5の筋群は、大腿四頭筋およびハムストリングスを有する。このハムストリングスは、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋、および大内転筋を有する筋群である。また、下腿部m6および足部m7の筋群は、下腿三頭筋を有する。この下腿三頭筋は、前頸骨筋、腓復筋、およびヒラメ筋を有する筋群である。前頸骨筋の働きは、歩行時に、地面と足部m7とのクリアランスをとるために働く筋として知られている。そのため、前頸骨筋を活動させる運動とは、転倒予防に貢献する運動を意味する。これにより、噴流状態のデューティ比が約0.3〜0.4程度と比較的小さい場合には、被験者は、ストレッチ運動に近似した運動を感じていることが分かった。
また、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度である場合には、股関節m4、大腿部m5、および下腿部m6の少なくともいずれかの筋群を使用したと感じていることが分かった。また、被験者は、噴流状態のデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、股関節m4または大腿部m5の筋群を使用したと感じていることが分かった。つまり、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度、およびデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、比較的狭い範囲の筋群を使用したと感じていることが分かった。
大腿部m5の筋群は、前述したように、ハムストリングスを有する。このハムストリングスが有する大腿二頭筋の働きは、主として歩行時における蹴り出す力、推進力を生成する筋として知られている。そのため、大腿部m5のハムストリングスを刺激する運動とは、歩行速度の維持と、歩行機能の向上と、に貢献できる運動であることを意味する。これにより、噴流状態のデューティ比が約0.5〜0.6程度、およびデューティ比が約0.7〜0.8程度と比較的大きい場合には、歩行運動のように、脚部における屈曲運動と伸展運動とを連続して行う。さらに、それらの運動は湯水内に浮いている状態で行われるため、歩行時に働く主要な筋以外にも働くこととなり、バランストレーニングの要素を含んだ運動として、使用者に運動感を与えていることが分かった。
このように、本実施形態にかかる浴槽装置1は、デューティ比を変化させることにより、運動の際に使用される身体の部位や筋群を変化させることができる。つまり、デューティ比を変化させることにより、身体の比較的広い範囲の部位や筋群を使用させたり、身体の比較的狭い範囲の部位や筋群を使用させたりすることができる。そのため、本実施形態にかかる浴槽装置1は、デューティ比を不規則的に変化させることにより、入浴者Mの身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。
図10は、他動運動によって起こる筋の活動を説明するための模式図である。
なお、図10(a)は、噴流からの他動運動によって活動する筋群を例示した模式図であり、図10(b)は、噴流からの他動運動によって活動する筋群の活動量を例示したグラフ図である。また、図10(b)において、縦軸は、筋の活動量を表し、横軸は、時間を表す。さらに、図10(b)に表した上段のグラフ図は、大腿部m5の筋群の活動量を表し、図10(b)に表した下段のグラフ図は、下腿部m6の筋群の活動量を表している。
時間S1において、ノズル3から第2の噴流状態で吐水すると、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が屈曲することにより、大腿部m5の筋群が活動し始める。これは、足裏m2が足側面2bから離れ、背側面2a側へ移動している状態において、筋の活動が起こっていることを意味する。
続いて、時間S2において、ノズル3からの噴流が、第2の噴流状態から第1の噴流状態へ遷移する。これにより、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が自然に伸び、足裏m2は、足側面2b側へ移動する。そして、時間S3において、足裏m2は、ノズル3あるいは足側面2bに接触する。足裏m2がノズル3あるいは足側面2bに接触すると、図10(b)に表したように、下腿部m6の筋群が活動する。このように、噴流に伴って起こる足の他動運動(屈伸運動)は、異なる筋群を働かせることにより運動効果を高める。
次に、周期を変化させる動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図11は、時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、の他の具体例を例示するグラフ図である。
また、図12は、本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
