以下の各実施形態においては、第1導電形をp形、第2導電形をn形として説明するが、p形とn形とは入れ換えてもよい。
(実施形態1)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図1(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置は、図12に示した構成の磁気トランジスタと同様に、シリコン基板よりなる支持基板1上のシリコン酸化膜よりなる絶縁層2上にp形シリコン層3が形成されたSOI基板を用いて形成されており、p形シリコン層3が第1導電形の半導体層を構成している。
本実施形態の磁気検出装置は、SOI基板におけるp形シリコン層3の表面から絶縁層2に達する素子分離領域13を備え、p形シリコン層3のうち絶縁層2と素子分離領域13とで囲まれた領域が島状の素子形成領域(島状半導体領域)3aとなっている。したがって、素子形成領域3aの導電形はp形となる。なお、素子分離領域13は、SOI基板におけるp形シリコン層3の表面から絶縁層2に達する深さの分離溝3bに埋設されたSiO2膜により構成されている。
p形の素子形成領域3a内には、素子形成領域3aよりも不純物濃度が高いp形(p+)のウェル領域8とn形(n+)のコレクタ領域6とが離間して形成され、n形(n+)のエミッタ領域5がウェル領域8内で表面側に形成されている。ここに、ウェル領域8は、素子形成領域3aの表面から絶縁層2に達する深さまで形成されている。また、本実施形態の磁気検出装置では、ウェル領域8と、素子形成領域3aのうちウェル領域8とコレクタ領域6との間に介在する部分とによりp形のベース領域4が構成されている。しかして、本実施形態の磁気検出装置は、素子形成領域3aに横型のnpnトランジスタと同様のトランジスタ構造を有している。
また、ベース領域4の表面側には、ウェル領域8およびコレクタ領域6それぞれと離間しベース領域4中の少数キャリアの再結合中心として働くn形の不純物拡散領域からなる再結合領域7が形成されている。要するに、本実施形態における再結合領域7は、ベース領域4とは導電形が異なっている。なお、再結合領域7とコレクタ領域6との間の距離は上述のトランジスタ構造が所定の耐圧を満足できるように設計してある。
また、p形シリコン層3の表面側にはSiO2膜からなる絶縁膜12が形成されており、ベース電極9、エミッタ電極10、コレクタ電極11が、絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12a,12b,12cを通してそれぞれベース領域4(ウェル領域8)、エミッタ領域5、コレクタ領域6と電気的に接続されている(図1(a)では、絶縁層12および各電極9〜10の図示を省略してある)。ここにおいて、上述の絶縁膜12および素子分離領域13は、例えば、SOG(Spin on Glass)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成すればよい。また、絶縁膜12の表面側にはSi3N4膜からなる保護膜14が形成されており、保護膜14の適宜部位には各電極9,10,11に接続されたパッド(図示せず)を露出させる露出孔(図示せず)が開孔されている。なお、図1(b)は、図1(a)のX−X’断面図であるが、図1(a)では絶縁膜12および保護膜14の図示を省略してある。
以下、本実施形態の磁気検出装置の動作について説明する。
本実施形態の磁気検出装置では、図1(b)に示すように、コレクタ電極11とエミッタ電極10との間にコレクタ電極11が高電位側となる直流電圧VCEを印加する(つまり、コレクタ電極11とエミッタ電極10との間にコレクタ領域6とベース領域4との間のpn接合が逆バイアスされる電圧を印加する)とともに、ベース電極9とエミッタ電極10との間にベース電極9が高電位側となる直流電圧VBEを印加する(つまり、ベース電極9とエミッタ電極10との間に順バイアス電圧を印加する)ことにより、ベース領域4とエミッタ領域5とのpn接合が順バイアスされるので、エミッタ領域5からベース領域4に電子が注入され、ベース領域4に注入された電子は少数キャリアとなって拡散によってベース領域4を移動する。ここにおいて、ベース領域4に注入された電子は拡散過程によって電子濃度勾配に従って移動するので、一部がコレクタ領域6の方向へ移動して、コレクタ領域6からベース領域4側に伸びた空乏層d1端に到達し、コレクタ領域6に吸い取られてコレクタ電流となる。図1(b)中の矢印A1は、ベース領域4中での少数キャリアであってコレクタ領域6に向って移動する電子e−の移動方向の一例を示している。また、ベース領域4中に注入された電子の別の一部は、再結合領域7とベース領域4とのpn接合のビルトイン電圧によって形成された空乏層d2に到達すると、再結合領域7に引き込まれて消失する(消滅する)。また、ベース領域4中に注入された電子のうち多数キャリアの正孔と再結合して消失するものもあるのは勿論である。したがって、ベース領域4に注入された電子は一部が再結合により消失し、残りがコレクタ領域6に到達する。例えば、本実施形態の磁気検出装置の構造パラメータとして、素子形成領域3aの不純物濃度(ベース領域4のうちウェル領域8とコレクタ領域6との間に介在する部分の不純物濃度)を3×1015cm−3、厚さを1μmとし、エミッタ領域5、コレクタ領域6、再結合領域7それぞれの不純物濃度をいずれも1×1020cm−3、それぞれの拡散深さをいずれも0.5μmとし、エミッタ領域5とコレクタ領域6との間の距離を20μm、エミッタ領域5とコレクタ領域6との並設方向(図1(b)の左右方向)における再結合領域7の長さを10μmとした場合について、上述の直流電圧VBEを0.8Vで一定としたときの電流−電圧特性をシミュレーションした結果を図2に示す。なお、図2は横軸が上述の直流電圧VCE、縦軸がコレクタ電流Icとなっている。
