JP2010505247A - 光電素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オフ状態で所望の色印象を有する光電素子に関する。本発明によれば、光電素子は、駆動時に第1のスペクトルの電磁放射を放出する活性領域を含む半導体層列と、第1のスペクトルの電磁放射の光路で見て半導体層列の後方に配置され、第1のスペクトルの電磁放射の少なくとも一部を第2のスペクトルの電磁放射へ変換する波長変換層と、外部から当該の光電素子へ入射する放射の少なくとも一部を反射するフィルタ層とを有している。

Description

本願は独国出願第102006046199.1号に関連しており、その優先権を主張する。当該の出願の開示内容は本発明に関連する。
本発明は、駆動時に電磁放射を発光し、オフ状態で所望の色印象を有する、光電素子に関する。
本発明の基礎とする課題の1つは、波長変換層を備えた光電素子を提供し、オフ状態で望ましくない色印象を低減ないし回避できるようにすることである。
この課題は、独立請求項に記載された特徴を有する光電素子により解決される。有利な実施形態ないし発展形態は従属請求項に記載されており、図に則して後に説明する。
本発明の光電素子は、特に、駆動時に第1のスペクトルの電磁放射を放出する活性領域を含む半導体層列と、第1のスペクトルの電磁放射の光路で見て半導体層列の後方に配置され、第1のスペクトルの電磁放射の少なくとも一部を第2のスペクトルの電磁放射へ変換する波長変換層と、外部から当該の光電素子へ入射する放射のうち少なくとも一部を反射するフィルタ層とを有する。
特に、観察者は、光電素子の駆動中、発光された電磁放射を知覚する。当該の電磁放射は、第1のスペクトルの電磁放射のうち波長変換層による変換を受けていない成分と第2のスペクトルの電磁放射とが重畳された電磁放射に相応する。
第1の実施例の光電素子の概略図であり、Aはオン状態、Bはオフ状態を表している。 第2の実施例の光電素子の概略図である。 第3の実施例の光電素子の概略図である。 第4の実施例の光電素子の概略図である。 第5の実施例の光電素子の概略図である。
本発明の有利な実施形態によれば、外部から当該の光電素子へ入射する放射は活性領域から放射された電磁放射に相応しない。これは、外部から当該の光電素子へ入射する放射が周囲放射、例えば周囲光ないし環境光であることを意味する。こうした周囲放射は例えば太陽光、または人工の光源から発光された光である。
本発明の別の有利な実施形態によれば、"スペクトル"または"スペクトルの成分"とは、1つまたは複数の波長ないし1つまたは複数の波長領域の少なくとも1つのスペクトル成分を有する電磁放射のスペクトル分布を表している。以下では、スペクトル成分および相対強度が等しいときに第1のスペクトルおよび第2のスペクトルが等しいものであるとする。第1のスペクトルの絶対強度と第2のスペクトルの絶対強度とは異なっていてよい。
本発明の別の有利な実施形態によれば、"成分"とは、所定のスペクトルの一部分、例えば、第1のスペクトルの一部分を表す。特に、"部分スペクトル"とは、或るスペクトルのうち一部のスペクトル成分を意味する。さらに、"成分"とはスペクトル強度の一部を表すこともある。
本発明の別の有利な実施形態によれば、"変換"とは、第1のスペクトルの電磁放射の一部が波長変換層によって少なくとも部分的に第2のスペクトルの電磁放射へ変換されることを意味する。特に、第2のスペクトルは、第1のスペクトルの電磁放射の一部のスペクトル分布とは異なるスペクトル分布を有する。
また、波長変換層は吸収スペクトルおよび発光スペクトルを有しており、有利にはこの2つのスペクトルは異なっている。有利には、吸収スペクトルは第1のスペクトルの電磁放射の部分スペクトルであり、発光スペクトルは第2のスペクトルの電磁放射の部分スペクトルである。特に、当該の吸収スペクトルおよび当該の発光スペクトルは、第1のスペクトルの電磁放射の部分スペクトルないし第2のスペクトルの電磁放射の部分スペクトルには含まれないそれぞれ別のスペクトル成分を含んでいる。
所定の波長の電磁放射が外部からまたは半導体層列の活性領域から波長変換層へ入射し、吸収スペクトルが波長変換層の所定の吸収波長のスペクトル成分を有している場合、当該の所定の波長の電磁放射は、発光スペクトルに含まれる1つまたは複数の他の波長の電磁放射へ変換され、再放射(再発光)される。これにより、特に、外部から光電素子へ放射が入射する場合、前述した反射過程あるいは吸収過程および再発光過程を経て、波長変換層により、光電素子のオフ状態で観察者に対して外部からの放射の吸収スペクトルおよび発光スペクトルにしたがって望ましくない色印象が喚起されることがある。こうした色印象は、例えば光電素子の駆動によって発光される電磁放射の色印象とは異なっており、所望されない。
