JP2010182702A - 保持部材、電子部品、及び電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に対する電子部品の保持強度を向上でき、貫通孔壁面の損傷を低減できる保持部材、電子部品、及び電子装置を提供する。
【解決手段】脚部が基板の貫通孔に挿入されて、基板の表面上に電子部品を保持する保持部材であって、同一の金属板によって一体的に形成され、電子部品に固定される固定基部と、固定基部から延設された脚部とを備える。脚部は、その先端側に設けられ、電子部品の固定状態で基板の裏面における貫通孔の開口周辺上に少なくとも一部が位置する係止部と、一方の端部が係止部と連結され、固定状態で貫通孔内に一部が配置される連結部と、連結部における係止部とは反対側の端部に一端が連結され、固定状態で基板の表面上に配置されるとともに、貫通孔への係止部及び連結部の挿入時において連結部が固定状態に対して傾いて係止部が貫通孔内に挿入されるように変位するばね部とを有し、ばね部は平板状とされ、連結部に対して折曲される。
【選択図】図8
【解決手段】脚部が基板の貫通孔に挿入されて、基板の表面上に電子部品を保持する保持部材であって、同一の金属板によって一体的に形成され、電子部品に固定される固定基部と、固定基部から延設された脚部とを備える。脚部は、その先端側に設けられ、電子部品の固定状態で基板の裏面における貫通孔の開口周辺上に少なくとも一部が位置する係止部と、一方の端部が係止部と連結され、固定状態で貫通孔内に一部が配置される連結部と、連結部における係止部とは反対側の端部に一端が連結され、固定状態で基板の表面上に配置されるとともに、貫通孔への係止部及び連結部の挿入時において連結部が固定状態に対して傾いて係止部が貫通孔内に挿入されるように変位するばね部とを有し、ばね部は平板状とされ、連結部に対して折曲される。
【選択図】図8
Description
本発明は、コネクタなどの電子部品を基板上に保持する保持部材、該保持部材を備えた電子部品、及び基板と電子部品を備えた電子装置に関するものである。
従来、基板に形成された貫通孔に対して電子部品に設けた保持部材の一部を弾性変形させつつ挿入し、保持部材の変形による反力(復元力)によって基板上に電子部品を保持させる保持構造が知られている。例えば特許文献1では、金属板を打ち抜き、印圧及び曲げ加工することで保持部材が形成されており、板状の基部から同方向に延びて互いに対向する一対の第1脚部のうち、嵌入部が、過渡部における平行部との連結端を支点として板厚方向(基板の厚さ方向に略垂直な方向であって貫通孔の内側方向)に弾性変形しつつ貫通孔内に挿入される。そして、変形に対する反力(復元力)によって、嵌入部が貫通孔の壁面(内面)に接触(干渉)し、これにより、嵌入部を貫通孔から引き抜こうとする方向への基板からの電子部品の抜けが抑制され、基板上に電子部品が保持されるようになっている。このような保持構造とすると、ネジ締結などに比べて、基板に対する電子部品の占有面積(電子部品の体格)を小さくすることができる。また、組み付け工数を削減することができる。
しかしながら、特許文献1に示される保持部材は、それ自身の弾性変形に対する反力によって嵌入部が貫通孔の壁面に接触し(係止し)、基板上に電子部品が保持される構造であるため、嵌入部を貫通孔から引き抜こうとする外力に対する耐力(引っ張りに対する耐力)が低いという問題がある。すなわち、基板に対する電子部品の保持強度が低く、基板から電子部品が外れ易いという問題がある。
また、貫通孔の壁面には一般的にメッキ層が形成されているが、引っ張りに対する耐力を向上しようとすると、嵌入部の弾性変形に対する反力(ばね性)が強くなるため、メッキ層が剥がれ易くなる。すなわち、貫通孔の壁面が損傷を受け易くなる。
本発明は上記問題点に鑑み、基板に対する電子部品の保持強度を向上でき、且つ、貫通孔壁面の損傷を低減できる保持部材、電子部品、及び電子装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、電子部品に固定される固定基部と、固定基部から延設された少なくとも1本の脚部とを備え、脚部が基板の貫通孔に挿入されて、基板の表面上に電子部品を保持する保持部材であって、脚部は、同一の金属板を加工することで固定基部と一体的に形成されており、脚部の先端側に設けられ、電子部品が基板に固定された固定状態で、基板の裏面における貫通孔の開口周辺上に少なくとも一部が位置する係止部と、一方の端部が係止部と連結され、固定状態で貫通孔内に一部が配置される連結部と、連結部における係止部とは反対側の端部に一端が連結され、他端が固定基部に支持され、固定状態で基板の表面上に配置されるとともに、貫通孔への係止部及び連結部の挿入時において、連結部が固定状態に対して傾いて係止部が貫通孔内に挿入されるように変位するばね部と、を有し、ばね部は平板状とされ、連結部に対して折曲されていることを特徴とする。
このように本発明によれば、保持部材が、貫通孔を通り抜け、固定状態で基板の裏面における開口周辺上に位置する係止部を有しており、ばね部の変位によって係止部は貫通孔を通り抜け、基板の裏面上に位置される。そして、係止部は、脚部を貫通孔から引き抜こうとする外力が作用した際に基板の裏面に係止する。したがって、引っ張りに対する耐力が従来よりも向上されており、これにより、基板に対する電子部品の保持強度を向上することができる。すなわち、少なくともはんだ付け前の状態で、従来よりも電子部品を基板から外れにくくすることができる。
また、ばね部は、連結部における係止部の連結端とは反対側の端部に連結されている。すなわち、係止部とばね部とが脚部における異なる位置に構成されており、ばね部が貫通孔内に挿入されないようになっている。すなわち、ばね部は、それ自体が変形による反力で配線基板に係止するのではない。したがって、従来のように、ばね部の反力で貫通孔の壁面にばね部自体が係止する構成に比べて、貫通孔壁面(壁面上に形成されたメッキ層)の損傷を低減することができる。また、ばね部の設計自由度を向上することができる。また、平板状のばね部を採用している。したがって、略U字状のような曲げ加工を不要とすることができ、構成を簡素化することができる。
請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載のように、短手方向における幅が金属板の板厚よりも広くされたばね部を採用すると良い。
これによれば、ばね部の強度を高めて、係止部(及び連結部)を貫通孔内に挿入させる際や脚部を貫通孔から引き抜こうとする外力が作用した際に、ばね部の変形や破損を抑制することができる。
請求項1又は請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載のように、係止部が金属板を打ち抜き加工することのみで形成された構成とすることが好ましい。曲げ加工によっても形成することができるが、打ち抜き加工のみによって係止部を形成すると、曲げ加工よりも変形や破損に対して耐力を向上することができる。これにより、基板に対する電子部品の保持強度をさらに向上することができる。
平板状のばね部としては、請求項4に記載のように、ばね部が、連結部に対して90°折り曲げられた構成を採用することができる。
また、請求項5に記載のように、ばね部が、固定基部に対して、連結部に対する折曲方向とは反対に90°折り曲げられた構成を採用することもできる。
