JP2010272467A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムの空気供給量を調節する技術において、燃料電池システムの空気供給量を測定するエアフローメータを補正する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】エアフローメータ1は、燃料電池4に対して供給される空気の供給量を測定する。エアフローメータ補正部10は、エアフローメータ1以外の信頼度が高い測定手段を利用して、エアフローメータ1の測定誤差を推定でき、エアフローメータ1を補正できる。エアフローメータ補正部10がエアフローメータ1の測定誤差を推定する方法として、供給空気の封止空間の圧力と体積に基づく推定方法と、燃料電池4の出力特性と空気供給量の関係に基づく推定方法と、空気供給量に対する燃料電池4の出力特性の変化率と空気供給量の関係に基づく推定方法と、燃料電池4が消費した酸素量と燃料電池4の排気側の酸素濃度に基づく推定方法と、などがある。
【選択図】図1

Description

燃料電池システムの空気供給量を調節する技術に関し、詳細には燃料電池システムの空気供給量を測定するエアフローメータを補正する技術に関する。
環境汚染の対策として燃料電池システムの開発が進められている。燃料電池システムは、水素を燃料ガスとして使用し酸素を酸化ガスとして使用し、水素と酸素を反応させ電気化学的に発電するため、二酸化炭素を排気ガスとして排出せず環境汚染を起こさない。特許文献1,2が開示する燃料電池システムは、このような燃料電池システムの例である。
特許文献1が開示する燃料電池システムは、実測発電量が目標発電量に等しくなるように、流路のバルブ開度を設定し、流路の実測圧力が流路の目標圧力に等しくなるように、エアコンプレッサの吐出流量を設定する。ここで、流路のバルブ開度を上述のように設定するときに、流路の実測圧力を上述のように保持するために、エアコンプレッサの吐出流量を調節する。よって、大気圧が変化したときであっても、空気不足や空気過多が起こらないで、流路の圧力と空気の流量が確実に確保される。
特許文献2が開示する燃料電池システムは、カソードの出口圧力を計測する圧力センサと、大気圧を計測する大気圧センサと、を備える。ここで、圧力センサは広い計測レンジを有し計測精度が低く、大気圧センサは狭い計測レンジを有し計測精度が高い。そこで、ガス供給系が大気圧に解放される起動時に、圧力センサと大気圧センサにより大気圧を計測し、圧力センサと大気圧センサによる大気圧の計測値の差分を圧力センサの計測誤差として設定する。そして、通常運転時に、上述のように設定された圧力センサの計測誤差に基づいて、圧力センサによりカソードの出口圧力を精度よく計測する。
特開2004−253208号公報 特開2004−342475号公報
燃料電池システムは、空気供給量を調節するために、空気供給量を測定するエアフローメータを備える。ここで、エアフローメータは、経年劣化又はエアクリーナ交換により、測定誤差を生じる。しかし、特許文献1,2が開示する燃料電池システムは、エアフローメータを補正する手段を備えていないため、実際の空気供給量を目標空気供給量より増加又は減少させることがある。実際の空気供給量が目標空気供給量より増加するときには、酸素利用率が低くなり、実際の空気供給量が目標空気供給量より減少するときには、酸素利用率が高くなり、いずれにしても効率的な発電が行われないという問題がある。
本発明は、燃料電池システムの空気供給量を調節する技術において、燃料電池システムの空気供給量を測定するエアフローメータを補正する技術を提供する。
本発明の燃料電池システムは、空気供給量測定部と空気供給量補正部を備える。空気供給量測定部は、燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する。空気供給量補正部は、空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する。
空気供給量補正部は、空気供給量測定誤差推定部を含む。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。空気供給量補正部は、所定タイミング以降において、空気供給量測定誤差推定部が推定した空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する。空気供給量測定部の測定誤差を推定する方法として、第1から第5までの方法があげられる。
第1の方法では、燃料電池システムは、エアコンプレッサとエアバルブと圧力値測定部をさらに備える。エアコンプレッサは、空気供給量測定部の排気側に配置され、燃料電池に対して供給される空気を圧縮する。エアバルブは、エアコンプレッサの排気側に配置され、燃料電池での空気の吸気又は排気を調節する。圧力値測定部は、エアコンプレッサからエアバルブまでの圧力値を測定する。空気供給量補正部は、体積値記憶部をさらに含む。体積値記憶部は、エアコンプレッサからエアバルブまでの体積値を記憶する。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、エアコンプレッサから全閉されたエアバルブまでの空間に空気が供給されたときに、圧力値測定部から取得した空気供給前後の圧力変化測定値と体積値記憶部から取得した体積値の積に基づいて算出した空気供給量と、空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。所定タイミングとして、エアバルブが閉じられている状態又はほぼ閉じられている状態、具体的には起動時又は停止時又は定常時がある。
第2の方法では、燃料電池システムは、燃料電池出力特性測定部をさらに備える。燃料電池出力特性測定部は、燃料電池の出力電圧や出力電流や出力電力といった出力特性を測定する。空気供給量補正部は、燃料電池出力特性記憶部をさらに含む。燃料電池出力特性記憶部は、燃料電池の出力特性と空気供給量の関係を記憶する。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、燃料電池出力特性記憶部から取得した燃料電池の出力特性と空気供給量の関係に基づいて算出した、燃料電池出力特性測定部から取得した燃料電池の出力特性測定値に対応する空気供給量と、空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。
第3の方法では、燃料電池システムは、燃料電池出力特性変化率測定部をさらに備える。燃料電池出力特性変化率測定部は、空気供給量測定値に対する燃料電池の出力電圧や出力電流や出力電力といった出力特性の変化率を測定する。空気供給量補正部は、燃料電池出力特性変化率記憶部をさらに含む。燃料電池出力特性変化率記憶部は、空気供給量に対する燃料電池の出力特性の変化率と空気供給量の関係を記憶する。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、燃料電池出力特性変化率記憶部から取得した空気供給量に対する燃料電池の出力特性の変化率と空気供給量の関係に基づいて算出した、燃料電池出力特性変化率測定部から取得した空気供給量測定値に対する燃料電池の出力特性の変化率に対応する空気供給量と、空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。