ここで、本実施形態の磁気検出装置にコレクタ電流Icが流れている状態でベース領域4中の電流の方向(図1(b)における左方向)と垂直方向の磁界が印加されると、電子e−の移動方向が磁界によるローレンツ力によって変化する(曲げられる)。例えば、図1(b)の右下の上段に示す方向の外部磁界H1(図1(b)の紙面の法線方向の外部磁界H1)が印加されると、電子e−は図1(b)の上方向へローレンツ力F1を受けるので、電子e−の移動方向が磁界の強さ(磁束密度)に従った角度で再結合領域7の方向へ偏向される(図1(b)中の矢印A2は、ベース領域4中での少数キャリアであってローレンツ力F1を受けて移動方向が偏向された電子e−の移動方向の一例を示している)。要するに、本実施形態の磁気検出装置では、外部磁界H1が印加されると、外部磁界H1が印加されていない場合に比べて、ベース領域4に注入された電子e−のうち再結合領域7において表面再結合されて消失する電子e−の割合が増加し、結果的にコレクタ領域6への電子e−の到達確率が減少し、コレクタ電流Icの電流値が減少することとなる。
これに対し、図1(b)の右下の下段に示す方向の外部磁界H2(つまり、上述の外部磁界H1とは逆方向の磁界)が印加されると、電子e−は図1(b)の下方向へローレンツ力を受けるので、絶縁層2の方向へ偏向される。したがって、外部磁界H1が印加された場合に比べて、ベース領域4に注入された電子e−のうち再結合領域7において表面再結合されて消失する電子e−の割合が減少し、結果的にコレクタ領域6への電子e−の到達確率が増加し、コレクタ電流Icの電流値が増加することとなる。
以上の説明から分かるように、本実施形態の磁気検出装置においても、従来の磁気トランジスタと同様に、外部磁界の向きと大きさ(磁束密度)に応じてコレクタ電流Icの電流値が変化するので、コレクタ電流をセンサ電流として計測することによって外部磁界の向きと強さを検出することができるのである。
ところで、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7がベース領域4の表面側に不純物をドーピングすることにより形成されてベース領域4とポテンシャル差を有する不純物拡散領域からなるので、製造時に再結合領域7を形成するにあたって、不純物の熱拡散、もしくは、不純物のイオン注入とイオン注入後のアニールとにより不純物をドーピングすることによって、従来の磁気トランジスタのように再結合領域7’を逆スパッタリングにより形成する場合に比べて再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する不純物拡散領域内で進行するので、周囲環境から再結合領域7と絶縁膜12との界面へ侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタのように再結合領域7’とSiO2膜との界面へ侵入したイオンの影響を受けやすいものに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。また、p形シリコン層3の表面側に再結合領域7の表面全域を覆う絶縁膜12が形成されており、再結合領域7が周囲から電気的にフローティングされているので、外部磁界が印加されていない状態において再結合領域7に吸収される少数キャリアの割合を少なくできるから、感度の向上を図れる。また、再結合領域7とベース領域4との導電形が異なるので、再結合領域7からベース領域4側へ広がった空乏層d2に到達した少数キャリアは再結合領域7内に引き込まれて多数キャリアと即座に再結合して消失するから、従来の磁気トランジスタと同等の感度を得ることができる。
以上説明した磁気検出装置を地磁気センサとして用いれば、小型の方位センサを構成することができる。なお、本実施形態の磁気検出装置は、所謂SOIウェハを利用して形成してあるので、制御用、検出用、温度補償用などの回路素子を同一基板に集積化することができ、温度補正が可能で小型の磁気検出装置を実現することも可能となる。ここに、検出用のアンプを同一基板に集積化した場合には配線長を短くすることができるので、外来ノイズに対するノイズ耐性が向上することができる。また、同一基板に加速度センサなどの他のセンサを集積した複合センサを構成することも可能となる。