さらには、請求項6に記載のように、平板状のばね部として、折返し形状のものを採用することができる。このような折返し形状としては、例えば略コの字状や蛇行形状がある。これによれば、長手方向に直線状のばね部に比べてバネ長を長くし、ばね部の変位量(ストローク)をより大きくすることができる。
請求項1〜6いずれかに記載の発明においては、請求項7に記載のように、脚部として、固定基部から同じ方向に延設され、互いに対向する一対の脚部を有し、一対の脚部における係止部の連結部から延びた方向が互いに異なる方向とされた構成とすると良い。
これによれば、1本の脚部のみを有する構成に比べて、基板に対する電子部品の保持強度を向上することができる。また、係止部が互いに異なる方向に延びているので、係止部が互いに同一方向に延びた構成に比べて、基板に対するがたつきが低減されている。また、係止状態が解除されにくくなっている。
請求項7に記載の発明においては、請求項8に記載のように、基部から脚部と同じ方向であって先端が互いに対向する一対の連結部の間まで少なくとも延設され、挿入前の状態で連結部とは離れて設けられた傾斜制限部を有する構成としても良い。
これによれば、一対の脚部の間に設けられた傾斜制限部によって、連結部の傾きを制限することができる。したがって、例えば、脚部を貫通孔に挿入する際に、貫通孔と脚部との位置関係が所定の関係からずれていたとしても、連結部が傾斜制限部に当て止まるので、必要以上に連結部が傾くことがなく、脚部の変形や破損を抑制することができる。また、フローはんだ付けを実施する場合には、傾斜制限部が存在することで、毛細管現象により基板の表面側へはんだを吸い上げ易くすることもできる。この場合、傾斜制限部もはんだと接するので、引っ張りに対する耐力をさらに向上することもできる。
請求項1〜8いずれかに記載の発明においては、請求項9に記載のように、基板の厚さ方向に略垂直な方向において、係止部のうち、固定状態で貫通孔から最も離れた位置となる角部が、90°よりも大きい角を複数繋いでなる多角形状、又は、丸みを帯びた形状とされた構成とすると良い。
角部が角張った形状(90°以下の角度)の場合、貫通孔への脚部の挿入時において、係止部が貫通孔を突き抜ける際に、係止部の少なくとも一部が突き抜けつつばね部の反力(復元力)で貫通孔よりも外側へ移動するため、角部が壁面端部(貫通孔開口部)のメッキ層を削り取る(跳ね飛ばす)恐れがある。これに対し、角部を上記形状とすると、角部によるメッキ層削りを抑制することができる。
請求項1〜9いずれかに記載の発明においては、請求項10に記載のように、係止部における基板裏面との対向部分が、基板の厚さ方向に略垂直な方向において連結部から離れるほど、基板の厚さ方向において基板表面から遠いテーパ状とされた構成としても良い。
これによれば、基板の厚さ方向において、例えば公差の範囲内で製造ばらつき(保持部材、基板、電子部品)や組み付けばらつき(保持部材と電子部品の本体部、電子部品(保持部材含む)と基板)が生じても、係止部を基板の裏面に係止させやすくすることができる。すなわち、基板と電子部品とのがたつきを抑制することができる。また、同一構成の保持部材を、異なる厚さの基板(複数種類の基板)に対して適用することができる。
次に、請求項11に記載の発明は、本体部と、該本体部を貫通孔の形成された基板の表面上に保持する保持部材とを備えた電子部品であって、保持部材として、上記請求項1〜10いずれか1項に記載の保持部材を用いることを特徴とする。このように本発明の電子部品は、上記した保持部材を備えるものである。その作用効果は、上記した保持部材に係る各発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
次に、請求項12に記載の発明は、貫通孔の形成された基板と、本体部と、該本体部を基板の表面上に保持する保持部材を有する電子部品と、を備えた電子装置であって、保持部材として、上記請求項1〜10いずれか1項に記載の保持部材を用いることを特徴とする。このように本発明の電子装置は、上記した保持部材を備えるものである。その作用効果は、上記した保持部材に係る各発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する前に、参考例について説明する。
(参考例)
図2,図5〜7においては、便宜上、貫通孔壁面のメッキ層を省略して図示している。また、以下においては、図1に示すように、配線基板の厚さ方向を上下方向と示し、図2に示すように、ハウジングにおける端子の配列方向を左右方向、上下方向及び左右方向と直交する方向を前後方向と示す。また、図5〜7の断面図は、貫配線基板における貫通孔基準での断面図である。
(参考例)
図2,図5〜7においては、便宜上、貫通孔壁面のメッキ層を省略して図示している。また、以下においては、図1に示すように、配線基板の厚さ方向を上下方向と示し、図2に示すように、ハウジングにおける端子の配列方向を左右方向、上下方向及び左右方向と直交する方向を前後方向と示す。また、図5〜7の断面図は、貫配線基板における貫通孔基準での断面図である。
以下に示す参考例及び実施形態においては、主として保持部材に特徴があるが、該保持部材を有するコネクタ及び電子装置とともに保持部材について説明する。なお、参考例及び実施形態に示す電子装置は、非防水構造の電子制御装置であり、例えば車両のエンジンECU(Electric Control Unit)として用いられる。
図1に示す電子制御装置1は、要部として、配線基板31に電子部品32を実装してなる回路基板30と、端子51、ハウジング52、及び保持部材60を有するコネクタ50とを備えている。また上記要素以外にも、参考例においては、回路基板30及びコネクタ50を収容する筐体10を備えている。
筐体10は、アルミニウム、鉄等の金属材料や樹脂材料からなり、その内部に回路基板30とコネクタ50の一部とを収容するものである。筐体10の構成部材の個数は特に限定されるものではなく、1つの部材から構成されても良いし、複数の部材から構成されても良い。参考例においては、図1に示すように、一方が開放された箱状のケース11と、ケース11の開放面を閉塞する略矩形板状の底の浅いカバー12との2つの部材によって構成されている。そして、ケース11とカバー12とを組み付けることで、回路基板30とコネクタ50を収容する内部空間を備えた筐体10となっている。また、筐体10(ケース11)には、コネクタ50に対応したコネクタ用切り欠き部(図示略)が設けられており、回路基板30を収容するようにケース11とカバー12を組み付けた(例えば螺子締結した)状態で、回路基板30及びコネクタ50の一部(端子51における回路基板30との接続側を含む)が筐体10内に収容され、コネクタ50の残りの部分(端子51における外部コネクタとの接続側を含む)が筐体10外に露出されるようになっている。
