JP2011069062A - 多列形ピンシリンダ錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムの解錠位置と施錠位置のそれぞれの位置で操作キーを引き抜くことができる多列形ピンシリンダの提供。
【解決手段】シリンダ本体11内に固定された外筒16とその内側に組込まれた内筒17の双方に半径方向に延びるピン孔22を軸方向に直線状の配置で等間隔に形成し、そのピン孔列をピン孔の位置が軸方向に位置ずれするようにして周方向に間隔をおいて複列に設ける。キー孔26への操作キー60の差し込み、回転による内筒の回転をトルク伝達機構30を介してカム27に伝達し、カムを施錠位置と解錠位置との間で回転させる。トルク伝達機構に回転方向遊びを形成し、カムを施錠位置に位置させた状態および解錠位置に位置させた状態で操作キーの回転操作により内筒に形成されたピン孔が外筒に形成されたピン孔と一致する状態まで内筒をフリー回転させることにより、カムの施錠位置および解錠位置で操作キーを引き抜くことができるようにする。
【選択図】図2

Description

この発明は、扉等の開閉体を施錠する際に用いられる施錠錠としての多列形ピンシリンダに関する。
シリンダ本体内に固定された外筒の内側に内筒を回転自在に設け、その外筒と内筒の双方に半径方向に延びる複数のピン孔を軸方向に直線状の配置でもって等間隔に形成し、各ピン孔内にタンブラピンと、ドライバピンと、その両ピンを半径方向内方に向けて付勢するスプリングを組込み、前記内筒の中心部に形成されたキー孔に対する操作キーの差し込みによってタンブラピンとドライバピンのシャーラインを外筒と内筒の嵌合面に一致させ、その操作キーの回転により内筒を回転して、その内筒に連結された板状の施錠用のカムを施錠位置と解錠位置との間で回転させるようにしたピンシリンダは扉等の開閉体の施錠錠として広く用いられている。
上記のピンシリンダにおいては、ピン孔列が単列とされた単列形ピンシリンダと、ピン孔列が周方向に間隔をおいて設けられた多列形ピンシリンダとが存在する。
ここで、単列形ピンシリンダにおいては、鍵違い数を多くすることができないため、安全性に問題がある。そのため、近年では、安全性を確保するため、マンションのトランクルームにおける扉等の開閉体の施錠錠として、多列形ピンシリンダが多く用いられるようになってきている。
ところで、多列形ピンシリンダにおいては、複列のピン孔列の相互において、ピン孔が軸方向に位置ずれしているため、キー孔に差し込まれた操作キーの回転により内筒を回転して、施・解錠用のカムを解錠位置まで回転させると、内筒のピン孔に残るタンブラピンが外筒の内径面により外方向に移動するのが防止されることになって、カムの解錠状態で操作キーを引き抜くことができない。
そのため、従来では、カムを解錠状態としたのち、そのカムを施錠状態に戻して操作キーを引き抜くようにしており、操作性に問題がある。また、操作キーの引き抜きによってカムは常に施錠状態に保持されるため、開閉体を自由に開閉し得る状態を作り出すことができないという問題がある。
この発明の課題は、扉等の開閉体を施・解錠するカムの解錠位置と施錠位置のそれぞれの位置で操作キーを引き抜くことができるようにした多列形ピンシリンダを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、シリンダ本体と、そのシリンダ本体の内部に嵌合されてシリンダ本体に固定された外筒と、その外筒の内部に嵌合された回転可能な内筒を有し、前記外筒と内筒の双方に半径方向に延びるピン孔を軸方向に直線状の配置でもって等間隔に形成し、かつ、そのピン孔列を、ピン孔の位置が軸方向に位置ずれするようにして周方向に間隔をおいて複列に設け、各ピン孔内にタンブラピンと、ドライバピンと、その両ピンを半径方向内方に向けて付勢するスプリングを組込み、前記内筒に形成されたキー孔に対する操作キーの差し込みによりタンブラピンとドライバピンのシャーラインを外筒と内筒の嵌合面に一致させ、その操作キーの回転により内筒を回転して、その内筒に連結された板状の施錠用カムを施錠位置と解錠位置との間で回転させるようにした多列形ピンシリンダにおいて、前記シリンダ本体の後端部内に、前記操作キーと一体に回転する内筒の回転をカムに伝達するトルク伝達機構を組込み、そのトルク伝達機構に回転方向遊びを設け、その回転方向遊びを前記カムの施錠位置と解錠位置の回転角に相当する大きさとした構成を採用したのである。
