JP2010186643A - 残存容量算出装置およびそれを備える車両ならびに残存容量算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】残存容量推定精度の低下を防止しつつ蓄電装置の過放電を防止可能な残存容量算出装置を提供する。
【解決手段】車両システムの起動後、電池ECUは、充電履歴フラグがOFFか否かを判定する(S120)。充電履歴フラグは、前回のトリップにおける蓄電装置の充電の有無を示す。そして、充電履歴フラグがOFFのとき(S120にてYES)、電池ECUは、補正ゲインGにG(2)(>G(1))を設定し、時定数τにτ(2)(<τ(1))を設定する(S140)。一方、充電履歴フラグがONのときは(S120にてNO)、補正ゲインGおよび時定数τにそれぞれG(1),τ(1)が設定される(S130)。
【選択図】図5
【解決手段】車両システムの起動後、電池ECUは、充電履歴フラグがOFFか否かを判定する(S120)。充電履歴フラグは、前回のトリップにおける蓄電装置の充電の有無を示す。そして、充電履歴フラグがOFFのとき(S120にてYES)、電池ECUは、補正ゲインGにG(2)(>G(1))を設定し、時定数τにτ(2)(<τ(1))を設定する(S140)。一方、充電履歴フラグがONのときは(S120にてNO)、補正ゲインGおよび時定数τにそれぞれG(1),τ(1)が設定される(S130)。
【選択図】図5
Description
この発明は、再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出装置およびそれを備える車両ならびに残存容量算出方法に関する。
特許第4078847号公報(特許文献1)は、二次電池の残存容量を算出する残存容量算出装置を開示する。この残存容量算出装置においては、エンジンのクランキング開始時期には、残存容量の算出に用いられる補正量をクランキング開始時期に該当しないときに比べて増大可能なように、補正量の算出に用いられる補正ゲインが決定される。
この残存容量算出装置によれば、車両システム停止中の二次電池の自己放電に起因して実際値から乖離した残存容量の計算値を実際値に速やかに収束させ、精度の高い残存容量を算出することができる(特許文献1参照)。
残存容量が低下すると、二次電池の過放電を防止するために、二次電池からの放電電力が制限される。ここで、残存容量が低下しているか否かは、残存容量の計算値に基づいて判断されるが、この計算値の精度が低いと、残存容量の計算値以上に実際値が低下している場合には過放電が発生し得る。すなわち、残存容量が低下しているときほど、残存容量の計算値を実際値に速やかに収束させることが要求される。上記公報では、この点についての考慮はなされていない。
また、残存容量の計算値を実際値に速やかに収束させるために、残存容量が低下しているか否かに拘わらず、残存容量を算出するための補正量を常時大きくすることも考えられる。しかしながら、補正量を常時大きくすることは、計算値の不安定化を招き、ひいては推定精度の低下を招く可能性がある。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、残存容量推定精度の低下を防止しつつ蓄電装置の過放電を防止可能な残存容量算出装置およびそれを備える車両を提供することである。
また、この発明の別の目的は、残存容量推定精度の低下を防止しつつ蓄電装置の過放電を防止可能な残存容量算出方法を提供することである。
この発明によれば、残存容量算出装置は、再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出装置であって、第1および第2の推定値算出部と、充電履歴判定部と、算出部と、補正ゲイン設定部とを備える。第1の推定値算出部は、蓄電装置の充放電電流の積算値に基づいて残存容量の第1の推定値を算出する。第2の推定値算出部は、蓄電装置の電圧を用いて算出される蓄電装置の起電力に基づいて残存容量の第2の推定値を算出する。充電履歴判定部は、予め定められた所定期間における蓄電装置の充電の有無を判定する。算出部は、第1の推定値と第2の推定値との差分値および補正ゲインに基づいて算出される補正量により第1の推定値を補正することによって残存容量を算出する。補正ゲイン設定部は、充電履歴判定部によって蓄電装置の充電が無かったものと判定されたとき、その判定がなされていない場合よりも補正量を増大可能なように補正ゲインを設定する。
好ましくは、残存容量算出装置は、異常検知部をさらに備える。異常検知部は、蓄電装置を充電する充電システムの異常を検知する。そして、充電履歴判定部は、異常検知部によって充電システムの異常が検知されたとき、蓄電装置の充電が無かったものと判定する。
