JP2010504268A - メタルフリーナノ粒子を用いたカーボンナノチューブの成長 - Google Patents

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Abstract

本発明は、例えばSiまたはGeを含むナノ粒子のようなメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を用いた、少なくとも1つのカーボンナノチューブ(16)を形成する方法を提供する。本発明の方法は、炭素源ガスを分解し、後にカーボンナノチューブ(16)を成長させるようにメタルフリー触媒ナノ粒子(14)において再結合する炭素フラグメントを形成する工程を用いる。本発明の実施形態に係る方法は金属不純物を含まないカーボンナノチューブ(16)をもたらす。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブの成長に関する。とりわけ、本発明はメタルフリー(または金属を含有しない)ナノ粒子を用いたカーボンナノチューブの成長に関する。
カーボンナノチューブ(CNT)は、概して非常に優れた電気的および機械的特性を示す。従って、CNTは多用な産業上の用途が見出されると期待されている。これら用途の1つは、ナノエレクトロニックデバイスでのパッシブおよびアクティブ両方の部品での使用であろう。
CNTの最も広く受け入れられている成長メカニズムは、CNT合成において触媒として作用する金属ナノ粒子(またはメタルナノ粒子)の表面での炭素源(またはカーボン源)の触媒分解に基づく。この成長メカニズムでは、炭化水素源が金属ナノ粒子の露出した最表面で分解し、ナノ粒子に溶解する水素及び炭素を放出する。そして溶解した炭素は金属ナノ粒子内を拡散し、析出(または凝集)してCNTの形成を開始する。
既知の技術において示されている成長メカニズムにおいて重要な問題の1つは、カーボンナノチューブの成長を開始するのに触媒金属粒子(または金属触媒粒子、metal catalyst particle)が必要なことである。このことによる不都合は、触媒金属粒子が成長したCNTにおいて不純物を存在させることである。CNTが多くの用途において使用できるようになる前に、これらの不純物を取り除く必要がある。CNTから好ましくない金属不純物を除去するには、通常、多用な化学的処理および熱酸化処理が必要である。例えば、硝酸還流(nitric acid reflux)および熱酸化の使用を伴う多段階の精製法を用いることができる。
レーザー吸収およびアーク放電を用いた、CNTの無触媒(または触媒フリー)成長が、以前に実施されている。しかしながら、これらの方法は非常に高い温度、すなわち3000℃を超える温度を要する。このような高温に起因して、これらの方法はCNTのその場(in-situ)成長に適しておらず、従って、エクスサイチュー(ex-situ)なアプローチを要する。さらに、比較低い温度(450〜1100℃)で実施でき、その場またはエクスサイチューが可能で、量産可能な収率をもたらすCVD法と比較すると、これらの方法は低い収率をもたらすであろう。
Nanoletters, 2002 Vol. 2, No. 10, 1043-1046 (Deryckeらによる) は、1500℃より高温でSiC(111)上でのCNTの無触媒成長を報告している。この文献において、CNTの無触媒成長は、所定の温度範囲において真空中で六方晶炭化ケイ素の炭素面を繰り返しアニーリングすることで実現している。CNTは金属触媒なしで製造されているが、しかしこれらのCNTは表面に平行な軸を伴い、換言すると基板に配向して成長し、そしてCNTの大量生産が実施可能とは考えられない。
Applied Surface 245 (2005) 21-25 (Wangらによる)において、メタン、アンモニアおよび水素の混合物を反応ガスとして用い、プラズマエンハンスドホットフィラメント化学気相成長法(plasma-enhanced hot filament chemical vapor deposition)を用い、触媒を使用せずに、シリコン基板上でカーボンナノチップを成長させている。カーボンナノチップの形成は、一時間の間にシリコン基板長上でカーボンフィルムが最初に成長することにより認識される。更なるカーボンフィルムの成長とシリコン基板への430Vの負のバイアスの印加によるイオン照射との組み合わせが、グロー放電を形成しカーボンナノチップの成長を可能にする。
本発明の実施形態の目的は基体上でカーボンナノチューブを成長させる優れた方法を提供することである。
上記目的は、本発明に係る方法により達成される。
本発明の実施形態に係る方法の利点は、この方法により成長させたカーボンナノチューブは実質的に金属の不純物を含んでいない。
本発明の実施形態に係る方法は化学気相成長法を用いることができる。
本発明は、少なくとも1つのカーボンナノチューブを製造する方法を提供する。その方法は、
