現像装置(現像手段)内を現像剤循環搬送路に沿って循環搬送される二成分現像剤が画像形成によりトナーを消費すると、その消費分のトナーがトナー補給手段により二成分現像剤に補給される。このトナー補給の際に採用される従来のトナー補給方法としては、次のような2つの補給方法が知られている。
第1の方法では、例えば、潜像担持体上に露光装置(潜像形成手段)が潜像形成する際に用いる画素書込情報(画像情報)から、その潜像を現像することで消費すると予想されるトナー消費量を算出する。そして、算出したトナー消費量に見合った量のトナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する。
また、第2の方法では、現像装置内で二成分現像剤を循環搬送するための搬送スクリュー(現像剤搬送手段)上の所定箇所(所定の検出箇所)にトナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)を設ける。そして、このトナー濃度センサで上記所定の検出箇所におけるトナー濃度を測定し、そのトナー濃度が目標トナー濃度となるように、トナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する。
しかし、いずれのトナー補給方法も、トナーを一括してまたは一定間隔で断続的に二成分現像剤へ補給するものであった。このため、現像装置内を循環搬送される二成分現像剤の循環方向のトナー濃度ムラ(以下、単に「トナー濃度ムラ」という。)を解消することは困難であった。以下、図面を参照して詳しく説明する。
図28は、現像剤循環搬送路に沿って二成分現像剤を循環搬送する現像装置の一例を示す説明図である。
この現像装置では、2本の搬送スクリュー8,11により図中矢印Aで示す方向に二成分現像剤が循環搬送される。現像剤循環搬送路のうち第2搬送スクリュー11が設置された部分には現像ロール12が対向しており、この部分では二成分現像剤が現像ロール12表面に汲み上げられ、かつ、現像領域を通過した二成分現像剤が戻される。また、現像剤循環搬送路のうち第2搬送スクリュー11が設置された部分には、その上部にトナー補給口17が設けられ、このトナー補給口17を介して図示しないトナー補給手段によりトナーが補給される。また、図中Bに示す箇所は、トナー濃度センサによりトナー濃度ムラを測定する測定箇所である。
図29は、トナーを一括して二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。図30は、トナーを一定間隔で断続的に二成分現像剤へ補給する場合のトナー補給とトナー濃度ムラとの関係を示すグラフである。
これらのグラフで細実線で示す波形(消費波形)は、トナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて所定の潜像を現像した後の二成分現像剤について、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定した結果を示す波形である。すなわち、この消費波形は、現像後に生じるトナー濃度ムラの一例を示している。
また、点線で示す波形(補給波形)は、トナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤に対してそれぞれの方法でトナー補給を行った後の二成分現像剤について、上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定した結果を示す波形である。なお、図30の二点鎖線で示す各波形は、断続的に行われる各トナー補給の個別補給波形を示すものであり、二点鎖線で示す各個別補給波形を合成した波形が点線で示す補給波形となる。
また、太実線で示す波形は、消費波形と補給波形とを合成したものであり、所定の潜像を現像した後の二成分現像剤についてそれぞれの補給方法によりトナー補給を行った後のトナー濃度ムラを示すものである。
図29および図30の太実線で示すように、トナーを一括して二成分現像剤に補給する方法(上記第1の方法)や、トナーを一定間隔で断続的に二成分現像剤に補給する方法(上記第2の方法)では、トナー補給後の二成分現像剤でトナー濃度ムラが存在することがわかる。
特に、実際の画像形成における消費波形は、形成する画像によって、具体的には現像対象となる潜像の位置や大きさ等によって変化するため、一定でない。そのため、従来の補給方法のように、消費波形の違いに関わらず消費分のトナーを一定のタイミングおよび一定の速度で補給する場合には、トナー補給後の二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することはできない。
この点についてさらに説明する。図28に示した現像装置では、第2搬送スクリュー11により搬送される二成分現像剤は、現像ロール12による現像剤搬送方向に対して直交する方向へ現像剤循環搬送路に沿って搬送され、現像ロール12の表面に担持されて現像領域へ搬送される。そして、現像領域で現像に寄与した後、再び現像剤循環搬送路へ戻され、第2搬送スクリュー11により搬送される。
潜像担持体上で潜像の位置が偏在していると、現像後の二成分現像剤にはトナーを多く消費する部分とトナーをほとんど消費していない部分とが存在しうる。そして、そのような状態の二成分現像剤が現像剤循環搬送路へ戻されることになる。この場合、現像剤循環搬送路に戻された後の二成分現像剤にはトナー濃度ムラが発生する。しかも、そのトナー濃度ムラの状態は、潜像担持体上における潜像の偏在状況によって変わってくる。
図31は、潜像担持体上における潜像の偏在状況と、トナー濃度ムラの状態との関係を示す説明図である。なお、図中矢印Aは、第2搬送スクリュー11による二成分現像剤の搬送方向を示す。また、図中矢印Cは、潜像担持体の表面移動方向を示す。
同図の上部は、記録材上に形成された3つの画像パターンを示す。同図の下部は、各画像パターンにそれぞれ対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後の二成分現像剤について、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサによりトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。
同図に示すように、潜像担持体上における潜像の偏在状況によって、消費波形すなわちトナー濃度ムラの状態が変わってくることがわかる。なお、図中左に描かれた画像パターンと図中右に描かれた画像パターンとを比較すると、後者の方が前者よりも消費波形がブロードになっている。これは、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置からトナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離が後者の方が長く、搬送スクリューによる攪拌を多く受けることによる違いである。すなわち、後者の方が、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサの測定箇所Bへ搬送されるまでに搬送スクリューによる攪拌を多く受けているため、前者よりもトナー濃度ムラが幾分解消された結果、消費波形がブロードになったものである。
図32は、潜像担持体上における潜像の位置と、トナー濃度ムラの状態との関係を更に詳しく示した説明図である。
同図には、第2搬送スクリューによる二成分現像剤の搬送方向で互いに異なる3つの位置に潜像が形成された3つの画像パターンと、潜像担持体表面移動方向で互いに異なる2つの位置に潜像が形成された2つの画像パターンとが描かれている。なお、一部の画像パターンは重複している。また、いずれの画像パターンも画像面積は同じである。
また、同図の下部は、上記3つの画像パターンそれぞれに対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後に、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサにより二成分現像剤のトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。また、同図の左部は、上記2つの画像パターンそれぞれに対応する潜像をトナー濃度ムラがない状態の二成分現像剤を用いて現像した後に、トナー補給を行わずに上記トナー濃度センサにより二成分現像剤のトナー濃度を測定したときの測定結果(消費波形)を示すグラフである。
