JP2010211027A - モアレ縞抑制フィルム、及びモアレ縞抑制機能付きプリズムシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示装置に用いられるバックライトユニット用のモアレ縞抑制フィルムとして用いられたときに、薄い膜厚でモアレ縞を抑制する効果が高く、同時に均一な拡散光を発生することができ、かつバックライトユニットや液晶表示面の高い正面輝度を維持することが可能なモアレ縞抑制フィルムを提供することに。
【解決手段】 樹脂バインダー中に光拡散粒子の分散した光拡散層を、光透過性基体上に有し、前記光拡散粒子は非球状の多孔質粒子で、体積平均粒径dが4μm以下、細孔容積が1.0〜2.0ml/gであり、かつ前記光拡散層表面の中心線平均粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とするモアレ縞抑制フィルムを提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置(LCD)等のバックライトユニットの構成部品として用いられる、モアレ縞抑制フィルムに関するものである。
コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等に装備されている液晶ディスプレイ装置において、その液晶表示面を背面側から照明するための装置として、バックライトユニットが組み込まれている。液晶ディスプレイ装置の、一般的な構成の一例を図1に示す。従来のバックライトユニット2においては、冷陰極管(CCFL)・発光ダイオード(LED)などの光源3から発せられた光を、反射シート6などで反射させながら導光板5に入射させ、該導光板5の上面から出射された光を、光拡散フィルム(下拡散フィルム)7を通して正面方向に集光させる。光拡散フィルム(下拡散フィルム)7からの出射光は、プリズム列が形成されたプリズムシート8のプリズム列の形成されていない面(非プリズム面)から入射させ、プリズム列の形成されている面(プリズム面)から出射させることにより、さらに正面方向に強く集光される。こうしてプリズム面から出射された光は、液晶表示面を有する液晶モジュール1の下面より入射され、背面側からの照明として利用される。プリズムシート8と液晶ユニット1との間に、光拡散フィルム(上拡散フィルム)9が配置される場合もある。
このように、プリズムシート8には、光拡散フィルム(下拡散フィルム)からの出射光を、透明基体面上に形成したプリズム斜面で屈折させ、より正面方向に偏向させることによって、液晶ディスプレイの観察者から見た正面方向の輝度を高める働きがある。このときプリズムシート8を光路に配置する向きとしては、非プリズム面を導光板の出射面に向けて配置してもよいし、逆にプリズムの稜を導光板の出射面に向けて配置してもよいが、従来のバックライトユニットにおいては、プリズムシートへの入射角の調整が不要のため、非プリズム面を導光板の出射面に向けて配置される場合が多い。
プリズムシートは、一般的に、連続するプリズム列がその稜を互いに等間隔かつ平行に維持して形成され、個々のプリズム単位は通常は断面が二等辺三角形である。そのため、等間隔に配列された液晶セルの区画と重なると、モアレ縞と呼ばれる可視のパターンが形成され、画像を観察したとき濃淡模様が観察される場合がある。
モアレ縞は、プリズム列のピッチと、液晶パネルの画素のピッチとの間で起こる、それぞれのピッチ間隔より粗い縞模様のことである。
このようなモアレ縞が生じると、液晶表示面の背景に濃淡の縞模様が生じるため、表示画像の画質低下の原因となる。特に高分解能表示が必要な液晶表示装置においてはモアレ縞の抑制が重要となっている。
モアレ縞を発生し難くする手段としては、プリズムシートの出射側に光拡散フィルム(上拡散フィルム)を挿入することが行われている。上拡散フィルムの挿入は、モアレ縞低減の効果が必ずしも十分ではなく、液晶表示面の輝度を低下させる原因となるが、モアレ縞低減の実効的な対策として、従来から採用されてきた。良好な光拡散を行うことによってモアレ縞も解消するため、従来よりモアレ縞の抑制は光拡散フィルムの副次的効果として考えられ、独立して設計されることはほとんど無かった。また光拡散を有利にするために比較的膜厚の厚いものが多かった。
しかし、最近液晶表示装置の、より一層の薄型化の要請が強く、バックライトユニットについても従来と同等の性能を維持しつつ、その構成要素の削減、構成要素及び全体構成の薄型化が検討されている。例えば、プリズムシートのプリズムの稜を導光板の出射面に向けて配置したバックライトユニットにおいては、導光板の出射面とプリズムシートとの間に光拡散フィルムを配置しなくても、導光板の設計とプリズムシートの設計との組み合わせによっては十分な集光効果を得ることができる。
片面にプリズム列を有するプリズムシートを、光路に挿入する際、非プリズム面を導光板の出射面に向けて配置するか、またはプリズムの稜を導光板の出射面に向けて配置するかによる、集光効果の違いを以下に説明する。
プリズムシートの非プリズム面を導光板の出射面に向けて配置した、一般的なバックライトユニットの各光学素子の配置を図2及び図3に示す。導光板15上面から出射した光は、光拡散フィルム(下拡散フィルム)17の拡散効果により、より正面方向へ集光され、出射角分布に広がりをもった出射光となって、プリズムシート18の非プリズム面から入射する。そして、プリズムシート基体を経てプリズム列から出射されるまでの間に、出射角分布の広がった光がさらに正面方向に偏向されて出射される。プリズム列の屈折による偏向角度には限りがあるため、バックライト正面方向の輝度分布を高くかつ均一にするためには、一旦光拡散フィルムで正面方向に偏向させた光をプリズムシートに入射させる必要があり、光拡散フィルム(下拡散フィルム)17が必須であった。しかも正面方向の広い角度に拡散された光をバックライト正面方向へ効率良く集光させるためには、プリズムシート18を2枚重ねとし、プリズム列がほぼ直交するように配置させる必要があり、光拡散フィルム(下拡散フィルム)1枚とプリズムシート2枚、合わせて少なくとも3枚の光学シートが必要であった。
一方、プリズムシートのプリズム面を導光板の出射面に向けて配置したバックライトユニットの各光学素子の配置を、図4に示す。導光板25上面から出射した光は、空気層を経てプリズム列に進み、プリズム列32中のプリズム単位の一方の斜面から稜内部へ入射後、臨界角より大きい入射角で他方の斜面に入射した光は、この斜面によって全反射を受け、大きく方向を変えてバックライト正面方向へ集光され出射される。従って、導光板の出射光方向等の特性に合わせたプリズム列の設計を行うことにより、光拡散フィルム(下拡散フィルム)を用いることなく、しかも1枚のプリズムシートだけで、バックライト正面方向への高い輝度分布の実現が可能である。
このように、上記のようなプリズムシートの配置をとることにより、部品点数を減らすことができ、バックライトユニットの薄型化が可能となり、しかも生産性が向上するという利点があった。しかし、反面、下拡散フィルムを用いる従来のバックライトユニットの場合と比較して、モアレ縞がより強く観察されやすく液晶表示装置の表示面の画質低下を発生させる傾向があった。従来、プリズムシートの非プリズム面である出射側に、光拡散機能を有するフィルムを設置して、プリズムシートからの出射光をより均一化する試みが行われている。しかし、モアレ縞の抑制に主眼をおいた検討はなされておらず、その抑制が不十分であったり、抑制はされるものの正面輝度が犠牲になったりして、効率的でかつ十分なモアレ縞の抑制は実現されていない。
従来より、部品点数を減らす長所のある、プリズムシートのプリズム面を導光板の出射面に向けた構成を用いたバックライトユニットが種々検討されているが、モアレ縞抑制の対策は不十分でいずれも解決すべき課題を有している。例えば以下の構成のバックライトユニットは、モアレ縞抑制にいずれも若干の効果はあると思われるが、依然として不十分である。例えばバックライトの明るさの均一性を得るための手段として、プリズムシートの非プリズム面を粗面としたものが検討された(例えば特許文献1参照)。また、導光板からの出射光をプリズムシートのプリズム面に入射させ、出射側の非プリズム面に、表面を凹凸加工したり、拡散粒子を含有させた拡散板を配置することが検討された(例えば特許文献2参照)。また、入射面にプリズム状レンズを形成させ、出射面に光拡散材を含有する光拡散層を備えたものが検討された(例えば特許文献3参照)。
