JP2010204591A - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた回路配線基板 - Google Patents

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健太郎 林
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Abstract

【課題】硬化物が可とう性を備えた感光性樹脂組成物を提供するとともに、屈曲性に優れ、硬化又は加工の際に高温処理を必要としない絶縁皮膜が形成された回路配線基板を提供すること。
【解決手段】(A)ラジカル重合性の不飽和結合を有するポリアミド酸樹脂、及び(B)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、(A)成分は、原料として芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、全ジアミン成分100モルに対して脂肪族ジアミンを30〜100モルの割合で含むジアミン成分と、を反応させて得られる、下記一般式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂であり、(A)成分100重量部に対し(B)成分を0.5〜20重量部含有する。
Figure 2010204591

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド酸樹脂と光重合開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物およびこれを用いた回路配線基板に関するものであり、詳しくは、プリント配線基板用のレジスト組成物やプリント配線基板用の保護膜形成の目的に適した新規なポリアミド酸樹脂を含有する感光性樹脂組成物、および回路配線基板に関する。
近年、紫外線硬化型の感光性樹脂組成物は、高生産性、低公害性、省エネルギー性などのさまざまな理由により塗料、接着剤、レジストなど幅広い分野で多用されている。プリント配線板の加工分野においても、ソルダーレジストインクなどのさまざまなインク方式のカバー材が従来のスクリーン印刷方式から紫外線硬化型組成物に置き替わりつつある。
また、電子技術の著しい進歩による高密度化ならびに軽量化が進むにつれて、プリント配線基板は、従来のリジット(硬質)基板からフレキシブル基板に代替が進みつつある。これまで、感光性樹脂をリジット基板のカバー材として用いる場合、硬化後のカバー材の特性として柔軟性はそれほど求められていなかった。しかし、フレキシブル基板にカバー材を用いる場合、フレキシブル基板の特性を生かすために、カバー材も柔軟性、耐屈曲性のより高いものが要求されるようになった。カバー材の柔軟性が低い場合、基板に積層した際にフレキシブル基板としての屈曲性が低くなる等の問題があり、従来の感光性カバー材の材質では、フレキシブル基板への適用に限界があるという問題があった。
そこで、低弾性を発現する成分としてシロキサンポリイミドを主成分とした組成物が提案されている(特許文献1及び2)。このような組成物では加工後の基板の反りが低減されるものの、例えば近年製品開発が盛んなスライドフォン(二つの筐体間でスライドさせる方式の携帯電話)やHDD(ハードディスクドライブ)用のフレキシブル基板等のように、より高い屈曲耐性が求められる用途に使用する際には、耐屈曲寿命が十分ではないという問題があった。
また、カバー材用の樹脂組成物を硬化させる際に高温で加熱を行うと、銅などの金属配線の酸化を誘発して導通性能を低下させたり、脆弱な酸化層の形成によって生じる密着力の低下や耐薬品性の低下、メッキ液の染込みなどの悪影響があることから、極力低い温度域で硬化できる性質の樹脂組成物の開発が望まれていた。
特開2004−294882号公報 再公表06−109514号公報
本発明は、硬化物が可とう性を備えた感光性樹脂組成物を提供するとともに、屈曲性に優れ、硬化又は加工の際に高温処理を必要としない絶縁皮膜が形成された回路配線基板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のジアミンと酸無水物を重合して得られるポリアミド酸樹脂を含有する感光性樹脂組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(A)ラジカル重合性の不飽和結合を有するポリアミド酸樹脂、及び
(B)光重合開始剤
を必須成分として含有する感光性樹脂組成物であって、
(A)成分は、原料として、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、全ジアミン成分100モルに対して脂肪族ジアミンを30〜100モルの割合で含むジアミン成分と、を反応させて得られる、下記一般式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂であり、(A)成分100重量部に対し、(B)成分を0.5〜20重量部含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
Figure 2010204591
一般式(1)において、Arは芳香族テトラカルボン酸からカルボキシル基を除いた4価のテトラカルボン酸残基を示し、Rは脂肪族ジアミンからアミノ基を除いた2価の残基を示し、X及びXは独立に、ヒドロキシル基又はラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基を示す。
