JP2010265603A - 盛土安定工法 - Google Patents

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幹男 久保
Hideo Ishizaki
英夫 石崎
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Abstract

【課題】盛土内浸透水の排水性に優れ、かつ盛土の補強効果の高い工法を提供する。
【解決手段】雨水等の水が盛土内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法であり、前記盛土内に、平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、前記排水層により前記盛土内の浸透水を排水させる。また、前記盛土内に、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材と一体成型もしくは接続した平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、前記排水層と前記壁面材を用いて前記盛土内の浸透水を排水させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、土地造成工事・道路工事などに用いる盛土安定工法に関するものである。
従来の盛土安定工法として、例えば補強土工法及び表層排水工法は従来から広く使用されているが、材料も設計手法も異なったものであり、それぞれが異なった工法とされている。補強土工法は、例えば、盛土下部に引張補強材を敷設して、すべり破壊に抵抗するものである(特許文献1)。また、表層排水工は、例えば盛土に先立って、地盤上にマット材及び地下排水工等を盛土中への地下水の上昇を遮断する目的で施工するものである。
また、土留工法があり、例えばじゃかご又はカゴ枠擁壁と補強土擁壁は従来から広く使用されてきた土留工法であるが、材料も設計手法も異なったものであり、それぞれが 異なった工法とされている。また、じゃかご又はカゴ枠擁壁は河川工事や砂防工事に、補強土擁壁は道路工事や土地造成工事に用いられ、一般的には適用箇所も異なっている 。
また、じゃかご又はカゴ枠等を多段積みし、土留め工として用いられているカゴ枠擁壁があり、中詰め材料を投入したじゃかご又はカゴ枠の重量により、切土あるいは盛土にもたれながら自重により土圧に抵抗する土留工法である(特許文献2)。
また、補強土擁壁はテールアルメに代表されるように、壁面に作用する土圧に対し、盛土材と補強材との摩擦による補強材の引張り強度で盛土の自立性を高め、垂直に近い勾配で盛土を構築することが可能な土留工法である。
特開2004−156319号公報 特許第3308262号公報
従来の補強土工法及び表層排水工法では、異なる目的で採用されるものであるが、盛土内の浸透水を速やかに排水させることが十分できなかった。
また、じゃかご又はカゴ枠等を多段積みしたカゴ枠擁壁は、排水性に優れているものの、もたれ式擁壁としての設計手法を用いていることが多く、その設計法には公知公認の手法が無く一般的には適用壁高にも制限がある。また、支持地盤が良好な場合にのみ適用が可能である。また、耐震性にも劣っており、安定した土留工法としては信頼性に乏しい。
また、一般的な補強土擁壁は、耐震性に優れた土留工法であるが、盛土内に雨水等の浸透水があった場合、盛土材のせん断強度低下による引張り強度不足による変形が考えられる。また、コンクリート等の壁面材は、壁面部での通水性が不十分であり盛土内に生じた浸透水の排水性能に劣る。
近年の異常気象に起因する集中豪雨により、盛土及び土留め等の土構造物の安定性(特に沢地地形や地震時)の重要性が高まっているが、従来の盛土安定工法及びじゃかご又はカゴ枠擁壁や補強土擁壁を含む土留工法では十分な対応ができなかった。
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、盛土内の浸透水の排水性に優れ、かつ、盛土の補強効果の高い盛土安定工法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、雨水等の水が盛土内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法であり、
前記盛土内に、平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、
前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、
前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、
前記排水層により前記盛土内の浸透水を排水させる、
ことを特徴とする盛土安定工法である。
請求項2に記載の発明は、雨水等の水が盛土内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法であり、
前記盛土内に、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材と一体成型もしくは接続した平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、
前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、
前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、
前記排水層と前記壁面材を用いて前記盛土内の浸透水を排水させる、
ことを特徴とする盛土安定工法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、盛土内に浸透水や表面水の流入等が生じても、粒状材料で上下に挟み込んだ平面状補強材の構造により、速やかに盛土外へ排出し、盛土内の地下水位の上昇を抑えることで安定した盛土の構築が可能となる。また、粒状材料を上下に挟み込んだ平面状補強材を用いることで、土と平面状補強材の摩擦を確保し、平面状補強材の引張り効果が十分に発揮されるため、安定した盛土の構築が可能となる。