回路基板30は、図1に示すように、電極としてのランドを含む配線、配線間を接続するビアホール等が形成されてなる基板としての配線基板31に、マイコン、パワートランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品32を実装してなるものである。参考例においては、電子部品32の1つとして、回路基板30と外部とを電気的に接続するコネクタ50が、配線基板31に実装されている。このコネクタ50が、特許請求の範囲に記載の電子部品に相当する。また、配線基板31には、図2に示すように、端子51の実装部が挿入される貫通孔33と、図2、図5〜7などに示すように、保持部材60の脚部62が挿入される貫通孔34が形成されている。詳しくは、図2に示すように、左右方向においてハウジング52の両端よりも外側に、貫通孔34がそれぞれ1つずつ形成されており、貫通孔34の間に複数の貫通孔33が形成されている。これら貫通孔33,34の壁面及び配線基板31の開口周辺には、図示されないメッキ層が形成されており、貫通孔33の壁面に形成されたメッキ層は、配線基板31に形成された配線のランドとしての機能を果たすようになっている。なお、各貫通孔33,34の断面形状は特に限定されるものではない。参考例においては、貫通孔33が略円形断面、貫通孔34が左右方向に対して前後方向の長さが長い略楕円断面の長孔(図6(b)参照)となっている。
コネクタ50は、導電材料からなる複数の端子51を、電気絶縁性の材料(参考例においては樹脂)からなるハウジング52に対し、配線基板31の表面31aに沿って配列してなるものである。端子51は、ハウジング52の前面52aから延出された一方の端部(実装部)が、対応する貫通孔33に挿入された状態で、はんだ(図示略)を介して電気的に接続されている。また、ハウジング52の後面から延出された他方の端部が、筐体10外に露出されて外部コネクタと電気的に接続されるようになっている。参考例においては、図2に示すように、端子51として、信号伝送用のシグナル端子51aと、シグナル端子51aよりも太い電力伝送用のパワー端子51bを有している。そして、これらの端子51は、配線基板31の表面31aに沿う平面形状が一方向(左右方向)に長い略矩形状のハウジング52に対して、互いに干渉しないようにそれぞれの一部が保持され、左右方向(ハウジング52の長手方向)に沿って配列されている。
また、左右方向におけるハウジング52の両側面52bにおいて、ハウジング52の4隅と対応する前後各2か所には、側面52bから左右方向外側に台座部53が延設されている。この台座部53には、図2に示すように縦スリット状の溝部54が各台座部53の上面及び前後方向で対向する他の台座部53との対向面にかけて切り込み形成されている。そして、ハウジング52における左右両端側の溝部54に対して保持部材60が上方から挿入されている。
保持部材60は、配線基板31の貫通孔34に挿入されて、少なくともはんだ付け前の状態で、コネクタ50を配線基板31から外れにくくするものである。すなわち、配線基板31の表面31a上にコネクタ50を保持するものである。この保持部材60は、図3に示すように、一体的に形成された基部61と脚部62を有している。
基部61は、保持部材60をハウジング52に固定するための部位であり、特許請求の範囲に記載の固定基部に相当する。参考例においては、基部61が、ハウジング52の側面52bに設けられた溝部54に挿入されて固定される略矩形状の平板となっている。この基部61の略中央部下端からは、板状の脚部62が下方に(配線基板31側に向けて)延設されている。
脚部62は、コネクタ50を配線基板31の表面31a上に保持する(少なくともはんだ付け前の状態で、コネクタ50を配線基板31から外れにくくする)機能を果たす部位であり、その一部が配線基板31の貫通孔34に挿入される。参考例においては、脚部62として、一対の脚部62a,62bが、基部61の略中央部下端から同一方向(下方)に延設されている。
この脚部62a,62bのうち、一方の脚部62aは、脚部62aの先端側(下方先端側)に設けられ、コネクタ50が配線基板31に固定された固定状態(保持状態)で、配線基板31の裏面31bにおける貫通孔34の開口周辺上に少なくとも一部が位置する係止部63aを有している。この係止部63aは、固定状態で貫通孔34内に一部が配置される連結部64aの一端と連結されている。また、連結部64aの他端には、固定状態で配線基板31の表面31a上に配置されるとともに、貫通孔34への係止部63a及び連結部64aの挿入時において、連結部64aが固定状態に対して傾いて係止部63aが貫通孔34内に挿入されるように変位するばね部65aが連結されている。そして、ばね部65aにおける連結部64aとの連結端と反対側の端部が、繋ぎ部66aを介して基部61と連結されている。なお、図3中に示す符号67は、保持部材60を構成する際に用いた平板状の金属板の端面(以下単に端面67と示す)を示している。
詳しくは、図3に示すように、略矩形状の平板である基部61と同一平面で、直線状の繋ぎ部66aが基部61から下方に延設されている。なお、変位してもばね部65aが基部61に接しないのであれば、繋ぎ部66aのない構成とすることもできる。そして、繋ぎ部66aから略90°(図2に示すように、ハウジング52に対し、左(右)方向の外側)に折り曲げられた状態で曲げ加工されて、略U字状のばね部65aが延設されている。このばね部65aは、繋ぎ部66aを介して基部61に支持されており、繋ぎ部66aと連結された基部と該基部に対向する折り返し部とが屈曲部によって連結されてなる。そして、変位していない状態で、基部と折り返し部とが互いに略平行であって、配線基板31の表面31aとも略平行となっている。また、参考例においては、図3に示すように、ばね部65aの幅W(ばね部65の延設方向及び板厚方向に略垂直な方向の幅)が、その板厚T(平板状の金属板の板厚)よりも広くなっている。この略U字状のばね部65aにおける折り返し部から、略90°(図2に示すように、ハウジング52に対し、左(右)方向の外側)に折り曲げられ、ばね部65aの変位がない状態で配線基板31の表面31aに略垂直な連結部64aが延設されている。参考例においては、連結部64aにおける端面67が貫通孔34の壁面と対向するようになっており、連結部64aは、貫通孔34への係止部63a及び連結部64aの挿入時において殆んど変形しないようにリジッドとなっている。また、上下方向に延びた長さは、少なくとも係止部63a,63bが配線基板31の裏面31b上に位置するまで、ばね部65a,65bが配線基板31の表面31bと接触しない長さとなっている。そして、直線状の連結部64aの下端と同一平面で、係止部63aが連結部64aから前(後)方向に延設されている。この係止部63aは、配線基板31の裏面31bとの対向面が裏面31bと略平行とされ、上下方向の幅が、連結部64aとの連結端側から前後方向において連結部64aとは離れた角部の先端に近いほど狭い所謂楔形状となっている。また、係止部63aにおける端面67の少なくとも一部が、固定状態で配線基板31の裏面31b上に位置する(対向する)ようになっている。
これに対し、他方の脚部62bは、基部61の略中央部下端から同一方向に延び、脚部62aと対称の形状を有している。すなわち、脚部62bも脚部62a同様、係止部63b、連結部64b、ばね部65b、及び繋ぎ部66bを有している。