上記の構成からなる多列形ピンシリンダにおいて、キー孔に操作キーを差し込むと、ピン孔に組込まれたタンブラピンとドライバピンのシャーラインが外筒と内筒の嵌合面に一致するため、内筒は自由に回転し得る状態となる。
そこで、操作キーを施錠方向に回転すると、その操作キーと一体に回転する内筒の回転がトルク伝達機構を介してカムに伝達され、カムが施錠位置に向けて回転する。
カムの施錠状態において、操作キーを解錠位置に向けて回転させると、内筒が操作キーと共に同方向に回転する。このとき、トルク伝達機構には回転方向遊びが設けられているため、内筒の回転はカムに伝達されず、カムは施錠状態に保持される。
操作キーを解錠位置まで回転させると、内筒はピン孔が外筒のピン孔に一致する施・解錠位置に戻る。このとき、内筒のピン孔内に配置されたタンブラピンは外筒のピン孔に向けて移動し得る状態となるため、カムの施錠状態においてキー孔から操作キーを引き抜くことができる。
一方、カムの施錠状態において、キー孔に操作キーを差し込むと、上記と同様に、ピン孔に組込まれたタンブラピンとドライバピンのシャーラインが外筒と内筒の嵌合面に一致するため、内筒は自由に回転し得る状態となる。
そこで、操作キーを解錠方向に回転すると、その操作キーと一体に回転する内筒の回転がトルク伝達機構を介してカムに伝達され、カムが解錠位置に向けて回転する。
カムの解錠状態において、操作キーを施錠位置に向けて回転させると、内筒が操作キーと共に同方向に回転する。このとき、トルク伝達機構には回転方向遊びが設けられているため、内筒の回転はカムに伝達されず、カムは解錠状態に保持される。
操作キーを施錠位置まで回転させると、内筒はピン孔が外筒のピン孔に一致する施・解錠位置に戻る。このとき、内筒のピン孔内に配置されたタンブラピンは外筒のピン孔に向けて移動し得る状態となるため、カムの解錠状態においてキー孔から操作キーを引き抜くことができる。
このように、カムの施錠位置および解錠位置のいずれの位置においても、操作キーを引き抜くことができ、上記カムの解錠位置において操作キーを引き抜くことによって、開閉体を自由に開閉させることができる。
ここで、内筒の回転をカムに伝達するトルク伝達機構として、シリンダ本体の後端部内に、前記カムに後端部が連結されたピンホルダと、そのピンホルダの先端面に固定された環状板とを回転自在に組込み、前記ピンホルダの先端面中央には前記環状板の中心孔とほぼ同径の軸方向孔と、その軸方向孔の開口端に連通する扇形状の切欠部とを設け、前記環状板には、前記切欠部の周方向両端部と対向する位置のそれぞれに一対のピン挿入孔を設け、前記ピンホルダの軸方向孔内には、キー孔に対する操作キーの差し込みにより押し込まれて後退動するスライド可能なトルク伝達軸と、そのトルク伝達軸を内筒に向けて付勢するスプリングとを組込み、そのトルク伝達軸には、前記内筒の後端面に形成された径方向溝内にスライド自在に嵌合された第1トルク伝達ピンと、前記一対のピン挿入孔の一方に嵌合され、前記トルク伝達軸の後退により、そのピン挿入孔から抜け出して前記切欠部内に進入する第2トルク伝達ピンとを設け、その第2トルク伝達ピンと切欠部の周方向で対向する端面間に前記カムの施錠位置から解錠位置に至る回転角に等しい大きさの回転方向遊びを設けた構成からなるものを採用することができる。
上記のように、この発明に係る多列形ピンシリンダにおいては、内筒の回転をカムに伝達するトルク伝達機構にカムの施錠位置から解錠位置に至る回転角に等しい大きさの回転方向遊びを設けたことにより、施・解錠用のカムを施錠位置に位置させた状態および解錠位置に位置させた状態でキー孔に挿入された操作キーの回転操作によって、内筒に形成されたピン孔が外筒に形成されたピン孔と一致する施・解錠位置まで内筒を回転させることができ、カムの施錠位置および解錠位置のそれぞれの位置で操作キーを引き抜くことができる。
