JP2010281135A - レンガパネル壁の構築方法 - Google Patents

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【課題】 上層階用のスラブ又は大梁のための型枠が組まれている現場において、レンガパネル壁を構築できる方法を提供する。
【解決手段】 下層階に形成されているスラブから、上層階用のスラブ又は大梁を形成するために組まれる型枠へ向けて、起立するレンガパネル壁を構築する方法であって、それぞれ複数のレンガブロックを組み合わせてなる、複数のレンガパネル13、14を用意する工程と、複数のレンガパネルを起立させてレンガパネル壁を構築するとともに、起立するレンガパネル壁を仮設固定材により、挟んで締め付ける工程とを含み、レンガパネル壁の周囲と上階層用のスラブ又は大梁との間の少なくとも一部に隙間があけられており、上階層用のスラブ又は大梁を形成した後、型枠を撤去し、隙間の少なくとも一部をレンガブロックで埋め、仮設固定材を撤去する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、マンション等の複数階層を備える集合住宅において、レンガパネルを用いてレンガパネル壁を構築する方法に関するものである。
マンションなどの集合住宅のバルコニーに構築される手摺や、廊下に構築される腰壁として好適な低位壁を、本出願人は先に提案した(特許文献1:特開2001−164646号公報)。
さて、100年あるいはそれ以上(例えば、300年)の長寿命の集合住宅を求める傾向が強まっているが、集合住宅の実質的に延長するためには、住人の世代や所有者が変わっても、それに応じて柔軟に間取り等を変更できることが望ましい。より具体的には、住居を、躯体部分(スケルトン)と、住人の希望通りに変更できる部分(インフィル)とに分離してとらえるスケルトン・インフィル分離思想が提案されている。
集合住宅は、およそ20年から50年ほどの期間を周期として、その所有者が変化することが多い。所有者が変われば、その家族構成や好み等も変化するから、それを機にインフィルを変えるということになりやすい。集合住宅の壁、特に、共用廊下側の壁には一般に玄関ドアや窓が設けられることが多い。インフィルを自由に変えられるようにするには、玄関ドアや窓の位置等も変更できるように配慮する必要がある。ここで、壁をコンクリートの打設により構築すると、このような変更時には、コンクリートのはつりが必要になり、騒音・振動が発生し、現実的でない。即ち、壁をコンクリートの打設により構築すると、壁のレイアウト変更は事実上無理となり、結果的にインフィルを自由に変更できなくなってしまう。さらに、所有権上も廊下側の壁は共有部分にあたるため、個人では自由に変更できない。
このような事情に鑑み、壁をコンクリートではなく、ALC版やセメント成型版を使用して構築することが検討されている。
一方、本発明は、壁をレンガブロックを使用して構築しようとするものである。古来から用いられているレンガは、耐久性や耐候性が高い。しかしながら、特許文献1で指摘したように、共用廊下側の壁を構築するについて、単純に市販のレンガを現場で1枚1枚積むと、非常に手間や時間がかかり、工事費がかさんでしまう。
また、特許文献1では、上端部が片持ち梁状となる、低い壁しか想定しておらず、ドア枠や窓枠に対応することが容易でない。
さらに重要なことには、そもそも現場では、下層階のスラブを形成した後、上層階用のスラブ、大梁または柱をコンクリートで構築するために、上層階には型枠が設けられ、型枠を支持する支保工など様々な部材が、所狭しとあちらこちらに張出したり起立したりしており、作業員は、辛うじてこれらをかわしながら、ぎりぎりで移動できるどうかという有様である。
レンガパネルを用いて壁を構築する上では、これら様々な部材は、邪魔物以外の何でもなく、このように邪魔な部材が溢れている現場に、レンガパネル壁を構築することは、現実には無理(熟練の作業者といえども)としてあきらめられているといっても過言ではない。
特開2001−164646号公報 実公昭36−27094号公報 実公昭57−17316号公報 特開平1−235752号公報 特開昭60−258351号公報 特開昭61−45047号公報