そして、(A)成分の原料であるジアミン成分が、脂肪族ジアミンと、ラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンとを含有し、該脂肪族ジアミンと該芳香族ジアミンとのモル比(脂肪族ジアミン/芳香族ジアミン)が30/70〜95/5であることが好ましい。
さらに、(A)成分100重量部に対して、更に、(C)単官能又は多官能の(メタ)アクリレートを5〜60重量部含有することが有利である。
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を、溶剤に溶解してなるワニス状の感光性樹脂組成物である。更に、本発明は、上記のワニス状の感光性樹脂組成物を、基材フィルム上に塗布、乾燥してなるフィルム状の感光性樹脂組成物である。更にまた、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を、パターニングされた導体層を有する回路配線基板上に被膜として形成した後、露光、現像、硬化してネガ型の絶縁被膜を形成してなる回路配線基板である。
本発明の感光性樹脂組成物は、その硬化物が高い柔軟性と可とう性を有するので、耐折り曲げ性、屈曲性に優れている。従って、柔軟特性が要求されるフレキシブルプリント配線板製造用のソルダーレジストやメッキレジスト等として好ましく用いることができる。
また、本発明の感光性組成物は、室温での保存安定性が高く、また、200℃以下の低温域で硬化可能であることから、金属配線への影響も低減できる。さらに、本発明の感光性組成物は、紫外線を用いた回路加工の後、希アルカリ水溶液での現像も可能である点で、ソルダーレジスト材料やメッキレジスト材料等のフレキシブルプリント配線板製造用レジストとしての用途に好適である。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について説明し、次に、フィルム状の感光性樹脂組成物及びこれを用いた本発明の回路配線基板について説明するが、共通する部分は同時に説明する。まず、本発明の感光性樹脂組成物の各構成要素について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分及び(B)成分を含有する。(A)成分は、ラジカル重合性の不飽和結合を有するポリアミド酸樹脂であり、(B)成分は、光重合開始剤である。
本発明における(A)成分は、原料として、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、全ジアミン成分100モルに対して脂肪族ジアミンを30〜100モルの割合で含むジアミン成分と、を反応させて得られるポリアミド酸樹脂である。また、(A)成分は、少なくとも上記式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂である。
上記(A)成分の原料であるジアミン成分は、全ジアミン成分100モルに対し、脂肪族ジアミンを30〜100モル、好ましくは50〜95モル、より好ましくは60〜90モルの割合で含有することがよい。原料である全ジアミン成分100モルに対し、脂肪族ジアミンが30モル未満の場合は、十分な屈曲性が得られないことがある。
また、感光性樹脂組成物の硬化物において良好な耐屈曲性を発現させるために、(A)成分の重量平均分子量は、2万〜30万が好ましく、4万〜20万がより好ましい。(A)成分の重量平均分子量が2万未満では十分な屈曲性が得られないことがあり、30万を超えると現像液に対する溶解性が低下する場合がある。
(A)成分のポリアミド酸樹脂は、その分子内に重合可能なラジカル重合性の不飽和結合を有することにより、光又は光重合開始剤の作用によって架橋可能となる。なお、(A)成分におけるラジカル重合性の不飽和結合は、式(1)で表される構成単位に含まれていてもよいし、式(1)以外の構成単位に含まれていてもよい。ラジカル重合性の不飽和結合が式(1)で表される構成単位に含まれる形態としては、式(1)中のRにラジカル重合性の不飽和結合が存在する形態か、あるいはX及び/又はXがラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基である形態が挙げられる。
(A)成分のポリアミド酸樹脂を製造する際に原料として使用するラジカル重合性の不飽和結合を有するジアミン成分[ラジカル重合性の不飽和結合を有する脂肪族ジアミン及び/又は脂肪族ジアミン以外の、ラジカル重合性の不飽和結合を有するジアミン]は、全ジアミン成分100モルに対し、1〜70モルの範囲内で用いることが好ましく、5〜30モルの範囲内で用いることがより好ましい。このような範囲とすることで、ラジカル重合性を低下させずに、所望の硬化性能を発揮させることができる。