請求項2に記載の発明では、盛土内に浸透水や表面水の流入等が生じても、砕石・栗石等の透水性に優れた材料を充填したじゃかご又はカゴ枠壁面と、粒状材料で上下に挟み込んだ平面状補強材との組み合わせ構造により、速やかに盛土外へ排出し、盛土内の地下水位の上昇を抑えることで安定した土構造物の構築が可能となる。また、粒状材料で上下に挟み込んだ平面状補強材を用いることで、粒状材料と平面状補強材の摩擦を確保し、平面状補強材の引張り効果が十分に発揮されるため、安定した盛土の構築が可能となる。
第1の実施の形態の(a)は盛土安定工法を説明する図、(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図である。 第2の実施の形態の(a)は盛土安定工法を説明する図、(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図である。 第3の実施の形態の(a)盛土安定工法を説明する図、(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図、(d)は参考例の実施の形態として、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材と平面状補強材で砕石などを包み込むように敷設する状態を説明する図である。
以下、この発明の盛土安定工法の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。この発明は、盛土内に侵入した水を速やかに排水することと、盛土補強の両立を可能とした工法であり、以下、図面に基づいて実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を、図1に基づいて説明する。図1(a)は盛土安定工法を説明する図、図1(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図である。
この実施の形態は、盛土安定工法の形態である。図1(a)に示すように、地盤10の上に粒状材料2を敷設し、盛土11を施工するが、この盛土11内に、平面状補強材1を粒状材料2で上下に挟み込むように敷設する。粒状材料2として、例えば砂、砂礫、砕石などを用いることができる。この上下に挟み込んだ粒状材料2を排水層とし、平面状補強材1に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、排水層により盛土11内の浸透水を排水させる。
この実施の形態では、図1(b)に示すように、平面状補強材1を粒状材料2で上下に挟み込んで施工し、平面状補強材1については、形状・材質・寸法は問わず、公知の材料を用いることができる。この平面状補強材1として、例えば平面状のジオシンセティクスまたは金網などを用いることができる。
この実施の形態では、図1(a)に示すように、無対策時の盛土内水位33を粒状材料2で挟み込んだ平面状補強材1を用いて対策後の水位34のように低下させ、かつ粒状材料2で平面状補強材1を上下に挟み込むことで粒状材料2と平面状補強材1間の摩擦力を確保し、平面状補強材1の引張り効果を十分に発揮させることで盛土11の補強を行い、安定を図る。
このように、雨水等の水が盛土11内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法では、盛土11内に浸透水や表面水の流入等が生じても、粒状材料2で上下に挟み込んだ平面状補強材1の構造により、速やかに盛土11外へ排出し、盛土11内の地下水位の上昇を抑えることで安定した盛土の構築が可能となる。また、粒状材料2を上下に挟み込んだ平面状補強材1を用いることで、土と平面状補強材1の摩擦を確保し、平面状補強材1の引張り効果が十分に発揮されるため、安定した盛土の構築が可能となる。
この実施の形態では、図1(c)に示すように、平面状補強材1を粒状材料2で上下に挟み込んで施工し、法面部に壁面材4(鋼製型枠)を敷設することで、急勾配の盛土の安定を図ることが可能となる。また、排水材1bとの併用もあり得る。その際、排水材1bの形状・材質・寸法や壁面材4及び平面状補強材1との接続方法は問わない。排水材1bは、ジオシンセティクスなどを用いることができる
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態を、図2に基づいて説明する。図2(a)は盛土安定工法を説明する図、図2(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図である。
この実施の形態は、緩勾配における盛土安定工法の他の形態である。図2(a)に示すように、地盤10の上に、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材4と一体成型もしくは接続した平面状補強材5の敷設し、さらに壁面材4と平面状補強材5との間に不織布などの吸出し防止材6を敷設し、平面状補強材5の上に粒状材料7を敷設し、盛土21を施工する。じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材4に砕石・栗石等の充填材料8を充填する。この平面状補強材5として、例えば平面状のジオシンセティクスまたは金網などを用いることができる。また、粒状材料7として、例えば砂、砂礫、砕石などを用いることができる。
盛土21内では、平面状補強材5を粒状材料7で上下に挟み込んでものを敷設し、上下に挟み込んだ粒状材料7を排水層とし、平面状補強材5に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、排水層と壁面材4を用いて盛土21内の浸透水を排水させる。
この実施の形態では、図2(b)に示すように、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材4に砕石・栗石等の充填材料8を充填し、平面状補強材5を粒状材料7で上下に挟み込んで施工する。壁面材4については、形状・材質・寸法は問わず、公知の材料を用いることができ、例えばジオシンセティクスまたは金網などを用いることができる。