第2搬送スクリュー11による二成分現像剤搬送方向で互いに異なる位置に同一面積の潜像を形成した場合、同図の下部に示すように、各画像パターンに対応する消費波形は、そのピーク時期および半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度が異なる。これは、上述したように、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置からトナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離の違いによるものである。詳しくは、ピーク時期の違いは、単純に、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでの時間の違いによるものである。また、半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度の違いは、トナーを消費した二成分現像剤の部分がトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでに受けた攪拌の量の違いによるものである。
一方、潜像担持体表面移動方向で互いに異なる位置に同一面積の潜像を形成した場合、同図の左部に示すように、各画像パターンに対応する消費波形は、そのピーク時期が異なるだけでその半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度に違いはない。これは、各画像パターンは、いずれもトナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される位置が同じであり、トナー濃度センサによる測定箇所Bまでの現像剤搬送距離に違いはないためである。したがってトナー濃度センサによる測定箇所Bへ到達するまでに受ける攪拌量に違いは生じない。すなわち、半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度に違いは発生しない。しかし、トナーを消費した二成分現像剤の部分が現像剤循環搬送路に戻される時期が異なるため、ピーク時期に違いが生じる。
以上のように、消費波形は、潜像担持体上における潜像の大きさはもとより、潜像の位置によっても変わってくるので、実際の画像形成では一定にならない。そのため、従来の補給方法では、現像装置内に存在する二成分現像剤全体の平均トナー濃度を目標トナー濃度に維持することはできても、二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することはできない。
特許文献1には、画像データの濃度分布をヒストグラム解析し、その解析結果に基づいて複数のトナー補給口から補給量を互いに独立して制御できる構成により現像装置内のトナー濃度ムラを抑えるというトナー補給方法が提案されている。この方法によれば、二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することも可能である。
また、特許文献2では、画像データを有限個の区画に分割し、各区画内のドット数に基づいて各区画に対応したトナー補給手段からトナーを補給する構成により、現像装置内のトナー濃度ムラを抑えるというトナー補給方法が提案されている。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
まず、本実施形態1に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態1に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す。)用の4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
図2は、Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yの構成を示す概略図である。図3は、プロセスユニット1Yの外観を示す斜視図である。このプロセスユニット1Yは、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すように、プロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。ただし、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを感光体ユニット2Yに対して着脱することができる。
感光体ユニット2Yは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。帯電手段である帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図2中時計回り方向に回転駆動する感光体3Yの表面を帯電ローラ6Yにより一様帯電させる。具体的には、図2中反時計回りに回転駆動する帯電ローラ6Yに対して図示しない電源から帯電バイアスを印加し、その帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接又は接触させることで、感光体3Yを一様帯電させる。なお、帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシ等の他の帯電部材を近接又は接触させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャのように、チャージャ方式によって感光体3Yを一様帯電させるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電した感光体3Yの表面は、後述する潜像形成手段としての光書込ユニット20から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
図4は、現像ユニット内を二成分現像剤が循環する現像剤循環搬送路周辺の現像ユニット構成を示す説明図である。現像手段である現像ユニット7Yは、図2や図4に示すように、現像剤搬送手段としての第1搬送スクリュー8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、トナー濃度検出手段としての透磁率センサからなるトナー濃度センサ(図示せず)、現像剤搬送手段としての第2搬送スクリュー11Y、現像剤担持体としての現像ロール12Y、現像剤規制部材としてのドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる二成分現像剤である図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュー8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図2中手前側(図4中矢印Aの方向)へ搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1搬送スクリュー8Y上に固定されたトナー濃度センサによって、第1剤収容部9Yにおけるトナー補給口17Yに対向する箇所(以下「補給箇所」という。)よりも現像剤循環方向上流側に位置する所定の検出箇所を通過するY現像剤のトナー濃度が検知される。そして、第1搬送スクリュー8Yにより第1剤収容部9Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口18Yを経て第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュー11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、Y現像剤を図2中奥側(図4中矢印Aの方向)へ搬送する。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュー11Yの図2中上方には、現像ロール12Yが第2搬送スクリュー11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール12Yは、図2中反時計回り方向に回転駆動する非磁性スリーブからなる現像スリーブ15Y内に固定配置されたマグネットローラ16Yを内包した構成となっている。第2搬送スクリュー11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Yの表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Yの表面と所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュー11Y上に戻される。そして、第2搬送スクリュー11Yにより第2剤収容部14Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口19Yを経て第1剤収容部9Y内に戻る。このようにして、Y現像剤は現像ユニット内を循環搬送される。
