JP2010142528A - 車両用シート - Google Patents

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Mitsunori Imazu
光徳 今津
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Abstract

【課題】車両用シートのシート部のウレタン製パッド部材を廃止しながら、なおかつ着座感を良好にする。
【解決手段】シート部が、シートの外形に沿わせて形成されたシートフレームと、該シートフレームのフレーム部間に設けられた板状の弾性部材と、上記シートフレームおよび板状の弾性部材を覆って設けられたパッド部材とからなる車両用シートであって、上記パッド部材が表皮を一体化したプリーツパッドのみよりなり、該プリーツパッドの厚さを厚くして構成した。
【選択図】 図6

Description

この出願の発明は、従来のポリウレタン製のパッド部材を廃止することができるようにした車両用シートの構成に関するものである。
一般に、車両用のシートは、発泡ポリウレタンフォーム体等のウレタン製のパッド部材を必要な厚さに成形(モールド)して、パイプ製のシートフレームに組み付けるとともに、その背後からシートフレームの枠内に張設したワイヤー又はS字バネ等のクッションバネで支持し、上記パッド部材をトリムカバー等で被包することにより組み立てられている。
つまり、従来一般の車両用シートでは、クッション製の高いウレタン製のパッド部材とクッションバネの両方によって、シートのクッション性を良好なものにしている。これはシートバック部の場合もヒップシート部(シートクッション部)の場合も同様である。
ところが、上記ウレタン製のパッド部材は価格が高いし、これを表皮側のプリーツバッドと別に組付けることは、組付けにも手間がかかる。また、リサイクル性にも欠ける。
そこで、このような車両用シートにおいて、上記シート部を構成するモールド加工した発泡体製パッドを廃止して材料費を節減するとともに、組付工数を削減しようとしたものとして、例えばフレームと、このフレームに横架される、シートの着座面および側面形状に折曲された多数の鋼線からなる支持体と、この支持体を被覆するトリムカバーとから構成したものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開平6−165717号公報
しかし、この特許文献1の場合、上記トリムカバーは、表皮、発泡体(低密度の連結気泡からなるウレタンフォーム)のスラブ材製のワディングと、不織布などからなるワディングカバーとから構成されており、また、支持体は、横方向に並列してフレームの側杆に張架した多数本の鋼線と、これらの鋼線を連結する連結材たるコードと、各鋼線の端末を結着する枠線とから構成されている。
このような構成によると、たしかにウレタン製のパッド部材は省略でき、それだけ省資源化することができ、一応組付工数自体は削減される。
しかし、同構成の場合、トリムカバーとしてウレタンフォームを採用しており、完全にウレタンフォームを廃止したものではないし、また支持体が多数本の鋼線よりなっており、それら支持体を構成する各鋼線を、シートの側面及び着座面形状に近似した形状に折曲し、荷重方向に弾力性を有し、従来のパッドの作用をなし得るように弾力的な形に成形することは極めて繁雑かつ高コストなことであり、また成形作業の歩留りも悪く、支持剛性を含めた製品としての信頼性に欠ける問題がある。
すなわち、同構成の支持体の場合、あくまでも鋼線による構成のものであるために、長期の使用による耐久性、安定性に欠ける問題があり、また必ずしも取り付けも容易でない。 しかも、着座時の硬い凹凸感が残され、パッド部材の薄型化には限界がある。したがって、ウレタン製のパッド部材を完全に廃止することができない。
この出願の発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、 シート部を、シートの外形に沿わせて形成されたシートフレームと、該シートフレームのフレーム部間に設けられた板状の弾性部材と、上記シートフレームおよび板状の弾性部材を覆って設けられたパッド部材とから形成するとともに、パッド部材を表皮と一体化されたプリーツパッドのみとし、かつ該プリーツパッドの厚さを厚くすることによって、ウレタン製のパッド部材を完全に廃止しながら、しかもクッション性をも確保できるようにした車両用シートを提供することを目的とするものである。
本願各発明は、上記の目的を達成するために、それぞれ次のような有効な課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