この発明に係る多列形ピンシリンダの実施の形態を示す横断平面図 図1に示す多列形ピンシリンダのキー孔内に操作キーを差し込んだ状態の横断平面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 図2のV−V線に沿った断面図 図1に示す多列形ピンシリンダの分解斜視図 (a)乃至(c)は、施錠状態のカムを解錠位置に回動させた後に内筒のみを施・解錠位置に戻す操作を段階的に示す断面図 (d)乃至(f)は、解錠状態のカムを施錠位置に回動させた後に内筒のみを施・解錠位置に戻す操作を段階的に示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、開口枠1の開口2を開閉する開閉体3の戸先側端部には、その開閉体3を施錠する多列形ピンシリンダ10が取付けられている。
多列形ピンシリンダ10は、シリンダ本体11を有している。シリンダ本体11は、一端部にフランジ12が設けられている。また、図6に示すように、シリンダ本体11の外周対向位置には平坦面13が形成され、さらに、一端部の外周には雄ねじ14が形成されている。
図1に示すように、シリンダ本体11は、開閉体3の前面側から、その開閉体3の戸先側端部に形成された前後に貫通する角形のシリンダ取付孔4内に挿入され、雄ねじ14にねじ係合した締付けナット15の締付けによって開閉体3に固定されている。
シリンダ本体11内には外筒16が嵌合され、その外筒16の内部に内筒17が嵌合されている。
外筒16およびシリンダ本体11には半径方向に延びるピン孔18が形成され、そのピン孔18に圧入されたノックピン19により、外筒16はシリンダ本体11に固定されている。
内筒17は、外筒16に対して回転自在に支持され、その先端部には外筒16の先端面に衝合される外向きフランジ20が形成されている。また、内筒17の上記外筒16の後端面から外方に突出する後端部の外周に止め輪21が取付けられ、その止め輪21と外向きフランジ20によって内筒17は抜止めされている。
外筒16と内筒17には半径方向に延びる複数のピン孔22が軸方向に直線状の配置でもって等間隔に形成され、その直線状に並ぶピン孔列が周方向に間隔をおいて複列に形成されている。その複列のピン孔列の相互において、ピン孔22は軸方向に位置がずれている。図1では、ピン孔22の軸方向への位置のずれを半ピッチとしている。
ピン孔22のそれぞれの内部には、内径側から順にタンブラピン23と、ドライバピン24と、スプリング25とが組込まれ、上記スプリング25によって、タンブラピン23およびドライバピン24は内筒17の中心軸上に形成されたキー孔26に向けて付勢されている。
図2に示すように、タンブラピン23とドライバピン24の衝合面であるシャーラインは、キー孔26内に操作キー60を差し込むことによって外筒16と内筒17の嵌合面に一致する。その状態において、操作キー60を回転させると、その操作キー60と一体になって内筒17が回転し、その回転はシリンダ本体11の後端部内に組込まれたトルク伝達機構30を介して施・解錠用の板状のカム27に伝達される。
カム27は、シリンダ本体11の後端面より外方に位置する配置とされて、内筒17の軸心を中心にして回転自在とされている。このカム27は、図5の実線で示す水平方向に延びる位置が施錠位置とされ、その施錠位置において、図1に示すように、先端部が開口枠1の縦枠内面と対向し、開閉体3の開放を阻止するようになっている。
また、カム27は、図5の鎖線で示す上向きに延びる垂直位置が解錠位置とされ、その解錠位置において、揺動中心側の端部外周に形成された突片28がシリンダ本体11の後端面の下部に設けられたストッパ片29に当接し、その当接によってカム27は解錠位置に保持される。
図2に示すように、トルク伝達機構30は、ピンホルダ31を有している。このピンホルダ31は大径筒部32の後端に小径筒部33を設け、その小径筒部33の後端に角軸部34を設けた構成とされ、上記大径筒部32がシリンダ本体11の後端部内周に取付けた一対の止め輪35間に配置されて、シリンダ本体11の内径面により回転自在に支持されている。