図11に表した上段のグラフ図は、ノズル3からの噴流の時間に対する吐水流量を表している。図11に表した下段のグラフ図は、足側面2bから足裏m2までの時間に対する距離を表している。なお、図12に表した浴槽装置では、ノズル3Rおよびポンプ4Rを省略しているが、ノズル3Lおよびポンプ4Lに関する動作と同様である。
図11および図12に表したように、本具体例の噴流状態の各周期におけるデューティ比(a1/T1、a2/T2、a3/T3)は、「0.5」で一定である。但し、このデューティ比(0.5)は、一例にすぎず、これだけに限定されるわけではない。すなわち、ここでは、デューティ比を変化させず、周期を変化させる動作の具体例について説明する。
より具体的には、時間t1において、ノズル3から第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始され、その第2の噴流状態が継続時間a1だけ継続する。続いて、ノズル3から第1の噴流状態(吐水流量Q1)で吐水開始され、時間t2において、再びノズル3から第2の噴流状態で吐水開始される。このとき、時間t1から時間t2までの時間、すなわち周期T1は、比較的短く、例えば約1〜2秒程度である。
ノズル3からの噴流状態の周期が比較的短い場合には、図11の下段のグラフ図に表したように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節が同時に屈曲して静止した状態、すなわち図2(b)に表した保持期の状態は、ほとんど存在しない。つまり、周期が比較的短い場合には、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節は、図2(a)に表した屈曲期から図2(c)に表した伸展期へと略連続的に遷移する。そのため、この場合の入浴者Mの足の運動は、歩行運動のような屈伸運動となる。
続いて、第2の噴流状態が継続時間a2だけ継続すると、ノズル3から第1の噴流状態で吐水開始される。そして、時間t3において、再びノズル3から第2の噴流状態で吐水開始される。このとき、時間t2から時間t3までの時間、すなわち周期T2は、例えば約3〜4秒程度である。さらに、第2の噴流状態が継続時間a3だけ継続すると、ノズル3から第1の噴流状態で吐水開始される。そして、時間t4において、再びノズル3から第2の噴流状態で吐水開始される。このとき、時間t3から時間t4までの時間、すなわち周期T3は、比較的長く、例えば約5〜6秒程度である。
ノズル3からの噴流状態の周期が比較的長い場合には、図11の下段のグラフ図に表したように、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節の屈曲期、保持期、および伸展期の時間は、比較的長く続く。そのため、この場合の入浴者Mの足の運動は、ストレッチ運動あるいはバランストレーニングに近似した運動となる。また、入浴者Mは、この運動によって姿勢のバランスを崩され、不安定な姿勢となる。そのため、入浴者Mは、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行う。入浴者は、これによっても運動することができる。
なお、図12に表した矢印の長さは、図4に関して前述したように、図11に表した吐水流量Q2の継続時間a1、a2、a3の長さにそれぞれ対応している。また、図12に表した矢印が描かれていない時間帯では、ノズル3から第1の噴流状態(吐水流量Q1)でそれぞれ吐水されている。
このように、本具体例にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流状態の変化の周期を不規則的に変化させる。そのため、入浴者Mの足の運動モードを、歩行運動のような屈伸運動と、ストレッチ運動あるいはバランストレーニングに近似した運動と、に不規則的に変化させることができる。これによっても、入浴者Mは、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、本具体例にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流状態の変化の周期を不規則的に変化させることにより、入浴者に継続的に運動させることができる。
なお、本具体例においては、1周期ごとにその周期の長さ(継続時間)を変更する動作を例に挙げて説明したが、これだけに限定されない。例えば、2周期や3周期ごとなどの複数周期ごとにその周期の長さ(継続時間)を変更してもよい。これによっても、前述した効果を得ることができる。さらにこの場合には、入浴者Mは、ゆっくり不規則的に変化する運動モードを楽しむことができる。
図13は、噴流状態の変化の周期に対する関節の軌跡安定度を例示するグラフ図である。
本発明者は、本実施形態にかかる浴槽装置を約20人程度の被験者に使用してもらい、そのときの足関節、膝関節及び股関節の軌道の安定感をヒアリング調査している。また、本発明者は、そのときの被験者からのヒアリング結果が安定しているほど、指標「2」に近づくような指標を作成している。