第2と第3の方法では、所定タイミングとして、燃料電池の出力特性変化が、空気供給量の変化と空気供給量以外の変化のうちいずれの変化によるものであるかが明確である状態、具体的にはアイドル時又は高速運転時又は降坂運転時などの定常時がある。
第4の方法では、燃料電池システムは、燃料電池電流値測定部と出力電圧測定部をさらに備える。燃料電池電流値測定部は、燃料電池の電流値を測定する。出力電圧測定部は、燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧を測定する。空気供給量補正部は、酸素センサ特性記憶部と消費酸素量算出部と排気側酸素濃度算出部をさらに含む。酸素センサ特性記憶部は、燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と燃料電池の排気側の酸素濃度の関係を記憶する。消費酸素量算出部は、所定タイミングにおいて、燃料電池電流値測定部から取得した燃料電池の電流値に基づいて、燃料電池が消費した酸素量を算出する。排気側酸素濃度算出部は、所定タイミングにおいて、酸素センサ特性記憶部から取得した燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と燃料電池の排気側の酸素濃度の関係に基づいて、出力電圧測定部から取得した燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧に対応する燃料電池の排気側の酸素濃度を算出する。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、消費酸素量算出部から取得した燃料電池が消費した酸素量と、排気側酸素濃度算出部から取得した燃料電池の排気側の酸素濃度と、に基づいて算出した空気供給量と、空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。
第5の方法では、燃料電池システムは、燃料電池電流値測定部と出力電圧測定部と空気排出量測定部をさらに備える。燃料電池電流値測定部は、燃料電池の電流値を測定する。出力電圧測定部は、燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧を測定する。空気排出量測定部は、燃料電池から排出される空気の排出量を測定する。空気供給量補正部は、酸素センサ特性記憶部と消費空気量算出部と非消費空気量算出部をさらに含む。酸素センサ特性記憶部は、燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と燃料電池の排気側の酸素濃度の関係を記憶する。消費空気量算出部は、所定タイミングにおいて、燃料電池電流値測定部から取得した燃料電池の電流値に基づいて、燃料電池が消費した空気量を算出する。非消費空気量算出部は、所定タイミングにおいて、酸素センサ特性記憶部から取得した燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と燃料電池の排気側の酸素濃度の関係と、空気排出量測定部から取得した燃料電池から排出される空気の排出量と、に基づいて、出力電圧測定部から取得した燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧に対応する燃料電池が消費しなかった空気量を算出する。空気供給量測定誤差推定部は、所定タイミングにおいて、消費空気量算出部から取得した燃料電池が消費した空気量と、非消費空気量算出部から取得した燃料電池が消費しなかった空気量と、に基づいて算出した空気供給量と、空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、空気供給量測定部の測定誤差を推定する。
第4と第5の方法では、所定タイミングとして、燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧が、燃料電池の排気側の酸素濃度に対して著しく変化する状態、具体的には酸素供給量が要求発電量に対応する酸素量にほぼ等しくストイキ比がほぼ1に等しい状態がある。ストイキ比がほぼ1に等しい状態は、急速暖機運転時に容易に実現できる。
本発明では、空気供給量測定部以外の信頼度が高い測定手段を利用して、空気供給量測定部の測定誤差を推定でき、空気供給量測定部を補正できる。
燃料電池システムの構成要素を示すブロック図である。 第1の実施例に係るエアフローメータ補正部を示すブロック図である。 第2の実施例に係るエアフローメータ補正部を示すブロック図である。 燃料電池の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。 燃料電池の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。 燃料電池の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。 燃料電池の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。 第3の実施例に係るエアフローメータ補正部を示すブロック図である。
{燃料電池システムの構成要素}
図1は、燃料電池システムの構成要素を示すブロック図である。燃料電池システムは、エアフローメータ1、エアコンプレッサ2、エアシャットバルブ3,6、燃料電池4、エア調圧バルブ5、圧力センサ7,8、酸素センサ9、エアフローメータ補正部10などから構成される。エアフローメータ1は、燃料電池4に対して供給される空気の供給量を測定する。ここで、エアフローメータ1は、経年劣化又はエアクリーナ交換により、測定誤差を生じる。そこで、エアフローメータ補正部10は、エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する。エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する方法として、以下に示す第1から第3までの実施例に係る方法があげられる。
エアコンプレッサ2は、エアフローメータ1の排気側に配置され、燃料電池4に対して供給される空気を圧縮する。エアシャットバルブ3は、エアコンプレッサ2の排気側に配置され、燃料電池4での空気の吸気を調節する。燃料電池4は、エアシャットバルブ3の排気側に配置され、水素を燃料ガスとして使用し酸素を酸化ガスとして使用し、水素と酸素を反応させて電気化学的に発電する。エア調圧バルブ5は、燃料電池4の排気側に配置され、燃料電池4の出口圧力を調節する。エアシャットバルブ6は、エア調圧バルブ5の排気側に配置され、燃料電池4での空気の排気を調節する。
圧力センサ7は、エアコンプレッサ2とエアシャットバルブ3の間の空気圧力を測定する。圧力センサ8は、エアシャットバルブ3と燃料電池4の間の空気圧力を測定する。酸素センサ9は、燃料電池4とエア調圧バルブ5の間の酸素濃度を測定する。エアフローメータ補正部10は、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、空気圧力測定値を圧力センサ7,8から取得し、燃料電池4の出力特性測定値を燃料電池4から取得し、酸素センサ9の出力電圧測定値を酸素センサ9から取得し、以上の測定値に基づいて、エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する。
{第1の実施例}