また、参考例では、一対の脚部62a,62bにおける係止部63a,63bは、対応する連結部64a,64bから延びた方向が、互いに反対方向となっている。参考例では、図6(b)に示すように、前後方向に長い略楕円断面の貫通孔34に対し、貫通孔34の長手方向(前後方向)の一端側の配線基板31の裏面31b上に係止部63aが位置し、他端側の配線基板31の裏面31b上に係止部63bが位置するようになっている。また、一対の脚部62a,62bにおいて、図5にしめすように、連結部64a,64bの幅Hが、係止部63a,63bが係止する前後方向の貫通孔34の幅(内径)Dの半分の長さよりも短い長さであって、脚部62a,62bを貫通孔34内に挿入する際に、互いに接触しない程度の長さとなっている。また、図6(a)に示すように、ばね部65a,65bが変位されない状態における連結部64a,64bの外側部位間の幅Sが、貫通孔34の幅Dよりも短い長さとなっている。すなわち、係止部63a,63bの一部が配線基板31の裏面31b上の位置する状態で、連結部64a,64bが貫通孔34の壁面と接触せず、連結部64a,64bの外側部位と対向する壁面との間に隙間を有するようになっている。
このような保持部材60は、平板状の金属板を打ち抜き、部分的に曲げ加工することで形成することができる。詳しくは、図4に示す形状に、平板状の金属板を打ち抜く。この段階で、繋ぎ部66a,66b、ばね部65a,65b、連結部64a,64b、及び係止部63a,63bは、基部61と同一の平面上に構成されている。この平板状の保持部材60に対し、繋ぎ部66a,66bとばね部65a,65bとの境界68(破線)を略90°折り曲げ、ばね部65a,65bを略U字状に曲げ加工する。また、ばね部65a,65bと連結部64a,64bの境界69(破線)を略90°折り曲げる。このようにして、1つの金属板から図3に示す保持部材60が形成されている。したがって、係止部63a,63bは、曲げ加工せずに打ち抜き加工のみによって形成されている。
次に、保持部材60による、配線基板31上へのコネクタ50の保持方法について説明する。先ず、上記した保持部材60の基部61を、コネクタ50の溝部54に挿入して固定する。そして、図5に示すように、配線基板31の表面31a側から裏面31b側の方向(図中の白抜き矢印方向)に、係止部63a,63b側から貫通孔34に保持部材60を挿入する。ここで、係止部63a,63bは、角部の先端間の距離が貫通孔34の幅Dよりも長い長さとなっている。しかしながら、係止部63a,63bは楔形状となっており、ばね部65a,65bがその板厚方向に弾性変形可能となっている。したがって、図5に示す白抜き矢印方向に保持部材60(コネクタ50)を押し込み、係止部63a,63bが配線基板31に接触すると、楔状の係止部63a,63bが、その傾斜に沿って貫通孔34の内側へ移動するように、ばね部65a,65bが基部61によって支えられた部位を支点として変位(弾性変形)する。詳しくは、図5に示すように、略U字状のばね部65a,65bにおいて、少なくとも折り返し部における連結部64a,64bとの連結端側が上方に変位する。このばね部65a,65bの変位により、楔状の係止部63a,63bが貫通孔34内に挿入される。また、連結部64a,64b自体は弾性変形を殆んどせず、固定状態(又は挿入前の状態)に対して傾いた状態となる。すなわち、ばね部65a,65bは、連結部64a,64bが傾いて係止部63a,63bが貫通孔34内に挿入されるように変位する。なお、図5に示す一点鎖線は、比較として、変位されない態のばね部65aを示している。
そして、ばね部65a,65bの弾性変形による反力(復元力)によって貫通孔34の壁面に係止部63a,63bの角部を接触させつつ保持部材60(コネクタ50)をさらに押し込むと、係止部63a,63bが貫通孔34を通り抜ける。そして、ばね部65a,65bの反力により、図6(a),(b)に示すように、係止部63a,63bの少なくとも一部が、配線基板31の裏面であって貫通孔34の開口周辺上に位置することとなる。このようにして、参考例においては、コネクタ50が配線基板31に保持されている。
また、参考例においては、端子51として、対応する貫通孔33に挿入された状態で、フローはんだ付けにより貫通孔33の壁面及び開口周辺に形成されたランドと接続される挿入実装構造の端子を使用しており、端子51とともに保持部材60もフローはんだ付けされる。このフローはんだ付けでは、保持部材60が貫通孔34に挿入され、係止部63a,63bが配線基板31の裏面31b上の位置する状態で、配線基板31の裏面31b全体若しくは局部が溶融はんだに浸される。そして、貫通孔34の壁面及び開口周辺に形成されたメッキ層及び保持部材60の脚部62a,62bが溶融はんだで濡れ、溶融はんだが、係止部63a,63b及び連結部64a,64bの表面や貫通孔34の壁面を伝って、貫通孔34内に吸い上げられる。そして、図7に示すように、溶融されたはんだ35は、配線基板31の表面31a上まで吸い上げられる。これにより、配線基板31の表面31a上には、連結部64a,64bと配線基板31の表面31aを覆うはんだ35のフィレットが形成される。また、配線基板31の裏面31b上には、係止部63a,63bと配線基板31の裏面31bを覆うはんだ35のフィレットが形成される。このようにして、参考例では、保持部材60も貫通孔34の壁面及び開口周辺に形成されたメッキ層と、はんだ35を介して接続されている。
このように、参考例に示した保持部材60、該保持部材60を有するコネクタ50、及び該コネクタ50を有する電子制御装置1では、以下に示す特徴がある。先ず、保持部材60が、同一の金属板を開口してなる基部61と脚部62(62a,62b)を有し、脚部62が、貫通孔34を通り抜け、固定状態で配線基板31の裏面31bにおける開口周辺上に位置する係止部63(63a,63b)を有している。また、連結部64(64a,64b)を介して係止部63と連結されたばね部65(65a,65b)の変位により、係止部63は貫通孔34を通り抜け、配線基板31の裏面31b上に位置される。この係止部63は、脚部62を貫通孔34から引き抜こうとする外力(配線基板31からコネクタ50を外そうとする外力)が作用した際に配線基板31の裏面31bに係止する。したがって、従来よりも、引っ張りに対する耐力が向上されており、これにより、配線基板31に対するコネクタ50の保持強度を向上することができる。すなわち、少なくとも端子51のはんだ付け前の状態で、従来よりもコネクタ50を配線基板31から外れにくくすることができる。
また、脚部62において、配線基板31に係止する係止部63とばね部65とが互いに異なる位置に構成されており、ばね部65が貫通孔34内に挿入されないようになっている。すなわち、ばね部65は、それ自体がその変形による反力で配線基板31に係止するのではなく、係止部63(及び連結部64)を貫通孔34内に挿入させ、係止部63が貫通孔34を通り抜けた際には係止部63を配線基板31の裏面上に位置させることのできるばね性を有していれば良い。換言すれば、係止部63(及び連結部64)を貫通孔34内に挿入させる際に、係止部63の角部が貫通孔34の壁面に強く当たるようなばね性は必要とせず、これにより、貫通孔34に対する係止部63(及び連結部64)の挿入力を低減することができる。したがって、従来のように、貫通孔の壁面にばね部自体が係止する構成に比べて、貫通孔34の壁面(壁面上に形成されたメッキ層)の損傷を低減することができる。また、ばね部65の設計自由度を向上することもできる。
また、参考例では、ばね部65における幅Wが金属板の板厚Tよりも広くなっている。したがって、ばね部65の強度を高めて、係止部63(及び連結部64)を貫通孔34内に挿入させる際や脚部62を貫通孔34から引き抜こうとする外力が作用した際に、ばね部65の変形や破損を抑制することができる。
