JP2011069581A - 空調システム、その制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱源ユニットの冗長化構成において、構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図る。
【解決手段】各冷却ユニット1に冷媒を供給する冷媒供給管6と、各冷却ユニット1から冷媒が戻される冷媒戻り管5との間に、正回路と冗長回路を並列に設ける。正回路は正熱源ユニット2と各流量調整弁V2,V4等から成る。冗長回路は冗長熱源ユニット3と各流量調整弁V1,V5,V7等から成る。コントローラ4の制御により、通常時は、流量調整弁V2,V4を“開”、流量調整弁V1,V5,V7を“閉”とすることで、正回路により冷却ユニット1に対する冷媒の供給を行う。そして、正熱源ユニット2に故障が生じた場合、各流量調整弁の開閉切換え制御を行って、冗長回路による冷媒供給状態へと切換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
例えばデータセンター等のサーバルームの室内温度が所定の温度範囲内になるように管理制御する空調システム(エアコン)が知られている。空調システムは、一般的に、配管等を介して冷媒が供給されており、この冷媒によって空気を冷却してファン等によって室内に送風する冷却ユニットと、この冷却ユニットに対して上記冷媒を供給する為の熱源ユニットとから成る。
上記冷却ユニットに供給された冷媒は、空気を冷却することで温度上昇し(ここでは温冷媒と呼ぶ)、この温冷媒は戻り用配管を介して熱源ユニットに戻されて、熱源ユニットによって冷却されて再び冷却ユニットへと供給される。通常の熱源ユニットの構成は熱源ユニット1台に対し、冷却ユニットは必要台数(例えば10台)で構成される。通常、この様な複数台の冷却ユニットは、例えば、サーバルーム内の各所に設置され、熱源ユニットはサーバルームの外である、例えば、機械室等に設置される。
ここで、上記データセンター等のサーバルームには、当然、多数のコンピュータ装置(サーバ等)が設置されており、サーバから出る熱によってサーバがダウンする等という事態を防ぐ為に、空調システムによって冷却を行っている。よって、もし空調システムの故障(特に、その熱源ユニット)があった場合、サーバがダウンする危険性が高まり、早急に対応する必要がある。よって、空調システム(特にその熱源ユニット)が故障等した場合に備えた代替手段が必要となる。その為に、例えば熱源ユニットを用いた冷却システムを2系統設ける冗長構成で、冗長運転することが考えられている。
従来、冷媒を扱う熱源ユニットで上述した冗長運転を行うには、例えば、それぞれが熱源ユニットと各冷却ユニットへの配管を有する冷却システムを2系統持って、何れか一方の系統を用いて運用を行い、異常発生時に他方の系統へと切換る等の手法が知られている。あるいは、上記2系統をそれぞれ50%で運転し、どちらかに異常が発生した場合に正常系が100%運転を行って、冷却を確保していた。
また、特許文献1の従来技術がある。
特許文献1の発明は、電子機器に搭載される高発熱体の冷却装置に係わるものであり、サーバルーム等の室内温度を管理制御する空調システムとは異なる技術分野のものであるが、例えばその図4にポンプの二重構成が開示されている。
そして、例えばその段落0048に開示されているように、これらポンプの一方は小容量の冷媒供給用であり、他方は大容量の冷媒供給用である。また、両方のポンプを動作させることで、冷却性能を向上させることも開示されている。
特開2007−294655号公報
上述した「それぞれが熱源ユニットと各冷却ユニットへの配管を有する冷却システムを
2系統有する」という従来技術の場合、2系統を構築するが故に、設置時の初期投資が大きな負担となっていた。
また、特許文献1の発明では、ポンプの二重化が開示されているだけであり、冷却用の構成(放熱部等)が二重化されているわけではない。よって、冷却用の構成が故障した場合には対応できない。また、ポンプ二重化に関しても、ポンプの一方のみを用いて運用を行って、これが故障したら他方のポンプに切換えるという発想は、引用文献1の発明には無い。
本発明の課題は、1つの系統上に2台の熱源ユニットを設けて、何れか一方の熱源ユニットを用いて運用し、この熱源ユニットが故障した場合には他方の熱源ユニットに切換える構成とすることで、あるいはそれぞれが熱源ユニットを有する複数の系統に対して1台の予備用熱源ユニットを設けて、何れかの系統の熱源ユニットが故障した場合には、予備用熱源ユニットによる運用に切換える構成とすることで、システム構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができ、あるいは更に熱源ユニット切換えを安全・スムーズに行えるようにできる空調システム、その制御装置等を提供することである。
本発明による第1の空調システムは、供給される冷媒により空調対象空間の冷却を行う1又は複数の冷却ユニットと、前記冷却ユニットに冷媒を供給する為の冷媒供給管と、各冷却ユニットから冷媒を戻す為の冷媒戻り管と、該冷媒供給管及び該冷媒戻り管にそれぞれ開閉弁を介して接続する2台の熱源ユニットと、前記開閉弁の開閉制御を行うことで、前記2台の熱源ユニットの何れか一方を前記冷媒供給管及び該冷媒戻り管に接続状態にして稼動ユニットとし、他方を非接続状態にして待機ユニットとし、該稼動ユニットによって前記冷却ユニットへの冷媒供給を行わせ、該稼動ユニットに故障が発生した場合、前記開閉弁の開閉切換え制御を行うことで、前記待機ユニットを前記冷媒供給管及び前記冷媒戻り管に接続状態にして新たな稼動ユニットとする制御装置とを有する。
また、本発明による第2の空調システムは、供給される冷媒により空調対象空間の冷却を行う1又は複数の冷却ユニットと、前記冷却ユニットに冷媒を供給する為の冷媒供給管と、各冷却ユニットから冷媒を戻す為の冷媒戻り管と、該冷媒供給管及び冷媒戻り管に開閉弁を介して接続する熱源ユニットとから成る空調システムを1系統とし、複数の系統から成る空調システムであって、前記複数の系統に共通の冗長回路を設け、該冗長回路は、冗長ユニットとしての1台の熱源ユニットと、その一端が前記冗長ユニットに接続すると共に、その他端が分岐して前記複数の系統それぞれの冷媒供給管に開閉弁を介して接続した冗長供給管と、その一端が前記冗長ユニットに接続すると共に、その他端が分岐して前記複数の系統それぞれの冷媒戻り管に開閉弁を介して接続した冗長戻り管と、前記複数の系統の何れかの系統の熱源ユニットに故障が発生した場合、該故障系統に係わる前記各開閉弁の開閉切換え制御を行うことで、前記冗長ユニットを該故障系統における新たな熱源ユニットとする制御装置とを有する。
上記第2の空調システムは、複数系統に対して共通の冗長ユニットを設けている。これに対して、上記第1の空調システムは、1つの系統毎に冗長ユニットを設けた構成と言える。
本発明の空調システム、その制御装置等によれば、1つの系統上に2台の熱源ユニットを設けて、何れか一方の熱源ユニットを用いて運用し、この熱源ユニットが故障した場合には他方の熱源ユニットに切換える構成とすることで、システム構成の簡略化を実現し、
設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。
あるいは、それぞれが熱源ユニットを有する複数の系統に対して1台の予備用熱源ユニットを設けて、何れかの系統の熱源ユニットが故障した場合には、予備用熱源ユニットによる運用に切換える構成とすることで、システム構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。
更に熱源ユニット切換えを安全・スムーズに行えるようにできる。
実施例1の空調システムの構成図(正常運転時)である。 実施例1の空調システムの構成図(冗長運転時)である。 実施例1の空調システムの構成図(復帰前)である。 熱源ユニットの概略構成図である。 実施例1の空調システムの配管構成の一例を示す図である。 実施例2の空調システムの構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1、図2、図3は何れも、実施例1に係わる本例の空調システムの構成図である。
但し、図1、図2、図3は、各種開閉バルブの開閉状態やそれによる冷媒の流れに関しては異なるものである。すなわち、図1は通常時の運転状態を示し、図2は異常発生後の冗長構成による運転状態を示し、図3は異常から復帰する前の状態を示している。
まず、図1を参照して、実施例1の空調システムの構成について説明する。上記の通り、構成自体は、図2、図3も同じであるので、この説明は図2、図3にも共通の説明となる。
尚、従来技術で述べた通り、本例の空調システムによる制御対象は、データセンター、電算機室等のサーバルームの室内温度である。そして、本手法は、熱源ユニットの故障時に対応するものであり、例えば室内に設置されている多数のサーバから出る熱等によってサーバ等がダウンしないようにする為のものである。
