JP2011027301A - 空調制御装置 - Google Patents

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Kenzo Yonezawa
憲造 米沢
Yasuo Takagi
康夫 高木
Norifumi Mitsumoto
憲史 三ッ本
Nobutaka Nishimura
信孝 西村
Yuichi Hanada
雄一 花田
Naoki Makino
直樹 牧野
Kenichi Yamazaki
謙一 山崎
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Abstract

【課題】在室者の快適性を考慮しつつ、安定して効率の良い空調制御を行うことができる空調制御装置を提供する。
【解決手段】複数の外気温度値と、外気湿度値と、顕熱負荷値との組み合わせごとにそれぞれ所定範囲内の快適性指標値で空調制御システム内の消費エネルギー値が最小となるような室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値を最適化演算で予め算出し、すべての条件における設定値を通る関数を、最適運用関数として設定値の種類ごとに予め作成する最適運用関数作成部813と、計測された外気温度計測値および外気湿度計測値と、室内温度計測値、給気温度計測値、および給気風量から算出される顕熱負荷値を取得する環境値取得部822bと、環境値取得部822bで取得された値と最適運用関数とに基づいて、空調制御のための設定値をそれぞれ特定する設定値特定部822cを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、オフィスや住居等の空調を制御する空調制御装置に関する。
オフィスや住居などの建築設備全体で消費されるエネルギーは、空調関連のエネルギーが約半分を占めている。そのため、空調制御に関する省エネルギーの推進が、建築設備全体の省エネルギー化に大きく貢献する。
これに鑑み、建築設備において最適な省エネルギー化を図った空調運転をする空調システムを利用した技術が特許文献1に記載されている。
この特許文献1の技術は、冷温水を生産する熱源機の消費エネルギー、空調コイルで熱交換された空気を送出するファンの消費エネルギー、熱源機からの冷温水を送出するポンプの消費エネルギーを含む空調の所要消費エネルギーが最小になるように、空調コイルのコイル温度目標値と熱源機の冷温水温度目標値を求めることにより、効率よく省エネルギー化された空調運転を行うことができる。
特開2004−69134号公報
しかしこの特許文献1に記載された技術を用いて空調制御を行う場合、空調設備内で計測される値に基づいてオンラインで最適化計算を行うようにすると、空調制御装置に多大な負荷がかかり、計測値によっては計算が複雑になり解が求まらず、安定して目標値を算出できない場合があるという問題がった。
また、このように省エネルギーが推進される一方で、空調制御の対象となる室内では在室者の温熱感覚を満足させるため、いわゆる快適性を確保することが要求されているが、特許文献1に記載の技術では快適性については考慮されていなかった。
そこで本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、在室者の快適性を考慮しつつ、安定して効率の良い空調制御を行うことができる空調制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の空調制御装置は、空調制御対象の室内空間毎に設置された空調機に接続された空調制御装置であり、複数条件の外気の環境を示す値と、複数条件の前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す値との組み合わせごとにそれぞれ、所定範囲内の快適性指標値で空調制御の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値を最適化演算で予め算出し、すべての条件における前記設定値を通る関数を、最適運用関数として前記設定値の種類ごとに予め作成する最適運用関数作成部と、計測された、外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値を取得する環境値取得部と、前記最適運用関数作成部で作成された最適運用関数に基づいて、前記環境値取得部で取得した外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値に対応する前記空調制御のための設定値を特定する設定値特定部と、前記設定値特定部で特定された設定値を、前記空調機に設定させるために送出