JP2011003665A - 化学機械研磨用水系分散体およびそれを用いた化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体およびそれを用いた化学機械研磨方法 Download PDF

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康孝 亀井
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Abstract

【課題】
配線材料、バリアメタル膜および層間絶縁膜に対する高研磨速度と高平坦化特性を同時に備えた化学機械研磨用水系分散体、およびこれを用いた化学機械研磨方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒と、(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物と、(C)複素環化合物と、を含有し、基板上にコバルト含有膜を有する基板を研磨する方法に用いる化学機械研磨用水系分散体であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造に用いる化学機械研磨用水系分散体(以下、「化学機械研磨用水系分散体」という。また、「水系分散体」と略記することもある。)に関する。
LSIに搭載されるダマシン配線は化学機械研磨(以下、「CMP」ともいう)を用いて形成される。ダマシン配線を形成するCMPでは、主に銅などの配線金属を研磨する第1研磨工程と、配線金属、バリアメタル膜、および絶縁膜を研磨する第2研磨工程が順に実施される。
このようなダマシン配線では、一般的にバリアメタル膜の材料としてタンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン等が用いられる。このため、前記第2研磨工程ではこれら特定のバリアメタル膜と、配線金属および絶縁膜の研磨速度比を最適化した化学機械研磨用水系分散体が検討されている。たとえば、特許文献1、2にはトリアゾール系化合物を用いて、タンタルやチタンなどのバリアメタル膜、配線金属および絶縁膜の研磨速度比を制御する技術が開示されている。
近年、配線の更なる微細化が進むに伴いバリアメタル膜の薄膜化が要求されている。しかし、従来の材料であるタンタルやチタンは緻密な薄膜を作製することは困難であり、また薄膜化することで配線金属種の拡散を抑制するバリア特性が劣化する。このため、新たなバリアメタル材料としてコバルトを含む膜の使用が検討され始めている。(たとえば特許文献3)しかしながら、従来使用されていたタンタルやチタンなどのバリアメタル膜と異なり、コバルトを含むバリアメタル膜は研磨特性が大幅に異なるために、従来のタンタルやチタンなどのバリアメタル膜研磨用の化学機械研磨用水系分散体を単に転用することはできない。このため、コバルトを含む膜を研磨するための新たな化学機械研磨用水系分散体の開発が要求されている。
特開2002−164310公報 特開2004−71673号公報 特開2009−76615号公報
本発明の目的は、配線材料、コバルトを含むバリアメタル膜および層間絶縁膜に対する高研磨速度と高平坦化特性を同時に備えた化学機械研磨用水系分散体、およびこれを用いた化学機械研磨方法を提供することにある。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、
(A)砥粒と、
(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物と、
(C)複素環化合物と、
を含有し、半導体基板上に形成されたコバルト含有膜を有する基板を研磨する方法に用いる化学機械研磨用水分散体であることを特徴とする。
上記化学機械研磨用水系分散体によれば、低誘電率の層間絶縁膜の損傷を防ぎつつ、配線材料(例えば、銅膜)、コバルト膜などのバリアメタル膜、および層間絶縁膜(例えば、TEOS膜)に対する研磨速度を同程度に高め、かつ、平坦性に優れた被研磨面を得ることができる。さらに、上記化学機械研磨用水系分散体によれば、ディッシング、エロージョン、といった研磨欠陥を低減することができる。
本実施形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体を示す断面図である。 本実施形態に係る化学機械研磨方法の研磨工程を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る化学機械研磨方法の研磨工程を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る化学機械研磨方法の研磨工程を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変型例も含む。
1.化学機械研磨用水系分散体
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒と、(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物と、(C)複素環化合物とを含有し、コバルト含有膜を有する基板を研磨する方法に用いる化学機械研磨用水分散体であることを特徴とする。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、半導体基板上に形成されたコバルトを含む膜を研磨するために使用される。
