JP2010201866A - 金型装置、断熱部材および金型装置の製造方法 - Google Patents

金型装置、断熱部材および金型装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
隣接部材との間の摩擦が小さく、製造が容易で耐久性に優れた、断熱部材を備えた樹脂射出成形用金型装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
金型装置の断熱部材は、平坦な背面と表面とを有する板部と、板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、隔壁の各々は平行な側壁面と表面と平行な頂面とを有する、第1部材と、平坦な背面と表面とを有する板部と、板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、隔壁の各々は平行な側壁面と表面と平行な頂面とを有し、かつ第1部材の隔壁を挿入できる溝が形成された、第2部材と、を有し、第1部材と第2部材とを背面を外側にして対向させ、第1部材の隔壁が第2部材の溝内に挿入されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、樹脂射出成形装置に適した断熱部材およびその製造方法に関し、特に製造が容易で耐久性に優れた、樹脂射出成形装置に適した断熱部材およびその製造方法に関する。
導光板、位相フィルム等の光学フィルム、コンパクトディスク(CD),デジタルバーサタイルディスク(DVD)等の光メディアの樹脂成形においては、平面や曲面で形成される金型上に極微細な凹凸形状を有するスタンパを配置し、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂をスタンパ上に供給ないし充填し、スタンパの極微細な凹凸形状を樹脂成形品に高精度に転写する樹脂成形方法が広く採用されている。
以下、射出成形法に付いて説明する。射出成形法は、樹脂射出成形装置の加熱シリンダ内において加熱、溶融された樹脂が、金型装置内のキャビティに充填され、該キャビティ内において冷却、固化されて成形品が形成される。
樹脂射出成形装置は、射出装置、及び樹脂成形装置としての金型装置と型締装置を有する。射出装置は、樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、加熱シリンダの前端に取り付けられ、溶融させられた樹脂を射出する射出ノズル、加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリュー等を備える。金型装置は固定金型及び可動金型を備え、型締装置によって可動金型を進退させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行なわれ、型締めに伴って、固定金型と可動金型との間にキャビティが形成される。
そして、計量工程において、スクリューが回転させられると、加熱シリンダ内で溶融された熱可塑性樹脂がスクリューの前方に蓄えられ、それに伴って、スクリューが後退させられる。この間に、金型装置の型閉じ及び型締めが行なわれる。続いて、射出工程において、スクリューが前進させられ、スクリューの前方に蓄えられた樹脂が射出ノズルから射出され、スタンパが配置されたキャビティに充填される。次に、冷却工程において、キャビティ内の樹脂が冷却、固化される。続いて、型開きが行なわれ、成形品が取り出される。大量生産においては、同一サイクルが繰り返される。ここでキャビティ内に流入する溶融樹脂は、300℃〜400℃であり、取出時には百数十℃まで低下しているので、スタンパ表面は、百数十℃以上の温度サイクルに曝される。
ところで、近年、サイクル時間を短くして生産性を向上させる要求が強まっており、サイクル時間を短縮するために、溶融樹脂の冷却時間の短縮が図られている。このため、溶融樹脂と接する前の金型表面やスタンパ表面の温度は、用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度より数十℃低く設定されている。
しかしながら、溶融樹脂がキャビティ内に流れ込み、金型表面やスタンパ表面に接すると、一瞬にして樹脂表面が冷却され、固化層(スキン層)が形成される。このスキン層が発達しすぎると、転写不良やウェルドラインの発生等を引き起こす。