しかし非プリズム面に従来の粗面化加工をほどこしただけの特許文献1のプリズムシートでは、部品点数は減らせるものの、モアレ縞を抑制するには不十分である。またプリズムシートの非プリズム面である出射面側に、拡散板を挿入する特許文献2の構成では、導光板用の反射板に形成されたドットイメージを除去するのには効果的であるが、モアレ縞の除去については検討されていない。かりに拡散板で除去することを考慮すると、拡散板の厚さが厚くなるため、液晶表示面の輝度低下を起こしやすく、また液晶表示装置全体の薄型化の妨げとなる可能性がある。さらに非プリズム面に従来の光拡散層を施した特許文献3のプリズムシートでは、視野角を広くする効果は得られ、部品点数は減らせるもののモアレ縞を抑制する効果は限られており、かりに抑制できたとしても液晶表示面の輝度低下を招く可能性があった。
このように特許文献1〜特許文献3に記載されたプリズムシートにおいては、それらプリズムシートの出射面側に種々の光拡散層が形成されている。しかしそれら光拡散層の構成は、表面を粗面化したり、従来使用されている光拡散材を含有させたりする、従来の均一な光拡散を得るための構成と変わりが無く、プリズム面を導光板の出射面に向けるモアレ縞の一層発生しやすい構成を用いているにもかかわらず、特にモアレ縞の低減について新たな検討がなされていない。すなわち、特許文献1〜特許文献3の文献に記載されたプリズムシートにおいては、プリズムシート出射面からの集光した光をさらに光拡散層に入射させ、このため液晶表示面の輝度が低減しているが、一方、モアレ縞の低減については必ずしも大きな効果が得られていない。そしてさらに液晶表示装置全体を薄膜化しようとする最近の技術の流れに対して、それに応える薄膜化の検討もなされていない。いずれにしてもこれらプリズムシートの光拡散層はモアレ縞の発生防止を本来の目的としておらず、その効果も限られたものであった。
一方拡散効率の高い拡散粒子として多孔質粒子を含有する光拡散層を有する光拡散フィルムが検討されている(特許文献4、又は特許文献5参照)。特許文献4には平均一次粒子径が、2.5μm以上、10μm以下である球状多孔質シリカと樹脂バインダーから形成される光拡散層を有する光拡散フィルムが記載されている。特許文献5には、透明な基材層中に多孔質の透明微粒子が分散した光拡散シートが記載されている。しかしこれら光拡散フィルムや光拡散シートは、多孔質粒子の使用による光拡散機能の向上を目的としてはいるが、基本的な機能や使用形態は従来の光拡散フィルムやシートと質的に異なるものではない。多孔質粒子を有する光拡散層に固有の、かつ従来にはなかった顕著なモアレ縞抑制機能を発揮させる使用方法をしたものではなく、またモアレ縞抑制のためにその構成を検討、最適化したものでもない。他の特許文献と同様、これら光拡散フィルムや光拡散シートも均一な光拡散を第一目的としており、モアレ縞の発生防止の効果は副次的で、その効果の大きさも限られたものであった。
モアレ縞は光学材料によって周期的な強度変化を受けた光の間で発生する。このため一般的に周期的な強度変化を消失させるような強い光拡散作用によってその発生を抑制することができる。したがって、光拡散層中の拡散粒子濃度を増加させ、あるいは光拡散層の膜厚を十分に厚くした光拡散フィルムを光路内に挿入することによって、対処を行うことが可能である。しかしこのように、従来の光拡散フィルムの光拡散機能の向上のみによってモアレ縞の抑制を行うと、正面方向への光量が不足してバックライトユニットや液晶表示装置の正面輝度の低下を招きやすい。さらに光拡散フィルム自体を厚膜化してしまうと、バックライトユニットや液晶表示装置に対する薄型化への要請にも応えられない。
光拡散を行うために用いることの出来る方法には種々の方法があり、それぞれの光拡散の必要とされる状況に対して最も適した方法が検討され用いられてきた。しかし、これまで、モアレ縞に焦点を絞って、その抑制という観点からこれら方法の検討なされておらず、バックライトユニット全体の薄膜化の要請に応えつつ、より効率的で、正面輝度の低下への悪影響を最低限に留めうるモアレ縞の抑制方法が求められていた。
特開平5−341132号公報 特開平9−211230号公報 特開平10−160914号公報 特開2004−061598号公報 特開2004−348000号公報
本発明の目的は、液晶表示装置に用いられるバックライトユニット用のモアレ縞抑制フィルムとして用いられたときに、薄い膜厚でモアレ縞を抑制する効果が高く、同時に均一な拡散光を発生することができ、かつバックライトユニットや液晶表示面の高い正面輝度を維持することが可能なモアレ縞抑制フィルムを提供することにある。特に導光板の出射面側にプリズム面を配置した構成のバックライトユニットに適用されたときに、バックライトユニット全体の薄膜化、均一な拡散光の生成、及びモアレ縞の抑制のを実現することができるモアレ縞抑制フィルムを提供することにある。
本発明者らは、特定の細孔容積を有する多孔質粒子を用い、この多孔質粒子を拡散粒子として含有する光拡散層を有するモアレ縞抑制フィルムにおいて、多孔質粒子の体積平均粒径と光拡散層表面の中心線平均粗さを特定の範囲とすることによって、光拡散層の膜厚がたとえ薄くても、正面輝度を大幅に下げることなくモアレ縞を効果的に防止し、かつ均一な拡散光によって、バックライトユニットや液晶表示装置の一様な輝度分布が実現できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、樹脂バインダー中に光拡散粒子の分散した光拡散層を、光透過性基体上に有する光拡散シートであって、前記光拡散粒子は非球状の多孔質粒子で、体積平均粒径dが4μm以下、細孔容積が1.0〜2.0ml/gであり、かつ前記光拡散層表面の中心線平均粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とするモアレ縞抑制フィルムを提供する。
さらに本発明は前記光拡散層の前記光透過性基体を挟んで反対側に、互いに平行な稜を有するプリズム形状が形成されたことを特徴とするモアレ縞抑制機能付きプリズムシートを提供する。
さらに本発明は、導光板と導光板の少なくとも片側端面側に配置された光源と、前記導光板の出射面側に、プリズム面を該出射面側に配置したプリズムシートを有し、かつ該プリズムシートの出射面側に前記モアレ縞抑制フィルムを有するバックライトユニットを提供する。
さらにまた本発明は導光板と導光板の少なくとも片側端面側に配置された光源と、前記導光板の出射面側に、プリズム面を該導光板の出射面側に向けて配置された前記モアレ縞抑制機能付きプリズムシートを有するバックライトユニットを提供する。
さらにまた本発明は、前記モアレ縞抑制フィルムや前記モアレ縞抑制機能付きプリズムシートを備えた前記バックライトユニットを有する液晶表示装置を提供する。
モアレ縞は、異なる周期構造を有する二つの構成物の重なりを、光が透過するときに発生する光学的効果であるから、その光路を効果的に散乱することにより発生を抑制することができる。そのためにモアレ縞抑制フィルムは、必ずしも高いヘイズ値を満たす必要はなく、モアレ縞を発生する周期構造より細かな構造による拡散光を発生することが効果的である。
本発明のモアレ縞抑制フィルムの光拡散層に含有される多孔質粒子は、細孔容積が1.00〜2.00ml/gと多くの細孔を含有し、かつ該細孔はバインダー樹脂及び空気を含んでいるため、光拡散層に入射した光はこれら細孔と多孔質粒子を保持するバインダー、及び細孔内のバインダー樹脂及び空気を通過する間に極めて多数回にわたって反射、屈折を繰り返す。結果として通常の樹脂粒子と比較すると、比較的少ない含有量の多孔質粒子、比較的膜厚の薄い光拡散層によっても良好に光を散乱する。このためモアレ縞抑制フィルムへの入射光を良好に散乱してモアレ縞の発生を抑制しつつ、プリズムシート透過時の光損失を低減することができ、全光線透過率を高い値に維持できるため、液晶表示面の正面輝度を高く保ちつつ、モアレ縞の発生を抑制することができる。本発明が有する上記効果の理由は必ずしも明らかではないが、基本的にこれら多孔質粒子は、多孔質粒子表面に粒子径のオーダーよりもさらに数段細かい凹凸を有しており、それらは通常、プリズムの稜線ピッチや液晶素子の画素のピッチに比べてより細かくなっている。このため、多孔質粒子表面の細かな構造による反射や屈折を介して、プリズムや液晶画素等の規則的な構造を通過する光線の光路がより効果的に散乱され、少ない多孔質粒子の添加量であっても、表面にそのような細かい凹凸を有しない光拡散粒子に比べて、はるかに少ない添加量で有効にモアレ縞の発生を抑制できると考えられる。
