JP2011102729A - 分析チップ装置、分析チップ装置に用いる化学センサチップ収納アダプター及び分析装置ならびに分析チップ装置を用いた分析方法 - Google Patents

分析チップ装置、分析チップ装置に用いる化学センサチップ収納アダプター及び分析装置ならびに分析チップ装置を用いた分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体サンプル中の微量物質の分析を行うマイクロ化学センサチップにおいて、外部ノイズによる誤検出・誤分析を防止する。
【解決手段】目的物質の量を検出する化学センサチップと、前記化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部と、を備えることを特徴とする分析チップ装置。好ましくは、化学センサチップを収納する化学センサチップ収納アダプターや分析装置、あるいは化学センサチップ表面に、電気ノイズ、磁気ノイズ、電磁ノイズ、光学ノイズ、熱ノイズの少なくとも1つを遮蔽する遮蔽層を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、微量物質の分析を行う分析チップ装置に関し、詳しくは、化学センサチップを備えた分析チップ装置に関する。
外界の化学物質の量や種類を電気信号、光信号、熱や質量による信号等の他の信号に変換して検知する化学センサチップを用いて、気体中や液体中に微量に含まれる目的物質の分析を行うことが現在行われている。
このような化学センサには、イオンセンサ、ガスセンサ、バイオセンサ、微生物センサ、免疫センサ等がある。
特に、酵素免疫測定法(EIA法)を利用し、プレート(チップ)に抗体等を固定して分析を行う、ELISA法(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay、固相酵素免疫測定法)を用いた化学センサチップが広く利用されている。
ELISA法は、例えば、近年問題となっている狂牛病又は牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy、以下BSEと称する)の検査にも適用されている。BSEを発症した牛の脳組織からは、プリオンと呼ばれるタンパク質の構造変化が観察される。BSE発症牛において特異的にみられる構造変化したプリオンタンパク質は、異常プリオンタンパク質と呼ばれ、BSE診断におけるマーカー(検査指標)として用いられている。そして、BSE診断は、一般的に、蛍光を利用したELISA法により行われている(非特許文献1、2参照)。また、ELISA法における検出では、電気化学的な分析方法も広く利用されている。
化学センサチップを用い、ELISA法を利用した分析を、図18を参照しつつ説明する。化学センサチップは、導入口1003と、排出口1004と、導入口1003と排出口1004とを繋ぐ流路1002とを備えている。そして、流路1002には、検出用の電極1005が設けられている。また、流路1002には、目的物質(抗原)と特異的に反応する抗体が固定されている。この化学センサチップを用いた分析は、次のように行われる。
(1) 導入口1003から流路1002に目的物質を含むサンプル溶液を導入する。
(2) サンプル溶液を化学センサチップ内で抗原抗体反応させ、抗原−抗体複合体を生成させる。
(3) 排出口1004から化学センサチップ外にサンプル溶液を排出する。
(4) 導入口1003から流路1002に標識物質(酵素)が固定された認識物質(標識抗体)を含む溶液を導入し、抗原−抗体複合体と抗原抗体反応させて、標識抗体−抗原−抗体複合体を生成させる。
(5) 排出口1004から化学センサチップ外に標識物質が固定された認識物質を含む溶液を排出する。
(6) 導入口1003から流路1002に基質を含む溶液を導入し、標識抗体−抗原−抗体複合体の標識(酵素)と基質とを反応させて、電極活性物質を生成させる。
(7) 電極1004で、酵素基質反応により得られた電極活性物質を検出する。
このような化学センサチップに関する技術としては、下記特許文献1が挙げられる。
特開2007−240425号公報
G.Safar et al. ,Nature Biotechnology, 20, 1147-1150 (2002) A.Warsinke,A.Benkert,F.W.Scheller,Fresenius J Anal Chem,366, 622 (2000)
しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、従来の分析装置では、化学センサチップを接続する際や接続した後に、測定上の不具合が生じることがわかった。これを以下に説明する。
