JP2010246455A - 豚頭骨の顎外し装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
豚頭骨の解体処理作業において、熟練した技術を有さない者でも容易に顎外し作業を行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させることができ、異物混入の可能性が低い豚頭骨の顎外し装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係る豚頭骨の顎外し装置は、切断された豚頭部を載せる載置台と、豚頭部の下顎骨を固定する下顎骨固定部と、豚頭部の顎関節を支点として上顎骨を旋回させる上顎骨旋回部と、少なくとも上顎骨旋回部を旋回運動せしめる駆動部とを備えたことを特徴とする。また、下顎骨固定部は、下顎骨の前歯下内側面と接する内側固定部と、下顎骨の後頭部側を支持する支持部とを備えている。また、上顎骨旋回部は、上顎骨及び下顎骨間に轡状に噛ませる棒部材を備え、棒部材の旋回軸が、豚頭部の一対の顎関節を結ぶ線と一致又は平行に位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切断された豚頭部の解体処理において、豚頭骨の顎を外すための顎外し装置に関するものである。
豚肉としては、肩、ロース、ひれ、ばら、もも等の部位が一般的に広く知られている。これらは、胴体部から採取される肉であるが、頭部からも頭肉が採取できる。頭肉は、ハムやテリーヌ等の原料として使用されるているが、胴体部の肉と比べて、採取作業が複雑で大変であり、一頭当たりの採取量も少ない。そのため、採算が取りにくく、切断した頭部をそのまま廃棄処分してしまうことも多くて一般的に広く知られないでいた。
しかし、都市部の処理施設では、1日の豚肉解体頭数が1000頭程にもなるため、相当量の頭肉の採取が期待できる。また、最近ではラーメンスープに豚の頭骨を用いることもあり、豚頭部の有効活用が期待されている。
頭肉を採取する最大の問題点は、上記したように、処理が複雑で大変であるという点である。その中でも、豚頭骨の上顎骨と下顎骨を分離する作業が非常に大変で困難である。豚頭骨の上顎骨と下顎骨を短時間で分離する方法としては、顎関節を破壊するか、豚頭骨の顎を外す方法がある。しかし、顎関節を破壊すると、骨の欠片が発生してしまい、頭肉に異物として混入し、商品価値が大幅に下落してしまう。また、骨から骨髄液が出てしまうと、ラーメンスープとしての使用価値がなくなってしまう。そのため従来では、豚頭骨の顎を外した後、上顎骨と下顎骨を分離していた。
しかし、豚頭骨の上顎骨と下顎骨は、顎関節によって連結し、顎関節周囲には、口を開閉するための筋肉、咀嚼するための筋肉や腱が付いている。これらの筋肉や腱を残したままでは、人手で顎を外すことは不可能である。また、無理に顎を外そうとすると、これらの筋肉や腱、その周囲に付着する肉を引きちぎってしまい、商品価値が下落してしまう。そこで、従来では、顎外し作業前に、これらの筋肉や腱にある程度の切れ目を入れていたが、この切れ目を入れる作業が非常に難しいという問題もあった。切れ目が浅いと、顎が外れないために何度も切れ目を入れることになり、作業効率が落ちるだけでなく、頭肉に傷が付き、商品価値が落ちてしまうという問題が生じていた。また、切れ目が深いと、顎を外しやすくなるが、熟練した技術が必要である。
また、筋肉や腱に適切に切れ目を入れたとしても、容易には顎が外れないという問題もある。上記した通り、豚頭骨の上顎骨と下顎骨は、顎関節によって連結しており、自然状態では顎が外れない。顎を外すには、顎関節の可動限界を超える力を加えて口を開かせる必要があり、相当な力とコツが必要である。そのため、誰もが容易にできないという問題があった。
また、顎外し作業前には、豚頭部を洗浄し、皮剥ぎ処理を行っているため、水、血液、体液等によって頭部が滑りやすくなっており、豚頭部を掴みにくく、力を入れにくいという問題があった。また、力の入れ方や方向によっては歯が折れてしまい、折れた歯が異物として頭肉に混入してしまうという問題もあった。