さらに、極微細な形状を高精度に転写する要求がますます強くなっている。高精度の転写性を維持しつつ、サイクル時間を短くして生産性を向上する1つの方法は、冷却水路の変更であるが、この対応には限界が来ている。
特許第3066254号(特開平7−178774号)は、成形中の熱可塑性材料の初期冷却の遅延化を目的として、スタンパと支持体との間に断熱層を挿入することを開示している。断熱層は、プラスチック、多孔質金属、セラミクス、低伝熱性合金等の低伝熱性材料で製造する。さらに、厚さ方向中央部を低密度、縁部を高密度とすることを提案している。
熱可塑性材料は金型の比較的冷たい表面に接触して当初は冷却されて一時的にガラス転移温度より低温になるものの、熱した溶融熱可塑性材料からは熱エネルギが供給される。断熱層を備えていることで、熱伝導による放熱は抑制される。金型表面が再加熱され、表面温度はガラス転移温度よりも上昇する。従って、熱可塑性材料の急冷による粗面化を防止でき、転写性を向上させることができる
また、国際公開WO2007/123210号は、対向配置される一方の金型と転写プレートとのいずれかの上に成長させた断熱層を有する樹脂成形装置を提案し、断熱層は一方の金型または転写プレートを基板とし、ハニカム状の開口パターンを有するレジストマスクを用いてニッケルメッキにより壁状の断熱層を成長させることも提案している。ハニカム状のニッケル壁の間の空隙が断熱機能を発揮し、伝熱性を低下させる。したがって、成形材料が有する熱エネルギが一方の金型に逃げるのを抑制することができ、スキン層が形成されるのを抑制することができる。また、成形装置の温度を低く設定することができるので、一方の金型および転写プレートの温度の下降速度を高くすることができ、成形サイクルを十分に短くすることができる。
断熱層のような断熱機能を有する部材を、断熱部材と、スタンパや転写プレートのような凹凸パターンを転写するための部材を転写部材と呼ぶことがある。
熱可塑性樹脂材料の射出成形用金型は、溶融樹脂による加熱、冷却水などの冷却材による冷却の熱サイクルに繰り返し曝される。各部材は、熱サイクルによって、位置に応じた温度変化を受け、熱膨張、熱収縮を繰り返す。金型部材、断熱部材、転写部材を全て金属で形成しても、温度分布により、熱膨張、熱収縮の量は部材により異なる。対向する面間の摩擦が大きいと、部材間に大きな応力が働く。
特許第3066254号公報 特開平7−178774号公報 国際公開WO2007/123210号公報
本発明の1つの目的は、隣接部材との間の摩擦が小さく、製造が容易で耐久性に優れた、樹脂射出成形装置に適した断熱部材およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、熱抵抗の調整が容易な断熱部材およびその製造方法を提供することである。
本発明の1観点によれば、
平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材と、
平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有し、かつ前記第1部材の隔壁を挿入できる溝が形成された、第2部材と、
を有し、前記第1部材と前記第2部材とを前記背面を外側にして対向させ、前記第1部材の隔壁が前記第2部材の溝内に挿入されている断熱部材
が提供される。
本発明の他の観点によれば、
a)平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材を2つ作製する工程と、
b)前記第1部材の一方の隔壁に、溝を作製して第2部材を作製する工程であって、前記第2部材の溝は前記第1部材の隔壁を挿入できるように作製する工程と、
c)前記第1部材の隔壁を前記第2部材の溝に挿入して、前記第1部材と前記第2部材を組み合わせる工程と、
を含む断熱部材の製造方法
が提供される。
両面が平坦であるため、隣接部材との間の摩擦を小さくすることができる。
断熱部材を2つの部材の嵌めこみ構造とすることにより空隙部を作ることで、断熱性を高くでき、隔壁を格子状とすることで耐久性も高くできる。
直線状の隔壁は製造が容易である。