例えば、図16(b)に示すように、化学センサチップ91上の電極96近傍に、化学センサチップ91の外部から電磁波99が飛び込んでくる場合がある。この場合、電磁波の一部のエネルギーが電極中で電圧や電流に変換し、分析装置92での測定時に検出される微小電流に大きなノイズ成分として乗ってしまうおそれがある。このため、分析装置近傍に電磁波ノイズ源があると、誤った測定結果が得られてしまうおそれがある。
電気的な検出を行う場合、検出チップ91内部に電極パターン96が作製されるが、この電極パターン96が電波のアンテナの役割を果たしてしまい、外部からの電磁波を容易に受け入れてしまう。このため、電磁波ノイズによって誤検出の危険性が高まってしまう。
また、化学センサチップは通常、人の手で(手袋を介する場合も含めて)分析装置に挿入されるが、この際、摩擦や静電気を帯びた人体から静電気が化学センサチップに流れ、化学センサチップ自体が帯電する可能性もある。図16(c)に示すように、人の手で触れた場合に生じた静電気が化学センサチップ91の蓋基板97b上に蓄積し、蓄積した静電気が測定用の電極96に移動して微小電流測定に大きく影響するおそれがある。
特に、抗原等の微量な検体を測定する場合、化学センサチップおよび分析装置ではμAオーダ以下の微小な電流を測定することになる。更に極微量の検体を測定するには、nA〜pAオーダの極めて微小な電流を測定できる性能と外乱防止対策が必要となる。この場合、チップや装置内外の電気的なノイズや温度変化が無視できないため、S/N(シグナル/ノイズ)比を確保することが容易でない。
こうした電磁波や静電気は不定期に(ランダムに)生じるものであるので、一定の値を差し引く方法では、正確な検出が行い難い。
本発明の第1の課題は、以上に説明したような外部ノイズに影響されることなく、正確な検出を行うことのできる分析チップ装置を提供することである。また、本発明の第2の課題は、ノイズの発生箇所や原因を調べることができ、ノイズを除去可能な分析チップ装置を提供することである。
上記第1の課題を解決するための本発明は、ノイズが化学センサチップに作用しない手段を講じたものであり、以下第1の本発明と称する。上記第2の課題を解決するための本発明は、ノイズを検出し除去する手段を講じたものであり、以下第2の本発明と称する。また、第1の本発明と第2の本発明とを組み合わせたものを、以下第3の本発明と称する。
上記課題を解決するための第1の本発明は、次のように構成されている。
目的物質の量を検出する化学センサチップと、前記化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部と、を備えることを特徴とする分析チップ装置。
上記第1の本発明は、どの部材に遮蔽部を設けるかによって、次の第1〜第3の態様に分けられる。
第1の態様:化学センサチップの表面に遮蔽部を設ける。
第2の態様:化学センサチップを収納する化学センサチップ収納アダプターに遮蔽部を設ける。
第3の態様:分析手段を備えた分析装置に遮蔽部を設ける。
これらの態様では、いずれも化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部を有しており、外部ノイズに影響を受けることなく正確な分析を行うことができる。
また、上記第1の本発明の第1の態様は、化学センサチップ表面に遮蔽部を設けてなる分析チップ装置である。この構成によると、分析チップ装置の構成を簡略化できる。
また、上記第1の本発明の第2の態様では、化学センサチップや分析手段を有する分析装置ではなく、化学センサチップ収納アダプターに遮蔽部を設けている。この構成では、化学センサチップ自体に遮蔽部を設けないので、化学センサチップのコスト高を防止できる。また、分析手段を有する分析装置には化学センサチップが直接収納されないので、分析装置で試験液の漏れが発生せず、分析装置の故障を防止できる。また、分析装置に静電気等の外部ノイズが化学センサチップとともに入り込むことがないので、精度の高い検出が可能となる。
また、上記第第1の本発明の3の態様では、分析装置に遮蔽部を設けている。この構成によると、分析チップ装置の構成を簡略化できるとともに、化学センサチップのコスト高を防止できる。
第1の本発明の第1の態様においては、遮蔽部を、化学センサチップの表面を覆う遮蔽層とすることができる。
遮蔽部を化学センサチップの表面を覆う遮蔽層とすると、簡便な手法で効果的に外部ノイズを低減できる。
第1の本発明の第2又は第3の態様においては、遮蔽部を、化学センサチップを収納するチップ収納部を覆う遮蔽層とすることができる。
遮蔽層は、電気ノイズを遮蔽する電気遮蔽手段、電磁波ノイズを遮蔽する電磁遮蔽手段、磁気ノイズを遮蔽する磁気遮蔽手段、光学ノイズ(ノイズ光)を遮蔽する光遮蔽手段、熱ノイズを遮蔽する断熱手段、の少なくとも1つの手段を有することが好ましい。
電気遮蔽手段としては、導体を用いることができる。電磁遮蔽手段としては、導体を用いることができ、また導電繊維のメッシュ構造物を用いることもできる。磁気遮蔽手段としては、磁性体(軟質磁性体)を用いることができる。光遮蔽手段としては、不透明な材料を用いることができる。断熱手段としては、断熱材を用いることができる。