この点については、フィルタ層を用いると特に有利である。ここで、外部から光電素子へ入射する放射を反射する部分を備えたフィルタにより、反射された放射の一部と波長変換層から到来する色印象とが重畳されて観察者に知覚される。こうした重畳により有利には観察者に所望の色印象を与えることができる。特に有利には、外部から光電素子へ入射した放射のうちフィルタ層で反射された成分が、波長変換層のみによって形成された色印象と重畳され、観察者に対して、外部から光電素子へ入射する放射の色印象に相応する色印象を形成する。
別の有利な実施形態によれば、フィルタ層は、第1のスペクトルの電磁放射の光路で見て、波長変換層の後方に配置される。有利には、第2のスペクトルの電磁放射の光路も第1のスペクトルの電磁放射の光路に相応し、これにより、有利には、フィルタ層は同様に第2のスペクトルの電磁放射の光路においても波長変換層の後方に配置される。
さらに、光電素子は、第1のスペクトルの電磁放射の光路および第2のスペクトルの電磁放射の光路に光出射面を有する。こうして、外部から光電素子へ入射する放射が光出射面へ入射するようになる。
別の有利な実施形態によれば、フィルタ層は第1のスペクトルの電磁放射の一部に対して透過性を有する。特には、波長変換層によって第2のスペクトルの電磁放射へ変換されなかった第1のスペクトルの電磁放射が当該の光電素子から放射される。
別の有利な実施形態によれば、第1のスペクトルは紫外波長領域から赤外波長領域までのスペクトル成分のうち少なくとも1つを有する。有利には、第1のスペクトルは可視波長領域を含む。これは特に、半導体層列が駆動中に可視の電磁放射すなわち可視光を送出することを意味する。ここで"可視"とは特にヒトの目すなわち観察者の目に知覚可能であることを意味し、約380nm〜約800nmの波長領域に相応する。別の有利な実施形態によれば、第1のスペクトルは紫外波長領域から青色波長領域までのスペクトル成分を有している。
また、別の有利な実施形態では、特に、外部から当該の光電素子へ入射する放射のうちフィルタ層で反射された成分が可視波長領域を含む。特に有利には、外部から光電素子へ入射する放射のうちフィルタ層によって反射された成分が少なくとも部分的に第1のスペクトルの電磁放射のうち波長変換層によって変換された部分スペクトルに相応する。これは、外部から当該の光電素子へ入射する放射のうち当該のフィルタ層で反射された成分の部分スペクトルが前述した部分スペクトルを含むかまたは前述した部分スペクトルに一致することを意味する。
したがって、フィルタ層は少なくとも部分的に電磁放射のうち第2のスペクトルの電磁放射へ変換されない成分を反射して波長変換層の方向へ戻す。戻し方向へ反射された電磁放射については、さらに、少なくとも部分的に波長変換層による変換を行う手段が存在する。特にフィルタ層は、第1のスペクトルの電磁放射の部分スペクトルのうち波長変換層によって変換される成分を増大するのに適している。特に有利には、フィルタ層は第1のスペクトルの電磁放射の少なくとも一部に対して透過性を有し、これにより当該の成分が光電素子から放射される。
さらに、外部から当該の光電素子へ入射する放射のうちフィルタ層によって反射された成分のスペクトルは、例えば、波長変換層の吸収スペクトルの一部または全体を有しているかまたは当該の吸収スペクトルに一致する。
特に有利な実施形態によれば、第1のスペクトルは青色の波長領域を有しており、第2のスペクトルは黄色の波長領域を有している。第1のスペクトルの電磁放射のうち波長変換層によって第2のスペクトルの電磁放射へ変換される成分は、ここでは有利には、第1のスペクトルの電磁放射の別の成分が光電素子から放射されることにより、当該の光電素子が駆動中に観察者に対して白色の色印象を形成できるように、選択される。特に、適切な波長変換層が光電素子のオフ状態で、外部から光電素子へ入射する放射につき、黄色の色印象を形成する。フィルタ層は、外部から光電素子へ放射が入射してくるとき観察者に対してその一部を反射させ、光電素子がオフ状態で観察者に黄色の色印象ではなく白色の色印象を与えるように構成される。これは、フィルタ層が外部から光電素子へ入射する放射における青色のスペクトル領域を少なくとも部分的に反射することにより達成される。
特にこうした実施形態は、発光ダイオードLEDを用いた発光モジュール、例えば移動電話機のカメラのフラッシュライトでの利用に適している。例えばこうした発光モジュールは青色LEDおよびリン変換物質を有する。この場合、当該の発光モジュールが駆動されていなければリン変換物質は透明なカバーまたはレンズを通して外部から可視であり、そのことによって美的な観点で望ましくない色印象が生じることがある。このような望ましくない色印象はフレネル光学系またはマイクロレンズアレイにより低減できるものの、障害的な色印象が残ってしまうこともある。