図1A,1Bは、実施例1による断熱部材の基本的構造を示す概略断面図および、断熱部材の隔壁部の概略平面図である。 図2A−2Dは、2つの部材で断熱部材を形成する実施例1の製造方法の主要工程を示す概略斜視図である。 図3A−3Cは、実施例1の製造方法の変形例の主要工程を示す概略斜視図である。 図4A−4Cは、高い熱抵抗を得ることができる実施例2による断熱部材の製造方法の主要工程を示す概略斜視図である。 図5A,5Bは、実施例3による断熱部材の構成を示す概略断面図である。 図6A,6Bは、断熱部材を備えた樹脂射出成形装置の構成を示す概略断面図および一部拡大断面図である。 図7は、断熱部材を有さない金型装置の構成を示す概略断面図である。 図8は、断熱部材を備えた金型装置の構成を示す概略断面図である。 図9は、断熱部材の有無による金型装置の特性を比較して示すグラフである。
まず、金型装置の基本構成を考察する。
図7に示すように、例えば導光板を成形するための金型装置101は、固定された固定金型102と進退自由に配設された可動金型103を有する。可動金型103は、上板121と、上板121を受ける下板122を備える。上板121の上に転写プレート134が配設される。転写プレート134上面には微細な凹凸が所定のパターンで形成されている。型締装置104によって可動金型103が前進されて、型閉じが行なわれ、可動金型103が固定金型102に当接されて型締が行なわれる。固定金型102と可動金型103の間に断面形状矩形のキャビティC1,C2が形成される。
固定金型102に形成されたスプルー105は、キャビティC1,C2とゲートg1、g2を介して連通し、溶融樹脂をキャビティC1,C2に流し込める。下板122には温度調節流路123が形成され、水等の温調流体を流すことにより、金型装置および樹脂を冷却する。キャビティC1,C2に流し込まれた樹脂は、冷却されて固化し、成形品として取り出される。金型装置の温度を低くしすぎるとスキン層が発達しすぎ、転写不良を発生しやすくなる。また、溶融樹脂の流動性を確保するため金型装置の温度を高くすると、その分、冷却時間が長くなり、成形サイクルが長くなってしまう。
図8は、断熱部材(断熱層)を設けた、例えば導光板を成形するための金型装置161を示す。可動金型103のベース部の上面に断熱部材140が形成され、その上に転写プレート134が取り付けられている。型締が行なわれた金型装置のスプルー105から溶融樹脂130が射出され、溶融樹脂130はゲートg1、g2を介してキャビティC1,C2に充填される。金型装置161には、温度調節流路123が形成され、水等の温調流体を流すことにより金型装置および樹脂を冷却する。その結果、キャビティC1,C2に充填された樹脂は、冷却され、固化される。このとき、断熱部材140により、熱抵抗が高くなるため、金型装置の温度を低く設定しても、溶融樹脂130から金型への熱流が抑制され、転写プレート134の初期到達温度を高くでき、スキン層の発達しすぎを抑制できる。樹脂が冷却する過程では金型装置の設定温度が低いため、冷却が速やかに進む。
図9は、金型装置の特性を示す図である。横軸は時間を、縦軸は温度を示す。曲線L1は断熱部材なしの金型装置101を使用して樹脂を成形した時の転写プレート134の温度を示し、曲線L3は断熱部材を備えた金型装置161を使用して樹脂を成形したときの転写プレート134の温度を示す。
まず、断熱部材なしの場合の特性(曲線L1)から説明すると、樹脂が金型101のキャビティC1,C2内に流入されると、この溶融された樹脂は高温であるため、転写プレート134の温度は急激に上昇する。しかしながら、冷却水によって冷却されている下板122側に多くの熱が奪われるため、転写プレート134の温度は、転写が完了する時刻t1で温度T1となる。従って充填された溶融樹脂は転写完了時刻t1までに急激に冷却されることになり、スキン層が形成され易く、また形成されたスキン層が発達し易い。転写完了後、時刻t2でキャビティ内に充填された樹脂が固化し取出可能となる温度T2に到達し、金型が型開開始するが、金型装置の温度が高めに設定されているので転写プレート134の温度は非常に緩やかに下降するため、成形サイクルが長くなってしまう。ところで、樹脂に転写される凹凸パターンの深さは、形成されるスキン層の厚さに対してかなり小さい。樹脂が多少固化したスキン層に凹凸パターンを転写するためには、金型装置の型締めによって発生させられる圧縮力により、スキン層を押しつぶし、塑性変形させて凹凸パターンに沿わせる必要があるが、大きな圧縮力をかける必要があるので、転写プレートの凹凸パターンが劣化しやすくなってしまう。