また、参考例では、係止部63が金属板を打ち抜き加工することのみで形成されている。このように、打ち抜き加工のみによって係止部63を形成すると、曲げ加工よりも変形や破損に対して耐力を向上することができる。これにより、配線基板31に対するコネクタ50の保持強度をさらに向上することができる。
また、参考例においては、ばね部65を略U字状としている。このように略U字状のような折り返し形状のばね部65を採用すると、延設方向(長手方向)のバネ長を長くしてばね部65の変位量(ストローク)を大きくすることができる。したがって、係止部63の長さを長くして、係止部63を配線基板31の裏面31bから外れにくくすることができる。すなわち、貫通孔34からの脚部62の抜け(配線基板31からのコネクタ50の外れ)を抑制することができる。
また、参考例においては、保持部材60が、基部61から同一方向に延設された互いに対向する一対の脚部62a,62bを有し、各脚部62a,62bにおける係止部63a,63bは、対応する連結部64a,64bからの延設方向が、互いに反対方向となっている。このように、1つの基部61から複数の脚部62が延設された構成とすると、基部61から1本の脚部62のみが延設された構成に比べて、配線基板31に対するコネクタ50の保持強度を向上することができる。また、対をなす係止部63a,63bが互いに異なる方向に延びているので、対をなす係止部63a,63bが互いに同一方向に延びた構成に比べて、配線基板31に対するがたつきを低減することができる。これにより、係止部63a,63bを配線基板31の裏面31bから外れにくくすることができる。特に参考例においては、対をなす係止部63a,63bが互いに反対方向に延びているので、がたつきを効果的に低減することができる。
また、参考例においては、保持部材60の脚部62a,62bが挿入される貫通孔34が一方向に長い長孔となっており、各脚部62a,62bにおける係止部63a,63bが、貫通孔34の長手方向に沿って連結部64a,64bから延び、且つ、連結部64a,64bからの延設方向が互いに反対方向となっている。そして、係止部63a,63bが、配線基板31の裏面31bにおける貫通孔34の長手側の開口周辺上に位置するようになっている。このように、貫通孔34を長孔とすると、断面積が同じ円形の貫通孔と比べて、挿入時における連結部64a,64bの傾きを大きくとることができる。すなわち、ばね部65a,65bの反力を小さくし、貫通孔34に対する係止部63a,63b(及び連結部64a,64b)の挿入力を低減することができる。したがって、貫通孔34に係止部63a,63b及び連結部64a,64bを挿入する際に、貫通孔34の壁面の損傷を低減することができる。また、参考例では、貫通孔34の長手方向を、コネクタ50のハウジング52の短手方向(前後方向)と略平行としている。したがって、配線基板31における配線の配置自由度を向上することもできる。
また、参考例においては、固定状態で、連結部64が貫通孔34の壁面と接しないようになっている。すなわち、連結部64の外側部位と貫通孔34との間に隙間が存在するため、フロー半田付けを実施する場合には、毛細管現象により、この隙間を伝って溶融はんだが吸い上げられ易くなる。すなわち、はんだを介した保持部材60と配線基板31(メッキ層)との接続信頼性を向上することができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係る保持部材の概略構成を示す斜視図である。図9は、図8に示す保持部材のうち、脚部の展開図である。
次に、本発明の第1実施形態を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係る保持部材の概略構成を示す斜視図である。図9は、図8に示す保持部材のうち、脚部の展開図である。
第1実施形態に係る保持部材、該保持部材を有するコネクタ、及び該コネクタを有する電子制御装置は、上記した参考例に示したものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記参考例に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
参考例においては、ばね部65(65a,65b)が、略U字状である例を示した。しかしながら、ばね部65の形状は、上記例に限定されるものではない。その変位により、貫通孔34への係止部63及び連結部64を挿入でき、且つ、係止部63を、配線基板31の裏面31b上に位置させることができれば良い。本実施形態においては、図8に示すように、ばね部65(65a,65b)として平板状の板バネを採用している。なお、図8に示す例でも、同一の基部61から一対の脚部62a,62bが延設されている。
詳しくは、一方の脚部62aで説明すると、略矩形状の平板である基部61と同一平面で、クランク状の繋ぎ部66aが基部61から下方に延設されている。そして、繋ぎ部66aから略90°に折り曲げられて、平板状のばね部65aが延設されている。このばね部65aは、変位していない状態で、配線基板31の表面31aと略平行となっている。そして、ばね部65aの端部から略90°に折り曲げられて、参考例同様の連結部64aが延設されている。また、直線状の連結部64aの下端と同一平面で、係止部63aが連結部64aから前(後)方向に延設されている。すなわち、ばね部65aと繋ぎ部66a以外の構成は、参考例と同じとなっている。
このような保持部材60も、平板状の金属板を打ち抜き、部分的に曲げ加工することで形成することができる。詳しくは、図9に示す形状に、平板状の金属板を打ち抜く。この段階で、繋ぎ部66a,66b、ばね部65a,65b、連結部64a,64b、及び係止部63a,63bは、基部61と同一の平面上に構成されている。この平板状の保持部材60に対し、繋ぎ部66a,66bとばね部65a,65bとの境界70(破線)を略90°折り曲げる。また、ばね部65a,65bと連結部64a,64bの境界71(破線)を、上記折り曲げ方向とは反対に略90°折り曲げる。このようにして、1つの金属板から図8に示す保持部材60が形成される。この場合も、係止部63a,63bは、曲げ加工せずに打ち抜き加工のみによって形成される。
このように、平板状のばね部65(65a,65b)を採用した場合、保持部材60(コネクタ50)を配線基板31側へ押し込み、係止部63a,63bが配線基板31に接触すると、楔状の係止部63a,63bが、その傾斜に沿って貫通孔34の内側へ移動するように、ばね部65a,65bが基部61(繋ぎ部66a,66b)によって支えられた部位を支点として変位(弾性変形)する。詳しくは、平板状のばね部65a,65bにおいて、少なくとも連結部64a,64bとの連結端側が上方に変位する。このばね部65a,65bの変位により、楔状の係止部63a,63bが貫通孔34内に挿入される。また、連結部64a,64b自体は弾性変形を殆んどせず、固定状態(又は挿入前の状態)に対して傾いた状態となる。すなわち、ばね部65a,65bは、連結部64a,64bが傾いて係止部63a,63bが貫通孔34内に挿入されるように変位する。そして、ばね部65a,65bの弾性変形による反力(復元力)によって貫通孔34の壁面に係止部63a,63bの角部を接触させつつ保持部材60(コネクタ50)をさらに押し込むと、係止部63a,63bが貫通孔34を通り抜ける。そして、ばね部65a,65bの反力により、係止部63a,63bの少なくとも一部が、配線基板31の裏面であって貫通孔34の開口周辺上に位置することとなる。このように、保持部材60のばね部65として、平板状の板バネを採用することもできる。平板状のばね部65を採用すると、略U字状のような曲げ加工を不要とすることができる。