さらに本発明のモアレ縞抑制フィルムは、多孔質粒子として体積平均粒径のできるだけ細かいものを使用することが好ましく、多孔質粒子の体積平均粒径dが4μm以下である。この様に粒径の細かい多孔質粒子を光拡散層内に均一に分散させることにより、視認可能な塗膜ムラの発生や、不均一なヘイズ、不均一な光拡散光の発生を抑制することができる。さらに本発明においては光拡散層表面の中心線平均粗さRaが0.5μm以下である、このような数値範囲の中心線平均粗さを有する場合には、拡散層表面の凹凸発生の原因となる、光拡散層内での多孔質粒子の重なり合いや凝集が発生していないと考えられ、このため光拡散層の場所によって光拡散機能の大きな差違が発生せず、まだら模様や塗工ムラのない均一な光拡散光を得ることができる。
本発明のモアレ抑制機能付きプリズムシートは、プリズムの稜線を有する面とは反対側の面に上述の光拡散層が形成されているため、プリズムによる光源光の偏向作用と、偏向された光源光を上述のように効果的に散乱してモアレ縞の発生を抑制する作用とを、1枚のシートで同時に奏することができるため、正面輝度が高くかつ均一な拡散光を得ることができる。
さらに本発明のバックライトユニットは、上記のモアレ縞抑制フィルムを有しているため、モアレ縞の発生が効果的に抑制され、かつ高い正面輝度を維持することができる。さらにこのバックライトユニットはその面光源の輝度ムラにおいて、多孔質粒子の偏在によるまだら模様を発生せず、発光の均一性が損なわれることがない。
本発明のモアレ縞抑制フィルムは、光透過性基体の一方の面に、樹脂バインダーと多孔質粒子を含有する光拡散層を有し、該光拡散層の多孔質粒子の体積平均粒径が4μm以下、細孔容積が1.0〜2.0ml/gであって、さらに前記光拡散層表面の中心線平均粗さRaが、0.5μm以下である。このため細孔による拡散効率が極めて良好で、少ない粒子含有量、薄い膜厚でもモアレ縞を抑制すると同時に高い正面輝度を達成することができる。さらに体積平均粒径の小さい多孔質粒子を均一に光拡散層中に分散させたその結果、光拡散層の中心線平均粗さが0.5μm以下と小さくできるので、光拡散層中に表面凹凸の原因となるような多孔質粒子の偏在や重なり合いが発生しておらず、ヘイズ値の場所的な変動によるまだら模様が視認されることがない。
本発明のモアレ縞抑制フィルムは、導光板と導光板の少なくとも片側端面側に配置された光源と、前記導光板の片側出射面側にプリズムの稜を導光板の出射側に向けて配置されたプリズムシートとを有し、極めてモアレ縞の発生し易いバックライトユニットの構成において、図5にしめすように前記プリズムシートの出射面側に配置されたとき、高い正面輝度を維持しつつ、モアレ縞を極めて効果的に抑制する。さらにフィルム自体の膜厚が薄いため、上記バックライトユニットの構成の特長であるバックライトユニット全体の薄さに対して妨げとならず、モアレ縞抑制フィルムによってまだら模様が発生することもない。
本発明の光拡散機能付きプリズムシートは、光透過性基体を挟んで光拡散層の反対側に互いに平行な稜を有するプリズム形状が形成されているため、該プリズムシートをプリズム面を導光板の出射側に向けて配置することにより、プリズム面から入射した光線を反対側の光拡散層で効果的に散乱し、さらに高い正面輝度を維持しつつプリズム面と液晶セルの間で発生するモアレ縞を効率的に防ぐことができる。さらにプリズムシートとモアレ縞抑制フィルムを一体化した機能を果たすのみならず、光拡散層に起因するまだら模様もっ発生せず、バックライトユニット全体の部品点数を低減し、バックライトユニットを薄くする効果も有する。
さらにこれらモアレ縞抑制フィルムや、モアレ縞抑制機能付きプリズムシートを用いたバックライトユニットは、高い正面輝度を保持してその低下を抑えつつ、モアレ縞が効果的に抑制された光源を提供することができるとともに、発光の不均一な強度分布を発生することがない。そしてそれらを用いることによりユニット全体の厚みを薄くおさえることが出来る。
さらにこれらバックライトユニットを液晶表示面の背面に有する液晶表示装置は、表示面の高い正面輝度を保持しつつ、表示面へのモアレ縞の発生を防いだ液晶表示装置を提供することができ、均一な表示面の輝度を実現することができる。
また上記のごとくバックライトユニット全体の厚みを薄く抑えることが可能なため、液晶表示装置自体の薄型化にも寄与することができる。
液晶ディスプレイ装置の一般的な構成の一例を示した分解図である。 プリズムシートの非プリズム面を、導光板の出射面側に配置したバックライトユニットの構成を示す斜視図。 図2に示したバックライトユニットにおける光源からの光路の一部を示した概念図。 プリズムシートのプリズム面を、導光板の出射面側に配置したバックライトユニットの構成と光源からの光路の一部を示した概念図。 本発明のモアレ縞抑制フィルムを有するバックライトユニットの構成を示す斜視図。
以下、本発明を実施するための、最良の態様を含んだ種々のモアレ縞抑制フィルム及びモアレ縞抑制機能付きプリズムシート、バックライトユニット及び液晶表示装置の各部分について、説明を行う。
本発明のモアレ縞抑制フィルムの光拡散層は光拡散材として多孔質粒子を含有する。該多孔質粒子の多孔質としての特性は細孔容積や平均細孔径で表されるが、該平均細孔径は10nm〜30nmが好ましい。多孔質粒子がこの範囲の細孔径を有すると、モアレ縞を発生する周期構造よりはるかに細かい微細構造による散乱が、入射光の光路を攪乱し、モアレ縞の発生を効果的に抑制することができる。さらに入射光に対する拡散効率を高く保ち、光拡散層への少ない添加量と光拡散層の薄い膜厚でモアレ縞を良好に抑制し、かつバックライトユニットや液晶表示装置の正面輝度を高く保つためには、細孔容積は1.00〜2.00ml/gの範囲であることが好ましい。本発明のモアレ縞抑制フィルムの細孔容積を1.00ml/g以上とすることによって、入射光が拡散粒子の表面ばかりでなく、粒子内の細孔との界面で不規則に拡散される確率が極めて高くなる。このため光拡散層中の多孔質粒子の含有量を低く抑えても、同等のモアレ縞抑制効果を得ることが出来る。
このように細孔容積を設定することによって、多孔質粒子の含有量を低くおさえることができるため、多孔質粒子を多く配合した塗料で発生するポットライフの低下や、そのような塗料で形成された塗膜の樹脂成分が相対的に減少することによる基体との接着力の低下を防ぐことができる。
一方多孔質粒子の細孔容積が2.00ml/gを超える程大きくなると、正面輝度が低下しやすい。これは細孔容積が大きくなると粒子中に極めて複雑に入り組んだ多くの空孔が形成されるため、これを拡散粒子として光拡散層に添加したときに、バインダー樹脂が充填されない多くの空孔が形成され、空孔の界面での屈折角が大きくなり、正面方向に向かう光線が相対的に減少するためと考えられる。
さらに細孔容積が増えると細孔容積を充填するバインダー樹脂の量も増えるため、多孔質粒子中のバインダー樹脂の総量も増加する。このため多孔質粒子はよりバインダー樹脂に類似した特性を持つようになり、多孔質粒子同士の凝集が起こりやすくなると考えられる。このため光拡散層形成用の塗料が増粘し、ゲル化し易くなる傾向にある。以上の理由から、上記範囲の細孔容積を有する多孔質粒子を含有する光拡散層用塗料を用いて光拡散層が形成されると、正面輝度を大きく低下させることなく、薄い光拡散層によって効率的にモアレ縞を抑制することができる。さらに塗料自体の増粘やゲル化が発生することもない。
1.00〜2.00ml/gの範囲で、細孔容積の大きいモアレ縞抑制フィルムは、光拡散能力が高いために種々の原因で正面輝度が低下しやすいが、視野角の大きい方向におけるモアレ縞を効果的に抑制することができるという長所も有している。なお多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法(ポロシメータ法)によって測定することができ、水銀ポロシメータ(例えば島津製作所のオートポアIV95シリーズ)による細孔分布測定時に得ることが出来る。多孔質粒子は、プリズム列や液晶画素の配列を通過する光線の光路が、より効率的に散乱されるように、全体として球形のものより、不規則な角度と辺長の断面を有する多角形形状を有する不定形のものが好ましい。球状のものは不定形のものに比較して光拡散機能が低いため、モアレ縞を良好に抑制するためにはより多くの粒子を含有させることになり、正面輝度が低下しやすい傾向にある。構造としては一次粒子が凝集して体積平均粒径1〜10μmの不定形な凝集粒子を形成しているものが好ましい。粒径は細かい方がモアレ縞抑制機能が高い傾向にあり、光拡散層やモアレ縞抑制フィルムの薄膜化も容易であるため、光拡散層形成用の塗料の製造時に分散が困難とならない範囲で小粒径であることが好ましい。