これに代えてまたはこれに加えて、第1のスペクトルが緑色の波長領域を有し、第2のスペクトルが赤の波長領域を有し、これによって光電素子が駆動中に観察者に対して白色の色印象を形成するように構成してもよい。特に、第1のスペクトル、第2のスペクトル、部分スペクトル、および、外部から光電素子へ入射する放射のうちフィルタ層で反射された成分は、光電素子の駆動中および光電素子のオフ状態での他の所望の色印象に相応に選択される。
別の実施形態では、半導体層列はエピタキシ層列すなわちエピタキシャル成長された半導体層列として構成されている。その場合、半導体層列は、例えばInGaAlNやGaN薄膜半導体層列などの無機材料をベースとして実現される。InGaAlNベースの半導体層列とは、エピタキシャル成長された種々の個別層から成る半導体層列がIII族‐V族化合物半導体系のInAlGa1−x−yN[0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1]から成る材料を有する少なくとも1つの個別層を有する層列である。
これに代えてまたはこれに加えて、半導体層列がInGaAlPをベースとしていてもよい。すなわち、当該の半導体層列の少なくとも1つの個別層がIII族‐V族化合物半導体系のInAlGa1−x−yP[0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1]から成る材料を有していてもよい。これに代えてまたはこれに加えて、他のIII族‐V族化合物半導体系、例えばAlGaAsベースの材料またはII族−VI族化合物半導体系を含むこともできる。
半導体層列は特に半導体チップとして構成することもできるし、基板を含むこともできる。
別の有利な実施形態では、半導体層列は薄膜半導体層列である。薄膜半導体層列は、特に次のような特徴を有する。
a)放射を形成するエピタキシ層列のうち支持部材に向かう第1の主表面に反射層が被着されるかまたは構成され、これによりエピタキシャル層列において形成された電磁放射の少なくとも一部が反射されて戻される。
b)エピタキシ層列は20μm以下の厚さ、特には10μm程度の厚さを有する。
c)エピタキシ層列は、インターミキシング構造を有する少なくとも1つの面を備えた少なくとも1つの半導体層を含む。インターミキシング構造は理想的には近似にエルゴード光分布、すなわち、最大限のエルゴード分散特性が得られるようにするものである。
薄膜半導体チップの基本原理はI.Schnitzer et al., "Appl.Phys.Lett.63(16)", 18.Oct.1993の2174頁〜2176頁に説明されている。この文献の開示内容は本発明に関連するのでこの文献を本発明の参考文献とする。
さらに半導体層列は、有機層または有機半導体層列を含むか、あるいは、有機層または有機半導体層列であり、例えば特に有機発光ダイオードOLEDとして構成される。OLEDは、駆動中に電磁放射を放出する活性領域を備えた有機層あるいはこうした有機層を少なくとも1つ含む層列を有している。さらに、OLEDは第1の電極および第2の電極を有し、ここで、活性領域を備えた有機層または少なくとも1つの有機層を備えた層列は第1の電極と第2の電極とのあいだに配置される。第1の電極および第2の電極は"正孔"ないし"電子"を活性領域に注入するために用いられ、そこでの再結合により電磁放射が発光される。
また、第1の電極は基板上に配置される。第1の電極の上方には、有機材料から成る1つまたは複数の機能層を備えた有機層または有機層列が被着される。活性領域を含む機能層は例えば電子輸送層、エレクトロルミネセンス層および/または正孔輸送層を有する。機能層の上方ないし少なくとも1つの有機層の上方に第2の電極が被着される。
例えば、基板は、ガラス、石英、プラスティックシート、金属、金属シート、シリコンウェハまたは他の任意の適切な基板材料を含む。例えば、基板は層列および複数の層から成る積層体として構成される。半導体層列がいわゆる"ボトムエミッション式"、つまり活性層で形成される電磁放射が基板を通って放射されるように構成される場合、当該の基板は電磁放射の少なくとも一部に対して透明に構成される。波長変換層およびフィルタ層は半導体層列から遠い側の基板の面に配置される。
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの電極が透明な導電性の酸化物、金属または透明な導電性の有機材料を有しているか、または、これらの材料から成る。
