JP2010196009A - 樹脂組成物、その成型体、及び携帯電話筐体 - Google Patents

樹脂組成物、その成型体、及び携帯電話筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薄肉にしても難燃性、機械的特性、燃焼時の滴下防止性に優れる成型体が得られる樹脂組成物やその成型体を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、マトリクス樹脂100重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体0.1〜20重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.1〜2重量部、リン系難燃剤1〜25重量部、及び繊維強化剤5〜50重量部を含む樹脂組成物である。その成型体は、携帯電話筐体として適している。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、その成型体、及び携帯電話筐体に関する。
難燃性でかつ機械特性に優れた樹脂組成物は電気・電子関連の市場をはじめとして大きな需要があり、高い性能が求められている。例えば、熱可塑性樹脂組成物、特にポリカーボネート樹脂をマトリクス樹脂とする樹脂組成物を携帯電話筐体に用いることは一般に実施されており、このような電話筐体は、薄肉化の要求が高まっており、十分な難燃性やヒンジ強度を得るための機械的特性を兼ね備えた成形体を得るための樹脂組成物が望まれており、例えば、特許文献1には、(a)粘度平均分子量が15000〜28000の芳香族ポリカーボネート樹脂70〜90.49重量%、(b)ガラス繊維5〜15重量%、(c)縮合リン酸エステル3.5〜10重量%、(d)アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含む多層構造重合体1〜4重量%、(e)ポリテトラフルオロエチレン0.01〜1重量%((a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%)からなり、該ガラス繊維は、繊維長500μm以上が、10重量%以下、繊維長140μm以下の重量xと繊維長140μm超の重量yが、50/50<x/y≦100/0である、携帯電話筐体用難燃性樹脂組成物、及びそれを用いた難燃性、剛性、衝撃特性、ヒンジ強度、流動性、表面外観に優れた携帯電話用筐体が提案されている。
特開2006−176612号公報
本発明は、薄肉にしても難燃性、機械的特性、燃焼時の滴下防止性に優れる成型体が得られる樹脂組成物やその成型体を提供することを目的としている。
鋭意検討した結果、本発明者は、特定の構成を有する樹脂組成物とすれば、薄肉にしても難燃性、機械的特性、燃焼時の滴下防止性に優れる成型体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、マトリクス樹脂100重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体0.1〜20重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.1〜2重量部、リン系難燃剤1〜25重量部、及び繊維強化剤5〜50重量部を含む樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記マトリクス樹脂を、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂、及びポリヒドロキシアルカノエート樹脂からなる群から選ばれる2種以上のポリマーアロイとすることである。
好ましい実施態様は、前記マトリクス樹脂を、ポリカーボネート系樹脂、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂のポリマーアロイとすることである。
好ましい実施態様は、前記繊維強化剤をカーボン繊維とすることである。
また、本発明は、このような本発明の樹脂組成物を成形してなる成型体に関する。
好ましい実施態様は、前記成型体の表面にキャッピング樹脂をオーバーモールドしてなる成形体とすることである。
好ましい実施態様は、前記成形体を携帯電話筐体とすることである。
本発明の樹脂組成物は、特定の性質を有するマトリクス樹脂、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、滴下防止剤、難燃剤、及び繊維強化剤をバランス良く含むので、薄肉にしても難燃性、機械的特性、燃焼時の滴下防止性に優れる成型体が得られる樹脂組成物となる。
(成型品)
本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、住宅・建材用途、電気・電子用途、自動車用途等の部材として適宜使用できるが、耐衝撃性や難燃性、耐寒性に優れることから、好ましくは電子機器筐体、電子機器内部部品、自動車構造部材、自動車内装部品、及び光反射板、より好ましくは携帯電話筐体、携帯情報端末筐体、携帯ゲーム機筐体として使用され、特に好ましくは、携帯電話筐体としての使用である。
(成型法)
本発明の樹脂組成物の成形法としては、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法、回転成形法などを適用することができるが、本発明の樹脂組成物は上述したように、例えば携帯電話筐体の材料として適しており、射出成形後に更にその成形体表面にキャッピング樹脂をオーバーモールドするオーバーモールド成形法を用いて電子機器筐体、特に携帯電話筐体を形成することが、意匠性の観点から好ましい。
(キャッピング樹脂)
このような目的に用いるキャッピング樹脂としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、スチレン樹脂等が例示されるが、耐候性の観点から、アクリル樹脂が好ましく、特に好ましくは(キャッピング用)アクリル系樹脂コンパウンドである。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、マトリクス樹脂100重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体0.1〜20重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.1〜2重量部、リン系難燃剤1〜25重量部、及び繊維強化剤5〜50重量部を含む樹脂組成物であり、その成形体は、リン系難燃剤を含むので難燃性に優れ、また、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を含むので難燃性の低下を最小限に抑えながら、又は難燃性を維持向上させながら耐衝撃性等の機械的特性が改良されており、さらに、ポリテトラフルオロエチレンを含むので燃焼時の滴下防止効果に優れ、またさらに、繊維強化剤を含むので成型体を薄肉化しても十分な難燃性や機械的特性を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、前記マトリクス樹脂100重量部に対して、前記ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を0.1〜20重量部含むことを要するが、成形体の難燃性・機械的特性の観点、及び成形性、成型体の耐熱性の観点からは、0.5重量部以上含むことが好ましく、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは6重量部以下、特に好ましくは4重量部以下である。
(混合方法)
本発明の樹脂組成物の各成分の混合は、公知の混練機械によって行なうことができる。このような混練機械としてはミキシングロール、カレンダーロール、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ニーダー、押出機、ブロー成形機、インフレーション成形機等を挙げることができる。
(マトリクス樹脂)
本発明に係るマトリックス樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が使用でき、耐熱性や繊維強化剤との結着性の観点から、熱可塑性樹脂にエポキシ化合物を添加した樹脂を用いることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、成形性を容易にする観点から、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、生分解性を有することから環境負荷軽減が期待できるポリ乳酸(PLA)に代表されるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)や、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂(ABS)、アクリロニトリルスチレンアクリレート共重合体系樹脂(ASA)、アクリロニトリル−スチレン共重合体系樹脂(AS)、ポリサルフォン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(PO)が好ましく用いられ、また、これらのポリマーアロイ、特にPC/ABS、PC/ASA、PC/PLA、PC/PBT、PPE/PS、PPE/POが好ましく用いられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、本発明の樹脂組成物は上述したように、携帯電話筐体の材料として適しており、その用途に使用する場合には、難燃化のしやすさ、耐衝撃性、及び耐熱性に優れるPCアロイ、電気特性に優れるPBT、又は電気特性と耐熱性に優れるPPE/PSを適宜必要に応じて使うことが好ましく、最も広汎に使用できるのはPCアロイである。PCアロイを用いる場合、成形性・コストのバランスに優れるPC/ABS、環境循環サイクルへの貢献できるPC/PLA、成形性に優れるPC/PBTを目的に応じて使い分けることがより好ましい。PC/PLAを用いる場合には、PHAの加水分解を抑制する為に、エポキシ基含有化合物やカルボジイミド含有化合物をマトリクス樹脂100重量部に対して0.1〜4重量部程度添加することが効果的であり、さらに好ましい。
これらのマトリクス樹脂の中でも、耐衝撃性と流動性・耐熱性のバランスに優れ、本発明の効果が最大に得られることから、好ましいのは、PC/ABS、PC/PHAであり、特に好ましいのは、PC/ABSである。
(PC/ABS)