本発明のモアレ抑制フィルムの光拡散層は、主に多孔質粒子中の細孔による光拡散が起きる。従って、光拡散層中で細孔の集中している多孔質粒子の存在する部分と、それ以外の部分とでは本来、光散乱の特性に大きな差が生じている。そしてこの特性差は、より多量の総細孔容積を粒子内に有する粒径の大きい多孔質粒子を用いるほど大きく広がると考えられる。したがって多孔質粒子が凝集を起こして粗大粒子が発生したりすると、その部分で大きなヘイズ値の差が生じ、ムラとなって視認されるようになる。このため均一な拡散光を得るためには、できるだけ粒径の小さい多孔質粒子を用い、拡散機能の不足は粒子数を増やして対応することが好ましい。具体的には多孔質粒子の二時粒子の体積平均粒径は4.0μm以下とする必要がある1.0〜4.0μmがより好ましく、1.5〜3.5μmが最も好ましい。さらに一次粒子としては、粒径10〜100nmのものが好ましい。
また不規則な反射、屈折がより効率的に起こるように、二次粒子の粒度分布の幅は大きい方が良い。有機微粒子、無機微粒子共に使用可能であるが、中でも、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、多孔質酸化チタン、多孔質ガラス等の無機材料が、バインダー樹脂との屈折率差を大きく取りやすく、粒子表面における反射率を高くしやすいため、拡散反射光を効率良く得られる点で好ましい。さらに光拡散層の表面硬度を向上させやすい点においても好ましい。その中でも多孔質シリカの粒子がより好ましい。
前記光拡散層は、本発明においては光拡散層中の多孔質粒子が効率的に入射光を散乱するため、極めて低損失で、入射光を入射光とは反対面への拡散透過光へと変換でき、しかもモアレ縞の発生を有効に抑制することができる。本発明のモアレ縞抑制フィルムは、導光板の出射面側にプリズムの稜を向けて配置されるプリズムシートとの組み合わせで使用されていた従来の光拡散フィルムに比べ、含有される、より少量の光拡散粒子で、従来と同等以上のモアレ縞抑制効果を実現する。このため、達成された同等のモアレ縞抑制効果で比較すると、常に従来の光拡散フィルムを使用した場合より、含有される光拡散粒子量が少なく、その結果高い正面輝度を実現することができる。本モアレ縞抑制フィルムを用いて、液晶表示面の輝度を維持しつつモアレ縞の抑制を効果的に行うためには、光拡散層中の多孔質粒子の含有量は、樹脂バインダーの固形分100質量%に対し、2〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい、また、8〜20質量%が最も好ましい。多孔質粒子の含有量が2質量%以上であると、その優れた光拡散効果を効率的に利用することができる。含有量が40質量%以下のときは、光拡散層中に樹脂バインダー樹脂が十分含有されているので、光透過性基体上へ良好な接着性を有する光拡散層を形成することができる。さらに多孔質粒子の量が多すぎない結果、光拡散層表面の凹凸が顕著になり出射光が大きく偏向される確率が高くなって正面輝度が低下することもない。
本発明のモアレ縞抑制フィルムにおける光拡散層は、多孔質粒子の拡散効率が良好であるため、従来より光拡散層の膜厚を薄くすることができ、モアレ縞抑制フィルムの薄膜化が可能である。本発明の光拡散層の膜厚は8μm以下が好ましい。これによって、従来より極めて薄い膜厚の光拡散層が実現出来、モアレ縞抑制フィルムの大幅な薄膜化が可能である。6μm以下の膜厚であると、薄膜化の点でさらに好ましい。さらに4μm以下であると最も好ましい。但し2μm未満の膜厚になると、拡散粒子の粒径や含有量を調整しても光拡散の効率が低下しやすくなるため、薄膜化を考慮する場合でも、2〜6μmの範囲の膜厚が好ましい。
光拡散層中には多孔質粒子が均一に分布することが好ましい。膜厚変動が生じたり、表面の凹凸が発生したりしている箇所は、その変動に応じて多孔質粒子の分布が偏り、あるいは多孔質粒子の局在化、重なり合いが発生しており、均一な光拡散の発生が損なわれる傾向にあり、まだら模様や光拡散のムラが生じやすい。逆に膜厚変動が発生せず、光拡散層表面の表面粗さが小さければ、少なくとも凹凸を発生させるような多孔質粒子の局在化は発生しておらず、多孔質粒子は均一に分散しており、まだら模様も生じないと考えられる。このような光拡散層中での多孔質粒子の均一な分散が達成されるためには、多孔質粒子光拡散層表面の中心線平均粗さ平均粗さRaが0.5μm以下であることが必要であり、Raは0.4μm以下であればさらに好ましく、0.3μm以下であれば最も好ましい。
さらに正面輝度を大幅に低下させずにモアレ縞の抑制を効率的に行い、かつモアレ縞抑制フィルム全体の膜厚を抑えるためには、光拡散層の膜厚tと体積平均粒径dとの比、t/dが0.8〜1.7であることが好ましい。t/dが0.8より小さい場合は光拡散層の樹脂バインダー表面から多孔質粒子が突出し易くなる。このため、光拡散層の表面に極めて粗い凹凸ができ、光拡散層からの出射光が正面方向から大きな角度を持った方向へと大きく偏向を受けやすい。また多孔質粒子の細かな凹凸に富んだ表面が最外層上に現れるため出射時の乱反射も顕著になり正面輝度が低下する傾向にある。さらに多孔質粒子の粒径に対して十分な膜厚があるときに比較して、多孔質粒子を均一に分布させにくく、塗膜ムラに起因した光拡散の不均一が発生しやすい。このためより効率的にモアレ縞を抑制しつつ正面輝度を高く保つためには、個々の多孔質粒子が光拡散層のバインダー樹脂中へと埋没した方がよい。t/dが0.8以上の場合には、バインダー樹脂中に光拡散粒子を十分に埋設することができる。t/dが1.7より大きいと、光拡散層の中に2つの粒子が部分的に重なり合って配置される機会が多くなり、光拡散層表面に再度凹凸が発生し易くなる。さらに多孔質粒子の重なり合った箇所とそれ以外の箇所において、光散乱特性に大きな差違が生じるため塗膜ムラが発生し、不均一な光拡散光が視認される傾向にある。この場合、バインダー樹脂中に多孔質粒子が十分埋設されるようになるため、正面輝度は回復する傾向にあるが、光拡散層の膜厚が厚くなり、モアレ縞抑制フィルムの膜厚を薄くするという本願発明の目的を達成出来ない。
膜厚が薄く光拡散層中に膜厚方向に1個の多孔質粒子しか埋設されないときは、多孔質粒子が存在している部分としていない部分との光拡散特性が大きく異なることになる。従って多孔質粒子は光拡散層中に均一に分布することが好ましい。もし分布に偏りが生じると、光拡散性能に対応するヘイズ値が、光拡散層の場所によって大きく異なることとなりまだら模様が発生しやすい。
ここで光拡散層の厚さは、突出している光拡散材の頂点からの高さを測るのではなく、光拡散材を保持している樹脂バインダー表面のシート状基体からの高さを測るものとする。多孔質粒子が突出しているとき多孔質粒子の頂点の高さは極めてバラツキが大きく、必ずしも光拡散層の膜厚の実態を表さない、これに対してバインダー樹脂の層の厚さは、光拡散層用の塗料の塗布時のレベリングによって一定となる。この厚さの測定は点接触式の膜厚計を用いて測定するときは、最低10点以上の測定を行い最も低いものから3点の平均値を取ることによって求められる。あるいは光拡散層の断面のSEM写真を撮影し、3点の膜厚を測定してその平均値を取ることによっても求められる。
多孔質粒子は一般に極めて高い拡散効率を有しており、少ない添加量と薄い膜厚で高いヘイズ値を有する光拡散層を形成可能である。しかし個々の多孔質粒子の光拡散機能が極めて高いため、均一に塗布されていれば良いが、塗布ムラの発生等で膜厚が変動したり、粒子が局在したりすると、光拡散の局所的な強弱が発生する。これはヘイズ値の局所的な
変動となって、微細なコントラストではあるが光拡散フィルムの均一な光拡散光の発生を阻害する。特にこのような光拡散フィルムが、プリズムシートのプリズム列の側を導光板の出射側に向けて配置しているような構成のバックライトユニットにおいて、プリズムシートの出射面側に用いられる場合には、光拡散フィルムと液晶表示パネルとの間にさらなる拡散要素がなく、光拡散フィルムで発生した光拡散強度の局所的変動が、そのまま液晶表示装置に影響を与える可能性が高い。
以上のように、特にモアレ縞抑制効果の大きさと、正面輝度の高さはトレードオフの関係にあり、種々の調整を行ってモアレ縞を十分に抑制するとともに、正面輝度を極力低下させないことが実用上は重要である。これらを調整するためのパラメータの中には既述のように、多孔質粒子の含有量、多孔質粒子の体積平均粒径(d)と光拡散層の膜厚(t)との比率(t/d)等があり、多孔質粒子を選定した後はこれらを本発明で規定した範囲内で調整して、良好なモアレ縞抑制効果と、高い正面輝度を両立させることが重要である。