また、不透明な導体のように、1つの材料により電気遮蔽手段と光遮蔽手段とを兼ね備える構成とすることができる。また、複数の遮蔽手段を積層(例えば、磁性体と断熱材とを積層)することにより、複数の遮蔽機能を兼ね備える構成とすることもできる。
また、化学センサチップから分析装置へと繋がる配線全長の増大によって分析精度が低下することを防止するために、分析装置側の、化学センサチップと接続する配線接続部に、1×1014Ω・cm以上の絶縁抵抗を有する接続端子を設けることができる。1×1014Ω・cm以上の絶縁抵抗を有する材料としては、セラミック、ポリエチレン、テトラフルオロエチレンを用いることができる。
上記課題を解決するための第2の本発明は、化学センサチップが有するノイズレベルを検出し、これを除去する構成に関するものであり、以下の4つの態様に分類される。
第1の態様:化学センサチップのノイズレベルを検出するセンサを設ける態様。
第2の態様:化学センサチップが有するノイズを除去するノイズ除去手段を設ける態様。
第3の態様:化学センサチップのノイズレベルを検出するセンサと、ノイズ除去手段とを設ける態様。
第4の態様:第3の態様の分析チップ装置を用いた検出方法にかかる態様。
第2の本発明の第1の態様は、次のように構成されている。
目的物質の量を検出する化学センサチップと、前記化学センサチップ上に存在するノイズレベルを検出するセンサと、を備えることを特徴とする分析チップ装置。
この構成によると、化学センサチップのノイズレベルを検出でき、ノイズレベルが一定である場合には、補正処理を行うことにより、精度の高い分析を行うことができる。また、ノイズの発生源や原因を調べることが可能となる。
ノイズとしては、電気ノイズ(静電気によるノイズ)、電磁波ノイズ、温度、温度変化によるノイズとすることができる。
電気ノイズや電磁波ノイズを検出するセンサとしては、化学センサチップに設けられたノイズ検出用電極と、ノイズ検出用電極のノイズレベルを検出する検出部と、を備える構成とすることができる。また、電気ノイズを検出するノイズ検出用電極は、ガードリング状の電極とすることができる。また、電気ノイズを検出するノイズ検出用電極は、電磁波に対するアンテナとして機能する長さの電極を用いることができる。
熱ノイズを検出するセンサとしては、熱電対や半導体熱センサ等の公知の温度センサを用いることができる。
第2の本発明の第2の態様は、次のように構成されている。
目的物質の量を検出する化学センサチップと、前記化学センサチップのノイズを除去するノイズ除去手段と、を備えることを特徴とする分析チップ装置。
この構成によると、化学センサチップのノイズを除去することにより、精度の高い分析を行うことができる。
ノイズとしては、電気ノイズ(静電気によるノイズ)、温度、温度変化によるノイズとすることができる。
電気ノイズを除去する手段としては、化学センサチップに蓄積された静電気を放電する手段、化学センサチップを基準電位に接続する手段、静電気を除電するイオン発生器(イオナイザー)等を用いることができる。
温度によるノイズを除去する手段としては、エアーコンディショナーやペルチェ素子等の温度制御手段を用いることができる。
第2の本発明の第3の態様は、上記第2の本発明の第1の態様と、第2の本発明の第2の態様とを組み合わせたものである。よって、その構成及び効果は、上記組み合わせと同様とする。
また、上記第2の本発明の第3の態様においては、センサで検出されたノイズレベルが基準値以上の場合に、ノイズ除去手段を動作させる制御部をさらに備える構成とすることができる。
第2の本発明の第4の態様は、第3の態様の分析チップ装置を用いた検出方法にかかる態様に関し、次のように構成されている。
第3の態様の分析チップ装置を用いた検出方法であって、化学センサチップのノイズレベルを前記センサにより検出するステップと、前記ノイズレベルを判定するステップと、前記ノイズレベルが基準値以上の場合には、前記ノイズ除去手段を用いてノイズを除去するステップと、分析を行うステップと、を備えることを特徴とする。
この構成によると、化学センサチップのノイズレベルを判定した後に、分析精度を低下させるノイズ除去し、その後分析を行うので、ノイズレベルに係らず高い精度で分析を行うことができる。
上記課題を解決するための第3の本発明は、上記第1の本発明と、上記第2の本発明とを組み合わせたものである。
上記第1の本発明によると、化学センサチップへの外部からの影響(電磁波、静電気、磁界、光、熱、圧力、応力歪みなどの物理的な影響や、湿度、空気中のガス、付着した化学物質による汚染(コンタミ)などといった化学的な影響を含む)による分析精度の低下を防ぐことができる。
