JP2010256552A - 光回路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱素子または冷却素子とコアとの間の熱伝導を効率させつつ、光吸収や光損失を抑制する。
【解決手段】熱光学効果によって光導波路を伝搬する光の位相を変化させる光回路素子であって、クラッド11aと、クラッド11aによって覆われたコア11bとからなる光位相シフト導波路11と、ヒーター12と、クラッド11a内に埋設され、ヒーター12とコア11bとを熱的に接続する伝熱部材としてのカーボンナノチューブ13とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は光回路素子に関するものであり、特に、光強度や光位相等の調整に用いられる光回路素子に関するものである。
光回路素子のうち、例えば、マッハツェンダー干渉計(Mach-Zehnder Interferometer)型の光スイッチ(以下、「MZI型光スイッチ」と称する。)は、光回路の空間切り替えに広く用いられている。一般的なMZI型光スイッチは、熱光学効果(熱による屈折率の変化)を利用して導波路を伝搬する光のスイッチングを行う。かかるMZI型光スイッチの基本構造を図4に模式的に示す。一般的なMZI型光スイッチでは、基板101の上に、クラッド102とコア103とからなる光位相シフト導波路104が形成されている。さらに、光位相シフト導波路104のクラッド102上にはヒーター105が設けられている。図示されているような構造のMZI型光スイッチでは、ヒーター105の加熱により光位相シフト導波路104の屈折率を変えることよって、該導波路104を伝搬する光の位相をシフトさせる。これにより、加熱された光位相シフト導波路と不図示のもう一方の光位相シフト導波路との共同作用によって光がスイッチングされる。
しかし、図4に示されているヒーター105から発せられた熱は、クラッド102の内部で発散しながら伝導する。さらに、クラッド102の下方の基板101にも伝導する。このため、コア103を効率よく加熱することができず、スイッチングに必要な消費電力が大きく、スイッチングの応答速度も低いといった課題があった。
上記課題を解決するための構造として図5に示す構造が知られている。図5に示す構造では、光位相シフト導波路104の周囲に空隙(断熱部106)が設けられている。しかし、図5に示す構造には、断熱部106を形成するためのデバイス加工プロセスが複雑になるという課題があった。また、デバイスの機械的強度や信頼性が低いといった課題もあった。
そこで、特許文献1には、図6に示す構造のMZI型光スイッチが記載されている。図6に示すMZI型光スイッチでは、ヒーター105とコア103との間に、繊維強化複合材料107とバッファ層108とが配置されている。繊維強化複合材料107は、異方性を有し、かつ、一方向にのみ高い熱伝導率を有する。バッファ層108は、繊維強化複合材料107による光吸収を防ぐために配置されている。
特開2004−198754号公報
特許文献1に開示されている構造では、繊維強化複合材料による光吸収を防ぐためにバッファ層が設けられている。しかし、バッファ層は、一般的に熱伝導率が低い。したがって、ヒーターとコアとの間の熱伝導効率の向上と、光吸収の抑制といった2つの目的が十分には達成されない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱素子または冷却素子とコアとの間の熱伝導効率の向上と、光吸収の抑制といった2つの目的が十分に達成された光回路素子を提供することである。
本発明の光回路素子は、熱光学効果によって光導波路を伝搬する光の位相を変化させる光回路素子であって、クラッドと該クラッドによって覆われたコアとからなる光導波路と、加熱素子または冷却素子と、前記クラッド内に埋設され、前記加熱素子または前記冷却素子と前記コアとを熱的に接続する伝熱部材としてのカーボンナノチューブとを有することを特徴とする。
本発明によれば、加熱素子または冷却素子とコアとの間の熱伝導効率の向上と、光吸収や光損失の抑制といった2つの目的が十分に達成された光回路素子が実現される。
本発明の光回路素子の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の光回路素子の実施形態の他例を示す模式図である。 本発明の光回路素子の実施形態のさらに他例を示す模式図である。 一般的なMZI型光スイッチの基本構造を示す模式図である。 光位相シフト導波路の周囲に空隙(断熱部)が設けられたMZI型光スイッチの構造を示す模式図である。 特許文献1に記載されているMZI型光スイッチの構造を示す模式図である。
(実施形態1)
以下、本発明の光回路素子の実施形態の一例について図1を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る光回路素子は、熱光学効果によって導波路の屈折率を変化させ、該導波路に伝搬する光の位相を変化させることによってスイッチングを行うMZI型光スイッチである。図1に示すように、基板10の上には光位相シフト導波路11が設けられており、光位相シフト導波路11の上にはヒーター12が設けられている。光位相シフト導波路11は、SiO2からなるクラッド11aと、Siからなるコア11bとから構成されている。さらに、クラッド11aの内部であって、ヒーター12とコア11bとの間には、伝熱部材としての複数本のカーボンナノチューブ13が配置されている。さらに、各カーボンナノチューブ13は、軸線方向(長手方向)がコア11bの外壁と直交する向きで配置されている。なお、カーボンナノチューブ13の周囲には、クラッド11a(SiO2)ではなく、光吸収が少ない高分子材料を配置してもよい。