そこで本発明は、上層階用のスラブ、大梁または柱のための型枠が組まれている現場において、レンガパネル壁を構築できる方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係るレンガパネル壁の構築方法は、下層階に形成されているスラブから、上層階用のスラブ又は大梁を形成するために組まれる型枠へ向けて、起立するレンガパネル壁を構築する方法であって、それぞれ複数のレンガブロックを組み合わせてなる、複数のレンガパネルを用意する工程と、複数のレンガパネルを起立させてレンガパネル壁を構築するとともに、起立するレンガパネル壁を仮設固定材により、挟んで締め付ける工程とを含み、レンガパネル壁の周囲と上階層用のスラブ又は大梁との間の少なくとも一部に隙間があけられており、上階層用のスラブ又は大梁を形成した後、型枠を撤去し、隙間の少なくとも一部をレンガブロックで埋め、仮設固定材を撤去する。
この構成において、レンガパネル壁の周囲と上階層用のスラブ又は大梁との間に隙間があけられているため、レンガパネル壁と型枠とが干渉せず、型枠の形成・支持やレンガパネル壁の構築にいずれも支障がない。また、レンガパネル壁を複数のレンガパネルに小分けして構築するようにしたため、各レンガパネルは、作業員が人手で運びうる程度の重量大きさにもすることができ、作業性を向上できる。レンガパネル壁の周囲と上階層用のスラブ又は大梁との間の少なくとも一部に存在する隙間は、コンクリート打設用の仮枠を組むためのスペースとして活用できる。
また、型枠を撤去した後、隙間をレンガブロックで埋めることとしたため、元は隙間であった箇所においても、レンガパネルと同様のテクスチャを呈することができ、外観上の統一性を得やすい。さらに、隙間をレンガブロックで埋めるという作業は、レンガブロックを手積みする場合と殆ど同じであり、格段の困難性を伴わない。
第2の発明に係るレンガパネル壁の構築方法では、仮設固定材は、複数のレンガパネル同士間の少なくとも一部に通されるセパレータと、セパレータに着脱自在に装着されレンガパネル壁を挟んで締め付ける、水平な複数のバタ角材とを含む。
この構成により、型枠を構築する際に使用される部材をそのままレンガパネルの構築及び支持に流用することができ、部材の調達を容易にできるだけでなく、無駄なコストアップを抑制できる。
第3の発明に係るレンガパネル壁の構築方法では、複数のレンガブロックは、第1レンガパネルと、第2レンガパネルとを含み、第1レンガパネルの高さは、下層階のスラブから上層階用のスラブ又は大梁に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように定められ、第1レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第1レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなり、第2レンガパネルの高さは、下層階のスラブから窓枠に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように定められ、第2レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第2レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなる複数のレンガブロック群を幅方向に並べ、複数の第2レンガブロックの一部は、幅方向を長手方向とする横筋が挿入される横筋レンガブロックで構成され、第1レンガパネルと第2レンガパネルとで囲まれる空間に窓枠を配置し、窓枠に窓を設ける。
この構成により、第1レンガパネルにより、ほぼ下層階のスラブから上層階のスラブ又は大梁まで起立するレンガパネル壁を構築できるし、第2レンガパネルにより、上層階のスラブ又は大梁までは至らないが、窓枠まで至るレンガパネル壁を構築できる。さらに、レンガパネル壁に囲まれる窓を構築でき、このレンガパネル壁を、例えば、共用廊下側の壁として利用することができる。
また、第2レンガパネルには、幅方向を長手方向とする横筋が挿入される横筋レンガブロックで構成されているので、レンガを横方向につないでなるレンガパネルを構築して、窓枠や窓による荷重を十分支持することができる。
数十年程度の時間が経過し、インフィルを変更しようとするときには、レンガパネルは、そのまま間取り変更先の位置にレイアウトでき、資源を無駄なく再利用できる。しかも、レンガパネルを構成する各レンガブロックは、時間が経過するにつれ、味わい深い色合いに変化してゆくものであるが、これもそのまま利用できる。さらに、レンガパネルの構成を変更すれば、例えば玄関位置の変更により間取りが変わり窓の位置を変えるなど、種々のレイアウト変更を行える。
第4の発明に係るレンガパネル壁の構築方法では、下層階のスラブから上方へ延びる差筋に複数のレンガパネルの下端部を連結し、上層階用のスラブ又は大梁から下方へ延びる差筋に複数のレンガパネルの上端部を連結する。