・化学気相成長法の反応器(または反応容器、reactor)に少なくとも1つのメタルフリー(または金属を含有しない)触媒ナノ粒子を提供することと、
・化学気相成長法の反応器で炭素源ガス(または、カーボンソースガス)を分解することにより反応性炭素フラグメント(carbon fragment)を形成することと、
・少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子の表面(top)で反応性炭素フラグメントを再結合し、少なくとも1つのカーボンナノチューブを成長させること、
を含む。
本発明の実施形態に係る方法は、金属の不純物を含まないカーボンナノチューブの形成をもたらす。
炭素源ガスの分解および少なくとも1つのカーボンナノチューブの成長の間、基体の温度は800℃と1000℃の間に保持してもよい。
本発明の実施形態では、化学気相成長法の反応器に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を供給することは、
・基体に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を供給することと、
・その上に少なくとも1つのメタルフリーナノ粒子を備えた基体を化学気相成長法の反応器に移動することと
により実施してもよい。
これらの実施形態では、少なくとも1つのカーボンナノチューブを基体に形成することができる。
本発明の実施形態では、炭素源ガスの分解は熱フィラメント(またはホットフィラメント)を用いて、プラズマを用いて又は熱フィラメントとプラズマとを組み合わせて用いて実施してもよい。
熱フィラメントは、WフィラメントまたはTaフィラメントのような金属フィラメントであってもよい。熱フィラメントは炭素源ガスを分解またはクラッキングするのに適した温度であってよい。例えば、炭素源ガスの分解に熱フィラメントを用いる場合、熱フィラメントは950℃に保持してもよい。
本発明の実施形態では、化学気相成長法の反応器に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を供給することは、例えばSiまたはGeを含むナノ粒子のような、ナノ粒子を含む少なくとも1つの半導体を提供することにより実施してもよい。
少なくとも1つのSiを含むナノ粒子は、例えばSiC、SiOまたは純Siのナノ粒子であってよい。
少なくとも1つのGeを含むナノ粒子は、例えばGeOまたは純Geのナノ粒子であってよい。
本発明の実施形態では、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を基体に供給することは、
・例えば半導体触媒材料のような、メタルフリー触媒材料の薄層を基体に供給することと、
・分割して少なくとも1つのメタルフリーナノ粒子を形成するようにメタルフリー材料の薄層をアニーリングすることと、
により実施する。
アニーリングは500℃と800℃との間の温度で実施することが可能である。
本発明の実施形態では、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子は、0.4nmと100nmとの間、または0.4nmと50nmとの間の直径を有してもよい。
本発明の実施形態では、この方法は少なくとも1つのメタルフリーナノ粒子を基体に供給する前に、例えば化学的相互作用のような少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子の基体との相互作用を防止するための障壁層(またはバリアー層)を基体に提供することを更に含んでもよい。
本発明の更なる実施形態では、この方法は少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を化学気相成長法の反応器に供給する前に、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を前処理することを更に含んでもよい。このような前処理の例は、例えばHFへの浸漬(例えば2%HFへの5分間の浸漬)による自然酸化物(または固有の酸化物、native oxide)(例えば、Siナノ粒子の場合はSiO)の除去であってもよい。
本発明の実施形態では、炭素源は1つ(C1)〜3つ(C3)の炭素原子を有する炭化水素であってよい。炭素源ガスは例えばCH、C、CまたはCであってもよい。
本発の別の実施形態では、炭素源ガスはCOであってもよい。
本発明に係る方法を実施するCVD反応器は、不活性ガスと水素とを含んでよい。不活性ガスは、例えば窒素であってよい。
CVD反応器内でガスの流れは、例えば4リットル/分 N、2リットル/分 H、0.5リットル/分 Cまたは0.1リットル Cであってもよい。
更なる態様では、本発明はメタルフリー触媒ナノ粒子からのカーボンナノチューブの成長をもたらす。これらのナノチューブは金属不純物を含有しないことが利点である。