従来バリアメタルとして用いられているチタン系の材料やタンタル系の材料と、コバルトは例えば表1に示すように、機械的特性や化学的特性が異なる。たとえば、コバルトはイオン化エネルギーから判断するとタンタルと同等なイオン化傾向があるが、機械的強度の指針である硬度はチタン、タンタルより小さい。(コバルトの特殊性については特開2008−121110などに記載されている。)このため、従来のバリアメタル研磨用の水系分散体を使用すると機械的な研磨作用と化学的な研磨作用(エッチング作用など)のバランスが大きく異なり、従来の化学機械研磨用水系分散体を使用することはできない。
さらに、このような物理的・化学的特性としては示すことができないが、コバルト系の材料は絶縁膜や配線金属との密着性も、従来バリアメタルとして用いられているチタン系の材料やタンタル系の材料と大幅に異なり、密着性の違いに伴う研磨欠陥の発生をも抑制する必要がある。
Figure 2011003665
株式会社東京化学同人 第1版1989年10月20日発行 「化学大辞典」
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上記のようなコバルト系材料の特殊性に鑑みて発明されたものである。まず、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる各成分について、詳細に説明する。なお、以下(A)砥粒ないし(C)複素環化合物の各成分をそれぞれ(A)成分ないし(C)成分と省略して記載することがある。
1.1 (A)砥粒
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒を含有する。
(A)砥粒としては、気相中で塩化ケイ素等を、酸素および水素と反応させるヒュームド法により合成されたヒュームド法シリカ、金属アルコキシドから加水分解縮合して合成するゾルゲル法により合成されたシリカ、精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカ等が挙げられる。特に、(A)砥粒としては、精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカが好ましい。
(A)砥粒の形状は、球状であることが好ましい。ここで、球状とは、鋭角部分を有さない略球形のものを含み、必ずしも真球に近いものである必要はない。球状の砥粒を用いることにより、十分な研磨速度で研磨することができるとともに、被研磨面におけるスクラッチ等の発生も抑制できる。
(A)砥粒の平均粒子径は、好ましくは0.01〜0.3μmであり、より好ましくは0.01〜0.2μmであり、特に好ましくは0.015〜0.1μmである。この範囲の平均粒子径を有する砥粒であれば、十分な研磨速度を有し、かつ粒子の沈降・分離を生ずることのない安定な化学機械研磨用水系分散体を得ることができる。平均粒子径が0.01μm未満では、十分に研磨速度が大きい化学機械研磨用水系分散体を得ることができないことがある。平均粒子径が1μmを超えると、砥粒の沈降・分離により、安定な水系分散体とすることが容易ではない。なお、(A)砥粒の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。
(A)砥粒の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対し、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは3〜9質量%である。(A)砥粒の含有量が上記範囲未満であると、十分な研磨速度が得られない場合があり、研磨工程を終了するのに多大な時間を要する場合がある。一方、(A)砥粒の含有量が上記範囲を超えると、コストが高くなるとともに、化学機械研磨用水系分散体の貯蔵安定性が低下するため好ましくない。
1.2 (B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物を含有する。2つ以上のカルボニル基を有する化合物を含有することにより、コバルトおよび/または窒化コバルトからなるバリアメタル膜に対する研磨速度を高めることができる。
例えば、(B)成分としては、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸が挙げられる。その中でも、特に好ましい2つ以上のカルボニル基を有する化合物はマレイン酸とリンゴ酸であり、2つ以上のカルボニル基を介してコバルトイオンと配位結合を形成しやすく、コバルトおよびコバルトイオンとの親和性を高め、コバルトおよび/または窒化コバルトの表面に吸着して研磨表面に研磨しやすい金属錯体膜を形成すると推測される。
その理由として、マレイン酸は下記式(1)に示すように、π結合を有する2つのカルボキシル基を有する構造であり、Cis型の二つのカルボニル基の立体構造であり、立体配置しやすく金属を錯体化し易い構造であると推測される。そのため、ディッシングやコロージョン等を引き起こし難いと推測される。
Figure 2011003665
更に、リンゴ酸の構造は下記式(1)に示すように、陰イオン性官能基となるカルボキシル基とヒドロキシル基が存在するため、陽イオンとなるコバルトやコバルトイオンと配位結合を形成しやすくなると推測される。そして、コバルトは原子価2価で安定な状態になるため、リンゴ酸のような2以上のカルボニル基をもつ有機酸により2座配位され効率よく錯体を形成すると推測される。さらに、ヒドロキシル基を有する事で親水性が高くなるので、特に研磨液中に溶け込んだ金属キレート塩の析出が抑制され易く、これにより、研磨対象表面のスクラッチ、ディッシングおよびコロージョンを防ぐことができると推測される。
