JP2010143624A - スパウト容器用積層フィルム及びこれを用いたスパウト容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムとの接合部の外周が70mm以上のスパウトを使用したスパウト容器の溶着箇所の高いシール性を達成できるスパウト容器用積層フィルム及びこれを用いたスパウト容器を提供すること。
【解決手段】本発明に係るスパウト容器用積層フィルム5は、引張伸度400〜800%の基材層1と、引張伸度500〜1000%のシーラント層2と、押出ラミネーションによって基材層1とシーラント層2との間に形成され、基材層1とシーラント層2とを貼り合わせる接合層3とを備える。本発明に係るスパウト容器10は、シーラント層2を内側にしてスパウト容器用積層フィルム5を袋状に加工してなる容器本体部7と、この容器本体部7の内側と外側とを連通する流路を有し、容器本体部7の周縁部に取り付けられたスパウト8とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、合成樹脂シートを袋状に形成した容器本体部に大きな口径を有するスパウトを溶着して取りつけたスパウト容器に関する。スパウト容器は液体や粉体等の充填に使用されるものである。
合成樹脂シートからなる容器本体部に液体、粉体等を充填し、この容器本体部の開口部に注出口となるスパウトを取り付けたスパウト容器(スパウト付きパウチ容器)が知られている。スパウト容器は、合成樹脂等によって一体成形されたスパウトを合成樹脂シートで挟み付けた状態で熱溶着して容器本体部に固定することによって作製される。スパウト容器の高い密封性を確保するためには、スパウトと容器本体部の溶着箇所における高いシール性が要求される。
上記溶着箇所の高いシール性等を確保する観点から、多様な構成のスパウトがこれまでに開発されている。例えば、下記特許文献1には、合成樹脂シートとの溶着固定処理において、所定の機械的強度を維持して部分的な変形を防止してシール性や接着性に優れ良好な製品歩留りを維持するためのスパウトが記載されている。
特開2006−232295号公報
しかしながら、従来、大きな口径(例えば、フィルムとの接合部の外周が70mm以上)を有し且つ高剛性の材料からなるスパウトを容器本体部に熱溶着する場合、合成樹脂シートとスパウトの溶着箇所のシール性が必ずしも十分でないことがあった。この場合、当該箇所から内容物が漏れたり、スパウト容器内を真空状態に十分に維持できないといった不具合が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、スパウト容器の溶着箇所の高いシール性を達成できるスパウト容器用積層フィルム及びこれを用いたスパウト容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、使用するスパウトが比較的大きな口径を有し且つ高剛性の材料からなるものである場合、従来の合成樹脂シートがスパウト形状にきれいに賦形しないことに着目し、上記課題の解決策について鋭意検討した。その結果、所定の引張伸度を有する基材層及びシーラント層を押出ラミネーションによって貼り合わせて得た積層フィルムが高い密封性を有するスパウト容器を製造するのに極めて有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、引張伸度400〜800%の基材層と、引張伸度500〜1000%のシーラント層と、押出ラミネーションによって基材層とシーラント層との間に形成され、基材層とシーラント層とを貼り合わせる接合層とを備えるスパウト容器用積層フィルムを提供する。
本発明に係る積層フィルムは高い引張伸度を有しているため、スパウトの溶着作業においてスパウトの外周面に十分に沿うように配置できる。この状態で溶着を行うことで溶着箇所の高いシール性を達成できる。また、本発明に係る積層フィルムが高い引張伸度を有するため、使用するスパウトのフィルムとの接合部の外周が70mm以上であっても溶着箇所の高いシール性を達成できる。また、高い引張伸度を有する当該積層フィルムによれば、従来の合成樹脂シートを使用した場合と比較し、溶着後において積層フィルムに生じる応力を低減でき、高いシール性を長期に亘って維持できる。なお、本発明でいう「引張伸度」はJIS K7127に規定された引張特性の試験方法に準拠して測定した値を意味する。
上記基材層は、共押出によって形成された複数の層からなり、表面及び裏面の少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂によって形成されていることが好ましい。かかる構成を採用することにより、基材層の傷つきや破れ等を十分に防止できる。また、基材層は、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層と、ポリオレフィン系樹脂層の間に設けられ且つガスバリア性を有する樹脂層とを有するものであってもよい。かかる構成を採用することにより、内容物の変質等を十分に抑制できる。