さらに好ましくは、充電システムは、内燃機関と、発電装置とを含む。発電装置は、内燃機関が発生する運動エネルギーを用いて発電し、その発電された電力を蓄電装置へ供給可能である。異常検知部は、内燃機関および発電装置の異常を検知する。そして、充電履歴判定部は、異常検知部によって内燃機関および発電装置の少なくとも一方の異常が検知されたとき、蓄電装置の充電が無かったものと判定する。
好ましくは、充電履歴判定部は、当該残存容量算出装置が搭載されるシステムの起動時に判定を実施する。そして、所定期間は、システムの前回起動期間である。
また、この発明によれば、車両は、上述したいずれかの残存容量算出装置を備える。
また、この発明によれば、残存容量算出方法は、再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出方法であって、蓄電装置の充放電電流の積算値に基づいて残存容量の第1の推定値を算出するステップと、蓄電装置の電圧を用いて算出される蓄電装置の起電力に基づいて残存容量の第2の推定値を算出するステップと、予め定められた所定期間における蓄電装置の充電の有無を判定するステップと、第1の推定値と第2の推定値との差分値および補正ゲインに基づいて算出される補正量により第1の推定値を補正することによって残存容量を算出するステップと、所定期間において蓄電装置の充電が無かったものと判定されたとき、その判定がなされていない場合よりも補正量を増大可能なように補正ゲインを設定するステップとを備える。
また、この発明によれば、残存容量算出方法は、再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出方法であって、蓄電装置の充放電電流の積算値に基づいて残存容量の第1の推定値を算出するステップと、蓄電装置の電圧を用いて算出される蓄電装置の起電力に基づいて残存容量の第2の推定値を算出するステップと、予め定められた所定期間における蓄電装置の充電の有無を判定するステップと、第1の推定値と第2の推定値との差分値および補正ゲインに基づいて算出される補正量により第1の推定値を補正することによって残存容量を算出するステップと、所定期間において蓄電装置の充電が無かったものと判定されたとき、その判定がなされていない場合よりも補正量を増大可能なように補正ゲインを設定するステップとを備える。
好ましくは、蓄電装置を充電する充電システムの異常が検知されたとき、蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、蓄電装置の充電が無かったものと判定される。
さらに好ましくは、充電システムは、内燃機関と、発電装置とを含む。発電装置は、内燃機関が発生する運動エネルギーを用いて発電し、その発電された電力を蓄電装置へ供給可能である。そして、内燃機関および発電装置の少なくとも一方の異常が検知されたとき、蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、蓄電装置の充電が無かったものと判定される。
好ましくは、蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、当該残存容量算出方法が適用されるシステムの起動時に判定が実施される。そして、所定期間は、システムの前回起動期間である。
この残存容量算出装置およびそれを備える車両ならびに残存容量算出方法においては、所定期間において蓄電装置の充電が無かったものと判定されると、蓄電装置の充電が行なわれていないことにより残存容量の低下のおそれがあるものと判断され、上記の判定がなされていない場合よりも補正量を増大可能なように補正ゲインが設定される。所定期間において蓄電装置の充電は有ったと判定された場合には、補正量を増大可能なような補正ゲインの設定は行なわれない。
したがって、この残存容量算出装置およびそれを備える車両ならびに残存容量算出方法によれば、残存容量推定精度の低下を防止しつつ蓄電装置の過放電を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による残存容量算出装置が搭載される車両の全体ブロック図である。図1を参照して、車両100は、蓄電装置6と、コンバータ8と、平滑コンデンサCと、インバータ20−1,20−2と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン22と、動力分割装置24と、駆動輪26とを備える。また、車両100は、電池ECU(Electronic Control Unit)30と、MG−ECU32と、電流センサ10と、電圧センサ12,18とをさらに備える。