この構成により、レンガパネル壁は、差筋によって、その上下がピン止めされることになり、地震時のように振動が発生したとき、レンガパネル壁が振動による力に抵抗しないようにすることができる。地震時には、振動による力が始めに壁に伝わり、これが梁に伝わるような力の流れができるが、この流れをピン止めにより伝わりにくくすることができる。
第5の発明に係るレンガパネル壁の構築方法では、複数のレンガパネルを起立させるに先立ち、下層階のスラブ上で複数のレンガパネルを起立させるべき位置に、レンガブロックを長手方向中心線で縦断した形状をなす一対の半割レンガブロックを複数個配置し、配置された半割レンガブロック上に複数のレンガパネルを起立させる。
この構成により、最下層に半割レンガブロックを敷き、その上に、レンガパネルを起立させることになる。レンガパネルは、工場で大量にかつ正確に製造できるし、最下層の半割レンガブロックにより、現場(例えば、不陸等)にあわせて施工できる。半割レンガブロックを使用することにより、差筋が半割レンガブロックの付近に位置していても、差筋に干渉せずに、半割レンガブロックを配置でき、円滑・容易に工事を進めることができる。
また、壁は、全体としては、レンガパネルと、半割レンガブロックとにより構成されるから、壁の外観は、レンガを手積みしたような場合と同様であり、見た目の統一感を得やすい。
本発明によれば、型枠及びその関連部材により邪魔されて、現実には無理と考えられていた、上層階用の型枠に関する工事と並行して、それと干渉することなく、レンガパネル壁を現場で構築することができる。
しかも、背が高いレンガ造りの壁を、容易かつ効率的に構築できるというだけでなく、インフィルを変更する際にも、半割レンガの弱い部分を除去することにより、レンガパネルのほとんどを再利用でき、資源を無駄なく活用できる。この際、コンクリートのはつりに比べて大きな振動・騒音を減じて、実施することができ、インフィルの変更自由度を維持したまま、容易にしかも住人への迷惑を減らし、集合住宅のエコロジー化に資することができる。
具体的な実施の形態の説明に先立ち、本発明が立脚するスケルトン及びインフィルの新たな考え方について説明する。この考え方は、建物を300年継続して使用できるようにするためのコンセプトである。
建物をスケルトンとインフィルとに分類する。この考え方自体は、従前から存在するが、次の点が従来の考え方とは大きく相違する。まず、スケルトンを、パブリックな躯体と共用部分の設備とが一体として存在するものと考える。
また、スケルトンの共用部分設備を、水道、ガス、電気及び排水のためのパイピングスペース、メーターボックス等のパブリック設備と、エレベータ、ポンプ等消耗する設備であるセミパブリック設備との、2つに分けて考える。
今まで共用部分と考えられていた、廊下側の玄関ドア、壁、サッシュ、バルコニー側のサッシュ及び壁を、インフィル・パブリックと考え、インフィルは、専有のインフィルと、インフィル・パブリックとからなるものと考える。
即ち、スケルトンは、日常的に使用されるパブリックな躯体と、パブリック設備と、セミパブリック設備とからなり、インフィルは、内装と、専有部分の設備と、インフィル・パブリックとからなると考える。
そして、50年ごとにパブリック設備を全て取り替えるとする。50年ごとに安定してパブリック設備を更新し、これを繰り返すことにより、建物は300年もつ。
50年目で足場を架け躯体の修理を行う。弱い部位の材料を工夫し、50年もつように配慮する。
20年乃至30年ごとに、足場なしで天井、床、内壁等についてメンテナンスする。具体的には、塗装の吹替え、コーキングの打替え、共用配管の清掃等を実施する。
100年を単位とすれば、50年、100年間で集めた修繕積立金内で2回の改修工事を行う。これを繰り返して建物を300年もたせる。
以上の考え方に基づき、建物が300年もつストーリーを設定する。本発明のレンガパネル壁は、この長いストーリーの中に織り込まれる一つであり、20年乃至50年程度で、住宅の所有者が変更され、インフィルの変更が望まれるときに、壁を含めてインフィルの変更を実現可能とする思想に立脚するものである。従来技術は、いずれもこのようなロングスパンでものを考えるということをしておらず、せいぜい60年ぐらいで建物は使用できなくなるだろうという程度の認識しかない。本発明は基本的なコンセプトにおいても、従来技術とは一線を画すものである。
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。本発明のレンガパネル壁の骨子は、次の通りである。即ち、