ここで、カーボンナノチューブとは、炭素によって作られた六角網目のシート状構造(グラフェンシート)が単層または多層の同軸管状になった物質である。もっとも、グラフェンシートには、五角網目や七角網目の部分が存在することもある。また、単層のものは「シングルウォールナノチューブ(SWNT)」、複層のものは「マルチウォールナノチューブ(MWNT)」と呼ばれることもある。特に、二層のものは、「ダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれることもある。本発明におけるカーボンナノチューブには、シングルウォールナノチューブとマルチウォールナノチューブの双方が含まれる。
また、カーボンナノチューブ13の熱伝導率は3000〜5500[W/(m-1K-1)]であり、クラッド11aであるSiO2の熱伝導率は1[W/(m-1K-1)]であり、コア11bであるSiの熱伝導率は168[W/(m-1K-1)]である。これにより、ヒーター12から発せられた熱は、クラッド11aよりも圧倒的に熱伝導率の高いカーボンナノチューブ13を介してコア11bに伝導し、コア11bの全体が効率的に加熱される。さらに、コア11bよりも熱伝導率の低いクラッド11aにより、コア11bの周囲には等価的に熱の分離部が形成される。したがって、ヒーターから発せられた熱が基板10の主面方向に沿ってクラッド11a内を伝導し、基板10に伝導することが少ない。また、クラッド11aの側面や底面から外部に熱が発散することも少ない。すなわち、熱がコア11bに閉じ込められ、コア11bがさらに効率的に加熱される。
さらに、本実施形態では、各カーボンナノチューブ13は、その長手方向がコア11bの外壁と直交する向きで配置されている。換言すれば、カーボンナノチューブ13とコア11bとの接触面積が非常に小さい。よって、カーボンナノチューブ13とコア11bとが直接接触しても、カーボンナノチューブ13による光吸収は非常に少ない。
(実施形態2)
以下、本発明の光回路素子の実施形態の他例について図2を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る光回路素子は、実施形態1に係るMZI型光スイッチと基本構造を共通にするMZI型光スイッチである。
本実施形態に係るMZI型光スイッチが実施形態1に係るMZI型光スイッチと異なるのは次の点である。すなわち、本実施形態に係るMZI型光スイッチでは、カーボンナノチューブ13がコア11b中の光モードの存在しない領域のみと接触するように配置されている。これにより、本実施形態に係るMZI型光スイッチでは、カーボンナノチューブ13による光吸収が実施形態1に係るMZI型光スイッチよりも低減される。
(実施形態3)
以下、本発明の光回路素子の実施形態の他例について図3を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る光回路素子は、実施形態1に係るMZI型光スイッチと基本構造を共通にするMZI型光スイッチである。
本実施形態に係るMZI型光スイッチが実施形態1に係るMZI型光スイッチと異なるのは次の点である。すなわち、本実施形態に係るMZI型光スイッチでは、カーボンナノチューブ13は、その長手方向がコア11bの外壁と直交し、かつ、コア11bを伝搬する光の電場の方向と直交する向きで配置されている。なお、本実施形態では、コア11bを伝搬する光の電場の方向は、基板10の主面に対して垂直な方向である。
学術論文「Polarization Dependence of the Optical Absorption of Single-Walled Carbon Nanotubes」(PHYSICAL REVIEW LETTERS vol.94(2005) 087402頁)によれば、長手方向と直交する電場を持つ光に対するカーボンナノチューブの光吸収率は、長手方向と平行な電場を持つ光に対する光吸収率の1/100以下である。すなわち、カーボンナノチューブは、光吸収に関して光学異方性を有する。よって、カーボンナノチューブ13が、その長手方向がコア11bの外壁と直交し、かつ、コア11bを伝搬する光の電場と直交する向きで配置されている本実施形態に係るMZI型光スイッチでは、カーボンナノチューブ13による光吸収が実施形態1に係るMZI型光スイッチよりも低減される。
なお、上記のいずれの実施形態においても、必要十分な伝熱効果が得られる範囲内でカーボンナノチューブの本数を減らすことによって、カーボンナノチューブによる光吸収をより低減することができる。また、上記のいずれの実施形態におけるヒーターも冷却素子に変更することができる。
本発明は、光通信、光交換、光情報処理および光インターコネクションにおいて、光強度や光位相等の調整に用いられる光可変減衰器や光スイッチに利用することができる。
10 基板
11 光位相シフト導波路
11a クラッド
11b コア
12 ヒーター
13 カーボンナノチューブ

Claims (4)

  1. 熱光学効果によって光導波路を伝搬する光の位相を変化させる光回路素子であって、
    クラッドと、前記クラッドによって覆われたコアとからなる光導波路と、
    加熱素子または冷却素子と、
    前記クラッド内に埋設され、前記加熱素子または前記冷却素子と前記コアとを熱的に接続する伝熱部材としてのカーボンナノチューブとを有することを特徴とする光回路素子。
  2. 前記カーボンナノチューブは、その軸線方向が前記コアの外壁と直交する向きで前記クラッド内に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の光回路素子。
  3. 前記カーボンナノチューブは、前記コアの光モードの存在しない領域のみと接触するように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光回路素子。
  4. 前記カーボンナノチューブは、その軸線方向が前記コアを伝搬する光の電場の方向と直交する向きで前記クラッド内に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光回路素子。
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