蓄電装置6は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池から成る。蓄電装置6は、正極線PLおよび負極線NLを介してコンバータ8に接続される。
電流センサ10は、蓄電装置6に対して入出力される電流Ibを検出し、その検出値を電池ECU30およびMG−ECU32へ出力する。なお、電流センサ10は、蓄電装置6から出力される電流(放電電流)を正値として検出し、蓄電装置6に入力される電流(充電電流)を負値として検出する。また、図1では、電流センサ10が正極線PLの電流を検出する場合が示されているが、電流センサ10は、負極線NLの電流を検出してもよい。電圧センサ12は、正極線PLと負極線NLとの間の電圧すなわち蓄電装置6の電圧Vbを検出し、その検出値を電池ECU30およびMG−ECU32へ出力する。
コンバータ8は、蓄電装置6と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、MG−ECU32からの駆動信号PWCに基づいて、蓄電装置6と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。コンバータ8は、たとえば、昇降圧型のチョッパ回路から成る。平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電力変動成分を低減する。電圧センサ18は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間の電圧Vhを検出し、その検出値をMG−ECU32へ出力する。
インバータ20−1,20−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに互いに並列して接続される。そして、インバータ20−1,20−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLから供給される駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してそれぞれモータジェネレータMG1,MG2へ出力する。また、インバータ20−1,20−2は、それぞれモータジェネレータMG1,MG2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として主正母線MPLおよび主負母線MNLへ出力する。インバータ20−1,20−2は、たとえば、三相ブリッジ回路から成る。
モータジェネレータMG1,MG2は、三相交流電動機であり、たとえば三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン22が発生する運動エネルギーを用いて発電し、その発電した電力をインバータ20−1へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20−1から受ける三相交流電力によって駆動力を発生し、エンジン22の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ20−2から受ける三相交流電力によって車両の駆動トルクを発生する。モータジェネレータMG2によって発生された駆動トルクは、駆動輪26へ伝達される。また、モータジェネレータMG2は、車両の制動時、駆動輪26から受ける車両の運動エネルギーを用いて発電し、その発電した電力をインバータ20−2へ出力する。
動力分割装置24は、エンジン22とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割装置24として、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン22およびモータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。たとえば、モータジェネレータMG1のロータを中空としてその中心にエンジン22のクランク軸を通すことで動力分割装置24にエンジン22とモータジェネレータMG1,MG2とを機械的に接続することができる。
エンジン22が発生する動力は、動力分割装置24によって駆動輪26とモータジェネレータMG1とに分配される。すなわち、エンジン22は、駆動輪26を駆動するとともにモータジェネレータMG1を駆動する動力源として車両100に組込まれる。また、モータジェネレータMG1は、エンジン22によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン22の始動を行ない得る電動機として動作するものとして車両100に組込まれ、モータジェネレータMG2は、駆動輪26を駆動する動力源として車両100に組込まれる。