また、近年は、豚頭部の解体処理を行える熟練した技術を有する者が高齢化しており、ナイフ類を扱う作業はこなせても、顎外し作業のような力を必要とする作業が難しくなっているという問題もある。また、前記したように、頭肉採取は採算が取りにくいため、顎外し作業のためだけの人員を確保することは難しいという問題もある。
以上のことから、熟練した技術を有さない者でも容易に顎外し作業を行うことができ、作業効率を飛躍的に向上させることができ、異物が混入する可能性の低い豚頭骨の顎外し装置の開発が切望されていた。
上記問題を解決するため本発明に係る豚頭骨の顎外し装置は、切断された豚頭部を載せる載置台と、豚頭部の下顎骨を固定する下顎骨固定部と、豚頭部の顎関節を支点として上顎骨を旋回させる上顎骨旋回部と、少なくとも上顎骨旋回部を旋回運動せしめる駆動部とを備えたことを特徴とする。
また、下顎骨固定部は、載置台から突出し、下顎骨の前歯下内側面と接する内側固定部と、下顎骨の後頭部側を支持する支持部とを備えていることを特徴とする。この内側固定部は、先端部がフック状であり、駆動部は、上顎骨旋回部の稼働前に、内側固定部を他所から移動させて下顎骨の前歯下内側面に当接させても良い。また、下顎骨固定部は、下顎骨外側面と接する外側固定部を備えていても良い。
また、上顎骨旋回部は、上顎骨及び下顎骨間に轡状に噛ませる棒部材を備え、駆動部は、棒部材を旋回運動せしめ、棒部材の旋回軸は、豚頭部の一対の顎関節を結ぶ線と一致又は平行に位置しても良い。この棒部材の旋回角度は、100度以上であるのが良い。また、棒部材には一対の上顎骨固定突部が設けられ、一対の上顎骨固定突部間に上顎骨の歯が収容可能であっても良い。
また、載置台の一部が傾斜していても良い。
本発明に係る豚頭骨の顎外し装置は、切断された豚頭部を載せる載置台と、豚頭部の下顎骨を固定する下顎骨固定部と、豚頭部の顎関節を支点として上顎骨を旋回させる上顎骨旋回部と、少なくとも上顎骨旋回部を旋回運動せしめる駆動部とを備えているため、顎関節を破壊せずに顎を外すことができ、骨の欠片等の異物混入のおそれが無く、商品価値が下落しにくい。更に、熟練した技術や力を有さない者でも容易に顎を外すことができ、作業効率が飛躍的に向上する。
また、下顎骨固定部は、載置台から突出し、下顎骨の前歯下内側面と接する内側固定部と、下顎骨の後頭部側を支持する支持部とを備えているため、安定して下顎骨を固定することができ、良好に上顎骨を旋回させて豚頭骨の顎を外すことができる。更に、顎関節と支持部との接点を支点として上顎骨を旋回運動させることができ、顎が外れやすくなる。
また、内側固定部は、先端部がフック状であるため、下顎骨に引っかかりやすくなり、安定して下顎骨を固定することができる。
また、駆動部が上顎骨旋回部の稼働前に、内側固定部を他所から移動させて下顎骨の前歯下内側面に当接させるため、豚頭骨を載置台上にセットしやすくなり、作業効率が向上する。更に、内側固定部が移動してきて下顎骨に引っ掛かるため、豚頭部や下顎骨の大きさに関係なく内側固定部が下顎骨を固定することができ、汎用性を有することができる。
また、下顎骨固定部は、下顎骨外側面と接する外側固定部を備えているため、上顎骨旋回時に下顎骨が左右にぶれにくくなり、安定して下顎骨を固定することができる。
また、上顎骨旋回部は、上顎骨及び下顎骨間に轡状に噛ませる棒部材を備え、駆動部は、棒部材を旋回運動せしめ、棒部材の旋回軸は、豚頭部の一対の顎関節を結ぶ線と一致又は平行に位置するため、顎関節の可動方向と同方向に上顎骨を旋回させることができ、顎が外れやすくなる。更に、上顎骨旋回時に、棒部材が上顎骨の歯上を適当に移動するため、歯に無理な力がかかりにくくなり、歯が折れず、頭肉に異物が混入しにくい。
また、棒部材の旋回角度が100度以上であるため、豚頭骨の顎を外した後、顎関節周辺の筋肉や腱等も分離して上顎骨及び下顎骨の分離作業も行うことができ、作業効率が向上する。
また、棒部材には一対の上顎骨固定突部が設けられ、一対の上顎骨固定突部間に上顎骨の歯が収容可能であるため、上顎骨旋回時に上顎骨が左右に移動しなくなり、安定して上顎骨を旋回させることができる。
また、載置台の一部が傾斜しているため、分離させた上顎骨及び/又は下顎骨を他所へ滑走させて移動させることができ、作業効率が向上する。