スパウトとの溶着性及び賦形性の観点から、上記シーラント層の引張伸度が基材層の引張伸度よりも大きいことが好ましい。また、同様の観点から、シーラント層はオレフィン系樹脂又は/及び熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。
上記接合層は、基材層及びシーラント層との接着性の観点からポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を含有することが好ましい。接合層の厚さは5〜30μmであることが好ましい。接合層の厚さを上記範囲内にすることによって、基材層とシーラント層を十分に高い強度で貼り合わせることができるとともに、高い引張伸度を有する積層フィルムを得ることができる。
本発明は、シーラント層を内側にして上記スパウト容器用積層フィルムを袋状に加工してなる容器本体部と、この容器本体部の内側と外側とを連通する流路を有し、容器本体部の周縁部に取り付けられたスパウトとを備えるスパウト容器を提供する。本発明に係るスパウト容器によれば、容器本体部が上記スパウト容器用積層フィルムからなるものであるため、フィルムとの接合部の外周が70mm以上のスパウトを使用した場合であっても高い密封性を達成できる。
本発明によれば、比較的大きな口径を有し且つ高剛性の材料からなるスパウトを使用した場合であっても、スパウト容器の溶着箇所の高いシール性を達成できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るスパウト容器用積層フィルムを示す模式断面図である。図2は、本実施形態に係るスパウト容器を示す斜視図である。
<スパウト容器用積層フィルム>
本実施形態に係るスパウト容器用積層フィルム5は、袋状に加工した際に外層をなす基材層1と、内層をなすシーラント層2と、基材層1とシーラント層2とを貼り合わせる接合層3とを有する。図1に示すように、積層フィルム5は、外側から基材層1、接合層3及びシーラント層2がこの順序で積層された多層構造を有する。積層フィルム5は、図2に示すスパウト容器10の容器本体部7を形成するためのものである。
基材層1として、引張伸度が400〜800%のフィルムを使用する。基材層1の引張伸度が400%未満であると、積層フィルム5の引張伸度が不十分となる。基材層1の引張伸度の下限は、450%であることが好ましく、500%であることがより好ましい。他方、引張伸度が800%を超えるフィルムを使用した場合、容器の強度を維持することが難しくなる。容器の強度とスパウトとの接合性のバランスを考慮すると、基材層1の引張伸度の上限は750%であることが好ましく、700%であることがより好ましい。
基材層1を形成するフィルムは、単層のものであってもよいが、複数の層であってもよい。複数の層からなるフィルムを使用する場合、共押出フィルムが好適である。この共押出フィルムは表面及び裏面の少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂からなるものが好ましい。このような構成の共押出フィルムによって基材層1を形成することで、基材層1の傷つきや破れ等を十分に防止できる。また、スパウト容器10の内容物の変質等を防ぐ観点から、基材層1は、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層と、ポリオレフィン系樹脂層の間に設けられ且つガスバリア性を有する樹脂層とを有することが好ましい。基材層1の厚さは、10〜200μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましい。
基材層1の具体的な構成としては、例えば、ポリエチレン/EVOH/ポリエチレン、ポリエチレン/ナイロン/EVOH/ポリエチレン、ポリエチレン/ナイロン/EVOH/ナイロン/ポリエチレン、ポリエチレン/PETG/ナイロン/EVOH/ポリエチレン、ポリエチレン/EVOH/ナイロン/ポリエチレン、ポリエチレン/MXDナイロン6/ポリエチレン、ポリエチレン/ナイロン/モサシナイロン6/ナイロン/ポリエチレン、ポリプロピレン/EVOH/ナイロン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ナイロン/EVOH/ナイロン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/MXDナイロン6/ポリプロピレン、等がある。なお、EVOHは、エチレン−ビニルアルコール共重合を意味し、PETGは非結晶性PET(ポリエチレンテレフタレート)コポリマーを意味する。
シーラント層2として、引張伸度が500〜1000%のフィルムを使用する。シーラント層2の引張伸度が500%未満であると、積層フィルム5の引張伸度が不十分となる。シーラント層2の引張伸度の下限は、550%であることが好ましく、600%であることがより好ましい。他方、引張伸度が1000%を超えるシーラント層は加工がしづらくなることがある。シーラント層2の引張伸度の上限は950%であることが好ましく、900%であることがより好ましい。シーラント層2の引張伸度は基材層1の引張伸度よりも大きいと、積層フィルムのスパウト接合面側がよりスパウト形状に沿いやすくなり、積層フィルムとスパウトとの接合度が高まるため、より好ましい。