より更なる態様では、本発明はカーボンナノチューブが成長するようにメタルフリー触媒ナノ粒子を使用することをもたらす。これらのナノチューブは金属不純物を含有しないことが利点である。
本発明の特定のそして好ましい態様は添付の独立請求項および従属項による示される。従属項による技術的特徴は、必要に応じて、独立請求項の技術的特徴または他の従属項の技術的特徴を明確に請求項に記載されている以外の組み合わせとすることができる。
本技術分野においては装置(device)の一定の改良、変化、進化はあるが、本発明の概念は実質的に新しく新規な改良を示していると信じられており、既知の技術からの逸脱を含み、より効率的で、安定し、信頼できるこの性質を備えた装置の提供をもたらす。
上記および他の本発明の特徴、技術的特徴および利点は以下の記載および例として本発明の原理を説明する添付の図により明らかになるであろう。本明細書は本発明の技術的範囲を制限することのない例としてのみ示されるものである。以下に引用する参照図は添付の図について言及する。
図1は本発明の実施形態に係る、Si粒子にメタルフリーCNTを形成する方法を示す。 図2および図3は、本発明の実施形態に係る、基体にメタルフリーCNTを成長させるために用いることができる反応器を概略的に示す。 図2および図3は、本発明の実施形態に係る、基体にメタルフリーCNTを成長させるために用いることができる反応器を概略的に示す。 図4、図5および図6は、本発明の実施形態に係る、Siナノ粒子上のCNTの成長後の走査電子顕微鏡像を示す。 図4、図5および図6は、本発明の実施形態に係る、Siナノ粒子上のCNTの成長後の走査電子顕微鏡像を示す。 図4、図5および図6は、本発明の実施形態に係る、Siナノ粒子上のCNTの成長後の走査電子顕微鏡像を示す。
全ての図は本発明の態様および実施形態を説明することを意図している。全ての代替案および選択肢が示されているわけではなく、従って本発明は与えられた図の概念に制限されるものではない。異なる図において同様の部品を示すのに同様の番号が用いられている。
異なる図における同じ参照記号は同じまたは類似の要素を示す。
本発明は特定の実施形態に関して、および特定の図に関して説明されるがしかし、本発明にはこれらにより制限されず、請求項によってのみ制限される。示される図は概略的なもののみであり、制限するものではない。図において、いくつかの要素の寸法は、誇張されているかもしれず、説明を目的として縮尺比通りには示されていない。寸法および相対寸法は発明を実施するための実際の縮尺に対応していない。
請求項で用いられる用語「含む」は、その後に記載される手段に限定されるものと解釈してはならず、他の要素または工程を排除するものではない。従って、言及された特徴、整数値、工程または部材が言及されたように存在することを特定するものと解釈され、1以上の他の特徴、整数値、工程もしくは部材またはこれらの集団を除外するものではない。従って、表現「手段AおよびBを含む装置」の技術的範囲は要素AとBとからのみ成る装置に限定してはならない。本発明に関しては、装置の意味ある要素はAとBであることを意図する。
本明細書において、「1つの実施形態」または「実施形態」は、実施形態と関連して示される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書の多くの箇所での言い回し「1つの実施形態において」または「実施形態において」の出現は全てが同じ実施形態を意味する必要はないがしかし、意味してもよい。さらに、本明細書の開示により当業者に明らかなように、1以上の実施形態において特定の特徴、構造または特性は、任意の適当な方法で組み合わせることができる。
同様に、当然のことながら、本発明の例示的な実施形態の記述において、開示を効率的に行い、各種の発明の態様の1以上についての理解を助ける目的で、本発明の各種の特徴がしばしば1つの実施形態、図またはそれらの説明においていっしょになっている。この開示の方法は、しかしながら請求項の発明がそれぞれの請求項で明確に引用されている特徴以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解されるものではない。むしろ、以下の請求項が示すように、発明の態様は前述の開示された単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない。従って、それぞれの請求項が本発明の分離したそれぞれの実施形態に基づいており、詳細な説明に従った請求項はこの詳細な説明に明らかに組み入れられる。
さらに、本明細書に示されるいくつかの実施形態は他の実施形態含まれる他の特徴と異なるいくつかの特徴を含んでいるが、当業者により理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の技術的範囲内であることを意味し異なる実施形態を形成する。例えば、以下の請求項では、如何なる請求項に記載される実施形態も任意の組み合わせに用いることができる。