Figure 2011003665
また、マレイン酸とリンゴ酸はカルボキシル基を複数有しているため、水への溶解性が高く、生成した金属キレート塩の析出が起こり難く、これにより研磨対象面にスクラッチやディッシングが発生しにくい。
しかしながら、チタンのように溶解度が低い金属では、マレイン酸やリンゴ酸等に溶解しにくく、金属がそのまま残ってしまいディッシング等の問題を引き起こしてしまうと推測される。
また、タンタルのように機械的強度が高い金属では、マレイン酸やリンゴ酸と溶解した後の錯体が、コバルトと比較すると硬度を有する錯体となるため、スクラッチ、ディッシングやコロージョンを引き起こし易いと推測される。
1.3 (C)複素環化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)複素環化合物を含有する。複素環化合物を添加することにより、銅等の配線金属の研磨により水系分散体中に溶出された銅イオンと複素環化合物とが配位結合し、銅の析出を防ぐことができる。これにより、配線金属上のスクラッチ等の表面欠陥を抑制することができる。
(C)複素環化合物としては、ピロール、ピロリン、ピロリドン、インドール、インドレニン、インドリン、オキシインドール、ジオキシインドール、オキシルインドール、イサチン、インドキシル、ピラゾール、2H−1,2,3− トリアゾール、1,2,3− トリアゾール、4 H−1,2,4 − トリアゾール、1H−1,2,4− トリアゾール、1 H −1,2,3,4−トリアゾール、2H−1,2,3,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、1,2−ベンゾピラゾール、2,1−ベンゾピラゾール、1 − ベンゾトリアゾール、2−ベンゾトリアゾール、ピリジン、2,2−ビピリジニル、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、シンシノリン、フタラジン、フタラジノン、ピリミジン、プリン、プテリジン、キナゾリン、ピラジン、キノキサリン、トリアジン、テトラジン、テトラゾール及びそれらの化合物中の水素原子が、アルキル基、水酸基、アミノ基、カルボニル基またはアルデヒド基で置換された誘導体からなる群から選ばれる1 種以上である。
さらに、(C)複素環化合物として好ましくは含窒素複素環化合物であり、より好ましくは窒素原子の隣接位にカルボキシル基を有する含窒素複素環化合物である。窒素原子の隣接位にカルボキシル基を有する含窒素複素環化合物として、例えば5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアジアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール及び、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、キノリン酸、キナルジン酸等が挙げられる。その中でも、特に好ましい含窒素複素環化合物はベンゾトリアゾールと5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールまたはキナルジン酸であり、環状の窒素原子を介して銅イオンと配位結合を形成しやすく、銅および銅イオンとの親和性を高め、銅等の配線材料の表面に吸着して適度に保護することができる。窒素原子の隣接位にカルボキシル基を有する含窒素複素環化合物は、さらに銅イオンと配位結合を形成しやすくなり、上記の効果が得られやすくなる。
(C)成分の含有量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の全質量に対し、好ましくは0.005〜0.3質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%、特に好ましくは0.02〜0.05質量%である。(C)成分の含有量が上記範囲未満であると、銅等の配線材料やバリアメタル膜の腐食が発生する場合がある。
一方、(C)成分の含有量が上記範囲を超えると、銅膜に対して十分な研磨速度が得られない場合があり、研磨工程を終了するのに多大な時間を要する場合がある。
1.4 pH調整剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHを調整するための手段としては、例えば水酸化カリウム、アンモニア、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等の塩基性塩に代表されるpH調整剤を添加することにより、pHを調整することができる。
pHの値は、7〜9であり、好ましくは7.5〜8.5である。pHの値が7未満であると、シリカ粒子の表面に存在するシラノール基同士の水素結合を切ることができず、シリカ粒子の凝集を引き起こす場合がある。また、銅等の配線材料やバリア膜に対するエッチング作用が強くなり、ディッシングおよびエロージョン等が発生しやすくなる場合がある。一方、pHの値が9よりも大きい場合、コバルトが安定な化学状態となる為、十分な研磨速度を得ることができない。またスラリーを長時間保管すると、スラリー中に存在するシリカ粒子が一部溶解してしまうことがある。その結果、スラリーの研磨特性が変化してしまい絶縁膜が過度に研磨され、良好な配線パターンが得られないことがある。