本発明に係る顎外し装置の一実施の形態を示した説明図である。 図1に示された顎外し装置の動作状態を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の使用状態を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の使用状態を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の動作状況を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の動作状況を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の動作状況を示した説明図である。 本発明に係る顎外し装置の動作状況を示した説明図である。
本発明に係る豚頭骨の顎外し装置2について、図を参照にしながら説明する。図1は、本発明に係る顎外し装置2を示した説明図であり、図2は、顎外し装置2の動作状態を示した図である。また、図3は、図1に示された顎外し装置2に豚頭部をセットした状態を示した説明図であり、図4は、顎外し装置2を作動させて豚頭骨30の上顎骨32及び下顎骨34を分離した状態を示した図である。また、図5〜図8は、顎外し装置2の動作状況を示した図であり、豚頭骨30の顎が外れるまでの状況を示した図である。なお、図5〜図8は、説明の便宜上、載置台4の一部を切断した部分断面図となっており、図6は、下顎骨34の一部を切断した部分断面図となっている。なお、これらの図は本発明を説明するためだけのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
本発明に係る豚頭骨の顎外し装置2は、切断された豚頭部を載せる載置台4と、豚頭部の下顎骨34を固定する下顎骨固定部6と、豚頭部の顎関節を支点として上顎骨32を旋回させる上顎骨旋回部14と、少なくとも上顎骨旋回部14を旋回運動せしめる駆動部24とを備えたことを特徴とする。本発明に係る顎外し装置2は、豚頭骨30の下顎骨34を固定した状態で、顎関節の可動限界を超えて上顎骨32を旋回運動させ、豚頭骨30の顎を外そうとするものである。なお、本文中で使用する豚頭骨30は、豚頭部を構成する骨体を指すものとする。また、豚頭骨30を顎関節で分離した時の、上顎を含む骨体を上顎骨32とし、下顎を含む骨体を下顎骨34とする。
下顎骨固定部6は、上顎骨32の旋回時に、下顎骨34が移動しないように固定できれば、どの様な構造、固定手段、固定方法を用いても良い。また、下顎骨固定部6は、どの様な材料で形成されていても良いが、適度な強度を有し、錆びにくい材料が良く、具体例としては、ステンレスで形成されているのが良い。また、その他の材料で形成しても良いが、豚頭骨30や下顎骨34と接する箇所に、防錆加工等の各種加工が施されていると更に良い。図2に示された下顎骨固定部6は、下顎骨34の前歯下の内側面と接する内側固定部8と、顎関節近傍の後頭部側を支持する支持部10とを備えている。豚の下顎骨34の前歯下内側面は、図6に示されたように、下顎骨下端部から前歯側に向かって傾斜状となっているため、内側固定部8はこの部分に接する又は引っ掛けるような形状であると良い。図2中では、内側固定部8の先端がフック状となっているが、棒状でも良いし、湾曲状でも良く、内側固定部8の形状は適宜設定すれば良い。
また、内側固定部8は、予め設置台4から突出していても良いが、下顎骨34の固定時に他所から突出又は移動させても良い。内側固定部8が予め載置台4から突出していると、豚頭骨30を載置台4上にセットする時、下顎骨34を内側固定部8に引っ掛けなければならない。しかし、後述するが、豚頭骨30のセット時に、上顎骨旋回部14の棒部材16を上顎骨32及び下顎骨34間に噛ませるため、内側固定部8が予め載置台4から突出していると、豚頭部を載置台4上にセットしにくくなる。また、豚頭骨30の大きさや、下顎骨34口腔内の形状や大きさが個体によって異なるため、内側固定部8の突出位置が固定されていると、内側固定部8が下顎骨34の前歯下内側面と接しないおそれが生じてしまう。