シーラント層2を形成するフィルムは、単層のものであってもよいが、複数の層からなる共押出フィルムであることが好ましい。この共押出フィルムは容器本体部7とスパウト8との溶着性の観点から、表面及び裏面の少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂によって形成されたものが好ましい。また、シーラント層2を形成するフィルムは、賦形性の観点から柔軟性を有する熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が選択される。熱可塑性エラストマーとしては、スチレンブロックコポリマー(SEPS、SIS、SEBS、SBSのようなTPE−S)、ポリエーテルエステル(TPE−S)、ポリウレタン(TPU−U)、ポリエーテルアミド(TPE−A)を含むグループ又はEPDM含むグループから選択される。シーラント層2の厚さは、10〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。
なお、TPEは、熱可塑性エラストマーを単に略するものである。また、SEBSはスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロックポリマーを意味し、SBSはスチレン−ブチレン−スチレンのジブロックポリマーを意味し、SEPSはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロックポリマーを意味し、SISはスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロックポリマーを意味する。EPDMはエチレン及びプロピレンおよび共役二重結合ではないジエン(EPDM)又はエチレン−アルファオレフィンのコポリマーの少なくとも一方からなるターポリマーを意味する。
シーラント層2の具体的な構成としては、例えば、ポリエチレン/SEPS/ポリエチレン、ポリエチレン/SEBS/ポリエチレン、ポリエチレン/EPDM/ポリエチレン、ポリプロピレン/SEPS/ポリプロピレン、ポリプロピレン/EPDM/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエチレンとSEPSのブレンド樹脂/ポリエチレン、ポリエチレン/ポリエチレンとSEBSのブレンド樹脂/ポリエチレン、ポリエチレン/ポリエチレンとEPDMのブレンド樹脂/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリプロピレンとSEPSのブレンド樹脂/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリプロピレンとEPDMのブレンド樹脂/ポリプロピレン、等がある。
接合層3は、基材層1とシーラント層2とを貼り合わせるための層である。接合層3は、押出ラミネーションによって基材層1とシーラント層2との間に形成される。押出ラミネーションを実施するに際しては、接合層3の厚さが所定の範囲内となるように調整する。押出ラミネーション加工特性及び界面接着性の観点から、接合層3の厚さは5〜30μmであることが好ましく、7〜25μmであることがより好ましく、8〜20μmであることが更に好ましい。
押出ラミネーションに使用する樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。このポリオレフィン樹脂は、必要に応じて配合される添加剤を含有するものであってもよい。添加剤としては、例えば、安定剤、中和剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤等を例示できる。これらの添加剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
基材層1とシーラント層2とが接合層3によって接合されてなる積層フィルム5は、高い引張伸度を有する。仮に、基材層1及びシーラント層2の一方が他方と比較して引張伸度が低い場合であっても、得られる積層フィルム5の引張伸度は当該一方の層の引張伸度よりも高くなり得る。これは、基材層1とシーラント層2との間に接合層3を介在させることで、基材層1又はシーラント層2を単独で引張試験を行った場合と比較して局所的な破断が抑制されるためと推察される。積層フィルム5の引張伸度は、スパウト容器10のサイズや用途に応じて適宜設計すればよいが、500〜1000%であることが好ましく、550〜950%であることがより好ましい。