1.5 その他の添加剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、酸化剤を含有することができる。酸化剤を含有することで、さらに研磨速度が向上する。酸化剤としては、広範囲の酸化剤を使用することができるが、適切な酸化剤として過酸化水素水、酸化性金属塩、酸化性金属錯体、非金属系酸化剤の例えば過酢酸や過ヨウ素酸、鉄系イオンの例えばニトレート、スルフェート、EDTA、シトレート、フェリシアン化カリウム等、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第4アンモニウム塩、ホスホニウム塩、あるいは過酸化物のその他のカチオン塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、過マンガン酸塩、過硫酸塩およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの酸化剤の中でも、過酸化水素であることが特に好ましい。過酸化水素は、その少なくとも一部が解離し、過酸化水素イオンが生成する。なお、「過酸化水素」とは、分子状過酸化水素の他、上記過酸化水素イオンをも含むものを意味する。
上記酸化剤の含有量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の全質量に対し、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.55〜2質量%、特に好ましくは0.8〜1.2質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満であると、被研磨面に対して十分な研磨速度が得られない場合があり、研磨工程を終了するのに多大な時間を要する場合がある。一方、酸化剤の含有量が5質量%を超えると、銅等の配線材料やバリアメタル膜の腐食が発生する場合がある。
本発明の化学機械研磨用水系分散体には、必要に応じて、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤を配合することができる。上記非イオン性界面
活性剤としては、例えば、三重結合を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。具体的
には、アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコー
ルなどが挙げられる。また、シリコーン系界面活性剤、ポリビニルアルコール、シクロデ
キストリン、ポリビニルメチルエーテル、およびヒドロキシエチルセルロースなども挙げ
られる。上記アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族せっけん、硫酸エステル塩、
およびリン酸エステル塩などが挙げられる。上記カチオン界面活性剤としては、例えば、
脂肪族アミン塩および脂肪族アンモニウム塩などが挙げられる。これらの界面活性剤は、
1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
これらの界面活性剤の中でも特に、アセチレングリコールおよびそのエチレンオキサイド付加物、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であることが特に好ましい。
上記酸化剤の含有量は、使用時における化学機械研磨用水系分散体の全質量に対し、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.15質量%、特に好ましくは0.01〜0.1質量%である。界面活性剤の含有量が0.01質量%未満であると、被研磨面に対して十分に研磨速度を制御することができない場合がある。一方、界面活性剤の含有量が0.2質量%を超えると、水系分散体の保存安定性が損なわれる場合がある。
1.6 用途
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、銅膜、コバルト含有バリアメタル膜、および絶縁膜を同一条件により研磨した場合に、銅膜の研磨速度(RCu)とコバルト含有バリアメタル膜の研磨速度(Rco)との比(RCu/Rco)が0.1〜1.5であり、かつ、コバルトバリアメタル膜の研磨速度(Rco)と前記絶縁膜の研磨速度(RIn)との比(Rco/RIn)が0.5〜1.8であることを特徴とする。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上記のような特徴を有することから、ダマシン配線形成工程における第2研磨工程に用いることが望ましい。
前記「同一条件」とは、特定の形式の研磨装置を使用し、その定盤およびヘッドの回転数、研磨圧力、研磨時間、研磨パッドの種類、ならびに水系分散体の単位時間当たりの供給量を同一にすることを意味する。
前記研磨速度の「比」は、銅膜、コバルト含有バリアメタル膜、および絶縁膜を、上記の同一条件の下に別個に研磨し、各々の研磨速度の値から算出することができる。該研磨は、銅膜、コバルト含有バリアメタル膜、または絶縁膜を備えるウェハを用いて行うことができる。
銅膜の研磨速度(RCu)とコバルト含有バリアメタル膜の研磨速度(Rco)との比(RCu/Rco)は、0.2〜1.5であるが、好ましくは0.2〜1、より好ましくは0.5〜0.8である。この比(RCu/Rco)が0.1未満の場合、銅膜に対する研磨速度が不十分となる。例えば二段階研磨法における第1研磨工程において、絶縁膜上の配線用凹部以外の銅膜の除去が不完全であった場合、第2研磨工程において銅膜の不要部分の除去に長時間を要する。一方、比(RCu/Rco)が1.5を超える場合、銅膜が過度に研磨されるため、ディッシング発生の原因となり、良好なダマシン配線の形成ができないことがある。