該光拡散層は前記多孔質粒子の他に、必要に応じて、無機粒子、有機粒子または無機−有機ハイブリッド材料粒子を含有してもよい。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、炭酸カルシウム、タルク等のフィラーを、光拡散層の諸特性を阻害しない範囲で含有させることができる。アクリル粒子、アクリルウレタン粒子等の有機粒子を含有させても良い。また、前記粒子を含有する層を他の光拡散層に積層させることもできる。
該光拡散層には、必要に応じて、硬化剤、硬化触媒、分散剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤等を含有させることもでき、これらは光拡散層を形成する塗料作製時に配合される。但し、可視光領域に吸収を有する物質の存在によって透過光が減衰しないことが好ましく、前記光拡散層には可視光領域に吸収を有する物質が含有されていないことが好ましい。
光拡散層の形成は上記多孔質粒子等とバインダー樹脂、及び溶剤を含有する光拡散層用塗料を基体上に塗布、乾燥させることによって行うことができるが、基体と光拡散層を一体化させることもできる。例えば多孔質粒子の分散したバインダー樹脂を用いて、押出法等の通常のシート製造方法により、基体シートであってかつ全体が光拡散層となるものを作製し、モアレ縞抑制フィルム全体の膜厚を薄くすることができる。但し、多孔質粒子の含有量が多いときにはシート自体の力学的特性が脆弱となる可能性があり、強度確保のためには、モアレ縞抑制フィルムのモアレ縞抑制機能と支持体機能を分離して、透明基体、透明フィルムを光拡散層の支持体として用いることが好ましい。
前記バインダー樹脂としては、前記多孔質粒子を樹脂中に均一に分散でき、シート状に成形できるもの、或いはさらに溶剤を添加して塗料を作製し、光透過性基体上に塗布し塗膜を積層できるものであれば特に限定されず、一般的な成形用樹脂、塗料用樹脂等が使用できる。例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
塗布により光拡散層を形成するときの光拡散層用塗料に用いる溶剤としては、バインダー樹脂の溶解性、多孔質粒子等の分散性、形成する拡散層の膜厚、及び塗膜乾燥性等を考慮して、通常、塗料に使用される公知の溶剤のなかから適宜選択して使用することができる。
本発明のモアレ縞抑制フィルムの支持体として使用する光透過性基体としては、支持体として十分な物理的強度と光透過性を有するものであれば特に限定されないが、透明性基体であることが好ましい。表面の平滑性や機械的強度から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネート、シクロオレフィン、アクリル等の透明または半透明樹脂シート又はフィルムから選ばれる。なかでもPETフィルムまたはPENフィルムが、その機械的強度の面から特に好ましい。基体の厚さは、5〜250μmであることが好ましく、10〜100μmの範囲であることがさらに好ましい。5μmより薄い場合、取り扱いが困難となるばかりでなく、熱収縮に起因するカールが発生して作業性を著しく低下させたりするなど、加工性を低下する傾向にある。250μmより厚い場合、モアレ縞抑制フィルムの全厚が厚くなって薄型の電子装置等には使用できなくなってしまうとともに、基体そのものの可視光透過率が低下しやすく、バックライトユニットの正面輝度が低下する傾向にある。特にモアレ縞抑制フィルムの全厚を薄くしてバックライトユニットの薄型化、特に携帯電話用の液晶表示装置の薄型化を目的とするときは7〜50μmとすることが好ましい。
基体の表面のうち少なくとも一方の面には、光拡散層との密着性を向上させるため、易接着処理層が塗布されている、あるいはコロナ処理が施されているなど、易接着処理がなされていることが好ましい。
本発明のモアレ縞抑制フィルムを製造する方法としては、例えば、透明なシート状基材の一方の面に、光拡散層用塗料を塗布して、光拡散層を形成させる。光拡散層用塗料は多孔質粒子、樹脂バインダー、溶剤、帯電防止剤、その他必要に応じて配合する添加剤を、混合することにより、調製する。従来、樹脂バインダーと光拡散粒子を含んだ混合物を押し出し成形して、光拡散シートや光拡散フィルムが製造されている。さらに延伸工程の途中にあるフィルム基体上に光拡散層用塗料で塗膜を形成し、基体ごと延伸を行って光拡散フィルムを作製することも行われている。しかし多孔質粒子が非球状の不定形粒子の場合、粒子同士の接触によって会合を起こしやすい。このため、このような塗膜の成形、変形を伴う工程を行うと、粒子が均一に再配列しにくく局在する傾向にあり、均一な光拡散を得ることが困難となる傾向にある。
調整された光拡散層用塗料は、多孔質粒子が良好に分散された状態を維持しつつ、光透過性基体上に塗布される。 塗布する方法には一般的な塗工方式が利用できる。例えば、ブレード、ナイフ、キャスト、浸漬、含浸機、スクリーン、スピン、リバースロール、エアドクター、グラビア、スプレー、カーテン、押出、ファウンテン、キス、ロッド、スクイズ、正回転ロール、キスロールなどの各塗工方式が利用できる。
これらの塗布方法によって形成された塗膜は、そのまま乾燥することにより均一に分散した多孔質粒子を固定することが好ましい。
塗膜の乾燥には、一般的な乾燥方式が利用でき、例えば、熱風、赤外線、マイクロ波、誘導加熱、紫外線硬化、電子線硬化などの乾燥方式が利用できる。乾燥後、必要に応じ、所定の温度および時間にて熱硬化を行う。
このようにして製造されたモアレ縞抑制フィルムは全厚が20〜300μmであるが、20〜100μmであることがバックライトユニットを薄型化できる点において好ましい。特に薄型化の要請の強い携帯電話用の液晶表示装置に用いられるバックライトユニットの場合、全厚を100μm未満、より好ましくは20〜70μmとすることが表示部ひいては携帯電話の薄型化に大きく貢献することになり好ましい。
以上のように作製したモアレ縞抑制フィルムは、プリズムシートを用いたバックライトユニットのモアレ縞抑制フィルムとして、各バックライトユニットの構成に合わせて、導光板の出斜面から液晶表示面の入射面までの、任意の最も効果の上がる位置に挿入して用いることが出来るが、構成部品の点数が少なく、バックライトユニット全体の厚さを薄くすることができ、かつモアレ縞が発生しやすい以下の構成のバックライトユニットに用いることが好ましい。
すなわち、導光板と導光板の少なくとも片側端面側に配置された光源と、導光板の片側出射面側にプリズムの稜を導光板の出射側に向けて配置されたプリズムシートとを有する構成のバックライトユニットの、プリズムシートの出射面側に本発明のモアレ縞抑制フィルムを配置、固定するように用いることが好ましい。
さらにこのように作製したバックライトユニットの出射面を液晶表示面の背面側に、従来公知の方法で配置、固定することにより、本願発明の液晶表示装置を作製することができる。
モアレ縞抑制フィルムを挿入する向きについては、特にどちら側でも問題はないが、光透過性基体を入射側、光拡散層を出射側にする方が、入射側の面に種々の機能を付与できる可能性があるため好ましい。
光透過性基体をはさんでの光拡散層とは反対の面には、モアレ縞抑制フィルムが配置されるバックライトユニット中の位置に応じて、スティッキング防止機能、帯電防止機能、傷付き防止機能等、必要な各種機能を果たすための各種機能層が設けられても良い。またさらに光拡散機能を有する別の層を形成して、さらに光拡散効果を増強し全体のヘイズ値を増加するために用いることもできる。例えば導光板の出射側と反対側の面には通常、光を導光板に閉じこめるための反射層が形成され、導光板からの出射光が光源から遠くなる方向に向かって一様となるように、光源から遠くなる方向に向かって反射率を全体的に増加させるような、連続的あるいは非連続的な反射パターンが形成されるのであるが、このようなパターンがバックライトユニットの輝度に非連続性を与えないように、さらにヘイズ値を増加させる必要が生じたときに、新たな光拡散フィルムを用いる換わりに、この部分の光拡散層で調整を行うことができる。
前記光拡散層の光透過性基体を挟んで反対側には、プリズム列を形成してモアレ縞抑制機能付きプリズムシートとすることもできる。