一方、断熱部材を備えた場合の特性(曲線L3)においては、樹脂の有する熱エネルギが可動金型103側に逃げるのを抑制できるので、下板122の冷却能力を高く設定しても、転写プレート134の温度をT1以上に長時間保つことができる。従って、転写が完了するまで樹脂の流動性が確保され、スキン層の発達を抑制することができ、転写性を改善することができる。転写後は、下板122の冷却能力が高く設定されているので、急激に転写プレート134の温度を下げることができる。したがって、時刻t3で樹脂が固化し取出可能となる温度T2に到達させることができるので、成形サイクルを短くすることができる。樹脂が多少固化したスキン層を金型装置の型締めによって発生させられる圧縮力により、押しつぶし、塑性変形させて転写プレートの凹凸パターンに沿わせるとき、その圧縮力を小さくすることができるので、転写プレートの凹凸パターンの劣化を防止することができる。したがって、転写プレートの耐久性を向上させることができる。
このように高温の樹脂を充填した時、断熱部材なしの場合は金型に急速に熱が奪われるため、転写プレートの初期の温度上昇が抑えられ、断熱部材を用いた場合は金型に奪われる熱が抑制されるため、転写プレートの初期の温度上昇が大きいと考えられる。冷却時は、断熱部材なしの場合に比べて、断熱部材を用いた場合は金型の温度を低く設定できるため、冷却速度が速くなることが判る。
したがって、断熱部材を用いると樹脂成形サイクルのサイクル時間の短縮に有効であることが判る。ところで、断熱部材を金属で形成する場合、熱伝導率を下げるためには空隙部を作ることが望まれる。空隙部を作るために、レジストマスクを用いてメッキにより隔壁を形成すると、上面は凹凸を有する構造となり、断熱部材の表面が凹凸を有すると隣接部材との摩擦が大きくなってしまう。
本発明者らは、断熱部材を両面が平坦で内部に空隙部を有する金属構造によって製造することを考えた。
図1A,1Bは、実施例1による断熱部材の基本的構造を示す概略断面図および、断熱部材の隔壁部の概略平面図である。図1Aに示すように、平行平坦面を有する下板部1の上に、隔壁部2が配置され、さらにその上に平行平坦面を有する上板部3が配置されている。下板部1の下面、上板部3の上面は平坦かつ滑らかであり摩擦の少ない面接触を可能とする。図1Bに示すように、隔壁部2は正方格子状の形状を有し、空隙部4を取り囲む形状を有する。空隙部は空気ないし他の気体で満たされるので、断熱性が高い。隔壁部2は上板部3、下板部1間を機械的、熱的に接続する。空隙部の面積を大きく、隔壁部の面積を小さくするほど、また隔壁の高さを高くするほど、熱抵抗は大きくなる。隔壁間の距離を適切に設定することにより、断熱部材としての熱的特性は面内でほぼ均一とすることができる。正方格子形状とすることにより、高耐久性を実現し、かつ、図中横方向と縦方向の機械的特性を同等とすることができる。閉じた空隙部は、むく材からの加工では作製できず、複数の部材を組み合わせることで得られる。
図2A−2Dは、2つの部材で断熱部材を形成する実施例1の製造方法の主要工程、および得られる構造を示す概略斜視図である。図2Aに示すように、平坦な背面と表面を有する板材を機械加工することにより、平坦な背面と表面を有する板部1(3)の上に平行な側壁面と板部表面と平行な頂面とを有する直線状隔壁(凸部)2aが平行に並んだ第1部材11を作製する。板材の表面部を直線に沿ったストライプ状に除去する加工は容易に行なうことができる。図2Bに示すように、図2A同様、板材を機械加工することにより、平坦な背面と表面を有する板部3(1)の上に平行な側壁面と板部表面と平行な頂面とを有する直線状隔壁(凸部)2bが平行に並んだ第2部材12を作製し、さらに隔壁2bに直交する溝13を機械加工で作製する。溝形成加工も直線に沿ったストライプ領域を除去する加工なので、容易に行なうことができる。本実施例では、隔壁2a,2bは同一の高さ、幅、ピッチを有する。溝13は、隔壁2bの高さと同一の深さ、隔壁2aを挿入できる幅を有し、隔壁2aと同一ピッチで形成する。例えば、溝13の断面形状は隔壁2aの断面形状と同じである。第1部材11、第2部材12の各背面は、平坦かつ滑らかな面とする。図2Cに示すように、隔壁2a,2bが対向するように、第1部材11、第2部材12の一方を反転し、さらに隔壁2aの面内位置を、溝13の面内位置と位置合わせする。図2Dに示すように、第1部材11、第2部材12を互いに接近させ、隔壁2aを溝13に挿入し、突き当たるまで進める。隔壁2a,2bは対向する板部3,1の表面に当接する。このようにして、図1A,1Bに示す構成を有する断熱部材が作製される。