コバルト含有バリアメタル膜の研磨速度(RCo)と絶縁膜の研磨速度(RIn)との比(Rco/RIn)は、0.2〜2であるが、好ましくは0.5〜1.8、より好ましくは0.7〜1.5である。この比(Rco/RIn)が0.5未満の場合、絶縁膜が過度に研磨され、良好なダマシン配線を形成することができない。一方、比(Rco/RIn)が2を超える場合、バリアメタル膜が過度に研磨されるため、ディッシング発生の原因となり、十分に平坦化された精度の高い仕上げ面とすることができない。
前記銅膜を形成する銅は、純だけでなく、銅−シリコン、銅−アルミニウム等の銅を95重量%以上含有する合金を含む。
前記バリアメタル膜を形成する金属は、コバルト、タンタル、チタン等があり、またそれらの窒化物、酸化物であってもよい。窒化物として、例えば窒化コバルト、窒化タンタル、窒化チタンがある。また、コバルトやタンタル、チタンは、純コバルトや純タンタル、純チタンに限らず、例えばタンタル−ニオブ等の合金を含む。例えば、本願実施形態においてコバルト含有バリアメタル膜の単膜だけではなく、配線との密着性を考慮して複膜のバリアメタル膜とすることも可能である。そのとき、バリアメタル膜の積層順は設計時に適宜対応可能である。
前記絶縁膜としては、SiO膜のほか、超LSIの性能向上を目的とした低誘電率の層間絶縁膜をも含む。低誘電率の層間絶縁膜としては、フッ素添加SiO(誘電率;約3.3〜3.5)、ポリイミド系樹脂(誘電率;約2.4〜3.6;日立化成工業社製、商品名「PIQ」;Allied Signal社製、商品名「BCB」等)、水素含有SOG(誘電率;約2.5〜3.5)、および有機SOG(誘電率;約2.9;日立化成工業社製、商品名「HSGR7」等)からなる層間絶縁膜が挙げられる。
1.8 化学機械研磨用水系分散体のキット
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、純水に直接(A)砥粒、(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物、(C)複素環化合物およびその他の添加剤、pH調整剤を添加して混合・撹拌することにより調製することができる。このようにして得られた化学機械研磨用水系分散体をそのまま使用してもよいが、各成分を高濃度で含有する(濃縮された)化学機械研磨用水系分散体を調製し、使用時に所望の濃度に希釈して使用してもよい。
また、上記成分のいずれかを含む複数の液(例えば、2つまたは3つの液)を調製し、これらを使用時に混合して使用することもできる。この場合、複数の液を混合して化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、複数の液を個別に化学機械研磨装置に供給して定盤上で化学機械研磨用水系分散体を形成してもよい。
具体例として、2成分のキットに分ける場合、ある一定の割合で成分わけをすることで貯蔵安定性を向上させることができる。その場合、少なくとも水および(A)砥粒を含む水系分散体であり、pHが7〜9となる液(I)、少なくとも水、(B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物、(C)複素環化合物を含み、pHが5〜7となる液(II)からなり、これらの液を混合して上記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットが挙げられる。液(I)は、あらかじめpH調整剤を添加することによりpHを8に調整しておけば、(A)砥粒の分散安定性を確保することができる。
上記液(I)および(II)における各成分の濃度は、これらの液を混合して最終的に調製される化学機械研磨用水系分散体中の各成分の濃度が上記範囲内であれば特に限定されない。例えば、各成分を化学機械研磨用水系分散体の濃度よりも高濃度で含有する液(I)および(II)を調製し、使用時に、必要に応じて液(I)および(II)を希釈して、これらを混合し、各成分の濃度が上記範囲にある化学機械研磨用水系分散体を調製する。具体的には、上記液(I)と(II)とを1:1の重量比で混合する場合には、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍の濃度の液(I)および(II)を調製すればよい。また、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍以上の濃度の液(I)および(II)を調製し、これらを1:1の重量比で混合した後、各成分が上記範囲となるように水で希釈してもよい。以上のように、液(I)と液(II)とを別々に調製することにより、水系分散体の保存安定性を向上させることができる。
上記のキットを使用する場合、研磨時に上記化学機械研磨用水系分散体が形成されていれば、液(I)と液(II)との混合の方法およびタイミングは特に限定されない。例えば、液(I)と液(II)とを混合して上記化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、定盤上で混合してもよい。あるいは、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、装置内でライン混合してもよいし、化学機械研磨装置に混合タンクを設けて、混合タンク内で混合してもよい。また、ライン混合の際には、より均一な水系分散体を得るために、ラインミキサーなどを用いてもよい。