"ボトムエミッション式"の構造の場合、有利には、第1の電極は電磁放射の少なくとも一部に対して透明である。透明な第1の電極は、アノードとして正の電荷すなわち"正孔"を注入するために用いられるので、透明な導電性酸化物を有するかまたは透明な導電性酸化物から成る。透明な導電性酸化物TCOは、ふつう金属酸化物、例えば亜鉛酸化物、錫酸化物、カドミウム酸化物、チタン酸化物、インジウム酸化物またはインジウム錫酸化物ITOなどの材料である。2物質の化合物である金属酸化物、例えばZnO,SnOまたはInなどのほか、3物質の化合物である金属酸化物、例えばZnSnO,CdSnO,ZnSnO,MgIn,GaInO,ZnInまたはInSn12、あるいは、種々の透明な導電性酸化物を混合してTCO群としたものが用いられる。なお、TCOは必ずしも化学量論的組成に相応しなくてよく、pドープまたはnドープされていてもよい。これに代えてまたはこれに加えて、第1の電極は、金属、例えば銀を有していてもよい。
少なくとも1つの有機層を備えた半導体層列は、ポリマー、オリゴマー、モノマー、有機小分子(organic small molecules)またはその他の非ポリマー製の有機化合物または有機混合物を有する。特に有利には、層列のうち機能層が正孔輸送層として構成されており、これにより正孔が効率的にエレクトロルミネセンス層またはエレクトロルミネセンス領域へ注入される。こうした構造、すなわち、活性領域またはその他の機能層ないし機能領域の材料、機能、パターンについては当分野の技術者には良く知られているので、ここでこれ以上詳細には説明しない。
第2の電極は、カソードとして電子を注入するために用いられる。カソード材料としては、特に、アルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウム、リチウム、または、これらの金属の化合物、混合物ないし合金が有利である。これに代えてまたはこれに加えて、第2の電極を透明に構成することもできる。これは特に、OLEDが"トップエミッション方式"すなわち活性領域で形成された放射が基板の反対側へ送出される方式で構成されている場合に有利である。この場合、波長変換層およびフィルタ層は半導体層列の上方、特に第2の電極の上方に配置される。
金属層を有するかまたは金属層から成る電極が有機層の積層体から放出された光に対して透過性を有するように構成されている場合、有利には、金属層は充分に薄く構成される。有利には、当該の半透明の金属層の厚さは1nm以上100nm以下である。
また、第1の電極をカソードとして構成し、第2の電極をアノードとして構成することができる。この場合、半導体層列はボトムエミッション方式またはトップエミッション方式で構成される。半導体層列は同時に上部および底部から発光するトップボトムエミッション方式で構成されてもよい。
半導体層列は、活性領域として、例えば従来のpn接合領域、ダブルヘテロ構造部、単一量子井戸構造部(SQW構造部)または多重量子井戸構造部(MQW構造部)を有することができる。半導体層列は、活性領域のほか、pドープまたはnドープされた電荷担体輸送層(電子輸送層または正孔輸送層)、pドープまたはnドープされた閉じ込め層、クラッド層、バッファ層および/または電極などの他の機能層および機能領域ならびにこれらの組み合わせを有していてもよい。活性領域または他の機能層に関連するこうした構造部の構造、機能およびパターンは当分野の技術者には公知であるので、ここでこれ以上は立ち入らない。
別の実施形態では、波長変換層は少なくとも1つの波長変換物質を有する。波長変換物質は、ここでは、Cerドープされたガーネット群、特にCerドープされたイットリウムアルミニウムガーネットすなわちYAl12:Ce(YAG:Ce)、CerドープされたテルビウムアルミニウムガーネットTAG:Ce、CerドープされたテルビウムイットリウムアルミニウムガーネットTbYAG:Ce,CerドープされたガドリニウムイットリウムアルミニウムガーネットGdYAG:CeおよびCerドープされたガドリニウムテルビウムイットリウムアルミニウムガーネットGdTbYAG:Ceのいずれかから成る粒子を有する。そのほかに可能な波長変換層としては、例えば、
・希土類およびアルカリ土類金属のガーネット:米国出願第2004062699号明細書を参照
・窒化物、シオン、シアロン:独国公開第10147040号明細書を参照
・オルトシリケート、硫化物、バナジン酸塩:国際公開第00/33390号明細書を参照
・クロロシリケート:独国公開第10036940号明細書を参照
・アルミニウム酸塩、酸化物、ハロリン酸塩:米国特許第6616862号明細書を参照
などが挙げられる。さらに、波長変換層はこれらの波長変換物質の混合物ないし組み合わせであってもよい。
また、波長変換層は透明な母型材料を有することができ、このとき波長変換物質は母型材料内に埋め込まれるかまたはそこに化学的に結合される。透明な母型材料は例えばシリコーン、エポキシド、アクリレート、イミド、カーボネイト、オレフィンまたはこれらの導出物などの透明なプラスティックを有する。波長変換層はシートとして構成してもよい。また、波長変換層は、ガラスまたは透明プラスティックを有する基板上に被着することもできる。