本明細書に示される記述において、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの特定の細部無しに実施可能であることが理解されている。他の例では、この記載の理解を曖昧にしないように既知の方法、構想および技術の詳細が示されていない。
本発明は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な記述により示されるであろう。当業者の知識により、本発明の正確な精神(true spirit)または技術的教唆から逸脱することなく本発明の他の実施形態を構成し得ることは明確であり、本発明は添付の請求項の用語によってのみ制限される。
本発明は少なくとも1つのカーボンナノチューブ(CNT)を製造する方法を提供する。その製造方法は、
・化学気相成長法の反応器(または反応容器、reactor)に少なくとも1つのメタルフリー(または金属を含有しない)触媒ナノ粒子を提供することと、
・化学気相成長法の反応器で炭素源ガス(または、カーボンソースガス)を分解することにより反応性炭素フラグメント(carbon fragment)を形成することと、
・少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子の表面(top)で反応性炭素フラグメントを再結合し、少なくとも1つのカーボンナノチューブを成長させること、
を含む。
本発明の実施形態では、少なくとも1つのカーボンナノチューブは、基体に形成することができる。これらの実施形態では、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を基体に備えることができ、そして少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子を備えた基体をCNT成長のためのCVD反応器に移動してもよい。
CNT成長のために用いるCVD法は熱CVDまたはプラズマエンハンスド(またはプラズマ助長、Plasma enhanced)CVD(PE−CVD)であってもよい。
本発明の実施形態に係る方法は、根元成長原理(base growth principle)または先端成長原理(tip growth principle)によるCNTの成長に適用可能である。特定の種類の成長原理が起こるかは触媒ナノ粒子と下層の基板との相互作用に依存する。用語「根元成長(base growth)」は、また「ルース成長(rooth growth)」とも呼ばれ、CNTの成長を開始するのに用いるナノ粒子が成長の間基体に留まる成長メカニズムを意味する。用語「先端成長(tip growth)」は、「トップダウン成長(top down growth)」とも呼ばれ、成長の際表面に位置するCNTとCNTの先端の触媒ナノ粒子とを備えたCNT成長の成長メカニズムを意味する。
さらに、用語「金属を含まない(non-metal containing)」ナノ粒子は、金属と異なる材料を含み、CNTの成長を開始するための触媒ナノ粒子として用いるのに適したナノ粒子を意味する。本発明の実施形態では、任意の金属を含まないナノ粒子を用いることができる。本発明の実施形態では、ナノ粒子はシリコンまたはゲルマニウムのような半導体材料を含んでよい。例えば、ナノ粒子はシリコンを含むナノ粒しであってよく、また、例えば純Si、SiOもしくはSiCでもよく、またはゲルマニウム含有ナノ粒子でもよく、例えば純GeもしくはGeOを含んでもよい。本発明の特定の実施形態では、ナノ粒子は純Siナノ粒子、または純Geナノ粒子でもよい。本発明の明細書において触媒ナノ粒子と言う場合はいつも金属を含有しない触媒ナノ粒子を意味すると理解しなければならない。
本発明の実施形態に係る方法は、本発明の実施形態に係るCNT成長が起こることができる適当な、金属を含有しない触媒粒子から成長が始まることから、金属不純物を含まないCNTの合成を可能にする。従って、CNTの形成後、精製(または浄化、purification)工程を必要としない。
さらに、本発明の実施形態に係る方法は、多量のCNTを成長させるために用いるのに適しており、高い生産収率の用途に用いることができる。
概して、触媒ナノ粒子の寸法は形成されたCNTの最終直径に影響を与え得る。あるいは、換言すればCNTの最終直径を決定し得る。本発明の実施形態の方法に係るCNTの成長のために用いるのに適した触媒ナノ粒子は、0.4nmと100nmとの間または0.4nmと50nmとの間の範囲の直径を有してよい。
以下に、図1を用いてCNTの成長方法を説明する。以下に説明する工程の順序は如何なる方法においても発明を制限することを意図したものではないことを理解すべきである。