図2は、第1の実施例に係るエアフローメータ補正部10Aを示すブロック図である。エアフローメータ補正部10Aは、エアフローメータ真値推定部11A、エアフローメータ誤差推定部12A、エア封止体積記憶部13Aなどから構成される。
エアフローメータ真値推定部11Aは、後述する方法により、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Aは、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Aから取得し、エアフローメータ測定値とエアフローメータ真値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。エア封止体積記憶部13Aは、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3までの体積値、又は、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5までの体積値、又は、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6までの体積値、の実験的な測定データを記憶する。
以下に、エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する処理の流れとして、第1から第3までの処理の流れについて説明する。
第1の処理の流れについて説明する。最初に、エアシャットバルブ3を全閉にし、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3まで水を送出し、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3まで水を充填させる。そして、水の充填体積又は水の充填前後での燃料電池システムの重量変化を測定することにより、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3までの体積値を測定し、体積値をエア封止体積記憶部13Aに記憶させる。
次に、エアシャットバルブ3を全閉にし、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3まで空気を送出し、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3まで空気を充填させる。そして、圧力センサ7は、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ3までの封止体積における空気の充填前後での圧力変化を、エア封止圧力変化測定値として測定する。
最後に、エアフローメータ真値推定部11Aは、エア封止圧力変化測定値を圧力センサ7から取得し、エア封止体積値をエア封止体積記憶部13Aから取得し、後述する方法により、エア封止圧力変化測定値とエア封止体積値の積に基づいて、エアフローメータ真値を推定する。そして、エアフローメータ誤差推定部12Aは、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Aから取得し、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値とエアフローメータ測定値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。
第2の処理の流れについて説明する。最初に、エアシャットバルブ3を全開にし、エア調圧バルブ5を全閉にし、エアシャットバルブ3と燃料電池4のセルを介して、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5まで水を送出し、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5まで水を充填させる。そして、水の充填体積又は水の充填前後での燃料電池システムの重量変化を測定することにより、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5までの体積値を測定し、体積値をエア封止体積記憶部13Aに記憶させる。
次に、エアシャットバルブ3を全開にし、エア調圧バルブ5を全閉にし、エアシャットバルブ3と燃料電池4のセルを介して、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5まで空気を送出し、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5まで空気を充填させる。そして、圧力センサ7又は圧力センサ8は、エアコンプレッサ2からエア調圧バルブ5までの封止体積における空気の充填前後での圧力変化を、エア封止圧力変化測定値として測定する。最後に、第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第3の処理の流れについて説明する。最初に、エアシャットバルブ3とエア調圧バルブ5を全開にし、エアシャットバルブ6を全閉にし、エアシャットバルブ3と燃料電池4のセルとエア調圧バルブ5を介して、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6まで水を送出し、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6まで水を充填させる。そして、水の充填体積又は水の充填前後での燃料電池システムの重量変化を測定することにより、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6までの体積値を測定し、体積値をエア封止体積記憶部13Aに記憶させる。
次に、エアシャットバルブ3とエア調圧バルブ5を全開にし、エアシャットバルブ6を全閉にし、エアシャットバルブ3と燃料電池4のセルとエア調圧バルブ5を介して、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6まで空気を送出し、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6まで空気を充填させる。そして、圧力センサ7又は圧力センサ8は、エアコンプレッサ2からエアシャットバルブ6までの封止体積における空気の充填前後での圧力変化を、エア封止圧力変化測定値として測定する。最後に、第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
エア封止圧力変化測定値とエア封止体積値の積に基づいて、エアフローメータ真値を推定する方法について説明する。封止空間に送出される空気について、送出前における気体の状態方程式として、PV=nRTが成立し、送出後における気体の状態方程式として、ΔPV=nRTが成立する。P[atm]は大気圧値であり、ΔP[atm]はエア封止圧力変化測定値である。V[l]はエアフローメータ真値であり、V[l]はエア封止体積値である。n[mol]は封止空間に送出される空気のモル数であり、R(=0.082atm・l/mol・K)は気体定数である。T[K]は送出前における空気の絶対温度であり、T[K]は送出後における空気の絶対温度である。エアフローメータ真値は、V=(1/P)・(T/T)・(ΔPV)により推定される。