別の実施形態では、波長変換層は半導体層列に近い側に透明な導電層を有している。特に有利には、波長変換層は直接に半導体層列上に被着され、これに直接に接触する。透明な導電層により例えば半導体層列の電気的コンタクトが得られる。
透明な導電層は例えば透明な導電性酸化物を有する。透明な導電性酸化物TCOは、前述したように、ふつう、亜鉛酸化物、錫酸化物、カドミウム酸化物、チタン酸化物、インジウム酸化物またはインジウム錫酸化物ITOなどの金属酸化物を有する。ZnO,SnOまたはInは2物質の金属酸化物に属し、ZnSnO,CdSnO,ZnSnO,MgIn,GaInO,ZnInO5またはInSn12は3物質の金属酸化物に属し、透明な導電性酸化物の混合物はTCO群に属する。さらに、TCOは必ずしも化学量論的組成を有さずpドープまたはnドープされていてもよい。また透明な導電層は金属を有していてもよい。
別の有利な実施形態では、フィルタ層はダイクロイックミラーとして構成されている。特にフィルタ層は第1の層および第2の層から成る周期的な列を有する。このために各層は誘電性材料、例えば酸化物、窒化物および/または硫化物を有する。第1の層は第1の屈折率を有し、第2の層は第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する。例えば、第1の層は第2の層よりも低い屈折率を有し、二酸化ケイ素から成る。第2の層はこれよりも高い屈折率を有する材料、すなわち、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムまたは五酸化タンタルを有する。ほかにアルミニウム酸化物またはケイ素窒化物も適する。第1の層および第2の層の厚さは反射すべきスペクトル成分のλ/4である。ここでの"厚さ"は特に第1の層ないし第2の層内の電磁放射の光学距離を意味する。第1の層の厚さは第2の層の厚さと同じであってもよい。これに代えてまたはこれに加えて、第1の層の厚さは第2の層の厚さと異なっていてもよい。フィルタ層で実現すべき反射率に応じて、フィルタ層は第1の層および第2の層の1つまたは複数の対を有する。
別の実施形態では、フィルタ層は半導体層列および波長変換物質の反対側に主表面を有する。当該の主表面は例えば光電素子の光出射面となる。外部から光電素子へ入射する放射は例えば主表面に対して所定の角度をなす。ここで、当該の角度に基づいて、外部から光電素子へ入射する放射の一部がフィルタ層によって反射される。
フィルタ層は例えばガラスまたはプラスティックを含む基板を有する。さらに、フィルタ層は波長変換層上に被着することもできる。特に有利には、波長変換層はシートとして構成される。これに代えてまたはこれに加えて、波長変換層は相互に離れた2つの主表面を有する基板を含む層列の一部であってもよい。ここで、波長変換層の一方の主表面には波長変換物質が被着され、他方の主表面にはフィルタ層が被着される。
別の実施形態では、光電素子は光学素子を有しており、フィルタ層は当該の光学素子上に配置される。光学素子は例えば散乱性、フォーカシング性、コリメート性または屈折性のレンズ、レンズ系、カバー、ディフューザ、マイクロプリズム構造体またはこれらの組み合わせから成る。特に、光学素子およびフィルタ層は、半導体層列および波長変換層から空間的に離れたところに配置される。ここで、"空間的に離れている"とは、例えば、フィルタ層が波長変換層に直接または間接に接しないことを意味する。
以下に、本発明の対象となる実施形態および改善形態を図示の実施例に則して詳細に説明する。
実施例および図において、同じ要素ないし同様の機能を有する要素には同じ参照番号を付してある。ただし、図中、各要素は基本的には縮尺通りには描かれておらず、むしろ、個々の要素をわかりやすくするために意図的に拡大して描かれていることがあることに注意されたい。
図1のA,Bには、光電素子100の実施例が示されている。ここで、図1のAには、駆動中の光電素子の様子が示されており、図1のBにはオフ状態での光電素子の様子が示されている。以下の説明においてもこのことが当てはまる。
光電素子100は活性領域11を備えた半導体層列1を有している。半導体層列1は前述したように機能層または機能層列を有しており、例えば半導体チップとしてまたはOLEDとして構成される。特に半導体層列1の活性領域11は第1のスペクトルの電磁放射31を発光するのに適している。
第1のスペクトルの電磁放射31の光路には、波長変換物質22を含む波長変換層2が配置されている。本発明の有利な実施形態に挙げたように、波長変換物質22は例えば母型材料21内に埋め込まれる。波長変換物質22は第1のスペクトルの電磁放射31の部分スペクトルを少なくとも部分的に第2のスペクトルの電磁放射32へ変換するのに適している。波長変換物質22として、ここでは特に、第1のスペクトルの少なくとも1つのスペクトル成分ないし少なくとも1つの波長領域を吸収スペクトルとして含む材料が適している。吸収された電磁放射は有利には第1のスペクトルの電磁放射31とは異なる波長で再発光される。