このような目的に用いるPC/ABSとしては、PC1〜99重量%、及びABS99〜1重量%とからなるPC/ABS等が例示されるが、例えば、耐熱温度に優れ、ウエルド特性にも優れた樹脂組成物とする観点からは、PC60〜95重量%、及びABS5〜40重量%、特にはPC70〜80重量%、及びABS30〜20重量%からなるPC/ABSとすることが好ましい。
(PC/PHA)
このような目的に用いるPC/PHAとしては、PC1〜99重量%、及びPHA99〜1重量%とからなるPC/PHA等が例示されるが、例えば、耐熱温度に優れ、ウエルド特性にも優れた樹脂組成物とする観点からは、PC60〜95重量%、及びPHA5〜40重量%、特にはPC70〜80重量%、及びPHA30〜20重量%からなるPC/PHAとすることが好ましい。
(PC)
前記PCとは、二価フェノールと、ホスゲン、又はカーボネート前駆体と、を反応させて得られるポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂であり、具体的には、出光興産株式会社製タフロンA2200(登録商標)や帝人化成株式会社製パンライトL1225WX(登録商標)、パンライトL1225WP(登録商標)、粘度平均分子量が22,4000の住友ダウ株式会社製カリバー(登録商標)200−10、粘度平均分子量が20,000の三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ユーピロンH−2000(登録商標)、サビックイノベーティブプラスチックス社製レキサン141R(登録商標)等である。
本発明に係る難燃化効果の発現が顕著であることから、芳香族ポリカーボネート系樹脂が好ましく、ポリエチレンカーボネートのような脂肪族ポリカーボネート系樹脂も使用することができ、主鎖中にジメチルシロキサンが共重合されたものであっても構わず、また、ポリカーボネート樹脂に臭素化ポリカーボネートオリゴマーを添加したものでも良く、さらには、シロキサン構造を含む構成単位とフルオレン構造を含む構成単位とを有するポリカーボネート樹脂であっても良い。
前記二価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシアリール)アルカンが好ましく、例えばビス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)エタン、1,2一ビス(4一ヒドロキシフェニル)エタン、2,2一ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2一ビス(4一ヒドロキシフェニルー3一メチルフェニル)プロパン、2,2一ビス(4一ヒドロキシー3,5一ジブロモフェニルプロパン、2,2一ビス(4一ヒドロキシー3,5一ジクロロフェニル)プロパン、2,2一ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。他の二価フェノールとしては、1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)一3,3,5一トリメチルシクロヘキサン;1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)シクロデカン等のビス(4一ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)フルオレン;1,1一ビスクレゾールフルオレン;1,1一ビスフェノキシエタノールフルオレンなどのフルオレン誘導体、フェニルビス(ヒドロキシフェニル)メタン;ジフェニルビス(ヒドロキシフェニル)メタン;1一フェニルー1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)エタンなどのフェニル基含有ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、4,4’一ジヒドロキシジフェニル、ビス(4一ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4一ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4一ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4一ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4一ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。これらの二価フェノールは、単独または混合して用いられる。またこれらの内で、ハロゲンを含まない二価フェノールが好ましく用いられる。特に好ましく用いられる二価フェノールはビス(ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’一ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4一ジヒドロキシジフェニル
、1,1一ビス(4一ヒドロキシフェニル)フルオレンである。
前記カーボネート前駆体としてはジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートなどを挙げることができる。
(芳香族ポリカーボネート系樹脂)
前記芳香族ポリカーボネート系樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂とその他の樹脂からなる樹脂であって、本発明に係る良好な難燃性と耐衝撃性とをバランスよく発現させる観点から、その総量に対して芳香族ポリカーボネート樹脂を50重量%以上含有する樹脂であり、70重量%以上含むものがより好ましく、実質的に芳香族ポリカーボネート樹脂が単独である場合が最も好ましい。ここで実質的に芳香族ポリカーボネート樹脂が単独であるとは、少なくとも芳香族ポリカーボネート樹脂を95重量%以上含んでなることを意味する。また、前記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、ポリアミド−ポリカーボネート樹脂、ポリエステル−ポリカーボネート樹脂などの共重合体も用いることができるが、その場合には全樹脂中のポリカーボネート単位の割合が前記と同様になるようにするのが好ましい。芳香族ポリカーボネート系樹脂に含まれる他の樹脂としては、前述の熱可塑性樹脂に挙げた樹脂を適宜用いることができる。例えば、芳香族化合物で末端停止された芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体も芳香族ポリカーボネート系樹脂である。
(ABS)
前記ABSとしては、ブタジエン等の共役ジエンを主成分とモノマーを重合した共役ジエンゴムの存在下に、少なくともスチレン系単量体と(メタ)アクリロニトリル系単量体とを、塊状重合法もしくは乳化重合法により重合してなる共重合体等が例示され、具体的には、日本A&L(株)、商品名:サンタックAT−08(登録商標)、クララスチックGA−501(登録商標)等である。
(ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体)
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサン(A)、分子内に2以上のラジカル重合性基を有する多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(B)、及びエチレン性不飽和単量体由来の重合体(C)含むグラフト共重合体を主成分とする組成物であり、好ましくは、(A)からなるコア層、(B)からなる中間層、及び(C)からなるシェル層を含んで構成される所謂コアシェル構造を有するグラフト共重合体、及び(A)にグラフトしなかった、(B)、(C)成分等からなる所謂フリーポリマー、を組成物の構成成分とし、グラフト共重合体のみから構成されていることがより好ましい。
かかるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、例えば、ポリオルガノシロキサン(A)存在下に、前記窒素原子含有多官能性単量体を主成分とする単量体を重合した後、さらにエチレン性不飽和単量体を重合することにより得ることができる。
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体のグラフト率は、得られる樹脂組成物の難燃性を損なわないために、好ましくは1.001以上、より好ましくは1,01以上、さらには1.04以上、特には1.08以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.4以下、さらには1.28以下、特には1.15以下である。
このようなポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、上記重合後には、好ましくは水系ラテックスとして得られ、この水系ラテックスに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウムなどの二価以上の金属塩を添加することにより凝固した後に熱処理・脱水・洗浄・乾燥し粉体として回収する凝固法や、この水系ラテックスを噴霧乾燥して直接粉体として回収する噴霧乾燥法により、通常粉体として製造される。また、このようにして本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体粉末を得る工程の途中に、さらに好ましくは数回の水洗工程を追加することで、その粉末中の、重合時に用いた乳化剤、分散剤、pH調整剤、重合開始助剤などの副原料に由来する有機ナトリウム塩や有機カリウム塩等のPCに対する触媒的分解作用を有する金属塩不純物を低減し、例えば、これらの総量が10ppm以下とすると、本発明の樹脂組成物がより高品質もものとなるので好ましい。
このようなポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の粉体は、それをマトリクス樹脂に配合して樹脂組成物を得る際に、マトリクス樹脂として粉体状のものを用いる場合には、その粉体の体積平均粒子径が、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、さらには50μm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、さらには200μm以下とすることが好ましい。特に、マトリックス樹脂の粉体の平均粒子径に近い、あるいは同様の体積平均粒子径であることが、分級しにくくなるので好ましい。前記粉体としては、本発明の共重合体が緩やかに凝集した状態のものであることが、マトリックス樹脂中でグラフト共重合体の一次粒子の状態に容易に分散するので、好ましい。