なお、図8に示すばね部65a,65bは、その延設方向(長手方向)に直線状となっている。しかしながら、平板状の板バネとしては、例えば図10に示す略コの字状のばね部65(65a,65b)のように、折り返し形状のものを採用することもできる。この場合、平板状であっても、その延設方向のバネ長を長くし、ばね部65の変位量(ストローク)を大きくすることができる。なお、略コの字状以外にも蛇行形状などを採用することができる。なお、図10に示す保持部材60も、平板状の金属板を図11に示すように打ち抜き、繋ぎ部66a,66bとばね部65a,65bとの境界72(破線)を略90°折り曲げ、ばね部65a,65bと連結部64a,64bの境界73(破線)を、上記折り曲げ方向とは反対に略90°折り曲げることで、得ることができる。図10は、変形例を示す斜視図である。図11は、図10に示す保持部材のうち、脚部の展開図である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図12及び図13に基づいて説明する。図12は、係止部によるメッキ層損傷を説明するための模式的な部分断面図である。図13は、(a),(b)ともに、第2実施形態に係る保持部材のうち、係止部の概略構成を示す平面図である。
次に、本発明の第2実施形態を、図12及び図13に基づいて説明する。図12は、係止部によるメッキ層損傷を説明するための模式的な部分断面図である。図13は、(a),(b)ともに、第2実施形態に係る保持部材のうち、係止部の概略構成を示す平面図である。
第2実施形態に係る保持部材、該保持部材を有するコネクタ、及び該コネクタを有する電子制御装置は、上記した参考例及び実施形態に示したものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した参考例及び実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
上記した参考例及び実施形態においては、係止部63の角部の形状については特に言及しなかった。例えば、図12に示すように、係止部63(63a,63b)の角部74が角張った形状(90°以下の角度)の場合、貫通孔34への脚部62(62a,62b)の挿入時において、係止部63が貫通孔34を突き抜ける際に、係止部63の少なくとも一部が突き抜けつつばね部65(65a,65b)の反力(復元力)で貫通孔34よりも外側へ移動する。したがって、角部74が貫通孔34の壁面及び開口周辺に形成されたメッキ層36のうち、壁面端部(開口部)のメッキ層36aを削り取る(跳ね飛ばす)恐れがある。なお、図12においては、係止部63が貫通孔34を突き抜ける直前の状態を実線で示し、配線基板31の裏面31b上に位置された状態を一点鎖線で示している。
これに対し、図13(a)に示す例では、上下方向に垂直な方向(本実施形態では参考例同様に前後方向)において、係止部63のうち、固定状態で貫通孔34から最も離れた位置となる角部74が、90°よりも大きい角を複数(図13(a)では3つ)繋いでなる多角形状となっている。また、図13(b)に示す例では、角部74が、丸みを帯びた形状となっている。係止部63における角部74の形状を上記形状とすると、メッキ層36aにかかる圧力が小さくなり、角部74によるメッキ層削りを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図14及び図15に基づいて説明する。図14は、第3実施形態に係る電子制御装置において、保持部材の脚部と配線基板の貫通孔との関係を示す部分断面図である。図15は、保持部材によってコネクタが配線基板上に保持された状態を示す部分断面図である。
次に、本発明の第3実施形態を、図14及び図15に基づいて説明する。図14は、第3実施形態に係る電子制御装置において、保持部材の脚部と配線基板の貫通孔との関係を示す部分断面図である。図15は、保持部材によってコネクタが配線基板上に保持された状態を示す部分断面図である。
第3実施形態に係る保持部材、該保持部材を有するコネクタ、及び該コネクタを有する電子制御装置は、上記した参考例及び実施形態に示したものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した参考例及び各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
上記した参考例及び実施形態では、ばね部65が変位されない状態で、基部61から同一方向に延設された一対の脚部62a,62bにおいて、連結部64a,64bの外側部位間の距離Sが、貫通孔34の幅(内径)Dよりも短い例を示した。これに対し、本実施形態においては、図14に示すように、互いに対向する一対の脚部62a,62bにおいて、連結部64a,64bの外側部位間の距離Sが、貫通孔34の幅D以上の長さとなっている。このような構成とすると、図15に示すように、固定状態で、連結部64a,64bの少なくとも一部が貫通孔34の壁面にそれぞれ接することとなる。したがって、固定状態で、保持部材60が配線基板31に確実に接することとなるので、配線基板31とコネクタ50とのがたつきを抑制することができる。なお、この場合、ばね部65a,65bは、固定状態でも、少なからず変位した状態となる。
また、連結部64a,64bとして、例えば図14に示すように上下方向に沿う直線状のものを採用すると、固定状態で、図15に示すように、連結部64a,64bにおける外側部位間の幅Sを、配線基板31の裏面31bにおける貫通孔34の開口部での幅S1のほうが、表面31aにおける貫通孔34の開口部での幅S2よりも狭くなる。すなわち、連結部64a,64bの外側部位と貫通孔34の対向する壁面との間に、配線基板31の裏面31bにおける貫通孔34の開口部から表面31a側の所定範囲まで隙間75が生じることとなる。したがって、配線基板31の裏面31b側からフローはんだ付けを実施する場合に、毛細管現象によって隙間75を溶融はんだが伝わり、配線基板31の表面31a側へはんだを吸い上げ易くすることができる。
なお、例えば図16に示すように、連結部64a,64bの幅Hが、係止部63a,63bとの連結端からばね部65a,65bの連結端に向けて広くされた形状の連結部64a,64bを有する保持部材60を採用しても、隙間75の効果を期待することができる。この場合、固定状態で、ばね部65a,65bが変位しないようにすることもできる。図16は、変形例を示す部分断面図である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図17に基づいて説明する。図17は、第4実施形態に係る電子制御装置のうち、特徴部分である保持部材の周辺を拡大した部分断面図であり、(a)は、配線基板の厚さがP1、(b)は配線基板の厚さがP2(>P1)の場合を示している。
次に、本発明の第4実施形態を、図17に基づいて説明する。図17は、第4実施形態に係る電子制御装置のうち、特徴部分である保持部材の周辺を拡大した部分断面図であり、(a)は、配線基板の厚さがP1、(b)は配線基板の厚さがP2(>P1)の場合を示している。