上記式(1)において、Arは芳香族テトラカルボン酸からカルボキシル基を除いた4価のテトラカルボン酸残基を示す。芳香族テトラカルボン酸としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することが多いので、Arのいくつかの例を、原料となる芳香族テトラカルボン酸二無水物を示すことによって説明する。芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-、1,2,4,5-、1,4,5,8-、1,2,6,7-又は1,2,5,6-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-、2,2',3,3'-又は2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などを挙げることができる。また、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。有利には、ピロメリット酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が例示されるが、これらの中でも、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物が好ましい。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
式(1)において、Rは脂肪族ジアミンからアミノ基(−NH2)を除いた2価の残基を示すが、直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、不飽和結合を有してもよい。側鎖にアルキル基やヒドロキシル基、フェニル基等を導入することで、現像液への溶解性や、配向性を制御することができる。硬化物に適度な可とう性や現像性を付与するために、Rの主鎖は炭素数4以上のアルキレン基又はフェニレン基が好ましく、炭素数6以上のアルキレン基がより好ましい。Rが炭素数6以上のアルキレン基を有する脂肪族ジアミンを使用することによって、感光性樹脂組成物の硬化物における屈曲性が高くなる傾向となる。この傾向は、脂肪族ジアミンの分子構造における屈曲部位の増加に起因するものと考えられる。このような観点で、高屈曲性を確立させるためには、Rの主鎖はアルキレン基もしくはエーテル含有アルキレン基とし、アミノ基間の炭素、酸素数の平均値は好ましくは4以上、より好ましくは6以上である脂肪族ジアミンを使用することが望ましい。使用する脂肪族ジアミンは単独でもよいし、炭素数が異なる脂肪族ジアミンを2種類以上混合して用いてもよい。
原料のジアミン成分の一部分をなす脂肪族ジアミンは、以下の一般式(2)で示すことができる。
2N−R1−NH2 … (2)
上記のように、R1は脂肪族基であるが、R1として好ましいものを、脂肪族ジアミンの例示によって説明すると、次の化合物が挙げられる。例えば1,2−エタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、1,16-ヘキサデカンジアミン、1,18-オクタデカンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン(MPMD)、1,8-オクタン-ジアミン(OMDA)、1,9-ノナンジアミン(NMDA)、2-メチル-1,8-オクタンジアミン(MODA)、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン(TMHMD)、2,4,4-トリメチルヘキサ-メチレンジアミン(TMHMD)、5-メチル-1,9-ノナン-ジアミン、1,11-トリデカンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、2-メチルペンタメチレンジアミン、1,4-ブタンジオール-ビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,7-ジアミノ-4-オキサヘプタン、1,10-ジアミノ-4,7-ジオキサデカン、1,14-ジアミノ-4,7,10-トリオキサテトラデカン、1,20-ジアミノ-4,17-ジオキサエイコサン、1,12-ジアミノ-4,9-ジオキシドデカン、1,5−ジアミン−2−メチルペンタン、トリス(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。これらの脂肪族ジアミンは、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
また、式(1)において、X及びXは独立に、ヒドロキシル基又はラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基を示す。
式(1)で示される脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂中のX及びXのうち少なくとも1つがラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基である場合、そのようなポリアミド酸樹脂は、分子内にカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性の不飽和結合との両方を併せ持つ構造の化合物と、芳香族テトラカルボン酸(無水物)とを反応させることにより得ることができる。分子内にカルボキシル基と反応しうる基およびラジカル重合性の不飽和結合を有する構造の化合物としては、水酸基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基等より選ばれる少なくとも1種の基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、アリル化合物などを例示することができる。
(A)成分の好ましい形態としては、下記のA1を含有する酸無水物成分と、下記のA2およびA3を含有するジアミン成分と、を反応させて得られるポリアミド酸樹脂を例示できる。
A1;芳香族テトラカルボン酸二無水物
A2;脂肪族ジアミン