ここで、消費されたトナーを補給するトナー補給制御の概要について説明する。図5は、トナー補給制御を行う機構の機能ブロック図である。本実施形態1では、パーソナルコンピュータや画像読取装置からの画像データ(画像情報)を取得する取得手段としての画像情報取得部103が制御部100に設けられている。画像情報取得部103は、取得した画像情報を予測データ算出手段としての予測データ算出部101へ送る。予測データ算出部101は、受信した画像情報から、当該画像情報に基づく潜像を現像することでトナーを消費した現像剤に生じる測定箇所Bでのトナー濃度の時間変化(予測データ)を算出する。
なお、本実施形態1では、パーソナルコンピュータや画像読取装置から画像情報を入力し、その画像情報に基づいて予測データの算出を行うが、光書込ユニット20から発せられるレーザー光の数(ドット数)をカウントした情報を画像情報とし、その画像情報に基づいて予測データの算出を行うようにしてもよい。
補給量算出手段および補給制御手段として機能する補給制御部102は、予測データ算出手段として機能する制御部100の予測データ算出部101が算出した予測データに基づいて、トナー補給手段としてのトナー補給装置70がもつ1つの駆動源71Yを制御する。ここで、予測データ算出部101は、画像情報に基づき、ROMに記憶されている演算プログラムや演算テーブルを用いて、測定箇所BにおけるY現像剤のトナー濃度の時間変化の予測データを算出する。そして、補給制御部102は、予測データ算出部101が算出した予測データに基づき、後述する各種の基本補給パターンの組み合わせで1つの駆動源71Yの駆動制御を行うことで、トナー濃度ムラを解消する。トナー濃度センサによるY現像剤のトナー濃度の検出結果は、電気信号として図示しない制御部100に送られる。この制御部100は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成され、各種の演算処理や、制御プログラムの実行を行うことができる。制御部100は、RAMの中にトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニット7C,7M,7Kに搭載された各トナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、比較結果に応じた量のYトナーをトナー補給口17Yから供給するように、Y用のトナー補給装置70の駆動源71Yを制御する。この制御により、現像に伴うYトナーの消費によってYトナー濃度が低下したY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のトナー濃度は目標トナー濃度範囲内に維持される。他色用の現像ユニット7C,7M,7K内における現像剤についても同様である。なお、本実施形態1におけるトナー補給制御は、トナー濃度ムラを打ち消すように行うものであるが、その詳細については後述する。
次に、感光体3Y上にYトナー像を形成した後の処理についてさらに説明する。感光体3Y上に形成されたYトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト41に中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Yの表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Yの表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色用のプロセスユニット1C,1M,1Kにおいても、同様にして感光体3C,3M,3K上にCトナー像、Mトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト41上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの図1中下方には、光書込ユニット20が配設されている。光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上には、それぞれY用、C用、M用、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイを採用したものを用いてもよい。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これらの給紙カセット内には、それぞれ、記録材である記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a及び第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図1中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図1中反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図1中下側から上側に向けて搬送される。また、給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの図1中上方には、中間転写ベルト41を張架しながら図1中反時計回りに無端移動させる転写ユニット40が配設されている。転写ユニット40は、中間転写ベルト41のほか、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,45C,45M,45K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これらのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図1中反時計回りに無端移動する。4つの1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kは、このように無端移動する中間転写ベルト41を感光体3Y,3C,3M,3Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の内周面にトナーとは逆極性(本実施形態1ではプラス極性)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、
その無端移動に伴ってY用、C用、M用、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、その外周面に感光体3Y,3C,3M,3K上の各色トナー像が重なり合うように1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本実施形態1のプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY用、C用、M用の1次転写ローラ45Y,45C,45Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY用、C用、M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY用、C用、M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着手段としての定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図1中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63の掛け回し箇所には、図1中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が記録紙Pに定着する。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Yトナー、Cトナー、Mトナー、Kトナーをそれぞれ収容する4つのトナー収容器であるトナーカートリッジ72Y,72C,72M,72Kが配設されている。トナーカートリッジ72Y,72C,72M,72K内の各色トナーは、トナー補給装置70により、それぞれ、プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの現像ユニット7Y,7C,7M,7Kに適宜供給される。トナーカートリッジ72Y,72C,72M,72Kは、プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