なお、接合層3の厚さ又は組成を適宜設定することにより、基材層1とシーラント層2との接合強度を所望の程度に調整することができる。例えば、接合層3の厚さを8〜20μmと比較的薄くしたり、接合層3の加工時の樹脂の押し出し温度を低くすることによって、基材層1とシーラント層2との接合強度を比較的低く設定できる。この場合、スパウト容器10を使用中に基材層1(外層)とシーラント層2(内層)とを剥離(図2に示すヒートシール部7aを除く)させ、2重袋とすることができる。2重袋のスパウト容器10は、基材層1とシーラント層2との間に隙間があるため、例えば、基材層1に孔が開いてもシーラント層2によって密閉性を維持できるという利点がある。
<スパウト容器>
次に、図2に示すスパウト容器10について説明する。スパウト容器10は、シーラント層2を内側にし、積層フィルム5を袋状に加工してなる容器本体部7と、容器本体部7の内側と外側とを連通する流路を有し、容器本体部7の周縁部に取り付けられたスパウト8とを備える。図2に示すように、容器本体部7の周縁部にヒートシール部7aを形成することによって積層フィルム5が袋状に加工される。スパウト8は、円筒部8aとその下部に設けられた接合部8bとを有し、接合部8bの外周面と容器本体部7とが貼り合わされて円筒部8aが容器本体部7の外に突出するように取り付けられる。スパウト8は、円筒部8aの先端側にキャップ9を装着できるようになっている。
図3(a)及び(b)はスパウトの一例を示す斜視図及び平面図である。スパウト8としては、射出成形法等によって作製されたものを使用できる。スパウト8の材質としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂が挙げられる。容器本体部7との接合部8bの断面形状としては、図2に示す形状(2つの円弧を組み合わせたもの)の他に、円形状、楕円形状又は多角形状が挙げられる。スパウト8は、充填物の流動性及び充填適性の観点から流路の内径Aが20mmφ以上であることが好ましい(図3(a)参照)。この場合、スパウト8のフィルムとの接合部8bの外周Cは、スパウト8の外径Bや接合部8bの形状にもよるが、70mm以上となる(図3(b)参照)。接合部8bの外周Cの長さは、スパウト容器10のサイズや用途に応じて適宜設計すればよいが、80〜1000mmであることが好ましく、100〜500mmであることがより好ましい。
容器本体部7とスパウト8との溶着は、加熱ガス、電熱、熱風、マイクロフレーム、超音波等によって実施できる。これによって作製されたスパウト容器10は、高い密封性を有しているため、清涼飲料水、アルコール飲料、醤油、サラダ油及び液状洗剤等の液体を充填することができる。あるいは、スパウト容器10内には粉体や粒状物などを充填してもよい。なお、粉体や粒状物などを充填した場合、スパウト容器10内を真空引きしてもよい。スパウト8とフィルムとの接合面積を広くするため、接合部8bの下端から容器本体部7の方向に延びる突出部を設ける場合がある。このような突出部を設けることで、スパウト8の開口が真空引きされた積層フィルム5によって塞がれてしまうことを防止できる。積層フィルム5は高い引張伸度を有しているため、真空引きによって積層フィルム5が上記突出部に押し付けられても当該箇所に孔が開くことを十分に防止できる。
以上、説明した通り、スパウト容器10の容器本体部7を積層フィルム5によって形成することで、溶着箇所の高いシール性を達成できる。また、高い引張伸度を有する積層フィルム5を使用することにより、口径が比較的大きく、接合部の外周が長いスパウトや接合部の外径が太いスパウトを使用する場合であっても高い密封性を有するスパウト容器10を作製できる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を用いて説明する。実施例及び比較例における各項目は、下記の方法で測定又は評価した。
(1)フィルムの厚さ
基材層、シーラント層及びスパウト容器用積層フィルムの厚さはダイアルゲージを用いて測定した。
(2)引張試験(引張伸度、引張弾性率)
JIS K7127に準拠して測定を行った。まず、幅15mm、長さ200mmの短冊形サンプルを用意した。このサンプルの両端部を各々、引張試験機にチャック間距離が50mmとなるように取り付けた。チャック間の移動速度50mm/分の速度で移動させ、その際の破断に要するまでの最大荷重及び最大伸度を測定し、引張強度及び引張伸度とした。また0.3%伸びた時の荷重を引張弾性率とした。
(3)容器本体部とスパウトとの溶着性
積層フィルムをA4サイズ(210mm×297mm)に切り取り、さらに両フィルム間に幅10mmの底部ができるようにフィルム片を貼り、該フィルムのシーラント層同士を一辺を残して貼り合わせて袋状にして容器本体部を作製した。他方、容器本体部の開口に挿入する部分の外径が異なる3種類のスパウト(外周65.6mm(外径20mm、内径15mm)、外周82.5mm(外径25mm、内径20mm)、外周147.3mm(外径45mm、内径40mm))を準備した。熱風噴射ユニット(ウェルディ社製)を使用し、160℃の熱風で容器本体部にスパウトを溶着させてスパウト容器を作製した。溶着箇所の溶着性及びスパウト容器の密封性を以下の基準に基づいて評価した。
(3−1)溶着箇所からの水漏れ
○:スパウト容器内に1Lの水を充填後、溶着箇所から水漏れがなかった。
×:スパウト容器内に1Lの水を充填後、溶着箇所から水漏れがあった。