第1に工程で基体10を供給する(図1参照)。本発明の実施形態では、用語「基体」は、CNTをその上に成長させ得るまたは成長させるのに用いることができる任意の下層の単一の材料または複数の材料を含み得る。実施形態において、用語「基体」は、例えばドープされたまたはドープされていないシリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウムリン(InP)、ゲルマニウム(Ge)またはシリコンゲルマニウム(SiGe)基体のような半導体基体を含み得る。「基体」は例えば半導体基体部分に加えて例えばSiOまたはSi層のような絶縁層を含んでもよい。従って、用語「基体」は、ガラス、プラスチック、セラミック、シリコン・オン・グラス(silicon-on-glass)、シリコン・オン・サファイア(silicon-on-sapphire)基体をも含む。用語「基体」は、従って、概して、層の下に位置するまたは興味ある部分、とりわけ本発明においてはCNTを成長させる層の元素を定義するのに用いられる、本発明の特定の実施形態では、基体10は例えばSiウエハーまたはGeウエハーのような半導体ウエハーであってよい。本発明の実施形態では、基体10の主面はCNTの成長に対して不活性であるか、または基体10の上に形成される触媒ナノ粒子と相互作用しないようにしなければならない。従って、本発明の実施形態では、障壁層11は触媒ナノ粒子がその上に形成される前に基体の上に備えられてもよい(以下を更に参照されたい)。
非金属材料(non-metal material)(メタルフリーともいう)の薄層12が例えば基体10の主面に堆積されるように供給される。この層12は、例えばSiまたはGeのような半導体材料を含む。例えばSiを含有する材料の場合、この薄層12は、例えばCVD(化学気相成長法)のような、一般的に用いられる堆積方法による、例えばポリSi(多結晶シリコン)、アモルファスシリコンまたは二酸化ケイ素のような、均一に堆積された薄膜でもよい。薄層12の厚さは、15nmより薄くてもよく、例えば0.4nmと5nmの間の厚さでもよい。本発明の実施形態では、薄層12は例えばALD(原子層成長法、Atomic Layer Deposition)により堆積した不均一なサブ原子層(またはサブアトミックレイヤー、sub-atomic layer)であってもよい。別の実施形態では、スピンオフ法およびディップコーティング法を用いて均一な薄層12を堆積することができる。
必要であれば薄層12を堆積する前に、障壁層11を基体10に堆積することができる(図1参照)。例えば障壁層11は、例えばSiまたはGeのような半導体層のような薄層12の材料が下部の基体10と反応するのを防止するように、および/または下部の基体10と共にナノ粒子を形成するのを防止するように用いることができる。障壁層11は、例えばSiまたは薄層12の材料と基体10との反応を防止する他の如何なる層であってもよい。
薄層12の堆積後、薄層12を分割し、ナノ粒子14を形成するようにアニーリング工程を実施してよい(図1の工程13を参照)。形成されたナノ粒子14は、0.4nmと100nmとの間の直径を有することができ、例えば0.4nmと50nmとの間の直径を有する。図1はナノ粒子14の形成を示す。寸法を制御するように、より詳細にはナノ粒子14の直径を制御するように、堆積させる薄層12の厚さならびにアニーリング工程の温度および時間を制御または適切に選択し得る。ナノ粒子を作るのに最適の温度および時間は薄層12のメタルフリー材料の種類および厚さに依存する。例えば、アニーリングの温度は500℃〜800℃の範囲でよい。アニール工程は反応器で実施することができる。反応器では、雰囲気ガスとして例えば窒素および/または水素を使用することができる。
別の実施形態では、純粋な半導体材料(例えば純Siのような)を含んでよいナノ粒子14が、例えば半導体ウエハーのような基体10に例えばCVDにより例えば堆積することにより供給される誘電体薄層(例えばSiO層)に形成され得る。SiO薄層の堆積後、SiO層に低エネルギーSiイオン注入を実施してからアニーリング工程によりSiナノ結晶を形成してよい。そして、CNTの成長の開始剤として用いるのに適しているSiナノ粒子を基体10に残存させるように、例えばHF処理(例えばHF蒸気または希薄溶液)のような溶解処理を適用しSiOを除去できる。
本発明のさらに別の実施形態では、ナノ粒子14が形成または堆積する基体10は、多孔質(またはポーラス)材料により形成されてよい。本発明の実施形態において用いる適切な多孔質材料の例は、ゼオライトおよび広く半導体の工程で用いられまた市販されている多孔質低誘電率材料(Low-k material)であってよい。多孔質材料を用いること、換言すれば内部細孔(inner pore)を有する基体10を用いることは、基体10の主面だけでなく基体10のこれら内部細孔内にも薄層12を堆積できる。このことは、ナノ粒子14を形成することができる表面積を顕著に増加させる。この結果、本発明の実施形態に係る方法により形成することができるCNTの量もまた、顕著に増加させることができる。