図1の実施例では、第1のスペクトルの電磁放射31の光路および第2のスペクトルの電磁放射32の光路において、波長変換層2の上方にフィルタ層3が配置されている。フィルタ層3は、ここでは、光電素子100の駆動中およびオフ状態において、外部から当該の光電素子へ入射する放射33を図1のBに示されているように放射34として反射させることに適している。特に、外部から当該の光電素子へ入射する放射33は、フィルタ層3のうち波長変換層2の反対側の主表面4へ入射する。主表面4はここでは有利には光電素子100の光出射面である。特に、フィルタ層3は誘電体材料から成る第1の層および第2の層を周期的な順序で有しており、ここで、前述したように、第1の層は第1の屈折率を有し、第2の層は第1の屈折率と異なる第2の屈折率を有する。
特に、フィルタ層3は第1のスペクトルの電磁放射31の少なくとも一部312を反射するのに適している。第1のスペクトルの電磁放射31のうちフィルタ層3で反射された成分312は有利には波長変換層2へ戻され、そこで例えば波長変換物質22により第2のスペクトルの電磁放射32へ変換される。
フィルタ層3は波長変換層2の直上または少なくとも近傍に配置され、特に光電素子100のコンパクトな構造が達成される。またこれにより、光電素子の色印象は駆動中にもオフ状態においても均一となる。
光電素子の駆動中に観察者において喚起される色印象は、光出射面4から出射される電磁放射によって得られる色印象と同じである。この電磁放射は光電素子から出射された第1のスペクトルの電磁放射31の成分311と波長変換層2から放出された第2のスペクトルの電磁放射32とが重畳されたものである。特に、当該の色印象は、第1のスペクトルの電磁放射31の成分311と第2のスペクトルの電磁放射32との相対強度に基づいて定まる。
光電素子100のオフ状態では、図1のBに示されているように、半導体層列1の活性領域(活性層)11において第1のスペクトルの電磁放射31が形成されない。しかし、特に光出射面4が観察される場合、光電素子100の色印象が観察者に喚起されることがある。これは、外部から当該の光電素子へ入射する放射33の少なくとも一部が、当該の光電素子、特に波長変換層2、フィルタ層3および/または半導体層列1で反射されることによって起こる。図示の実施例に示されているように、外部から当該の光電素子へ入射する放射33の少なくとも一部は波長変換層2の吸収スペクトルに相応するスペクトルを有しており、波長変換層2において第2のスペクトルの電磁放射32へ変換され、外部へ放出される。このため、光電素子100のオフ状態において、望ましくない波長変換層2の色印象が観察者に喚起されうるのである。
前述したように、フィルタ層3は外部から当該の光電素子100へ入射する放射33の一部を放射34として反射することに適している。特にそのスペクトルは、当該の放射34と波長変換層2によって変換された電磁放射32との重畳により、波長変換層2によって喚起される望ましくない色印象が回避されるように選定される。特にフィルタ層3は、外部から当該の光電素子100へ入射する放射33の一部が波長変換物質22の吸収スペクトルに含まれる1つまたは複数のスペクトルを有する放射34として反射されるように構成される。特に、当該のスペクトル成分は駆動中に半導体層列1の活性領域11によって形成される電磁放射31の第1のスペクトルにも含まれる。
フィルタ層3を波長変換層2の直上または少なくとも近傍に配置することにより、特に光電素子100のコンパクトな構造が得られ、駆動中にもオフ状態においても均一な色印象が達成される。
特に有利には、外部から当該の光電素子100へ入射する放射33のうちフィルタ層3で反射された成分34では、第1のスペクトルの電磁放射31のうちフィルタ層3で反射される成分312と同様に、フィルタ層3の主表面4とそれぞれの放射のフィルタ層3への入射方向とのなす角度9に基づいて、反射率が定められる。有利には、反射率は当該の角度9が小さくなるにつれて小さくなる。ここで、小さな角度9でフィルタ層3に入射してくる第1のスペクトルの電磁放射31ないし外部から当該の光電素子へ入射する放射33は、大きな角度、例えば90゜で入射してくる放射よりも早く送出される。