第4実施形態に係る保持部材、該保持部材を有するコネクタ、及び該コネクタを有する電子制御装置は、上記した参考例及び実施形態に示したものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した参考例及び各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
上記した参考例及び実施形態では、係止部63(63a,63b)が楔形状であり、配線基板31の裏面31bとの対向面が裏面31bと略平行とされた例を示した。このような形状の係止部63を有する保持部材60では、配線基板31の表面31aに接するハウジング52の位置決め部(図示略)と係止部63の裏面31bとの対向面との対向距離により、コネクタ50を保持できる配線基板31の厚さが決定される。これに対し、本実施形態においては、例えば図17(a)に示すように、楔形状の係止部63における配線基板31の裏面31bとの対向部分76が、上下方向に略垂直な方向(本実施形態では前後方向)において対応する連結部64から離れるほど、固定状態で、上下方向において配線基板31の表面31aから遠いテーパ状となっている。
このような構成とすると、上下方向において、公差の範囲内で例えば保持部材60、配線基板31、ハウジング52などに製造ばらつきや組み付けばらつきが生じても、係止部63を配線基板31の裏面31bに係止させることができる。すなわち、配線基板31とコネクタ50とのがたつきを抑制することができる。また、同一構成の保持部材60を、異なる厚さの配線基板31(厚さの異なる複数種類の配線基板31)に対する共通部材とすることができる。例えば図17(b)に示す例では、図17(a)に示す厚さP1の配線基板31に適用した保持部材60を、P1よりも厚い厚さP2の配線基板31に適用している。なお、ばね部65(65a,65b)は、図17(a)に示す状態では変位しておらず、図17(b)に示す状態では少なからず変位した状態となっている。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図18に基づいて説明する。図18は、第5実施形態に係る電子制御装置において、特徴部分である保持部材の周辺を拡大した部分断面図であり、貫通孔への脚部の挿入時を示している。
次に、本発明の第5実施形態を、図18に基づいて説明する。図18は、第5実施形態に係る電子制御装置において、特徴部分である保持部材の周辺を拡大した部分断面図であり、貫通孔への脚部の挿入時を示している。
第5実施形態に係る保持部材、該保持部材を有するコネクタ、及び該コネクタを有する電子制御装置は、上記した参考例及び実施形態に示したものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した参考例及び各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態においては、図18に示すように、基部61から同じ方向に延設された一対の脚部62a,62bを有する保持部材60が、基部61からの延設方向が脚部62a,62bと同じ方向であって先端が互いに対向する一対の連結部64a,64bの間まで少なくとも延設された傾斜制限部77をしている。この傾斜制限部77は、貫通孔34へ脚部62a,62bを挿入する前の状態で、連結部64a,64bとは離れて設けられておいる。詳しくは、図18に示すように、傾斜制限部77はは、基部61から延設され、基部61と同一平面の位置する繋ぎ部77aと、繋ぎ部77aの下端と連結され、逆L字状に折曲されて、一部が連結部64a,64bの対向領域に配置された中間部77bとを有している。この中間部77bは、対向領域に配置された一部における端面67(図示略)が、連結部64a,64bにおける内側の端面67(図示略)とそれぞれ対向するように形成されている。
このような構成とすると、一対の脚部62a,62b(連結部64a,64b)の間に設けられた傾斜制限部77(中間部77b)によって、連結部64a,64bの傾きを制限することができる。したがって、例えば一対の脚部62a,62bを貫通孔34に挿入する際に、貫通孔34と脚部62a,62bとの位置関係が所定の関係からずれていたとしても、連結部64a,64bが傾斜制限部77に当て止まるので、必要以上に連結部64a,64bが大きく傾くことがない。すなわち、脚部62a,62bの変形や破損を抑制することができる。また、連結部64a,64bの間に傾斜制限部77(中間部77b)が存在するので、フローはんだ付けを実施する場合には、毛細管現象によって連結部64aと中間部77bとの間の隙間と連結部64bと中間部77bとの間の隙間を溶融はんだが伝わり、配線基板31の表面31a側へはんだを吸い上げ易くすることができる。この場合、傾斜制限部77もはんだと接することとなり、傾斜制限部77を有さない構成に比べて保持部材60とはんだとの接触面積が増加するので、引っ張りに対する耐力をさらに向上することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、1つの基部61から一対の脚部62a,62bが同一方向に延設された保持部材60を採用する例を示した。しかしながら、基部61から延設された脚部62の本数は上記例に限定されるものではない。例えば左右方向においてハウジング52の両端部に固定される保持部材60が、それぞれ1本の脚部62のみを有する構成としても良い。この場合、例えば図19に示すように、係止部63の延設方向が、異なる保持部材60で互いに反対方向(図19では、左方向外側と右方向外側)とされた構成とすると、係止部63の延設方向におけるがたつきを低減することができる。これにより、係止部63を配線基板31の裏面31bから外れにくくすることができる。図19は、その他変形例を示す平面図である。
本実施形態においては、係止部63が、金属板を打ち抜き加工することのみで形成された例を示した。しかしながら、保持部材60を例えば図20に示すような展開形状とし、繋ぎ部66aとばね部65aとの境界78(破線)、ばね部65aと連結部64aの境界79(破線)、及び連結部64aと係止部63aとの境界80(破線)で略90°折り曲げることによっても、保持部材60を得ることができる。なお、図20では、一方の脚部62a側のみを示したが、他方の脚部62bも同様である。図20は、その他変形例を示す展開図である。
本実施形態においては、電子装置として非防水構造の電子制御装置1の例を示した。しかしながら、防水構造の電子制御装置にも適用することができる。また、電子制御装置に限定されるものでもない。
本実施形態においては、電子部品としてコネクタ50の例を示したが、保持部材60によって配線基板31の表面31a上に保持される電子部品はコネクタ50に限定されるものではない。
本実施形態においては、端子51が挿入実装構造を有しており、フローはんだ付けによって、端子51及び保持部材60が、対応する貫通孔33,34の壁面及び開口周辺に設けられたランドとはんだを介して電気的に接続される例を示した。しかしながら、端子51が実装構造は、挿入実装構造に限定されるものではなく、表面実装構造の端子を採用することもできる。
本実施形態においては、左右方向において、ハウジング52の両側面52bよりも外側に保持部材60が配置される例を示した。しかしながら、ハウジング52に対する保持部材60の配置は上記例に限定されるものではない。例えば、左右方向において、ハウジング52の両側面52b間の領域に保持部材60が配置されても良い。