(実施形態2)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図3(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、再結合領域7がp形のベース領域4よりも高濃度のp形の不純物拡散領域により構成されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、再結合領域7がベース領域4と同一導電形の不純物拡散領域により形成されていて、再結合領域7とベース領域4とが概ね濃度差によるポテンシャル差を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の磁気検出装置の基本動作は実施形態1の磁気検出装置と同様であり、コレクタ電極11とエミッタ電極10との間、ベース電極9とエミッタ電極10との間、それぞれに実施形態1と同様の直流電圧VCE、VBEを印加することによって、エミッタ領域5からベース領域4へ注入された電子は一部が再結合領域7などで再結合され残りがコレクタ領域6へ到達する。また、実施形態1と同様に、外部磁界H1,H2の向きと強さにしたがって少数キャリアである電子e−が偏向される角度が変化し、コレクタ領域6への電子の到達確率が変化してコレクタ電流が変化する点も同様である。
しかして、本実施形態の磁気検出装置も実施形態1と同様に、再結合領域7がベース領域4の表面側に不純物をドーピングすることにより形成されてベース領域4とポテンシャル差を有する不純物拡散領域からなるので、製造時に再結合領域7を形成するにあたって、不純物の熱拡散、もしくは、不純物のイオン注入とイオン注入後のアニールとにより不純物をドーピングすることによって、従来の磁気トランジスタのように再結合領域7’を逆スパッタリングにより形成する場合に比べて再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7がベース領域4と同一導電形であり且つベース領域4よりも高濃度でベース領域4とポテンシャル差を有するので、再結合領域7に到達した少数キャリアはベース領域4に比べて高濃度で再結合速度の速い再結合領域7内で再結合して消失するから、従来の磁気トランジスタと同等の感度を得ることができる。
ところで、図1に示した実施形態1の構成では再結合領域7とベース領域4との導電形が異なっており、電流通路となるベース領域4内にベース領域4と再結合領域7とのpn接合に起因した空乏層d2が形成されていたが、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7がベース領域4と同じ導電形なので、電流通路となるベース領域4内に再結合領域7に起因した上記空乏層d2が形成されず、実施形態1に比べてベース領域4における少数キャリアの通路の断面積(電流通路の断面積)を大きくすることができる。したがって、本実施形態の磁気検出装置では、実施形態1に比べてp形シリコン層3の厚みが薄いSOI基板を利用しても、少数キャリアの通路の断面積を実施形態1と同等とすることが可能となって、外部磁界がないニュートラル状態でのコレクタ電流と外部磁界が印加されたといきのコレクタ電流との変化を実施形態1と同等に大きくとれるので、感度の低下を防止することが可能となるから、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで製造時の分離溝3bの形成および素子分離領域13の形成が容易になる。
また、所定の耐圧を確保するために必要なコレクタ領域6と再結合領域7との間の距離が実施形態1に比べて小さくなるので、同一の耐圧であれば実施形態1に比べて再結合領域7をよりコレクタ領域6に近い位置まで近づけることができ、感度を高めることができるという利点がある。言い換えれば、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7の形成位置を適宜設計することにより、実施形態1に比べて耐圧を低下させることなく感度を高めることが可能となる。
(実施形態3)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図4(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、再結合領域7がp形のベース領域4上に形成されたn形の多結晶シリコン膜により構成されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、再結合領域7がベース領域4と異なる導電形の多結晶半導体膜により構成されていて、再結合領域7とベース領域4とがポテンシャル差を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の磁気検出装置の基本動作は実施形態1の磁気検出装置と同様であり、コレクタ電極11とエミッタ電極10との間、ベース電極9とエミッタ電極10との間、それぞれに実施形態1と同様の直流電圧VCE、VBEを印加することによって、エミッタ領域5からベース領域4へ注入された電子は一部が再結合領域7などで再結合され残りがコレクタ領域6へ到達する(再結合領域7におけるベース領域4側には空乏層d3が広がっており、この空乏層d3が実施形態1における空乏層d2と同様の役目を有することとなる)。また、実施形態1と同様に、外部磁界H1,H2の向きと強さにしたがって少数キャリアである電子e−が偏向される角度が変化し、コレクタ領域6への電子の到達確率が変化してコレクタ電流が変化する点も同様である。