角軸部34は、カム27に形成された角孔36内に嵌合され、その角軸部34の端面に衝合された円盤状のカム押え37を貫通して上記角軸部34にねじ込まれたビス38の締め付けによりカム27にピンホルダ31が固定されている。
図2および図4に示すように、大径筒部32には、外周面から半径方向に延びる一対の横孔39が周方向に180°の間隔をおいて設けられ、その横孔39内のボール40と、そのボール40を径方向外方に向けて付勢するスプリング41とが組込まれている。
一方、シリンダ本体11の後端部の内周には、軸方向に延びる断面円弧状の係合溝42が周方向に90°の間隔をおいて形成され、その係合溝42に対するボール41の係合によってカム27は、施錠位置と解錠位置の両位置において仮止めされるようになっている。
図2および図3に示すように、ピンホルダ31には、先端面の中央から軸方向に延びる軸方向孔43と、その軸方向孔43の開口端部に連通する一対の対向配置の扇形状の切欠部44とが形成されており、上記軸方向孔43は、ピンホルダ31の先端面に固定された環状板45の中心孔46と略同径とされている。
図2および図6に示すように、環状板45には、中心孔46の内径面から半径方向に延びる4本のピン挿入孔47が90°の間隔をおいて形成されている。
図2に示すように、ピンホルダ31の軸方向孔43およびこれに連通する環状板45の中心孔46内にはトルク伝達軸48の後端部がスライド自在に支持されている。
トルク伝達軸48は、先端部に小径軸部49を有し、その小径軸部49の先端部が内筒17のキー孔26内においてスライド自在とされている。
トルク伝達軸48には、小径軸部49を半径方向に貫通するようにして第1トルク伝達ピン51が設けられ、また、その小径軸部49の後端に連続する大径軸部を半径方向に貫通するようにして第2トルク伝達ピン52が設けられている。
トルク伝達軸48は、図1に示すように、軸方向孔43の閉塞端部内に組込まれたスプリング53によって内筒17に向けて付勢され、その付勢状態において、第1トルク伝達ピン51は内筒17の後端面に形成された径方向溝54内にスライド自在に配置されて、その径方向溝54の閉塞端に当接している。一方、第2トルク伝達ピン52は、環状板45のピン挿入孔47内に配置されている。
また、トルク伝達軸48は、内筒17のキー孔26に対する操作キー60の差し込みによって押し込まれて後退する。その後退により第2トルク伝達ピン52はピン挿入孔47を抜け出して、図2および図3に示すように、切欠部44内に進入するようになっている。
第2トルク伝達ピン52が切欠部44内に位置する状態で、上記切欠部44の周方向で対向する両端面と第2トルク伝達ピン52との間に回転方向遊びが設けられている。図3のδは回転方向遊び量を示し、その回転方向遊び量δはカム27の施錠位置から解錠位置に至るまでの回転角に等しい大きさとされている。
実施の形態で示す多列形ピンシリンダ10は上記の構造からなり、図1は、カム27が開閉体3を施錠している状態を示す。また、多列形ピンシリンダ10は、ドライバピン24が外筒16側のピン孔22と内筒17側のピン孔22に跨る位置に配置された施錠状態を示している。このとき、トルク伝達軸48の第1トルク伝達ピン51は、内筒17の径方向溝54の閉塞端面に当接しており、第2トルク伝達ピン52は環状板45のピン挿入孔47内に位置している。
開閉体3の解錠に際しては、内筒17のキー孔26内に操作キー60を挿入して、その操作キー60を解錠方向に回転する。
いま、内筒17のキー孔26内に操作キー60を差し込むと、図2に示すように、タンブラピン23とドライバピン24のシャーラインが外筒16と内筒17の嵌合面に一致し、内筒17は回転し得る状態となる。
また、操作キー60の差し込みによりトルク伝達軸48が押し込まれて後退動し、トルク伝達軸48の第2トルク伝達ピン52が環状板45のピン挿入孔47を抜け出してピンホルダ31の切欠部44内に進入する。このとき、第1トルク伝達ピン51は径方向溝54内でスライドするのみであり、その径方向溝54から抜け出すようなことはない。
図7(a)は、ピンホルダ31の切欠部44内に第2トルク伝達ピン52が進入した状態を示し、その状態から操作キー60を解錠位置に向けて回転すると、その操作キー60と共に内筒17が同方向に回転する。