MG−ECU32は、モータジェネレータMG1の発生トルクおよび回転数が目標値に一致するように駆動信号PWI1を生成し、その生成した駆動信号PWI1をインバータ20−1へ出力する。また、MG−ECU32は、モータジェネレータMG2の発生トルクおよび回転数が目標値に一致するように駆動信号PWI2を生成し、その生成した駆動信号PWI2をインバータ20−2へ出力する。さらに、MG−ECU32は、コンバータ8を駆動するための駆動信号PWCを生成し、その生成した駆動信号PWCをコンバータ8へ出力する。
また、さらに、MG−ECU32は、エンジン22、モータジェネレータMG1、インバータ20−1およびコンバータ8から成る充電システムにおいて異常を検知すると、電池ECU30へ出力される異常検知フラグABNLを活性化する。詳しくは、MG−ECU32は、モータジェネレータMG1、インバータ20−1およびコンバータ8の少なくとも一つにおいて異常を検知すると、異常検知フラグABNLを活性化する。
電池ECU30は、車両100の起動/停止状態を示すイグニッション信号IGを受け、MG−ECU32から異常検知フラグABNLを受ける。また、電池ECU30は、電流センサ10から電流Ibの検出値を受け、電圧センサ12から電圧Vbの検出値を受ける。そして、電池ECU30は、これらの各信号に基づいて、後述の方法により、蓄電装置6の充電状態を示す残存容量を算出する。なお、残存容量は、たとえば満充電状態を100%として百分率で示される。以下では、残存容量を「SOC(State Of Charge)」とも称する。
また、電池ECU30は、蓄電装置6のSOCに基づいて、蓄電装置6の放電電力(kW)を制限するための放電電力制限値Wout、および蓄電装置6の充電電力(kW)を制限するための充電電力制限値Winを設定する。
図2は、図1に示した電池ECU30により設定される放電電力制限値Woutおよび充電電力制限値Winを示した図である。図2を参照して、横軸は、蓄電装置6のSOC(%)を示し、縦軸は、蓄電装置6の充放電電力(kW)を示す。なお、電力が正値であることは放電電力を示し、電力が負値であることは充電電力を示す。
図2に示されるように、SOCが所定値を下回ると、蓄電装置6の過放電を防止するために放電電力制限値Woutが絞られる。なお、SOCが所定値を超えると、蓄電装置6の過充電を防止するために充電電力制限値Winが絞られる。
そして、この放電電力制限値Woutおよび充電電力制限値Winを超えないように、蓄電装置6の充放電が制御される。
図3は、図1に示した電池ECU30の機能ブロック図である。なお、この図3では、電池ECU30の機能のうち、SOCの算出に関する部分が示される。図3を参照して、電池ECU30は、SOC(1)算出部52と、SOC(2)算出部54と、SOC算出部56と、充電履歴判定部58と、補正ゲイン設定部60とを含む。
SOC(1)算出部52は、蓄電装置6の充放電電流を示す電流Ibの積算値を算出する。そして、SOC(1)算出部52は、その算出された電流積算値に基づいて、SOCの第1の推定値SOC(1)を算出する。
SOC(2)算出部54は、蓄電装置6の電圧Vbを用いて蓄電装置6の起電力を算出し、その算出された起電力に基づいて、SOCの第2の推定値SOC(2)を算出する。詳しくは、SOC(2)算出部54は、まず、第1の起電力V(1)を次式によって算出する。
V(1)=Vb−分極電圧−内部抵抗電圧低下 …(1)
なお、分極電圧および内部抵抗電圧低下は、たとえば電流Ibに基づいて算出される。
なお、分極電圧および内部抵抗電圧低下は、たとえば電流Ibに基づいて算出される。
次いで、SOC(2)算出部54は、第1の起電力V(1)を減衰処理した第2の起電力V(2)を次式によって算出する。
V(2)=V(0)+{T/τ×(V(1)−V(0))} …(2)
ここで、Tは演算周期であり、V(0)は前回演算時に算出された起電力V(2)である。また、τは時定数であり、後述の補正ゲイン設定部60により設定される。
ここで、Tは演算周期であり、V(0)は前回演算時に算出された起電力V(2)である。また、τは時定数であり、後述の補正ゲイン設定部60により設定される。
そして、SOC(2)算出部54は、蓄電装置6の起電力とSOCとの関係を示す予め準備された起電力−SOCマップを用いて、第2の起電力V(2)に基づいて第2の推定値SOC(2)を算出する。
SOC算出部56は、SOC(1)算出部52により算出された第1の推定値SOC(1)とSOC(2)算出部54により算出された第2の推定値SOC(2)との差分値ΔSOCに、補正ゲイン設定部60により設定される補正ゲインGを乗算して補正量Cを算出する。そして、SOC算出部56は、その算出された補正量Cを第1の推定値SOC(1)に加算することにより、最終的なSOCを算出する。