する設定値送出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の形態の空調制御装置は、空調制御対象の室内空間毎に設置された空調機と、複数条件の外気の環境を示す値と、複数条件の前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す値との組み合わせごとにそれぞれ、所定範囲内の快適性指標値で前記空調制御の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値を最適化演算で予め算出し、すべての条件における前記設定値を通る関数を、最適運用関数として前記設定値の種類ごとに予め作成する最適運用関数作成装置とに接続された空調制御装置であり、計測された、外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値を取得する環境値取得部と、前記最適運用関数作成装置で作成された最適運用関数に基づいて、前記環境値取得部で取得した外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値に対応する前記空調制御のための設定値を特定する設定値特定部と、前記設定値特定部で特定された設定値を、前記空調機に設定させるために送出する設定値送出部と、を備えることを特徴とする。
本発明の空調制御装置によれば、在室者の快適性を考慮しつつ、安定して効率の良い空調制御を行うことができる。
本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置を利用した空調制御システムの構成を示す全体図である。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置を利用した空調制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で最適運用関数を作成するときに利用するスプライン補間を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で作成された室内温度設定値の最適運用関数の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で作成された室内湿度設定値の最適運用関数の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で作成された給気温度設定値の最適運用関数の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で最適運用関数を作成した時の、消費エネルギー最小値を参考のために縦軸に示した3Dグラフである。 本発明の一実施形態による空調制御装置としての空調連携制御装置の最適運用関数作成部で最適運用関数を作成した時の、PMV値を参考のために縦軸に示した3Dグラフである。
本発明の空調制御システムの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、最近の多くのオフィスビル等は断熱性が良くPCやOA機器が多いため、年間を通して冷房モードであるので、以下の各実施形態においては冷房モードで空調制御を行う場合について説明する。
〈一実施形態による空調制御システムの構成〉
本発明の一実施形態による空調制御システム1の全体図を、図1および図2に示す。
なお、大型ビルの場合、室内が大きいので室内を複数の制御ゾーンに分けて、それぞれの制御ゾーン毎に対応して、複数の空調機を室内の近傍の機械室に設置する。このような場合でも以下では簡略のため各制御ゾーンも室内と呼ぶことにする。
空調制御システム1は空調対象のビルA内の空調を制御するものであり、ビルA内の各室内に設置された空調機10と、各室内の空調機10に近接して設置され空調機10からの給気温度を計測して各空調機10に計測値を送信する給気温度センサ20と、各室内に設置され室温を計測して各空調機10に計測値を送信する室内温度センサ30と、各室内に設置され室内の湿度を計測して各空調機10に計測値を送信する室内湿度センサ40と、各空調機10へ供給する冷水を管理する中央熱源装置50と、空調対象のビルAの外部に設置され外気の温度を計測する外気温度センサ60と、空調対象のビルAの外部に設置され外気の湿度を計測する外気湿度センサ70と、各空調機10で受信された給気温度計測値、室内温度計測値、および室内湿度計測値を受信するとともに、外気温度センサ60で計測された外気温度計測値および外気湿度センサ70で計測された外気湿度計測値を受信して中央熱源装置50及び各空調機10を動作させるための設定値を算出する空調制御装置としての空調連携制御装置80と、空調連携制御装置80で算出された設定値を実現するための操作量を算出して中央熱源装置50及び空調機10に送信するDDC(Direct Digital Controller )90を有する。