請求項1の発明の課題解決手段は、シート部が、シートの外形に沿わせて形成されたシートフレームと、該シートフレームのフレーム部間に設けられた板状の弾性部材と、上記シートフレームおよび板状の弾性部材を覆って設けられたパッド部材とからなる車両用シートであって、上記パッド部材が表皮と一体化されたプリーツパッドのみよりなり、該プリーツパッドの厚さを厚くして構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、パッド部材を介して人体を支持する人体支持面部分が、幅の広い板状の弾性部材のフラットな面により形成されるようになり、ウレタン製のパッド部材を省略しても、それほど着座感の悪いものではなくなる。したがって、ウレタン製のパッド部材の完全な廃止が可能となる。
他方、そのようにした上で、表皮を一体化したプリーツパッドの厚さを厚くし、同プリーツパッドをシートの外形に沿わせて形成したシートフレームおよび板状の弾性部材を被包する形で設けることによって、十分なクッション性の良さを実現している。
したがって、ウレタン製のパッド部材を廃止して、材料および組付工数を節減しながら、しかも有効なクッション性のある実用的な車両用シートを提供することが可能となる。
また、弾性部材として板状のものを使用しているため、耐久性が高く、安定性、信頼性にも富んでいる。
(2) 請求項2の発明の課題解決手段
請求項2の発明の課題解決手段は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、シートフレームのフレーム部間に設けられた弾性部材として、高張力鋼板が使用されていることを特徴としている。
高張力鋼板は、じん性、張力が高く、平面に対して直交方向に作用する応力に対して弾性的に(伸縮)変形して、人体をシートフレームに対して弾性的に支持する。したがって、仮にパッド部材を薄くしたとしても、着座者に対して従来のワイヤーやS字バネによる場合のような凹凸感を感じさせなくなる。
そして、同高張力鋼板には、必要に応じて多数のパンチング孔(または切り欠き溝)が形成され、それによって、さらに、その弾性変形度合を高くし、よりソフトな支持を可能にすることができる。
しかも、この弾性度合は、パンチング孔(または切り欠き溝)の大きさや形状、数、設置位置によって任意かつ容易にコントロールすることができるので、極めて安価に実現することができる。
(3) 請求項3の発明の課題解決手段
請求項3の発明の課題解決手段は、上記請求項2の発明の課題解決手段の構成において、高張力鋼板は、シートフレームの前後又は左右方向に延びる縁部をシートフレームのフレーム部間に溶着して固定されていることを特徴としている。
高張力鋼板は、溶接性も十分に考慮して製造されており(HW鋼)、そのシートフレームへの取り付けは、当該高張力鋼板の縁部をシートフレームのフレーム部に対して溶接により接合して一体化するだけで簡単に実現される。
(4) 請求項4の発明の課題解決手段
請求項4の発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、シート部が、ヒップシート部であることを特徴としている。
このような構成によると、車両用シートのヒップシート部分において、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の作用が効果的に実現される。
なお、ヒップシート部分には、大きな重量がかかるし、前後左右方向への荷重移動が生じやすい。
したがって、それらに対する安定した支持力と均一な弾性分布を図るためには、上述した高張力鋼板を、前後および左右の各方向に延びるものとし、それら前後および左右の各位置で弾性的に支持させるようにすることが好ましい。
(5) 請求項5の発明の課題解決手段
請求項5の発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、シート部が、シートバック部であることを特徴としている。
このような構成によると、車両用シートのシートバック部分において、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の作用が効果的に実現される。
以上の結果、この出願の発明によると、ウレタン製のパッド部材を廃止するとともに組付工数を削減し、可及的に低コスト化を図りながらも、着座感の良好な車両用シートを提供することが可能となる。
図1〜図6は、この出願の発明の最良の実施の形態に係る車両用シートの構成を示している。
先ず図1〜3は、同車両用シート1の外部構造を示しており、同車両用シート1は、ヒップシート部(シートクッション部)2、シートバック部3、ヘッドレスト部4、シートバック部3をヒップシート2に対して相対回転可能に連結するヒンジブラケット部5等からなっている。