充電履歴判定部58は、車両システムが起動されてから停止するまでの1トリップ中における蓄電装置6の充電の有無(充電履歴)を判定する。たとえば、充電履歴判定部58は、電流Ibの検出値を用いて1トリップ中の充電電流を積算し、その積算値が所定値よりも小さいとき、蓄電装置6の充電が無かったものと判定する。なお、車両システムの起動/停止は、イグニッション信号IGに基づいて判断される。
充電履歴判定部58は、蓄電装置6の充電が無かったものと判定すると(充電履歴無し)、補正ゲイン設定部60へ出力される充電履歴フラグFLGをOFFにする。一方、蓄電装置6の充電が有ったものと判定されると(充電履歴有り)、充電履歴判定部58は、充電履歴フラグFLGをONにする。
なお、充電履歴判定部58は、車両システムの起動中、充電有無の判定を実施し、車両システムの停止時、充電履歴フラグFLGを不揮発性のメモリ等に記憶する。そして、次回システムの起動時、記憶された充電履歴フラグFLGを読出して補正ゲイン設定部60へ出力する。
なお、MG−ECU32からの異常検知フラグABNLが活性化されている場合、すなわち蓄電装置6の充電システムの異常が検知されている場合、蓄電装置6の充電が不可能であると判断し、充電履歴フラグFLGをOFFしてもよい。すなわち、充電履歴フラグFLGは、充電電流の積算値に基づき充電が実際に行なわれていないときにOFFしてもよいし、異常検知フラグABNLに基づき充電不可能と判断できるときにOFFしてもよい。
補正ゲイン設定部60は、SOC算出部56においてSOCの算出に用いられる補正ゲインGを設定する。ここで、補正ゲイン設定部60は、通常は補正ゲインGとしてG1を設定する。一方、補正ゲイン設定部60は、車両システムの起動時、充電履歴判定部58から受ける充電履歴フラグFLGがOFFであると、G1よりも大きいG2を補正ゲインGとして設定する。なお、車両システムの起動は、イグニッション信号IGに基づいて判定される。
なお、補正ゲイン設定部60は、SOC(2)算出部54において用いられる時定数τも設定する。補正ゲイン設定部60は、通常は時定数τとしてτ1を設定する。一方、補正ゲイン設定部60は、車両システムの起動時に充電履歴フラグFLGがOFFのとき、τ1よりも小さいτ2を時定数τとして設定する。
図4は、SOCの算出手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理手順は、一定時間毎または所定の条件が成立する毎に実行される。
図4を参照して、電池ECU30は、電流センサ10によって検出される蓄電装置6の電流Ibを用いて、上述の手法により第1の推定値SOC(1)を算出する(ステップS10)。
次いで、電池ECU30は、SOCを算出するための補正パラメータ(補正ゲインG、時定数τ)を設定する補正ゲイン設定処理を実行する(ステップS20)。なお、この補正ゲイン設定処理はサブルーチン化され、詳細は後ほど説明する。
次いで、電池ECU30は、上述の(1)式を用いて、電圧センサ12によって検出される蓄電装置6の電圧Vbを用いて第1の起電力V(1)を算出する(ステップS30)。さらに次いで、電池ECU30は、上述の(2)式を用いて、ステップS20において設定された時定数τおよびステップS30において算出された第1の起電力V(1)に基づいて第2の起電力V(2)を算出する(ステップS40)。そして、電池ECU30は、予め準備された起電力−SOCマップを用いて、ステップS40において算出された第2の起電力V(2)に基づいて第2の推定値SOC(2)を算出する(ステップS50)。
続いて、電池ECU30は、ステップS10において算出された第1の推定値SOC(1)と、ステップS50において算出された第2の推定値SOC(2)との差分値ΔSOCを算出する(ステップS60)。さらに、電池ECU30は、その算出された差分値ΔSOCに、ステップS20において設定された補正ゲインGを乗算することによって、補正量Cを算出する(ステップS70)。
そして、電池ECU30は、ステップS10において算出された第1の推定値SOC(1)に、ステップS70において算出された補正量Cを加算することによって、最終的なSOCを算出する(ステップS80)。
図5は、図4に示した補正ゲイン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理手順は、図4に示したメインルーチンから呼出されて実行される。
