JP2010226830A - 電動機及びそれを搭載した圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能及び信頼性を向上させることが可能な電動機及びそれを搭載した圧縮機を提供する。
【解決手段】固定子鉄心に複数相の固定子巻線が装着された固定子20と、固定子鉄心の内周面側に回転可能に配設した回転子40とを備えた電動機において、回転子40は、永久磁石44を装着するための複数の磁石挿入孔43、及び隣り合う磁石挿入孔43の間に形成された空隙部45,46を有する回転子鉄心41と、磁石挿入孔43に挿入された永久磁石44と、を備え、回転子鉄心41は、空隙部45,46の開口面積が異なる電磁鋼板42a,42bを積層して構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】固定子鉄心に複数相の固定子巻線が装着された固定子20と、固定子鉄心の内周面側に回転可能に配設した回転子40とを備えた電動機において、回転子40は、永久磁石44を装着するための複数の磁石挿入孔43、及び隣り合う磁石挿入孔43の間に形成された空隙部45,46を有する回転子鉄心41と、磁石挿入孔43に挿入された永久磁石44と、を備え、回転子鉄心41は、空隙部45,46の開口面積が異なる電磁鋼板42a,42bを積層して構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気調和装置や冷凍装置等の各種産業機械に用いられる電動機及びそれを搭載した冷媒圧縮機に関するものである。
近年、各種産業機械に用いられる電動機には、省エネルギーや環境保全等の観点から高効率化や省資源化(小型、軽量化)が求められている。その実現方法のひとつとして回転子に磁石が内挿される永久磁石形電動機が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電動機は、固定子鉄心に複数相の固定子巻線を装着して構成された固定子と、回転子鉄心の内部に径方向と直交する形態でほぼ板状の永久磁石を装着して構成され、固定子の固定子鉄心内部に回転可能に配設された回転子とを備えた永久磁石形電動機である。この電動機の回転子鉄心は、ケイ素鋼板等の電磁鋼板を積層して構成されている。そして、回転子鉄心における永久磁石の各端部部分に、それぞれ回転子鉄心外面近くまで広がる空隙部を形成し、この空隙部内面と回転子鉄心外面との間の部分(ブリッジ部)の厚さ寸法を、永久磁石端部側から隣合う永久磁石側に向けて減少するように設定されている。これら永久磁石の各端部に形成された空隙部は、回転子を構成する全ての電磁鋼板で同じ大きさとなっている。
特許文献1に記載の電動機は、回転子鉄心における永久磁石の各端部に、それぞれ回転子鉄心外面近くまで広がる空隙部を形成し、隣接する永久磁石の端部間での磁界の短絡を防止している。これにより、固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ろうとしている。しかしながら、回転による永久磁石や回転子鉄心自身の遠心力に耐えうるため、ブリッジ部の厚さ寸法を永久磁石端部側から隣接する永久磁石側に向けて減少するように空隙部を形成している。このため、ブリッジ部の厚さ寸法が永久磁石部側では厚くなり、磁界の短絡防止効果が薄れてしまっている。一方、ブリッジ部を薄くすると機械的強度を保つことができなく、ブリッジ部の疲労破損を招いてしまう。そのため、回転速度変動回数や最大回転速度の制限が必要になり、信頼性が低下することになる。
また、一般に、回転子鉄心を構成するケイ素鋼板等の電磁鋼板は、プレス型で打ち抜いて形成される。この電磁鋼板の疲労強度に対しては、打ち抜き剪断断面の状態や打ち抜き時の歪による残留応力の影響があることが一般的に知られている。そのような製造バラツキ要因を踏まえ、空隙部の大きさ(ブリッジ部の厚さ)を設定する必要があり、結果的に空隙部が小さくなってしまう(ブリッジ部が厚くなってしまう)。このため、ブリッジ部での磁界の短絡防止効果が薄れてしまうことになる。
以上のように、電動機の性能及び信頼性には、回転子鉄心に形成された空隙部の形状が影響する。しかしながら、この空隙部の大きさが全ての電磁鋼板で同じ大きさとなっている従来の電動機は、電磁鋼板に形成する空隙部の加工精度等の観点から、性能及び信頼性を向上させることが難しいという問題点があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、性能及び信頼性を向上させることが可能な電動機及びそれを搭載した圧縮機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る電動機は、固定子鉄心に複数相の固定子巻線が装着された固定子と、前記固定子鉄心の内周面側に回転可能に配設した回転子と、を備えた電動機において、前記回転子は、永久磁石を装着するための複数の磁石挿入孔、及び隣り合う前記磁石挿入孔の間に形成された空隙部を有する回転子鉄心と、前記磁石挿入孔に挿入された永久磁石と、を備え、前記回転子鉄心は、前記空隙部の開口面積が異なる複数種類の電磁鋼板を積層して構成されているものである。