A3;ラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミン
上記の場合、原料のジアミン成分中でA2の脂肪族ジアミンとA3のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンのモル比(A2/A3)が、30/70〜95/5であることが好ましい。すなわち、原料中で、A2の脂肪族ジアミンの量は、全ジアミン成分100モルに対して、30〜95モルの範囲内が好ましく、50〜95モルの範囲内がより好ましく、60〜90モルの範囲内が更に好ましい。また、原料中で、A3のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンの量は、全ジアミン成分100モルに対して、5〜70モルの範囲内が好ましく、5〜50モルの範囲内がより好ましく、10〜30モルの範囲内が更に好ましい。原料中のジアミン成分の量を以上のような範囲に設定することで、ラジカル重合性を低下させずに、所望の硬化性能を発揮させることができる。
上記A3のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンとしては、好ましくは、下記一般式(3)で表される芳香族ジアミンを例示できる。
Figure 2010204591
(式中、Rは単結合又は2価の有機基を示し、R、Rはラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基を示す。)
式(3)において、Rは、単結合又は2価の基を示すが、単結合、CH、C(CH及びSOから選択されるいずれかであることが好ましい。また、R、Rはラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基を示すが、(メタ)アクリル基、ビニル基又はアリル基を末端又は側鎖に有する1価の有機基が好ましく、より好ましくはCH=CH−R−で表される基がよい。ここで、Rは直結合、炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を示すが、Rが直結合(つまり、式(3)中のR、Rはビニル基)であることが反応性の点では好ましい。そのような式(3)の化合物の具体例としては、2,2’−ジビニル−4,4’‐ジアミノ−ビフェニル等が挙げられる。
本発明に使用される、(A)成分のポリアミド酸樹脂の製造方法の一例について説明する。まず、脂肪族ジアミン及び脂肪族ジアミン以外のジアミンを溶媒中に分散させる。これを攪拌しながら、窒素雰囲気下で、酸無水物を徐々に加える。この後2〜8時間攪拌して反応させることによって(A)成分のポリアミド酸樹脂を得る。このような方法で得られる(A)成分のポリアミド酸樹脂は、重合度が異なる混合物である。なお、ジアミン、酸無水物の投入順序や添加方法を変えるなどして、ランダム重合型又はブロック重合型のポリアミド酸樹脂としてもよい。
上記反応を行う溶媒としては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエンなどの有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。
酸無水物成分とジアミン成分(脂肪族ジアミン又は脂肪族ジアミン以外のジアミン)は、ほぼ等モル量加えることが望ましい。また、反応は室温以下、好ましくは0℃付近で行うことにより、イミド化を進行させず重合させることができる。脂肪族ジアミンを含むジアミン成分と酸無水物の混合割合を変化させることにより、重合度及び酸価を変化させることができる。
このようにして得られる(A)成分のポリアミド酸樹脂は、後述の(B)光重合開始剤と混合して感光性樹脂組成物とされる。この(A)成分のポリアミド酸樹脂は、硬化後であっても可とう性を有するため柔軟性が要求される用途に使用でき、感光性樹脂組成物の樹脂成分として好適に用いることができる。また、(A)成分のポリアミド酸樹脂は、末端又は側鎖にカルボキシ基を有するため、アルカリ水溶液による現像にも適する。
(B)成分の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサソン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサソン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の種々の光重合開始剤が使用可能である。光重合開始剤の好ましい使用量は、(A)成分のポリアミド酸樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分のポリアミド酸樹脂と(B)成分の光重合開始剤を必須成分とするが、他の樹脂や、後述のようにアクリレート等のモノマーからなる樹脂成分(ここで、「樹脂成分」にはモノマーを含む)、さらに、増感剤、溶剤等を必要により加えることができる。このような組成物とすることにより、感光性樹脂組成物としてより優れた特性を有するものとなるだけでなく、その用途も拡大する。なお、本発明の感光性樹脂組成物において、溶剤を加えてワニスの状態とした場合は「ワニス状の感光性樹脂組成物」と記すことがあるが、特に区別する必要がないときは、「感光性樹脂組成物」との表記で代表する。また、本発明の感光性樹脂組成物において、各成分(溶剤を除く)の配合量又は配合割合についての説明は、特に注記しない限り溶剤を含まない状態を意味するものとする。