図3A−3Cは、実施例1の製造方法の変形例の主要工程を示す概略斜視図である。
図3Aに示すように、平坦な表面を有する超硬合金の板材を機械加工することにより、平行な側壁面と表面と平行な底面とを有する直線状溝22が平行に並んだ成形母型21を作製する。溝は同一寸法であり、所定ピッチで配置する。加工は直線に沿ったストライプ領域の除去であり、容易に行うことができる。平坦な表面を有する金属ガラスの板状被成形材24を支持板で保持して成形母型21上方に配置する。
金属ガラスは、原子が広範囲に亘って無秩序に配列したアモルファス合金(非晶質合金)であり、その金属組成を選択することにより、高強度、高硬度、高靭性、低ヤング率、高耐食性、軟磁性、低熱伝導率等の特性を持たせることができる。金属ガラスは転写成形性に優れており、ガラス転移温度以上に加熱して、加圧することで、容易に転写成形でき、高精度の転写を可能とする。したがって、微細構造を有し、耐久性に優れ、かつ扱いやすい断熱部材を実現することができる。
金属ガラスの板状被成形材24及び成形母型21を金属ガラスのガラス転移温度以上に加熱し、被成形材24を成形母型21に押し当て、プレスする。被成形材24は、変形しつつ、溝22に入り込む。溝22を埋め込んでプレスを終了し、冷却後、成形された被成形材24を溝と平行な方向に押し出し、成形母型21から離型して、取り出す。
図3Bに示すように、板部1の上に直線状隔壁2a(2b)が平行に並んだ第1部材11が得られる。ハニカム構造ないし格子構造の隔壁を転写で作製しようとした場合、離型が困難であったが、直線状の平行溝の場合、成形母型から被成形材を容易に離型できることが確認された。同一成形母型を用いて繰り返しプレス転写を行なうことにより、各部材を機械加工により作製する場合より、効率的に複数の第1部材を作製することができる。第1部材11を2つ作製し、その一方をさらに加工して第2部材を作製する。
図3Cに示すように、一方の第1部材11を機械加工することにより、隔壁2bに直交する溝13を作製する。溝13は、隔壁2a(2b)の高さと同じ深さ、隔壁2aを挿入できる幅を有し、隔壁2aと同一ピッチで形成する。例えば、溝13の断面形状は、隔壁2aの断面形状と同一とする。得られた部材は、隔壁2bに溝13が形成された第2部材12となる。このようにして得られた第1部材11、第2部材12は、図2A,2Bに示す第1部材、第2部材と同等である。図2Cに示すように2つの部材を嵌合することにより、図2Dに示す断熱部材が得られる。
実施例1では隔壁の頂面は、対向する板部表面に接触している。すなわち、両表面間が連続する部材で占有されるのは、隔壁のみとなる。熱抵抗の調整は、1)隔壁の高さ調整によって、2)空隙部と隔壁との面積比の調整によって、行うことができる。隔壁2aが溝13底面には接するが、対向する板部表面からは離隔するようにすると、熱抵抗は大きく増大する。
図4A−4Cは、高い熱抵抗を得ることが容易な、実施例2による断熱部材の製造方法の主要工程、および得られる構造を示す概略斜視図である。
図4Aに示すように、実施例1ないしその変形例同様の工程により、板部1(3)の上に直線状隔壁2a(2b)が平行に並んだ第1部材11を2つ作製する。
図4Bに示すように、図2B,3C同様、一方の第1部材11を機械加工することにより、隔壁2bに直交する溝13を作製し、第2部材12Xを形成する。第2部材12Xは、平坦な背面と表面とを有する板部と、板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁2bと、を含み、隔壁2bの各々は平行な側壁面と表面と平行な頂面とを有し、かつ第1部材の隔壁2aを挿入できる幅、隔壁2bの高さより浅い深さを有する溝13を有する。例えば、溝の深さを隔壁の高さの半分程度とする。
図4Cに示すように、2つの部材11,12Xを嵌合することにより断熱部材が得られる。溝深さが隔壁高さより浅いので、隔壁2a,2bの頂面は、対向する板部1(3)の表面に達せず、間に空隙を形成する。空隙を挟むことにより、熱抵抗は大幅に増大する。本実施例において両表面間が連続する部材で占有されるのは隔壁2a,2bの交差部のみとなる。本実施例においては、第1部材、第2部材とも隔壁頂面が対向する板部表面から離されている。
図5A,5Bは、隔壁の一部は対向する板部表面に接するが、他の一部は対向する板部表面から離される実施例3による構成を示す。