また、本発明に係る圧縮機は、上記の電動機を使用したものである。
本発明においては、隣り合う前記磁石挿入孔の間に形成される空隙部は、回転子鉄心を構成する電磁鋼板によって開口面積が異なっている。このため、(後述の開口面積の小さな空隙部と比較して)開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板により、隣接する永久磁石の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、前述の開口面積の大きな空隙部よりも開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板により、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。したがって、性能及び信頼性を向上させることが可能な電動機及びそれを搭載した圧縮機を得ることができる。
以下の実施の形態では、本発明に係る電動機を冷媒圧縮機に使用した例について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機が搭載される冷媒圧縮機100の一例を示す縦断面模式図である。この図1に基づいて、冷媒圧縮機100の構成及び動作について説明する。この冷媒圧縮機100は、スクロール式圧縮機である場合を例に示しており、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)の構成要素となるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機が搭載される冷媒圧縮機100の一例を示す縦断面模式図である。この図1に基づいて、冷媒圧縮機100の構成及び動作について説明する。この冷媒圧縮機100は、スクロール式圧縮機である場合を例に示しており、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)の構成要素となるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
この冷媒圧縮機100は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。そして、冷媒圧縮機100は、圧縮部16と駆動部17とに分類できる。この圧縮部16及び駆動部17は、密閉容器(シェル)10内に収納されている。この密閉容器10は、圧力容器となっている。図1に示すように、圧縮部16が密閉容器10の上側に配置され、駆動部17が密閉容器10の下側に配置されている。この密閉容器10の底部は、冷凍機油1を貯留する油だめ11となっている。また、密閉容器10には、冷媒ガスを吸入するための吸入側配管12と、冷媒ガスを吐出するための吐出側配管13とが連接されている。
圧縮部16は、吸入側配管12から吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器10内の吐出空間15に排出する機能を有している。この吐出空間15に排出された冷媒ガスは、吐出側配管13から冷媒圧縮機100の外部に吐出されるようになっている。駆動部17は、圧縮部16で冷媒ガスを圧縮するために、圧縮部16を構成する旋回スクロール24を駆動する機能を果たすようになっている。つまり、駆動部17がクランクシャフト21を介して旋回スクロール24を駆動することによって、圧縮部16で冷媒ガスを圧縮するようになっているのである。
圧縮部16は、旋回スクロール24と、固定スクロール28と、フレーム31とで概略構成されている。図1に示すように、旋回スクロール24は下側に、固定スクロール28は上側に配置されるようになっている。固定スクロール28には、一方の面に立設された渦巻状突起であるラップ部29が形成されている。また、旋回スクロール24にも、一方の面に立設され、ラップ部29と実質的に同一形状の渦巻状突起であるラップ部25が形成されている。旋回スクロール24及び固定スクロール28は、ラップ部25とラップ部29とを互いに噛み合わせ、密閉容器10内に装着されている。そして、ラップ部25とラップ部29との間には、相対的に容積が変化する圧縮室18が形成される。
固定スクロール28は、フレーム31に図示省略のボルト等によって固定されている。固定スクロール28の中央部には、圧縮され、高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出ポート30が形成されている。そして、圧縮され、高圧となった冷媒ガスは、固定スクロール28の上部に設けられている吐出空間15に排出されるようになっている。旋回スクロール24は、固定スクロール28に対して自転運動することなく公転旋回運動を行うようになっている。また、旋回スクロール24のラップ部25形成面とは反対側の面(以下、スラスト面と称する)の略中心部には、中空円筒形状の旋回スクロールボス部26が形成されている。この旋回スクロールボス部26には、後述するクランクシャフト21の上端に設けられた偏心ピン部22が嵌入(係合)されているのである。