しかして、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7がベース領域4上に形成されてベース領域4とポテンシャルを有するように不純物がドーピングされた多結晶半導体膜からなるので、製造時に再結合領域7を形成するにあたって、CVD法などによる多結晶半導体膜の成膜と当該多結晶半導体膜への不純物の熱拡散、もしくは、CVD法などによる多結晶半導体膜の成膜と当該多結晶半導体膜への不純物のイオン注入とイオン注入後のアニール、もしくは、CVD法などによる多結晶半導体膜の成膜時の不純物のドーピングにより、不純物をドーピングすることによって、従来の磁気トランジスタのように再結合領域7’を逆スパッタリングにより形成する場合に比べて再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する多結晶半導体膜内で進行するので、周囲環境から再結合領域7と絶縁膜12との界面へ侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。また、p形シリコン層3の表面側に再結合領域7の表面全域を覆う絶縁膜12が形成されており、再結合領域7が周囲から電気的にフローティングされているので、外部磁界が印加されていない状態において再結合領域7に吸収される少数キャリアの割合を少なくできるから、感度の向上を図れる。また、再結合領域7とベース領域4との導電形が異なるので、再結合領域7からベース領域4側へ広がった空乏層d2に到達した少数キャリアは再結合領域7内に引き込まれて多数キャリアと即座に再結合して消失するから、従来の磁気トランジスタと同等の感度を得ることができる。
ところで、図1に示した実施形態1の構成では再結合領域7がベース領域4内に形成されているが、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7をベース領域4の表面上に形成してあるので、実施形態1に比べてベース領域4における少数キャリアの通路の断面積(電流通路の断面積)を大きくすることができる。したがって、本実施形態の磁気検出装置では、実施形態1に比べてp形シリコン層3の厚みが薄いSOI基板を利用しても、少数キャリアの通路の断面積を実施形態1と同等とすることが可能となって、外部磁界がないニュートラル状態でのコレクタ電流と外部磁界が印加されたといきのコレクタ電流との変化を実施形態1と同等に大きくとれるので、感度の低下を防止することが可能となるから、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで製造時の分離溝3bの形成および素子分離領域13の形成が容易になる。
(実施形態4)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図5(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、再結合領域7がp形のベース領域4上に形成されたベース領域4よりも高不純物濃度のp形の多結晶シリコン膜により構成されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、再結合領域7がベース領域4と同じ導電形で且つベース領域4よりも不純物濃度の高い多結晶半導体膜により構成されていて、再結合領域7とベース領域4とが概ね濃度差によるポテンシャル差を有している。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態3と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置も、実施形態3と同様に、再結合領域7がベース領域4上に形成されてベース領域4とポテンシャルを有するように不純物がドーピングされた多結晶半導体膜からなるので、従来の磁気トランジスタのように再結合領域7’を逆スパッタリングにより形成する場合に比べて再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、再結合領域7がベース領域4と同一導電形であり且つベース領域4よりも高濃度でベース領域4とポテンシャル差を有するので、再結合領域7に到達した少数キャリアはベース領域4に比べて高濃度で再結合速度の速い再結合領域7内で再結合して消失するから、従来の磁気トランジスタと同等の感度を得ることができる。
また、図4に示した実施形態3の構成では再結合領域7とベース領域4との導電形が異なっており、電流通路となるベース領域4内にベース領域4と再結合領域7とのpn接合に起因した空乏層d3が形成されていたが、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7がベース領域4と同じ導電形なので、電流通路となるベース領域4内に再結合領域7に起因した上記空乏層d3が形成されず、実施形態3に比べてベース領域4における少数キャリアの通路の断面積(電流通路の断面積)を大きくすることができる。したがって、本実施形態の磁気検出装置では、実施形態3に比べてp形シリコン層3の厚みが薄いSOI基板を利用しても、少数キャリアの通路の断面積を実施形態3と同等とすることが可能となって、外部磁界がないニュートラル状態でのコレクタ電流と外部磁界が印加されたといきのコレクタ電流との変化を実施形態3と同等に大きくとれるので、感度の低下を防止することが可能となるから、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで製造時の分離溝3bの形成および素子分離領域13の形成が容易になる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、所定の耐圧を確保するために必要なコレクタ領域6と再結合領域7との間の距離が実施形態3の構成に比べて短くなるので、実施形態3と同じ耐圧であれば、再結合領域7をコレクタ領域6により近い位置まで近づけることができ、感度を高めることができる。