図5を参照して、電池ECU30は、車両システムが起動してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。車両システムの起動後所定時間が経過しているときは(ステップS110においてYES)、電池ECU30は、ステップS130へ処理を移行し、補正ゲインGにG(1)を設定し、時定数τにτ(1)を設定する(ステップS130)。
ステップS110において、車両システムが起動してから所定時間が経過していないと判定されると(ステップS110においてNO)、電池ECU30は、充電履歴フラグFLGがOFFであるか否かを判定する(ステップS120)。上述のように、この充電履歴フラグFLGは、前回のトリップにおける蓄電装置6の充電の有無を示すフラグである。なお、充電履歴フラグFLGは、蓄電装置6を充電する充電システム(エンジン22、モータジェネレータMG1、インバータ20−1、コンバータ8等)の異常に起因して蓄電装置6の充電が不可能であることを示すものであってもよい。
そして、充電履歴フラグFLGがOFFのとき(ステップS120においてYES)、電池ECU30は、補正ゲインGにG(2)(>G(1))を設定し、時定数τにτ(2)(<τ(1))を設定する(ステップS140)。一方、充電履歴フラグFLGがONのときは(ステップS120においてNO)、ステップS130へ処理が移行され、補正ゲインGおよび時定数τにそれぞれG(1),τ(1)が設定される。
図6は、SOCの時間的変化を示した図である。なお、比較のため、従来のSOCの時間的変化を図7に示す。図6を参照して、時刻t1において、車両システムが起動される。このとき、充電履歴フラグFLGがOFFしているので、SOCを算出するための補正量が増大可能なように補正パラメータが設定される。具体的には、補正ゲインGにG(2)(>G(1))が設定され、時定数τにτ(2)(<τ(1))が設定される。これにより、低下している実績値から乖離していた計算値が真値へ速やかに収束する。一方、図7に示される従来手法では、計算値の真値への収束が遅く、蓄電装置6が過放電になる可能性がある。
なお、時刻t1から所定時間T経過後の時刻t2において、補正パラメータは通常の値に戻される。すなわち、補正ゲインGにG(1)が設定され、時定数τにτ(1)が設定される。
以上のように、この実施の形態においては、車両システムの起動時、前回トリップにおいて蓄電装置6の充電が無かったものと判定され、あるいは充電システムの異常により蓄電装置6の充電が不可能であると判定されると、蓄電装置6の充電が行なわれていないことによりSOCの低下のおそれがあるものと判断され、上記の判定がなされていない場合よりも補正量Cを増大可能なように補正パラメータ(補正ゲインG、時定数τ)が設定される。したがって、この実施の形態によれば、SOC推定精度の低下を防止しつつ蓄電装置6の過放電を防止することができる。
なお、上記の実施の形態においては、電池ECU30とMG−ECU32とを別個に構成するものとしたが、電池ECU30とMG−ECU32とを一つのECUで構成してもよい。
また、上記においては、車両100は、動力分割装置24によりエンジン22の動力を分割して駆動輪26とモータジェネレータMG1とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド自動車として説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド自動車にも適用可能である。たとえば、モータジェネレータMG1を駆動するためにのみエンジン22を用い、モータジェネレータMG2でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド自動車や、エンジン22が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド自動車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド自動車などにもこの発明は適用可能である。
また、この発明は、エンジン22を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、電源として蓄電装置に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。さらに、この発明は、コンバータ8を備えないシステムにも適用可能である。
なお、上記において、SOC(1)算出部52は、この発明における「第1の推定値算出部」に対応し、SOC(2)算出部54は、この発明における「第2の推定値算出部」に対応する。また、SOC算出部56は、この発明における「算出部」に対応し、MG−ECU32は、この発明における「異常検知部」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