また尚、本例の空調システム(その冷却ユニット)による空調対象空間は、本説明ではサーバルームとするが、この例に限らない。クリーンルーム等であってもよい。但し、サーバルームのように大型コンピュータが設置され、それ自体が高温の発熱源となって、温度上昇し易く且つそれによってコンピュータに異常が生じるような空間が空調対象空間である場合に、本手法は特に顕著な効果を奏するものである。
図1等に示す本例の空調システムの基本的な構成・動作は、概略的には以下の通りである。
すなわち、各冷却ユニット1に冷媒を供給する冷媒供給管6と、各冷却ユニット1から冷媒が戻される冷媒戻り管5との間に、正回路と冗長回路を並列に設ける。正回路は正熱源ユニット2と各流量調整弁V2,V4等から成る。冗長回路は冗長熱源ユニット3と各
流量調整弁V1,V5,V7等から成る。
コントローラ4の制御により、通常時は、流量調整弁V2,V4を“開”、流量調整弁V1,V5,V7を“閉”とすることで、正回路により冷却ユニット1に対する冷媒の供給を行う。そして、正熱源ユニット2に故障が生じた場合、各流量調整弁の開閉切換え制御を行って、冗長回路(冗長熱源ユニット3)によって冷却ユニット1に対する冷媒の供給を行う状態へと切換える。つまり、この場合、流量調整弁V2,V4を“閉”、流量調整弁V1,V5,V7を“開”へと切換える。
また、この切換えを安全・スムーズに行う為に、図示の自己循環回路A,Bを設けるようにしてもよい。通常時は、正熱源ユニット2だけでなく冗長熱源ユニット3も動作状態とし、自己循環回路Bにより冷媒を自己循環させる。そして、コントローラ4によって、冗長熱源ユニット3から送出される冷媒の温度T2と吐出圧力P2を、正熱源ユニット2から送出される冷媒の温度T1と吐出圧力P1と略同一になるように制御される。自己循環回路Aに関しても略同様の制御が行われる。詳しくは後述する。
ここで、上記コントローラ4及び後述するコントローラ4’は、例えばマイコン/CPU/MPU等の演算処理ユニットと、メモリと、各流量調整弁(図1に示すV1〜V7等)や後述する電動弁M1,M2、冷水弁24に対して開閉制御信号や弁開度指示信号等を送信する為の出力インタフェースと、後述する各種温度センサ/圧力センサ(T1,T2,P1,P2等)からセンサ計測値を入力する為の入力インタフェースを有する。
上記コントローラ4、コントローラ4’内の上記メモリには、予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されており、上記演算処理ユニットがこのアプリケーションプログラムを読出し・実行することにより、後述する各種制御処理を実現する。例えば、各流量調整弁の開閉切換え制御や、電動弁M1,M2、冷水弁24の弁開度制御を含む後述する冷媒の温度、吐出圧力の調整制御等を実現する。
尚、コントローラ4、コントローラ4’は、従来と同様の制御、すなわち正熱源ユニット2に対する各種既存の制御も行っているが、これについては特に説明しない。尚、冗長熱源ユニット3を用いて運用しているときには、冗長熱源ユニット3に対して、正熱源ユニット2に対する各種既存の制御と同様の制御を行う。
上記構成の空調システムによれば、熱源ユニットの冗長化構成において、構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。更に、自己循環回路を用いた構成によれば、正回路と冗長回路との切換えを、安全・スムーズに行うことができる。
以上、まず概略的に説明したが、以下、詳細に説明する。
図1において、冷却ユニット1は、既に従来で説明した通り、配管等を介して供給される冷媒によって空気を冷却して、この冷気をファン等によって室内(サーバルーム内等)に送風するものであり、ここでは特に説明しない。
また、本例では熱源ユニットを2つ設けるが(正熱源ユニット2、冗長熱源ユニット3)、これら熱源ユニットの構成・機能自体は、従来と同じであってよく、また2つとも同じ構成・機能であってよく、ここでは特に詳細には説明しない。但し、図4に、熱源ユニットの概略構成を示しており、図示のように、熱源ユニット2,3は、凝縮器21、ポンプ22等を有しており、後に説明する。
また、ここでは、通常運転時は正熱源ユニット2を使用し、正熱源ユニット2に故障が
発生した場合には、冗長熱源ユニット3使用に切換えるものとする。これは、換言すれば、通常運転時には、正熱源ユニット2を稼動ユニット、冗長熱源ユニット3を待機ユニットとし、正熱源ユニット2が故障した場合には冗長熱源ユニット3を新たな稼動ユニットとする(稼動ユニットの切換え)ものと言える。そして、故障した正熱源ユニット2の修理(または交換)が完了したら、再び正熱源ユニット2を稼動ユニットに戻すものとなる。
図1に示す空調システムは、上記の通り、冷媒供給管6と、冷媒戻り管5と、並列に設けられた正回路、冗長回路とから成る、1系統のシステムである。
冷媒供給管6は、熱源ユニットから圧送される冷媒を、各冷却ユニット1に冷媒を供給する為の配管である。本例では、正熱源ユニット2、冗長熱源ユニット3の何れか一方から(通常時は正熱源ユニット2から)冷媒が各冷却ユニット1に供給されることになる。
冷媒戻り管5は、各冷却ユニット1から戻される冷媒(上記供給冷媒が冷却ユニット1のおける空気冷却により温度上昇したものであり、ここでは“温冷媒”と表記するものとする)を、熱源ユニットに戻す為の配管である。本例では通常時は、温冷媒は、正熱源ユニット2に戻されることになる。
そして、これら冷媒供給管6と冷媒戻り管5との間に、上述した正回路と冗長回路を並列に設けた構成となっている。換言すれば、2つの熱源ユニット(正熱源ユニット2、冗長熱源ユニット3)を並列に設けた構成となっている。
そして、冷媒戻り管5の一端が途中で2つに分岐して、それぞれ、正回路、冗長回路に接続している。冷媒供給管6も同様に、その一端が2つに分岐しており、それぞれ、正回路、冗長回路に接続している。これについて、以下、詳しく説明する。
まず、冷媒戻り管5は、その一端が2つに分岐しており(図示の分岐点αで分岐)、分岐した一方を正冷媒戻り管11、他方を冗長冷媒戻り管7と記すものとする。尚、正冷媒戻り管11、冗長冷媒戻り管7は、冷媒戻り管5の一部と考えてよい(説明の都合上、別名称、別参照符号で示しているものである)。また、これも説明の都合上、以降の説明では、冷媒戻り管5において正冷媒戻り管11と冗長冷媒戻り管7以外の部分を、冷媒戻り管本体5’と記す場合がある。
正冷媒戻り管11は、正熱源ユニット2(その凝縮器21)に接続しており、その途中(例えば分岐直後)に流量調整弁V4が設けられている。流量調整弁V4が“開”のときには、温冷媒が正熱源ユニット2(その凝縮器21)に流入することになる。
冗長冷媒戻り管7は、冗長熱源ユニット3(その凝縮器21)に接続しており、その途中(例えば分岐直後)に流量調整弁V5が設けられている。流量調整弁V5が“開”のときには、温冷媒が冗長熱源ユニット3(その凝縮器21)に流入することになる。
また、冷媒供給管6も、その一端が2つに分岐しており(図示の分岐点βで分岐)、分岐した一方を正冷媒供給管12、他方を冗長冷媒供給管8と記すものとする。尚、上記冷媒戻り管5の場合と同様に、正冷媒供給管12、他方を冗長冷媒供給管8は、冷媒供給管6の一部と考えてよい(説明の都合上、別名称、別参照符号で示しているものである)。また、これも説明の都合上、以降の説明では、冷媒供給管6において正冷媒供給管12と冗長冷媒供給管8以外の部分を、冷媒供給管本体6’と記す場合がある。
また、尚、冷媒供給管6は、その他端も分岐しており、分岐した配管がそれぞれ各冷却ユニット1に接続している。
尚、上記分岐点βは、冷媒の流れから言えば合流点とも言えるので、以降、合流点βと記すものとする。
正冷媒供給管12は、正熱源ユニット2(そのポンプ22)に接続しており、その途中(例えば合流点βの直前)に流量調整弁V2が設けられている。流量調整弁V2が“開”のときには、正熱源ユニット2(そのポンプ22)から圧送される冷媒が、冷媒供給管本体6’を介して、各冷却ユニット1に供給されることになる。
冗長冷媒供給管8は、冗長熱源ユニット3(そのポンプ22)に接続しており、その一端(例えば合流点βの直前)に流量調整弁V1が設けられており、その他端(例えば冗長熱源ユニット3の近く)に流量調整弁V7が設けられている。流量調整弁V1,V7が“開”のときには、冗長熱源ユニット3(そのポンプ22)から圧送される冷媒が、冷媒供給管本体6’を介して、各冷却ユニット1に供給されることになる。
上述したことから、例えば、流量調整弁V2,V4が開状態で且つ流量調整弁V1,V5、V7が閉状態の場合には、各冷却ユニット1から冷媒戻り管本体5’を介して戻される温冷媒は、正冷媒戻り管11を介して正熱源ユニット2に流入し、正熱源ユニット2おいて冷却された冷媒が、正熱源ユニット2から正冷媒供給管12、冷媒供給管本体6’を介して各冷却ユニット1に供給されることになる。通常運転時は、この様な状態・動作となっている。