各空調機10は、給気温度センサ20、室内温度センサ30、および室内湿度センサ40から取得した計測値を空調連携制御装置80へ送信する。また各空調機10には、給気風量を計測する風量センサ11が接続されており、この風量センサ11で計測された計測値も取得して空調連携制御装置80に送信する。また各空調機10は、中央熱源装置50から供給された冷水を利用して、ビルA外から取り込んだ外気の潜熱を冷却・除湿するとともに、空調制御対象の室内から取り込んだ環気のOA機器、人体等から発せられた顕熱を冷却し、各室内に送風する。
中央熱源装置50は、冷水を生成する冷凍機51と、冷凍機51を冷却して温度が上昇した水を、再利用するため空気で冷却する冷却塔52と、冷凍機51と各空調機10または冷却塔52との間で冷水を搬送する送水ポンプ53とを有する。地域冷暖房(DHC:District Heating and Cooling)を利用する場合は、この中央熱源装置50はビル内に設置されず、冷水は外部から供給される。
空調連携制御装置80は、図2に示すように、オフライン処理部81と、オンライン処理部82とを有する。
オフライン処理部81は各種センサや空調機10と切り離されたオフライン状態で動作するものであり、空調システムモデル記憶部811と、最適化演算部812と、最適運用関数作成部813とを有する。
空調システムモデル記憶部811には、当該空調制御システム1内の装置の構成に関する情報が記憶されている。本実施形態においては、各空調機10に対応した給気温度センサ20、室内温度センサ30、および室内湿度センサ40の識別情報等が記憶されている。
最適化演算部812は、複数の条件の外気温度値と、外気湿度値と、顕熱を冷却するために空調制御システム1内で消費されるエネルギー値である顕熱負荷値との組み合わせごとにそれぞれ、所定範囲内の快適性指標値で空調制御システム1内の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値を算出する。本実施形態においては、空調制御システム1内の所要動力に関する値としての消費エネルギー値が最小となるような、室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値を算出するものとする。
最適運用関数作成部813は、室内温度設定値、室内湿度設定値、給気温度設定値ごとに、最適化演算部812で算出されたすべての設定値を通る関数を最適運用関数として作成する。
オンライン処理部82は各種センサや空調機10と接続され、これらからリアルタイムで取得される情報に基づいて動作するものであり、顕熱負荷算出部821と、運用関数演算部822とを有する。
顕熱負荷算出部821は、給気温度センサ20から取得される給気温度計測値と、室内温度センサ30から取得される室内温度計測値と、風量センサ11から取得される給気風量値とに基づいて空調制御対象の室内の顕熱負荷値を算出する。
運用関数演算部822は、オフライン処理部81の最適運用関数作成部813で作成された最適運用関数を取得する関数取得部822aと、顕熱負荷算出部821で算出された顕熱負荷値および外気温度センサ60で計測された外気温度計測値、外気湿度センサ70で計測された外気湿度計測値を取得する環境値取得部822bと、環境値取得部822bで取得した顕熱負荷値、外気温度計測値、外気湿度計測値に基づいて、関数取得部822aで取得した最適運用関数から、最適な室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値を特定する設定値特定部822cと、設定値特定部822cで特定された室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値をDDC90に送信する設定値送信部822dとを有する。
〈一実施形態による空調制御システムの動作〉
本実施形態の空調制御システム1において、空調制御対象の室内の環境、および外気の環境に応じて最適な設定値を空調機10に設定するときの動作について説明する。空調連携制御装置80には、図1に示すように複数の空調機10を接続することが可能であるが、ここでは説明を簡略化するため、図2に示すように1つの空調機10が接続され1つの室内の空調を制御する場合について説明する。また、本実施形態においては図2に示すように中央熱源装置50をビル内に有さず、DHC(District Heating and Cooling:地域冷暖房)により空調制御を行う場合について説明する。