そこで、内側固定部8を下顎骨34の固定時に動かすことで、載置台4上に豚頭骨30をセットしやすくすると共に、内側固定部8を確実に下顎骨34の前歯下内側面と接触させて、下顎骨34を固定しようとするものである。内側固定部8を突出又は移動させる場合は、載置台4下又は載置台4内から、載置台4上へ突出させても良いが、図5中の矢印方向のように、支持部10側から移動させるのが良い。この時、棒部材16の旋回軸と垂直方向に移動させると更に良い。下顎骨34は、図4に示されたように略U字状をしているため、内側固定部8を下顎骨34の後頭部側から前歯側に移動させることができる。内側固定部8をこの様に移動させることで、下顎骨34の大きさに関係なく、内側固定部8が下顎骨34の前歯下内側面と接し、安定して下顎骨34を固定することができる。内側固定部8の移動距離としては、支持部10から100mm〜250mm程度離れた位置まで移動して停止するのが良いが、内側固定部8の移動距離、停止位置を任意に調節可能であっても良い。また、図1及び図2中の内側固定部8は、所定位置で停止した後、開始点まで戻るようになっているが、例えば、上顎骨32と下顎骨34を分離した後、下顎骨34を引っ掛けたまま内側固定部8が前方へ進み、下顎骨34を他方へ搬送するようにしても良い。
また、支持部10は、図3又は図5に示されたように、顎関節近傍の後頭部側を支持又は固定する部材を指す。この支持部10は、図6に示されたように、上顎骨32の旋回時に下顎骨34が後頭部側へ引っ張られるのを防ぐと共に、図7に示されたように、上顎骨32を旋回させる時の支点とすることができる。顎関節と支持部10との接点を支点として上顎骨32を旋回させることで、上顎骨の旋回方向と顎関節の可動方向が一致し、顎関節に負荷がかかりにくくなり、顎関節の破壊が防げる。支持部10の形状については適宜設定すれば良いが、図1に示されたように、円柱状が好ましい。その他には、半円柱状、扇状でも良いし、顎関節と接する面のみ湾曲状でも良い。図7及び図8に示されたように、上顎骨32を旋回させていくと、顎が外れ、下顎骨34と離れていくため、上顎骨32が旋回しやすく且つ支持部10上を移動しやすい形状が良く、上顎骨32と接する箇所が湾曲状であるのが良い。支持部10の大きさについては、適宜設定すれば良い。また、図1及び図2に示された支持部10は、2つの円柱部材を使用し、支持部10間の間隙に内側固定部8を収納する構造となっているが、支持部材10は、一つの部材であっても良いし、複数の部材を組み合わせても良い。
また、下顎骨固定部6は、下顎骨34外側面と接する外側固定部12を備えていても良い。図4に示されたように、下顎骨34はU字状をしているため、内側固定部8だけで固定した場合、上顎骨32旋回時に下顎骨34が左右にぶれた時、固定が外れるおそれがある。そこで、外側固定部12を設け、下顎骨34の左右のぶれを防ぎ、下顎骨34を安定して固定しようとするものである。図3中では、外側固定部12として、ブロック体を設けているが、外側固定部12の形状や構造については特に限定せず、適宜設定すれば良い。外側固定部12の材料についても適宜設定すれば良いが、下顎骨34との接触面にスポンジ、ウレタン、ゴム、樹脂等の衝撃を吸収する部材を用いても良い。また、多様な大きさの豚頭骨30にも対応できるよう、外側固定部12が移動可能であっても良い。例えば、一対の外側固定部12が移動して互いの距離を縮め、下顎骨34と接触した時に停止するような制御でも良い。
次に、上顎骨旋回部14について説明する。上顎骨旋回部14は、豚頭骨30の顎関節の可動限界を超えて上顎骨32を旋回させる手段、部材、装置を指す。また、上顎骨旋回部14は、どの様な材料で形成されていても良いが、適度な強度を有し、錆びにくい材料が良く、具体例としては、ステンレスで形成されているのが良い。また、その他の材料で形成しても良いが、豚頭骨30や上顎骨32と接する箇所に、防錆加工等の各種加工が施されていると更に良い。図1及び図2に示された上顎骨旋回部14は、駆動部24からのエネルギーを旋回軸に伝える第二アーム部20と、旋回軸からのエネルギーを棒部材16に伝える第一アーム部18と、第一アーム部18に取り付けられた棒部材16とからなる。