次に、画像情報取得部103が取得する画像情報の詳細について図6を用いて説明する。なお、説明の便宜上、同図は、プリンタの機能に加えてコピー機能、スキャナ機能等を含むMFPとして画像形成装置を実現した場合の画像情報の流れを示している。まずコピーの画像フローについて説明する。
原稿を読み取る場合、エンジン部610内の読み取りユニット611が、セットされた原稿から画像情報を読取る。そして、読み取りユニット611は、RGBに色分解されたデータとして読み取った画像情報をスキャナ補正部612に送る。なお、エンジンコントローラ616は、エンジン部610内の各構成部の処理を制御する。
図7は、スキャナ補正部612の詳細な構成を示すブロック図である。同図に示すように、スキャナ補正部612は、像域分離処理部612aと、スキャナガンマ補正を行うスキャナγ処理部612bと、フィルタ処理を行うフィルタ処理部612cと、変倍処理を行う変倍処理部612dと、色補正処理を行う色補正処理部612eとを備えている。これらの各処理により、RGBの色信号(画像情報)はCMYKの色信号(画像情報)に変換される。
像域分離処理部612aは、画像情報の特徴(属性)に基づいて画像を文字領域や絵柄領域といった領域に分離し、領域の属性を表す属性情報(属性信号)を出力する。属性信号は、像域分離処理で何種類に分類するかに依存するが、1〜4ビット程度の信号となる。本実施形態では、文字領域と絵柄領域との2種類の領域に分離し、この分離結果を属性信号として出力するものとする。この属性信号はCMYK信号と共にスキャナ補正部612から出力される。
なお、フィルタ処理部612cおよび色補正処理部612eは、属性信号に応じて領域ごとに最適な処理を実行する。
図6に戻り、変倍後のCMYK各色8ビット(4×8ビット)の色データ(画像情報)は、固定長に圧縮するカラー多値データ圧縮器613によって各色nビット(n≦8)の色データ(画像情報)に変換される。
カラー多値データ圧縮器613で圧縮後のCMYKの画像情報および属性信号は、汎用バス620を通ってプリンタコントローラ604に送られる。プリンタコントローラ604は、各色毎に独立した半導体メモリ605を有し、送られた画像情報および属性信号を蓄積するようになっている。
蓄積された画像情報および属性信号は随時ハードディスク(HDD)606に書き込まれる。これはプリントアウト時に用紙がつまり、印字が正常に終了しなかった場合でも、再び原稿を読み直すのを避けるため、または、電子ソートを行うためである。また、読み取った原稿をハードディスク606に蓄積しておき、必要なときに再出力するように構成してもよい。
画像情報を出力する場合、ハードディスク606内の画像情報は、一度半導体メモリ605に展開され、次に汎用バス620をとおりエンジン部610に送られる。送られた画像情報は、エンジン部610内の固定長で画像を伸張するカラー多値データ伸張器614により再びCMYK8ビットの画像情報に変換される。そして、変換後の画像情報は対応する属性信号とともに、プリンタ補正部615に送られる。
図8は、プリンタ補正部615の詳細な構成を示すブロック図である。同図に示すように、プリンタ補正部615は、CMYKの各色に対してプリンタガンマ補正を行うプリンタγ処理部615aと、プロセスユニット1Y、1C、1M、1Kの特性に応じた中間調処理を行う中間調処理部615bとを備えている。中間調処理が行われた画像情報は、光書込ユニット20でレーザー光に変調されて転写紙に出力される。
以上はコピー処理の場合であるが、プリンタ処理の場合はプリンタコントローラ604が半導体メモリ605上に直接ビットマップイメージ(画像情報および属性信号)を描画する。ビットマップデータである画像情報および属性信号は、汎用バス620を通り、カラー多値データ伸張器614とプリンタ補正部615を経由せずに光書込ユニット20に直接送られて印字される。
光書込ユニット20に送られる前のCMYK2ビット×4チャンネルの画像情報は、属性信号とともに画像情報取得部103に送られる。このように、画像情報取得部103は、階調処理後の画像情報および属性信号を取得する。階調処理後の画像情報は、作像エンジンの能力に合わせてビット数が減らされている。このため、画像情報を計数するときの演算量が少なくて済む。
なお、プリンタ処理の場合は、外部PCから送られてくるオブジェクト情報が属性信号に相当する。オブジェクト情報は、例えば、テキスト/グラフィック/イメージのいずれに分類されるかを表す情報である。
また、中間調処理部615bは、属性信号に応じて領域ごとに最適な処理を実行する。例えば、中間調処理部615bは、属性信号が文字領域の場合(または、オブジェクト情報がテキストまたはグラフィックの場合)、解像性に優れた中間調処理方式である誤差拡散処理を用いる。一方、中間調処理部615bは、属性信号が絵柄領域の場合(または、オブジェクト情報がイメージの場合)は、粒状性に優れた中間調処理方式であるディザ処理を用いる。
なお、画像情報取得部103は、主走査方向の画像情報の有効範囲(主走査有効範囲)、および、副走査方向の画像情報の有効範囲(副走査有効範囲)の少なくとも一方で範囲を分割した領域ごとに画像情報を取得する。図9は、画像情報取得領域の一例を示す図である。
同図に示すように、画像情報は、画像情報に並走して主走査有効範囲を現す信号XLGATEと、(副走査有効範囲)を現す信号XFGATEと、画素クロック(図示せず)とが送られている。例えば、各信号がアサートされてからの画素クロックをカウントすることにより、2次元平面上(同図の画像情報取得領域)のいずれの部分の画素が送られているか特定できるようになっている。
なお、画像情報取得領域を分割する領域のサイズは、後述するようにセンサの分解能やノイズの影響あるいはトナー補給装置70の微小量補給性能などにより制限されるが、出力する画像のサイズに依存するものではない。そのため、図10に示すように印刷するときの転写紙のサイズによらず、分割する領域のサイズを常に一定にする。これにより、演算量を抑えつつトナー濃度の安定化に対する最大限の効果を得ることができる。
画像情報取得部103は、XFGATEがネゲートされた時に各領域の画像情報を予測データ算出部101に渡す。現像ユニット内の現像剤の移流速度が遅い画像形成装置で、転写紙の副走査方向の長さが短い場合には、XFGATEがネゲートされた後に補給すべきトナー量を計算し、トナー補給装置70によりトナー補給を行うように構成しても、次のトナー消費に間に合って補給を行うことができる。なお、トナー補給量の計算方法の詳細については後述する。
次に、補給制御部102が駆動源71を駆動制御するときに用いる基本補給パターンについて説明する。基本補給パターンは、予め実験等を行うことで得ることができる。以下、基本補給パターンの具体的な作成手順について説明する。
まず、第1剤収容部9Yにおける上記トナー補給口17Yよりも現像剤循環方向下流側に位置する測定箇所B(図4参照)を通過するY現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサを配置する。
そして、最初に、トナー補給装置70によるトナー補給動作の基礎パターン(以下「補給基礎パターン」という。)を測定する。図11は、本実施形態1におけるトナー補給装置70の補給基礎パターンを示すグラフである。