(1)第1レンガパネルと、第2レンガパネルとを用意する。第1レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第1レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなり、スラブから天井又は梁に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように高さが定められる。第2レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第2レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなる複数のレンガブロック群を幅方向に並べ、複数の第2レンガブロックの一部を幅方向を長手方向とする横筋が挿入される横筋レンガブロックで構成し、スラブから窓枠に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように高さが定められる。
(2)第1レンガブロックを長手方向中心線で縦断した形状をなす一対の半割レンガブロックを横に複数個、一対の半割レンガブロックがスラブから上方に突出する第1差筋を挟むように配置して固定する。
(3)配置された一対の半割レンガブロック上において、窓なしで天井又は梁に至る壁を形成すべき箇所には、第1レンガパネルを一対の半割レンガブロック上に配置する。
(4)配置された一対の半割レンガブロック上において、窓を形成すべき箇所には、第2レンガパネルを一対の半割レンガブロック上に配置する。
(5)天井又は梁から第2差筋を第1レンガパネル側へ下向きに突出させると共に、天井又は梁を構成する箇所にコンクリートを打設し、第2差筋と、第1レンガブロックの縦筋及び第2レンガブロックの縦筋とを、それぞれ固着する。
(6)第1レンガブロックを長手方向中心線で縦断した形状をなす一対の半割レンガブロックを複数個、一対の半割レンガブロックが天井又は梁から下向きに突出する第2差筋を挟むように配置して固定して、第1レンガブロックと天井又は梁との間を埋める。そして、
(7)第1、第2レンガブロックで囲まれる空間に窓枠を配置し、窓を形成する。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態におけるレンガブロックの斜視図、図1(b)は、本発明の一実施の形態における横筋レンガブロックの斜視図、図1(c)は、本発明の一実施の形態における半割レンガブロックの斜視図である。
図1(a)、図1(c)に示すように、レンガブロック1、横筋レンガブロック5及び一対の半割レンガブロック7には、第1孔2、8、第2孔3、9及び第3孔4、10が、それぞれ上下(厚さ方向)に貫通するように形成されている。図1(b)では、横筋レンガブロック5の孔は隠れているが、レンガブロック1と同様に、横筋レンガブロック5にも孔が形成されている。これらの孔2、8、3、9、4、10の形状は、図1(a)に示すように、角張ったものとしても良いし、あるいは、丸みを帯びたようにしても良い。
第1孔2、8及び第3孔10には、図2に示すように、縦筋11がその上下端がさらに上下に延出するように貫通し、第1孔2、8及び第3孔10には、モルタルが工場で埋め込まれている。但し、第2孔3、9には、何も充填されず、単なる空洞になっている。
また、この例では、レンガブロック1、横筋レンガブロック5及び一対の半割レンガブロック7のそれぞれ1個当たり、モルタルが充填される孔2、7、3、10を2つ、空洞の孔3、9を1つとしたが、これらの位置や個数は、便宜変更できる。
ここで、レンガブロック1は、通常使用されるブロックであり、横筋レンガブロック5は、長手方向に沿う配筋用溝6を有し、配筋用溝6には、図2(c)に示すように、横筋12を入れ、さらに配筋用溝6にモルタルを充填することにより、横に並ぶ2つのブロックを横方向に強固に連結できるようになっている。
また、一対の半割レンガブロック7は、丁度レンガブロック7をその長手方向中心線を境にして、縦に切断した形状をなすように工場で加工されている。そして、工場ではなく、構築現場で、壁の最下層あるいは最上層において、スラブ、天井或いは梁から延出する差筋に奥側あるいは手前側から嵌め込み、第1孔8、第3孔10にモルタルを充填できるようになっている。
図2(a)は、本発明の一実施の形態における第1レンガパネルの斜視図、図2(b)は、本発明の一実施の形態における第2レンガパネルの斜視図、図2(c)は、本発明の一実施の形態における横筋レンガブロックの説明図である。
図2(a)に示すように、第1レンガパネル13は、複数のレンガブロック1を目地モルタルで上下に接着してなり、スラブから天井又は梁に至る高さよりも所定寸法(半割レンガブロック7等の積みしろ)だけ低くなるように全高が定められる。