(3−2)耐圧縮強さ試験
JIS Z238に準拠して測定を行った。耐圧試験機(東洋精機製作所製、ストログラフV20−C型)を使用し、(3−1)で水漏れがなかったスパウト容器に圧縮速度5mm/分で圧縮荷重を掛けていき、溶着箇所から水漏れが発生する最大点荷重を計測した。
(実施例)
基材層としてポリエチレン/EVOH/ポリエチレンの共押フィルム(厚さ70μm)を使用し、シーラント層としてポリエチレン/ポリエチレンとSEBSのブレンド樹脂/ポリエチレンの共押フィルム(厚さ60μm)を使用した。基材層とシーラント層との間に溶融押出し樹脂層(接合層、厚さ9μm)を積層し、積層フィルムを得た。溶融押出し樹脂として線状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.915g/cm、MI:7g/10分)を用いた。この積層フィルムのフィルム物性を表1に示す。
上記のようにして得られた積層フィルムを袋状の容器本体部に加工した。この容器本体部の開口部にスパウトを挿入し、熱風噴射ユニットでヒートシールすることによりスパウト容器を作製した。容器本体部とスパウトとの溶着性及びスパウト容器の密封性についての評価結果を表2に示す。
(比較例)
基材層として、2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を使用し、シーラント層としてポリエチレンフィルム(厚さ60μm)を使用した。基材層の一面に接合層として3g/m2のポリエステル系ポリウレタン接着剤を塗布し、この塗布面にシーラント層を積層することで、ドライラミネーション法によりラミネートした。この積層フィルムのフィルム物性を表1に示す。
得られた積層フィルムを使用し、上記実施例と同様にしてスパウト容器を作製した後、スパウト容器を作成した。容器本体部とスパウトとの溶着性及びスパウト容器の密封性についての評価結果を表2に示す。
表1,2に示した通り、本発明の要件を満足する実施例は、外周が82.5mm以上のスパウトを使用した場合であっても溶着性及び密封性に優れることが分かる。これに対し、本発明の要件を満足しない比較例は、外周が82.5mm以上のスパウトを使用した場合、溶着性及び密封性が不十分であることが分かる。
Figure 2010143624
Figure 2010143624
本発明に係るスパウト容器用積層フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るスパウト容器の一実施形態を示す斜視図である。 (a)及び(b)はスパウトの一例を示す斜視図及び平面図である。
符号の説明
1…基材層、2…シーラント層、3…接合層、5…スパウト容器用積層フィルム、7…容器本体部、7a…ヒートシール部、8…スパウト、8a…円筒部、8b…接合部、9…キャップ、10…スパウト容器、C…接合部の外周。

Claims (9)

  1. 引張伸度400〜800%の基材層と、
    引張伸度500〜1000%のシーラント層と、
    押出ラミネーションによって前記基材層と前記シーラント層との間に形成され、前記基材層と前記シーラント層とを貼り合わせる接合層と、
    を備えるスパウト容器用積層フィルム。
  2. 前記基材層は、共押出によって形成された複数の層からなり、表面及び裏面の少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂によって形成されている、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記基材層は、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層と、ポリオレフィン系樹脂層の間に設けられ且つガスバリア性を有する樹脂層とを有する、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記シーラント層の引張伸度は前記基材層の引張伸度よりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 前記シーラント層はオレフィン系樹脂又は/及び熱可塑性エラストマーを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 前記接合層はポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  7. 前記接合層の厚さは5〜30μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層フィルムを、前記シーラント層を内側にして袋状に加工してなる容器本体部と、
    前記容器本体部の内側と外側とを連通する流路を有し、前記容器本体部の周縁部に取り付けられたスパウトと、
    を備えるスパウト容器。
  9. 前記スパウトにおける前記容器本体部との接合部の外周が70mm以上である、請求項8に記載のスパウト容器。
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