フレーム31は、密閉容器10の内周面に固着され、中心部にクランクシャフト21を貫通させるため貫通孔が形成されている。また、フレーム31には、旋回スクロール24のスラスト面27側から軸方向下側に貫通する排油穴32が形成されており、スラスト面27を潤滑した冷凍機油1を油だめ11に戻すようになっている。図1では、排油穴32が1つだけ形成されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、排油穴32を2つ以上形成してもよい。なお、フレーム31は、その外周面を焼き嵌めや溶接等によって密閉容器10の内周面に固定するとよい。
駆動部17は、クランクシャフト21に固定された回転子40と、密閉容器10に収容され、固着保持された固定子20と、回転軸であるクランクシャフト21とで構成されている。回転子40は、クランクシャフト21に固定され、固定子20への通電が開始することにより回転駆動し、クランクシャフト21を回転させるようになっている。また、固定子20の外周面は焼き嵌め等により密閉容器10に固着支持されている。すなわち、回転子40及び固定子20で電動機(モーター)を構成しているのである。なお、電動機については、以下で詳細に説明するものとする。
固定子20は、固定子鉄心(図示省略)に複数相の固定子巻線(図示省略)を装着して構成されている。クランクシャフト21は、回転子40の回転に伴って回転し、旋回スクロール24を旋回させるようになっている。このクランクシャフト21の上端部は、旋回スクロール24の旋回スクロールボス部26と回転自在に嵌合する偏心ピン部22が形成されている。また、クランクシャフト21の内部には、上端面まで連通している給油流路23が形成されている。この給油流路23は、油だめ11に貯留してある冷凍機油1の流路となるものである。油だめ11に溜まっている冷凍機油1は、クランクシャフト21の回転に伴い、冷凍機油1を吸い上げて給油流路23を流れて圧縮部16に給油されるようになっている。
旋回スクロール24と固定スクロール28との間には、旋回スクロール24の偏心旋回運動中における自転運動を阻止するためのオルダムリング33が配設されている。このオルダムリング33は、旋回スクロール24と固定スクロール28との間に配設され、旋回スクロール24の自転運動を阻止するとともに、公転旋回運動を可能とする機能を果たすようになっている。つまり、オルダムリング33は、旋回スクロール24の自転防止機構として機能している。
ここで、冷媒圧縮機100の動作について簡単に説明する。
電動機を構成する回転子40は、固定子20が発生する回転磁界からの回転力を受けて回転する。それに伴って、回転子40に固定されたクランクシャフト21が回転駆動する。旋回スクロール24は、クランクシャフト21の偏心ピン部22に係合されており、旋回スクロール24の自転回転運動がオルダムリング33の自転防止機構によって公転旋回運動に変換される。このクランクシャフト21の回転駆動によって、密閉容器10内の冷媒ガスが固定スクロール28のラップ部29と旋回スクロール24のラップ部25とにより形成される圧縮室18内へ流れ、吸入過程が開始する。
電動機を構成する回転子40は、固定子20が発生する回転磁界からの回転力を受けて回転する。それに伴って、回転子40に固定されたクランクシャフト21が回転駆動する。旋回スクロール24は、クランクシャフト21の偏心ピン部22に係合されており、旋回スクロール24の自転回転運動がオルダムリング33の自転防止機構によって公転旋回運動に変換される。このクランクシャフト21の回転駆動によって、密閉容器10内の冷媒ガスが固定スクロール28のラップ部29と旋回スクロール24のラップ部25とにより形成される圧縮室18内へ流れ、吸入過程が開始する。
圧縮室18内に冷媒ガスが吸入されると、偏心させられた旋回スクロール24の公転旋回運動で、圧縮室18の容積を減少させる圧縮過程へと移行する。つまり、圧縮部16では、旋回スクロール24が公転旋回運動すると、冷媒ガスが吸入口となる旋回スクロール24のラップ部25及び固定スクロール28のラップ部29の最外周開口部から取り込まれて、旋回スクロール24の回転とともに徐々に圧縮されながら中心部に向かうようになっている。なお、冷凍サイクルを循環してきた低圧状態の冷媒は、吸入側配管12から密閉容器10内に流入するようになっている。