2.化学機械研磨方法
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨方法について、以下詳細に説明する。
2.1 被処理体
図1は、本実施形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体を示す断面図である。
(1)まず、低誘電率絶縁膜10を塗布法またはプラズマCVD法により形成する。低誘電率絶縁膜10として、無機絶縁膜および有機絶縁膜が挙げられる。無機絶縁膜としては、例えば、SiOF膜(k=3.5〜3.7)、Si−H含有SiO膜(k=2.8〜3.0)などが挙げられる。有機絶縁膜としては、カーボン含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、メチル基含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、ポリイミド系膜(k=3.0〜3.5)、パリレン系膜(k=2.7〜3.0)、ポリテトラフルオロエチレン系膜(k=2.0〜2.4)、アモルファスカーボン(k=<2.5)などが挙げられる(上記のkは誘電率を表す。)。
(2)低誘電率絶縁膜10の上に、CVD法または熱酸化法を用いて絶縁膜20を形成する。キャップ層20は、低誘電率絶縁膜10を保護するためのキャップ層としての役割を担う。キャップ層20としては、例えば、TEOS膜等が挙げられる。
(3)低誘電率絶縁膜10およびキャップ層20を連通するようにエッチングして配線用凹部30を形成する。
(4)CVD法を用いてキャップ層20の表面ならびに配線用凹部30の底部および内壁面を覆うようにバリアメタル膜40を形成する。バリアメタル膜40は、銅膜との接着性および銅膜に対する拡散バリア性に優れる観点から、コバルト、窒化コバルト、またはコバルト合金である事が好ましい。このとき、コバルト含有バリア膜の単層でも良いが、その他の材料との組合せで複数層であってもよい。
(5)バリアメタル膜40の上に銅を堆積させて銅膜50を形成することにより、被処理体100が得られる。
2.2 化学機械研磨方法
図2ないし図4は、本実施形態に係る化学機械研磨方法の研磨工程を模式的に示す断面図である。本研磨工程では、主に銅膜を研磨する第1研磨工程と、不要な銅、バリアメタル膜および絶縁膜を研磨する第2研磨工程と、が行われる。
2.2.1 第1研磨工程
まず、被処理体100のバリアメタル膜40の上に堆積した銅膜50を除去するために、銅膜用の化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨を行う。図2に示すように、第1研磨工程では、バリアメタル膜40が表出した時点で化学機械研磨をストップさせる。なお、第1研磨工程は、堆積させた銅膜50をバリアメタル膜40が露出する直前まで高速で研磨するバルク研磨工程と、バルク研磨工程において残留した銅膜50をバリアメタル膜40が露出するまで研磨するファイン研磨工程と、に分けて実施することができる。
2.2.2 第2研磨工程
次いで、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体を用いて、バリアメタル膜40および銅膜50を同時に化学機械研磨する。図3に示すように、キャップ層20が表出した後も、なお引き続き化学機械研磨を進めてキャップ層20を除去する。低誘電率絶縁膜10が表出した時点で化学機械研磨をストップさせることにより、図4に示すような半導体装置200が得られる。本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、キャップ層20、バリアメタル膜40、銅膜50に対する研磨速度をほぼ同等とすることができるため、一工程で半導体装置を仕上げることができる。
2.2.3 研磨装置および研磨条件
本実施形態に係る化学機械研磨方法では、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置として、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」「Reflexion LK」等が挙げられる。
好ましい研磨条件としては、使用する化学機械研磨装置により適宜設定されるべきであるが、例えば化学機械研磨装置として「Reflexion LK」を使用する場合には下記の条件とすることができる。
・定盤回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・ヘッド回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・定盤回転数/ヘッド回転数比;好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5
・研磨圧力;好ましくは60〜450gf/cm、より好ましくは200〜400gf/cm
・化学機械研磨用水系分散体供給速度;好ましくは50〜400mL/分、より好ましくは100〜300mL/分
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.2 化学機械研磨用水系分散体の調製
3.2.1 分散体の調製