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を100重量%として、前記ポリオルガノシロキサン(A)は、本発明に係る樹脂組成物の難燃性を損なわないために、65重量%以上含有していることが好ましく、さらには75重量%以上、特には82.5重量%以上含有することが好ましい。上限は、マトリクス樹脂中でのポリオルガノシロキサン(A)成分の分散状態を良好にするために好ましくは99重量%であり、より好ましくは98重量%、さらには95重量%が好ましい。
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を100重量%として、前記分子内に2以上のラジカル重合性基を有する多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(B)は、本発明に係る樹脂組成物の難燃性を損なわないために、好ましくは0.1重量%以上含有していることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上、さらには1重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらには10重量%以下であり、もっとも好ましい範囲は1〜5重量%であり、この比率は、本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体に対する、重合体(B)形成用単量体の重さと同じであることが好ましい。
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を100重量%として、前記エチレン性不飽和単量体由来の重合体(C))は、本発明に係る樹脂組成物の難燃性を損なわないために、また、本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体とマトリクス樹脂との相溶性を確保するために、好ましくは0.5重量%以上含有していることが好ましく、より好ましくは3重量%以上、さらには5重量%以上であり、好ましくは34.9重量%以下、より好ましくは24.5重量%以下、さらには好ましくは15重量%以下であり、この比率は、本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体に対する、前記エチレン性不飽和単量体の重さと同じであることが好ましい。
(ポリテトラフルオロエチレン)
本発明の樹脂組成物は、特にUL−94試験等の試験方法で試験が可能な燃焼時の滴下につき防止効果を得る観点から、滴下防止剤として、フッ素樹脂、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。このようなPTFEとしては、繊維形成型のものが好ましく、フッ素の含有量が73重量%程度のものが好ましく、重量平均分子量が500万のものが好適である。具体的には、ダイキン工業株式会社製の、商品名:ポリフロンFA−500(登録商標)や商品名:MPA−FA100、商品名:ポリフロンFA−500(登録商標)や商品名:MPA FA100、三井デュポンフロロケミカル株式会社製の、商品名:PTFE6−Jなどがある。PTFEはハンドリング性が悪いため、ハンドリング性を重視する場合にはPTFEを他の樹脂で被覆した被覆PTFEを使用することも出来る。具体的には、三菱レイヨン株式会社製の、商品名:メタブレンA−3800(被覆PTFE中のPTFEの含有比率は50重量%である)、PIC社製の、商品名:Poly TS AD001などが挙げられる。燃焼時に滴下が問題となる場合に、その防止効果が有効に得られるように、また成型時の流動性を確保するために、前記PTFE(被覆PTFEの場合には該被覆PTFE中のPTFE成分)の添加量は、マトリクス樹脂100重量部当たり、0.1〜2重量部であることを要し、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.6重量部以下である。
(リン系難燃剤)
本発明の樹脂組成物は、難燃性を高めるために、難燃剤として、リン系難燃剤を、マトリクス樹脂100重量部当たり、1〜25重量部含むことを要し、十分な難燃性を付与しつつ機械的特性や耐熱性の低下を抑える観点から、好ましくは2重量部以上、より好ましくは5重量部以上、好ましくは10重量部以下である。
前記リン系難燃剤としては、赤リン、無機リン化合物、有機リン化合物等を挙げることができるが、ハロゲン原子を含まないものが焼却処分時の燃焼排ガス問題の側面から好ましく、また、埋め立て処分時の地下水への溶出問題や取り扱い時の安全性の観点から、より好ましくはリン酸エステル、縮合リン酸エステル、亜リン酸エステル、縮合亜リン酸エステル、有機ホスフォン酸エステルであり、さらに好ましくはリン酸エステル、縮合リン酸エステルであり、特に好ましくは縮合リン酸エステルであり、最も好ましくは縮合リン酸エステルのポリマー、又は、前記リン酸エステル、又は前記有機ホスフォン酸エステルである、下記一般式1、又は一般式2を用いて表される化合物である。
Figure 2010196009
Figure 2010196009
上記一般式(*)、又は一般式(*)中、R1、及びR3は炭化水素基を表し、R2、及びR4はリン原子に直接、又は、酸素、窒素または硫黄原子を介して結合する炭化水素基を表し、X1は直接結合、C1-5のアルキレン、C2-5のアルキリデン、C5-6のシクロアルキリデン、ヘテロ原子を任意に有する他の芳香環と縮合しうるC6〜C12のアリーレン,C13〜C17のフルオレン、−C(CH32−C64−C(CH32−、C=O、S、O、若しくはSO2を表し、X2、X3、及びX4はハロゲンまたは炭化水素基を表し、p、q、及びrは0〜4の整数であり、m、及びnは1〜30の整数である。
前記赤リンとしては、一般に知られる赤リンの他に、その表面を予め後述する難燃助剤である金属水酸化物の被膜を形成したもの、該金属水酸化物、及び熱硬化性樹脂からなる被膜を形成したもの、該金属水酸化物の被膜上に熱硬化性樹脂の被膜を二重に形成したもの等を挙げることができる。
前記無機リン化合物としては、ポリリン酸アンモニウムなどの無機系リン酸塩等を挙げることができる。
前記有機リン化合物としては、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、亜リン酸エステル、縮合亜リン酸エステル及びその芳香環ハロゲン置換化合物、含ハロゲンリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、窒素含有リン酸エステル、有機ホスフォン酸エステル等の有機リン酸エステルの他、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフォン酸塩、ホスファゼン、ホスホルアミド、有機ホスフォニウム塩等のリン酸化合物が挙げられ、難燃性に優れ、かつ成型時の金型腐食や難燃性の経時変化が抑制できることから、好ましくは縮合リン酸エステル、縮合亜リン酸エステルであり、例えば、レゾルシンポリフォスフェートであり、具体的には、旭電化工業社製のアデカスタブPFRやアデカスタブFP500、大八化学工業社製のCR−741、PX−200、PX−202等が好ましく用いられる。
前記リン酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、2−エチルヘキシルジ(p−トリル)ホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)p−トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ジ(ドデシル)p−トリルホスフェート、トリス(2−ブトキシエチル)ホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、フェニルビスドデシルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、p−トリルビス(2,5,5’−トリメチルヘキシル)ホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(i−プロピルフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスフェート、フェニルビスネオペンチルホスフェート、チオリン酸エステル等が挙げられる。
前記縮合リン酸エステルとしては、1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスフェート)、1,4−フェニレン ビス(ジキシレニルホスフェート)、1,3−フェニレン ビス(3,5,5’−トリメチルヘキシルホスフェート)、ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)、4,4’−ビフェニル ビス(ジキシレニルホスフェート)、1,3,5−フェニレン トリス(ジキシレニルホスフェート)等が挙げられる。
前記亜リン酸エステルとしては、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等が挙げられる。
前記縮合亜リン酸エステルとしては、1,3−フェニレン ビス(ジフェニルホスファイト)、1,3−フェニレン ビス(ジキシレニルホスファイト)、1,4−フェニレン ビス(3,5,5’−トリメチルヘキシルホスファイト)、ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスファイト)、4,4’−ビフェニル ビス(ジキシレニルホスファイト)、1,3,5−フェニレン トリス(ジキシレニルホスファイト)等が挙げられ、前記縮合亜リン酸エステルの芳香環ハロゲン置換化合物は、これらの化合物の芳香環ハロゲン置換化合物である。
前記含ハロゲンリン酸エステルとしては、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、2−クロロエチルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