本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートは、本発明のモアレ縞抑制フィルムの前記光拡散層の該光透過性基体を挟んで反対側に、互いに平行な稜を有するプリズム形状が形成される。
モアレ縞抑制機能付きプリズムシートの構成としては、透明基板または透明フィルムを基体としてその両面にプリズム列と光拡散層とを別個に形成する3層構成のものであってもよいし、プリズム列を有する層または光拡散層のどちらかを光透過性基体と一体化させた構成を持つものであってもよい。すなわちプリズム列を有する層または光拡散層自体が支持体である光透過性基体の役割を担って、その上にもう一方の層を積層形成する2層構成のものであってもよい。あるいはプリズム列を有する層と光拡散層を直接ラミネートするものであってもよい。しかし独立した透明基板、または透明フィルム等の光透過性基体を用いるものの方が、塗布工程を通じてプリズム列、及び光拡散層を形成でき、また各層の組成、形状等も独立に制御し易いことから好ましい。
すなわち、本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートのより好ましい態様としては、光透過性基体と、光透過性基体上の一方の面に形成された光拡散層と、前記光拡散層の該光透過性基体を挟んで反対側に形成されたプリズム層とを有する構成からなるものである。
本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートのプリズム列を有する層は、頂角を有する断面形状が三角形のプリズムを配列したものであって、平行かつ等間隔に形成された稜を有するプリズム列を有することが好ましい。プリズム列の表面は、断面が同形の二等辺三角形である直線状の単位プリズムが並行に隙間無く配列した形状であることが好ましく、プリズム列の断面二等辺三角形の頂角は50°〜80°が好ましく、60°〜70°であることがさらに好ましい。断面を同形の二等辺三角形とすることによって、プリズム列の製造が容易となるとともに、プリズムシートを薄くしつつ、かつプリズム機能を確実に発揮させることができる。プリズムの頂角を50°以上、80°以下の範囲とすることにより、本発明のプリズムシートの、プリズム列の稜を導光板の出射面側へ向けて配置したとき、プリズム列斜面における全反射現象により、LCD正面方向への高い集光性が得られる。また隣接するプリズム列の間隔は、プリズム列部分の厚さの薄膜化の程度、プリズム列の製造の容易さ、モアレ縞の発生し易さ等を考慮して適宜決めることができるが、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。プリズム列の高さはプリズム列の間隔にも影響するが、プリズムシートの全厚を薄くしてバックライトユニットの薄型化、特に携帯電話用の液晶表示装置の薄型化を目的とするときは7〜50μmとすることが好ましい。
本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートにおけるプリズム列の形成は、支持体と一体化して形成してもよいし支持体上に別途積層して形成してもよい。これらについては公知の形成方法を用いることができる。それらプリズムシートの製造方法の一例について以下に説明する。
例えば、特開平11−171941号公報に開示されているように、連続基体を押し圧ロールにて型ロールへ押し付け、押し付けられた基体と型ロールとの接触開始部分に、液状の紫外線硬化型樹脂を供給し、紫外線を照射して形状を固定し、型ロールから剥離する方法を用いることができる。
または、特開2002−258410号公報に開示されているように、液状の紫外線硬化樹脂を型ロールに付着させ、その後に連続基体と接触させ、紫外線を照射して形状を固定し、型ロールから剥離する方法を用いることができる。
または、透明な基体に紫外線硬化樹脂を、公知の塗工方式により塗布し、紫外線硬化樹脂面を未硬化状態で型ロールに接触させて押し付け、紫外線を照射して形状を固定し、型ロールから剥離する方法を用いることができる。
例えば上記の形成方法に応じて、本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートにおけるプリズム列に用いられる材料としては、透明であり、当初流動性をもち紫外線などの光により硬化し固体化する材料、または、加熱することで軟化して流動性となり冷却することで再び固体化する材料であれば、特に制限無く用いることができる。例えば紫外線硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂などを使用することができる。
紫外線硬化性樹脂組成物としては、不飽和ポリエステル系、アクリル系、ビニルエーテル系、マレイミド系、エポキシ系など各種の紫外線硬化型オリゴマー・モノマーを主成分とし、反応性希釈剤、重合開始剤、重合促進剤、有機溶剤などを、必要に応じ配合し混合してなるものを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネートなど、加熱によって流動性となる汎用の熱可塑性樹脂を用いることができる。
なかでも紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。その理由は、熱可塑性樹脂を基体のガラス転移温度より高温まで加熱した場合、熱による基体の変形を起こし不具合が発生する可能性があること、さらに紫外線硬化性樹脂組成物を用いると、熱可塑性樹脂を用いた場合に比べて加熱・冷却時間を各段に短くできるため、生産効率上有利であることである。
本発明のプリズムシートを製造する方法としては、例えば、光透過性基体の一方の面にモアレ縞抑制機能を有する光拡散層を形成した後、他方の面に上記プリズム面を形成することが出来る。また例えば、上記プリズム列を一方の面に有するシートを上記の方法で形成した後、該シートのプリズム面とは反対側に光拡散層を形成して行うことが出来る。プリズム列を有するシートは基体上に形成されたものであっても、基体と一体化して形成されたものであってもよいが、例えば基体を有するシートの場合には、基体上のプリズム列を形成する面とは異なる面に、光拡散層用塗料を既述の塗布方法、既述の乾燥方法で塗布して乾燥させ、光拡散層を形成させる。
このようにして製造されたモアレ縞抑制機能付きプリズムシートは全厚が20〜300μmであるが、20〜100μmであることがバックライトユニットを薄型化できる点において好ましい。特に薄型化の要請の強い携帯電話用の液晶表示装置に用いられるバックライトユニットの場合、全厚を100μm未満、より好ましくは20〜70μmとすることが出来るため表示部ひいては携帯電話の薄型化に大きく貢献することになる。
以上のように作製したモアレ縞抑制機能付きプリズムシートを用いて液晶表示装置用バックライトユニットを作製するためには、光源を有する導光板の出射面に隣接して本発明のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートを、プリズム面を導光板の出射面側に向けて、従来公知の方法で配置、固定すればよい。この場合、下拡散フィルム、上拡散フィルム、2枚のプリズムシートを用いる従来の4枚構成と比較して、バックライトユニットの全厚の大幅な低減をおこなうことができる。
さらにこのように作製したバックライトユニットの出射面を液晶表示面の背面側に、従来公知の方法で配置、固定した構成の液晶表示装置とすることにより、本願発明の液晶表示装置を作製することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
《拡散層用塗料(a)の調製工程》
トルエン 250 質量部
シクロヘキサノン 72 質量部
不定形状多孔質シリカ「サイリシア420」 27 質量部
〔平均細孔径:17nm、細孔容積:1.25ml/g、
体積平均粒径(レーザー法による):3.1μm、富士シリシア化学工業社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 300 質量部
〔固形分50%、固形分の水酸基価50、DIC社製〕
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 2 質量部
〔イミダゾリン型カチオン性帯電防止剤、サンノプコ社製〕
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 40 質量部
〔固形分75%、HDI系、固形分中の有効NCO含量17%、日本ポリウレタン工業社製〕