本実施形態の空調制御システム1では、空調機10への設定値の設定処理を実行するにあたり、予め空調連携制御装置80のオフライン処理部81において各種センサや空調機10と切り離されたオフライン状態で最適運用関数を作成しておく。
このオフライン処理部81の空調システムモデル記憶部811には、予め当該空調制御システム1内の装置の構成、例えば空調機10や各種センサの識別情報等に関する情報が記憶されている。
オフライン処理部81の最適化演算部812では、複数の条件の外気温度値と、外気湿度値と、顕熱を冷却するために空調機10が消費するエネルギー値である顕熱負荷値との組み合わせごとに、所定範囲内の快適性指数値で空調制御システム1内の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値が算出される。
本実施形態においては、この複数の条件の外気温度値、外気湿度値、および顕熱負荷値の組み合わせとして、下記表1に示すように12通りの外気温度値、6通りの外気湿度値、6通りの顕熱負荷値をメッシュ状に組み合わせた432通りの組み合わせが用いられる。
Figure 2011027301
また本実施形態においては、この空調制御システム1内の所要動力に関する値として消費エネルギー値を用い、空調制御システム1内の全消費エネルギー値を最小化する作動流体(空気、水、冷媒)の熱力学的な平衡状態を探索することで空調制御のための設定値が算出される。この空調制御システム1内の全消費エネルギー値は、下記式(1)で表される。
〔数1〕
全消費エネルギー値=冷水消費エネルギー+ポンプ消費エネルギー+送風機消費エネルギー・・・(1)
この空調制御システム内の全消費エネルギー値を最小化する作動流体の熱力学的な平衡状態の探索については、特開2008−232507号公報、特開2008−256258号公報に記載のアルゴリズムを用いることができる。
また、本実施形態において快適性指数値はPMVが用いられる。ここで各設定値の算出に利用されるPMVについて説明する。
PMVとは、暑さ、寒さに対する人間の温熱感覚に影響を与える変数として(a)空気温度、(b)相対湿度、(c)平均輻射温度、(d)気流速度、(e)活動量(人体の内部発熱量)、(f)着衣量の6つを用いて求められる快適性指標である。
人の発熱量は対流による放射量、輻射による放熱量、人からの蒸発熱量、呼吸による放熱量および蓄熱量の合計で、これらの熱平衡式が成立している場合は、人体が熱的に中立であり、暑くも寒くもない快適状態である。逆に熱平衡式がくずれた場合に人体は暑さ寒さを感じる。
デンマーク工科大学のFanger教授は1967年に快適方程式の導出を発表し、これを出発点として人体の熱負荷と人間の温冷感を、欧米人の多数の被験者のアンケートから統計分析して結び付け、PMV(Predicted Mean Vote:予測平均回答)を提案した。これは近年ISO規格にも取り上げられ最近よく用いられるようになった。
温冷感の指標となるPMVは、次の7段階評価尺度による数値として表す。
+3:暑い
+2:暖かい
+1:やや暖かい
0:どちらでもない、快適
−1:やや涼しい
−2:涼しい
−3:寒い
なお、人間の快適なPMV値の範囲は−0.5〜+0.5であり、本実施形態においても所定範囲として−0.5〜+0.5の範囲の内側を用いる。
上記の6つの変数のうち、作業強度を表す活動量は通常、代謝量metの単位を用い、着衣量はcloの単位を用いる。
単位met(メット)は、代謝量を表し、熱的に快適な状態における安静時代謝を基準とし、1metは下記式(2)で表される。
〔数2〕
1met = 58.2 W/m = 50 kcal/m・h (2)
また、単位clo(クロ)は、衣服の熱絶縁性を表し、1clo とは気温 21℃,相対湿度 50%,気流 5cm/s以下の室内で、体表面からの放熱量が1metの代謝と平衡するような着衣状態での値であり、通常の熱抵抗値に換算すると下記式(3)で表される。
〔数3〕
1clo = 0.155 m・℃/W = 0.18 m・h・℃/kcal (3)
そして、下記式(4)を用いて快適な範囲内(−0.5<PMV<+0.5)で冷房時はより暑い方向の側に、暖房時はより寒い方向の側にPMV目標値を設定することで空調負荷の軽減を図ることができ、省エネルギーを達成できる。
Figure 2011027301
ここで、M:活動量[kcal/h]
A:人体表面積[m
L:人体熱負荷[kcal/mh](Fangerの快適方程式より算定)
上述したように、最適化演算部812では、表1に示す外気温度値、外気湿度値、顕熱負荷値の各組み合わせにおいて、PMV値が例えば−0.5〜+0.5の範囲で空調制御システム1内の全消費エネルギー値が最小となるような空調制御のための設定値が2次計画法(QP)を用いて算出される。