そして、コントローラ4は、正熱源ユニット2に何らかの故障が生じた場合には、各流量調整弁V1,V2,V4,V5,V7の開閉切換え制御する(開と閉を逆にする)ことで、冗長熱源ユニット3による運用に切換える。すなわち、コントローラ4は、流量調整弁V2,V4を閉状態へと切換え且つ流量調整弁V1,V5、V7を開状態へと切換える。これによって、各冷却ユニット1から冷媒戻り管本体5’を介して戻される温冷媒は、冗長冷媒戻り管7を介して冗長熱源ユニット3に流入し、冗長熱源ユニット3おいて冷却された冷媒が、冗長熱源ユニット3から冗長冷媒供給管8、冷媒供給管本体6’を介して各冷却ユニット1に供給されることになる。
その後、正熱源ユニット2の修理(または交換)が完了したら、再び元の状態へと戻すことになる。すなわち、コントローラ4は、流量調整弁V2,V4が開状態で且つ流量調整弁V1,V5、V7が閉状態へと切換制御する。
以上説明したように、本例の空調システムでは、1系統に2台の熱源ユニット2,3を設けて(並列に設けて)、何れか一方の熱源ユニットを用いて運用を行い、この熱源ユニットが故障したら、他方の熱源ユニットに切換えて運用を行う。これによって、従来のように2系統を構築する場合に比べて、システム構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。
尚、本例においては、必ずしも流量調整弁V1,V7の両方が必要なわけではない。すなわち、図1等に示す構成例のように正熱源ユニット2と冗長熱源ユニット3が1対1の関係では、例えば後に図6に示すような複数台対1台の構成とは異なり、冗長冷媒供給管8や冗長冷媒戻り管7の長さは、正冷媒供給管12や正冷媒戻り管11の長さと略同一とすることができる。よって、図1等においては流量調整弁V7から合流点βまでの長さは、流量調整弁V2から合流点βまでの長さ(短い)に比べて非常に長く見えるが、実際には両者は同じ長さとする(短くする)ことができる。よって、例えば、流量調整弁V1は無くてもよい。
例えば、この様に流量調整弁V1が無い構成例の場合には、上記冗長冷媒供給管8に関
する説明は、例えば以下のようになる。
冗長冷媒供給管8は、冗長熱源ユニット3(そのポンプ22)に接続しており、その途中(例えば合流点βの直前)に流量調整弁V7が設けられている。流量調整弁V7が“開”のときには、冗長熱源ユニット3(そのポンプ22)から圧送される冷媒が、冷媒供給管本体6’を介して、各冷却ユニット1に供給されることになる。
但し、本説明においては、流量調整弁V1,V7の両方がある構成例を用いて説明するものとする。
尚、流量調整弁V1,V7に対する開閉制御は同じであるので(例えばV1が開のときにはV7も開)、例えば流量調整弁V1が無い構成の場合には、「流量調整弁V1,V7を開(又は閉)制御する」旨の説明を、「流量調整弁V7を開(又は閉)制御する」と置き換えて考えればよい。
尚、後に図6を参照して説明する実施例2の場合には、流量調整弁V1,V7の両方が必要となる(また、流量調整弁V1は各系統毎に対応して複数設けられる)。
以上の説明は、図1等に示す構成において、図示の自己循環回路A、Bが無い構成例を想定して説明した。しかしながら、図示の自己循環回路A、Bを設けることが望ましい。これは以下の理由による。
すなわち、従来のように完全2系統の構成の場合はよいが、本手法のように1系統に2台の熱源ユニットを設けて何れか一方の熱源ユニットを使用する構成の場合、正熱源ユニット2に故障が発生して冗長熱源ユニット3使用に切換える場合(図1の状態から図2の状態へと切換える場合)、スムーズ・安全に切換えが行われない可能性がある。例えば、切換え後の冷媒吐出圧力が切換え前の冷媒吐出圧力よりも低いと、冷媒が逆流する等の異常が生じる可能性がある。また、例えば、切換え後の冷媒温度が切換え前の冷媒温度より高いと、冷却ユニット1の冷却性能が下がる(一時的なものと考えられるが)。
冷媒の逆流に関しては、冷媒供給管6の管内に既存の逆流防止用の構成(逆止弁等)を設ければ一応対応可能ではあるが、それでも常に逆流が防止できるとは限らない。冷媒温度に関しても、予め適切と思われる目標温度を決めておき、切換え後の冷媒温度がこの目標温度となるように制御することで、一応対応可能である。しかしながら、やはり、切換え後の冷媒の温度、吐出圧力が、切換え前の冷媒の温度、吐出圧力と略同一である方が、スムーズ・安全に切換えが行える。
更に、上記の通り、本説明では、冗長熱源ユニット3は、正熱源ユニット2の故障時に備えたバックアップ用として説明するが、この場合、冗長熱源ユニット3は正熱源ユニット2が故障しない限りは、停止状態することが一案として考えられる。しかしながら、本例の空調システムの冷却対象空間は、仕事場や自宅等のような人間の生活・活動空間とは異なり、多数のコンピュータによる発熱がある為に、正熱源ユニット2の故障によって冷房がストップすると、短時間で温度上昇し、これによってコンピュータに異常が生じることで、大きな損失が発生する可能性がある。
この為、正熱源ユニット2に故障が発生した場合には、出来るだけ速やかに冗長熱源ユニット3を使用して冷房を再開させる必要がある。“出来るだけ速やかに”とは、具体的には例えば、サーバルーム管理者等のユーザから30秒以内を要求されている事例がある。この為、待機時に冗長熱源ユニット3を停止状態にしておくと、速やかに切換えを行えない可能性がある。更に、安全に切換えが行われない可能性がある(例えば冷媒が逆流する等の異常が生じる可能性がある)。
以上の理由により、本例では、まず、冗長熱源ユニット3に対応して図示の自己循環回
路Bを設けると共に、正熱源ユニット2による通常運転中でも、冗長熱源ユニット3も運転状態としておく。
自己循環回路Bは、図示の循環管10、流量調整弁V6、電動弁M2等から成る。また、冗長熱源ユニット3から圧送される冷媒の温度とその吐出圧力を計測する為の温度センサT2、圧力センサP2が設けられている。図示の通り、これらの温度センサT2、圧力センサP2は、冗長熱源ユニット3の近傍に設けられている。つまり、冗長熱源ユニット3から送出された直後の冷媒の温度とその吐出圧力を計測するものである。
循環管10は、その一端が冗長冷媒供給管8に接続され(流量調整弁V7と冗長熱源ユニット3の間の何処かに接続され)、その他端が冗長冷媒戻り管7に接続されている(冗長熱源ユニット3の近傍等に接続されている)。循環管10の途中(冗長冷媒供給管8との接続点の近く等)には流量調整弁V6が設けられており、更に循環管10の途中(任意の箇所)に電動弁M2が設けられている。電動弁M2は、“開”または“閉”の2種類の状態のみの流量調整弁とは異なり、その弁開度を自由に調整可能な弁である。
上記構成により、例えば図1に示すように流量調整弁V5,V7が“閉”で流量調整弁V6が“開”の状態では、冗長熱源ユニット3から圧送される冷媒は、循環管10に流入し、当該循環管10から冗長冷媒戻り管7を経て、再び冗長熱源ユニット3に戻される。つまり、冷媒を自己循環させている。尚、流量調整弁の開閉制御は、コントローラ4が実行する。そして、この状態において、コントローラ4は、各温度センサT1,T2、圧力センサP1,P2によって計測される、冷媒の温度、吐出圧力に基づいて、冗長熱源ユニット3から圧送される冷媒の温度、吐出圧力を適正値に調整する為の制御を行う。
尚、上記温度センサT1と圧力センサP1は、正熱源ユニット2から圧送される冷媒の温度とその吐出圧力を計測する為のセンサであり、図1等に示す通り、正熱源ユニット2の近傍に設けられている。つまり、正熱源ユニット2から送出された直後の冷媒の温度とその吐出圧力を計測するものである。
上記のように冗長回路側で冷媒の自己循環を行っている状態において、コントローラ4は、温度センサT1、T2、圧力センサP1、P2によって計測される冷媒温度、冷媒吐出圧力に基づいて、冗長熱源ユニット3から吐出される冷媒の温度と吐出圧力が、正熱源ユニット2から吐出される冷媒の温度と吐出圧力と略同一になるように制御を行う。この制御方法については、後に図4も参照して詳細に説明する。
尚、以後、温度センサT1、T2によって検出される冷媒温度を、冷媒温度T1,T2と記す場合がある。同様に、圧力センサP1、P2によって計測される冷媒吐出圧力を、冷媒吐出圧力P1,P2と記す場合がある。
そして、コントローラ4は、正熱源ユニット2の故障を検知したら、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、図1に示す状態から図2に示す状態へと切換え制御する。
尚、正熱源ユニット2の故障検知方法は、既存の方法を用いればよく、ここでは特に説明しない。
また、正熱源ユニット2に対しても、冗長熱源ユニット3の場合と同様に、自己循環回路Aが設けられている。自己循環回路Aは、その構成自体は上記自己循環回路Bと略同様であり、適用先が冗長熱源ユニット3ではなく正熱源ユニット2であるという違いがあるだけである。
一応説明しておくならば、自己循環回路Aは、図示の循環管9、流量調整弁V3、電動