上記のように、本発明の感光性樹脂組成物には、任意成分として、(C)単官能又は多官能の(メタ)アクリレートを配合することができる。(C)成分は、光重合反応における架橋形成を促進する目的で配合されるものであり、その目的で使用し得るアクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエンエトキシアクリレート等のモノアクリレートや、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ポリエチレングリコール600ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、ビス(アクリロキシエトキシ)テトラブロモビスフェノールA、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート等の多官能アクリレートなどを用いることが可能である。良好な感光性を持ち、現像液への溶解性や樹脂との相分離を避けるため、上記例示のモノマー化合物の中でも、2官能以上であり、骨格中にヒドロキシル基、カルボニル基等の極性基を持つモノマー化合物が好ましい。そのようなモノマー化合物としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(C)成分の(メタ)アクリレートの配合量は、(A)成分のポリアミド酸樹脂100重量部に対して、5〜60重量部の範囲内が好ましく、10〜40重量部の範囲内がより好ましい。
また、上記のように本発明の感光性樹脂組成物には、増感剤を配合することも有利であり、この場合、増感剤としてはベンゾフェノン等の種々の増感作用を持つ化合物が使用できる。増感剤は(A)成分のポリアミド酸樹脂100重量部に対して、0.01〜2重量部添加することが好ましく、0.05〜0.5重量部添加することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、各種有機溶剤等により粘度等を調整することができる。用いるにあたって好ましい有機溶剤を例示すると、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ペグミア)、乳酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエンあるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。溶剤の使用量は感光性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内が好ましい。なお、溶剤を10重量%以上含み常温で液状を示す感光性樹脂組成物は、「ワニス状の感光性樹脂組成物」という。また、ポリアミド酸樹脂製造の際に反応溶媒として使用される有機溶剤が残存する場合は、この溶剤を含めて溶剤量を計算する。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、エポキシ等のカルボキシ基と反応する成分を加えることもできる。そのような成分の添加量は、現像液に対する溶解性を損なわないように感光性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、30重量部未満、好ましくは10重量部未満とするのがよい。
また、感光性樹脂組成物をソルダーレジストの用途で使用する場合は、必要に応じて、例えばフタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の公知顔料をソルダーレジストとしての諸特性を損なわない範囲で添加することができる。その場合の顔料の好ましい添加量は、感光性樹脂組成物(固形分)に対して1〜20重量%の範囲内である。更に、本発明の感光性樹脂組成物には必要に応じて公知のフィラーを添加することが可能であり、感光性塗料としての用途にも応用が可能である。
本発明の感光性樹脂組成物の固形分(モノマーを含み、溶剤を除く)の好ましい組成は、例えば、(A)成分のポリアミド酸樹脂:50〜100重量%、好ましくは60〜90重量%、(B)成分の光重合開始剤:1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、増感剤:0〜2重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、他の樹脂、アクリレート等のモノマーからなる樹脂成分:0〜45重量%、好ましくは10〜30重量%とすることができる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、樹脂成分に上記各種添加物や溶剤を、好ましくは上記比率で配合し、均一に混合することによって柔軟性ならびに諸特性を発現させることができる。そして、本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、粘性液体、ワニス状、インク状の形態や、これらを基材フィルム上に塗布、乾燥して得られるフィルム状、シート状等の形態とすることができる。
[回路配線基板への適用]
本発明の感光性樹脂組成物は、公知の方法に従って使用することができるが、回路配線基板に適用する場合には、スクリーン印刷機やコーターを用いて回路配線基板に5〜100μmの厚さ、好ましくは10〜40μmの厚さで直接塗工することが可能である。塗工された組成物は、50〜120℃の温度で適度に予備乾燥し、その後、所定のマスクパターンを形成したフォトマスクを用いて選択的に露光し、アルカリ水溶液にて現像することにより未露光部を除去し、例えば120〜200℃の温度で20〜120分の熱処理により、残存した露光部を硬化させ、パターニングされたネガ型の絶縁被膜とすることが可能である。本発明の感光性樹脂組成物を光重合させる際の光の波長は、例えば250〜450nmの範囲内であり、特に290〜405nmの範囲内の波長の光を用いることが好ましい。