上記第2の本発明によると、化学センサチップ上に存在するノイズレベルを測定することにより、実際の分析に支障があるかどうかを判定できる。化学センサチップ上に存在するノイズを測定に問題ないレベルにまで除去することにより、検出精度を高めることができる。
上記第3の本発明によると、上記第1の本発明による効果と、上記第2の本発明による効果と、をともに得ることができる。
図1は、実施の形態1に係る分析チップ装置の構成を示す図であり、図1(a)は分離状態を示し、図1(b)は、化学センサチップ収納アダプターに化学センサチップが収納された状態を示し、図1(c)は、分析装置に化学センサチップ収納アダプターが接続された状態を示す。 図2は、実施の形態1に係る分析チップ装置が接続された状態を示す図であって、図2(a)は、化学センサチップが収納された化学センサチップ収納アダプターの断面図であり、図2(b)は、化学センサチップ収納アダプターと分析装置の接続を示す分析チップ装置の部分断面図であり、図2(c)は、分析チップ装置の断面図である。 図3は、実施の形態1に係る分析チップ装置の接続端子を説明する図であり、図3(a)は化学センサチップ収納前、図3(b)は化学センサチップ収納後を示す。 図4は、実施の形態1の分析チップ装置の分析装置と化学センサチップ収納アダプターの接続形態の変形例を示す図である。 図5は、実施の形態2に係る分析チップ装置の構成を示す図である。 図6は、実施の形態3に係る分析チップ装置の構成を示す図であり、図6(a)は化学センサチップを示し、図6(b)は化学センサチップ収納前の分析装置を示し、図6(c)は化学センサチップ収納後の分析装置を示す。 図7は、実施の形態4に係る分析チップ装置の構成を示す図である。 図8は、実施の形態4に係る分析チップ装置の接続形態を示す図であって、図8(a)は断面図、図8(b)、(c)は接続端子を示す図である。 図9は、実施の形態5に係る分析チップ装置の構成を示す図であり、図9(a)は化学センサチップ収納前を示し、図9(b)は化学センサチップ収納後を示し、図9(c)は化学センサチップを示し、図9(d)は化学センサチップの変形例を示す。 図10は、実施の形態5に係る分析チップ装置の静電気ノイズ除去機構を示す図であり、図10(a)は全体図、図10(b)は要部拡大図を示す。 図11は、実施の形態6に係る分析チップ装置の静電気ノイズ除去機構を示す図である。 図12は、実施の形態7に係る分析チップ装置の構成を示す図である。 図13は、実施の形態9に係る分析方法を説明するフローチャートである。 図14は、実施例にかかる化学センサチップを示す図であり、図14(a)は平面図、図14(b)は断面図である。 図15は、実施例1での電気化学測定結果を示すボルタモグラムである。 図16は、比較例1にかかる分析チップ装置の構成を示す図であり、図16(a)は化学センサチップ収納前を示し、図16(b)は化学センサチップ収納後を示し、図16(c)は化学センサチップ上の静電気ノイズを示す。 図17は、比較例1での電気化学測定結果を示すボルタモグラムである。 図18は、従来のマイクロ化学センサチップを示す図である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、第1の本発明の第2の態様について説明する。本実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る分析チップ装置を示す図であり、図2は、分析チップ装置の導電接続を示す図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態にかかる分析チップ装置は、化学センサチップ1と、化学センサチップ1を収容する化学センサチップ収納アダプター3と、化学センサチップ収納アダプター3と接続される分析装置2と、を備えている。
化学センサチップ収納アダプター3には、化学センサチップ1を収納する開口を有するチップ収納部4が設けられており、分析装置2には、化学センサチップ収納アダプター3と接続するアダプター接続部5が設けられている。そして、図1(b)に示すように、化学センサチップ収納アダプター3のチップ収納部4に化学センサチップ1が収納され、図1(c)に示すように、分析装置2のアダプター接続部4に化学センサチップ収納アダプター3が接続されて、分析が行われる。
図1(a)に示すように、化学センサチップ1には、流路20と、検出用の電極6と、が設けられている。そして、化学センサチップ1は、図2(a)に示すように、検出用の電極6が設けられた蓋基板7bと、流路20用の溝が設けられた主基板7aと、が重ね合わされてなる。ここで、主基板7aの材料には、加工性に優れた樹脂材料を用いることができ、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)が好適である。また、蓋基板7bの材料としては、電極形成が容易な材料を用いることができ、ガラスや石英等を用いることができる。また、電極6は、Au、Pt、Agなどの貴金属からなっていてもよく、Al、Cu、Niなど安価な金属からなっていてもよく、これらの金属が積層された構造であってもよい。