純粋に実験的に得られたデータであるが、図示の実施例では、第1のスペクトルの電磁放射31は青色波長領域のスペクトル成分を有している。波長変換層2の波長変換物質22は、第1のスペクトルの電磁放射31の少なくとも一部、特に青色波長領域のスペクトル成分を、第2のスペクトルの電磁放射32、特に黄色波長領域のスペクトル成分へ変換するのに適している。これにより、光電素子100の光出射面4を介して、観察者に白色の色印象を与える電磁放射が送出される。オフ状態では、外部から当該の光電素子へ入射する放射33、例えば太陽光または昼間光に類似した室内照明の放射があるとき、波長変換層2が望ましくない黄色の色印象を形成する。このため、フィルタ層3は、外部から当該の光電素子100へ入射する放射33のうち青色波長領域のスペクトル成分を含む成分34を反射させ、波長変換層2の黄色の色印象とフィルタ層3の青色の色印象とが重畳されて観察者が光出射面4の白色の色印象を得るようにする。このとき、フィルタ層3は第1のスペクトルの電磁放射31の少なくとも一部、例えば50%を波長変換層2の方向へ反射させる。
ヒトの目の知覚の様態は波長すなわち測光法上の重みによって変化するので、光電素子100から送出される第1のスペクトルの電磁放射31の青色波長領域はフィルタ層3での反射により100%低減されてしまうことがある。ただし、波長変換層2で第2のスペクトルの電磁放射32へ変換された電磁放射の輝度は約3%しか低減されない。
本発明の光電素子100は例えばカメラを備えた移動電話のフラッシュライト部材として用いられるのに適している。さらに、こうした光電素子は照明装置にも適する。
以下に図1のA,Bの実施例の機能を利用した別の実施例を説明する。
図2の実施例では、相互に対向する2つの主表面51,52を有する基板5を備えた光電素子200が示されている。当該の基板5は有利にはガラス基板である。これに代えてまたはこれに加えて、基板5は、プラスティックから成る1つまたは複数の層などの別の材料から成っていてもよい。
基板5のうち半導体層列1から遠い側の主表面51にフィルタ層3が被着されている。特にフィルタ層3は誘電体材料から成る複数の第1の層および複数の第2の層を周期的な順序で有する。第1の層および第2の層は基板5の主表面51に例えば蒸着により被着される。
基板5のうち半導体層列1に近い側の主表面52には波長変換層2が被着される。波長変換層2では例えば波長変換物質22が母型材料21内に埋め込まれている。これに代えて、波長変換物質22が母型材料21なしに主表面52に被着されて波長変換層2を形成していてもよい。
図3の実施例では、波長変換層2として波長変換物質22を有するシート21を備えた光学素子300が示されている。波長変換層2のうち半導体層列1から遠い側の主表面23にはフィルタ層3が前述した実施例と同様に被着されている。波長変換層2のうち半導体層列1に近い側の主表面24には透明な導電層6、例えば透明な導電性酸化物が被着されている。透明な導電層6は半導体層列1の電気コンタクトを容易にする。透明な導電層6は、半導体層列1の直上に波長変換物質22が被着される場合に設けられると特に有利である。
図4には、付加的な光学素子7を備えた光電素子400の実施例が示されている。例えば光学素子7はマイクロプリズム構造体などの光学系を内部に含むカバーである。ここで、光学素子7は例えば光電素子400のケーシングの一部であってもよい。その場合、フィルタ層3は光学素子7の上に被着され、フィルタ層3は波長変換層2に間接的に接することになる。
図5の実施例では、例えばカバーである光学素子7のほか、さらに別の第2の光学素子8を有する光電素子500が示されている。第2の光学素子8は例えばレンズまたはその他の屈折性ないし回折性の光学素子である。この場合、フィルタ層3は第2の光学素子8の面、特に半導体層列1に近い側の表面に配置されるかまたは被着される。
図示の実施例では、特に、波長変換層2および/またはフィルタ層3は半導体層列1の複数の表面、例えば側面などにも配置することができる。
本発明は前述した実施例に限定されない。本発明の新規な特徴は単独でも任意に組み合わせても本発明の対象となりうる。このことは、それぞれの特徴が実施例ないし特許請求の範囲に明示的に示されていない場合にも当てはまる。

Claims (25)

  1. 駆動時に第1のスペクトルの電磁放射(31)を放出する活性領域(11)を備えた半導体層列(1)と、
    該第1のスペクトルの電磁放射の光路で見て前記半導体層列の後方に配置され、該第1のスペクトルの電磁放射の少なくとも一部を第2のスペクトルの電磁放射(32)へ変換する波長変換層(2)と、
    外部から当該の光電素子へ入射する放射(33)のうち少なくとも一部(34)を反射するフィルタ層(3)と
    を有する
    ことを特徴とする光電素子。
  2. 前記フィルタ層は前記第1のスペクトルの電磁放射の光路で見て前記波長変換層の後方に配置されている、請求項1記載の光電素子。
  3. 当該の光電素子はさらに光出射面(4)を有しており、前記外部から当該の光電素子へ入射する放射が該光出射面へ入射する、請求項1または2記載の光電素子。