そして、圧縮室18で圧縮された冷媒ガスは、吐出過程に移行する。つまり、冷媒ガスは、固定スクロール28の吐出ポート30を通過し、吐出空間15を経由してから冷媒圧縮機100の外部へと吐出されるのである。冷媒圧縮機100の吐出側配管13から吐出された冷媒は、高温高圧の状態となって、まず冷凍サイクルを構成する凝縮器に流入するようになっており、その後冷凍サイクルを構成する各機器を循環して、再度冷媒圧縮機100に吸入される。それから、固定子20への通電を停止すると冷媒圧縮機100は停止する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電動機を構成する回転子40を説明するための説明図である。ここで、図2(a)は回転子40の平面図を示し、図2(b)が回転子40の側面断面図を示している。この図2に基づいて、回転子40について詳細に説明する。また、上述したように、回転子40は、クランクシャフト21に固定され、固定子20及びクランクシャフト21とともに電動機(永久磁石形電動機)を構成するものである。この回転子40は、固定子20を構成する固定子鉄心の内周面側に回転可能に配設されるようになっている。
図2(b)に示すように、回転子40は、例えばケイ素鋼板等である電磁鋼板42を複数枚積層させた回転子鉄心41と、回転子鉄心41を軸方向に貫通させた磁石挿入孔43に装着した永久磁石44と、で構成されている。回転子鉄心41には、回転軸挿入孔50と、磁石挿入孔43と、が貫通形成されている。回転軸挿入孔50は回転子鉄心41の中心に、磁石挿入孔43は回転軸挿入孔50を囲むように、それぞれ形成されている。また、回転軸挿入孔50は略円形状に、磁石挿入孔43は略矩形状に、それぞれ構成されている。
図2(a)では、4つの磁石挿入孔43が90°おきに形成されている。磁石挿入孔43の形成位置は、磁石挿入孔43の個数に応じて決定するようになっている。たとえば、図2(a)に示すように4つの磁石挿入孔43を形成する場合には、360°を4で割った90°ごとの径方向の軸を定め、その軸上であって対向する位置を磁石挿入孔43として決定すればよい。また、3つの磁石挿入孔43を形成する場合には、360°を3で割った120°ごとの径方向の軸を定め、その軸上の位置を磁石挿入孔43として決定すればよい。
そして、磁石挿入孔43のそれぞれには、板状の永久磁石44が装着されている。これらの永久磁石44は、N極とS極とが交互となるように装着されている。また、磁石挿入孔43の各端部には、回転子鉄心41の外周面近くまで延び、軸方向に貫通させた空隙部45,46を形成している。つまり、磁石挿入孔43の各端部に形成された空隙部45,46は、回転子鉄心41の外周面に向かうように回転子鉄心41を軸方向に貫通させて形成されている。したがって、空隙部45,46と回転子鉄心41の外周面との間には、一律に所定の幅となっているブリッジ部47,48が形成されることになる。ここで、空隙部45,46が本発明の空隙部に相当する。
ブリッジ部47,48は、永久磁石44を内装する回転子40の永久磁石44から発生する磁界の流路となるものである。したがって、電動機の性能を向上させるためには、ブリッジ部47,48は薄い方が好ましい。つまり、空隙部45,46は大きい方が好ましい。その反面、ブリッジ部47,48には、回転することにより発生する永久磁石44や回転子鉄心41自身の遠心力が作用するため、薄くしすぎてしまうと機械的強度が低下してしまう。つまり、空隙部45,46が大きすぎると電動機の信頼性が低下してしまう。特に、変速制御される電動機においては、ブリッジ部47,48に繰り返しの応力が作用するため、機械的強度の確保は重要である。しかしながら、空隙部45,46の大きさが全ての電磁鋼板42で同じ大きさとなっていた従来の電動機は、電磁鋼板42に形成する空隙部45,46の加工精度等の観点から、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることが難しかった。
そこで、本実施の形態1では、空隙部45,46の開口面積が異なる2種類の電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電磁鋼板42を示す要部拡大図である。ここで、図3(a)は、開口面積の小さな空隙部45a,46aが形成された電磁鋼板42aを示す要部拡大図である。また、図3(b)は、開口面積の大きな空隙部45b,46bが形成された電磁鋼板42bを示す要部拡大図である。これら図3(a)及び図3(b)は、図2(a)に示すQ部の位置を表している。なお、図3(a)及び図3(b)のそれぞれには、比較のために、空隙部45b,46b及び空隙部45a,46aのそれぞれを想像線で示している。なお、以下の説明では、空隙部の開口面積の違いを明確にする必要がある場合には、末尾にアルファベットの符号をつけて説明する。空隙部の開口面積の違いを明確にする必要が無い場合には、末尾にアルファベットの符号をつけずに説明をする。
図3(a)及び図3(b)に示すように、空隙部45a,46aと電磁鋼板42aの外周面との間に形成されるブリッジ部47a,48aの幅は、空隙部45b,46bと電磁鋼板42bの外周面との間に形成されるブリッジ部47b,48bの幅よりも大きくなっている。本実施の形態1では、ブリッジ部47b,48bの幅を例えば0.2mm程度にしている。これにより、開口面積の大きな空隙部45b,46bが形成された電磁鋼板42bによって、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部45a,46aが形成された電磁鋼板42aにより、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