図2(b)に示すように、第2レンガパネル14は、第1レンガパネル13と同様に、基本的には、複数のレンガブロック1を目地モルタルで上下に接着してなるが、このようなブロック群をさらに幅方向に並べてなる点が第1レンガパネル13とは異なる。
また、上下に接着されるブロックがレンガブロック1のみならず、その一部には、所定間隔をあけて、横筋レンガブロック5が挿入され、図2(c)に示すように、横筋レンガブロック5には、横筋12が配筋用溝6が入れられ、配筋用溝6はモルタルが充填される。これにより、2本のレンガブロックの柱がブロックの長手方向に剛結される。また、第2レンガパネル14の全高は、スラブから窓枠に至る高さよりも所定寸法(半割レンガブロック7等の積みしろ)だけ低くなるように定められる。なお、図示していないが、最上段のレンガブロック1から上向きに、又、再下段のレンガブロック1から下向きに、第2孔3、9から差筋を延出させ、この差筋により、レンガパネルを点状に支持すると、振動などを吸収できて、好適である。
なお、隣接するレンガブロックの柱の間にモルタル目地を設けるのが望ましい。図2(a)、図2(b)に示される第1、第2レンガパネル13、14は、所定の寸法系となるように、工場で予め製造されるものであり、それぞれ、クレーン等により釣られて現場へ配置される。
次に、図3及び図4を参照しながら、以上のように工場で製造された、第1レンガブロック13、第2レンガブロック14、半割レンガブロック7等を使用した、レンガパネル壁の構築工程を説明する。
ここで、図3(a)〜図3(e)は、本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図、図4は、本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の組立工程説明図である。
まず、図3(a)に示すように、レンガパネル壁を構築すべきラインを設定し、このラインに沿って半割レンガブロック7を並べてゆく。この際、スラブから上向きに差筋が延出しているので、差筋を第1孔8、第3孔10に通しておく。
次に、図3(b)に示すように、間取りにあわせて第1レンガパネル13、第2レンガパネル14を、並べた半割レンガブロック7の上に配置する。このとき、窓を設ける箇所の下部には第2レンガパネル14を配置し、そうでない箇所には、第1レンガパネル13を配置する。
そして、図3(c)及び図4に示すように、組みあがるパネル群の両袖に、角材19(レンガパネルをいためないようにするため、レンガと等しい幅、例えば、100mm角程度とするのが望ましい)を立て、レンガパネル同士の目地に適宜セパレータ15を挿入し、バタ角材16を水平に何段か掛け渡し、端部を角材19に連結する。バタ角材16の手前側にクサビ付当金17を、奥側に当金18を、それぞれ配置し、これらの当金17、18により、バタ角材16により組みあがるパネル群を、両側から挟んで締め付ける。
さらに、図3(d)に示すように、サポートを斜めに配置し、バタ角材16ごと組みあがるパネル群を仮固定するのが望ましい。図4に示すパネル群は、組上がると、図5に示すような状態となる。
同時に、上層階へのコンクリート壁、上層階のスラブ、梁等を構築するため、図3(e)に示すように、型枠を組み、支柱で型枠を支持する。そして、上層階側から下向きに差筋を延出させ、第1レンガパネル13から上向きに延出する縦筋11に臨ませる。
そして、図8及び図10に示すように、レンガパネル壁の最下層において、第1レンガパネル13及び第2レンガパネル14から下向きに延出する縦筋11と、スラブからこの縦筋11に臨む差筋とを固定する。また、レンガパネル壁の最上層において、第1レンガパネル13から上向きに延出する縦筋11と、上層階の天井又は梁からこの縦筋11に臨む差筋とを固定する。これらの固定は、溶接によるのが望ましいが、強度的に問題なければ他の固定手段によっても良い。
固定が済んだら、組みあがるパネル群の上(最上層)にも、半割レンガ7を積み、適宜モルタル充填を行う。さらに、半割レンガ7の上端と天井又は梁の間に隙間ができるときは、この隙間もモルタル充填により塞ぐ。
以上により、窓なしの箇所では、第1レンガパネル13を中核とするレンガパネル壁が天井又は梁まで形成されたことになる。一方、窓ありの箇所では、第2レンガパネル14が立てられている。
本形態では、さらに図10に示すように、第2レンガパネル14の奥側に骨組みを設け、この骨組みに水平なアングル鋼26を固定し、アングル鋼6に大型窓23あるいは小型窓25の窓枠を固定している。窓枠には、第2レンガパネル14の前側に延びる水切金物27を設けるのが防水性を保持するため望ましい。