弁M1等から成る。循環管9は、その一端が正冷媒供給管12に接続され(流量調整弁V2と正熱源ユニット2の間の何処かに接続され)、その他端が正冷媒戻り管11に接続されている(正熱源ユニット2の近傍等に接続されている)。循環管9の途中(正冷媒供給管12との接続点の近く等)には流量調整弁V3が設けられており、更に循環管9の途中(任意の箇所)に電動弁M1が設けられている。電動弁M1は、上記電動弁M2と同じものである。
但し、自己循環回路Aが機能するのは、後述する図3の状態のときである。すなわち、正熱源ユニット2が故障後、冗長熱源ユニット3による運用を行っている状態で、故障した正熱源ユニット2を修理(又は交換)後に、再び正熱源ユニット2による通常運転に切換える際に、その前に、自己循環回路Aを動作させておくものである。
すなわち、この自己循環回路A動作状態においては、コントローラ4は、コントローラ4による制御で、図3に示すように、流量調整弁V2,V4を“閉”状態、流量調整弁V3を“開”状態とすることで、正熱源ユニット2から吐出される冷媒が、循環管9と通ってそのまま正熱源ユニット2に戻るように動作させる。つまり、冷媒を自己循環させる。
更に、上記冷媒の自己循環を行っている状態において、コントローラ4が、温度センサT1、T2、圧力センサP1、P2によって計測される冷媒温度、冷媒吐出圧力に基づいて、正熱源ユニット2から吐出される冷媒の温度と吐出圧力が、冗長熱源ユニット3から吐出される冷媒の温度と吐出圧力と略同一になるように制御を行う。この制御方法については、後に図4も参照して詳細に説明する。
そして、冷媒の温度と吐出圧力が上記略同一の状態となって安定したら、コントローラ4は、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、図3に示す状態から図1に示す状態へと切換え制御する。
ここで、図示の各流量調整弁V1〜V7は何れも、本例では“全開”または“全閉”の何れかの状態になるものとする。これら各流量調整弁V1〜V7の開閉制御は、コントローラ4が実行する。既に、これら各流量調整弁の一部の開閉制御については述べているが、以下、改めて全体について説明する。尚、以下の説明は、自己循環回路を設ける構成例の場合について説明するものである。また、尚、以下の説明では、流量調整弁V2−V4間の構成(正熱源ユニット2、自己循環回路A等を含む構成)を“正回路”と呼ぶものとする。同様に、流量調整弁V1−V5間の構成(冗長熱源ユニット3、自己循環回路B等を含む構成)を“冗長回路”と呼ぶものとする。
ここで、図上、各流量調整弁V1〜V7を示す円の中に、“開”または“閉”が記してあるが、これは各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を示すものであり、当然、“開”は“全開”を意味し、“閉”は“全閉”を意味する。
そして、図1には、通常運転時(正熱源ユニット2による運用時)の各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を示すと共に、それによる冷媒の流れを矢印で示している。尚、「矢印」とは、図示の実線矢印を意味する。図示の点線矢印は、後述する冷水の流れを示すものである。
また、図2には、正熱源ユニット2の故障等により冗長熱源ユニット3による運用を行っている状態の各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を示すと共に、それによる冷媒の流れを矢印で示している。
また、図3は、図2の状態の後、故障した正熱源ユニット2の修理(又は交換)を完了
後に、通常運転へ復帰する前の状態(正熱源ユニット2を動作状態とすると共に自己循環回路Aを動作状態としている)における各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を示すと共に、それによる冷媒の流れを矢印で示している。
まず図1に示す通常運転モードでは、コントローラ4は、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、以下の通りとなるように制御する。
V2,V4,V6 ; 開状態
V1,V3,V5,V7; 閉状態
また、ここでは、通常運転モードでは、正熱源ユニット2、冗長熱源ユニット3の両方が稼動しているものとする(この例に限らず、冗長熱源ユニット3を停止状態としてもよい)。
この通常運転モードでは、例えば冷却ユニット1から戻される温冷媒は、冷媒戻り管本体5’、正冷媒戻り管11を介して正熱源ユニット2に流入するが、流量調整弁V5が閉状態であることから冗長回路側に流入することはない。そして、正熱源ユニット2がこの温冷媒を冷却して低温の冷媒に戻してから後述するポンプ22により圧送する。正熱源ユニット2から圧送された冷媒は、正冷媒供給管12、冷媒供給管本体6’を介して冷却ユニット1へと供給されることになる。つまり、正熱源ユニット2から各冷却ユニット1へ冷媒が圧送されることになる。尚、この様な冷媒の流れを、図上矢印で示しており、この流れ全体を正規ルートと言うものとする。
また、流量調整弁V3が閉状態であることから、正熱源ユニット2から吐出された冷媒は、循環管9に流入することはない。つまり、自己循環回路Aは動作していない。
一方、既に述べた通り、冗長熱源ユニット3は、通常運転モードにおいても動作しており、且つ、図示の例のように自己循環回路Bを設けた構成では、流量調整弁V6が開状態で流量調整弁V5、V7が閉状態であることから、冗長熱源ユニット3から吐出された冷媒は、循環管10に流入し、循環管10を通ってそのまま冗長熱源ユニット3に戻される。つまり、自己循環回路Bによる冷媒の自己循環を行っている。
そして、この通常運転モードにおいては、上記の通り、冗長熱源ユニット3から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(冷媒温度T2、冷媒吐出圧力P2)が、正熱源ユニット2から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(冷媒温度T1、冷媒吐出圧力P1)と略同一となるように、すなわちT2=T1若しくはT2≒T1、P2=P1若しくはP2≒P1となるように、コントローラ4による調整制御が実行されている。後に図4も参照して説明する。
そして、既に述べた通り、コントローラ4は、正熱源ユニット2に故障が発生した場合には、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、図1の状態から図2の状態へと切換え制御する。すなわち、図2に示すように、コントローラ4は、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、以下の通りとなるように切換え制御する。
V2,V3,V4,V6; 閉状態
V1,V5,V7 ; 開状態
尚、図2に示す状態を冗長運転モード(代替運転モード)と言うものとする。
また、この冗長運転モードにおける冷媒の流れを、図上矢印で示しており、この流れ全体を冗長ルートと呼ぶものとする。
図上矢印で示す通り、まず冷却ユニット1から戻される温冷媒は、冷媒戻り管本体5’、冗長冷媒戻り管7を介して冗長熱源ユニット3に流入するが、流量調整弁V4が閉状態であることから正回路側に流入することはない。そして、冗長熱源ユニット3がこの温冷
媒を冷却して低温の冷媒に戻してから後述するポンプ22により圧送する。冗長熱源ユニット3から圧送された冷媒は、冗長冷媒供給管8、冷媒供給管本体6’を介して、冷却ユニット1へと供給されることになる。
また、流量調整弁V6が閉状態であることから、冗長熱源ユニット3から圧送された冷媒は、循環管10に流入することはない。つまり、自己循環回路Bは動作していない。
また、図2では未だ故障した正熱源ユニット2が修理(または交換)される前の状態を示しており、自己循環回路Aも動作していない。上記の通り、流量調整弁V3は閉状態であり、また、そもそも正熱源ユニット2自体が動作停止している。
そして、図2の状態において、作業員等が、故障した正熱源ユニット2を修理(または交換)した後、コントローラ4に対して所定の指示操作を行うことで、コントローラ4は、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、図2の状態から図3の状態へと切換え制御する。尚、図3に示す状態を、通常運転復帰準備モードと言うものとする。また、通常運転復帰準備モードにおける冷媒の流れを、図上矢印で示している。
図3の状態では、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態は、以下の通りとなる。
V2,V4,V6 ; 閉状態
V1,V3、V5,V7; 開状態
図3が図2と異なる点は、図2では自己循環回路Aが機能していなかったが、図3では機能している点であり、この相違点についてのみ説明する。この相違点以外は、図2と略同様である。つまり、冗長熱源ユニット3によって冷媒が各冷却ユニット1に供給されている状態であり、これについてはここでは説明しない。