次に図4および図5は、同車両用シート1の表皮28およびプリーツパッド29部分(図6を参照)を除去し、それぞれその裏面側および背面側から見た内部構造を示している。
先ずヒップシート部2は、図2に示すヒップシート部2の外形に沿って形成された断面コ字状の前後方向に長い金属板の周縁をそれぞれ内側に鉤状に折り曲げることによりフランジ状に補強して形成されたヒップシートフレーム21と、該断面コ字状のヒップシートフレーム21の左右の側枠部21b,21bの前部両端間上面部に一体に梁状に架け渡された所定の幅の前プレート部21aと、上記側枠部21b,21bの間および上記前プレート部21aと後枠部21cとの間に張設された第1の高張力鋼板24とから構成されている。
第1の高張力鋼板24は、それぞれ前後左右4方に延びる所定の長さの縁部24b,24b、24c,24cが所定の幅の方形片となった全体として十字形の形状に形成されていて、当該前後左右の各縁部24b,24b、24c,24cには、上述した側枠部21b,21b、前プレート部21a、後枠部21cに対して溶接一体化する溶着面部を除く略全体に亘って幅方向に長い楕円形状のパンチング孔26,26・・・、26,26・・・、26,26・・・、26,26・・・が、相互に隣り合うもの同士の位置をズラせながら多数個、多数列千鳥状に配設されている。
そして、同多数個、多数列のパンチング孔26,26・・・、26,26・・・、26,26・・・、26,26・・・により、当該第1の高張力鋼板24の各縁部24b,24b、24c,24cの引張応力に対する強度および同引張応力解除時の復元力、すなわち弾性的な伸縮力(バネ性)が所望の大きさのものになるように設定されている。
そして、このような構成の下において、上記第1の高張力鋼板24および側枠部21b,21b、前プレート部21a、後枠部21cの外周囲には、例えば図6の断面図(図1のA−A)に示すように、布製等の表皮28を一体化した弾性材(不織布マット)よりなるプリーツパッド29が接合一体化されて、図1および図2のようなヒップシート部2に形成されている。
したがって、このような構成によると、上記第1の高張力鋼板24の前後左右各縁部24b,24b、24c,24c部分が前後左右各伸縮方向への復元力を有した高張力のエキスパンドメタル状、つまり平面状の弾性バネ部材として機能し得るようになり、着座者のヒップ部は上記フラットな方形のプレート部24aを介して弾性的に支持されるようになる。したがって、上記ヒップシート部2のウレタン製パッド部材を廃止したとしても、着座者に対して、従来のワイヤーやS字バネを使用した場合のような不快な硬さのある凹凸感を感じさせなくて済む。したがって、ウレタン製のパッド部材の廃止が可能となる。
他方、そのように構成した上で、上記プリーツパッド29の厚さを厚くし(例えば従来のウレタンパッド分位まで)、同プリーツパッド29を図2のようなヒップシート2の外形に沿わせて成形した板状のシートフレーム21および板状の弾性部材である第1の高張力鋼板24を被包する形で設けることによって、十分なクッション性の良さを実現している。
したがって、それにより、上記のように従来のウレタン製パッド部材を廃止して、材料および組付工数を節減しながら、しかも有効なクッション性のある実用的な車両用シートを提供することができる。
また、同構成の場合、実質的にはヒップの支持部全体が一枚の金属板であるから、強度や耐久性も高く、取り付けも、前後左右の各縁部24b,24b、24c,24cを前プレート部21aと後枠部21cおよび左右両側の各側枠部21b,21bの内側面に対して溶接等の方法で連結一体化するだけで良いから、きわめて簡単であり、取り付け後の安定性、信頼性も高い。
次に、図1および図3に示す上記シートバック部3は、例えば図5に示されるように、図3に示すシートバック部3の外形に沿って形成された上下に長い断面コの字形のU状に連続するシートバックフレーム31と、該シートバックフレーム31の上端3b部分に設けられたヘッドレスト取付用の穴31a,31aと、同シートバックフレーム31の側枠部31b,31b間に張設された上下方向に所定の幅を有する第2の高張力鋼板32とから構成されており、上記シートバックフレーム31の下端部は、その左右両端部分を図1に示したようにヒンジブラケット5,5を介して、上述のヒップシート2側ヒップシートフレーム21の側枠部21b,21bの後端部分に対して相対回動可能に軸着されるようになっている。