各波形H1,H2,H3,H4,H5は、トナー濃度ムラがない状態のY現像剤に対し、1回の駆動源71Yの駆動動作(以下「補給動作」という。)により補給されるトナー量(以下「単位補給量」という。)が互いに異なる5つの補給パターンでトナー補給を行ったときに、トナー濃度センサにより測定箇所Bでのトナー濃度の時間変化を検出した結果を示す波形(以下「補給基礎波形」という。)である。なお、補給基礎波形H1,H2,H3,H4,H5の順に、単位補給量が多くなる。また、単位補給量は、1回の補給動作における駆動源71Yの駆動時間や駆動速度を変更することで変動させることができる。
次に、感光体表面移動方向に対して直交する方向(以下「感光体軸方向」という。)について感光体3Yの表面を複数の領域に分割し、各領域にトナー濃度検出用の単位面積に相当する同一の単位画像の潜像をそれぞれ形成し、各潜像をトナー濃度ムラがない状態のY現像剤を用いてそれぞれ現像した後のY現像剤を、トナー補給を行わずに測定箇所Bのトナー濃度センサでトナー濃度の時間変化(基本消費波形)を測定する。なお、基本消費波形を求める際のトナー濃度検出用の単位面積としては、画像情報の1ドット面積が理想ではあるが、現実的にはセンサの分解能やノイズの影響あるいはトナー補給装置70の微小量補給性能などにより制限されるので、これらを考慮してなるべく小さく設定可能なトナー濃度検出用の単位面積を決定するのがよい。また、感光体3Yの表面を上述したように複数の領域に分割する場合の分割間隔は、トナー濃度検出用の単位面積に応じて適宜設定される。このようにして測定される基本消費波形は、図31の下部に記載したグラフのようになる。ただし、図31の下部のグラフに描かれているのは、上述した複数の領域のうち、その両端に位置する2つの領域と中央に位置する1つの領域だけである。
図31の下部に示すグラフで、感光体表面上の感光体軸方向位置が互いに異なる3つの潜像についての基本消費波形を互いに比較すると、半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度とが互いに異なっている。これは、潜像を現像してトナーを消費したY現像剤部分が現像剤循環搬送路に戻される位置から測定箇所Bまでの距離が互いに異なることにより、戻されたY現像剤が測定箇所Bまで搬送される間に第1搬送スクリュー8Yから受ける攪拌量が違うことによるものである。
なお、感光体表面移動方向における互いに異なる位置に形成した各潜像を現像した後の消費波形は、上述したように、そのピーク時期が異なるだけでその半値幅(ブロード状態)および最小トナー濃度に違いはない。よって、感光体軸方向の同一位置に形成された潜像についての基本消費波形を把握していれば、感光体表面移動方向における互いに異なる位置に形成した潜像についての消費波形は、当該基本消費波形の位相を所定時間だけ進ませるまたは遅らせるだけで得ることができる。したがって、感光体軸方向について感光体3Yの表面を分割した各領域の単位画像の潜像についての各基本消費波形を測定するだけで、感光体上の全位置に形成される潜像についての消費波形を把握することができる。
次に、各基本消費波形Knによるトナー濃度ムラを打ち消す基本補給波形をそれぞれ求める。図12は、ある基本消費波形Knと、その基本消費波形Knによるトナー濃度ムラを打ち消す基本補給波形Jn’とを示すグラフである。
基本消費波形Knと、各補給基礎波形H1,H2,H3,H4,H5とから、基本消費波形Knを打ち消すような波形を各補給基礎波形H1,H2,H3,H4,H5を組み合わせて作成し、その波形を基本補給波形Jn’として求める。このようにして求めた基本補給波形Jn’となるようなトナー補給動作を行えば、当該基本消費波形Knに対応する潜像を現像したことによるトナー濃度ムラを、少なくとも上記測定箇所Bでは解消することができる。そして、各基本補給波形Jn’を構成する補給基礎波形H1,H2,H3,H4,H5の組み合わせにそれぞれ対応するトナー補給動作(トナー補給量の制御パターン)が、各基本補給パターンとなる。
次に、本実施形態1におけるトナー補給制御の具体的内容について説明する。図13は、図中上部に記載した任意の画像を形成したときにおける任意消費波形Kと、その任意消費波形Kによるトナー濃度ムラを打ち消す補給波形Jとを示すグラフである。
実際の画像形成時に任意の画像を形成する際、その画像情報が制御部100の予測データ算出部101に送られる。予測データ算出部101では、この画像情報に基づく潜像を感光体3Y上の各位置に分解し、各分解潜像に対応する基本消費波形Knを得る。このようにして得た各基本消費波形Knを合成したものは、同図に示す任意消費波形Kに近似した波形(予測値)、すなわち、当該画像情報に基づく潜像を現像した現像剤が測定箇所Bを通過するときのトナー濃度の時間変化を示す消費波形に近似したものとなる。
なお、基本消費波形Knを求める際の単位画像は、分解した領域に対応する単位面積内の各画素で画素値が最大となる画像である。本実施形態1では、上述のように画素値は2ビット(0〜3)の値を取る。したがって、単位面積内に画素値が最大値より小さい画素が含まれる場合は、それに応じて予測値を変更する必要がある。すなわち、予測データ算出部101は、まず分割した領域内の各画素の画素値の平均値を算出し、算出した平均値の最大画素値(例えば3)に対する割合を基本消費波形Knに乗じて得られる波形を合成して予測データを算出する。なお、画素値の平均値を最大画素値で除算した値の代わりに、画素値が0でない画素数を単位面積内の総画素数で除算した値を用いるように構成してもよい。
このように、予測データ算出部101は、所定の演算プログラムを実行することで、上述したメカニズムに基づき、画像情報から、その画像情報に基づく潜像を現像した現像剤が測定箇所Bを通過するときのトナー濃度の時間変化である任意消費波形Kの分解成分である複数の基本消費波形Knの組み合わせを、予測データとして算出する。
このようにして予測データ算出部101が算出した予測データ(複数の基本消費波形Knの組み合わせのデータ)は、補給制御部102に送られる。補給制御部102は、これらの基本消費波形Knにそれぞれ対応した複数の基本補給波形Jn’を組み合わせることで、同図に示すように、任意消費波形Kが示すトナー濃度ムラを打ち消すような補給波形J、すなわち、任意消費波形Kの逆位相となる波形に近い補給波形Jを作り出すことができる。したがって、補給制御部102は、予測データに基づき、その複数の基本消費波形Knの組み合わせに対応する基本補給波形Jn’の組み合わせを求める。次に、求めた基本補給波形Jn’の組み合わせに対応するように、予めRAMに記憶しておいた各種基本補給パターンを組み合わせることで、その予測データに対応するトナー補給動作(トナー補給パターン)を決定する。
なお、予測データ算出部101と同様に、補給制御部102は、分割した領域内の各画素の画素値の平均値を最大画素値で除算した値を基本補給波形Jn’に乗じて得られる波形を組み合わせてトナー補給パターンを求めることによりトナー補給動作を決定する。
そして、補給制御部102は、決定したトナー補給動作(トナー補給パターン)で駆動源71Yの駆動制御を行う。このようなトナー補給動作により得られる補給波形は、各基本補給パターンによる基本補給波形Jn’を合成したものとなるので、同図に示す補給波形Jとなる。したがって、任意消費波形Kが示すトナー濃度ムラは、このようなトナー補給制御により、同図の太い実線で示すように測定箇所Bでは十分に解消されることになる。
また、本実施形態1では、上述のように画像情報取得部103が画像情報取得領域を複数に分割した領域に相当する分割単位で画像情報を取得する。そして、このように分割された画像情報それぞれに基づき、上述のようなトナー補給制御を実行することができる。このため、画像情報を分割せずに一括して取得し、取得した画像情報を元にトナーの補給量を算出する方法と比較すると、より高精度にトナー補給量を算出することが可能となる。
(変形例1)
上述の実施形態では、図9に示すように画像情報取得領域の主走査方向および副走査方向の両方で画像情報を分割している。これに対し、副走査方向のみで領域を分割して画像情報を取得するように構成してもよい。図14は、このように構成した場合の画像情報取得領域の一例を示す図である。このような構成により分割数を少なくすることができるため、トナー補給量を決めるための演算量を低減することが可能となる。