第二アーム部20を上下動させることで旋回軸が回転し、旋回軸の回転により第一アーム部18が回転して棒部材16が旋回運動する構造になっている。この構造に限らず、例えば、支持部10に第一アーム部18を連結し、支持部10を旋回軸として第一アーム部18を回転させ、棒部材16を旋回運動させても良い。また、載置台4下にモータ等を設け、モータ等に第一アーム部18を取り付け、第一アーム部18を旋回させても良く、棒部材16を旋回運動させる構造や方法については、駆動部24や動力源、駆動方法等を考慮して適宜設定すれば良い。なお、上顎骨32を旋回させるために上顎骨32と接する部材を棒部材16と称しているが、必ずしも棒状の部材である必要は無く、板部材やブロック体であっても良い。
また、棒部材16は、図1に示されたように、円柱状が良い。上顎骨32の旋回時には、顎関節の可動限界によって上顎骨32の旋回が一時停止し、棒部材16からの加圧によって再度旋回して顎が外れるが、上顎骨32の一時停止時に、棒部材16が上顎骨32の歯上を若干移動する。この時、棒部材16が円柱状以外の形状であると、歯に引っかかるおそれが生じてしまう。その場合、歯が欠けて異物混入の原因となったり、滑らかに上顎骨32が旋回せずに、顎関節を破壊して、骨の欠片等が異物として生じるおそれがある。そこで、棒部材16が滑らかに歯上を移動するために、円柱状とするものである。棒部材16の大きさについては、適宜設定すれば良いが、載置台4に豚頭骨30をセットする時、上顎骨32及び下顎骨34間に容易に噛ませることができる程度の大きさが良い。
棒部材16の設置位置としては、旋回軸から半径100mm〜250mm程度の位置を棒部材16が旋回運動するように設置されているのが良い。豚頭骨30の大きさにもよるが、棒部材16が旋回軸に近付きすぎると、上顎骨32が良好に旋回しないおそれがある。また、棒部材16が旋回軸から離れすぎると、棒部材16と旋回軸との間から上顎骨32が抜けてしまうおそれがあるため、棒部材16と旋回軸との距離を適切に設定するのが良い。また、豚頭骨30の大きさに応じて、棒部材16の位置を任意に変更できるような構造としても良い。図1及び図2では、第一アーム部18に複数の穴を設け、棒部材16を任意の穴に付け替え、棒部材16の位置を変更可能としている。また、棒部材16が第一アーム部18上をスライド可能にしても良く、棒部材16の位置変更方法については適宜設定すれば良い。
また、棒部材16の旋回軸は、豚頭部の一対の顎関節を結ぶ線と一致又は平行に位置するのが良い。これにより、上顎骨32が滑らかに旋回し、顎関節を破壊せずに顎を外すことが可能となる。
また、棒部材16の旋回角度は、100度以上であるのが良い。豚頭部の顎を外すだけの場合は、旋回角度は60度〜90度程度でも良い。旋回角度を100度以上とする場合、あまり旋回角度を大きくしすぎると、棒部材16のための旋回スペースを確保する必要が生じ、動作時間もかかるため、旋回角度は100度〜180度程度とするのが良い。旋回速度については特に限定せず、駆動部や各装置の構成等を考慮して適宜設定すれば良い。
また、棒部材16には、舌部材を設けても良い。例えば、上顎骨32及び下顎骨34間に棒部材16を噛ませた時、口腔上壁に接するような部材を棒部材16に取り付ければ、上顎骨32との接触面積が大きくなり、棒部材16からの力を良好に上顎骨32に伝えることができ、上顎骨32を滑らかに旋回させることができる。また、舌部材が上顎骨32の歯間に位置し、上顎骨32旋回時に上顎骨32が左右にぶれても、舌部材が歯に接触して、上顎骨32の左右のぶれを減少させることができる。舌部材としては、板状部材でも良いが、ブロック体でも良く、構造については適宜設定すれば良い。また、舌部材の形状や大きさについても、棒部材16に設置することができれば良く、適宜設定すれば良い。
また、棒部材16には、図2に示されたように、一対の上顎骨固定突部22が設けられていても良い。一対の上顎骨固定突部22間に、上顎骨32の歯を収容することで、上顎骨32旋回時に上顎骨32の左右のぶれを防ごうとするものである。図2中では、棒部材16に設けられたリング部材を上顎骨固定突部22としているが、上顎骨固定突部22の形状や構造、大きさ等については適宜設定すれば良い。また、一対の上顎骨固定突部22間の距離が変更可能であっても良い。これにより、多様な大きさの豚頭部に対応が可能となる。上顎骨固定突部22を移動させるための構造、手段や制御については適宜設定すれば良い。