また、内筒17の回転は、径方向溝54内に嵌合された第1トルク伝達ピン51を介してトルク伝達軸48に伝達され、そのトルク伝達軸48が図7(a)の矢印で示す方向に回転する。
このとき、トルク伝達軸48の第2トルク伝達ピン52が切欠部44の周方向で対向する一端面を押圧するため、ピンホルダ31が内筒17と同方向に回転し、そのピンホルダ31が固定されたカム27が解錠位置に向けて回動する。
図7(b)は、カム27を解錠位置まで回転させた状態を示し、開閉体3は開放し得る状態となる。このとき、内筒17側のピン孔22内に残るタンブラピン23は外筒16の内径面と対向するため、径方向外方に向けて移動することはできず、操作キー60を引き抜くことはできない。
操作キー60の引抜きに際しては、図7(b)に示す状態から操作キー60を解錠位置に向けて回転させる。このとき、第2トルク伝達ピン52と切欠部44の端面間に回転方向遊びがあり、その回転方向遊びに沿って第2トルク伝達ピン52が回転するため、操作キー60と一体に回転する内筒17の回転はカム27に伝達されず、カム27は解錠状態に保持され、内筒17のみがフリー回転する。
図7(c)は、操作キーを施錠位置まで回転させた状態を示し、内筒17は、図2に示すように、ピン孔22が外筒16側のピン孔22に一致する施・解錠位置に戻る。このとき、内筒17側のピン孔22内に配置されたタンブラピン23は外筒16側のピン孔22に向けて移動し得る状態となるため、カム27の解錠状態においてキー孔26から操作キー60を引き抜くことができる。
操作キー60を引き抜くと、スプリング53の押圧によりトルク伝達軸48が内筒17に向けて移動する。このとき、切欠部44の端部に環状板45のピン挿入孔47が対向しているため、第2トルク伝達ピン52は切欠部44を抜け出して、図1に示すように、環状板45のピン挿入孔47内に進入する。第1トルク伝達ピン51が径方向溝54の閉塞端面に当接すると、トルク伝達軸48が停止する。
開閉体3の施錠に際しては、前記と同様に、内筒17のキー孔26内に操作キー60を挿入して、その操作キー60を施錠方向に回転する。
内筒17のキー孔26内に操作キー60を差し込むと、図2に示すように、タンブラピン23とドライバピン24のシャーラインが外筒16と内筒17の嵌合面に一致し、内筒17は回転し得る状態となる。
また、操作キー60の差し込みによりトルク伝達軸48が押し込まれて後退動し、トルク伝達軸48の第2トルク伝達ピン52が環状板45のピン挿入孔47を抜け出してピンホルダ31の切欠部44内に進入する。このとき、第1トルク伝達ピン51は径方向溝54内でスライドするのみであって、その径方向溝54から抜け出すようなことはない。
図8(d)は、ピンホルダ31の切欠部44内に第2トルク伝達ピン52が進入した状態を示し、その状態から操作キー60を施錠位置に向けて回転すると、その操作キー60と共に内筒17が同方向に回転する。
また、内筒17の回転は、径方向溝54内に嵌合された第1トルク伝達ピン51を介してトルク伝達軸48に伝達され、そのトルク伝達軸48が図8(d)の矢印で示す方向に回転する。
このとき、トルク伝達軸48の第2トルク伝達ピン52が切欠部44の周方向で対向する他端面を押圧するため、ピンホルダ31が内筒17と同方向に回転し、そのピンホルダ31が固定されたカム27が施錠位置に向けて回動する。
図8(e)は、カム27を施錠位置まで回転させた状態を示し、開閉体3は施錠状態となる。このとき、内筒17側のピン孔22内に残るタンブラピン23は外筒16の内径面と対向するため、径方向外方に向けて移動することはできず、操作キー60を引き抜くことはできない。
操作キー60の引抜きに際しては、図8(e)に示す状態から操作キー60を解錠位置に向けて回転させる。このとき、第2トルク伝達ピン52と切欠部44の端面間に回転方向遊びがあり、その回転方向遊びに沿って第2トルク伝達ピン52が回転するため、操作キー60と一体に回転する内筒17の回転はカム27に伝達されず、カム27は施錠状態に保持され、内筒17のみがフリー回転する。