このヒアリング調査の結果によれば、図13に表したように、被験者は、ノズル3からの噴流状態の周期が早く(短く)なるにつれて、足関節、膝関節及び股関節の軌道が安定すると感じていることが分かった。つまり、周期が約4秒〜6秒程度である場合には、膝関節及び股関節の軌道はより不安定になり、被験者はこの運動によって姿勢のバランスをより崩される。そのため、被験者は、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行っている。このときの運動は、ストレッチ運動あるいはバランストレーニングに近似していると感じた被験者が多いことが分かった。
ヒトは、ゆっくりした速度(4秒程度)よりも、1秒程度の速度でテンポ良く左右脚を交互に振出し、歩行することで安定した歩行を実現できる。これは、ヒトの脚部に加わる速度と慣性力、そして、ヒトの筋骨格とリズムジェネレータ(歩行パターンジェネレータ)と呼ばれる神経系の制御機能との働きによって起こるとされている。陸上の通常歩行と同様に、入浴中の屈伸運動についても、周期が約1秒〜2秒程度である場合には、周期が約4秒〜6秒程度の場合に比べ安定して左右交互の屈伸運動を実現することができる。そのため、周期が1秒〜2秒程度である場合には、使用者は、快適に脚部の屈伸運動を行うことができ、余計な負荷を受けることなく屈伸運動を実現できる。そして、周期が約1秒〜2秒程度であることにより、周期が約4秒〜6秒程度である場合に比べ、短い時間で沢山の脚部筋群を刺激する屈伸運動を入浴者へ提供することができる。また、被験者の左右の足は、より早い周期で且つ逆位相で往復運動する。そのため、このときの運動に対して歩行運動のような運動感を感じた被験者が多いことが分かった。
図14は、噴流状態の変化の周期に応じて使用される身体の部位を例示する表および模式図である。
なお、図14(a)は、被験者が本実施形態にかかる浴槽装置を体験したことにより使用したと感じた身体の部位を例示した表であり、図14(b)は、図14(a)に表した身体の部位を表す模式図である。
本発明者は、本実施形態にかかる浴槽装置を7人の被験者に使用してもらい、周期を設定変更したときに使用感のあった筋群の部位をヒアリング調査している。このヒアリング調査の結果によれば、図14(a)に表したように、被験者は、噴流状態の周期が早い場合には股関節m4および大腿部m5の少なくともいずれかの筋群を使用したと感じていることが分かった。
大腿部m5の筋群は、図9に関して前述したように、大腿四頭筋およびハムストリングスを有し、このハムストリングスは、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋、および大内転筋を有する筋群である。大腿二頭筋の働きは、主として歩行時における蹴り出す力、推進力を生成する筋として知られている。そのため、大腿部m5のハムストリングスを刺激する運動とは、歩行速度の維持と、歩行機能の向上と、に貢献できる運動であることを意味する。これにより、噴流状態の周期が早い場合には、被験者は、歩行運動のような運動感を感じていることが分かった。
一方、被験者は、噴流状態の周期が早い場合には大腿部m5、下腿部m6、および足部m7の少なくともいずれかの筋群を使用したと感じていることが分かった。下腿部m6および足部m7の筋群は、図9に関して前述したように、下腿三頭筋を有し、この下腿三頭筋は、前頸骨筋、腓復筋、およびヒラメ筋を有する筋群である。前頸骨筋の働きは、歩行時に、地面と足部m7とのクリアランスをとるために働く筋として知られている。そのため、前頸骨筋を活動させる運動とは、転倒予防に貢献する運動を意味する。これにより、噴流状態の周期が早い場合には、被験者は、ストレッチ運動あるいはバランストレーニングに近似した運動を感じていることが分かった。
このように、本実施形態にかかる浴槽装置1は、周期を不規則的に変化させることによっても、運動の際に使用される身体の部位や筋群を変化させることができる。つまり、身体の比較的広い範囲の部位や筋群を使用させたり、身体の比較的狭い範囲の部位や筋群を使用させたりすることができる。そのため、本実施形態にかかる浴槽装置1は、周期を不規則的に変化させることにより、入浴者Mの身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。すなわち、本実施形態に係る浴槽装置は、入浴者を座らせた状態にありながら、慣れたり飽きたりしない他動的な運動を提供する運動浴槽装置であると言える。
次に、噴流の吐水流量を不規則的に変化させる動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図15は、時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、のさらに他の具体例を例示するグラフ図である。
また、図16は、本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。