(実施形態5)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図6(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、再結合領域7がp形のベース領域4の表面にショットキ接触した金属膜により形成されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、ベース領域4上の金属膜からなる再結合領域7とベース領域4との界面にショットキバリアが形成されており、再結合領域7がベース領域4とポテンシャル差を有している。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態3と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7を形成するにあたって、ベース領域4上への金属膜の成膜により再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する金属膜内で進行するので、周囲環境から再結合領域7と絶縁膜12との界面へ侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。また、p形シリコン層3の表面側に再結合領域7の表面全域を覆う絶縁膜12が形成されており、再結合領域7が周囲から電気的にフローティングされているので、外部磁界が印加されていない状態において再結合領域7に吸収される少数キャリアの割合を少なくできるから、感度の向上を図れる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、上述のショットキバリアの高さをシリコンのバンドギャップよりも小さく設計でき、金属膜からなる再結合領域7とp形のベース領域4とのショットキ接合から広がる空乏層d4の幅を実施形態3の磁気検出装置においてn形の多結晶シリコン膜からなる再結合領域7とp形のベース領域4とのpn接合から広がる空乏層d3に比べて小さくできるので、実施形態3に比べてp形シリコン層3の厚みを薄くしながらも少数キャリアの通路の断面積を同等として感度の低下を防止することが可能となり、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで、p形シリコン層3の表面から絶縁層2に達する分離溝3bおよび素子分離領域13の形成が容易となる。
(実施形態6)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図7(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、n形の不純物拡散領域(以下、第1の不純物拡散領域と称す)からなる再結合領域7内で再結合領域7の表面側に、再結合領域7とは導電形の異なるp形の不純物拡散領域(以下、第2の不純物拡散領域と称す)17が形成され、第2の不純物拡散領域17上に形成された電極18が絶縁膜12上に形成された金属配線19を介してベース電極9と電気的に接続されている点に特徴がある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態1と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置においても、実施形態1と同様に、再結合領域7がベース領域4の表面側に不純物をドーピングすることにより形成されてベース領域4とポテンシャル差を有する第1の不純物拡散領域からなるので、再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する第1の不純物拡散領域内で進行するので、周囲環境から侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7の表面側に、再結合領域7とは異なる導電形の第2の不純物拡散領域17が形成され、第2の不純物拡散領域17の表面側に形成され第2の不純物拡散領域17に電気的に接続された電極18がベース電極9と電気的に接続されているので、第1の不純物拡散領域からなる再結合領域7と第2の不純物拡散領域17とでダイオードが構成されており、ベース領域9中を拡散して再結合領域7へ到達した少数キャリアの再結合のために必要となるキャリアが、ベース領域4−ベース電極9−金属配線19−第2の不純物拡散領域17に電気的に接続された電極18−第2の不純物拡散領域17−再結合領域7の経路で第2の不純物拡散領域17へ注入される(つまり、再結合領域7に引き込まれた少数キャリアである電子との中和条件を満たすように、ベース領域4からベース電極9および第2の不純物拡散領域17を介して再結合領域7へホールが注入される)から、第2の不純物拡散領域17へ注入されたホールと再結合領域7へ引き込まれた電子とが再結合することで、より効果的に再結合が促進されてキャリア蓄積によるホール効果が抑制され、ベース領域4中の少数キャリアが偏向されやすくなって感度が向上する。