ここで、本発明の感光性樹脂組成物を現像可能なアルカリ水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム水溶液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度は、例えば1〜5重量%とすることができる。このように、本発明の感光性樹脂組成物は、希アルカリ水溶液による現像が可能であるため、汎用性や環境負荷低減の点で有利である。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、あらかじめフィルム状に形成しておき、それを回路配線基板にラミネートする方法も採用することができる。ラミネートにより得られた回路配線基板は、上記と同様の露光、現像、熱硬化を行うことによりパターニングし、ネガ型の絶縁被膜とすることができる。
このように、本発明の感光性樹脂組成物を回路配線基板に塗布又はラミネートして得られた回路配線基板と感光性樹脂層とを有する積層体は、本発明の感光性樹脂組成物による硬化物(絶縁被膜)が柔軟性に優れることから、例えばソルダーレジストやメッキレジストなどとして、特にフレキシブル配線基板の加工に好ましく用いることができる。その他、本発明の感光性樹脂組成物を用いた回路配線基板は、感光性樹脂組成物の硬化物の耐屈曲性、耐メッキ性等の特性のバランスがよいことから、これらの特性が要求される各種の用途に適している。
[フィルム状感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、予め離型処理されたPETフィルム等の基材に、例えば5〜100μmの厚さ、好ましくは10〜50μmの厚さで感光性樹脂組成物の溶液を塗工し、50〜210℃、好ましくは80〜140℃で仮乾燥を行うことによって、フィルム状感光性樹脂組成物とすることが可能である。なお、フィルム状感光性樹脂組成物を回路配線基板に適用する場合には、ラミネーターを用い、配線基板に熱圧着する方法が一般的であり、その場合のラミネート温度は20〜100℃の温度範囲が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、二重結合などのラジカル重合性の不飽和結合とカルボン酸およびその誘導基を有するため、光又は熱等で重合して三次元構造を有する硬化物を形成する性質を有する。この硬化物中には主として脂肪族ジアミンに由来するアルキル鎖及びアミド結合部位を豊富に含むため、柔軟性が保持される。これらのことから、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物には、通常の感光性樹脂を、単独であるいは混合して硬化させた硬化物に比べて、優れた耐湿性、耐メッキ性、耐屈曲性、可撓性が付与される。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
[光硬化性の評価方法]
光硬化性の評価は、感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が25μmとなるように基材上にキャストし、評価用マスクを用いて露光機(株式会社ハイテック製、高圧水銀灯)を用いて365nmの波長の光で露光した。現像は1wt%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃、40〜200秒で行い、高圧リンスにて洗浄を行った。露光量が500mJ以下で、膜減りすることなく、径500μmのビアホールが解像できた場合を「OK(良好)」とし、できなかったものを「NG(不良)」とした。
[耐屈曲性の評価方法]
耐屈曲性の評価は、フィルム状のサンプルを、0.13mm〜0.91mmの導体幅、0.18mm〜0.20mmの導体間スペースに回路加工した銅張積層板にラミネート、露光、硬化して評価用サンプルを作製し、曲率半径:1.25mm、スライド速さ:1500サイクル/分、スライド長さ:20mmの条件で、感光性樹脂組成物の硬化物を内向けで装着する形で、IPC屈曲試験を行い、回路が断線するまでの屈曲回数によって評価した。
合成例1
窒素注入管を装備した反応器中で、式(2)のRが−(CH)−の脂肪族ジアミンを44.3g(0.38mol)と、式(3)のRが単結合であり、パラ位にアミノ基が位置し、メタ位にビニル基が位置するジアミン(2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル)を10.0g(0.04mol)加え、1080gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に分散させた。これにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を136.4g(0.42mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、(A)成分となるポリアミド酸樹脂1のワニスを得た。GPC(ポリスチレン標準品換算)の測定結果より、得られたポリアミド酸樹脂1の重量平均分子量は4.0×10であった。また、ポリアミド酸樹脂1のDMAc溶液(樹脂濃度:15重量%)の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定したところ200.4Pa・sであった。