また、上述の実施形態では、画像情報取得部103は、XFGATEがネゲートされた時に各領域の画像情報を予測データ算出部101に渡していた。これに対し、光書込ユニット20による書き込みが行われて、書き込まれた部分の画像情報の取得が終わったら即座に予測データ算出部101に画像情報を渡すように構成してもよい。図14は、このように構成した場合の画像情報の取得の様子も示している。
すなわち、同図のように画像情報取得領域を領域1〜領域4の4つに分割した場合は、各領域の画像情報の取得が完了した時点で、取得した領域ごとの画像情報が予測データ算出部101に送出される。
(変形例2)
上述の実施形態では、図8に示すようにプリンタ補正部615内の中間調処理部615bで階調処理後の画像情報および属性信号が画像情報取得部103に出力されていた。これに対し、プリンタガンマ補正を行う前の画像情報および属性信号を画像情報取得部103に出力するように構成してもよい。図15は、このように構成した本変形例のプリンタ補正部2015の構成を示すブロック図である。同図に示すように、本変形例ではγ変換前の画像情報および属性信号が画像情報取得部103に送られている。γ変換前の画像情報は、画像情報の値と最終画像の濃度値とが対応している。濃度値とトナー消費量とは比例するので、γ変換前の画像情報を用いることで、消費されるトナー量をより正確に求め、濃度の安定した画像形成装置を得ることができる。
このように、本実施形態1にかかる画像形成装置では、現像を行ったことにより特定箇所で生じるトナー濃度の時間変化の予測データを算出し、この予測データに基づいて所定の補給箇所でのトナー補給量を調整する。二成分現像剤は現像剤循環搬送路を循環しているので、その二成分現像剤のトナー濃度ムラは特定箇所を通過する二成分現像剤のトナー濃度の時間変化として把握することができる。そして、このようなトナー濃度の時間変化の予測値である予測データに基づいて、特定箇所を通過する二成分現像剤のトナー濃度の時間変化を無くすように所定の補給箇所でのトナー補給量を調整するので、少なくとも特定箇所における二成分現像剤のトナー濃度ムラを解消することができる。
また、本実施形態1の補給制御手段の制御対象は、トナー補給手段がもつ1つ(単一)の駆動源である。そのため、トナー濃度ムラを打ち消すために必要なトナー補給用の駆動源は1つで済む。したがって、トナー濃度ムラを打ち消すために駆動源が複数必要となる特許文献1および2に記載の装置等がもつ装置の大型化やコストの高騰の問題は発生しない。
また、本実施形態1では、分割された画像情報それぞれに基づいてトナー補給量を算出し、トナー補給制御を実行することができるため、より高精度な制御を実現できる。
(実施形態2)
実施形態2の画像情報取得部103は実施形態1と構成は同じである。これを踏まえて本実施形態2では、実施形態1の予測データ算出部101が算出する予測データに対して補給波形を用いて分解を行う方法と同等の効果を得る方法として、後述するように補給波形を事前に考慮して消費波形に対して逆位相となる補給波形を生成するトナー補給量を指示する逆位相フィルタを用いることにより、補給結果が予測データの逆位相となるための制御サンプリング毎の補給量を画像情報より直接的に算出する。
図16は、実施形態2のトナー補給制御を行う機構の機能ブロック図である。同図に示すように、実施形態1と同様に、パーソナルコンピュータや画像読取装置からの画像データ(画像情報)を取得する取得手段としての画像情報取得部2103が制御部2100に設けられている。
補給制御部2102は、画像情報から直接補給量を算出するフィルタ手段としての逆位相フィルタ(図示せず)を備えている。画像情報取得部2103は、取得した画像情報に応じた擬似インパルス信号(後述)を逆位相フィルタへ送る。逆位相フィルタは、受信した擬似インパルス信号から、補給結果が逆位相波形となる補給パターンを生成し、画像情報に基づく補給パターンにより、制御サンプリング周期毎の補給量を算出する。なお、本実施形態2でも、パーソナルコンピュータや画像読取装置からの画像情報を入力し、その画像情報に基づいて補給量の算出を行うが、光書込ユニット20から発せられるレーザー光の数(ドット数)をカウントした情報を画像情報とし、その画像情報に基づいて補給量の算出を行うようにしてもよい。
上記逆位相フィルタは、予め実験等を行うことで得ることができる。以下、逆位相フィルタの作成手順について説明する。
まず、第1剤収容部9Yにおける上記トナー補給口17よりも現像剤循環方向下流側に位置する測定箇所B(図4参照)を通過する現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサを配置する。そして、トナー補給口17よりトナーの補給を行い、測定箇所Bのトナー濃度センサでトナー濃度の時間変化(補給波形)を測定する。このように測定して測定される補給波形は、図17(b)に示したグラフのようになる。また、本実施形態2で補給波形は代表的な補給量でトナーの補給をした際に生じる1パターンのみを単位補給波形として計測している。
次に、感光体表面移動方向に対して直交する方向(以下「主走査方向」という)について感光体3の表面を複数の領域に分割し、各領域にトナー濃度検出用の単位面積に相当する同一の単位画像の潜像をそれぞれ形成する。そして、各潜像をトナー濃度ムラがない状態の現像剤を用いてそれぞれ現像した後の現像剤を、トナー補給を行わずに測定箇所Bのトナー濃度センサでトナー濃度の時間変化(消費波形)を測定する。
ここで、消費波形を求める際のトナー濃度検出用の単位面積としては、画像情報の1ドット面積が理想ではある。ところが、現実的にはセンサの分解能やノイズの影響あるいはトナー補給装置70の微小量補給性能などにより制限される。よって、これらを考慮してなるべく小さく設定可能なトナー濃度検出用の単位面積を決定するのがよい。例えば、画像情報の分解能が低い場合やコントローラの処理速度に制限のある場合には、単位面積の最小単位を印刷用紙1枚全部として、消費波形の振幅を印刷1枚毎のトータル画像面積として近似しても良い。
また、感光体3Yの表面を上述したように複数の領域に分割する場合の分割間隔は、トナー濃度検出用の単位面積に応じて適宜設定される。
このようにして測定される消費波形は、同図(b)に示したグラフのようになる。ただし、同図(b)に描かれている消費波形のグラフは、同図(a)に示す上述した複数の領域の領域Aだけについてのものである。
上述したようにして求めた補給波形および消費波形から図18の関係を満たすような逆位相フィルタを構築する。同図に示す逆位相フィルタの縦軸は、制御サンプリング周期毎の補給量指示値(トナー量[mg]やモータ駆動時間換算値[msec]など)である。また、逆位相フィルタの横軸は、制御サンプリング周期(逆位相フィルタのグラフに示される棒と棒との間が1サンプル周期であり、通常固定値であって例えば200[msec]など)である。
ここで、図18を図19を用いて簡単に説明すると次のようになる。任意の画像面積率の消費を1回行うと、画像面積率に応じた擬似インパルス信号が逆位相フィルタに与えられる。なお、画像面積率とは、単位面積内での画素値が0でない画素の割合を表す。画素値が2値(0または1)の場合は、画像面積率は画素値の平均値に相当する。画素値が多値(例えば0〜3)の場合は、画像面積率の代わりに画素値の平均値を最大画素値で除算した値を用いればよい。以下では、画像面積率を用いる場合を例に説明する。
逆位相フィルタは、この擬似インパルス信号により制御サンプリング周期毎にインパルス応答を作成し、インパルス応答の振幅に従って補給量を指示する逆位相波形が作成される。この逆位相波形により指示された補給量を補給することにより、逆位相波形は消費波形の逆位相であるので、消費波形を打ち消すこととなる。また、逆位相フィルタの作成方法としては、一般に知られている「Filtered−X LMS」というシステム同定手法を用いたが、これに限るものではない。逆位相フィルタとしては、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などに実装されているFIRフィルタなどでも良いし、IIRフィルタを用いたパラトリックモデルで近似しても良い。