なお、図9に拡大して示しているように、上下に組まれるレンガブロック同士の隙間は、この隙間に挿入されるネオプレーンゴム28と、さらにその外側を充填するモルタル目地29により封鎖するのが望ましい。こうすると、レンガパネル同時の分離が容易になり、ネオプレーンゴム28の後方の空間が地震時の変形を吸収するので、好ましい。
図6は、本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築例示図である。この例では、スラブ20から柱20が立ち、柱20には梁22が連結されており、スラブ20、柱21及び梁22に囲まれた箇所にレンガパネル壁が構築されている。このレンガパネル壁には、大型窓23が嵌め込まれている。
図7は、他のレンガパネル壁の構築例示図である。この例では、小型窓25及び扉24を含む、レンガパネル壁が構築されている。
図11は、さらに他のレンガパネル壁の構築例示図である。この例では、小型窓25を含む、レンガパネル壁が構築されているが、小型窓25は、天井又は梁まで至らない。この場合、アングル鋼26を支持し、さらに第1レンガパネル13の上部、小型窓25及び天井又は梁により囲まれた空間に、枠30が嵌め込まれ、枠30はアングル鋼26に固定される。そして、枠30に、耐火ボードが固定されることにより、この空間が封鎖されている。
図6、図7及び図11を注意深く見れば明らかなように、半割レンガ7等を取り外せば、第1レンガパネル13及び第2レンガパネル14のレイアウトを自由に変更できる点が理解されよう。この変更により、インフィルを、住居の所有者の変更、家族構成の変化、好みの変化等に合わせて、現実的に対応できるものである。
このような対応を可能とするだけでなく、第1レンガパネル13及び第2レンガパネル14は、変更に際してもほとんどそのまま再利用が可能である。しかも、現場でレンガを一つずつ手積みする場合と同じ優れた外観及び耐久性が得られるだけでなく、現場でレンガを一つずつ手積みする場合に比べ、本形態によれば、現場で構築に要する手間及び時間を大幅に削減できる。
以上の説明では、共用廊下部分にレンガパネル壁を構築するケースを取り扱った。しかしながら、本発明は、これに限定されるわけではない。
次に、図12〜図14を参照しながら、妻側のレンガパネル壁を構築する方法を説明する。
この方法の要点((1)〜(4))は、次のとおりである。
(1)下層階に形成されているスラブから、下層階から上層階に至る柱の間に、柱に対して隙間をあけて、起立する妻側のレンガパネル壁を構築する。
(2)それぞれ複数のレンガブロックを組み合わせてなる、複数のレンガパネルであって厚さ方向に貫通する孔を有するものを用意する。
図12に示す第3レンガパネル40がこのレンガパネルである。第3レンガパネル40は、概ね第2レンガパネル14と似ている。即ち、最も下部には、第3レンガパネル40を支持する半割レンガ7が敷かれる。そして、レンガブロック1と、適宜間隔をあけて横筋レンガブロック5とが、組み合わされる。
しかしながら、第3レンガパネル40は、第2レンガパネル14よりも巾及び高さのいずれもが大となるように、大型に形成される。ここで言う「大型」とは、概略一階層分の高さ・巾を持つという意味である。また、図12に示すものでは窓が設けられていないが、図13(b)に示すように、必要に応じて、第3レンガパネル40’の内部に窓41を設けることができる。
上述の孔は、セパレータ15を厚さ方向に貫通させるために、所定個数所定の箇所にあけられている。窓41を設けるか否かで、孔の箇所を変更しても差し支えない。孔は、目地になる箇所に設けるのが望ましい。
(3)複数のレンガパネルを起立させてレンガパネル壁を構築するとともに、孔にセパレータを通し、起立するレンガパネル壁を仮設固定材により、挟んで締め付ける。
(4)図14に示すように、第3レンガパネル40、40’の上部は、上層階の大梁の室外側に位置し、第3レンガパネル40、40’の上部と上層階の大梁との間に断熱材43を介在させる。これにより、第3レンガパネル40、40’は、躯体の構造から力学的に縁切りされることになる。また、断熱材43が躯体の外側に設けられることとなって、大梁のコンクリート面と第3レンガパネル40、40’とは、直接的には接触せず、室内は、断熱材43により外断熱されることになる。なお妻側のレンガパネル壁は、大梁の仮枠となる。
次に、妻側のレンガパネル壁の構築法をさらに詳しく説明する。
まず、図14に示すように、下層階の床スラブ35から、更に室外側へ突出する飛び出しスラブ36が形成され、飛び出しスラブ36内には、鉄筋37が配設される。
つまり、図13(a)に示すように、水平な飛び出しスラブ36が巾方向に飛び出して形成される。
次に、下層階から上層階へ至る柱39を形成し、それらの柱39のための型枠が組まれた状態で、第3レンガパネル40、40’の組み込みを開始する。即ち、まず、半割レンガ7を飛び出しスラブ36上に敷設する。