化学センサチップ収納アダプター3には、図2(a)に示すように、内部に収納される化学センサチップ1に外部からのノイズが作用することを防止する遮蔽層8が設けられている。また、化学センサチップの電極6と接続される板バネ電極9が設けられている。化学センサチップ収納アダプター3の材料としては、成型用樹脂材料を用いることができ、例えばアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などを用いることができる。
また、化学センサチップ収納アダプター3のチップ収納部4近傍であって、化学センサチップ1の電極6と接触しない位置に、金属材料を設けてもよい。この場合、化学センサチップ1に蓄積された静電気が、当該金属材料を経由して外部に流れるので、化学センサチップ1自体の帯電によるノイズを低減できる。
遮蔽層8は、例えばアダプター内部に収納される化学センサチップ1に外部からの電気的ノイズが作用しないように、電気的に遮蔽するもの(電気遮蔽手段)とすることができる。電気的に遮蔽する遮蔽層8は、導体からなる構成とすることができ、導体としてはカーボンあるいはカーボンライクな材料や、NiやFe、Cuなどの合金等を用いることができる。また、電気的な遮蔽に加えて電磁波をも遮蔽する遮蔽層(電磁遮蔽手段)とすることもできる。電磁遮蔽層とすると、アダプター内外で生じる静電気を速やかに取り除くとともに、電磁波に関しても反射・吸収などによってアダプター内部への侵入を防ぐことができる。
また、遮蔽層8は、磁気的ノイズを遮蔽する磁気遮蔽手段としてもよい。この場合、遮蔽層8として、磁性体(軟質磁性体)からなる構成とすることができる。磁性体としては、鋼やミューメタル等の高い透磁率のものを用いることができるが、これらの材料は遮蔽層作製に手間がかかるという難点がある。そのため、鉄やコバルトからなるアモルファス磁性体などを使用した磁気遮蔽シートを用いることが、汎用性が高いので好ましい。分析チップ装置の周辺に他の電子機器が存在する場合、電子機器の使用による磁界ノイズの影響が測定結果に出てしまうが、磁気遮蔽層を設けることにより、これを防ぐことができる。
また、遮蔽層8は、光学的ノイズを遮蔽する光学的遮蔽手段としてもよい。この構成では、化学センサチップが光にさらされないので、内部の検体の劣化を防ぎ、光学的な影響による検出電流の感度劣化を防止することができる。また、外部からの光によるチップ内部の温度変化も防ぐことができる。光学的遮蔽手段は、不透明な材料からなる構成とすることができる。
また、遮蔽層8は、化学センサチップの温度変化を防止する断熱手段としてもよい。この構成であると、装置内外あるいはアダプター内外での温度変化により、化学センサチップでの電気的な測定結果が大きくばらついてしまうことを防止できる。この場合、遮蔽層8として断熱材料を用いることができる。断熱材料としては、例えばウレタン樹脂などの繊維被膜を用いることができる。
なお、遮蔽層8は、上記の電気遮蔽、電磁遮蔽、磁気遮蔽、光遮蔽、温度遮蔽の複数の機能を有するものとすることができる。これは、複数の機能を有する材料を用いる(例えば、不透明の導体を用いることにより、光と電気とを遮蔽する)ことや、複数の材料を積層することにより実現できる。
図2(c)に示すように、分析装置2は、分析を行う回路基板(分析手段)10と、回路基板10と化学センサチップ収納アダプター3と電気的に接続する板バネ電極11と、を有している。
図2(b)、図2(c)に示すように、化学センサチップ1の電極6と化学センサチップ収納アダプター3とが、板バネ電極9により接続され、化学センサチップ収納アダプター3と分析装置2とが、板バネ電極11により接続されることにより、化学センサチップ1の電極6において検出した信号が、回路基板10に送られる。
ここで、上記のように遮蔽層8を設けると、外部からのノイズに強くなるが、化学センサチップ収納アダプターを化学センサチップ1と分析装置2との間に設けることにより配線長が長くなる。配線長が増大すると、自己誘導電流ノイズが発生するおそれがあるので、これを低減する手段を設けることが好ましい。
本実施の形態では、図3(a)に示すように、分析装置2の回路基板10と化学センサチップ収納アダプター3の板バネ電極9との接続部12には、板バネ電極11が設けられ、この板バネ電極11の一部は、絶縁抵抗が1×1014Ω・cm以上の接続端子14で覆われている。これにより、自己誘導電流ノイズによる影響を低減することができる。接続端子14の材料としては、安価な絶縁材料として知られているセラミック、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。