次に、最適運用関数作成部813において、室内温度設定値、室内湿度設定値、給気温度設定値ごとに、最適化演算部812で算出されたすべての組み合わせ条件における設定値を通る関数である最適運用関数が作成される。この関数が作成されることにより、上記表1の432通りの条件間の任意の条件における設定値が補間される。補間の方法の1つであるスプライン補間方法を用いた最適運用関数の作成について説明する。
補間とは、与えられた複数の点をすべて通る曲線において、ある x値に対してその曲線上の y値を求める計算のことである。その計算を行うには、曲線の方程式が必要となる。xが一次元の場合について簡単に説明する(n次元の場合もほぼ同様)。
与えられた点をすべて通る曲線の方程式は、簡単な考察から(点の数 − 1)次の多項式で表すことができることがわかる。大量の点を曲線で結ぶ方法として、2点ずつ順次線で結び、それぞれ(点の数 − 1)個の多項式によって表し、これらにより曲線を描くという方法を用いる。
2点間を結ぶ線の多項式は、さきほどの曲線は(点の数 − 1)次の多項式で表すことができるという理論から、1次式になる。しかし、描かれる曲線は直線ではなく、滑らかな線である必要がある。描かれる曲線は、なめらかで急に折れ曲がったりしないものであることが望ましいので、高次の式で表さなくてはいけない。2点間だと式は2つしかできないので、それを行うには不可能に見える。
そこで、前後の点を考慮に入れて2点間を結ぶ曲線を描く。例えば、図4に示すように実際に曲線を描くときに適用する2点間をrとすると、この2点間rを結ぶ曲線の方程式を、前後の点も含めた区間R内の複数の点を使用して生成した多項式で表す。この多項式を最適運用関数とする。この複数の点が4点であれば、3次の多項式、6点であれば5次の多項式を求めることができる。
これらの2点間rの前後の点は式を生成する段階にのみ使用し、実際に曲線を描くときにはその2点間にのみ適用することでなめらかな曲線を描くことができ、各区間が適切に補間される。
この補間の方法に基づいたスプライン補間方法を利用し、上記表1の条件により算出された空調制御のための設定値が最適運用関数の曲線で結ばれ補間され、曲線で示された一例として3Dグラフ化したものを、図5〜7に示す。尚、グラフ中の細かなメッシュはスプライン補間による曲面形状を見やすくするために付加したものであり、最適化演算部812によりオフラインで算出された設定値を示すものではない。
図5は、顕熱負荷値を表1の6通りのうちの19.916kwに固定し、外気温度値、外気湿度値を変数としたときの消費エネルギー値が最小となるような室内温度設定値を示す最適運用関数のグラフであり、図6は同様の変数において消費エネルギー値が最小となるような室内湿度設定値を示す最適運用関数のグラフであり、図7は同様の変数において消費エネルギー値が最小となるような給気温度設定値を示す最適運用関数のグラフである。
また参考として、上記表1に示した外気温度値および外気湿度値の条件における最小の消費エネルギー値が、スプライン曲線で補間されたグラフを図8に示す。この図8は突出した部分がなくなめらかな曲面状のグラフになっており、オフライン処理部81の最適化演算部812の最適化探索がうまく行われたことがわかる。
また、上記表1に示した外気温度値および外気湿度値の条件において、図8の最小の消費エネルギー値で空調制御を行ったときのPMV値が、スプライン曲線で補間された曲線を図9に示す。この図9により、すべての条件においてPMVが−0.5〜+0.5に収まっていることがわかる。
このようにしてオフライン処理部81において各設定値の最適運用関数が作成された状態で、オンライン処理部82において最適な設定値を空調機10に設定するときの動作について説明する。
まず、オンライン処理部82の運用関数演算部822の関数取得部822aにおいて、オフライン処理部81の最適運用関数作成部813で作成された、各設定値の最適運用関数が取得される(S1)。
次に、オンライン処理部82の顕熱負荷算出部821において、給気温度センサ20から給気温度計測値が取得され、室内温度センサ30から室内温度計測値が取得され、風量センサ11から給気風量計測値が取得される(S2)。そして、取得された給気温度設定値、室内温度計測値、および給気風量値に基づいて、空調制御対象の室内の顕熱負荷値が算出される(S3)。
本実施形態において顕熱負荷値は、下記の式(5)により算出される。
Figure 2011027301
ここで、VAVは Variable Air Volumeの略であり、本実施形態では給気が変風量方式により行われる。