上記相違点に関しては、まず図3では正熱源ユニット2の修理(または交換)を実行完了後に正熱源ユニット2を動作状態(試運転)としており、また流量調整弁V2,V4が閉状態で流量調整弁V3が開状態となっている。これより、正熱源ユニット2から吐出された冷媒は、循環管9に流入し、循環管9を通ってそのまま正熱源ユニット2に戻される。つまり、自己循環回路Aによる冷媒の自己循環を行っている。
そして、この状態において、コントローラ4は、正熱源ユニット2から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(冷媒温度T1、冷媒吐出圧力P1)が、冗長熱源ユニット3から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(冷媒温度T2、冷媒吐出圧力P2)と略同一となるように、すなわちT1=T2若しくはT1≒T2、P1=P2若しくはP1≒P2となるように、調整制御を行っている。この調整制御に関しては後に図4も参照して説明する。
そして、コントローラ4は、例えば、冷媒温度T1、冷媒吐出圧力P1が、冷媒温度T2、冷媒吐出圧力P2と略同一となったら、各流量調整弁V1〜V7の開閉状態を、図3に示す状態から図1に示す状態へと切換え制御する。つまり、再び、通常運転モードに復帰することになる。
ここで、上記図1〜図3に示す構成は、別の言い方をするならば、既存の1系統の空調システム構成に対して、冗長回路を追加した構成と見做すこともできる。つまり、既存システムの熱源ユニットである正熱源ユニット2に対して、冗長回路を並列に設けた構成と見做すこともできる。
勿論、更に、既存の構成に対して、流量調整弁V2、V4や自己循環回路Aを追加することになるが、基本的には上記の通りと見做すこともできる。
既存の構成では、冷媒戻り管5を介して温冷媒が正熱源ユニット2に流入し、正熱源ユニット2において冷却された後に圧送されて、冷媒供給管6を介して冷却ユニット1に供
給される。この様な構成を1系統として、従来では同じ構成をもう1つ設けて、2系統としている(ここでは完全二重化した冗長構成と呼ぶ)。
この様な完全二重化した冗長構成では、特に配管に関して設置コストが掛かり、空調システム設置の際の初期コストが増大する。すなわち、この場合には、図1の例において、冗長熱源ユニット3に関しても、各冷却ユニット1に対する冷媒供給管及び冷媒戻り管を設ける必要があり、冗長熱源ユニット3と冷却ユニット1との距離にも拠るが、少なくとも図示の冗長冷媒戻り管7と冗長冷媒供給管8の長さに比べれば、長い配管が必要となり、配管自体のコストが掛かると共に、この様な配管を敷設する為の作業コストも掛かる。更に、これら冷媒供給管及び冷媒戻り管を各冷却ユニット1に接続する作業も必要であり、初期コストが非常に大きくなる。
これに対して、本手法では、冗長熱源ユニット3を正熱源ユニット2の近傍に設ければ、冗長冷媒戻り管7と冗長冷媒供給管8の長さは非常に短くて済み、配管自体のコスト及び配管を敷設する為の作業コストは、比較的少なくて済む。更に、各冷却ユニット1毎に供給管及び戻り管を冷却ユニット1に接続する作業も必要なく、この点からも本手法の方がコストが掛からなくて済む。また、上記の通り、自己循環回路A,Bも備えることが望ましいが、この場合でも、自己循環回路A,Bに係わる配管の長さは、非常に短くて済み、従来に比べれば初期コストは少なくて済む。
尚、図1〜図3において、図面上は、上記正規ルートに比べて冗長ルートの方がかなり長い(長距離)のように見えるが、実際にはほぼ等距離(正規ルートの長さ≒冗長ルートの長さ)とすることも可能である。例えば、図5に一例を示す。図5を参照すれば、正規ルートの長さが、冗長ルートの長さとほぼ等しいことが分かる。また、たとえ「正規ルートの長さ<冗長ルートの長さ」であっても、通常、正熱源ユニット2等と各冷却ユニット1との距離は、ある程度長いものであり、この距離に比べれば冗長回路の配管(V5から冗長熱源ユニット3を介してV1まで)の長さは、非常に短いものとなる。
尚、以上の説明は、従来技術との違いを分かり易く説明する為のものであり、本例の空調システムは、「既存の構成に冗長回路を追加」という考え方に限定されるものではない。また、特に図1〜図3のような構成では、2つの熱源ユニットを、正規と冗長とに区別して考える必要性もない。
以上説明したように、本例の空調システムでは、1つの系統上に2台の熱源ユニットを設けて、何れか一方の熱源ユニットを用いて運用し、この熱源ユニットが故障した場合には他方の熱源ユニットに切換える構成とすることで、システム構成の簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。
但し、この様に1系統上で切換え制御を行う構成としたことにより、従来の完全二重化した冗長構成では生じない問題が起こる可能性があり、これに対応する為に自己循環回路を設けて切換え前の調整制御を行うことが望ましい。
以下、自己循環回路を用いた切換え前の調整制御に関して説明する。
以下、図4も参照して、自己循環回路A,Bに関する冷媒温度、冷媒吐出圧力の調整制御について説明する。尚、以下の説明は、自己循環回路Bについて説明するが、自己循環回路Aについても略同様の制御が行われる。
まず、コントローラ4は、上記の通り、通常運転モードにおける自己循環回路Bの動作状態において、正熱源ユニット2から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(冷媒温度T1、冷媒吐出圧力P1)と、冗長熱源ユニット3から吐出される冷媒の温度及び吐出圧力(
冷媒温度T2、冷媒吐出圧力P2)とを、随時、各温度センサT1、T2、圧力センサP1、P2から収集している。
そして、既に述べた通り、コントローラ4は、これら収集データに基づいて、冷媒温度T2が冷媒温度T1と略同一になるように、且つ、冷媒吐出圧力P2が冷媒吐出圧力P1と略同一になるようにする調整制御を行う。
冷媒の吐出圧力に関する調整制御は、冷媒吐出圧力P2と冷媒吐出圧力P1を用いて、電動弁M2の弁開度を制御する。電動弁M2の弁開度は、0%(全閉)から100%(全開)まで、例えばリニアにあるいは所定量ずつ(例えば5%刻み)、調整可能である。初期状態では予め決められた弁開度(例えば50%)となっている。尚、実際には、電動弁M2の弁開度だけでなく、後述するポンプ22の回転数等も一緒に制御することになるかもしれないが、ここでは、電動弁M2の弁開度を制御するものとして説明する。何れにしても、以下に記載のように徐々に制御調整することで、冷媒吐出圧力P2が冷媒吐出圧力P1と略同一となるように制御すればよい。
そして、随時収集する上記冷媒吐出圧力P1、P2に基づいて、P1=P2であるか、P1>P2であるか、P1<P2であるかを判定する。そして、P1>P2である場合には、電動弁M2の弁開度を小さくする(例えば5%減少させる)ことで、冗長熱源ユニット3からの冷媒吐出圧力P2を上昇させる。また、P1<P2である場合には、電動弁M2の弁開度を大きくする(例えば5%増加させる)ことで、冗長熱源ユニット3からの冷媒吐出圧力P2を減少させる。また、P1=P2であった場合には、電動弁M2の弁開度の変更制御は行わない。
上記の判定・制御を随時行っていくことで、冷媒吐出圧力P2の値を、P1と同じ又はP1に近い値へと収束させることができる。
また、冷媒温度に関する調整制御は、冷媒温度T2と冷媒温度T1とに基づいて、図4に示す冷水弁24の弁開度を制御する。
ここで、まず、図4に示す熱源ユニットの概略構成について説明する。上記の通り、正熱源ユニット2と冗長熱源ユニット3は、同じ構成であってよく、例えば図4の構成となっている。尚、図4に示す構成は、既存の一般的な構成であり、ここでは簡単に説明する。
図4に示す熱源ユニットは、凝縮器21、ポンプ22等を有する。熱源ユニットに流入する上記温冷媒は、凝縮器21に入り、凝縮器21において冷却された後、ポンプ22によって圧送される。ここで、よく知られているように、凝縮器21には不図示の外部の冷凍機等から、図示の冷水管23を介して、冷水が供給されており、この冷水との熱交換によって上記温冷媒の冷却を行うものである。そして、冷水管23の途中(凝縮器21への入口付近等)に冷水弁24が設けられている。
冷水弁24は、上記電動弁M1,M2と同様、その弁開度が0%(全閉)から100%(全開)まで、例えばリニアにあるいは所定量ずつ(例えば5%刻み)、調整可能である。初期状態では予め決められた弁開度(例えば50%)となっている。
凝縮器21の冷却性能は、この冷水弁24の弁開度を制御することで調整することができる。つまり、冷水弁24の弁開度を大きくすれば凝縮器21への冷水供給量が増えて、凝縮器21の冷却性能が上がる。一方、冷水弁24の弁開度を小さくすれば凝縮器21への冷水供給量が減少して、凝縮器21の冷却性能が下がる。
これより、コントローラ4は、以下の制御を行う。