図3(b)は、分析装置2と化学センサチップ収納アダプター3とを接続した場合の端子14の様子を示したものである。この図から、絶縁接続端子で覆われていない配線部分が短くなっていることがわかる。
なお、本実施の形態は、化学センサチップ収納アダプター、分析装置が独立に存在している1形態を示すものであって、図示した形態に限定されるものではない。
例えば、上記のように化学センサチップ収納アダプター3を分析装置2に直接挿入する方式だけではなく、分析装置3と化学センサチップ収納アダプター2とを、電気コードによって両者を電気的に接続する形態としてもよい。この場合、分析装置3と化学センサチップ収納アダプター2とに、電気コードを接続可能なコネクターを設ける必要がある。
図4に、上述した変形例を示す。分析装置2にはコネクター15が設けられており、化学センサチップ収納アダプター3側にも同様のコネクター(図示せず)が設けられている。そして、電気コード16を介して分析装置2と収納アダプター3は電気的に接続される。この形態によっても、上記と同様の効果が得られる。なお、この形態では、分析装置2の板バネ電極11は不要となる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、第1の本発明の第2の態様の更なる変形例について説明する。図2に、本実施の形態に係る分析チップ装置を示す。本実施の形態は、図5(a)、図5(b)に示すように、分析装置22があらかじめ化学センサチップ収納アダプター23を搭載してなるものであること以外は、上記実施の形態1と同様である。化学センサチップ21、化学センサチップ収納アダプター23、分析装置22の細部の構成は、上記実施の形態1と同様でよい。この構成によっても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、この形態においては、配線接続部分9のみが板バネであって配線接続部分11は板バネではない構成とすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、第1の本発明の第1の態様について説明する。図6に、本実施の形態に係る分析チップ装置を示す。本実施の形態に係る分析チップ装置は、図6(b)、(c)に示すように、化学センサチップ31に遮蔽層38が設けられたものであり、この分析チップ装置が分析手段を有する分析装置32に収納される。
本実施の形態は、次の点以外は上記実施の形態1と同様である。
(1)化学センサチップ収納アダプターがない。
(2)分析装置32には化学センサチップ収納アダプターと接続するアダプター接続部に代えて化学センサチップ31を収納する収納部35が設けられている。
(3)化学センサチップ31の両面を覆う遮蔽層38が設けられている。
(4)化学センサチップ31には電極が設けられていない。
図6(a)に示すように、主基板37aと蓋基板37bとを有する化学センサチップの両面は、遮蔽層38で覆われている。流路320、主基板37a、蓋基板37bは、上記実施の形態1と同様でよい。化学センサチップ31の表面を遮蔽する遮蔽層38は、上記実施の形態1の化学センサチップ収納アダプターの遮蔽層と同様でよい。化学センサチップ31表面に遮蔽層38が設けられてなる分析チップ装置を分析装置32に装着する様子を図6(b)、図6(c)に示す。
分析チップ装置と分析装置32との接続形態は、上記実施の形態1の化学センサチップ収納アダプターに化学センサチップを収納する形態と同様でよい。
ここで、本実施の形態では、化学センサチップには電極が設けられていない。本実施の形態では、電気化学的な検出ではなく、光学的な検出を行う場合について説明する。この形態では、分析チップ装置の構成材料が光学的検出を阻害する材料(例えば、不透明な材料)を用いることはできない。すなわち、遮蔽層38が不透明であってはいけない。このため、遮蔽層38として例えば透明導電体を用いることにより、光学的検出を害することなく、電気的遮蔽を行うことが可能となる。透明導電体としては公知の材料を用いることができ、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の無機透明導電体を用いることができる。また、有機材料からなる透明導電体を用いてもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、第1の本発明の第3の態様について説明する。図7に、本実施の形態に係る分析チップ装置を示す。本実施の形態は、化学センサチップ41表面に遮蔽層を設けることに代えて、分析装置42に遮蔽層を設けていること、化学センサチップに電極を設けていること以外は、上記実施の形態3と同様である。
図7(a)〜(d)に示すように、本実施の形態に係る分析チップ装置は、化学センサチップ41と分析装置42とを備えている。分析装置42には、化学センサチップ41を収納するチップ収納部43と、チップ収納部43を覆う蓋44とが設けられている。