このような多孔質基体10の場合、例えば半導体材料より成る(例えばSi)連続的または非連続的な薄層12を多孔質基体10の主面および多孔質基体10の内部細孔の表面に堆積できる。ナノ粒子を形成するように上述のアニーリング工程を実施した後、ナノ粒子14を基体10の主面および基体10の内部細孔に形成できる。そして、これらのナノ粒子14はCNTを成長させる触媒として用いることができる。
更に別の実施形態では、基体を用いずに、しかしCNTを成長させるようにバルク触媒ナノ粒子を備えてもよい。バルクナノ粒子は、バルク触媒ナノ粒子が反応器に供給されると触媒ナノ粒子でCNTが成長できるように、炭素源ガスが隣接するナノ粒子の間を流れることができるようにしなければならない(以下を更に参照されたい)。
本発明の実施の形態では、例えばSiまたはGeナノ粒子のような半導体ナノ粒子のようなナノ粒子14を、CNTの成長が始まる前に、前処理することができる。このような前処理の例は、例えばHF浸漬(例えば、2%HFに5分間浸漬)による自然酸化物(例えばSiナノ粒子の場合、SiO)の除去であってよい。
金属を含有しないナノ粒子14を形成した後、ナノ粒子が形成される基体10または別の実施形態に係るバルクナノ粒子は化学気相法(CVD)の反応器のような、CNT16を成長させる反応器の適切な反応器チャンバーに運ばれる(図1の工程15参照)。CVD反応器は、例えばプラズマエンハンスドCVD反応器または熱CVD反応器または熱反応器であることができる。CVD反応器で、炭素源ガスを熱することにより炭素源ガスが分解またはクラッキングされる。炭素源のクラッキングは、異なる炭素フラグメントの形成をもたらし、これらフラグメントはCNTを形成するように触媒ナノ粒子で再結合することができる。従って、再結合は、形成されたナノ粒子14(例えば、SiまたはGeを含むナノ粒子のような半導体を含むナノ粒子)の表面で起こる。
本発明の実施形態では、炭素源ガスの加熱は熱フィラメントを用いて、プラズマを用いてまたは熱フィラメントとプラズマの組み合わせを用いて行うことができる。炭素源ガスの分解に熱フィラメントを使用する場合、クラッキングした又は分解した炭素種(carbon species)がCNTを成長させるように、触媒ナノ粒子に到達する前に再結合しないように熱フィラメントは反応器チャンバー内に位置してよい(以下を更に参照されたい)。熱フィラメントは金属フィラメントでもよく、W(タングステン)またはTa(タンタル)を含むことができ、高温に保持される。温度の高さは用いる炭素源に依存し、炭素源をクラッキングするのに十分に高い必要がある。例えば、熱フィラメントの温度は950℃以上でよい。
炭素源ガスを分解することにより反応性炭素フラグメントを形成している間およびその後のCNTの成長の間、触媒ナノ粒子14の温度および/またはその上に触媒ナノ粒子14が形成される基体10の温度は800℃と1000℃の間の範囲でもよい。
本発明の実施形態では、当業者により知られた如何なる適切な炭素源ガスも用いることができる。例えば、炭素源ガスは炭化水素源でよく、また1つ(C1)から3つ(C3)までの炭素原子を有する炭化水素ガスでよい。CVDにより助力されたCNTの成長に用いる適切な炭化水素ガスの例はCH、C、CまたはCであってよい。他の実施形態では、一酸化炭素(CO)のような別の炭素源もまた炭素源として用いることができる。反応器チャンバー内で用いる炭素源ガスの量は、形成されるCNTの成長、形態および特性を決定する。反応器チャンバーの炭素ガスの量および/またはクラッキングされた炭素フラグメントの量は十分、すなわちCNTの成長を実施するのに十分に多い必要があるが、しかし一方、CNTの成長が起こらなくなるような、触媒ナノ粒子上のアモルファスカーボンの形成を避けるように十分少なくしなければならない。
CVD反応器チャンバーは、不活性ガスおよび水素を更に含んでもよい。不活性ガスは、例えばアルゴンであってもよい。一例として、CNT16を形成する工程の間のCVD反応器内のガスの総流量は概ね4リットル/分のNと2リットル/分のHと0.01〜1リットル/分のCのような炭素ガスであってもよい。適切なガス流量は4リットル/分のNと2リットル/分のHと0.1リットル/分のCのような炭素ガスである。
本発明の実施形態に係るCNTの成長を実施するのに用いることができる単純化した反応器の例を図2および図3に概略的に示す。図2と図3の違いは熱フィラメント2の位置である。反応器はSiまたはGeを含むナノ粒子のような例えば半導体を含むナノ粒子のようなナノ粒子14を含む基体10が配置されている石英管6を含む。炉3は石英管6の外側に置かれ、石英管6内を最適な反応温度にするために用いる。最適な温度とは、CNTの成長が起こる温度を意味する。図2により与えられる例では、熱フィラメント2が反応器の入口またはガス挿入口に配置され、例えば炭素源ガスのような炭素源を後にナノ粒子14において再結合してCNTを形成し得るフラグメントに分割する。図3に示す他の実施形態では、熱フィラメント2は基体10の上部に位置する。後者の場合、CNTのより大規模な成長を得ることができる。この場合、クラッキングされた炭素種はナノ粒子14に到達するのに長い経路を動く必要がなく、従って図2示した場合に対してCNTの成長を助力する前に再結合する確率がより低いからである。