前記含ハロゲン縮合リン酸エステルとしては、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレン ビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレン ビスジクロロアルキルホスフェート等が挙げられる。
前記窒素含有リン酸エステルとしては、メラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、リン酸エステルモボリド等が挙げられる。
前記有機ホスフォン酸エステルとしては、メチルホスフォン酸ジフェニル、エチルホスフォン酸ジエチル、フェニルホスフォン酸ジエチル、チオホスフォン酸エステル等が挙げられる。
前記ホスフィンとしては、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,2−ジメチルプロパン等の他、ジクロロフェニルホスフィン等のハロゲン化物等が挙げられる。
前記ホスフィンオキシドとしては、ホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイド、n−ブチル−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイド、トリス(2−シアノエチル)ホスフィンオキサイド、チオホスフィンオキサイド等の他、ジクロロプロピルホスフィンオキシド、ジクロロイソプロピルホスフィンオキシド等のハロゲン化物等が挙げられる。
前記ホスフォン酸塩としては、ニトリロトリスメチレンホスフォン酸メラミン付加物等が挙げられる。
前記ホスファゼンとしては、環状フェノキシホスファゼン、環状ホスファゼンオリゴマー化合物、フォスフォニトリリッククロライド等が挙げられる。
(難燃助剤)
本発明の樹脂組成物は、上記リン難燃剤の効果を助け、より難燃性を高めるために、難燃剤と併用される難燃助剤して、金属塩、金属酸化物、シリコーン化合物、アンチモン系難燃助剤、及び金属水酸化物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、その中でも、難燃助剤としての効果が高い金属塩がより好ましく、また、難燃性に優れる、リン系難燃剤/シリコーン化合物の併用や、リン系難燃剤/金属水酸化物、リン系難燃剤/金属酸化物、リン系難燃剤/金属塩の併用がより好ましい。十分な難燃性を付与しつつ機械的特性の低下を抑える観点から、前記難燃助剤の添加量は、マトリクス樹脂100重量部当たり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下、さらには1重量部以下、さらに好ましくは0.6重量部以下、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上である。
前記金属塩としては、炭酸金属塩、ホウ酸金属塩、有機金属塩等が挙げられるが、好ましいのは有機金属塩であり、そのような有機金属塩としては、硫黄含有有機金属塩や有機アルカリ金属塩等が好ましく例示でき、本発明に係るマトリックス樹脂としてPCを含むものを用い、かつ、該PCが芳香族ポリカーボネート系樹脂である場合には、硫黄含有有機金属塩を用いることが、相乗的に難燃性を高めることができるので好ましい。
前記炭酸金属塩としては、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、炭酸銅、炭酸アルミニウム、炭酸亜鉛等が挙げられる。
前記ホウ酸金属塩としては、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
前記金属酸化物としては、酸化チタン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等が挙げられる。
前記アルカリ金属塩としては、芳香族スルホイミド、芳香族スルホンスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸、及び芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
前記シリコーン化合物としては、分子量、及びそれを構成するM単位、D単位、T単位及びQ単位を適宜調整したものを使用することが好ましく、そのためにジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシラン、及びテトラクロロシランや、それらの部分加水分解縮合物の適量を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合することでシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって、重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離することで得られるものが挙げられる。
前記アンチモン系難燃助剤としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン等が挙げられるが、好ましくは三酸化二アンチモンであり、より好ましくは、アルコキシシランで表面処理を施した三酸化二アンチモンである。
前記金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等が挙げられる。
前記金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム等が好ましく挙げられ、より好ましくはナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、さらに好ましくはナトリウム、カリウムである。
前記硫黄含有有機金属塩としては、好ましくはスルホン酸金属塩、硫酸モノエステル金属塩、スルホンアミド金属塩等が挙げられるが、このうち、難燃性の観点からスルホン酸金属塩が好ましく、より好ましくは、(アルキル)芳香族スルホン酸金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、脂肪族スルホン酸金属塩、ジアリールスルホンスルホン酸金属塩、アルキル硫酸金属塩であり、難燃性が少量で良好になるという点から特に好ましくはパーフルオロブタンスルホン酸カリウムであり、また、ハロゲンを含まないことおよび難燃性が少量で良好になるという点から特に好ましくはジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ドデシル基は分岐型及び/または直鎖型である)、キシレンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウムであり、最も好ましくは工業的に安価に入手して利用できることからドデシルベンゼンスルホン酸に代表される(アルキル)芳香族スルホン酸のナトリウム塩(例えば、アルキル基の平均鎖長が12であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである花王株式会社製ネオペレックスG−15(登録商標)、もしくはキシレンスルホン酸ナトリウムであるテイカ株式会社製テイカトックスN1140(登録商標)、クメンスルホン酸ナトリウムであるテイカ株式会社製テイカトックスN5040(登録商標))である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硫黄含有有機金属塩を用いる場合には、前記硫黄含有有機金属塩の存在により、場合によっては樹脂組成物の強度の低下効果が認められる場合はあるので、難燃性の改良効果を十分に確保し、強度と難燃性のバランスを取る観点から、前記芳香族ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、前記硫黄含有有機金属塩が0.001重量部以上含まれることが好ましく、より好ましくは0.005重量部以上、さらには好ましくは0.01重量部以上であり、1重量部以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.5重量部以下、さらに好ましくは0.3重量部以下、特に好ましくは0.019重量部以下、最も好ましくは0.015重量部以下である。
前記スルホンアミド金属塩としては、
サッカリンのナトリウム塩、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのナトリウム塩、N−(N‘−ペンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドのナトリウム塩、N−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミドのナトリウム塩等;
(アルキル)芳香族スルホン酸金属塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム等;
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸カリウム等;
脂肪族スルホン酸金属塩としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルポコハク酸ナトリウム等;
ジアリールスルホンスルホン酸金属塩としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、4,4Lジブロモジフェニルースルホン−3−スルホン酸カリウム、4−クロロ−4‘−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸カリウム等;
アルキル硫酸金属塩としてはドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
(繊維強化剤)
本発明の樹脂組成物は上述したように、例えば、携帯電話筐体の材料として適しており、その場合に、薄肉軽量化しつつ、十分な難燃性や機械的特性を得る観点から、本発明の樹脂組成物は、繊維強化剤を5〜50重量部含むことを要し、より好ましくは、本発明の樹脂組成物を、さらに、充填剤を5〜50重量部含む樹脂組成物とすることである。
前記繊維強化剤としては、有機繊維、ガラス繊維(GF)、カーボン繊維(CF)、植物繊維等が挙げられ、本発明に係るマトリックス樹脂との濡れ性を向上させ、繊維強化剤をマトリクス樹脂中に均一に分散好させる観点から、これらの繊維を気相で熱酸化処理して表面に酸素含有基有する繊維とすることが好ましい。
前記有機繊維としては、アラミド繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられる。
前記植物繊維としては、ケナフ等が挙げられる。