図8(f)は、操作キーを解錠位置まで回転させた状態を示し、内筒17は、図2に示すように、ピン孔22が外筒16側のピン孔22に一致する施・解錠位置に戻る。このとき、内筒17側のピン孔22内に配置されたタンブラピン23は外筒16側のピン孔22に向けて移動し得る状態となるため、カム27の施錠状態においてキー孔26から操作キーを引き抜くことができる。
操作キー60を引き抜くと、スプリング53の押圧によりトルク伝達軸48が内筒17に向けて移動する。このとき、切欠部44の端部に環状板45のピン挿入孔47が対向しているため、第2トルク伝達ピン52は切欠部44を抜け出して、図1に示すように、環状板45のピン挿入孔47内に進入する。第1トルク伝達ピン51が径方向溝54の閉塞端面に当接すると、トルク伝達軸48が停止する。
上記のように、実施の形態で示す多列形ピンシリンダにおいては、施・解錠用のカム27を施錠位置に位置させた状態および解錠位置に位置させた状態でキー孔26に挿入された操作キー60の回転操作によって、内筒17に形成されたピン孔22が外筒16に形成されたピン孔22と一致する状態まで内筒17をフリー回転させることができるため、カム27の施錠位置および解錠位置のそれぞれの位置で操作キー60を引き抜くことができる。
11 シリンダ本体
16 外筒
17 内筒
22 ピン孔
23 タンブラピン
24 ドライバピン
25 スプリング
26 キー孔
30 トルク伝達機構
31 ピンホルダ
43 軸方向孔
44 切欠部
45 環状板
46 中心孔
47 ピン挿入孔
48 トルク伝達軸
51 第1トルク伝達ピン
52 第2トルク伝達ピン
53 スプリング
54 径方向溝
60 操作キー

Claims (2)

  1. シリンダ本体と、そのシリンダ本体の内部に嵌合されてシリンダ本体に固定された外筒と、その外筒の内部に嵌合された回転可能な内筒を有し、前記外筒と内筒の双方に半径方向に延びるピン孔を軸方向に直線状の配置でもって等間隔に形成し、かつ、そのピン孔列を、ピン孔の位置が軸方向に位置ずれするようにして周方向に間隔をおいて複列に設け、各ピン孔内にタンブラピンと、ドライバピンと、その両ピンを半径方向内方に向けて付勢するスプリングを組込み、前記内筒に形成されたキー孔に対する操作キーの差し込みによりタンブラピンとドライバピンのシャーラインを外筒と内筒の嵌合面に一致させ、その操作キーの回転により内筒を回転して、その内筒に連結された板状の施錠用カムを施錠位置と解錠位置との間で回転させるようにした多列形ピンシリンダにおいて、
    前記シリンダ本体の後端部内に、前記操作キーと一体に回転する内筒の回転をカムに伝達するトルク伝達機構を組込み、そのトルク伝達機構に回転方向遊びを設け、その回転方向遊びを前記カムの施錠位置と解錠位置の回転角に相当する大きさとしたことを特徴とする多列形ピンシリンダ。
  2. 前記トルク伝達機構が、前記シリンダ本体の後端部内に、前記カムに後端部が連結されたピンホルダと、そのピンホルダの先端面に固定された環状板とを回転自在に組込み、前記ピンホルダの先端面中央には前記環状板の中心孔とほぼ同径の軸方向孔と、その軸方向孔の開口端に連通する扇形状の切欠部とを設け、前記環状板には、前記切欠部の周方向両端部と対向する位置のそれぞれに一対のピン挿入孔を設け、前記ピンホルダの軸方向孔内には、キー孔に対する操作キーの差し込みにより押し込まれて後退動するスライド可能なトルク伝達軸と、そのトルク伝達軸を内筒に向けて付勢するスプリングとを組込み、そのトルク伝達軸には、前記内筒の後端面に形成された径方向溝内にスライド自在に嵌合された第1トルク伝達ピンと、前記一対のピン挿入孔の一方に嵌合され、前記トルク伝達軸の後退により、そのピン挿入孔から抜け出して前記切欠部内に進入する第2トルク伝達ピンとを設け、その第2トルク伝達ピンと切欠部の周方向で対向する端面間に前記カムの施錠位置から解錠位置に至る回転角に等しい大きさの回転方向遊びを設けた構成からなる請求項1に記載の多列形ピンシリンダ。
JP2009219086A 2009-09-24 2009-09-24 多列形ピンシリンダ錠 Active JP5455209B2 (ja)

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