この顕熱負荷値はオンライン状態で各種センサから取得した計測値に基づいて算出されているので、空調対象の室内の人数、OA機器数や、窓の位置(東西南北)による日射量の違いから、それぞれ異なってくる顕熱負荷がリアルタイムで反映される。
次に、運用関数演算部822の環境値取得部822bにおいて、顕熱負荷算出部821で算出された顕熱負荷値が取得されるとともに、外気温度センサ60で計測された外気温度計測値、および外気湿度センサ70で計測された外気湿度計測値が取得される(S4)。
次に、設定値特定部822cにおいて、環境値取得部822bで取得された顕熱負荷値、外気温度計測値、および外気湿度計測値に基づいて、関数取得部822aで取得された最適運用関数により、最適な室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値が特定される(S5)。
なお、室内湿度センサ40から室内湿度計測値が取得され、室内湿度の制御を行うためにDDC90に送信される。
そして、特定された室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値が、設定値送信部822dによりDDC90に送信され(S6)、DDC90によりこれらの設定値で空調機10が動作するように操作量が算出され空調機10に送信される。
以上の本実施形態によれば、複数の環境条件において、望ましい快適性指数値の範囲内で空調機の動力が最小となるように最適化計算された空調機の設定値に基づいて、最適運用関数を予めオフラインで作成しておき、この最適運用関数を利用して外気環境および空調制御対象の室内の環境に応じた設定値を特定するため、外気環境や室内環境が変化する度に負荷の高い最適化計算をする必要がなく、安定して効率の良い空調制御を行うことができる。
また本実施形態においては、最適化演算部812では2次計画法(QP)を用いることにしたが、この方法に限定されるものではなく、例えば非線形最小二乗法、非線形計画法を利用して最適化演算してもよい。また、この最適運用関数を作成する方法として重回帰分析により多項式で近似し最適運用関数を求めておくこともできるが、冷房期間だけでなく、外気冷房や暖房などを行う期間も含め年間を通して対応するには、精度に限界がある場合もある。
なお、上記の実施形態においては、図2にように空調制御対象のビル内に中央熱源装置を有さない場合について説明したが、図1に示すように各ビルに中央熱源装置50の冷凍機51と冷却塔52を有していてもよい。この場合、最適化演算部812で空調機の設定値が算出される際の空調制御システム内の全消費エネルギー値には、下記式(6)で表される値が用いられる。
〔数6〕
全消費エネルギー値=冷却塔消費エネルギー+冷凍機消費エネルギー+冷水消費エネルギー+ポンプ消費エネルギー+送風機消費エネルギー・・・(6)
またビル内に中央熱源装置を有する場合には、空調制御のための設定値として室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値以外に、中央熱源装置で生成される冷水の温度設定値や流量設定値等が特定されDDCに出力されるようにしてもよい。
また本実施形態においては、運用関数演算部の設定値特定部において特定する設定値が室内温度設定値、室内湿度設定値、および給気温度設定値である場合について説明したが、これには限定されず、空調制御対象の室内に設けられたCO2センサ(図示せず)の計測値に基づいて外気導入量設定値を特定し、この特定された外気導入量設定値に基づいて空調機に外気を導入するためのダンパ開度を制御するようにしてもよい。この場合、オフライン処理部においても予めCO2濃度と外気導入量とに関する最適運用関数を作成しておくようにする。
また、本実施形態においてはオフライン処理部の最適化演算部において設定値を算出する際に消費エネルギー値が最小となるような設定値を算出したが、これには限定されず、所要動力の運転に要するコストが最小となるような設定値を算出したり、所要動力の運転により発生するCO2量が最小となるような設定値を算出するようにしてもよく、ビルオーナー等の要望に応じてこれらを変更してもよい。
また本実施形態においては、各室内温度センサ30および各室内湿度センサ40で計測された計測値は空調機10を介して空調連携制御装置80に送信される場合について説明したが、これには限定されず、各センサから直接空調連携制御装置80に送信されるようにしてもよい。
また本実施形態においては、人間の温熱感覚の快適性指標としてPMVを用いたが、これには限定されず、標準有効温度や新有効温度を用いて空調制御を行うようにしてもよい。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるものである。