前記繊維強化剤としては、その繊維長さの重量平均値が、50μm〜150μmであることが好ましく、集束剤で予め集束処理したGF、CFを用いることが好ましく、より好ましくは扁平断面GF、CFと、後述する充填剤である板状無機充填材と、を組み合わせ使用することであり、さらに好ましくは、CFと板状無機充填材である層状珪酸塩とを組み合わせ使用することである。
前記集束剤で集束処理された繊維強化剤としては、集束剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を0.5〜2重量部用いて100重量部のGFが集束処理されたものを好ましく例示することができる。
前記扁平断面GF、CFとしては、その繊維断面の重量平均値が、長径が25μm程度で、長径と短径の比が4程度のものが好適である。
(充填剤)
前記充填剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛ナノ微粒子、層状珪酸塩、金属微粒子、カーボンナノチューブ、微小中空球体等が挙げられる。
前記タルクとしては、数平均粒子径1〜25μmのタルクが好ましく例示でき、前記マイカとしては、数数平均粒子径50〜250μmのマイカが好ましく例示できる。
より好ましくは、前記タルクと、前記マイカと、を併用して用いることで、本発明の樹脂組成物の成型品を、より高剛性、高強度、高寸法精度(低異方性)、良好な難燃性、耐加水分解性、及びセルフタップ特性に優れたものとできる。この際、本発明に係るマトリクス樹脂100重量部に対して、前記タルクは1〜5重量部が、前記マイカは、2重量部〜15重量部とすることがより好ましい。
前記微小中空球体としては、数平均粒子径5〜50μm、真比重0.40g/cm3以上、かつ10%体積減少強度が100Kg/cm2以上のものが好ましく例示できる。
(酸化防止剤)
本発明の樹脂組成物は、成型などの加工時の熱劣化防止の観点から、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、その中でも、難燃性に優れることから、フェノール系酸化防止剤がより好ましく、さらに好ましくはフェノール系酸化防止剤を2種類組み合わせて用いることであり、そのような組み合わせとしては、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールとオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとの組み合わせ、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトと他のフェノール系酸化防止剤との組み合わせ、特に1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンとの組み合わせを挙げることができ、また、さらに好ましくはフェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを2種類組み合わせて用いることであり、難燃性が特に良好となることから、後述する硫黄系酸化防止剤の具体例の化合物と、フェノール系酸化防止剤であるトリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトと(例えば、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールと、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとのの混合物であるチバスペシャルティケミカルズ製イルガノックス1141)、を組み合わせて用いることが特に好ましく、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の両方の性質を兼ね備えた4,4‘−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)を用いることが最も好ましい。
加工時の熱劣化防止の観点、機械的特性の観点、及び効果−コストのバランスの観点から、前記酸化防止剤の添加量は、マトリクス樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、さらに好ましくは0.015重量部以上であり、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.4重量部以下、さらに好ましくは0,1重量部以下、特に好ましくは0.075重量部以下である。
前記フェノール系酸化防止剤としては、2,4−ジメチル−6(1−メチルペンタデシル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4‘−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2‘−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコールビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、ブチリデン−1,1−ビス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−フェニル)等が挙げられ、具体的には、旭電化工業株式会社製AO−60である。
前記リン系酸化防止剤としては、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールボスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルポスファイト等が挙げられ、具体的には、旭電化工業株式会社製HP−10である。
前記硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート等が挙げられる。
(配合剤)
本発明の樹脂組成物には、通常使用される配合剤を適宜添加することができる。そのような添加剤としては、着色剤、顔料、導電性付与剤、伝熱性付与剤、加水分解抑制剤、増粘剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、離型剤、相溶化剤、充填剤とマトリックス樹脂とのカップリング剤、熱安定剤、摺動性付与剤等が挙げられる。
前記顔料としては、酸化チタン、蛍光増白剤等が挙げられる。
前記蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾール誘導体、クマリン誘導体、ビフェニール誘導体などが挙げられる。
前記導電性付与剤としては、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック等が挙げられる。
前記伝熱性付与剤としては窒化硼素等が挙げられる。
前記加水分解抑制剤としては、カルボジイミド化合物、エポキシ樹脂、エポキシ基含有ビニル重合体などが挙げられる。
前記増粘剤としては、高分子量ポリメチルメタクリレート系樹脂等が挙げられ、エポキシ基を含有するものが好ましく用いられる。
前記帯電防止剤としては、ポリアミドーポリエーテルブロック体、アルキレングリコール、グリセリン、脂肪酸エステル、エトキシ化アルキルアミン類、アルカンスルフォネート類等が挙げられる。
前記流動性改良剤としては、テルペン樹脂・アクリロニトリルースチレン共重合体、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記離型剤としては、モノグリセリド・シリコーンオイル・ポリグリセリン等のエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン等の官能基含有ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
前記相溶化剤としては、(エポキシ変性)スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体等が挙げられる。
前記カップリング剤としては、ポリオール、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
前記熱安定剤としては、フォスファイト、フォスフォナイト系化合物等が挙げられる
前記滑剤としては脂肪酸エステルワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−酢ビ共重合ワックス、アミド系ワックスなどが挙げられる。
前記摺動性付与剤としてはシリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
(ポリオルガノシロキサン(A))
前記ポリオルガノシロキサン(A)は難燃性を低下させることなく、特に低温での耐衝撃性を向上させるための成分であり、場合によってはそれ自身を含む樹脂組成物の難燃性を向上させる成分である。前記ポリオルガノシロキサン(A)には、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体などのポリオルガノシロキサン、側鎖アルキル基の一部が水素原子に置換されたポリオルガノハイドロジェンシロキサン等を用いることができる。これらの内、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルシロキサンージフェニルシロキサン共重合体が難燃性を付与する上では好ましく、ポリジメチルシロキサンが経済的にも容易に入手できるので最も好ましい。
前記ポリオルガノシロキサン(A)の重量平均分子量は好ましくは、最終成形体の難燃性や耐衝撃性を十分なものとする観点、及び生産性を確保する観点から、100,000以上、より好ましくは150,000以上、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは700,000以下、さらには300,000以下である。前記重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)分析による標準ポリスチレン換算値を用いることができる。