また、消費波形と補給波形とにタイムラグが生じる場合には、逆位相フィルタの前後に時間遅れ要素を別途設けるなどしても良い。
図20(a)に示すような画像情報を基に主走査方向を領域A,B,C,Dに区分けした感光体3の表面に形成される画像の主走査方向の領域毎の最小単位面積での各消費波形A,B,C,Dに対する各逆位相フィルタA,B,C,Dを上述した手法により作成すると同図(b)に示すようなものになる。
ここで、画像位置や画像面積が変化したとき、トナー補給量は最小単位面積の逆位相フィルタの出力結果の重ね合わせによって求めることができ、任意の逆位相波形を作ることができる。つまり、逆位相フィルタは、任意の時刻に任意の振幅の擬似インパルス信号を入力すると、以降入力振幅に比例した振幅の出力を自動的に行う。上記主走査方向の各領域での逆位相フィルタの形状や個数はあくまでも1つであり、逆位相フィルタに別々の擬似インパルス信号を順次入力していくと、それらが自動的に入力振幅に比例し、またタイムラグ分ずらして重ね合わせた逆位相波形を出力する。
また、実際の画像面積率が最小単位面積よりも小さい場合は、逆位相フィルタに与える擬似インパルス信号の振幅を、最小単位面積に対する画像面積率倍したものとする。これによって、逆位相フィルタの出力値は自動的に最小単位面積に対する画像面積率倍に変更される。
次に、図21に示す画像情報から逆位相フィルタを用いて消費波形に対して逆位相となる逆位相波形を予測データとして算出し、算出した逆位相波形その予測データに基づいた補給量でトナー補給することで測定箇所Bにおけるトナー濃度ムラを解消する場合について説明を行う。
ユーザーが同図に示す画像情報に基づいた印刷を行うと、画像情報取得部2103によって感光体3の表面における主走査方向の領域A,B,C,D毎に各最小単位面積の位置での画像面積率が算出される。そして、画像情報取得部2103により印刷のタイムラグを考慮して、画像面積率に応じた振幅の擬似インパルス信号が主走査方向の領域毎の各逆位相フィルタに与えられる。各逆位相フィルタは、この擬似インパルス信号により制御サンプリング周期毎にインパルス応答を生成し、インパルス応答の振幅に従って補給量を指示する主走査方向の領域毎の消費波形に対して補給結果が逆位相波形となる補給パターンを算出する。このように算出した主走査方向の領域毎の補給量は制御サンプリング周期毎に合計され、補給結果が測定箇所Bを通過する、トナー補給を行わないときの現像剤のトナー濃度の時間変化の予測データの逆位相となる補給量が算出される。
なお、補給制御部2102は、逆位相フィルタにより生成された補給量に、主走査方向の領域ごとに予め定めた個別の重みを乗じた値を合計する。これにより、同じ画像に対するトナー消費量が、逆位相フィルタを作成した際に想定しているトナー消費量と一定の割合で異なるような場合、その差異を主走査方向の領域毎に調整することが可能となる。なお、このように重みを乗じて算出値を補正する構成は必須ではなく、逆位相フィルタA〜Dからの出力値をそのまま合計してトナー補給量として算出するように構成してもよい。
この補給量を基にして補給制御部2102によってトナー補給動作を制御されたトナー補給装置70が制御サンプリング周期毎に所定の補給量でトナーを補給する。この補給に係る主走査方向の領域毎の逆位相波形を重ね合わせた波形予測データが消費波形の逆位相波形であるので、上記補給量に応じてトナー補給装置70がトナー補給を行うことにより、上記画像情報に基づいて印刷を行ったときの消費波形を打ち消すことができる。よって、測定箇所Bにおけるトナー濃度ムラを十分に解消することができる。
上述のように、プリンタやMFPによる画像処理では、画像中の属性情報(オブジェクト情報や像域分離情報など)によって、中間調処理方式を切り替える制御を行うことが一般的である。中間調処理方式にはディザ処理や誤差拡散処理などが存在する。例えば、画像の絵柄領域ではディザ処理を実行し、画像の文字領域では誤差拡散処理を実行するように制御される。これらの中間調処理方式はそれぞれ出力階調特性が異なる。この結果、画像に含まれる画素値の合計である画素カウント値が同じ場合であっても、トナー消費量が異なることになる。
このため、属性情報に応じて中間調処理方式を切り替える構成では、ある特定の条件(例えばディザ処理)に最適化された逆位相フィルタのみを用いてトナー補給量を算出すると、実際のトナー消費波形の逆位相波形とで誤差が生じる場合がある。例えば、ディザ処理と誤差拡散処理とを行う領域が混在する画像に対して、ディザ処理に最適化された逆位相フィルタのみを用いると、誤差拡散処理を行う領域に対して算出したトナー補給量に誤差が生じうる。この結果、トナー濃度変動が生じる可能性がある。
なお、特許文献3では、印字画素と空白画素との境界部であるエッジをカウントすることでドットの面積を算出し、ドットの面積と単位面積当たりのトナー消費量を乗算することによって、トナー消費量を算出する技術が提案されている。この方法では、トナー消費量がある一定量に達する毎にトナー補給動作を行っている。この方法によれば、トナー補給量の合計を実際のトナー消費量の合計に近づけることは可能である。しかし、トナー消費波形の逆位相波形となるようなトナー補給を行うものではないため、トナー補給後に現像器内で現像剤が十分に攪拌されるまでは、トナー濃度変動が生じる。
そこで、本実施形態では、各中間調処理方式に最適な複数の逆位相フィルタを作成し、画像の属性情報に応じて切り替える。これにより、トナー補給量の算出精度を向上させ、トナー濃度変動を抑えることができる。
既に述べた通り、誤差拡散処理とディザ処理とでは出力階調特性が異なる。すなわち、同じドット数(画素カウント値)であってもトナー消費量が異なる。これは、誤差拡散処理とディザ処理とで、図18の消費波形Aが異なることを意味する。よって、その消費波形を打ち消す逆位相波形を作り出す逆位相フィルタの形状も異なる。
そこで、本実施の形態では、それぞれの中間調処理方式に最適な逆位相フィルタを作成し、保持しておく。図21の例では、画像の主走査方向に対応した逆位相フィルタA〜Dがそれぞれ2種類ずつ(誤差拡散処理用とディザ処理用)作成される。
そして、補給制御部2102は、トナー補給量の算出時に、逆位相フィルタA〜Dを誤差拡散処理用の逆位相フィルタかディザ処理用の逆位相フィルタに切り替える。図21の例では、画像を主走査方向に4分割(A〜D)し、副走査方向に6分割(時間軸のT1〜T6に対応)しているため、補給制御部2102は、24(=4×6)分割した分割領域ごとに逆位相フィルタを切り替える。逆位相フィルタA〜Dのそれぞれを時間毎に切り替えることで、分割領域毎に切り替えることが可能となる。
次に、分割領域ごとの逆位相フィルタの切り替え方法について説明する。図22は、文字領域と絵柄領域とからなる入力画像の一例を示す図である。同図の点線で区切られた矩形は、4×6分割の分割領域を表している。太線で囲んだ分割領域のように、1つの分割領域内に文字領域と絵柄領域とが混在する場合がある。このような場合であっても逆位相フィルタは分割領域単位でしか切り替えられない。
そこで、本実施形態では、文字領域および絵柄領域それぞれが分割領域内で占める面積に応じて、切り替える逆位相フィルタを決定する。図23は、実施形態2の逆位相フィルタ選択処理の全体の流れを示すフローチャートである。
まず、補給制御部2102は、処理対象の分割領域に属する文字領域および絵柄領域それぞれの面積(画素数)を算出する(ステップS1)。次に、補給制御部2102は、文字領域の面積が絵柄領域の面積よりも大きい場合は、誤差拡散処理用の逆位相フィルタを選択し、そうでない場合はディザ処理用の逆位相フィルタを選択する(ステップS2)。すなわち、補給制御部2102は、面積の大きい属性情報に対応した逆位相フィルタを選択する。
同時に、補給制御部2102は、処理対象の分割領域の画素カウント値を算出する(ステップS3)。そして、補給制御部2102は、ステップS2で選択した逆位相フィルタを用いて、ステップS3で算出した画素カウント値に対してフィルタ演算を実行する(ステップS4)。例えば、補給制御部2102は、画素カウント値から算出した画像面積率に応じた擬似インパルス信号を、選択した逆位相フィルタに送ることによりフィルタ演算を実行する。なお、図21のように重みを乗じる場合、重みA〜Dは1に設定する。