なお、第2の不純物拡散領域17を設けずに、再結合領域7とベース領域4とを電気的に接続した場合には、外部磁界がないニュートラル状態でも、ベース領域4のポテンシャルによって再結合領域7を通してほとんどの少数キャリアをベース領域4から引き抜いてしまうこととなり、外部磁界の変化によるコレクタ電流の変化が小さくなってしまうという問題が発生するが、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7を構成する第1の不純物拡散領域と第2の不純物拡散領域17との接合でダイオードが形成されているので、このような問題の発生を防止することができる。
(実施形態7)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図8(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態6と略同じであり、実施形態6における第2の不純物拡散領域17を設ける代わりに、n形の不純物拡散領域からなる再結合領域7の表面側に、再結合領域7とは導電形が異なるように不純物をドーピングしたp形の多結晶シリコン膜27が形成され、多結晶シリコン膜27上に形成され多結晶シリコン膜27に電気的に接続された電極28が、絶縁膜12上に形成された金属配線29を介してベース電極9と電気的に接続されている点が相違する。ここにおいて、本実施形態では、多結晶シリコン膜27が、再結合領域7とは導電形が異なるように不純物をドーピングした多結晶半導体膜を構成している。なお、実施形態6と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態6と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置においても、実施形態6と同様に、再結合領域7がベース領域4の表面側に不純物をドーピングすることにより形成されてベース領域4とポテンシャル差を有する第1の不純物拡散領域からなるので、再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する第1の不純物拡散領域内で進行するので、周囲環境から侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、ベース領域4から再結合領域7へ到達した少数キャリアの再結合のために必要となるキャリア(電子を中和するためのホール)がベース領域4−ベース電極9−金属配線29−多結晶シリコン膜27に電気的に接続された電極28−多結晶シリコン膜27−再結合領域7の経路で再結合領域7へ注入されるから、より効果的に再結合が促進されてキャリア蓄積によるホール効果が抑制され、ベース領域4中の少数キャリアが偏向されやすくなって感度が向上する。
なお、多結晶シリコン膜27を設けずに、再結合領域7とベース領域4とを電気的に接続した場合には、外部磁界がないニュートラル状態でも、ベース領域4のポテンシャルによって再結合領域を通してほとんどの少数キャリアをベース領域4から引き抜いてしまうこととなり、外部磁界の変化によるコレクタ電流の変化が小さくなってしまうという問題が発生するが、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7を構成する不純物拡散領域と多結晶シリコン膜27との接合でダイオードが形成されているので、このような問題の発生を防止することができる。
また、実施形態6の磁気検出装置では、再結合領域7を構成する第1の不純物拡散領域と第2の不純物拡散領域17とを2重拡散により形成する必要があるが、本実施形態の磁気検出装置では、ベース領域4内に形成された再結合領域7中に別の不純物拡散領域(上述の第2の不純物拡散領域17)を形成する必要がないので、実施形態6のように再結合領域7内に第2の不純物拡散領域17を形成する必要がある場合に比べて、再結合領域7を構成する不純物拡散領域の拡散深さを浅くすることができ、p形シリコン層3の厚みを薄くしながらも少数キャリアの通路の断面積を同等として感度の低下を防止することが可能となり、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで、p形シリコン層3の表面から絶縁層に達する分離溝3bおよび素子分離領域13の形成が容易となる。