図8(a)に、主基板47aと蓋基板47bとを有する化学センサチップの電極(図示せず)と分析装置内の回路基板410とが、接続配線45と板バネ411とでコンタクトをとっている様子を示す。分析装置42内には、ステージ413と、回路基板支持台412とが設けられている。そして、分析装置42内には、分析装置内に収納される化学センサチップを覆う遮蔽層48が設けられている。また、図8(b)、(c)に示すように、板バネ411の絶縁接続端子に関しては、上記実施の形態1と同様な構成とすることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、第2の本発明の第1の態様について説明する。図9に、本実施の形態に係る分析チップ装置を示す。図9(a)は、本実施の形態に係る化学センサチップと分析装置を示す図であり、図9(b)は、化学センサチップと分析装置とが接続された状態を示す図であり、図9(a)は、本実施の形態に係る化学センサチップと分析装置を示す図であり、図9(c)は、本実施の形態に係る化学センサチップのセンサを示す図であり、図9(d)は、本実施の形態に係る化学センサチップのセンサの変形例を示す図である。
図9(a)に示すように、本実施の形態に係る分析チップ装置は、化学センサチップ51と、化学センサチップを収納するチップ収納部53が設けられた分析装置52と、を有する。本実施の形態に係る化学センサチップ51は、図9(a)、(c)に示すように、ガードリング状の電極57が設けられていること以外は、上記実施の形態1と同様である。
図9(b)に示すように、化学センサチップ51にノイズ(静電気)59がある場合、化学センサチップ51とともにノイズ59が分析装置52内に入り、分析の精度を低下させる。
ノイズが静電気である場合、化学センサチップ51の表面に溜まった静電気は、導体に触れない限り化学センサチップ51の表面上に存在し続ける。ある程度表面に静電気が溜まると、化学センサチップの表面の電荷を帯びた領域は、図16(c)の符号98に示すように広い範囲に及ぶ。本実施の形態の構成では、静電気がたまって電荷を帯びた領域が広がった場合には、化学センサチップ表面の静電気がガードリング状の電極57に接し、電極57に一斉に流れ込む。この電極57の電荷や静電気による電界を、分析装置に設けられた検出部(図示せず)で検出することにより、静電気ノイズレベルを検出することができる。
また、図9(d)に示すように、化学センサチップ表面に配線長の異なった電極パターン58からなるセンサ部とすると、この電極パターン58が電磁波に対するアンテナとして機能する。ノイズの原因となる電磁波は、検出に使用される各電極配線56やそれとつながる配線の長さに応じて侵入してくる。この形態では、各電極配線やそれとつながる配線と同程度の長さの電極パターン58をダミーパターンとして設けるものである。
通常、電気的な検出を行う場合、化学センサチップに設けられる電極56は、作用電極、対電極、参照電極の3電極からなる。電極56を構成する3電極とそれぞれ同じ長さの電極パターン58において電磁波の侵入が検出された場合、電極56にも同様の電磁波が侵入していることとなる。
そして電極パターン58で、電磁波により発生する電界変化を検出することにより、測定に影響を及ぼす電磁波のレベルを確認することが可能になる。
このように静電気や電磁波のノイズレベルを検出することにより、測定データを補正することができる。また、ノイズの発生源や原因を特定することが可能となる。
化学センサチップの温度または温度変化を検出する温度センサを設けることもできる。また、化学センサチップと接続する分析装置において、化学センサチップとの配線接続部から化学センサチップの温度または温度変化を検出する機能を設けることもできる。具体的には、温度センサとして半導体温度センサを用い、化学センサチップ上に半導体温度センサを形成・実装する構成や、化学センサチップ上に半導体温度センサを設けず、化学センサチップと接続する分析装置に半導体温度センサを実装する構成を採用できる。
また、温度センサの別の形態として、化学センサチップ上もしくは化学センサチップと接続する装置側回路に熱電対を設けることができる。その他、公知の温度センサを化学センサチップもしくは化学センサチップと接続する装置側回路に設けるなど様々な形態を採用できる。
上記の温度センサを活用し、化学センサチップの温度変化を把握することにより、測定結果を補正することが可能になる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、第2の本発明の第2の態様について説明する。本実施の形態を、図面を参照して説明する。図10(a)は、本実施の形態にかかる分析チップ装置を示す断面図であり、図10(b)は、化学センサチップの静電気ノイズを除去する機構を説明する図である。