また、本発明に係る駆動部24は、上顎骨旋回部14を旋回できれば、どの様な手段、装置を用いても良い。図1及び図2に示された駆動部24は、空気シリンダー26を用い、シリンダーアーム28の伸縮によって第二アーム部20を上下動させ、第二アーム部20の上下動によって旋回軸を回転させて第一アーム部18を旋回させている。この他にも、例えば、支持部10内や載置台4下にモータ等を設け、第一アーム部18を直接旋回運動させても良い。本発明に係る駆動部24は、空気シリンダー26を用いているが、油圧シリンダ、各種シリンダ、モーター等を使用しても良く、顎外し装置2の形状、構造、大きさ、上顎骨旋回部14の形状、構造等を考慮して適宜設定すれば良い。また、上顎骨旋回部14以外にも、図5に示されたように、内側固定部8用の駆動部24を設けても良い。図5に示された内側固定部8用の駆動部24は、空気シリンダー26を用いて内側固定部8を矢印方向へ移動させている。また、外側固定部12や上顎骨固定突部22も移動可能とする場合の駆動部24及び駆動源については、適宜設定すれば良い。
また、駆動部24、上顎骨旋回部14、顎外し装置2等の制御については、制御部を設けても良い。図5〜図8に示されている顎外し装置2は、駆動部24として空気シリンダー26を用い、一つの駆動源から全ての駆動部24が循環状に配管され、複数の切替弁によって連動制御する構造となっているため、制御部を設けていない。しかし、駆動部24や駆動源によっては、制御部を設けても良い。この時、顎外し装置2全体を一つの制御部で制御しても良いし、各部材や手段毎に制御部を設けても良い。
また、載置台4の一部が傾斜していても良い。例えば、上顎骨32の旋回先側の載置台4を傾斜させれば、分離された上顎骨32が自動的に傾斜を滑って他所へ移動させることができる。また、内側固定部8が停止する位置近傍の載置台を前方又は側方側へ傾斜させれば、分離された下顎骨34を他所へ搬送させやすくなる。
以上が本発明に係る豚頭骨の顎外し装置2についての説明であるが、本発明の目的を逸脱しない限り、種々の条件や設定は変更が可能である。
次に、図1に示された顎外し装置2を使用した上顎骨32及び下顎骨34の分離作業を、顎外し装置2の動作と共に説明する。
まず、図3に示されたように、載置台4に豚頭骨30をセットする。豚頭骨30のセットは、豚頭骨30の口を若干開き、図3又は図5に示されたように、棒部材16を口にくわえさせ、棒部材16が奥歯側に位置するように豚頭骨30の位置を調整する。そして、豚頭骨30の後頭部を支持部10に接して置くか、又は、支持部10に近い位置に置くと豚頭骨30のセットが完了する。
次に、スイッチを入れると、まずエアガスが内側固定部8用の空気シリンダー26に充填されていき、所定量充填されると、図5中矢印方向に内側固定部8が移動する。移動した内側固定部8は、図6に示されたように、内側固定部8先端のフックが下顎骨34の前歯下内側面に引っ掛かり、下顎骨34の固定が完了する。同時に、切替弁によって空気シリンダー26への充填が停止され、上顎骨旋回部14用の空気シリンダー26へエアガスが送られる。
上顎骨旋回部14用の空気シリンダー26へエアガスが所定量充填されると、切替弁によってエアガスの充填が停止されると共に、図6に示されたように、シリンダーアーム28が延伸される。シリンダーアーム28が延伸されると、第二アーム部20が下に押され、旋回軸が回転し始める。旋回軸が回転すると、第一アーム部18が図6中矢印方向へ回転し始め、上顎骨32が棒部材16によって持ち上げられる。下顎骨34は、下顎骨固定部6によって固定されているため、上顎骨32は顎関節を支点として旋回していく。上顎骨32の旋回が続くと、やがて顎関節の可動限界に達し、上顎骨32の旋回が一時停止する。この時、シリンダーアーム28は延伸し続けるため、第二アーム部20、旋回軸、第一アーム部18は回転し続け、棒部材16も旋回運動し続ける。上顎骨32への加圧が顎関節の可動限界を超えると、図7に示されたように、顎が外れる。更にシリンダーアーム28は延伸を続けるため、第一アーム部18及び棒部材16も旋回運動をし続け、図8に示されたように、上顎骨32と下顎骨34が分離する。この時、顎関節周りに付着している筋肉や腱等も分離される。