(実施形態8)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図9(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態7と略同じでり、再結合領域7の表面側に、再結合領域7と同一導電形であり再結合領域7よりも不純物濃度が低い多結晶シリコン膜37が形成され、多結晶シリコン膜37上に形成され多結晶シリコン膜37に電気的に接続された電極38が、絶縁膜12上に形成された金属配線39を介してベース電極9と電気的に接続されている点が相違する。ここにおいて、本実施形態では、多結晶シリコン膜37が、再結合領域7と同一導電形であり再結合領域7よりも不純物濃度が低い多結晶半導体膜を構成している。なお、実施形態7と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態7と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置においても、実施形態7と同様に、再結合領域7がベース領域4の表面側に不純物をドーピングすることにより形成されてベース領域4とポテンシャル差を有する不純物拡散領域からなるので、再結合領域7を再現性良く形成することができ、動作時の再結合領域7での再結合速度の製品間のばらつきが少なくなるから、感度を犠牲にすることなく製品間の感度のばらつきの低減を図れる。また、少数キャリアの再結合過程が再結合領域7を構成する不純物拡散領域内で進行するので、周囲環境から侵入したイオンの影響を受けにくく、従来の磁気トランジスタに比べて感度の長期信頼性の向上を図れる。
また、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7の表面側に、再結合領域7と同一導電形であり再結合領域7よりも不純物濃度が低い多結晶シリコン膜37が形成され、多結晶シリコン膜37上に形成され多結晶シリコン膜37に電気的に接続された電極38がベース電極9と電気的に接続されているので、ベース領域4から再結合領域7へ到達した少数キャリアの再結合のために必要となるキャリア(電子を中和するためのホール)がベース領域4−ベース電極9−金属配線39−多結晶シリコン膜37に電気的に接続された電極38−多結晶シリコン膜37−再結合領域7の経路で再結合領域へ注入されるから、より効果的に再結合が促進されてキャリア蓄積によるホール効果が抑制され、ベース領域4中の少数キャリアが偏向されやすくなって感度が向上する。
なお、多結晶シリコン膜37を設けずに、再結合領域7とベース領域4とを電気的に接続した場合には、外部磁界がないニュートラル状態でも、ベース領域4のポテンシャルによって再結合領域7を通してほとんどの少数キャリアをベース領域4から引き抜いてしまうこととなり、外部磁界の変化によるコレクタ電流の変化が小さくなってしまうという問題が発生するが、本実施形態の磁気検出装置では、多結晶シリコン膜37が再結合領域7とベース領域4との間に挿入された抵抗として機能することとなるので、このような問題の発生を防止することができる。また、ベース領域4内に形成された再結合領域7中に抵抗を構成するための別の不純物拡散領域を形成する必要がないので、p形シリコン層3の厚みを薄くしながらも少数キャリアの通路の断面積を、別の不純物拡散領域を形成する場合と同等として感度の低下を防止することが可能となり、p形シリコン層3の厚みを薄くすることで、p形シリコン層3の表面から絶縁層2に達する分離溝3bおよび素子分離領域13の形成が容易となる。
(実施形態9)
以下、本実施形態の磁気検出装置について図10(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の磁気検出装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、再結合領域7の表面側に形成されて再結合領域7に電気的に接続された電極47が、支持基板1の裏面に形成された裏面電極51と電気的に接続されている点に特徴がある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、基本動作についても実施形態1と同様なので説明を省略する。
しかして、本実施形態の磁気検出装置では、再結合領域7の表面側に形成されて再結合領域7に電気的に接続された電極47が支持基板1と電気的に接続されているので、再結合領域7に侵入したキャリアが再結合領域7内に蓄積してしまうのを防止することができ、キャリア蓄積によるホール効果が抑制され、ベース領域4中の少数キャリアが偏向されやすくなって感度が向上する。
(参考例)
以下、本参考例の磁気検出装置について図11(a),(b)を参照しながら説明する。
本参考例の磁気検出装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、再結合領域7の表面側に形成されて再結合領域7に電気的に接続された電極47を備えている点が相違する。
しかして、本参考例の磁気検出装置では、電極47とエミッタ電極10との間に外部電源から任意の直流電圧VRを印加することができる。
ここで、本参考例では、再結合領域7に引き込まれた電子を消失させるためのホールを上記外部電源から注入することで、再結合領域7のポテンシャルを最適化することが可能となる。再結合領域7のポテンシャルをベース領域4のポテンシャルと等しくすると、外部磁界がないニュートラル状態でも、ベース領域4のポテンシャルによって再結合領域7を通してほとんどの少数キャリアをベース領域4から引き抜いてしまうこととなり、外部磁界の変化によるコレクタ電流の変化が小さくなってしまうという問題が発生するが、本参考例の磁気検出装置では、外部電源で任意のポテンシャルを与えることで、上述のダイオードや抵抗を設けずに、感度を向上させることができる。