前記ポリオルガノシロキサン(A)は具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアルコキシシラン、1,3,5,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)に代表される環状シロキサンや、好ましくは重量平均分子量が500〜20,000以下の直鎖状、又は分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーを主成分とする前記ポリオルガノシロキサン(A)形成用原料を、酸や、アルカリ、塩、フッ素化合物などの触媒を用いて、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で重合したポリオルガノシロキサンを好ましく例示することができる。前記ポリオルガノシロキサン(A)の原料として、残存揮発性低分子量環状シロキサンがあらかじめ低減された前記直鎖状、又は分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーを用いた場合には、形成されたポリオルガノシロキサン(A)中の残存揮発性低分子量環状シロキサンを低減することが可能でストリッピング等の工程等を省くことができる。
また、前記ポリオルガノシロキサン(A)形成用単量体100重量%中には、ゴム弾性を十分に維持し、かつ架橋構造を形成する観点から、必要に応じてメチルトリエトキシシラン、テトラプロピルオキシシランなどの3官能以上のアルコキシシラン、及びメチルオルソシリケートなどの3官能以上のシランの縮合体からなる群から選ばれる1種以上が、0.1重量%〜10重量%含まれ得る。
さらに、前記ポリオルガノシロキサン(A)形成用原料100重量%中には、ラジカル重合性基をこのポリオルガノシロキサン(A)に導入することで、本発明に係る前記中間層のポリオルガノシロキサン(A)への被覆を容易にする観点から、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルフェニルジメトキシメチルシランなどの加水分解性基、及びラジカル重合性基を含有するシラン化合物であるグラフト交叉剤が、0.1重量%〜10重量%含まれていることが好ましい。
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなど、前記3官能以上のアルコキシシランであってかつラジカル重合性基を有するシラン化合物を用いることも出来る。
最終成形体の耐衝撃性を良好に発現させるために、前記ポリオルガノシロキサン(A)は粒子であることが好ましい。かかる粒子は、前述のごときオルガノシロキサンから乳化重合法により製造することができる。乳化重合法に代わって、エマルジョン状態のポリオルガノシロキサンを変性する方法、溶液重合法などにより得た変性若しくは非変性のポリオルガノシロキサン(A)を高圧ホモジナイザーなどを用いて機械的に強制乳化する方法などによりポリオルガノシロキサン(A)のエマルジョンを得ることもできる。
このようにポリオルガノシロキサン(A)が粒子の場合には、安定的に粒子を得る観点、及び最終成形体の難燃性や耐衝撃性を十分なものとする観点から、その体積平均粒子径は0.008〜0.6μmが好ましく、0.01〜0.35μmがさらに好ましく、このようにポリオルガノシロキサン(A)の粒子であるゴム粒子につき、本発明の樹脂組成物やその成型体を電子顕微鏡写真等で観察して測定される該粒子の数平均占有面積が、0.01〜0.12μm2であることがより好ましい。前記体積平均粒子径は、例えば、日機装株式会社製のMICROTRACUPA150を用いて測定することができる。
ここで、ポリオルガノシロキサン(A)を重合するに際しては、シード重合法を適用することができる。例えば、ポリブチルアクリレート等の有機重合体をシード粒子として用いる方法、ポリオルガノシロキサンラテックスをシードラテックスとして用いる方法等を好ましく例示することができ、その際、シード粒子のラテックス粒子径は30nm以下が好ましく、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは10nm以下であり、1nm以上、より好ましくは5nm以上である。
前記の変性若しくは非変性の、好ましくは残存揮発性低分子量環状シロキサンがあらかじめ低減された(ポリ)オルガノシロキサンは、必要に応じて前記グラフト交叉剤等と共に、水、界面活性剤などを加え、例えばラインミキサーや循環ポンプなどで一次混合後、高圧ホモジナイザーやコロイダルミルなどにより所望の粒子径になるよう機械的に強制乳化し、ドデシルベンゼンスルホン酸などの酸を加えて0℃以上、好ましくは100℃以下、さらには30℃以下、特に25℃以下で重合し、必要に応じてさらにグラフト交叉剤等と反応させ、しかる後に中和することで生成することができる
前記環状シロキサン等の重合、又は(ポリ)オルガノシロキサン等の強制乳化重合に際して酸性重合条件を用いる場合には、界面活性剤としては酸性下でも界面活性能が発揮される界面活性剤を用いることが好ましい。その様な界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステルの金属塩、アルキルスルフォン酸の金属塩、アルキルアリールスルホン酸の金属塩などのアニオン系界面活性剤をあげることができる。前記金属塩としては、好ましくはアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、カリウム塩が選ばれる。中でもナトリウム塩が好ましく、さらにはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが最も好ましい。また、ポリオキシエチレンドデシルエーテルに代表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに代表されるポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルに代表されるポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステルなどのノニオン系界面活性剤を使用することができる。あるいはそれらと前記アニオン系界面活性剤とを併用することもできる。
(多官能性単量体由来重合体(B))
前記分子内に2以上のラジカル重合性基を有する窒素原子含有多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(B)には、前記エチレン性不飽和単量体の重合体(C)のポリオルガノシロキサン(A)へのグラフト効率を高める効果があり、これにより前記エチレン性不飽和単量体の使用量少なく抑えることが可能となるので、相対的に本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体中でのポリオルガノシロキサン(A)成分の割合を高めることができる。この結果、可燃成分であるエチレン性不飽和単量体の使用量を低減することができ、得られる樹脂組成物の難燃性の悪化を抑制、もしくは改善することができる。多官能性単量体由来重合体(B)として窒素原子含有多官能性単量体由来重合体を用いた場合には、さらには、ポリオルガノシロキサン系共重合体自体の耐熱性を向上させることができる。これは前記窒素原子含有多官能性単量体由来の重合体(B)の耐熱性が高いことに起因すると考えられる。また、アリルメタクリレート、1,3一ブチレングリコールジメタクリレートなどのメタクリレート系の多官能性単量体、ブタジエンなどのジエン類、ジビニルベンゼン等由来の単位を少なくとも有する重合体を用いた場合と比較して難燃性の悪化を抑制、もしくは改善することができる。
このような分子内に2以上のラジカル重合性基を有する窒素原子含有多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(B)は、後述する窒素原子含有多官能性単量体と、これと共重合可能な後述するその他の単量体と、の混合物である重合体(B)形成用単量体を、公知のラジカル重合法を用いて重合した重合物である。前記ポリオルガノシロキサン(A)をエマルジョンとして得た場合には、重合体(B)は、乳化重合法により得ることが好ましく、その際には、公知の重合開始剤、すなわち2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の熱分解型重合開始剤として用いることができる。また、重合温度を比較的低温を含む広い範囲で設定できることから、t一ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t一ブチルハイドロパーオキサイド、ジーt一ブチルパーオキサイド、t一ヘキシルパーオキサイド等の有機過酸化物過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物といった過酸化物、及び必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤を、組み合わせてレドックス型重合開始剤として用いることが好ましく、この場合、必要に応じて硫酸鉄(II)等の遷移金属塩、また必要に応じてエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム等のキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウム等のリン含有化合物等を併用することが好ましい。前記有機過酸化物過酸化水素の中でも、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の芳香族環含有過酸化物を、レドックス型重合開始剤として用いることが好ましい。
重合体(B)形成用単量体100重量%中の窒素原子含有多官能性単量体の割合は、本発明に係る難燃性発現の観点から、20重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、100重量%が最も好ましい。
前記窒素原子含有多官能性単量体としては、トリアリルアミンなどの三級アミン類、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルーn一プロピルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌル酸骨格を有する化合物、トリアリルシアヌレートに代表されるシアヌル酸骨格を有する化合物、トリ(メタ)アクリロイルヘキサハイドロトリアジン等が挙げられ、中でもイソシアヌル酸骨格を有する化合物、特にトリアリルイソシアヌレート、またはシアヌル酸骨格を有する化合物、特にトリアリルシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートが最も好ましい。