合成例2
窒素注入管を装備した反応器中で、(2)中のRが−(CH)12−の脂肪族ジアミンを76.3g(0.38mol)と、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを10.0g(0.04mol)加え、1261gのDMAcに分散させた。これにBTDAを136.4g(0.42mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、(A)成分となるポリアミド酸樹脂2のワニスを得た。得られたポリアミド酸樹脂2の重量平均分子量は3.6×10であった。また、ポリアミド酸樹脂2のDMAc溶液(樹脂濃度:15重量%)の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定したところ153.6Pa・sであった。
合成例3
窒素注入管を装備した反応器中で、式(2)のRが−(CH)−O−(CH)−O−(CH)−の脂肪族ジアミンを56.4g(0.38mol)と、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを10.0g(0.04mol)加え、1129gのDMAcに分散させた。これにBTDAを136.4g(0.42mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、(A)成分となるポリアミド酸樹脂3のワニスを得た。得られたポリアミド酸樹脂3の重量平均分子量は6.0×10であった。また、ポリアミド酸樹脂3のDMAc溶液(樹脂濃度:15重量%)の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定したところ1126Pa・sであった。
合成例4
窒素注入管を装備した反応器中で、式(2)のRが−(CH)−O−(CH)−O−(CH)−の脂肪族ジアミンを77.8g(0.38mol)と、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを10.0g(0.04mol)加え、897gのDMAcに分散させた。これにBTDAを136.4g(0.42mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、(A)成分となるポリアミド酸樹脂4のワニスを得た。得られたポリアミド酸樹脂4の重量平均分子量は6.0×10であった。また、ポリアミド酸樹脂4のDMAc溶液(樹脂濃度:20重量%)の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定したところ5080cPa・sであった。
合成例5
窒素注入管を装備した反応器中で、式(2)中のRが−(CH)−O−(CH)−O−(CH)−の脂肪族ジアミンを38.9g(0.19mol)と、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを30.0g(0.13mol)加え、970gのDMAcに分散させた。これにBTDAを102.3g(0.32mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、(A)成分となるポリアミド酸樹脂5のワニスを得た。得られたポリアミド酸樹脂5の重量平均分子量は7.5×10であった。また、ポリアミド酸樹脂5のDMAc溶液(樹脂濃度:15重量%)の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定したところ2916Pa・sであった。
合成例6
窒素注入管を装備した反応器中で、式(2)中のRが−(CH)10−の脂肪族ジアミンを10.93g(0.04mol)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを10.0g(0.04mol)および数平均分子量約750のポリジメチルシロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製:BY16−853X)を95.21g(0.13mol)加え、553gのDMAcに分散させた。これにBTDAを68.18g(0.21mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、ポリアミド酸樹脂6のワニスを得た。
合成例7
窒素注入管を装備した反応器中で、数平均分子量約750のポリジメチルシロキサンジアミン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製:BY16−853X)を126.95g(0.17mol)と、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルを10.0g(0.04mol)を加え、615gのDMAcに分散させた。これにBTDAを68.18g(0.21mol)加え、室温、窒素雰囲気下で5時間攪拌することによって、ポリアミド酸樹脂7のワニスを得た。
実施例1