この実施の形態では、壁面材4と平面状補強材5の連結部9においては一体成型としているが、これに限定されず連結方法は問わない。また、粒状材料7と充填材料8の間には、粒径の違いによる吸出しを防止する不織布などの吸出し防止材6を用いる。また、必要に応じて別の平面状補強材5aとの併用もあり得る。その際、平面状補強材5aの形状・材質・寸法及び敷設位置や壁面材4の接続方法は問わない。例えば、平面状補強材5aは、ジオシンセティクス又は金網などを用いることができ、粒状材料7で上下に挟み込むように敷設してもよく、粒状材料7で上下に挟み込むようにしなくてもよい。また、壁面材4と接続してもよく、接続しなくてもよい。
この実施の形態では、無対策時の盛土内水位45を対策後の水位46のように低下させ、かつ粒状材料7で平面状補強材5を上下に挟み込むことで粒状材料7と平面状補強材5間の摩擦力を確保し、かつ平面状補強材5の引張り効果を十分に発揮させることで盛土の補強を行い、安定を図る。
このように、雨水等の水が盛土21内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法では、盛土21内に浸透水や表面水の流入等が生じても、砕石・栗石等の透水性に優れた材料を充填したじゃかご又はカゴ枠壁面と、粒状材料7で上下に挟み込んだ平面状補強材5との組み合わせ構造により、速やかに盛土21外へ排出し、盛土21内の地下水位の上昇を抑えることで安定した土構造物の構築が可能となる。また、粒状材料7で上下に挟み込んだ平面状補強材5を用いることで、粒状材料7と平面状補強材5の摩擦を確保し、平面状補強材5の引張り効果が十分に発揮されるため、安定した盛土の構築が可能となる。
この実施の形態では、図2(c)に示すように、台形状の壁面材4に砕石・栗石等の充填材料8を充填して使用することができる。また、排水材5bとの併用もあり得る。その際、排水材5bの形状・材質・寸法や壁面材4及び平面状補強材5との接続方法は問わない。排水材5bは、ジオシンセティクスなどを用いることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態を、図3に基づいて説明する。図3(a)は盛土安定工法を説明する図、図3(b)及び(c)は平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設する状態を説明する図、図3(d)は参考例の実施の形態として、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材と平面状補強材で砕石などを包み込む(マットレス)ように敷設する状態を説明する図である。
この実施の形態は、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材4に砕石・栗石等の充填材料8を充填し、平面状補強材5を粒状材料7で上下に挟み込んでものを多段積みすることで土留め盛土擁壁を構築し、無対策時の盛土内水位45を対策後の水位46のように低下させ、かつ粒状材料7で平面状補強材5を挟み込むことで粒状材料7と平面状補強材5間の摩擦力を確保し、平面状補強材5の引張り効果を十分に発揮させることで土留め盛土擁壁の補強を行い、安定を図る。
この実施の形態でも、壁面材4と平面状補強材5の連結部においては一体成型としているが、これに限定されず連結方法は問わない。また、粒状材料7と充填材料8の間には、粒径の違いによる吸出しを防止する不織布などの吸出し防止材6を用いる。また、必要に応じて別の平面状補強材との併用もあり得ることは、第2の実施の形態と同様である。
この実施の形態では、図3(c)に示すように、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材4に砕石・栗石等の充填材料8を充填し、平面状補強材5で砕石などを包み込んだものを、さらに粒状材料7で上下に挟み込んで施工する。
[参考例の実施の形態]
この参考例の実施の形態は、図3(d)に示すように、平面状補強材5で砕石などを包み込むように敷設し、砕石・栗石等の充填材料8を充填した壁面材4と組み合わせて敷設することで、図3(b)と同様の安定した盛土の構築が可能となる。
この発明は、土地造成工事・道路工事などに用いる盛土安定工法に適用でき、盛土内の浸透水の排水性に優れ、かつ、盛土の補強効果の高い。
1,5,5a 面状補強材
1b,5b 排水材
2,7 粒状材料
4 壁面材
6 吸出し防止材
8 充填材料
9 斜材
10 地盤
11,21盛土
33,45 無対策時の盛土内水位
34,46 対策後の水位

Claims (2)

  1. 雨水等の水が盛土内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法であり、
    前記盛土内に、平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、
    前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、
    前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、
    前記排水層により前記盛土内の浸透水を排水させる、
    ことを特徴とする盛土安定工法。
  2. 雨水等の水が盛土内に浸透した際に安定した土構造物を構築するための工法であり、
    前記盛土内に、じゃかご又はカゴ枠形状の壁面材と一体成型もしくは接続した平面状補強材を粒状材料で上下に挟み込むように敷設し、
    前記上下に挟み込んだ前記粒状材料を排水層とし、
    前記平面状補強材に働く摩擦力を確保し、かつ補強効果を得て、
    前記排水層と前記壁面材を用いて前記盛土内の浸透水を排水させる、
    ことを特徴とする盛土安定工法。
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