図5Aは、第1部材11が高い隔壁2cを有し、第2部材12が低い隔壁2dを有する場合を示す。第2部材12の隔壁2dに、実施例1同様、隔壁2dの高さと同じ深さの溝を形成する。第1部材11の隔壁2cを第2部材12の隔壁2dに形成した溝に挿入すると、第1部材11の隔壁2cの頂面は対向する第2部材12の板部表面に達するが、第2部材12の隔壁2dの頂面は第1部材の板部表面には達しない。この場合、対向板部表面に達しない隔壁2dのピッチを短くして、機械的強度の方向による差を緩和してもよい。なお、高い隔壁2cに短い隔壁2dを収容する溝を形成することもできる。
図5Bは、同一の板部上に高さの異なる隔壁を形成する場合を示す。板部1上に、高い隔壁2cと低い隔壁2dを、例えば交互に、作製した第1部材11(第2部材12)を作製する。図3Aに示す製造方法の場合、成形母型21に形成する溝22を深さの異なる2種類とすればよい。2つの第1部材11を作製し、一方の第1部材11の隔壁2c,2dに、実施例1同様、隔壁高さと同じ深さを有し、板部表面に達する溝を機械加工で作製して第2部材12とする。第1部材11の隔壁2c,2dを第2部材12の溝に挿入する。高い隔壁2cは対向する板部表面に達するが、低い隔壁2dは対向する板部表面に達しない。
図6Aは、このように作製した断熱部材を組み込んだ樹脂成形装置の構成を示す概略断面図である。樹脂成形装置150において、固定金型102、可動金型103は対向配置され、キャビティを画定する。固定金型102、可動金型103はそれぞれ冷却水路123を有する。固定金型102の上に断熱部材140が配設され、その上にスタンパ134が配設される。断熱部材140、転写部材としてのスタンパ134は固定金型102の表面にメカニカルチャックおよびエアチャックを介して把持される。
図6Bに示すように、ヒートサイクルに基づく熱伸縮による、スタンパ134や固定金型102との摩擦を軽減するために、断熱部材140のスタンパ134側表面および固定金型102側表面にはDLC(ダイアモンドライクカーボン)などの低摩擦、耐磨耗性材料145がコーティングされている。低摩擦、耐磨耗性材料は断熱部材140のスタンパ134側表面だけにコーティングしてもよく、固定金型102側表面だけにコーティングしてもよい。固定金型102、可動金型103間のキャビティに樹脂130が流入する。
光メディアの成形では、12cm直径の円盤に最大300kg/cm程度以上の圧力が印加される。スタンパ134は、例えばニッケルの電気めっきで製作され、0.3mm程度の厚さ、サブミクロンサイズの微細な凹凸模様を有する。断熱部材140は円盤状のプレートである。断熱部材140の厚さは、薄すぎると断熱効果が不十分となり、転写精度が低下し、厚すぎると、断熱効果が高くなりすぎ、長い冷却時間を必要として成形サイクルが長くなる。従って、断熱部材140の全厚さおよび隔壁部の厚さは適切な厚さに設定することが望ましい。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、成形母型によって成形する被成形材として金属ガラスを用いたが、金属粉を含むグリーン等、被成形性を有する金属を用いることができる。その他、種々の変更、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 下板部、
2 隔壁部、
3 上板部、
4 空隙部、
11 第1部材、
12 第2部材、
13 溝、
21 成形母型、
22 溝、
24 被成形材。

Claims (14)

  1. 一方の金型と、転写部材と、前記一方の金型と前記転写部材の間に配置された断熱部材とを有する金型装置において、前記断熱部材が、
    平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材と、
    平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有し、かつ前記第1部材の隔壁を挿入できる溝が形成された、第2部材と、
    を有し、前記第1部材と前記第2部材とを前記背面を外側にして対向させ、前記第1部材の隔壁が前記第2部材の溝内に挿入されている、
    金型装置。
  2. 前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁は、直交している請求項1記載の金型装置。