すなわち、随時収集する上記冷媒温度T1,T2に基づいて、T1=T2であるか、T1>T2であるか、T1<T2であるかを判定する。そして、T1>T2である場合には、冷水弁24の弁開度を小さくする(例えば5%減少させる)ことで、冗長熱源ユニット3から吐出する冷媒の温度を上げる。また、T1<T2である場合には、冷水弁24の弁開度を大きくする(例えば5%増加させる)ことで、冗長熱源ユニット3から吐出する冷媒の温度を下げる。また、T1=T2であった場合には、冷水弁24の弁開度の変更制御は行わない。
上記の判定・制御を随時行っていくことで、冷媒温度T2を、冷媒温度T1と略同一の温度へと収束させることができる。
上記の通り、自己循環回路Aについても略同様の制御が行われる。この場合には、制御対象は、電動弁M1と、正熱源ユニット2の凝縮器21に係わる冷水弁24となる。つまり、この場合には、上述した電動弁M2の弁開度の制御方法の説明において、M2をM1に置き換えると共に、T1とT2、P1とP2をそれぞれ逆にして考えればよい。冷水弁24に関しても同様に、上述した自己循環回路Bに係わる冷水弁24(電磁弁等)の弁開度の制御方法の説明において、T1とT2、P1とP2をそれぞれ逆にして考えればよい。従って、ここでは、自己循環回路Aに関しては、これ以上詳細には説明しないものとする。
以上説明した本例の空調システムは、上記の通り、従来では2系統設けたのに対して、1系統において2台の熱源ユニットを並列に設けて、通常時は一方の熱源ユニットを用い、この熱源ユニットが故障したときには他方の熱源ユニットを用いる構成とした。これによって、従来の2系統の場合に比べて特に配管等に係わる設置コストが削減でき、設置時の初期投資が大きな負担となるという問題を解消できる。
また、この様な構成の空調システムにおいて、例えば通常運転モードにおいて、コントローラ4によって、冷媒吐出圧力P1とP2、冷媒温度T1とT2の値が、冗長切換時に同等となるように、P2、T2を調整しながら待機運転することで、正熱源ユニットの異常発生時に冗長熱源ユニットにスムーズ・安全に切換えが可能となる。
ここで、上述した空調システムは、図1〜図3に示す通り、1台の正熱源ユニット2に対して1台の冗長熱源ユニット3が設けられている。この様な1対1の構成を実施例1とする。これに対して、例えば、図6に示すように、複数台の(図示の例では3台)正熱源ユニット2に対して1台の冗長熱源ユニット3が設けられる構成としてもよく、この様な複数台対1台の構成を実施例2とする。
実施例1の場合、正熱源ユニット2が複数台あれば(複数の系統があれば)、それぞれに対応して冗長熱源ユニット3を設ける必要がある。また、従来であれば、正熱源ユニット2が複数台あれば(複数の系統があれば)、各系統毎に、上記完全二重化した冗長構成とすることになる。
これに対して、実施例2では、複数台の正熱源ユニット2に対して(複数の系統に対して)、1台の冗長熱源ユニット3を設ければ済むので、その分、コスト削減効果が大きい。尚、複数台の正熱源ユニット2のうちの2台以上がほぼ同時に故障する確率は、極めて低いと考えられ、実施例2のような構成としても、実用上、問題が生じる可能性は低いと考えられる。
但し、実施例1の場合、1対1の構成であるので、例えば冗長熱源ユニット3を正熱源ユニット2の近傍に設置することで、配管長(特に、冗長冷媒戻り管7、冗長冷媒供給管8の長さ)を非常に短くすることが可能であった。また、冗長回路の配管長(冗長冷媒戻
り管7、冗長冷媒供給管8の長さ)が、正回路の配管長(正冷媒戻り管11、正冷媒供給管12の長さ)と等長となるように設計することも可能であった(例えば図5に示す例)。
これに対して、実施例2では、この様な設計とすることは難しい。すなわち、冗長冷媒戻り管7、冗長冷媒供給管8の長さは、実施例1の場合に比べれば長くなるし、また複数の系統それぞれに対して異なる長さとなる。よって当然、これらが正冷媒戻り管11、正冷媒供給管12の長さと略同様となるように設計することは困難である。しかしながら、この様な多少のデメリットがあっても、複数台の正熱源ユニット2に対して(複数の系統に対して)冗長熱源ユニット3が1台で済む効果(特にコスト削減効果)は、非常に大きいものとなる。一般的に、熱源ユニットは非常に高価なものである。
図6に示す実施例2の冷却システム構成例では、上記の通り3台の正熱源ユニット2(3つの系統)に対して1台の冗長熱源ユニット3が設けられるものとし、3台の正熱源ユニット2は、それぞれ図示の通り、正熱源ユニット2a、2b、2cと記すものとする。
これら各正熱源ユニット2a、2b、2cに関して、それぞれ1系統の冷却システム構成が構築されている。そして、これら3系統に共通の1つの冗長回路が構築されている。
尚、ここでは、正熱源ユニット2aに係わる1系統を系統a、正熱源ユニット2bに係わる1系統を系統b、正熱源ユニット2cに係わる1系統を系統cと記して区別して説明するものとする。
尚、上記系統a,b,c等の1系統は、ここでは図1等に示す構成において、冗長回路部分以外の構成を意味するものとする。よって、これら系統a,b,cに係わる構成は、図1における冗長回路部分以外の構成と同じ参照符号を付してもよいが、ここでは3つの系統毎に区別して説明する為に、参照記号を代えて記してある。
すなわち、流量調整弁V2,V3,V4、電動弁M1、及び自己循環回路Aに関して、系統aに係わるこれらの構成は、図示の通り、流量調整弁V2a,V3a,V4a、電動弁M1a、及び自己循環回路Aaと記すものとする。同様に、系統bに関しては、図示の通り、流量調整弁V2b,V3b,V4b、電動弁M1b、及び自己循環回路Abと記すものとする。系統cに関しては、図示の通り、流量調整弁V2c,V3c,V4c、電動弁M1c、及び自己循環回路Acと記すものとする。
また、実施例1の説明では、冷媒戻り管5、冷媒供給管6に関して、「その一端が分岐している」旨の説明としたが、実施例2の説明では、これら冷媒戻り管5、冷媒供給管6の途中(上記分岐点α、合流点βに相当する箇所)に、本例の冗長回路による配管(後述する冗長戻り管31、冗長供給管32)を接続した構成と見做して説明するものとするが、この様な考え方に限定されるものではない。
実施例2における冗長回路は、1台の冗長熱源ユニット3と、冗長戻り管31と、冗長供給管32から成る。
また、図6は、自己循環回路を用いる場合の構成例を示すものであり、よって図示の通り、更に、冗長熱源ユニット3に対する自己循環回路Bが設けられている。この自己循環回路Bは、実施例1のものと同じであってよく、同一符号を付してある。
また、この構成例の場合には、各正熱源ユニット2a、2b、2cに対しても、それぞれ図示のように自己循環回路Aa、Ab、Acが設けられている。これら各自己循環回路Aa、Ab、Acの構成・動作自体は、実施例1の自己循環回路Aと同じであり、ここでは特に説明しない。
上記冗長戻り管31は、その1端は冗長熱源ユニット3(その凝縮器21)に接続しており、その他端は3つに分かれており、それぞれが上記3つの系統の何れか1つの系統における冷媒戻り管5に(分岐点α付近で)接続している。冗長戻り管31の3つの他端には(分岐点α付近)、それぞれ、流量調整弁V5が設けられている。尚、流量調整弁V5は、図示の通り、流量調整弁V5a、V5b、V5cと区別して記すものとする。例えば、流量調整弁V5aは上記系統aに対応するものである。
上記冗長供給管32は、その1端は冗長熱源ユニット3(そのポンプ22)に接続しており、その他端は3つに分かれており、それぞれが上記3つの系統の何れか1つの系統における冷媒供給管6に(合流点β付近で)接続している。
冗長供給管32の一端には(冗長熱源ユニット3近傍)流量調整弁V7が設けられており、その3つの他端には(合流点β付近)流量調整弁V1が設けられている。尚、流量調整弁V1は、図示の通り、流量調整弁V1a、V1b、V1cと区別して記すものとする。例えば、流量調整弁V1aは上記系統aに対応するものである。
そして、各正熱源ユニット2a、2b、2c、冗長熱源ユニット3それぞれから吐出される冷媒の温度、吐出圧力を計測する為に温度センサ、圧力センサが設けられている。これらの温度センサ、圧力センサは、冗長熱源ユニット3に関しては上記図1等と同様にT2,P2と記すものとする。また、各正熱源ユニットに関しては、ここでは正熱源ユニット2aに関しては上記図1等と同様にT1,P1と記すが、区別する為に、正熱源ユニット2b、2cに関しては、それぞれT3とP3、T4とP4と記すものとする。
また、図6には示していないが、上記コントローラ4に相当する構成(コントローラ4’と記すものとする)も存在する。このコントローラ4’の処理動作は、基本的には、上記コントローラ4と同様である。但し、制御対象が、コントローラ4は1台の正熱源ユニット2と1台の冗長熱源ユニット3であったが、コントローラ4’は複数台(ここでは3台)の正熱源ユニット2と1台の冗長熱源ユニット3である点が異なる。