例えば大量生産されたCNT16のような、基体10に形成したCNT16を開放するように、例えば基体10の化学溶解のような、簡素な開放工程を実施することができる。
以下、いくつかの実施例を示す。これらは本発明の理解を容易にするためだけのものであり、如何なる方法においても本発明を制限することを意図していないことを理解すべきである。
1.ナノ粒子の準備
CNT16を成長させる基体10としてシリコンウエハーを準備した。シリコン基体10に、最初にSi障壁層11を真空反応器内で堆積した。Si障壁層11に5nmのポリSiの薄層12を堆積した。真空を破ることなくサンプルは薄層12がナノ粒子14に分割する条件でアニールした。ポリSiの層12をSiナノ粒子14に分裂させるアニール工程は530℃で20分の間実施した。得られたSiナノ粒子14は直径約5nmであった。
2.触媒ナノ粒子の前処理
上にナノ粒子14を備えた基体10は、ナノ粒子が空気に曝された後形成し存在する可能性のある自然酸化物を除去するように、その後室温で数分間(例えば5分間)標準HF溶液(2%HF)中に置いた。自然酸化物を除去した直後にSiナノ粒子14を含む基体10を900℃で5分間CVD反応器内に配置した。反応器のガス(reactor gas)は、4リットル/分のNと4リットル/分のHの比のNとHであった。本発明の実施形態の方法に係るCNT16の成長にSiナノ粒子14は適していることが見出された。ナノ粒子14が適しているとは、これらがCNT形成のテンプレート(または鋳型、template)または前駆体(または先駆物質、precursor)として機能可能であることを意味し、すなわち、これらはCNT成長を開始させるのに用いることができることを意味する。
3.CNTの成長
CVD反応器でSi触媒ナノ粒子14を形成した後、0.5リットル/分の流量で反応器にCガスを加えた。CNTの成長の間、NとHもまた、4リットル/分のNと2リットル/分のHの比率で存在した。基体温度は800℃と1000℃との間の範囲、例えば900℃であった。
CNTの成長の間、反応器のガス挿入口の入口1に位置するWまたはTaのフィラメント2は、流入するCガスがCHまたはCH2のような安定な種ならびにC−C、C−H、CH・ラジカルのような異なる炭素フラグメントに分割されるように加熱した。フィラメントの温度は約950℃であった(フィラメント電流は6/〜6/Aであった。)。図4はSi触媒ナノ粒子上に成長したCNTの走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図4より、実施した実験においてナノチューブがμmスケールで成長することが見いだせる。
4.多量のCNTの成長
CNTの成長を実施する前に、Siナノ粒子14から存在する可能性のある自然酸化物を除去するようにナノ粒子14を有する基体10を室温でHF(2%)中で1分間エッチングした。
サンプルをCVD反応器中で600℃から900℃の間の温度範囲のN:H(4:2リットル/分)の還元雰囲気下に大気圧で5分間置いた。
熱フィラメント2としてWワイヤーを用い、触媒ナノ粒子14を含む基体10の上部に配置した。熱フィラメント2に、他のガス(N:H)に加えて流量0.1リットル/分のアセチレン、エチレンまたはメタンを流し、炭素源を分解した。この実験に用いたガス組成はN:H:Cが4:2:0.1リットル/分の比率であった。用いた炭素源はアセチレン、エチレンまたはメタンのうちのいずれかであった。大気圧でCNT16を半時間成長させた。
図5および図6は、本実施例の実施形態に係るSiナノ粒子にCNTが成長した後のSEM像を示す。CNT16の大量成長が観察された。すなわち、CNTは図4と比べて互いにより密に成長していた。Siナノ粒子が熱フィラメント2により近い領域において、より集中的な成長が認められた(図5の上方の列のCNTを参照されたい)。
本明細書では本発明に係る装置について好ましい実施形態、特定の構造および構成を示しているが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の技術的範囲から逸脱することなく形態および詳細部について各種の変更または改良が可能であることを理解すべきである。

Claims (18)

  1. 少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給することと、