例えば本実施の形態1では、図2(b)に示すように、機械的強度の高い電磁鋼板42aを上部及び下部に積層し、磁界の短絡抑制効果の高い電磁鋼板42bを中央部に積層して回転子鉄心41を構成している。電動機の回転速度の変更時、電動機の駆動時、及び電動機の停止時等に、永久磁石44が磁石挿入孔43内で振動する場合がある。このとき、永久磁石44が接触しやすい磁石挿入孔43の上部及び下部に機械的強度の高い電磁鋼板42aを配置することにより、効果的に電動機の信頼性(機械的強度)を向上させることができる。
このように構成された回転子40においては、開口面積の大きな空隙部45b,46bが形成された電磁鋼板42bによって、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部45a,46aが形成された電磁鋼板42aにより、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることができる。
また、永久磁石44が接触しやすい磁石挿入孔43の上部及び下部に機械的強度の高い電磁鋼板42aを配置することにより、効果的に電動機の信頼性(機械的強度)を向上させることができる。
なお、本実施の形態1に係る電磁鋼板42a,42bの積層方法は一例である。例えば、所定枚数ごとに電磁鋼板42aと電磁鋼板42bを積層して、回転子鉄心41を構成してもよい。このとき、所定枚数は、回転子鉄心41の軸方向位置において任意に変更してもよい。
また、空隙部45,46の開口面積の異なる2種類の電磁鋼板42a,42bによって回転子鉄心41を構成したが、空隙部45,46の開口面積の異なる3種類以上の電磁鋼板42を積層して回転子鉄心41を構成してもよい。
また、空隙部45,46の開口面積の異なる2種類の電磁鋼板42a,42bによって回転子鉄心41を構成したが、空隙部45,46の開口面積の異なる3種類以上の電磁鋼板42を積層して回転子鉄心41を構成してもよい。
実施の形態2.
実施の形態1で示した空隙部45,46の形状以外でも、本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
実施の形態1で示した空隙部45,46の形状以外でも、本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電磁鋼板42を示す要部拡大図である。ここで、図4(a)は、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aを示す要部拡大図である。また、図3(b)は、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bを示す要部拡大図である。これら図4(a)及び図4(b)は、図2(a)に示すQ部の位置を表している。なお、図4(a)及び図4(b)のそれぞれには、比較のために、電磁鋼板42bの空隙部及び電磁鋼板42aの空隙部を想像線で示している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、磁石挿入孔43の各端部には、回転子鉄心41の外周面近くまで延び、軸方向に貫通させた空隙部45,46を形成している。また、空隙部45,46のそれぞれは、電磁鋼板42の外周側端部が、電磁鋼板42の外周面に沿うように永久磁石44の中心部方向に延設されている。これにより、空隙部45,46と電磁鋼板42の外周面との間には、一律に所定の幅となっているブリッジ部47,48が形成されることになる。
ここで、図4(a)及び図4(b)に示すように、空隙部45a,46aと電磁鋼板42aの外周面との間に形成されるブリッジ部47a,48aの長さは、空隙部45b,46bと電磁鋼板42bの外周面との間に形成されるブリッジ部47b,48bの長さよりも短くなっている。開口面積の大きな空隙部45b,46bが形成された電磁鋼板42bは、磁界の流路となるブリッジ部47b,48bの長さが長いため、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部45a,46aが形成された電磁鋼板42aは、ブリッジ部47a,48aの長さが短いため、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
このように構成された回転子40においても、実施の形態1と同様に、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることができる。
なお、本実施の形態2ではブリッジ部47,58の長さを異ならせることにより電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図ったが、ブリッジ部47,58の長さと幅の双方を異ならせて電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図ってもよい。
実施の形態3.