大気圧値が実際には1atmでないが1atmであるとみなしてもよく、かつ、大気の温度と燃料電池システムの温度が実際には異なるが等しいとみなしてもよいときには、エアフローメータ真値は、V=ΔPVにより推定される。このときには、エアフローメータ真値を容易に推定できる。大気圧値が実際に1atmであり、かつ、大気の温度と燃料電池システムの温度が実際に等しいときにも、エアフローメータ真値は、V=ΔPVにより推定される。このときには、エアフローメータ真値を精度よく推定できる。
大気圧値が実際に1atmとは大きく異なり、又は、大気の温度と燃料電池システムの温度が実際に大きく異なるときには、エアフローメータ真値は、V=(1/P)・(T/T)・(ΔPV)により推定される。このときには、1/Pを算出するにあたり、大気圧センサを利用し、T/Tを算出するにあたり、大気温度センサと燃料電池システム温度センサを利用し、エアフローメータ真値を精度よく推定できる。
第2の処理の流れでは、第1の処理の流れと比較して、エア封止体積値が大きいため、エアフローメータ真値の推定の精度が高くなり、エアフローメータ1の補正の精度が高くなるところ、エア調圧バルブ5がバタフライ式のバルブであるときには、エア調圧バルブ5での空気漏れに留意する必要がある。第3の処理の流れでは、第2の処理の流れと比較して、エア封止体積値が大きいため、エアフローメータ真値の推定の精度が高くなり、エアフローメータ1の補正の精度が高くなるうえに、エア調圧バルブ5がバタフライ式のバルブであるときでも、エア調圧バルブ5での空気漏れに留意する必要がない。
エアフローメータ1の経年劣化を考慮するのみならず、圧力センサ7,8の経年劣化を考慮するときには、これらの測定手段の劣化曲線図をエアフローメータ補正部10Aに格納すればよい。これにより、エアフローメータ真値をさらに精度よく推定できる。
第1の実施例は、エアシャットバルブ3又はエア調圧バルブ5又はエアシャットバルブ6が、閉じられている状態又はほぼ閉じられている状態において、具体的には起動時又は停止時又は定常時において、実行されることが好ましい。起動時に第1の実施例を実行するにあたり、エアシャットバルブ3又はエア調圧バルブ5又はエアシャットバルブ6はすでに閉じられているため、即時に第1の実施例を実行できる。停止時又は定常時に第1の実施例を実行するにあたり、エアシャットバルブ3又はエア調圧バルブ5又はエアシャットバルブ6はいまだ閉じられていないことがあるため、以上に示したバルブのうちいずれかのバルブが閉じられたことを確認できたときに、第1の実施例を実行できる。
第1の実施例で説明したタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が推定された後に、第1から第3までの実施例で説明するタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が再び推定されるまで、先に第1の実施例で推定されたエアフローメータ1の測定誤差に基づいて、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
{第2の実施例}
図3は、第2の実施例に係るエアフローメータ補正部10Bを示すブロック図である。エアフローメータ補正部10Bは、エアフローメータ真値推定部11B、エアフローメータ誤差推定部12B、燃料電池特性記憶部13Bなどから構成される。
エアフローメータ真値推定部11Bは、後述する方法により、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Bは、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Bから取得し、エアフローメータ測定値とエアフローメータ真値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。燃料電池特性記憶部13Bは、燃料電池4の電圧特性の実験的な測定データを記憶する。
以下に、エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する処理の流れとして、第1から第8までの処理の流れについて説明する。
第1の処理の流れについて説明する。図4は、第1の処理の流れにおける、燃料電池4の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。ここで、図4での空気供給量は、エアフローメータ1により測定されるものでなく、エアフローメータ1以外の信頼度の高い測定手段により測定されるものである。まず、燃料電池4の電流値を固定したうえで、燃料電池4の出力電圧を空気供給量の関数として測定し、燃料電池特性曲線図131Bを燃料電池特性記憶部13Bに記憶させる。空気供給量が増加するにしたがって、燃料電池4の出力電圧が増加し、空気供給量に対する燃料電池4の出力電圧の変化率が減少する。
燃料電池4の出力電圧を、燃料電池4の単数のセルについて測定してもよく、燃料電池4の複数のセルについて測定してもよい。燃料電池4の出力電圧を燃料電池4の単数のセルについて測定するときに、燃料電池4の出力電圧のモニタのチャンネル数を少なくできる。燃料電池4の出力電圧を燃料電池4の複数のセルについて測定するときに、燃料電池4の出力電圧を大きくできるため、エアフローメータ1の補正精度を向上できる。
次に、燃料電池4の電流値を固定したうえで、エアフローメータ測定値を増減させながら、燃料電池4の出力電圧を測定する。燃料電池4の出力電圧が点132Bにより示した値Vに到達したときに、エアフローメータ真値は点132Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。
エアフローメータ真値推定部11Bは、燃料電池4の出力電圧測定値を燃料電池4から取得し、燃料電池特性曲線図131Bを燃料電池特性記憶部13Bから参照し、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Bは、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Bから取得し、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値とエアフローメータ測定値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。
第2の処理の流れについて説明する。図5は、第2の処理の流れにおける、燃料電池4の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。ここで、図5での空気供給量は、エアフローメータ1により測定されるものでなく、エアフローメータ1以外の信頼度の高い測定手段により測定されるものである。まず、燃料電池4の電流値を固定したうえで、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを空気供給量の関数として測定し、燃料電池特性曲線図133Bを燃料電池特性記憶部13Bに記憶させる。空気供給量が増加するにしたがって、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきが減少し、空気供給量に対する燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率が減少する。
燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを、最弱セルと一般セルについて測定することが好ましい。ここで、最弱セルとは、空気が最も流れにくいセルのことをいい、空気の吸気口及び排気口がセルスタックの一方側面に配置される燃料電池4では、空気の吸気口及び排気口から最も奥に配置されるセルのことをいい、一般セルとは、最弱セル以外のセルのことをいう。よって、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを、最弱セルと一般セルについて測定するときに、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを大きくできるため、エアフローメータ1の補正精度を向上できる。
次に、燃料電池4の電流値を固定したうえで、エアフローメータ測定値を増減させながら、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを測定する。燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきが点134Bにより示した値ΔVに到達したときに、エアフローメータ真値は点134Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の測定誤差が推定され、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第3の処理の流れについて説明する。図6は、第3の処理の流れにおける、燃料電池4の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。ここで、図6での空気供給量は、エアフローメータ1により測定されるものでなく、エアフローメータ1以外の信頼度の高い測定手段により測定されるものである。まず、燃料電池4の電流値を低電流値I1に固定したうえで、燃料電池4の出力電圧を空気供給量の関数として測定し、次に、燃料電池4の電流値を高電流値I2に固定したうえで、燃料電池4の出力電圧を空気供給量の関数として測定し、燃料電池特性曲線図135Bを燃料電池特性記憶部13Bに記憶させる。空気供給量を固定したうえで、燃料電池4の電流値が増加するにしたがって、燃料電池4の出力電圧が減少する。空気供給量が増加するにしたがって、図6の実線と破線の燃料電池特性曲線の間隔が減少し、空気供給量に対する当該間隔の変化率が減少する。燃料電池4の出力電圧は、第1の処理の流れと同様にして測定される。
次に、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の電流値を低電流値I1から高電流値I2まで変化させる。燃料電池4の電流値が低電流値I1であるときでの燃料電池4の出力電圧と、燃料電池4の電流値が高電流値I2であるときでの燃料電池4の出力電圧と、の差分が矢印136Bにより示した幅V1−V2であるときに、エアフローメータ真値は矢印136Bにより示した値Qであるところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。ここで、V1は燃料電池4の電流値が低電流値I1でありエアフローメータ真値がQであるときでの燃料電池4の出力電圧であり、V2は燃料電池4の電流値が高電流値I2でありエアフローメータ真値がQであるときでの燃料電池4の出力電圧である。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の測定誤差が推定され、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第4の処理の流れについて説明する。図7は、第4の処理の流れにおける、燃料電池4の電圧特性を空気供給量の関数として示す図である。ここで、図7での空気供給量は、エアフローメータ1により測定されるものでなく、エアフローメータ1以外の信頼度の高い測定手段により測定されるものである。まず、燃料電池4の電流値を低電流値I1に固定したうえで、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを空気供給量の関数として測定し、次に、燃料電池4の電流値を高電流値I2に固定したうえで、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを空気供給量の関数として測定し、燃料電池特性曲線図137Bを燃料電池特性記憶部13Bに記憶させる。空気供給量を固定したうえで、燃料電池4の電流値が増加するにしたがって、燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきが減少する。空気供給量が増加するにしたがって、図7の実線と破線の燃料電池特性曲線の間隔が減少し、空気供給量に対する当該間隔の変化率が減少する。燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきは、第2の処理の流れと同様にして測定される。
次に、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の電流値を低電流値I1から高電流値I2まで変化させる。燃料電池4の電流値が低電流値I1であるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきと、燃料電池4の電流値が高電流値I2であるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきと、の差分が矢印138Bにより示した幅ΔV1−ΔV2であるときに、エアフローメータ真値は矢印138Bにより示した値Qであるところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。ここで、ΔV1は燃料電池4の電流値が低電流値I1でありエアフローメータ真値がQであるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきであり、ΔV2は燃料電池4の電流値が高電流値I2でありエアフローメータ真値がQであるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきである。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の測定誤差が推定され、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第5の処理の流れについて説明する。まず、燃料電池特性記憶部13Bは、第1の処理の流れでの図4に示した燃料電池特性曲線図131Bを記憶する。次に、燃料電池4の電流値を固定したうえで、エアフローメータ測定値を増減させながら、エアフローメータ測定値に対する燃料電池4の出力電圧の変化率を測定する。エアフローメータ測定値に対する燃料電池4の出力電圧の変化率が、点132Bでの空気供給量に対する燃料電池4の出力電圧の変化率に到達したときに、エアフローメータ真値は点132Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第6の処理の流れについて説明する。まず、燃料電池特性記憶部13Bは、第2の処理の流れでの図5に示した燃料電池特性曲線図133Bを記憶する。次に、燃料電池4の電流値を固定したうえで、エアフローメータ測定値を増減させながら、エアフローメータ測定値に対する燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率を測定する。