    メタルフリー触媒ナノ粒子(14)からカーボンナノチューブ(16)を成長させることと、
    を含む少なくとも1つのカーボンナノチューブ(16)の形成方法。
  2. 少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)が化学気相法の反応器に供給され、成長するカーボンナノチューブ(16)が、
    化学気相法の反応器で炭素源ガスの分解により反応性炭素フラグメントを形成することと、
    少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)の表面で反応性炭素フラグメントを再結合して少なくとも1つのカーボンナノチューブ(16)を成長させることと、
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 炭素源ガスが1つ(C1)から最大3つ(C3)までの炭素原子を有する炭化水素ガスである請求項2に記載の方法。
  4. 炭素源ガスがCH、C、CまたはCである請求項3に記載の方法。
  5. 炭素源ガスがCOである請求項2に記載の方法。
  6. 基体(10)に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給することと、
    その上に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を備えた基体(10)を化学気相法の反応器に移動することと、
    により化学気相法の反応器に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給する請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 基体(10)にメタルフリー材料層(12)を供給することと、
    メタルフリー材料層(12)をアニーリングし、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を形成することと、
    により基体(10)の上に、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給する請求項6に記載の方法。
  8. アニーリングが500℃と800℃との間の温度で行われる請求項7に記載の方法。
  9. 基体(10)に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給する前に、少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)と基体(10)との相互作用を防止するように基体(10)に障壁層(11)を供給することを更に含む請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 炭素源ガスが分解し少なくとも1つのカーボンナノチューブ(16)が成長している間、基体(10)の温度を800℃と1000℃との間に保持する請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 熱フィラメント(2)、プラズマまたはこれら両方の組み合わせを用いることにより炭素源ガスを分解する請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 熱フィラメント(2)を用い950℃で炭素源ガスを分解する請求項11に記載の方法。
  13. ナノ粒子(14)を含む少なくとも1つの半導体を供給することにより少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を供給する請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. ナノ粒子(14)を含む少なくとも1つの半導体がSiC、SiO、純Si、GeOまたは純Geナノ粒子である請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)が0.4nmと100nmとの間の直径を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. カーボンナノチューブ(16)を成長させる前に少なくとも1つのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)を前処理することを更に含む請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. メタルフリー触媒ナノ粒子(14)から成長させたカーボンナノチューブ(16)。
  18. カーボンナノチューブ(16)を成長させるためのメタルフリー触媒ナノ粒子(14)の使用。
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