これより、コントローラ4’は、図6に示す全ての流量調整弁の開閉制御を行うものである。但し、1度に全ての流量調整弁の開閉制御を行うものではなく、故障した正熱源ユニット2に係わる全ての流量調整弁の開閉制御を行うものである。但し、どの正熱源ユニット2が故障した場合でも、流量調整弁V6、V7の開閉制御は、実行される(共通のものであるので)。
例えば、正熱源ユニット2aが故障した場合には、図示の流量調整弁V1a、V2a,V3a,V4a,V5a,V6,V7が開閉制御されることになる。同様に、正熱源ユニット2bが故障した場合には、図示の流量調整弁V1b、V2b,V3b,V4b,V5b,V6,V7が開閉制御されることになる。正熱源ユニット2cが故障した場合には、図示の流量調整弁V1c、V2c,V3c,V4c,V5c,V6,V7が開閉制御されることになる。
尚、これら開閉制御(切換え制御)自体は、図1〜図3で説明した通りであり(実施例1と略同様であり)、故障した正熱源ユニット2に応じて開閉制御対象とする流量調整弁を選択する処理が加わるだけである。よって、ここでは開閉制御処理については特に説明しない。尚、コントローラ4’には、予め、各正熱源ユニット2a、2b、2c毎に対応付けて、それに対応する(故障時に開閉制御対象とする)流量調整弁が、登録されており、これを参照することで上記選択処理が行われる。
そして、コントローラ4’は、上記実施例1のコントローラ4と同様に、通常運転モード中に冗長熱源ユニット3と自己循環回路Bを動作させて、冗長熱源ユニット3から圧送される冷媒の温度T2、吐出圧力P2を、正熱源ユニットから圧送される冷媒の温度、吐出圧力と略同一になるように調整制御を行う。
但し、実施例2では、正熱源ユニット2は3台あるので、何れかの1台の正熱源ユニット2からの冷媒の温度、吐出圧力を用いることになる。これに関しては様々な方法で対応してよい。
例えば、これに関しては、1つの考え方としては、冷媒の吐出圧力よりも冷媒温度を優先する考え方がある。つまり、3台の正熱源ユニット2a、2b、2cそれぞれの冷媒温度T1,T3,T4を随時収集して、現在、最も温度が低い熱源ユニットを判定する。として、当該最も温度が低い熱源ユニットに関する冷媒の温度、吐出圧力を用いて、冗長熱源ユニット3の冷媒温度T2、吐出圧力P2を調整する。
上記の例は一例であり、この例に限らない。例えば、予め3台のうちの1台に決めて設定しておくようにしてもよい。これは、仮に正熱源ユニット2cに設定されたならば、コントローラ4’は、冗長熱源ユニット3からの冷媒の温度T2、吐出圧力P2を、正熱源ユニット2cからの冷媒の温度T4、吐出圧力P4と略同一になるように調整制御を行うことになる。また、この設定は、随時、点検保守員等が手入力操作で設定変更できるようにしてもよい。すなわち、例えば、点検保守員等が定期点検中に故障してはいないが不調な正熱源ユニット2を発見した場合には、この不調な正熱源ユニット2に設定するようにしてもよい。
あるいは、例えば、故障発生後に調整し直すようにしてもよい。すなわち、上記の様に予め決められた正熱源ユニット2の冷媒の温度、吐出圧力を用いて冗長熱源ユニット3からの冷媒の温度T2、吐出圧力P2を調整しているが、任意の正熱源ユニット2が故障した場合、故障した正熱源ユニット2が上記予め決められた正熱源ユニット2と同じであれば、そのまま切換え制御を行うが、異なる場合には調整し直す。すなわち、冗長熱源ユニット3からの冷媒の温度T2、吐出圧力P2を、故障した正熱源ユニット2からの冷媒の温度、吐出圧力と略同一になるように制御を行うことになる。
但し、この場合、故障した正熱源ユニット2からの冷媒の温度、吐出圧力の値が、異常になっている可能性がある。この為、正常運転時に、コントローラ4’は、各センサ(温度センサT1、T3、T4、圧力センサP1、P3、P4)から収集した各計測値を、一定時間分記憶しておき(例えば、現時点から5分前まで等)、故障発生した場合、故障した正熱源ユニット2に関する故障前の計測値を用いて、冷媒温度T2、吐出圧力P2の調整を行うようにしてもよい。
尚、この場合には、故障発生後に再調整を行う為に切換えに時間が掛かることになるが、例えばユーザによる要求(例えば30秒以内)を満たすのであれば問題ないと考えられる(満たさない場合には、他の方法を用いればよい)。
そして、何れかの正熱源ユニット2が故障したら(方法によっては、故障後に冷媒温度T2、吐出圧力P2の調整が完了したら)、該当する流量調整弁を図2に示す状態へと開閉制御する。例えば、正熱源ユニット2aが故障した場合には、図示の流量調整弁V1a、V2a,V3a,V4a,V5a,V6,V7を、図2に示す状態へと開閉制御することになる。つまり、以下の状態となるように開閉切換え制御する。
V2a,V3a,V4a,V6; 閉状態
V1a,V5a,V7 ; 開状態
その後、故障した正熱源ユニット2を修理(又は交換)完了したら、該当する流量調整弁を図3に示す状態へと開閉制御する。例えば、正熱源ユニット2aが故障し、その修理(又は交換)完了したら、図示の流量調整弁V1a、V2a,V3a,V4a,V5a,V6,V7を、図3に示す状態へと開閉制御することになる。つまり、以下の状態となるように開閉切換え制御する。
V2a,V4a,V6 ; 閉状態
V1a,V3a、V5a,V7; 開状態
尚、既に述べた通り、上記流量調整弁の開閉制御は、コントローラ4’が実行することになる。
そして、コントローラ4’は、実施例1の場合と略同様に、上記図3に示す状態において、修理または交換後の正熱源ユニット2の試運転に入ると共に、その冷媒の温度、吐出圧力を、冗長熱源ユニット3からの冷媒温度T2、吐出圧力P2に基づいて調整する制御を行う。そして、調整完了したら、該当する流量調整弁の開閉状態を、図1に示す状態へと切換え制御する。例えば、上記のように正熱源ユニット2aが故障した例の場合には、以下の状態となるように開閉切換え制御する。
V2a,V4a,V6 ; 開状態
V1a,V3a,V5a,V7; 閉状態
これによって、通常運転モードに戻ることになる。
ここで、実施例2の場合、特に自己循環回路を用いる場合に、以下の問題が生じる可能性がある。
すなわち、既に述べた通り、実施例2の場合は、冗長回路に係わる配管の長さ、すなわち冗長戻り管31の長さ、冗長供給管32の長さが、実施例1に比べて長くなることになる。更に、これら冗長戻り管31の長さ、冗長供給管32の長さは、各系統a,b,c毎に異なる可能性が高い。例えば、冗長供給管32を例にすると、流量調整弁V7から合流点βまでの距離と、流量調整弁V7から合流点βまでの距離と、流量調整弁V7から合流点βまでの距離は、相互に異なる可能性が高い。これは冗長戻り管31に関しても同様であるが、後述するように、特に冗長供給管32の長さに関して、長いことと相互に異なることが問題となる。
既に実施例1で述べた通り、切換えにあたっては、冷媒の吐出温度と吐出圧力が問題となる。冗長熱源ユニット3の設置位置が正熱源ユニット2の近傍であるか、または配管長が等長となるように設計がされていれば、大きな問題とならないが(上記の通り実施例1では可能)、実施例2のように冗長熱源ユニット3が複数の正熱源ユニット2に共通の冗長構成となる場合は、この様な設計とすることが困難となる可能性がある。例えば、複数の正熱源ユニット2を、相互に離れた場所に設置せざるを得ない場合もあり得るので、この様な場合には、上記のような設計とすることは出来ない。そして、冗長供給管32の長さに関して、長いことと相互に異なることによって、吐出温度と吐出圧力に違いが出てきてしまう。
これは、まず、冗長供給管32が長いことによって、配管ロスによって冷媒温度が変化し、また配管圧損差によって吐出圧力が変化する。
つまり、例えば正熱源ユニット2aが故障した場合を例にすると、冗長熱源ユニット3の出口付近の冷媒温度T2、吐出圧力P2を、正熱源ユニット2aからの冷媒の温度T1、吐出圧力P1と略同一になるように制御を行っても、合流点β付近では、この冷媒温度T2、吐出圧力P2の値のままとはならず変化する可能性がある。一方、冷媒の温度T1
、吐出圧力P1に関しては、合流点βまでの距離を短くできるので、殆ど変化しない。
この為、実施例2の構成の場合、実施例1と同様の調整制御を行っても、合流点βにおいては、冗長回路からの冷媒の温度、圧力は、正回路からの冷媒の温度、圧力と略同一とはならない可能性が高い。よって、実施例2においては、上記冷媒の温度、圧力の変化を考慮して、冷媒温度T2、吐出圧力P2の調整目標値を決定する必要がある。
これは、例えば予め任意に決定されたパラメータをコントローラ4’に記憶しておく。例えば、系統aに関して、温度に関するパラメータt1、圧力に関するパラメータp1を予め設定しておく。温度に関するパラメータt1は、例えば温度上昇分(または温度下降分)に相当するものである。
これより、コントローラ4’は、系統aに関しては、冷媒温度T2、吐出圧力P2の調整目標値T’、P’を、以下の式により算出する。
T’=T1±t1
P’=P1+p1
そして、冷媒温度T2、吐出圧力P2の値が、これら調整目標値T’、P’となるように調整制御を行う。