化学機械研磨用水分散体の全質量を100質量%とした場合に、リンゴ酸、マレイン酸もしくはグリシンを1質量%、ベンゾトリアゾール(BTA)、5−メチルベンゾトリアゾールもしくはキナルジン酸を0.03もしくは0質量%、コロイダルシリカ水分散体を固形分として5質量%、水酸化カリウムを0.9質量%、全構成成分の量が100質量%となるようにイオン交換水をポリエチレン製の瓶に加えて1時間撹拌した後、孔径1μmのフィルターでろ過し、水酸化カリウムでpHを任意の値に調整し、過酸化水素に換算して1質量%に相当する量の30質量%過酸化水素水を順次入れ、表2(下記)に記載の分散体S1〜C8を得た。
化学機械研磨用水系分散体S1〜C8は、(B)または(C)成分の種類もしくは含有量、pHを表2に記載の通りに変更したこと以外は、上記の化学機械研磨用水系分散体実施例1と同様にして作製した。
3.3 化学機械研磨試験
化学機械研磨装置(アプライドマテリアルズ社製、型式「Reflexion LK」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(富士紡績社製、品番「H800-type1(3−1S)775」)を装着し、化学機械研磨用水系分散体S1を供給しながら、下記の各種研磨速度測定用基板につき、下記の研磨条件にて1分間研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度、平坦性および欠陥の有無を評価した。
また、化学機械研磨用水系分散体S2〜C8についても上記と全く同様の操作を行い評価した。これらの結果を表2に示す。
3.3.1 研磨速度の評価
(1)研磨速度測定用基板
・膜厚15,000オングストロームの銅膜が積層された12インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
・膜厚2,000オングストロームのコバルト膜が積層された12インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
・膜厚20,000オングストロームのPETEOSが積層された12インチシリコン基板。
(2)研磨条件
・ヘッド回転数:87rpm
・ヘッド荷重:350gf/cm
・テーブル回転数:98rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:300mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
(3)研磨速度の算出方法
銅膜およびコバルト膜については、電気伝導式膜厚測定器(ケーエルエー・テンコール社製、形式「オムニマップRS100」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
PETEOS膜については、光干渉式膜厚測定器(ケーエルエー・テンコール社製、形式「ASET・F5X」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。ここで、銅膜に対する研磨速度(RCu)とコバルトバリアメタル膜に対する研磨速度(RCo)との比(RCu/RCo)は、好ましくは0.2〜1であり、より好ましくは0.5〜0.8である。また、コバルトバリアメタル膜に対する研磨速度(RCo)とPETEOS膜に対する研磨速度(RIn)との比(RCo/RIn)は、好ましくは0.5〜1.8であり、より好ましくは0.7〜1.5である。また、コバルトバリアメタル膜に対する研磨速度(RCo)とタンタル膜に対する研磨速度(RTa)との比(RCo/RTa)は、好ましくは0.4〜1であり、より好ましくは0.5〜0.9である。
3.3.2 平坦性評価
上記ブランケットウェハの評価で算出される銅膜、コバルト膜およびPETEOS膜の研磨速度とその比率を算出することにより、本実施例に係る化学機械研磨用水系分散体の基本的研磨特性を確認することができる。しかしながら、配線パターンとなる溝が形成されたパターンウェハのCMPでは、局所的に過剰に研磨される箇所が発生することが知られている。これは、CMP前のパターンウェハ表面には配線パターンとなる溝を反映した凹凸が金属膜の表面に生じており、CMPを行う場合にパターン密度に応じて局所的に高い圧力がかかり、その部分の研磨速度が速くなるためである。そこで、半導体基板に模したパターンウェハを研磨して評価することにより、本実施例に係る化学機械研磨用水系分散体の実際に使用する状態における研磨特性を確認することができる。
3.3.3
(1)パターン付きウェハ
シリコン基板上にPETEOS膜を5,000オングストローム順次積層させた後、「SEMATECH 854」マスクパターン加工し、その上に125オングストロームのコバルト膜、125オングストロームのタンタル膜、1,000オングストロームの銅シード膜および10,000オングストロームの銅膜を順次積層させたテスト用の基板を用いて、
被研磨物とした。
(2)研磨条件
・化学機械研磨装置 アプライドマテリアルズ社製、型式「Mirra」
・ヘッド回転数:67rpm
・ヘッド荷重:350gf/cm
・テーブル回転数:73rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
研磨時間を研磨開始からテーブル上から発する赤外線によって検知した終点に到るまでの時間の1.2倍とした。
3.3.4 銅コロージョン評価方法
研磨処理工程後のパターン付きウェハの被研磨面につき、1cm×1cmの銅の領域について、欠陥検査装置(KLAテンコール社製、形式「2351」)を使用して10nm〜100nmの大きさの欠陥数を評価した。表2において、○はコロージョンの数が0〜〜100個であり好ましい状態である。×は101個以上のコロージョンが存在する状態であり、研磨性能不良と判断される。
3.3.5 コバルト溶出評価方法