6 蓄電装置、8 コンバータ、10 電流センサ、12,18 電圧センサ、20−1,20−2 インバータ、22 エンジン、24 動力分割装置、26 駆動輪、30 電池ECU、32 MG−ECU、52 SOC(1)算出部、54 SOC(2)算出部、56 SOC算出部、58 充電履歴判定部、60 補正ゲイン設定部、100 車両、PL 正極線、NL 負極線、MPL 主正母線、MNL 主負母線、C 平滑コンデンサ、MG1,MG2 モータジェネレータ。
Claims (9)
- 再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出装置であって、
前記蓄電装置の充放電電流の積算値に基づいて前記残存容量の第1の推定値を算出する第1の推定値算出部と、
前記蓄電装置の電圧を用いて算出される前記蓄電装置の起電力に基づいて前記残存容量の第2の推定値を算出する第2の推定値算出部と、
予め定められた所定期間における前記蓄電装置の充電の有無を判定する充電履歴判定部と、
前記第1の推定値と前記第2の推定値との差分値および補正ゲインに基づいて算出される補正量により前記第1の推定値を補正することによって前記残存容量を算出する算出部と、
前記充電履歴判定部によって前記蓄電装置の充電が無かったものと判定されたとき、その判定がなされていない場合よりも前記補正量を増大可能なように前記補正ゲインを設定する補正ゲイン設定部とを備える残存容量算出装置。 - 前記蓄電装置を充電する充電システムの異常を検知する異常検知部をさらに備え、
前記充電履歴判定部は、前記異常検知部によって前記充電システムの異常が検知されたとき、前記蓄電装置の充電が無かったものと判定する、請求項1に記載の残存容量算出装置。 - 前記充電システムは、
内燃機関と、
前記内燃機関が発生する運動エネルギーを用いて発電し、その発電された電力を前記蓄電装置へ供給可能な発電装置とを含み、
前記異常検知部は、前記内燃機関および前記発電装置の異常を検知し、
前記充電履歴判定部は、前記異常検知部によって前記内燃機関および前記発電装置の少なくとも一方の異常が検知されたとき、前記蓄電装置の充電が無かったものと判定する、請求項2に記載の残存容量算出装置。 - 前記充電履歴判定部は、当該残存容量算出装置が搭載されるシステムの起動時に判定を実施し、
前記所定期間は、前記システムの前回起動期間である、請求項1に記載の残存容量算出装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の残存容量算出装置を備える車両。
- 再充電可能な蓄電装置の充電状態を示す残存容量を算出する残存容量算出方法であって、
前記蓄電装置の充放電電流の積算値に基づいて前記残存容量の第1の推定値を算出するステップと、
前記蓄電装置の電圧を用いて算出される前記蓄電装置の起電力に基づいて前記残存容量の第2の推定値を算出するステップと、
予め定められた所定期間における前記蓄電装置の充電の有無を判定するステップと、
前記第1の推定値と前記第2の推定値との差分値および補正ゲインに基づいて算出される補正量により前記第1の推定値を補正することによって前記残存容量を算出するステップと、
前記所定期間において前記蓄電装置の充電が無かったものと判定されたとき、その判定がなされていない場合よりも前記補正量を増大可能なように前記補正ゲインを設定するステップとを備える残存容量算出方法。 - 前記蓄電装置を充電する充電システムの異常が検知されたとき、前記蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、前記蓄電装置の充電が無かったものと判定される、請求項6に記載の残存容量算出方法。
- 前記充電システムは、
内燃機関と、
前記内燃機関が発生する運動エネルギーを用いて発電し、その発電された電力を前記蓄電装置へ供給可能な発電装置とを含み、
前記内燃機関および前記発電装置の少なくとも一方の異常が検知されたとき、前記蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、前記蓄電装置の充電が無かったものと判定される、請求項7に記載の残存容量算出方法。 - 前記蓄電装置の充電の有無を判定するステップにおいて、当該残存容量算出方法が適用されるシステムの起動時に判定が実施され、
前記所定期間は、前記システムの前回起動期間である、請求項6に記載の残存容量算出方法。
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