エアフローメータ測定値に対する燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率が、点134Bでの空気供給量に対する燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率に到達したときに、エアフローメータ真値は点134Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第7の処理の流れについて説明する。まず、燃料電池特性記憶部13Bは、第3の処理の流れでの図6に示した燃料電池特性曲線図135Bを記憶する。次に、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の電流値を低電流値I1から高電流値I2まで変化させる。燃料電池4の電流値が低電流値I1であるときでの燃料電池4の出力電圧と、燃料電池4の電流値が高電流値I2であるときでの燃料電池4の出力電圧と、の差分を測定する。次に、様々なエアフローメータ測定値に対して当該差分を測定するときに、エアフローメータ測定値に対する差分の変化率が、矢印136Bでの空気供給量に対する差分の変化率に到達したときに、エアフローメータ真値は矢印136Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第8の処理の流れについて説明する。まず、燃料電池特性記憶部13Bは、第4の処理の流れでの図7に示した燃料電池特性曲線図137Bを記憶する。次に、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の電流値を低電流値I1から高電流値I2まで変化させる。燃料電池4の電流値が低電流値I1であるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきと、燃料電池4の電流値が高電流値I2であるときでの燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきと、の差分を測定する。次に、様々なエアフローメータ測定値に対して当該差分を測定するときに、エアフローメータ測定値に対する差分の変化率が、矢印138Bでの空気供給量に対する差分の変化率に到達したときに、エアフローメータ真値は矢印138Bにより示した値Qに到達するところ、エアフローメータ測定値は当該値Qから測定誤差分だけずれている。第1の処理の流れと同様にして、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
第1と第2と第5から第8までの処理の流れでは、エアフローメータ測定値を変化させながら、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを測定する。よって、エアコンプレッサ2の発生音が変化することがあり、エアフローメータ測定値が変化後に一定値に落ち着くまでに時間を要するという問題がある。
第3と第4の処理の流れでは、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを測定する。よって、エアコンプレッサ2の発生音が変化することがなく、エアフローメータ測定値が変化後に一定値に落ち着くまでに時間を要するという問題がない。
ここで、第1と第2の処理の流れでも、エアフローメータ測定値を固定したうえで、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを測定するときには、エアコンプレッサ2の発生音が変化することがなく、エアフローメータ測定値が変化後に一定値に落ち着くまでに時間を要するという問題がない。
第1から第4までの処理の流れでは、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきを測定する。しかし、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきは、空気供給量が小さいときには、燃料電池4の経年劣化により同一の空気供給量に対して大きく変動する。
第5から第8までの処理の流れでは、エアフローメータ測定値に対する燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率を測定する。そして、エアフローメータ測定値に対する燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきの変化率は、空気供給量が小さいときにも、燃料電池4の経年劣化により同一の空気供給量に対して大きく変動しない。
ここで、燃料電池特性記憶部13Bは、燃料電池4の経年劣化が考慮された燃料電池特性曲線図を記憶してもよい。すると、燃料電池4の出力電圧又は燃料電池4のセルごとの出力電圧のばらつきが、空気供給量が小さいときには、燃料電池4の経年劣化により同一の空気供給量に対して大きく変動するときでも、エアフローメータ真値の推定の精度が高くなり、エアフローメータ1の補正の精度が高くなる。
第2の実施例は、燃料電池4の出力電圧変化が、エアフローメータ測定値の変化と燃料電池4の電流値の変化のうち、いずれの変化によるものであるかが明確である状態において、具体的にはアイドル時又は高速運転時又は降坂運転時などの定常時において、実行されることが好ましい。起動時又は加減速時又は停止時などの非定常時において、エアフローメータ測定値の変化又は燃料電池4の電流値の変化が大きくなるためである。
第2の実施例で説明したタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が推定された後に、第1から第3までの実施例で説明するタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が再び推定されるまで、先に第2の実施例で推定されたエアフローメータ1の測定誤差に基づいて、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
燃料電池4の出力特性として、燃料電池4の出力電圧を測定してもよく、燃料電池4の出力電流や出力電力を測定してもよい。燃料電池4の出力特性として、燃料電池4の出力電流を測定するときに、燃料電池4の出力電圧を固定したうえで、燃料電池4の出力電流を測定すればよい。燃料電池4の出力電流又は燃料電池4のセルごとの出力電流のばらつきは、空気供給量と1対1の関係にあるため、燃料電池4の出力電流又は燃料電池4のセルごとの出力電流のばらつきを測定すれば、エアフローメータ真値を推定できる。燃料電池4の出力特性として、燃料電池4の出力電力を測定するときに、燃料電池4の出力電圧又は出力電流を固定したうえで、燃料電池4の出力電力を測定すればよい。燃料電池4の出力電力又は燃料電池4のセルごとの出力電力のばらつきは、空気供給量と1対1の関係にあるため、燃料電池4の出力電力又は燃料電池4のセルごとの出力電力のばらつきを測定すれば、エアフローメータ真値を推定できる。
{第3の実施例}
図8は、第3の実施例に係るエアフローメータ補正部10Cを示すブロック図である。エアフローメータ補正部10Cは、エアフローメータ真値推定部11C、エアフローメータ誤差推定部12C、酸素センサ特性記憶部13Cなどから構成される。