前記窒素原子含有多官能性単量体と共重合可能な他の単量体としては、後述するエチレン性不飽和単量体と同様のものが用いられるが、その他、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジイソプロペニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルベンゼントリカルボキシレート、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、2,2‘一ジビニルビフェニル、2,4’−ジビニルビフェニル、3,3Lジビニルビフェニル、4,4Lジビニルビフェニル、2,4‘−ジ(2一プロペニル)ビフェニル、4,4Lジ(2一プロペニル)ビフェニル、2,2’−ジビニルー4一エチルー4‘−プロピルビフェニル、3,5,4Lトリビニルビフェニルなどの多官能性単量体も用いることができる。また、前記窒素原子含有多官能性単量体と共重合可能な他の単量体として、良好な難燃性発現のために、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートといったアルキル基の炭素数が2以下のアルキル(メタ)アクリレート、2,2’−ジビニルビフェニル、2,4‘−ジビニルビフェニル、3,3Lジビニルビフェニル、4,4Lジビニルビフェニル、2,4’−ジ(2一プロペニル)ビフェニル、4,4‘−ジ(2−プロペニル)ビフェニル、2,2’−ジビニル−4−エチル−4‘−プロピルビフェニル、3,5,4’−トリビニルビフェニル等の非縮合多芳香環含有多官能性単量体を用いても良い。
(エチレン性不飽和単量体由来重合体(C))
前記エチレン性不飽和単量体由来の重合体(C)には、本発明に係るポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体とマトリクス樹脂との相溶性を確保する効果がある。本発明に係る難燃性発現の観点から、重合体(C)のガラス転移温度は40℃以上とすることが好ましく、60℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。
このようなエチレン性不飽和単量体由来の重合体(C)は、後述するエチレン性不飽和単量体を、必要に応じて連鎖移動剤と共に、公知のラジカル重合法を用いて重合した重合物である。前記ポリオルガノシロキサン(A)、及び多官能性単量体由来の単位を少なくとも有する重合体(B)を含む重合体混合物をエマルジョンとして得た場合には、重合体(C)は、乳化重合法により得ることが好ましい。前記連鎖移動剤を用いることにより、得られるポリルガノシロキサン含有共重合体の耐熱性や熱安定性、最終成形体の難燃性・耐衝撃性等が改良される場合がある。このような連鎖移動剤としては、不飽和テルペン類、メルカプタン類などが例示されるが、中でも前記メルカプタン類が好ましく、臭気のないポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、又は本発明に係る樹脂組成物が得られることから、2−エチルヘキシルチオグリコレートが最も好ましい。前記連鎖移動剤の前記エチレン性不飽和単量体に対する使用量は、重合体(C)のグラフト効率や、マトリクス樹脂中でのポリオルガノシロキサン含有共重合体の分散性、本発明に係る難撚性・機械的特性の観点から、好ましくは0,01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらには0.1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらには2重量%以下である。
前記エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2一エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ドデシルメタクリルアミド、シクロドデシルメタクリルアミド、アダマンチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、本発明において特に断らない限り、例えば(メタ)アクリルとはアクリル、及び/又は、メタクリルを意味する。
これらの単量体の中でも、前記エチレン性不飽和単量体として好ましいのは、本発明に係る難燃性発現の観点から、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が2以下のアルキル(メタ)アクリレートであり、より好ましいのは、単独重合体のガラス転移温度が40℃以上、さらに好ましくは60℃以上、さらには90℃以上である単量体のみを用いる場合であり、そのようなより好ましい単量体としてはスチレン、α一メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルメタクリレート等である。
このような好ましい単量体に必要に応じて、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル系単量体又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、有機フォスフォニウム塩、有機スルフォニウム塩や有機アンモニウム塩、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル系単量体、オキセタンメタクリレート等のオキセタン環含有ビニル系単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体等の官能基含有ビニル系単量体を併用することもできる。
以下では、本発明をより具体的に表す実施例を説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下における測定および試験はつぎのように行った。
(重合転化率)
得られたラテックスの一部を採取・精秤し、130℃の熱風乾燥器中で1時間乾燥後の固形分量を精秤することでラテックス中の固形成分比率を求め、下記数式1によりで算出した。なお、連鎖移動剤は仕込み単量体として取り扱った。
Figure 2010196009
(体積平均粒子径)
シードポリマー、ポリオルガノシロキサン粒子およびグラフト共重合体の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、日機装株式会社製のMICROTRACUPA150を用いて体積平均粒子径(μm)を測定した。
(グラフト率)
本発明のグラフト共重合体約2gを精秤したのち、約100gの2一ブタノンを抽出溶媒として12時間その中に浸漬した。超遠心分離機によりゲル分を沈降させて上澄みとゲル分を分離した。回収されたゲル分に対し2一ブタノンの追加と超遠心分離操作をさらに2回繰り返して行なった。超遠心分離は1回あたり30,000rpm・1時間の条件で実施した。回収されたゲル分を乾燥させ、重量を精秤した。ゲル分含有率を下記数式2に従って求めた。
Figure 2010196009
次に先の2一ブタノン可溶成分の上澄みすべてをあわせて溶液が約20gになるまで濃縮し、これを300mlのメタノール中に滴下してメタノール不溶の成分(フリーポリーマー)を再沈殿した。フリーポリマーを回収・乾燥して電量を精秤し、フリーポリマー含有率を下記数式3に従って求めた。
Figure 2010196009
使用した原料に基づいて下記数式4を求め、ゲル分含有率、フリーポリマー含有率、シロキサン使用率を用いて下記数式5としてグラフト率を求めた。
Figure 2010196009
Figure 2010196009
(還元粘度)
上記と同様に分別してフリーポリマーを得た。これを0.2g/100cm3のアセトン溶液とし、30℃で還元粘度を測定した。
(重量平均分子量)
ポリマーを、約0.2%のテトラヒドロフラン(THF)溶液とし、その溶液をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析することにより重量平均分子量(Mw)を決定した。GPC分析においては東ソー(株)社製HLC−8220GPCシステムを使用し、カラムはTSK Guardcolumn Super HZ−HおよびTSKgel Super HZM−H(東ソー(株)製)を用い、THFを溶出液とし、ポリスチレン換算で解析した。
(耐衝撃性)
ASTMD−256に準じて、アイゾット試験により評価した。
(難燃性)
UL94垂直試験に準じて行った。
(耐熱性)
ASTM D648に準じ、測定荷重1.8MPaで評価した。
(曲げ弾性率)
ISO 178に準じて測定した。
(製造例:ポリオルガノシロキサン粒子(S−3)の製造)
イオン交換水200重量部、アルキル基の平均鎖長が12のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸
(DBSA)1重量部、平均分子量2000の末端ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(DHPDMS)97.5重量部、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(DSMA)2.5重量部からなる混合物を、ホモミキサーにより10000rpmで5分間撹搾後、高圧ホモジナイザーに500barの圧力下で3回通過させてシロキサンエマルジョンを調製した。このエマルジョンを速やかに撹搾機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5ロフラスコに一括して仕込んだ。系を撹搾しながら、30℃で6時間反応させた。その後、23℃に冷却して20時間放置後、系のpHを3重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で6.8にして重合を終了し、ポリオルガノシロキサン粒子(S−3)を含むラテックスをえた。重合転化率は97%、ポリオルガノシロキサン粒子のラテックスの体積平均粒子径は0.28μm、ポリオルガノシロキサン成分の重量平均分子量は23万であった。
(製造例:ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(SG−10)の製造)
撹搾機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口および温度計を備えた5ロフラスコに、イオン交換水240重量部(オルガノシロキサン粒子を含むラテックスからの持ち込み分を含む)、及び上記ポリオルガノシロキサン粒子(S−3)のラテックスを固形分相当で83.5重量部を仕込み、系を撹搾しながら窒素気流下に重合である温度60℃まで昇温した。その温度に到達してから1時間後に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.25重量部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA)0.002重量部、及び硫酸第一鉄0.0005重量部を添加したのち、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)2重量部、及びクメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.05重量部からなるグラフト単量体の混合物(MG−1)を一括で追加し、30分間撹搾を続けた。