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(a)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、15%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(b)の調製工程》
トルエン 250 質量部
シクロヘキサノン 72 質量部
不定形状多孔質シリカ「サイリシア430」 27 質量部
〔平均細孔径:17nm、細孔容積:1.25ml/g、
体積平均粒径(レーザー法による):4.1μm、富士シリシア化学工業社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 300 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 2 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 40 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(b)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、15%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(c)の調製工程》
トルエン 355 質量部
シクロヘキサノン 105 質量部
不定形状多孔質シリカ「サイリシア250N」 27 質量部
〔平均細孔径:24nm、細孔容積:1.80ml/g、
体積平均粒径(レーザー法による):5.7μm、富士シリシア化学工業社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 445 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 3 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 60 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(c)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、10%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(d)の調製工程》
トルエン 270 質量部
シクロヘキサノン 74 質量部
不定形状多孔質シリカ「サイリシア550」 35 質量部
〔平均細孔径:7.0nm、細孔容積:0.80ml/g、
体積平均粒径(レーザー法による):3.9μm、富士シリシア化学工業社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 290 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 2 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 40 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(d)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、20%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(e)の調製工程》
トルエン 250 質量部
シクロヘキサノン 72 質量部
球状多孔質シリカ「サイロスフェアC−1504」 27 質量部
〔細孔容積:1.5ml/g、体積平均粒径(レーザー法による):4.5μm、富士シリシア化学工業社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 300 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 2 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 40 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(e)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、15%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(f)の調製工程》
トルエン 310 質量部
シクロヘキサノン 75 質量部
真球状アクリルウレタン樹脂粒子「BC−79」 80 質量部
〔体積平均粒子径約6μm、岐阜セラック製造所社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 220 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 6 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 30 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(f)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、60%(質量比)であった。
《拡散層用塗料(g)の調製工程》
トルエン 310 質量部
シクロヘキサノン 75 質量部
真球状アクリルウレタン樹脂粒子「BG−06」 80 質量部
〔体積平均粒子径約6μm、岐阜セラック製造所社製〕
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU−938」 220 質量部
帯電防止剤「ノプコスタットSN A−2」 6 質量部
ポリイソシアネート溶液「コロネートHL」 30 質量部
以上を分散攪拌機で攪拌混合し、拡散層用塗料(g)を得た。このとき、樹脂バインダーの固形分に対する樹脂粒子の添加量は、60%(質量比)であった。
(実施例1〜4、比較例1〜8)
《基体への塗布・乾燥・硬化工程》
基体として、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用した。基体の一方の面に、上記拡散層用塗料(a)を乾燥膜厚3.0μm、8.0μmになるように塗布し、熱風乾燥させて拡散層の乾燥塗膜を得たものを、それぞれ実施例1、実施例2とした。同様にして、上記拡散層用塗料(b)をそれぞれ乾燥膜厚8.0μmになるように塗布し、熱風乾燥させて拡散層の乾燥塗膜を得たものを、それぞれ比較例1、比較例2とした。同様にして、上記拡散層用塗料(d)、(e)をそれぞれ乾燥膜厚7.0μmになるように塗布し、熱風乾燥させて拡散層の乾燥塗膜を得たものを、それぞれ比較例3、比較例4とした。さらに上記拡散層用塗料(f)を乾燥膜厚9.0μmになるように塗布し、熱風乾燥させて拡散層の乾燥塗膜を得たものを、比較例5、上記拡散層用塗料(g)を乾燥膜厚5.0μmになるように塗布し、熱風乾燥させて拡散層の乾燥塗膜を得たものを比較例6とした。(拡散層用塗料と塗布膜厚の対応については表1参照)。上記の塗布工程終了後、硬化反応を促進するため、40℃恒温室中に48時間保管した。
これら実施例、比較例は、後述のように、各種拡散粒子を含有する光拡散層を使って作製した各モアレ縞抑制フィルムが、一定以上のモアレ抑制効果を有し、かつ極力正面輝度を低下させないように、その拡散粒子の含有量を調整した。
《プリズムシートの作製工程》
基体として、厚さ38μmのPETフィルムを使用した。基体の一方の面に、紫外線硬化性樹脂組成物を、約80℃に加熱して粘度を下げ、ダイコート法により厚さ30μmに塗布した。紫外線硬化性樹脂組成物には、ユニディックRC27−960(不飽和ポリエステル、アクリレートモノマー、光開始剤、等の混合物、DIC社製)を用いた。次に、プリズムピッチ:12.4μm、プリズム高さ:10μm、頂角64度のプリズム列の版が形成された平板状金型を、上記の未硬化樹脂層が形成された基体とともに、110℃2分間加熱した。その後、基体上の未硬化樹脂層面を、金型面に重ね、基体の背面からローラーで軽く押し付けた後、紫外線を基体の背面側から照射して、未硬化樹脂を硬化・固定した。紫外線ランプには高圧水銀ランプを使用し、照射エネルギーは積算値で600mJ/cmで(紫外線照度計「UVPF−36」〔アイグラフィックス社製〕にて測定)であった。金型、樹脂、基体の積層物を室温付近まで冷却し、基体を金型から剥離させたところ、所定のプリズムが基体表面に形成されたものが得られた。