シリンダーアーム28が所定距離延伸すると停止し、切替弁によって上顎骨旋回部14用の空気シリンダー26のエアガスが抜かれ始める。エアガスが抜かれると、シリンダーアーム28が収縮し、第二アーム部20が上に移動し、旋回軸が逆回転し、第一アーム部18も逆旋回していく。シリンダーアーム28が収縮して開始位置まで戻ると、第二アーム部20及びアーム部18も開始位置まで戻る。上顎骨旋回部14用の空気シリンダー26のエアガスを抜き終えると、切替弁によって内側固定部8用の空気シリンダー26のエアガスが抜かれ始める。エアガスが抜かれると、内側固定部8が開始位置まで戻る。内側固定部8用の空気シリンダー26からエアガスを抜き終えると、切替弁によってスイッチがリセットされ、入力可能状態に戻される。
以上が、豚頭骨の顎外し装置2の動作と、豚頭骨の顎外し作業、上顎骨32及び下顎骨34の分離作業である。この装置を使用すると、作業者が豚頭骨30を載置台4にセットし、スイッチを入れるだけで、豚頭骨30の顎外し作業と、上顎骨32及び下顎骨34の分離作業が完了するため、大量の豚頭骨30を容易且つ短時間で処理することが可能となり、力や熟練した技術が必要無い。また、図5〜8示された装置は、豚頭骨30と同程度の大きさであるため、省スペースでの作業が可能となり、既存の作業場に設置しても、作業動線や作業環境が乱れるおそれが無い。
2 顎外し装置
4 載置台
6 下顎固定部
8 内側固定部
10 支持部
12 外側固定部
14 上顎骨旋回部
16 棒部材
18 第一アーム部
20 第二アーム部
22 上顎骨固定突部
24 駆動部
26 空気シリンダー
28 シリンダーアーム
30 豚頭骨
32 上顎骨
34 下顎骨

Claims (8)

  1. 切断された豚頭部を載せる載置台と、該豚頭部の下顎骨を固定する下顎骨固定部と、該豚頭部の顎関節を支点として上顎骨を旋回させる上顎骨旋回部と、少なくとも該上顎骨旋回部を旋回運動せしめる駆動部とを備えたことを特徴とする豚頭骨の顎外し装置。
  2. 前記下顎骨固定部は、前記載置台から突出し、前記下顎骨の前歯下内側面と接する内側固定部と、該下顎骨の後頭部側を支持する支持部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の豚頭骨の顎外し装置。
  3. 前記内側固定部は、先端部がフック状であり、前記載置台から突出部が移動可能であり、前記駆動部は、前記上顎骨旋回部の稼働前に、該内側固定部を他所から移動させて前記下顎骨の前歯下内側面に当接させることを特徴とする請求項1又は2に記載の豚頭骨の顎外し装置。
  4. 前記下顎骨固定部は、前記下顎骨外側面と接する外側固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の豚頭骨の顎外し装置。
  5. 前記上顎骨旋回部は、前記上顎骨及び前記下顎骨間に轡状に噛ませる棒部材を備え、前記駆動部は、該棒部材を旋回運動せしめ、該棒部材の旋回軸は、前記豚頭部の一対の顎関節を結ぶ線と一致又は平行に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の豚頭骨の顎外し装置。
  6. 前記棒部材の旋回角度が100度以上であることを特徴とする請求項5に記載の豚頭骨の顎外し装置。
  7. 前記棒部材には一対の上顎骨固定突部が設けられ、該一対の上顎骨固定突部間に前記上顎骨の歯が収容可能なことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の豚頭骨の顎外し装置。
  8. 前記載置台の一部が傾斜していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の豚頭骨の顎外し装置。
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