クレーンで建物の外から第3レンガパネル40、40’を吊り、半割レンガ7の上に起立するように、第3レンガパネル40、40’を組み込む。
第3レンガパネル40、40’と柱39との間には、レンガ1枚分の隙間をあけておく。これにより、柱39のための型枠と第3レンガパネル40、40’とが干渉しないようにすることができる。
また、吊り込まれた第3レンガパネル40、40’に開けられた孔にセパレータ15を貫通させ、バタ角材16を第3レンガパネル40、40’に水平に当て、セパレータ15の両端部に金物を取付け、金物を締め付けることにより、バタ角材16と第3レンガパネル40、40’とを一体化する。さらに、バタ角材16の室内側に、斜め支柱42を斜めに取付け、斜め支柱42の先端部により、室内側にあるバタ角材16を支持する。
図13(a)に示すように、必要な第3レンガパネル40、40’を全てくみ終わったら、図14に示すように、第3レンガパネル40、40’の上部の室内側に、断熱材43を貼り付ける。こうすると、断熱材43は、室内の断熱機能を有するだけでなく、横に並ぶ第3レンガパネル40、40’の間(特に目地の部分)への、コンクリート(上層階の打設用)の漏れを抑止する、型枠の機能をも有する。
断熱材43の取付が済んでから、下層階の床スラブ35上に、支柱44、45を立て、上層階のスラブ用型枠46、大梁用型枠47を組むと共に、これらの型枠46、47を支柱44により支持する。
第3レンガパネル40、40’の上部外側に、大梁49の高さに合わせて、仮枠を設置し、第3レンガパネル40、40’に開けられている孔にセパレータを貫通させ、大梁用型枠47と第3レンガパネル40、40’の上部とを挟み込んで一体化する。このセパレータは、一体化するための固定力を付与するだけでなく、上層階の大梁49構築のため、コンクリートが打設される際における側圧に耐え、所定間隔を維持する型枠としての機能を有する。
そして、型枠46、47の準備が完了したら、鉄筋を適宜配置し、型枠46、47内へコンクリートを打設し、上層階の床スラブ48及び大梁49を構築する。
(a)本発明の一実施の形態におけるレンガブロックの斜視図 (b)本発明の一実施の形態における横筋レンガブロックの斜視図 (c)本発明の一実施の形態における半割レンガブロックの斜視図 (a)本発明の一実施の形態における第1レンガパネルの斜視図 (b)本発明の一実施の形態における第2レンガパネルの斜視図 (c)本発明の一実施の形態における横筋レンガブロックの説明図 (a)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図 (b)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図 (c)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図 (d)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図 (e)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築工程説明図 本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の組立工程説明図 (a)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の水平断面図 (b)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の立面図 (c)本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の垂直断面図 本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築例示図 本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築例示図 本発明の一実施の形態における第1レンガパネルの側面図 本発明の一実施の形態におけるレンガパネルの接合詳細図 本発明の一実施の形態における第2レンガパネルの側面図 本発明の一実施の形態におけるレンガパネル壁の構築例示図 本発明の一実施の形態における妻側レンガパネルの斜視図 (a)本発明の一実施の形態における妻側レンガパネルの水平断面図 (b)本発明の一実施の形態における妻側レンガパネルの立面図 本発明の一実施の形態における妻側レンガパネルの垂直断面図
1 レンガブロック
2 第1孔
3 第2孔
4 第3孔
5 横筋レンガブロック
6 配筋用溝
7 半割レンガ
8 第1溝