図15に表した上段のグラフ図は、ノズル3からの噴流の時間に対する吐水流量を表している。図15に表した下段のグラフ図は、足側面2bから足裏m2までの時間に対する距離を表している。なお、図16に表した浴槽装置では、ノズル3Rおよびポンプ4Rを省略しているが、ノズル3Lおよびポンプ4Lに関する動作と同様である。
図15および図16に表したように、本具体例における噴流状態の変化の周期は、周期T1で一定である。また、本具体例における噴流状態の各周期におけるデューティ比は、a2/T1で一定である。一方、ノズル3からの噴流の吐水流量は、不規則的に変化させている。すなわち、図15に表したように、入浴者Mの足を屈曲させる第2の噴流状態のときの吐水流量は、吐水流量Q2、吐水流量Q3、あるいは吐水流量Q4などのように、不規則的に変化している。
より具体的には、時間t1においてノズル3から第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始される。続いて、時間t2においてノズル3から第2の噴流状態(吐水流量Q3)で吐水開始される。続いて、時間t3においてノズル3から再び第2の噴流状態(吐水流量Q2)で吐水開始される。続いて、時間t4においてノズル3から第2の噴流状態(吐水流量Q4)で吐水開始される。
入浴者Mの足を屈曲させる第2の噴流状態のときの吐水流量が不規則的に変化すると、図15の下段のグラフ図に表したように、吐水流量の大きさに応じて足側面2bから屈曲した足裏m2までの距離が異なる。そのため、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節の屈曲角度は、不規則的に変化する。したがって、本具体例にかかる浴槽装置1は、噴流の吐水流量を不規則的に変化することにより、入浴者Mの足の運動モードを不規則的に変化させることができる。これにより、入浴者Mは、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、本具体例にかかる浴槽装置1は、入浴者に継続的に運動させることができる。また、図9および図14に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
なお、図16に表した矢印の長さは、図4に関して前述したように、図15に表した吐水流量Q2、Q3、Q4の継続時間a2の長さにそれぞれ対応している。また、図16に表した矢印が描かれていない時間帯では、ノズル3から第1の噴流状態(吐水流量Q1)でそれぞれ吐水されている。
また、本具体例においては、周期T1ごと、すなわち1周期ごとに噴流の吐水流量を変更する動作を例に挙げて説明したが、これだけに限定されない。例えば、2周期や3周期ごとなどの複数周期ごとに噴流の吐水流量を変更してもよい。これによっても、前述した効果を得ることができる。さらにこの場合には、入浴者Mは、ゆっくり不規則的に変化する運動モードを楽しむことができる。
次に、デューティ比、周期、および吐水流量を不規則的に変化させる動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図17は、デューティ比、周期、および吐水流量の組み合わせを例示する模式図である。
図17に表したように、本具体例にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流状態のデューティ比、周期、および吐水流量を不規則的に変化させることができる。つまり、本具体例にかかる浴槽装置1は、各周期ごとに、噴流状態のデューティ比、周期の長さ(継続時間)、および吐水流量をそれぞれ設定変更し、それらの組み合わせの設定に基づいた噴流をノズル3から吐水できる。
これによれば、本具体例にかかる浴槽装置1は、ノズル3からの噴流状態のデューティ比、周期、および吐水流量を不規則的に変化させることにより、入浴者Mの足の運動モードを不規則的に変化させることができる。これにより、入浴者Mは、運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、本具体例にかかる浴槽装置1は、入浴者に継続的に運動させることができる。また、図9および図14に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