合成例1で得られたポリアミド酸樹脂1のワニス(ポリアミド酸樹脂として100重量部。以下、同じ)に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製:PET−30)30重量部、光重合開始剤(Ciba Specialty Chemicals Inc.製:OXE−02)3重量部を配合し、ワニス状感光性樹脂組成物を得た。これを予め離型処理されたPETフィルム上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗工し、110℃で10分間乾燥させることで、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
上記のワニス状感光性樹脂組成物を調製後、23℃の恒温室で保管した。保管3日後、上記と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物を調製したが、全く問題は生じなかった。また、感光性樹脂組成物の特性についても、何ら問題は生じなかった。
実施例2
実施例1において、PET−30を30重量部配合の代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製:TMPTA)を30重量部配合したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例2で得られたポリアミド酸樹脂2のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例3で得られたポリアミド酸樹脂3のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例4で得られたポリアミド酸樹脂4のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例5で得られたポリアミド酸樹脂5のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例6で得られたポリアミド酸樹脂6のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、ポリアミド酸樹脂1のワニスの代わりに、合成例7で得られたポリアミド酸樹脂7のワニスを使用したこと以外は実施例1と同様にして、フィルム状感光性樹脂組成物とした。この感光性樹脂組成物の配合割合と特性の評価結果を表1に示す。
以上の結果をまとめて表1に示す。なお、表中の「部」は重量部を意味する。
Figure 2010204591
表1に示されるように、実施例1〜6では、原料となる全ジアミン成分100モルに対して脂肪族ジアミンを30〜100モルの割合で含むジアミン成分をテトラカルボン酸無水物と反応させて得られる、式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂を含有する感光性樹脂組成物を使用したため、硬化物は、耐屈曲性に優れていた。一方、感光性樹脂組成物の原料のジアミン成分として、シロキサン系ジアミンを含むが脂肪族ジアミンの含有量が少ない比較例1や、式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂を全く含有しない感光性樹脂組成物を使用した比較例2では、屈曲耐性が著しく劣っていた。

Claims (6)

  1. (A)ラジカル重合性の不飽和結合を有するポリアミド酸樹脂、及び
    (B)光重合開始剤
    を含有する感光性樹脂組成物であって、
    (A)成分は、原料として、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、全ジアミン成分100モルに対して脂肪族ジアミンを30〜100モルの割合で含むジアミン成分と、を反応させて得られる、下記一般式(1)で表される構成単位を有する脂肪鎖含有ポリアミド酸樹脂であり、(A)成分100重量部に対し、(B)成分を0.5〜20重量部含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2010204591
    (式中、Arは芳香族テトラカルボン酸からカルボキシル基を除いた4価のテトラカルボン酸残基を示し、Rは脂肪族ジアミンからアミノ基を除いた2価の残基を示し、X及びXは独立に、ヒドロキシル基又はラジカル重合性の不飽和結合を有する1価の有機基を示す。)
  2. (A)成分の原料であるジアミン成分が、脂肪族ジアミンと、ラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンとを含有し、該脂肪族ジアミンと該芳香族ジアミンとのモル比(脂肪族ジアミン/芳香族ジアミン)が30/70〜95/5であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. (A)成分100重量部に対して、更に、(C)単官能又は多官能の(メタ)アクリレートを5〜60重量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を、溶剤に溶解してなるワニス状の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のワニス状の感光性樹脂組成物を、基材フィルム上に塗布、乾燥してなるフィルム状の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を、パターニングされた導体層を有する回路配線基板上に被膜として形成した後、露光、現像、硬化してネガ型の絶縁被膜を形成してなる回路配線基板。
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