その後、さらにクメンハイドロパーオキサイドを0.04重量部添加して30分間撹搾した後、メチルメタクリレート(MMA)14.5重量部、2−エチルヘキシルチオグリコレート(2EHTG)0.06重量部、及びCHP0.145重量部からなるグラフト単量体の混合物(MG−2)を20重量部/時間の追加速度で滴下追加した。MG−2追加終了後、さらに2時間撹搾を続け、さらにCHP0.05重量部を添加してから30分間撹搾を続けることによってポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(SG−10)のラテックスを得た。グラフト成分すべての重合転化率は100%であり、ラテックスの体積平均粒子径は0.30μmであった。
70℃に加温しミスト状に噴霧した前記ラテックスに、90℃に加温しミスト状に噴霧した10重量%塩化カルシウム水溶液を固形分で4重量部相当となるように接触させて凝固スラリーを得た。得られた凝固スラリーを125℃まで加熱し、2分間保持した後、50℃まで冷却して脱水、樹脂量の15倍の水で2回洗浄後、乾燥させてポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体SG−10の粉体を得た。上述したグラフト率は1.12、還元粘度は0.08dl/g、フリーポリマーの重量平均分子量は11万2000であった。
(参考実施例1、参考比較例1〜3:PC/ABS樹脂の難燃化)
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体SG−10、市販の耐衝撃性改良剤であるMBS樹脂((株)カネカ製、商品名:カネエースB−564)、市販のアクリル系耐衝撃性改良剤((株)カネカ製、商品名:カネエースM−580)、のいずれかの粉体5重量部を、又は耐衝撃性改良剤0重量部として、PTFE(ダイキン工業株式会社製、ポリフロンFA−500(登録商標))0.5重量部、市販の顔料(東罐マテリアル・テクノロジー(株)製、製品番一号:42−120A)1重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化工業株式会社製、商品名:AO−60)0.2重量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業株式会社製、商品名:HP−10)0.2重量部、タルク(林化成社製、商品名:ミクロンホワイト5000S)1重量部と共に、マトリクス樹脂であるポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製、商品名:タフロンA2200)80重量部、及びABS樹脂(日本A&L(株)、商品名:サンタックAT−08)20重量部からなるPC/ABSに対して配合して各々の樹脂組成物を得た。
得られた各々の樹脂組成物を2軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX44SS)で240℃にて溶融混錬し、ペレットを製造した。得られたペレットを用いて、シリンダー温度235℃に設定した株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機で厚さ1/8インチの難燃性評価用試験片および厚さ1/4インチの耐衝撃性・耐熱性・曲げ弾性率評価用試験片を作製した。得られた試験片を用いて前記評価方法に従って評価した。成形体の耐衝撃性(−30、23℃)と難燃性、耐熱性、ならびに曲げ弾性率の結果を表1に併せて示す。
Figure 2010196009
表1に見るように、参考比較例に比べ、参考実施例の樹脂組成物を用いた場合には難燃性、耐衝撃性がともに優れることが分かる。
(実施例1)
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(SG−10)を5重量部含む、前記参考実施例1の樹脂組成物に、縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名:PX−200)19重量部、及び繊維強化剤として、繊維長さの重量平均値が100μmのCFを、大気中280℃で熱酸化処理して表面に酸素含有基有を形成したCF30重量部を添加して得た樹脂組成物につき、上述と同様の方法で、その成形体の耐衝撃性、難燃性、耐熱性、及び曲げ弾性率を評価したところ、参考実施例1の評価結果と比べて、耐衝撃性は大幅に向上しており、難燃性も大幅に向上しており、耐熱性はやや劣り、曲げ弾性率は大幅に向上する結果となった。
本実施例の樹脂組成物を、株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機を用いて、厚さ1.6mmのUL94垂直試験用成形体を作成し、難燃性を評価した結果、V−0相当の結果となった。
(比較例1)
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(SG−10)を5重量部含む、前記参考実施例1の樹脂組成物に、縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名:PX−200)19重量部を添加して得た樹脂組成物につき、上述と同様の方法で、その成形体の耐衝撃性、難燃性、耐熱性、及び曲げ弾性率を評価したところ、参考実施例1の評価結果と比べて、耐衝撃性は劣り、難燃性は向上しており、耐熱性は大幅に劣り、曲げ弾性率はやや向上する結果となった。
(実施例2)
実施例1で作成した樹脂組成物をシリンダー温度235℃に設定した株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機を用いて50mm×75mm×2mmのプレート状成形体に加工し、この成形体表面にキャッピング樹脂をオーバーモールドするオーバーモールド成形法を用いて、キャッピング用アクリル樹脂コンパウンド(株式会社カネカ製、商品名:カネエースMC、カラー:ナチュラル)をオーバーモールド成型したサンプルは、意匠性に優れ携帯電話筐体に適していたが、色目に関しては黒色以外で用いることは困難と考えられた。
(実施例3)
実施例2同様にして、キャッピング用アクリル樹脂コンパウンド(株式会社カネカ製、商品名:カネエースMC、カラー:レッド)をオーバーモールド成形したサンプルは、意匠性に優れ携帯電話筐体に適していた。色目に関しては赤色のものが得られた。
(実施例4)
ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体SG−10の粉体5重量部を、縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名:PX−200)17重量部、及び繊維強化剤として、繊維長さの重量平均値が100μmのCFを、大気中280℃で熱酸化処理して表面に酸素含有基を形成したCF15重量部、PTFE(ダイキン工業株式会社製、ポリフロンFA−500(登録商標))0.6重量部、市販の顔料(東罐マテリアル・テクノロジー(株)製、製品番一号:42−212A)1重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化工業株式会社製、商品名:AO−60)0.2重量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業株式会社製、商品名:HP−10)0.2重量部と共に、マトリクス樹脂であるポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトL1225WP)89重量部、及びPLA樹脂(ユニチカ株式会社製、商品名:テラマックTE−2000)11重量部からなるPC/PLAに対して配合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX44SS)で160℃〜240℃に温度勾配をかけた設定温度で溶融混錬し、ペレットを製造した。得られたペレットを用いて、シリンダー温度225℃に設定した株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機で厚さ1.6mmの難燃性評価用試験片および50mm×75mm×2mmのプレート状成形体を得た。1.6mmの難燃性評価用試験片を用いて難燃性評価した結果、V−0相当の結果を得た。
(実施例5)
実施例4で得たプレート状成形体にキャッピング用アクリル樹脂コンパウンド(株式会社カネカ製、商品名:カネエースMC、カラー:ブルー)をオーバーモールド成形したサンプルは、意匠性に優れ携帯電話筐体に適していた。色目に関しては青色のものが得られた。

Claims (7)

  1. マトリクス樹脂100重量部、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体0.1〜20重量部、ポリテトラフルオロエチレン0.1〜2重量部、リン系難燃剤1〜25重量部、及び繊維強化剤5〜50重量部を含む樹脂組成物。
  2. 前記マトリクス樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂、及びポリヒドロキシアルカノエート樹脂からなる群から選ばれる2種以上のポリマーアロイである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記マトリクス樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系樹脂のポリマーアロイである、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記繊維強化剤が、カーボン繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を成型してなる成型体。
  6. 請求項5に記載の成型体の表面にキャッピング樹脂をオーバーモールドしてなる成形体。
  7. 請求項5に記載の成型体からなる携帯電話筐体。
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