なお、本具体例においても、1周期ごとではなく、例えば、2周期や3周期ごとなどの複数周期ごとに、ノズル3からの噴流状態のデューティ比、周期、および吐水流量を変化してもよい。これによっても、前述した効果を得ることができる。さらにこの場合には、入浴者Mは、ゆっくり不規則的に変化する運動モードを楽しむことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ノズル3からの噴流状態の変化の周期と、デューティ比と、噴流の吐水流量と、の少なくともいずれかを不規則的に変化させることができる。ノズル3からの噴流の状態が不規則的に変化するため、入浴者Mの足の運動は、不規則的に変化する。すなわち、同じリズムの足の運動が継続することはない。そのため、入浴者Mは、不規則的に変化する運動に慣れたり、飽きたりするおそれは少ない。したがって、本実施形態にかかる浴槽装置1は、入浴者に継続的に運動させることができる。さらに、入浴者Mの足は、不規則的に変化する運動をするため、その運動の際に使用される身体の部位や筋群は、変化する。これにより、本実施形態にかかる浴槽装置1は、入浴者Mの身体の部位や筋群を広範囲に亘ってバランスよく運動させることができる。すなわち、本実施形態に係る浴槽装置は、入浴者に様々な種類の他動的運動を順化させることなく行わせることができる運動浴槽装置であると言える。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ノズル3やポンプ4などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやノズル3の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態にかかる浴槽装置を例示する模式的断面図である。 入浴者がノズルからの噴流を足に受けているときの状態を表す模式図である。 時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、の具体例を例示するグラフ図である。 本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。 本実施形態にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。 本実施形態にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。 本実施形態にかかる浴槽装置を使用したときの足側面から足裏までの距離(実測値)を例示するグラフ図である。 噴流状態のデューティ比に対する運動モードを例示する表である。 噴流状態のデューティ比に応じて使用される身体の部位を例示する表および模式図である。 他動運動によって起こる筋の活動を説明するための模式図である。 時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、の他の具体例を例示するグラフ図である。 本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。 噴流状態の変化の周期に対する関節の軌跡安定度を例示するグラフ図である。 噴流状態の変化の周期に応じて使用される身体の部位を例示する表および模式図である。 時間に対するノズルからの吐水流量と、足側面から足裏までの距離と、のさらに他の具体例を例示するグラフ図である。 本具体例にかかる浴槽装置の動作を表す平面模式図である。 デューティ比、周期、および吐水流量の組み合わせを例示する模式図である。
符号の説明
1 浴槽装置、 2 浴槽、 2a 背側面、 2b 足側面、 2c 底面、 3、3L、3R ノズル、 4、4L、4R ポンプ、 5 制御部、 7 吸入口、 8 操作部、 60 浴室ユニット、 61 防水パン、 62 壁パネル、 m1 背中、 m2 足裏、 m3 腹部・体幹部、 m4 股関節、 m5 大腿部、 m6 下腿部、 m7 足部

Claims (4)

  1. 背もたれ可能な第1の浴槽壁面と、前記第1の浴槽壁面に対向する第2の浴槽壁面と、を有する浴槽と、
    前記第2の浴槽壁面に設けられ、前記第2の浴槽壁面に足を向けて前記浴槽に入浴している入浴者の足に噴流を吐水する吐水部と、
    前記噴流の状態を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流の状態を、前記入浴者の足を屈曲させない第1の噴流状態と、前記第1の噴流状態よりも吐水流量が多く前記入浴者の足を屈曲させる第2の噴流状態と、に交互に設定し、且つ前記第1及び第2の噴流状態の少なくともいずれかを変化させることを特徴とする浴槽装置。
  2. 前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流状態の変化の周期に対する前記第1および第2の噴流状態の継続時間の割合を変化させることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
  3. 前記制御部は、前記吐水部から吐水される噴流状態の変化の周期を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の浴槽装置。
  4. 前記制御部は、前記第1及び第2の噴流状態の前記少なくともいずれかにおいて前記吐水部から吐水される吐水流量を変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴槽装置。
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