以上の構成により、文字と絵柄が混在する画像に対しても、高精度にトナー補給量を算出することが可能となり、トナー濃度変動が生じることを防ぐことができる。すなわち、入力画像の属性情報に対応した逆位相フィルタに切り替えることによって、中間調処理方式が異なる場合のように、画素カウント値が同じ値であってもトナー消費量が異なる場合に対して、トナー補給量の算出精度を向上させ、トナー濃度変動が生じるのを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、入力画像を分割した領域毎に逆位相フィルタを切り替えることによって、画像中に複数の属性情報が存在する場合でも、トナー補給量の算出精度を向上させることができる。
(変形例3)
実施形態2では、像域分離信号やオブジェクト信号を属性信号として用いたが、より簡易な構成として、ユーザによって指定される文字文書や写真文書といった文書種類を属性情報として、逆位相フィルタを切り替えることも可能である。例えば、文字文書では文字領域に用いられる中間調処理(実施形態2では誤差拡散処理)に最適な逆位相フィルタ、写真文書では絵柄領域に用いられる中間調処理(実施形態2ではディザ処理)に最適な逆位相フィルタを用いるように構成する。このような構成では、トナー補給量の算出精度は若干劣るものの、属性情報毎の面積を算出する処理が不要であるため、計算量を抑えることが可能である。
(変形例4)
実施形態2では、処理対象の分割領域に属する文字領域および絵柄領域それぞれの面積(画素数)に応じて逆位相フィルタを切り替えていた。本変形例では、画素数の代わりに、文字領域および絵柄領域それぞれの画素カウント値(各画素の画素値の合計値)を用いる。図24は、本変形例4の逆位相フィルタ選択処理の全体の流れを示すフローチャートである。
まず、補給制御部2102は、処理対象の分割領域に属する文字領域および絵柄領域それぞれの画素カウント値を算出する(ステップS11)。次に、補給制御部2102は、文字領域の画素カウント値が絵柄領域の画素カウント値よりも大きい場合は、誤差拡散処理用の逆位相フィルタを選択し、そうでない場合はディザ処理用の逆位相フィルタを選択する(ステップS12)。すなわち、補給制御部2102は、画素カウント値の大きい属性情報に対応した逆位相フィルタを選択する。
次に、補給制御部2102は、ステップS11で算出した文字領域と絵柄領域の画素カウント値の合計値を算出する(ステップS13)。これにより、その分割領域全体の画素カウント値が求められる。
そして、補給制御部2102は、ステップS12で選択した逆位相フィルタを用いて、ステップS13で算出した画素カウント値に対してフィルタ演算を実行する(ステップS14)。なお、図21のように重みを乗じる場合、重みA〜Dは1に設定する。
以上の構成でも、実施形態2と同様にトナー濃度変動が生じるのを防ぐことができる。すなわち、分割した領域内で最も画素カウント値が大きい属性情報に対応した逆位相フィルタに切り替えることによって、分割した領域内に複数の属性情報が存在する場合でも、適切な逆位相フィルタを選択し、トナー補給量の算出精度を向上させることができる。
(実施形態3)
実施形態2では、誤差拡散処理およびディザ処理にそれぞれ適した複数のフィルタを作成して保持していた。本実施形態では、ディザ処理に最適な逆位相フィルタのみを作成して保持しておく。そして、誤差拡散処理が最適な領域に対しては、ディザ処理に最適な逆位相フィルタの演算結果に重みを乗じて演算結果を補正することにより、適切なトナー補給量を算出する。
図25は、実施形態3のトナー補給制御を行う機構の機能ブロック図である。同図に示すように、画像情報取得部2103と補給制御部2502とが制御部2500に設けられている。
実施形態3では、補給制御部2502の機能が実施形態2と異なっている。その他の構成および機能は、実施形態2の機能ブロック図である図16と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
補給制御部2502は、実施形態2の補給制御部2102と異なり、1つの中間調処理方式に最適な逆位相フィルタを分割領域ごとに1種類作成して保持しておく(同図には図示せず)。例えば図21の例では、画像の主走査方向A〜Dそれぞれに対して、ディザ処理用に最適化された逆位相フィルタA〜Dが作成される。
次に、このように構成された実施形態3にかかる画像形成装置による逆位相フィルタ選択処理について図26を用いて説明する。図26は、実施形態3における逆位相フィルタ選択処理の全体の流れを示すフローチャートである。
まず、補給制御部2502は、処理対象の分割領域に属する文字領域および絵柄領域それぞれの面積(画素数)を算出する(ステップS21)。次に、補給制御部2502は、処理対象の分割領域の属性情報に対応した重み係数を決定する(ステップS22)。例えば、図21の例では、補給制御部2502は、重みA〜Dの重み係数それぞれを、処理対象の分割領域に対応した重み係数に決定する。より具体的には、補給制御部2502は、文字領域の面積が絵柄領域の面積よりも大きい場合は、誤差拡散処理用の重み係数(以下、αとする)を選択し、そうでない場合はディザ処理用の重み係数である1を選択する。つまり、補給制御部2502は、面積の大きい属性情報に対応した重み係数を選択する。なお、αの値については後述する。
同時に、補給制御部2502は、処理対象の分割領域の画素カウント値を算出する(ステップS23)。次に、補給制御部2502は、ディザ処理用の逆位相フィルタを用いて、ステップS23で算出した画素カウント値に対してフィルタ演算を実行する(ステップS24)。そして、補給制御部2502は、ステップS22で決定した重み係数をフィルタ演算結果に乗算することにより補正したトナー補給量を算出する(ステップS25)。
次に、誤差拡散処理用の重み係数αについて説明する。重み係数αは、誤差拡散処理を行った場合の実際のトナー消費波形(トナー濃度センサで測定される消費波形)の逆位相波形と、その画素カウント値からディザ処理用の逆位相フィルタを用いてフィルタ演算を行うことによって求めたトナー補給波形とが最も近くなるように(波形の誤差が最小となるように)決定する。これは予め実験的に求めておくことが可能である。文字領域の場合には画素カウント値が小さい(トナー消費量が少ない)ことがほとんどであるので、画素カウント値が小さい場合に対して、波形の誤差が最小となるように重み係数αを決定することが望ましい。
以上の構成により、逆位相フィルタの数を増やすことなく簡易な構成で、文字と絵柄が混在する画像に対しても、高精度にトナー補給量を算出することが可能となり、トナー濃度変動が生じるのを防ぐことができる。すなわち、入力画像の属性情報に対応した係数で逆位相フィルタの演算結果を補正することによって、中間調処理方式が異なる場合のように、画素カウント値が同じ値であってもトナー消費量が異なる場合に対して、逆位相フィルタの数を増やすことなく簡易な構成でトナー補給量の算出精度を向上させ、トナー濃度変動が生じるのを防ぐことができる。
(変形例5)
本変形例では、実施形態2に対する変形例4と同様に、画素数の代わりに画素カウント値を用いる。図27は、本変形例5の逆位相フィルタ選択処理の全体の流れを示すフローチャートである。
まず、補給制御部2502は、処理対象の分割領域に属する文字領域および絵柄領域それぞれの画素カウント値を算出する(ステップS31)。次に、補給制御部2502は、文字領域の画素カウント値が絵柄領域の画素カウント値よりも大きい場合は、誤差拡散処理用の重み係数(αとする)を選択し、そうでない場合はディザ処理用の重み係数1を選択する(ステップS32)。つまり、画素カウント値の大きい属性情報に対応した重み係数を選択する。αの値については、実施形態3と同じである。
次に、補給制御部2502は、ステップS31で算出した文字領域と絵柄領域の画素カウント値の合計値を算出する(ステップS33)。これにより、その分割領域全体の画素カウント値が求められる。
次に、補給制御部2502は、ディザ処理用の逆位相フィルタを用いて、ステップS33で算出した画素カウント値に対してフィルタ演算を実行する(ステップS34)。そして、補給制御部2502は、ステップS32で決定した重み係数をフィルタ演算結果に乗算することにより補正したトナー補給量を算出する(ステップS35)。
以上の構成でも実施形態3と同様に、トナー濃度変動が生じるのを防ぐことができる。