  4. 前記第1のスペクトルは可視波長領域に存在する、請求項1から3までのいずれか1項記載の光電素子。
  5. 前記外部から当該の光電素子へ入射する放射のうち前記フィルタ層によって反射された成分は可視波長領域を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の光電素子。
  6. 前記外部から当該の光電素子へ入射する放射のうち前記フィルタ層によって反射された成分は、少なくとも部分的に、前記第1のスペクトルの電磁放射のうち前記波長変換層によって変換された成分に相応する、請求項1から5までのいずれか1項記載の光電素子。
  7. 前記フィルタ層は前記第1のスペクトルの電磁放射の一部に対して透過性を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の光電素子。
  8. 前記第1のスペクトルは青色の波長領域を含み、前記第2のスペクトルは黄色の波長領域を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の光電素子。
  9. 当該の光電素子はオフ状態で観察者に対して黄色以外の色印象を与える、請求項1から8までのいずれか1項記載の光電素子。
  10. 前記半導体層列は薄膜半導体層列である、請求項1から9までのいずれか1項記載の光電素子。
  11. 前記半導体層列は、組成がAlInGa1−x−yN[0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1]となる少なくとも1つの材料を含む発光性の活性領域を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の光電素子。
  12. 前記波長変換層はガーネット群から成る少なくとも1つの波長変換物質(22)を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の光電素子。
  13. 前記波長変換物質は母型材料(21)内に埋め込まれており、該母型材料は透明なプラスティックを有する、請求項12記載の光電素子。
  14. 前記波長変換層は基板(5)上に被着されており、該基板はガラスまたはプラスティックを含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の光電素子。
  15. 前記波長変換層はシートとして構成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の光電素子。
  16. 前記波長変換層は前記半導体層列に近い側に透明な導電層(6)を有する、請求項1から15までのいずれか1項記載の光電素子。
  17. 前記透明な導電層は前記半導体層列の電気コンタクトを形成する、請求項16記載の光電素子。
  18. 前記フィルタ層はダイクロイックミラーとして構成されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の光電素子。
  19. 前記フィルタ層は周期的な順序で第1の層および第2の層を複数個ずつ有しており、各第1の層は第1の屈折率を有しており、各第2の層は前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する、請求項1から18までのいずれか1項記載の光電素子。
  20. 前記第1の層および前記第2の層はそれぞれ酸化物または窒化物を含む、請求項19記載の光電素子。
  21. 前記フィルタ層はガラスまたはプラスティックから成る基板を含む、請求項1から20までのいずれか1項記載の光電素子。
  22. 前記フィルタ層は前記波長変換層上に被着されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の光電素子。
  23. 前記フィルタ層は前記波長変換層から空間的に離れたところに配置されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の光電素子。
  24. 前記フィルタ層は少なくとも1つの主表面(4)を有しており、前記外部から当該の光電素子へ入射する放射は該主表面に対して所定の角度(9)をなして入射し、該外部から当該の光電素子へ入射する放射の一部は前記所定の角度に基づいて前記フィルタ層によって反射される、請求項1から23までのいずれか1項記載の光電素子。
  25. 前記光電素子から発光されて観察者に知覚される電磁放射は前記第1のスペクトルの電磁放射と前記第2のスペクトルの電磁放射とを重畳した電磁放射に相当する、請求項1から24までのいずれか1項記載の光電素子。
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