9 第2溝
10 第3溝
11 縦筋
11a 差筋
12 横筋
13 第1レンガパネル
14 第2レンガパネル
15 セパレータ
16 バタ角材
17 クサビ付当金
18 当金
19 角材
20 床
21、39 柱
22 梁
23 大型窓
24 扉
25 小型窓
26 アングル鋼
27 水切金物
28 ネオプレーンゴム
29 モルタル目地
30 枠
31 鋼板
32 窓枠
33、41 窓
35、48 床スラブ
36 飛び出しスラブ
40、40’ 第3レンガパネル
42 斜め支柱
43 断熱材
44、45 支柱
46 スラブ用型枠
47 大梁用型枠
49 大梁

Claims (7)

  1. 下層階に形成されているスラブから、上層階用のスラブ又は大梁を形成するために組まれる型枠へ向けて、起立するレンガパネル壁を構築する方法であって、
    それぞれ複数のレンガブロックを組み合わせてなる、複数のレンガパネルを用意する工程と、
    前記複数のレンガパネルを起立させてレンガパネル壁を構築するとともに、起立する前記レンガパネル壁を仮設固定材により、挟んで締め付ける工程とを含み、
    前記レンガパネル壁の周囲と前記上階層用のスラブ又は大梁との間の少なくとも一部に隙間があけられており、前記上階層用のスラブ又は大梁を形成した後、前記型枠を撤去し、
    前記隙間の少なくとも一部をレンガブロックで埋め、
    前記仮設固定材を撤去することを特徴とするレンガパネル壁の構築方法。
  2. 前記仮設固定材は、前記複数のレンガパネル同士間の少なくとも一部に通されるセパレータと、前記セパレータに着脱自在に装着され前記レンガパネル壁を挟んで締め付ける、水平な複数のバタ角材とを含む請求項1記載のレンガパネル壁の構築方法。
  3. 前記複数のレンガブロックは、第1レンガパネルと、第2レンガパネルとを含み、
    前記第1レンガパネルの高さは、前記下層階のスラブから前記上層階用のスラブ又は大梁に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように定められ、前記第1レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第1レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなり、
    前記第2レンガパネルの高さは、前記下層階のスラブから窓枠に至る高さよりも所定寸法だけ低くなるように定められ、前記第2レンガパネルは、縦筋が挿通される孔を有する複数の第2レンガブロックを目地モルタルで上下に接着してなる複数のレンガブロック群を幅方向に並べ、複数の第2レンガブロックの一部は、幅方向を長手方向とする横筋が挿入される横筋レンガブロックで構成され、
    前記第1レンガパネルと前記第2レンガパネルとで囲まれる空間に窓枠を配置し、前記窓枠に窓を設けることを特徴とする請求項1または2記載のレンガパネル壁の構築方法。
  4. 前記下層階のスラブから上方へ延びる差筋に前記複数のレンガパネルの下端部を連結し、前記上層階用のスラブ又は大梁から下方へ延びる差筋に前記複数のレンガパネルの上端部を連結する請求項1から3のいずれかに記載のレンガパネル壁の構築方法。
  5. 前記複数のレンガパネルを起立させるに先立ち、前記下層階のスラブ上で前記複数のレンガパネルを起立させるべき位置に、レンガブロックを長手方向中心線で縦断した形状をなす一対の半割レンガブロックを複数個配置し、
    配置された前記半割レンガブロック上に前記複数のレンガパネルを起立させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンガパネル壁の構築方法。
  6. 下層階に形成されているスラブから、前記下層階から上層階に至る柱の間に、起立する妻側のレンガパネル壁を構築する方法であって、
    それぞれ複数のレンガブロックを組み合わせてなる、複数のレンガパネルであって厚さ方向に貫通する孔を有するものを用意する工程と、
    前記複数のレンガパネルを起立させてレンガパネル壁を構築するとともに、前記孔にセパレータを通し、起立する前記レンガパネル壁を仮設固定材により、挟んで締め付ける工程とを含むことを特徴とするレンガパネル壁の構築方法。
  7. 前記妻側のレンガパネル壁の上部は、前記上層階の大梁の室外側に位置し、前記妻側のレンガパネル壁の上部と前記上層階の大梁前記大梁との間に断熱材を介在させ前記妻側のレンガパネル壁が大梁の仮枠となることを特徴とする請求項6記載のレンガパネル壁の構築方法。
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