本実施形態においては、ハウジング52における左右両端側の溝部54に対して保持部材60が上方から挿入される例を示した。しかしながら、ハウジング52に対する保持部材60の固定構造は上記例に限定されるものではない。例えば、前後方向から挿入固定される構造としても良い。
1・・・電子制御装置(電子装置)
31・・・配線基板
31a・・・表面
31b・・・裏面
34・・・(保持部材用の)貫通孔
50・・・コネクタ(電子部品)
52・・・ハウジング(本体部)
60・・・保持部材
61・・・基部
62,62a,62b・・・脚部
63,63a,63b・・・係止部
64,64a,64b・・・連結部
65,65a,65b・・・ばね部
31・・・配線基板
31a・・・表面
31b・・・裏面
34・・・(保持部材用の)貫通孔
50・・・コネクタ(電子部品)
52・・・ハウジング(本体部)
60・・・保持部材
61・・・基部
62,62a,62b・・・脚部
63,63a,63b・・・係止部
64,64a,64b・・・連結部
65,65a,65b・・・ばね部
Claims (12)
- 電子部品に固定される固定基部と、前記固定基部から延設された少なくとも1本の脚部とを備え、前記脚部が基板の貫通孔に挿入されて、前記基板の表面上に前記電子部品を保持する保持部材であって、
前記脚部は、同一の金属板を加工することで前記固定基部と一体的に形成されており、
前記脚部の先端側に設けられ、前記電子部品が前記基板に固定された固定状態で、前記基板の裏面における貫通孔の開口周辺上に少なくとも一部が位置する係止部と、
一方の端部が前記係止部と連結され、前記固定状態で前記貫通孔内に一部が配置される連結部と、
前記連結部における前記係止部とは反対側の端部に一端が連結され、他端が前記固定基部に支持され、前記固定状態で前記基板の表面上に配置されるとともに、前記貫通孔への前記係止部及び前記連結部の挿入時において、前記連結部が前記固定状態に対して傾いて前記係止部が前記貫通孔内に挿入されるように変位するばね部と、を有し、
前記ばね部は平板状とされ、前記連結部に対して折曲されていることを特徴とする保持部材。 - 前記ばね部は、その短手方向における幅が前記金属板の板厚よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の保持部材。
- 前記係止部は、前記金属板を打ち抜き加工することのみで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の保持部材。
- 前記ばね部は、前記連結部に対して90°折り曲げられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の保持部材。
- 前記ばね部は、前記固定基部に対して、前記連結部に対する折曲方向とは反対に90°折り曲げられていることを特徴とする請求項4に記載の保持部材。
- 平板状の前記ばね部が、折返し形状とされていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の保持部材。
- 前記脚部として、前記固定基部から同じ方向に延設され、互いに対向する一対の脚部を有し、
一対の前記脚部における係止部は、前記連結部から延びた方向が互いに異なる方向とされていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の保持部材。 - 前記固定基部から前記脚部と同じ方向であって先端が互いに対向する一対の前記連結部の間まで少なくとも延設され、挿入前の状態で前記連結部とは離れて設けられた傾斜制限部を有することを特徴とする請求項7に記載の保持部材。
- 前記係止部は、前記基板の厚さ方向に略垂直な方向において、前記固定状態で前記貫通孔から最も離れた位置となる角部が、90°よりも大きい角を複数繋いでなる多角形状、又は、丸みを帯びた形状とされていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の保持部材。
- 前記係止部は、前記基板の裏面との対向部分が、前記基板の厚さ方向に略垂直な方向において前記連結部から離れた位置ほど、前記基板の厚さ方向において前記基板の表面から遠いテーパ状とされていることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の保持部材。
- 本体部と、該本体部を貫通孔の形成された基板の表面上に保持する保持部材とを備えた電子部品であって、
前記保持部材として、請求項1〜10いずれか1項に記載の保持部材を用いることを特徴とする電子部品。 - 貫通孔の形成された基板と、
本体部と、該本体部を前記基板の表面上に保持する保持部材を有する電子部品と、を備えた電子装置であって、
前記保持部材として、請求項1〜10いずれか1項に記載の保持部材を用いることを特徴とする電子装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010123067A JP2010182702A (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | 保持部材、電子部品、及び電子装置 |
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| JP2010182702A true JP2010182702A (ja) | 2010-08-19 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113285272A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-20 | 丽清汽车科技(上海)有限公司 | 一种连接端子 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH0333972U (ja) * | 1989-08-11 | 1991-04-03 | ||
| JP2006127873A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-18 | Tokai Rika Co Ltd | コネクタ固定用金具 |
| JP2007128772A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Tyco Electronics Amp Kk | 保持部材、実装構造、および電子部品 |
| JP2007242346A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Jst Mfg Co Ltd | 物品取付装置 |
-
2010
- 2010-05-28 JP JP2010123067A patent/JP2010182702A/ja active Pending
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| CN113285272B (zh) * | 2021-05-13 | 2022-07-22 | 丽清汽车科技(上海)有限公司 | 一种连接端子 |
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