  3. 前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁は等しい高さを有する請求項1又は2記載の金型装置。
  4. 前記第2部材の溝の深さが前記第1部材の隔壁の高さと等しく、前記第1部材の隔壁の頂面は対向する前記第2部材の前記表面に接する請求項3記載の金型装置。
  5. 前記第2部材の溝の深さが、前記第1部材の隔壁の高さより浅い請求項3記載の金型装置。
  6. 前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁は異なる高さを有する請求項1又は2記載の金型装置。
  7. 前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁の一部の前記頂面は対向する部材の前記表面に接し、前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁の残り部分の前記頂面は対向する部材の前記表面から離されている請求項1または2記載の金型装置。
  8. 前記第1部材、前記第2部材は金属ガラスで形成されている請求項1〜7のいずれか1項記載の金型装置。
  9. 一方の金型と、転写部材と、前記一方の金型と前記転写部材の間に配置された断熱部材とを有する金型装置用の断熱部材であって、
    平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材と、
    平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有し、かつ前記第1部材の隔壁を挿入できる溝が形成された、第2部材と、
    を有し、前記第1部材と前記第2部材とを前記背面を外側にして対向させ、前記第1部材の隔壁が前記第2部材の溝内に挿入されている、
    金型装置用の断熱部材。
  10. 前記第1部材の隔壁と前記第2部材の隔壁は等しい高さを有し、前記第2部材の溝の深さが前記第1部材の隔壁の高さと等しく、前記第1部材の隔壁の頂面は対向する前記第2部材の前記表面に接し、前記第2部材の隔壁の頂面は対向する前記第1部材の前記表面に接する請求項9記載の金型装置用の断熱部材。
  11. 一方の金型と、転写部材と、前記一方の金型と前記転写部材の間に配置された断熱部材とを有する金型装置の製造方法において、
    a)平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材を2つ作製する工程と、
    b)前記第1部材の一方の隔壁に、溝を作製して第2部材を作製する工程であって、前記第2部材の溝は前記第1部材の隔壁を挿入できるように作製する工程と、
    c)前記第1部材の隔壁を前記第2部材の溝に挿入して、前記第1部材と前記第2部材を組み合わせて断熱部材を構成する工程と、
    を含む金型装置の製造方法。
  12. 前記工程a)は、
    a-1)平坦な表面を有する超硬合金の板材に平行な側壁面と前記表面と平行な底面とを有する直線状の溝を複数平行に作製した成形母型を準備する工程と、
    a-2)前記成形母型に金属ガラスの板材をプレスして、平坦な背面と表面とを有する板部と、前記板部の表面上に平行に形成された直線状の複数の隔壁と、を含み、前記隔壁の各々は平行な側壁面と前記表面と平行な頂面とを有する、第1部材を2つ作製する工程と、
    を含む請求項11記載の金型装置の製造方法。
  13. 前記工程b)が、隔壁の高さと同じ深さの溝を形成する請求項11または12記載の金型装置の製造方法。
  14. 前記工程b)が、隔壁の高さより浅い深さの溝を形成する請求項11または12記載の金型装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012187728A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Polyplastics Co 射出成形品の製造方法及び射出成形品
CN104690930A (zh) * 2013-12-10 2015-06-10 深圳信息职业技术学院 一种蒸汽加热式高光注塑模具
CN104690890A (zh) * 2013-12-10 2015-06-10 深圳信息职业技术学院 一种电加热式高光注塑模具

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