エアフローメータ真値推定部11Cは、後述する方法により、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Cは、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Cから取得し、エアフローメータ測定値とエアフローメータ真値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。酸素センサ特性記憶部13Cは、酸素センサ9の特性の実験的な測定データを記憶する。
以下に、エアフローメータ1でのエアフローメータ測定値を補正する処理の流れとして、第1と第2の処理の流れについて説明する。
第1と第2の処理の流れではともに、最初に、酸素センサ9の一方の電極を大気空気に接触させ、酸素センサ9の他方の電極を排気空気に接触させ、酸素センサ9の出力電圧を排気空気の酸素濃度の関数として測定し、酸素センサ特性曲線図を酸素センサ特性記憶部13Cに記憶させる。排気空気の酸素濃度が増加するにしたがって、酸素センサ9の出力電圧が減少する。特に、酸素供給量が要求発電量に対応する酸素量にほぼ等しくストイキ比が1にほぼ等しいときに、排気空気の酸素濃度が増加するにしたがって、酸素センサ9の出力電圧が著しく減少する。
第1の処理の流れでは、次に、エアフローメータ真値推定部11Cは、燃料電池4の電流値を燃料電池4から取得し、燃料電池4の電流値に基づいて、燃料電池4で消費された酸素量を算出する。ここで、4molの電子がアノードで生成されるときに、1molの酸素がカソードで消費されることを考慮する。次に、エアフローメータ真値推定部11Cは、酸素センサ9の出力電圧を酸素センサ9から取得し、酸素センサ特性曲線図を酸素センサ特性記憶部13Cから参照し、酸素センサ9の出力電圧と酸素センサ特性曲線図に基づいて、排気空気の酸素濃度を算出する。ここで、排気空気の酸素濃度をCO2、エアフローメータ真値をQAIR、燃料電池4で消費された酸素量をQO2とするとき、CO2=(0.21×QAIR−QO2)/(0.79×QAIR+(0.21×QAIR−QO2))が成立するため、エアフローメータ真値を推定できることを考慮する。
最後に、エアフローメータ真値推定部11Cは、以上に示した方法により、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Cは、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Cから取得し、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値とエアフローメータ測定値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。
第2の処理の流れでは、次に、エアフローメータ真値推定部11Cは、燃料電池4の電流値を燃料電池4から取得し、燃料電池4の電流値に基づいて、燃料電池4で消費された酸素量を算出し、燃料電池4で消費された酸素量に基づいて、燃料電池4で消費された空気量を算出する。ここで、4molの電子がアノードで生成されるときに、1molの酸素がカソードで消費されることを考慮する。そして、酸素の体積が大気の体積に占める割合が約21%であることを考慮する。次に、エアフローメータ真値推定部11Cは、酸素センサ9の出力電圧を酸素センサ9から取得し、酸素センサ特性曲線図を酸素センサ特性記憶部13Cから参照し、酸素センサ9の出力電圧と酸素センサ特性曲線図に基づいて、排気空気の酸素濃度を算出し、排気空気の酸素濃度と空気排気量に基づいて、燃料電池4で消費されなかった空気量を算出する。ここで、空気排気量を測定するときに、供給側にも排気側にもエアフローメータを設けるようにすればよい。
最後に、エアフローメータ真値推定部11Cは、燃料電池4で消費された空気量と燃料電池4で消費されなかった空気量の合計を算出することにより、エアフローメータ真値を推定する。エアフローメータ誤差推定部12Cは、エアフローメータ真値をエアフローメータ真値推定部11Cから取得し、エアフローメータ測定値をエアフローメータ1から取得し、エアフローメータ真値とエアフローメータ測定値の差分を算出することにより、エアフローメータ1の測定誤差を推定し、エアフローメータ1を補正する。
第1の処理の流れでは、エアフローメータ1の経年劣化を考慮するのみならず、酸素センサ9と燃料電池4の電流値の測定手段の経年劣化を考慮するときには、これらの測定手段の劣化曲線図をエアフローメータ補正部10Cに格納すればよい。第2の処理の流れでは、エアフローメータ1の経年劣化を考慮するのみならず、酸素センサ9と燃料電池4の電流値の測定手段と空気排気量の測定手段の経年劣化を考慮するときには、これらの測定手段の劣化曲線図をエアフローメータ補正部10Cに格納すればよい。これにより、エアフローメータ真値をさらに精度よく推定できる。
第3の実施例は、酸素センサ9の出力電圧が排気空気の酸素濃度に対して著しく変化する状態において、具体的には酸素供給量が要求発電量に対応する酸素量にほぼ等しくストイキ比が1にほぼ等しい状態において、実行されることが好ましい。ストイキ比が1から離れている状態では、排気空気の酸素濃度に対する酸素センサ9の出力電圧の変化率が小さいため、排気空気の酸素濃度を精度よく算出できず、エアフローメータ真値を精度よく推定できないためである。ただし、ストイキ比が1から離れている状態でも、排気空気の酸素濃度に対する酸素センサ9の出力電圧の変化率が大きければ、排気空気の酸素濃度を精度よく算出できて、エアフローメータ真値を精度よく推定できる。ここで、ストイキ比が1にほぼ等しい状態は、急速暖機運転時に容易に実現できる。ストイキ比が1にほぼ等しい状態において、最弱セルでの酸素供給量が一般セルでの酸素供給量と比較して少なくなり、燃料電池4の発電効率が低くなり、燃料電池4の発熱量が多くなるためである。
第3の実施例で説明したタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が推定された後に、第1から第3までの実施例で説明するタイミングにおいて、エアフローメータ1の測定誤差が再び推定されるまで、先に第3の実施例で推定されたエアフローメータ1の測定誤差に基づいて、エアフローメータ1の補正が行なわれる。
1 エアフローメータ、2 エアコンプレッサ、3,6 エアシャットバルブ、4 燃料電池、5 エア調圧バルブ、7,8 圧力センサ、9 酸素センサ、10,10A,10B,10C エアフローメータ補正部、11A,11B,11C エアフローメータ真値推定部、12A,12B,12C エアフローメータ誤差推定部、13A エア封止体積記憶部、13B 燃料電池特性記憶部、13C 酸素センサ特性記憶部、131B,133B,135B,137B 燃料電池特性曲線図。

Claims (5)

  1. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する空気供給量測定部と、
    前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する空気供給量補正部と、
    前記空気供給量測定部の排気側に配置され、前記燃料電池に対して供給される空気を圧縮するエアコンプレッサと、
    前記エアコンプレッサの排気側に配置され、前記燃料電池での空気の吸気又は排気を調節するエアバルブと、
    前記エアコンプレッサから前記エアバルブまでの圧力値を測定する圧力値測定部と、
    を備え、
    前記空気供給量補正部は、
    前記エアコンプレッサから前記エアバルブまでの体積値を記憶する体積値記憶部と、