《光学特性の評価》
ヘイズメーターNDH2000(日本電色社製)を使用し、光拡散フィルムのヘイズ、全光線透過率を測定した。また輝度測定については、市販の携帯電話のバックライトユニットを分解し、組み込まれている4枚のフィルム(下用光拡散フィルム、プリズムシート2枚、上用光拡散フィルム)を取り去り、上記で作製したプリズムシートを、プリズム面が導光板出射面側になるように配置し、その出射面側に本発明のモアレ縞抑制フィルムを積層してバックライトユニット中に組み込み、バックライトユニットの正面輝度を測定した。測定装置は多点輝度計EyeWin390c(アイ・システム社製)を用いた。測定領域はバックライトユニット発光面において、全横幅の15%の幅を、それぞれのバックライトユニット発光面の左右端から除外し、かつ全縦幅の15%の幅をそれぞれのバックライトユニット発光面の上下端から除外した中心部分の矩形の領域である。この測定領域を3×3で9分割し、それぞれの領域の輝度を測定してからこれらを平均し正面輝度の値とした。
《モアレ縞の抑制効果の評価》
モアレの評価については、携帯電話の液晶ユニットを、上記輝度を測定したバックライトユニット上に被せ、目視で確認し、以下の5段階の評価基準で評価を行った。
(モアレ縞評価値)
評価値 1・・・モアレ縞の発生が明確に確認でき、輝度均一性も低い。
評価値 2・・・輝度均一性は向上するが、モアレ縞の発生が明確に確認できる。
評価値 3・・・ぼんやりではあるがモアレ縞の存在が容易に確認できる。
評価値 4・・・注視することによりモアレ縞の確認が可能である。
評価値 5・・・モアレ縞が全く確認できない。
《光拡散層の膜厚測定方法》
光拡散層の膜厚は電子マイクロメーターK402B(アンリツ株式会社製)で10点測定し、値の小さいものから3点をとって平均値を求めた。
本発明のモアレ縞抑制フィルムにおいては、フィルムの薄さを十分達成できると同時に、バックライトユニットや液晶表示装置の表示面の正面輝度を低下させずに、モアレ縞の発生を防ぐことができるが、正面輝度の向上と、バックライトユニットや液晶表示装置のモアレ縞低減はトレードオフの関係にあることに変わりがない。モアレ縞がほとんど発生しない状態のモアレ縞評価値は4以上であることから、実用上問題のないレベルを4以上とした。モアレ評価値が4のときの評価結果を表1に示した。
《まだら模様の塗布ムラの観察》
光拡散層塗布後の塗膜を室内光にかざして見て、部分的なヘイズ値の大小による微細なまだら模様の有無を確認した。
評価 ◎・・・まだら模様が全く視認されず均一な拡散面となっている。
○・・・まだら模様は拡散面を注視してはじめて、その存在を認識することが出来る。
△・・・まだら模様は視認できるが見つけ難い。
×・・・まだら模様がはっきりと視認される。
《表面粗さ測定方法》
測定には表面粗さ形状測定機ハンディサーフE−35B(東京精密社製)を用いた。モアレ抑制フィルムを平らな面に置き、光拡散層上に触針を載せて測定した。
《塗料ポットライフの評価》
塗料のポットライフ(塗料がゲル化して使用できなくなるまでの時間)の比較を塗料状態の目視観察によって行った。ポットライフの評価には、実用上問題のないポットライフを有する実施例1の塗料を基準として以下の基準を用いた。評価結果を表1に示した。
○・・・23℃室内静置で24時間以上、40℃恒温槽内静置で12時間以上のポッ トライフを有する。
△・・・23℃室内静置で12時間以上24時間未満、40℃恒温槽内静置で6時間 以上12時間未満のポットライフを有する。
× ・・・23℃室内静置で12時間未満、40℃恒温槽内静置で6時間未満のポッ トライフを有する。
Figure 2010211027
表1からわかるように、モアレ縞抑制フィルムの光拡散層厚を十分薄くし、かつ高い正面輝度とモアレ縞の抑制を同時に実現できるのは、前記光拡散層の膜厚(t)μmと前記多孔質粒子の体積平均粒径(d)μmとの比率t/dが、1.3〜2.1の範囲にある実施例1〜4である。これに対して、比較例1では、高い正面輝度とモアレ縞の抑制を同時に実現できるが、拡散層厚が8μmを超えてしまい、薄膜化が達成できない。また、比較例2では、拡散層の薄膜化とモアレ縞の抑制を達成できるが、多孔質粒子の体積平均粒径に対して、光拡散層の膜厚が十分とれておらず高い正面輝度が得られない。比較例3では多孔質粒子の体積平均粒径(d)に比較して、光拡散層の膜厚(t)が厚くなり、t/dが2.1を超えたため、正面輝度が低くなり始めており、また薄膜化を実現するのが困難である。比較例4〜6のように、拡散材として体積平均粒子径の比較的大きい多孔質シリカを使用した場合は、光拡散層を薄膜化しようとすると、多孔質粒子の体積平均粒径に対して、光拡散層の膜厚が十分とれないために高い正面輝度を得ることができず、またt/dが1.3〜2.1の範囲にあっても、光拡散層厚が厚くなってしまい、正面輝度も低下する傾向にある。一方、比較例7、8のように、光拡散材に樹脂粒子を使用した場合、モアレ縞を抑制しようとすると樹脂粒子を大量に添加しなくてはならなくなり、その結果正面輝度が大きく低下してしまうことがわかる。
1 液晶モジュール
2 バックライトユニット
3 光源
4 反射フィルム
5 導光版
6 反射シート
7 光拡散フィルム(下拡散フィルム)
8 プリズムシート
9 光拡散フィルム(上拡散フィルム)
12 従来の一般的なバックライトユニット
13,23 光源
15,25 導光板
17 光拡散フィルム(下拡散フィルム)
18 従来の一般的なプリズムシート
19 光透過性基体
20 プリズム列
22 プリズム列を導光板の出射面側に向けて配置したプリズムシートを有するバックライトユニット
30 プリズム列を導光板の出射面側に向けて配置したプリズムシート
31 光透過性基体
32 プリズム列
33 プリズムシートにおける光拡散層
34 光透過性基体
35 光拡散層
36 本発明のモアレ縞抑制フィルム

Claims (10)

  1. 樹脂バインダー中に光拡散粒子の分散した光拡散層を、光透過性基体上に有する光拡散シートであって、前記光拡散粒子は多孔質粒子で、体積平均粒径dが4μm以下、細孔容積が1.0〜2.0ml/gであり、かつ前記光拡散層表面の中心線平均粗さRaが、0.5μm以下であることを特徴とするモアレ縞抑制フィルム。
  2. 前記光拡散層の膜厚tと体積平均粒径dとの比、t/dが0.8〜1.7である請求項1に記載のモアレ縞抑制フィルム。
  3. 前記多孔質粒子は非球状の不定形である請求項1または2に記載のモアレ縞抑制フィルム。
  4. 前記モアレ縞抑制フィルムの全厚は20〜200μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のモアレ縞抑制フィルム。
  5. 前記光拡散層は樹脂バインダー、光拡散粒子及び溶剤を含有する光拡散層用塗料を、透明支持体上に塗布した後、そのまま乾燥、熱硬化して得られたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のモアレ縞抑制フィルム。
  6. 前記光拡散層の前記光透過性を挟んで反対側に、互いに平行な綾を有するプリズム形状が形成されたことを特徴とするモアレ縞抑制機能付きプリズムシート。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモアレ縞抑制フィルムを有することを特徴とするバックライトユニット。
  8. 導光板と導光板の少なくとも片側端面側に配置された光源と、前記導光板の出射面側に、請求項6に記載のモアレ縞抑制機能付きプリズムシートを有することを特徴とするバックライトユニット。
  9. 請求項7または8に記載のバックライトユニットを有することを特徴とする液晶表示装置。
  10. 光透過性基体上に樹脂バインダー、光拡散粒子、及び溶剤を含有する光拡散用塗料を塗布した後、そのまま乾燥、熱硬化して光拡散層を形成するモアレ縞抑制フィルムの製造方法であって、前記光拡散粒子は多孔質粒子であり、前記光拡散粒子は非球状の多孔質粒子で、体積平均粒径dが4μm以下、細孔容積が1.0〜2.0ml/gであり、かつ前記光拡散層表面の中心線平均粗さRaが、0.5μm以下であり、かつ前記光拡散層の膜厚tと体積平均粒径dとの比、t/dが0.8〜1.7であることを特徴とするモアレ縞抑制フィルムの製造方法。
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