膜厚2,000オングストロームの1cm×1cmコバルトカットウェハーを、過酸化水素に換算して1質量%に相当する量の30質量%過酸化水素水を加えた化学機械研磨用水系分散体S1〜C8に1分間浸漬した。1分後、カットウェハーを取り出し、蒸留水で洗浄、乾燥させた後、カットウェハー表面を観察した。○はコバルト膜表面に異常酸化、腐食がない好ましい状態である。×は異常酸化や腐食が見られ、コバルトバリア膜の溶出があり研磨性能不良と判断される。
3.3.6 ディッシング評価方法
研磨処理後のパターン付き基板の被研磨面につき、高解像度プロファイラー(KLAテンコール社製、形式「HRP240」)を用いて、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ100μm/100μmの銅配線部分におけるディッシング量(nm)を測定した。ここで、「ディッシング」とは、研磨後の被研磨面において、測定位置の銅配線を挟むPETEOS膜の上面と測定位置の銅配線の最低部位との高低差をいう。なお、ディッシング量は、銅配線上面が基準面(絶縁膜上面)よりも上に凸である場合はマイナスで表示した。ディッシング量は、0〜30nmであることが好ましく、0〜20nmであることがより好ましい。表2の評価欄において、ディッシング量が0〜30nmである場合には「○」と表記し、上記範囲外である場合には「×」と表記した。
3.3.7 評価結果
実施例S1〜S8に係る化学機械研磨用水系分散体を用いた場合には、いずれもRCu/RCoおよびRCo/RInの値が好ましい範囲内にあるため、銅膜、コバルト膜、およびPETEOS膜(以下、「三膜」ともいう。)の存在する被研磨面を一工程で研磨できる。また、実施例S1〜S8に係る化学機械研磨用水系分散体を用いてパターン付き基板を研磨した場合には、ディッシング等の表面欠陥を抑制することができ、被研磨面の良好な平坦性を実現することができた。
Figure 2011003665
比較例1に係る化学機械研磨用水系分散体は、複素環化合物を含んでいないため、RCu/RCoが0.8より大きくなる。そのため銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例2に係る化学機械研磨用水系分散体は、pHが低くエッチング能力が高いグリシンを用いたため、銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例3に係る化学機械研磨用水系分散体は、エッチング能力が高いグリシンを用いたため、銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例4に係る化学機械研磨用水系分散体は、エッチング能力が高いグリシンを用いたため、RCu/RCoが1より大きくなる。銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例5に係る化学機械研磨用水系分散体は、エッチング能力が高いグリシンを用いたため、RCu/RCoが1より大きくなる。銅膜が異常に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例6に係る化学機械研磨用水系分散体は、エッチング能力が高いグリシンを用いており、さらに複素環化合物を有していないため、銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例7に係る化学機械研磨用水系分散体は、銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例8に係る化学機械研磨用水系分散体は、複素環化合物を有していないため、銅膜が過剰に研磨されバランスを失し、三膜の存在する被研磨面を一工程で研磨することは困難である。また、パターン付き基板を研磨した場合には、ディッシングが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、特に、コバルト含有バリアメタル膜を有するダマシン配線において、良好な研磨性能を発揮する事ができる。
10…低誘電率絶縁膜、20…絶縁膜、30…配線用凹部、40…バリアメタル膜、50…銅膜、100…被処理体、200…半導体装置

Claims (7)

  1. (A)砥粒と、
    (B)2つ以上のカルボニル基を有する化合物と、
    (C)複素環化合物と、
    を含有し、基板上にコバルト含有膜を有する基板を研磨する方法に用いる化学機械研磨用水系分散体。
  2. 前記(B)成分がリンゴ酸および/またはマレイン酸である請求項1に記載の化学機械的研磨用水系分散体。
  3. 前記(C)成分が含窒素複素環化合物である請求項1〜2のいずれか一項に記載の化学機械的研磨用水系分散体。
  4. 前記(C)成分がベンゾトリアゾールおよび/またはベンゾトリアゾール誘導体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化学機械的研磨用水系分散体。
  5. pHが7〜9である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学機械研磨水系分散体。
  6. 前記(A)成分がシリカである請求項1〜5に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、半導体基板上に形成された銅膜、絶縁膜及びコバルト含有膜を有する基板を研磨する方法。
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