    所定タイミングにおいて、前記エアコンプレッサから全閉された前記エアバルブまでの空間に空気が供給されたときに、前記圧力値測定部から取得した空気供給前後の圧力変化測定値と前記体積値記憶部から取得した体積値との積に基づいて算出した空気供給量と、前記空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、前記空気供給量測定部の測定誤差を推定する空気供給量測定誤差推定部と、
    を含み、前記所定タイミング以降において、前記空気供給量測定誤差推定部が推定した前記空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する空気供給量測定部と、
    前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する空気供給量補正部と、
    前記燃料電池の出力特性を測定する燃料電池出力特性測定部と、
    を備え、
    前記空気供給量補正部は、
    前記燃料電池の出力特性と空気供給量との関係を記憶する燃料電池出力特性記憶部と、
    所定タイミングにおいて、前記燃料電池出力特性記憶部から取得した前記燃料電池の出力特性と空気供給量との関係に基づいて算出した、前記燃料電池出力特性測定部から取得した前記燃料電池の出力特性測定値に対応する空気供給量と、前記空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、前記空気供給量測定部の測定誤差を推定する空気供給量測定誤差推定部と、
    を含み、前記所定タイミング以降において、前記空気供給量測定誤差推定部が推定した前記空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する空気供給量測定部と、
    前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する空気供給量補正部と、
    空気供給量測定値に対する前記燃料電池の出力特性の変化率を測定する燃料電池出力特性変化率測定部と、
    を備え、
    前記空気供給量補正部は、
    空気供給量に対する前記燃料電池の出力特性の変化率と空気供給量との関係を記憶する燃料電池出力特性変化率記憶部と、
    所定タイミングにおいて、前記燃料電池出力特性変化率記憶部から取得した空気供給量に対する前記燃料電池の出力特性の変化率と空気供給量との関係に基づいて算出した、前記燃料電池出力特性変化率測定部から取得した空気供給量測定値に対する前記燃料電池の出力特性の変化率に対応する空気供給量と、前記空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、前記空気供給量測定部の測定誤差を推定する空気供給量測定誤差推定部と、
    を含み、前記所定タイミング以降において、前記空気供給量測定誤差推定部が推定した前記空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する空気供給量測定部と、
    前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する空気供給量補正部と、
    前記燃料電池の電流値を測定する燃料電池電流値測定部と、
    前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧を測定する出力電圧測定部と、
    を備え、
    前記空気供給量補正部は、
    前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と前記燃料電池の排気側の酸素濃度との関係を記憶する酸素センサ特性記憶部と、
    所定タイミングにおいて、前記燃料電池電流値測定部から取得した前記燃料電池の電流値に基づいて、前記燃料電池が消費した酸素量を算出する消費酸素量算出部と、
    前記所定タイミングにおいて、前記酸素センサ特性記憶部から取得した前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と前記燃料電池の排気側の酸素濃度との関係に基づいて、前記出力電圧測定部から取得した前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧に対応する前記燃料電池の排気側の酸素濃度を算出する排気側酸素濃度算出部と、
    前記所定タイミングにおいて、前記消費酸素量算出部から取得した前記燃料電池が消費した酸素量と、前記排気側酸素濃度算出部から取得した前記燃料電池の排気側の酸素濃度と、に基づいて算出した空気供給量と、前記空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、前記空気供給量測定部の測定誤差を推定する空気供給量測定誤差推定部と、
    を含み、前記所定タイミング以降において、前記空気供給量測定誤差推定部が推定した前記空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に対して供給される空気の供給量を測定する空気供給量測定部と、
    前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正する空気供給量補正部と、
    前記燃料電池の電流値を測定する燃料電池電流値測定部と、
    前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧を測定する出力電圧測定部と、
    前記燃料電池から排出される空気の排出量を測定する空気排出量測定部と、
    を備え、
    前記空気供給量補正部は、
    前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と前記燃料電池の排気側の酸素濃度との関係を記憶する酸素センサ特性記憶部と、
    所定タイミングにおいて、前記燃料電池電流値測定部から取得した前記燃料電池の電流値に基づいて、前記燃料電池が消費した空気量を算出する消費空気量算出部と、
    前記所定タイミングにおいて、前記酸素センサ特性記憶部から取得した前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧と前記燃料電池の排気側の酸素濃度との関係と、前記空気排出量測定部から取得した前記燃料電池から排出される空気の排出量と、に基づいて、前記出力電圧測定部から取得した前記燃料電池の排気側の酸素センサの出力電圧に対応する前記燃料電池が消費しなかった空気量を算出する非消費空気量算出部と、
    前記所定タイミングにおいて、前記消費空気量算出部から取得した前記燃料電池が消費した空気量と、前記非消費空気量算出部から取得した前記燃料電池が消費しなかった空気量と、に基づいて算出した空気供給量と、前記空気供給量測定部から取得した空気供給量測定値と、の差分を算出することにより、前記空気供給量測定部の測定誤差を推定する空気供給量測定誤差推定部と、
    を含み、前記所定タイミング以降において、前記空気供給量測定誤差推定部が推定した前記空気供給量測定部の測定誤差に基づいて、前記空気供給量測定部での空気供給量測定値を補正することを特徴とする燃料電池システム。
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