1…空調制御システム
10…空調機
11…風量センサ
20…給気温度センサ
30…室内温度センサ
40…室内湿度センサ
50…中央熱源装置
51…冷凍機
52…冷却塔
53…送水ポンプ
60…外気温度センサ
70…外気湿度センサ
80…空調連携制御装置
81…オフライン処理部
82…オンライン処理部
90…DDC
811…空調システムモデル記憶部
812…最適化演算部
813…最適運用関数作成部
821…顕熱負荷算出部
822…運用関数演算部
822a…関数取得部
822b…環境値取得部
822c…設定値特定部
822d…設定値送信部

Claims (6)

  1. 空調制御対象の室内空間毎に設置された空調機に接続された空調制御装置において、
    複数条件の外気の環境を示す値と、複数条件の前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す値との組み合わせごとにそれぞれ、所定範囲内の快適性指標値で空調制御の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値を最適化演算で予め算出し、すべての条件における前記設定値を通る関数を、最適運用関数として前記設定値の種類ごとに予め作成する最適運用関数作成部と、
    計測された、外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値を取得する環境値取得部と、
    前記最適運用関数作成部で作成された最適運用関数に基づいて、前記環境値取得部で取得した外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値に対応する前記空調制御のための設定値を特定する設定値特定部と、
    前記設定値特定部で特定された設定値を、前記空調機に設定させるために送出する設定値送出部と、
    を備えることを特徴とする空調制御装置。
  2. 空調制御対象の室内空間毎に設置された空調機と、
    複数条件の外気の環境を示す値と、複数条件の前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す値との組み合わせごとにそれぞれ、所定範囲内の快適性指標値で前記空調制御の所要動力に関する値が最小となるような空調制御のための設定値を最適化演算で予め算出し、すべての条件における前記設定値を通る関数を、最適運用関数として前記設定値の種類ごとに予め作成する最適運用関数作成装置と
    に接続された空調制御装置において、
    計測された、外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値を取得する環境値取得部と、
    前記最適運用関数作成装置で作成された最適運用関数に基づいて、前記環境値取得部で取得した外気の環境を示す計測値および前記空調制御対象の室内空間毎の空調環境を示す計測値に対応する前記空調制御のための設定値を特定する設定値特定部と、
    前記設定値特定部で特定された設定値を、前記空調機に設定させるために送出する設定値送出部と、
    を備えることを特徴とする空調制御装置。
  3. 前記空調制御の所要動力に関する値は、空調制御の所要動力の運転による消費エネルギー値、空調制御の所要動力の運転に要するコスト、または、空調制御の所要動力の運転により発生するCO2量のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空調制御装置。
  4. 前記外気の環境を示す値は、外気温度値および外気湿度値であり、
    前記空調制御対象の室内空間毎のを示す値は、顕熱負荷値であり、
    前記設定値の種類には、空調制御対象の室内の室内温度設定値、室内湿度設定値、または給気温度設定値を少なくとも含む
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の空調制御装置。
  5. 空調制御に利用するために前記空調機に供給する冷温水を生成する中央熱源装置にさらに接続され、
    前記空調制御の所要動力に関する値としてさらに、前記冷温水の温度設定値または前記空調機に供給する流量設定値を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の空調制御装置。
  6. 前記最適運用関数は、スプライン補間方法により作成される
    ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の空調制御装置。
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