ここで、上記配管ロスによる冷媒温度の変化に関しては、配管の状態(断熱状態等)によって、温度上昇する場合と温度下降する場合とが有り得る。上記調整目標値T’の算出式で「±」としているのはこの為であり、状況によって設計者等が「プラス」とするか「マイナス」とするかを適宜決定して設定しておく。尚、温度が殆ど変化しない場合も有り得るので、t1を‘0’に設定する場合も有り得る。
一方、配管圧損差による吐出圧力の変化に関しても、配管の状態(その太さ等)にもよるが、基本的には、吐出圧力が大きくなるか、若しくはあまり変わらないものとなる。よって、この吐出圧力の上昇分p2を考慮して、吐出圧力P2を吐出圧力P1よりも低めに調整することが一案として考えられる。すなわち、上記調整目標値P’の算出式を「P’=P1−p2」とすることも一案として考えられる。
但し、本手法では、上記の通り「P’=P1+p1」とすることも提案する。これは、“吐出圧力を合わせる」という発想ではなく、上述した逆流を防ぐことを重視した発想である。つまり、吐出圧力P2が吐出圧力P1よりも必ず高くなるように調整することで、上述した逆流を必ず防ぐようにする。尚、p1は、吐出圧力の上昇分とする必要はなく、任意に決めてよい。また、尚、上記p2やp1を‘0’に設定する場合も有り得る。
尚、上記逆流を防ぐことを重視した調整は、実施例1においても適用してもよい。すなわち、実施例1においては「P2≒P1」等となるように調整したが、「P2≒P1+p」等となるように、すなわち吐出圧力P2が吐出圧力P1よりも高くなるように調整するようにしてもよい。
また、上記の通り、各系統毎に冗長供給管32の長さが異なることから、他の系統b,cに関しても、上記系統aと同様にして予め任意のパラメータを決定して設定しておき、上記調整目標値T’、P’の算出式と同様の算出式により冷媒温度T2、吐出圧力P2の調整目標値を求めて、これを使用して調整制御を行うことになる。
尚、上記パラメータは、例えば設計者等が考えて決定する。
尚、パラメータを用いる例に限らず、例えば、センサを追加して自動検出できるようにしても良い。つまり、例えば、系統cを例にすると、V1cの近傍にも圧力センサを設け
て、この計測値とP2との圧力差に基づいて、調整を行うようにしてもよい。
以上説明したように、実施例2では、特に複数の空調システム系統がある場合において、故障時のバックアップ用の冗長熱源ユニットを用いる構成に関して、システム構成の更なる簡略化を実現し、設置時の初期投資の低コスト化を図ることができる。
更に熱源ユニット切換えを安全・スムーズに行えるようにできる。
尚、上記図6の構成等のように、複数台の正熱源ユニット2に対して1台の冗長熱源ユニット3を設けた構成の場合には、冗長熱源ユニット3は、複数台の正熱源ユニット2の何れかが故障した場合に用いる、複数の系統に共通の予備用の熱源ユニットである。よって、通常運転時に冗長熱源ユニット3を使用することはない。
しかしながら、上記図1〜図3に示すような熱源ユニットが2つの構成の場合、通常運転時にどちらを稼動ユニットとして使用してもよい(特に正と冗長とに区別する必要はない)。よって、上述した実施例1の説明では通常運転時は正熱源ユニット2を使用するものとして説明したが、この例に限るものではなく、通常運転時に冗長熱源ユニット3を使用するものとしてもよい。すなわち、冗長熱源ユニット3を通常運転時の稼動ユニットとすると共に正熱源ユニット2を待機ユニットとし、冗長熱源ユニット3に故障が生じた場合には、正熱源ユニット2を新たな稼動ユニットとするようにしてもよい。
1 冷却ユニット
2 正熱源ユニット
3 冗長熱源ユニット
4 コントローラ
5 冷媒戻り管
6 冷媒供給管
7 冗長冷媒戻り管
8 冗長冷媒供給管
9 循環管(正熱源ユニット対応)
10 循環管(冗長熱源ユニット対応)
11 正冷媒戻り管
12 正冷媒供給管
21 凝縮器
22 ポンプ
23 冷水管
24 冷水弁
31 冗長戻り管
32 冗長供給管
A 自己循環回路(正熱源ユニット対応)
B 自己循環回路(冗長熱源ユニット対応)
V1、V2,V3,V4,V5,V6,V7 流量調整弁
V1a、V2a,V3a,V4a,V5a 流量調整弁
V1b、V2b,V3b,V4b,V5b 流量調整弁
V1c、V2c,V3c,V4c,V5c 流量調整弁
M1,M2 電動弁
M1a,M1b、M1c 電動弁
T1,T2,T3,T4 温度センサ(または、冷媒温度)
P1,P2,P3,P4 圧力センサ(または冷媒吐出圧力)

Claims (8)

  1. 供給される冷媒により空調対象空間の冷却を行う1又は複数の冷却ユニットと、
    前記冷却ユニットに冷媒を供給する為の冷媒供給管と、
    各冷却ユニットから冷媒を戻す為の冷媒戻り管と、
    該冷媒供給管及び該冷媒戻り管にそれぞれ開閉弁を介して接続する2台の熱源ユニットと、
    前記開閉弁の開閉制御を行うことで、前記2台の熱源ユニットの何れか一方を前記冷媒供給管及び該冷媒戻り管に接続状態にして稼動ユニットとし、他方を非接続状態にして待機ユニットとし、該稼動ユニットによって前記冷却ユニットへの冷媒供給を行わせ、該稼動ユニットに故障が発生した場合、前記開閉弁の開閉切換え制御を行うことで、前記待機ユニットを前記冷媒供給管及び前記冷媒戻り管に接続状態にして新たな稼動ユニットとする制御装置と、
    を有することを特徴とする空調システム。
  2. 前記2台の熱源ユニットそれぞれに対応して自己循環回路を設け、
    前記制御装置は、待機ユニットを該自己循環回路を介して冷媒の自己循環を行わせると共に、該待機ユニットからの冷媒の温度と吐出圧力とが、前記稼動ユニットからの冷媒の温度と吐出圧力と略同一となるように調整制御することを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  3. 前記2台の熱源ユニットは、前記冷媒供給管と前記冷媒戻り管との間に並列に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 供給される冷媒により空調対象空間の冷却を行う1又は複数の冷却ユニットと、前記冷却ユニットに冷媒を供給する為の冷媒供給管と、各冷却ユニットから冷媒を戻す為の冷媒戻り管と、該冷媒供給管及び冷媒戻り管に開閉弁を介して接続する熱源ユニットとから成る空調システムを1系統とし、複数の系統から成る空調システムであって、
    前記複数の系統に共通の冗長回路を設け、
    該冗長回路は、
    冗長ユニットとしての1台の熱源ユニットと、
    その一端が前記冗長ユニットに接続すると共に、その他端が分岐して前記複数の系統それぞれの冷媒供給管に開閉弁を介して接続した冗長供給管と、
    その一端が前記冗長ユニットに接続すると共に、その他端が分岐して前記複数の系統それぞれの冷媒戻り管に開閉弁を介して接続した冗長戻り管と、
    前記複数の系統の何れかの系統の熱源ユニットに故障が発生した場合、該故障系統に係わる前記各開閉弁の開閉切換え制御を行うことで、前記冗長ユニットを該故障系統における新たな熱源ユニットとする制御装置と、
    を有することを特徴とする空調システム。
  5. 前記冗長ユニットに対して自己循環回路を設け、
    前記制御装置は、前記冗長ユニットを前記自己循環回路を介して冷媒の自己循環を行わせると共に、該冗長ユニットからの冷媒の温度と吐出圧力とを、前記複数の系統の中から任意の系統の熱源ユニットにおける冷媒の温度と吐出圧力と予め設定されるパラメータとに基づいて算出する目標値と略同一となるように調整制御することを特徴とする請求項4記載の空調システム。
  6. 前記制御装置は、前記複数の系統の冷媒の温度と吐出圧力との値を一定時間分記憶しておき、前記自己循環を行わせ前記調整制御する際に、該当する冷媒の温度と吐出圧力との値を用いることを特徴とする請求項5記載の空調システム。
  7. 前記空調対象空間は、サーバルームであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空調システム。
  8. 供給される冷媒により空調対象空間の冷却を行う1又は複数の冷却ユニットと、前記冷却ユニットに冷媒を供給する為の冷媒供給管と、各冷却ユニットから冷媒を戻す為の冷媒戻り管と、それぞれが該冷媒供給管及び該冷媒戻り管に開閉弁を介して接続する2台の熱源ユニットとから成るシステムに対して、前記開閉弁の開閉制御を行うことで、前記2台の熱源ユニットの何れか一方を前記冷媒供給管及び前記冷媒戻り管に接続状態にして稼動ユニットとし、他方を非接続状態にして待機ユニットとし、該稼動ユニットによって前記冷却ユニットへの冷媒供給を行わせ、該稼動ユニットに故障が発生した場合、前記開閉弁の開閉切換え制御を行うことで、前記待機ユニットを前記冷媒供給管及び前記冷媒戻り管に接続状態にして新たな稼動ユニットとする制御手段、
    を有することを特徴とする空調システムの制御装置。
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