第2の高張力鋼板32は、その左右両側の縁部32a,32aを上記シートバックフレーム31の左右両側の側枠部31b,31bの前面側に対して溶着することにより連結一体化されており、その中央部側背当り面と左右両側の縁部32a,32aとの間には、上記溶着部を除いて上端側から下端側まで多数個、多数列の楕円形状のパンチング孔32b,32b・・・、32b,32b・・・が相互に隣り合うもの同士の間で位置をズラせた形で千鳥状に配設されている。
したがって、該シートバック部3の場合にも、同左右2組の多数個、多数列のパンチング孔32a,32a・・・、32a,32a・・・部分が中央のフラットな背当り面に対する弾性伸縮部として機能し、上述の第1の高張力鋼板24の場合と全く同様の弾性変形作用で、広い背当り面部を弾性的に支持するようになる。
このため、同シートバック部3の上記シートバックフレーム31および第2の高張力鋼板32部分の外周に、上述した図3のものと同様の十分な厚さの表皮28が一体のプリーツパッド29を被覆張設するようにすると(断面図省略)、着座者が背中にワイヤーやS字バネ使用時(従来)のような不快な凹凸感を感じることがないことは素より、従来のウレタン製パッドを用いた場合と略同様の良好なクッション性を実現することができる。また全体的にソフトな感じで使用することができる。
なお、以上の実施の形態における第1,第2の高張力鋼板24,32は、例えば各シートフレーム部材21,32に対する取付時の溶接性を考慮して、例えば引張強さが490Mpa以上のもの(JIS規格:HT鋼、日本溶接協会規格:HW鋼など)が選ばれており、その板厚は必要な剛性、じん性が得られる範囲で、必要な加工性、成形性を考えて可能な限り薄く形成し、その重量を軽減するとともに、使用感の良いソフトな弾性が実現されるようにしている。
(変形例)
また、上述の楕円形状のパンチング孔26,26・・・、32b,32b・・・は、例えばエキスパンドメタルを形成する際に採用されるような細長い切り欠き溝に変更することも可能である。
この出願の発明の最良の実施の形態に係る車両用シートの外観斜視図である。 同車両用シートのヒップシート部の外部構造を示す斜視図である。 同車両用シートのシートバック部の外部構造を斜視図である。 同車両用シートのヒップシート部の内部構造を示す裏面側かに見た斜視図である。 同車両用シートのシートバック部の内部構造を示す背面側から見た斜視図である。 同車両用シートのヒップシート部を、その中央で上方から下方に切断し、前面側から背面側方向に見た断面図(図1のA−A)である。
符号の説明
1は車両用シート、2はヒップシート(シートクッション)部、3はシートバック部、21はヒップシートフレーム、21aは前プレート部、21bはヒップシートフレームの側枠部、21cはヒップシートフレームの後枠部、24は第1の高張力鋼板、24b,24bは第1の高張力鋼板の左右両側の縁部、24c,24cは第1の高張力鋼板の前プレート部側、後枠部側縁部、26,26・・・は第1の高張力鋼板のパンチング孔、31はシートバックフレーム、32は第2の高張力鋼板、32a,32aは第2の高張力鋼板の左右両側の縁部、32b,32b・・・は第2の高張力鋼板のパンチング孔である。

Claims (5)

  1. シート部が、シートの外形に沿わせて形成されたシートフレームと、該シートフレームのフレーム部間に設けられた板状の弾性部材と、上記シートフレームおよび板状の弾性部材を覆って設けられたパッド部材とからなる車両用シートであって、上記パッド部材が表皮と一体化されたプリーツパッドのみよりなり、該プリーツパッドの厚さを厚くして構成されていることを特徴とする車両用シート。
  2. シートフレームのフレーム部間に設けられた板状の弾性部材として、高張力鋼板が使用されていることを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  3. 高張力鋼板は、シートフレームの前後又は左右方向に延びる縁部をシートフレームのフレーム部間に溶着して固定されていることを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  4. シート部が、ヒップシート部であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の車両用シート。
  5. シート部が、シートバック部であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の車両用シート。
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JP2018199353A (ja) * 2017-05-25 2018-12-20 テイ・エス テック株式会社 シートフレーム

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