また、以下のように空隙部を形成しても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
また、以下のように空隙部を形成しても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図5は、本発明の実施の形態3に係る電磁鋼板42を示す要部拡大図である。ここで、図5(a)は、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aを示す要部拡大図である。また、図5(b)は、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bを示す要部拡大図である。これら図5(a)及び図5(b)は、図2(a)に示すQ部の位置を表している。なお、図5(a)及び図5(b)のそれぞれには、比較のために、電磁鋼板42bの空隙部及び電磁鋼板42aの空隙部を想像線で示している。
図5(a)及び図5(b)に示すように、磁石挿入孔43の各端部には、回転子鉄心41の外周面近くまで延び、軸方向に貫通させた空隙部45,46を形成している。また、空隙部45,46のそれぞれは、電磁鋼板42の外周側端部が、電磁鋼板42の外周面に沿うように永久磁石44の中心部方向に延設されている。
ここで、図5(b)に示すように、電磁鋼板42bには、略三角形状の空隙部49が隣り合う永久磁石44間に形成されている。つまり、隣り合う永久磁石44間に形成される空隙部の開口面積の大きさは、空隙部49分だけ電磁鋼板42bが電磁鋼板42aよりも大きくなっている。これにより、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bは、隣り合う永久磁石44間に磁界の流路となる鋼板材料が少ないため、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aは、隣り合う永久磁石44間に鋼板材料が多く存在するため、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
このように構成された回転子40においても、実施の形態1又は実施の形態2と同様に、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、隣り合う永久磁石44間に複数の空隙部を形成して本発明を実施してきた。隣り合う永久磁石44間に一つの空隙部を形成し、この空隙部の開口面積を異ならせても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
実施の形態1〜実施の形態3では、隣り合う永久磁石44間に複数の空隙部を形成して本発明を実施してきた。隣り合う永久磁石44間に一つの空隙部を形成し、この空隙部の開口面積を異ならせても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図6は、本発明の実施の形態4に係る電磁鋼板42を示す要部拡大図である。ここで、図6(a)は、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aを示す要部拡大図である。また、図6(b)は、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bを示す要部拡大図である。これら図6(a)及び図6(b)は、図2(a)に示すQ部の位置を表している。なお、図6(a)及び図6(b)のそれぞれには、比較のために、電磁鋼板42bの空隙部及び電磁鋼板42aの空隙部を想像線で示している。
図6(a)及び図6(b)に示すように、隣り合う永久磁石44間には、略三角形状の空隙部45が形成されている。
ここで、図4(a)及び図4(b)に示すように、電磁鋼板42aに形成された空隙部45aの大きさは、電磁鋼板42bに形成された空隙部45bの大きさよりも小さくなっている。これにより、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bは、隣り合う永久磁石44間に磁界の流路となる鋼板材料が少ないため、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aは、隣り合う永久磁石44間に鋼板材料が多く存在するため、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
このように構成された回転子40においても、実施の形態1〜実施の形態3と同様に、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜実施の形態4では、隣り合う永久磁石44間に貫通孔を形成し、この貫通孔を空隙部として本発明を実施してきた。隣り合う永久磁石44間に切り欠きを形成し、この切り欠きの面積を異ならせても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
実施の形態1〜実施の形態4では、隣り合う永久磁石44間に貫通孔を形成し、この貫通孔を空隙部として本発明を実施してきた。隣り合う永久磁石44間に切り欠きを形成し、この切り欠きの面積を異ならせても本発明を実施することが可能である。なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図7は、本発明の実施の形態5に係る電磁鋼板42を示す要部拡大図である。ここで、図7(a)は、切り欠き面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aを示す要部拡大図である。また、図7(b)は、切り欠き面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bを示す要部拡大図である。これら図7(a)及び図7(b)は、図2(a)に示すQ部の位置を表している。なお、図7(a)及び図7(b)のそれぞれには、比較のために、電磁鋼板42bの空隙部及び電磁鋼板42aの空隙部を想像線で示している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、隣り合う永久磁石44間には、電磁鋼板42の外周面が略三角形状に切り欠かれた空隙部45が形成されている。
ここで、図7(a)及び図7(b)に示すように、電磁鋼板42aに形成された空隙部45aの大きさは、電磁鋼板42bに形成された空隙部45bの大きさよりも小さくなっている。これにより、開口面積の大きな空隙部が形成された電磁鋼板42bは、隣り合う永久磁石44間に磁界の流路となる鋼板材料が少ないため、隣接する永久磁石44の端部間での磁界の短絡を抑制して固定子巻線を鎖交する磁束量を増加させ、電動機の性能向上を図ることが可能となる。また、開口面積の小さな空隙部が形成された電磁鋼板42aは、隣り合う永久磁石44間に鋼板材料が多く存在するため、機械的強度を保ち、電動機の信頼性向上を図ることが可能となる。そして、これら電磁鋼板42a,42bを積層して回転子鉄心41を構成することにより、電動機の性能及び信頼性の双方の向上を図っている。
このように構成された回転子40においても、実施の形態1〜実施の形態4と同様に、電動機の性能及び信頼性の双方を向上させることができる。
なお、本実施の形態5では切り欠きのみによって空隙部を形成したが、実施の形態1〜実施の形態4に係る空隙部と組合せ、貫通孔と切り欠きによって空隙部を形成してもよい。
以上、実施の形態1〜実施の形態5では本発明に係る電動機を冷媒圧縮機100に使用した例について説明したが、各種産業機械に用いられるその他の電動機に本発明を実施してももちろんよい。
1 冷凍機油、10 密閉容器、11 油だめ、12 吸入側配管、13 吐出側配管、15 吐出空間、16 圧縮部、17 駆動部、18 圧縮室、20 固定子、21 クランクシャフト、22 偏心ピン部、23 給油流路、24 旋回スクロール、25 ラップ部、26 旋回スクロールボス部、27 スラスト面、28 固定スクロール、29 ラップ部、30 吐出ポート、31 フレーム、32 排油穴、33 オルダムリング、40 回転子、41 回転子鉄心、42(42a,42b) 電磁鋼板、43 磁石挿入孔、44 永久磁石、45(45a,45b) 空隙部、46(46a,46b) 空隙部、47(47a,47b) ブリッジ部、48(48a,48b) ブリッジ部、49 空隙部、50 回転軸挿入孔、100 冷媒圧縮機。
Claims (7)
- 固定子鉄心に複数相の固定子巻線が装着された固定子と、
前記固定子鉄心の内周面側に回転可能に配設した回転子と、
を備えた電動機において、
前記回転子は、
永久磁石を装着するための複数の磁石挿入孔、及び隣り合う前記磁石挿入孔の間に形成された空隙部を有する回転子鉄心と、
前記磁石挿入孔に挿入された永久磁石と、
を備え、
前記回転子鉄心は、
前記空隙部の開口面積が異なる複数種類の電磁鋼板を積層して構成されていることを特徴とする電動機。 - 前記回転子鉄心は、
上部及び下部に積層された前記電磁鋼板における前記空隙部の開口面積が、中央部に積層された前記電磁鋼板における前記空隙部の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電動機。 - 前記空隙部は、貫通孔及び切り欠きのうち少なくとも一方により形成され、
前記貫通孔及び切り欠きのうち少なくとも一方の開口面積を異ならせることにより、前記空隙部の開口面積を異ならせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機。 - 前記貫通孔のうち少なくとも1つを、前記磁石挿入孔の各端部から前記電磁鋼板の外周面近くまで伸びるように形成し、
前記貫通孔の端部と前記電磁鋼板の外周面との間にブリッジ部を形成し、
該ブリッジ部の幅を異ならせることにより、前記空隙部の開口面積を異ならせることを特徴とする請求項3に記載の電動機。 - 前記貫通孔のうち少なくとも1つを、前記磁石挿入孔の各端部から前記電磁鋼板の外周面近くまで伸びるように形成し、
前記貫通孔の前記電磁鋼板側の端部を前記電磁鋼板の外周面に沿って延設し、
前記貫通孔の前記電磁鋼板側の端部と前記電磁鋼板の外周面との間にブリッジ部を形成し、
該ブリッジ部の長さを異ならせることにより、前記空隙部の開口面積を異ならせることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電動機。 - 前記空隙部は、貫通孔及び切り欠きのうち少なくとも一方により形成され、
前記貫通孔及び切り欠きのうち少なくとも一方の個数を異ならせることにより、前記空隙部の開口面積を異ならせることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電動機。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電動機を使用したことを特徴とする圧縮機。
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-
2009
- 2009-03-23 JP JP2009069628A patent/JP2010226830A/ja not_active Withdrawn
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