図10(a)に示すように、本実施の形態にかかる分析チップ装置は、化学センサチップ61と、化学センサチップを収納する分析装置62とを有している。化学センサチップ61は、図10(b)に示すように、流路620が設けられた主基板67aと、電極66が設けられた蓋基板67bとを有する。分析装置62には、図10(a)に示すように、実施の形態1と同様に、板バネ611と、回路基板610とが設けられている。また、分析装置62内に導電板68が設けられており、導電板68には昇降移動できる移動機構69が設けられている。また、分析装置62内にステージ613が設けられている。
移動機構69を動作させて化学センサチップ61表面に導電板68を押し付けると(図10(b)参照)、化学センサチップ61表面に存在する静電気(表面電荷)が導電板68を介して速やかに逃げる。速やかに静電気を逃がすために、図10(b)に示すように、導電板68を基準電位(例えば、GND)に短絡しておいてもよい。また、化学センサチップ側を移動させて導電板に接触させる移動機構としてもよい。
また、熱ノイズを除去する場合、導電板608、移動機構609に代えて、温度制御手段を設ける。温度制御手段は、化学センサチップ51の温度を所定の温度(例えば、酵素活性が最も高い温度)を保持するように、分析装置52内部の温度を制御する。温度制御手段としては、公知のものを用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、第2の本発明の第2の態様の変形例について説明する。図11に、本実施の形態にかかる静電気ノイズ除去機構を示す。本実施の形態では、導電板と移動機構とに代えて、化学センサチップ71上の電極76を、測定前に一旦基準電位(例えば、GND)に落とすスイッチ77を備える構成とすること以外は、上記実施の形態6と同様である。測定前に一旦基準電位に落とすことで、電極上に移動した不要な電荷を微小電流として流して、ノイズとなる静電気を除去する。
本実施の形態では、分析装置(図示せず)は、接地された配線に繋がるスイッチ77を有している。化学センサチップ71が収納されると、化学センサチップ71の電極76が、スイッチ77に接続される。スイッチ77をGNDと接続するように切り替えると、化学センサチップ71の電極76はGNDに短絡し、静電気が除去される。実際の検体検出や測定を行う際には、スイッチ77を回路基板(図示せず)と接続するように切り替える。
ガードリング状の電極78は、上記実施の形態5の電極57と同じように、化学センサチップ71上の静電気すなわち化学センサチップ上の電位または電位変化を検出するセンサの役割を果たすものである。電極78もまたスイッチ77によって基準電位(GND)と短絡することで、ガードリング近傍の静電気を除去することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、第2の本発明の第2の態様の更なる変形例について説明する。本実施の形態においては、分析装置内に搭載したイオン発生器(イオナイザー)を使用して、化学センサチップ上に生成された静電気を除去する。化学センサチップは、上記実施の形態4と同様の構成とすることができる。
本実施の形態に係る分析チップ装置を、図12に示す。本実施の形態に係る分析チップ装置は、図12に示すように、化学センサチップ81と、化学センサチップを収納する分析装置82と、を有している。分析装置82内には、化学センサチップ81を搭載するステージ83と、イオン発生器(イオナイザー)84と、が設けられている。分析装置82内のステージ83上に化学センサチップ81が配置された際、イオン発生器84から正電荷もしくは負電荷を帯びた空気イオンがシャワー状に放出され、化学センサチップ81表面に照射される。空気イオンは当該チップ表面の静電気とは異なる極性の電荷を帯びており、正と負の電荷がお互いにキャンセルしあうことで、静電気が除電される。
イオン発生器84は、例えば高電圧によって先端部に放電が生じ空気をイオン化する装置を用いることができる。
空気イオン照射は、化学センサチップ上に照射する量が少ないと静電気が残るおそれがあるため、ある程度多めに照射することが好ましい。しかしながら、照射する量が多すぎると、化学センサチップ表面が逆の極性に帯電してしまうという問題が生じるため、照射量の加減・調節が重要となる。この場合、化学センサチップ表面の電位あるいは電位変化を計測しておく必要がある。このため、上記実施の形態5に示すようなセンサを設けることが好ましい。なお、イオン照射は、表面電位が基準電位に達するまで行うことが好ましい。
(実施の形態9)
本実施の形態では、第2の本発明の第4の態様について説明する。図13に、本実施の形態に係る分析方法のフローチャートを示す。本実施の形態で使用する分析チップ装置としては、実施の形態5と、実施の形態6〜8のいずれかと、を組み合わせたものを用いることができる。
まず、化学センサチップを分析装置に挿入する。
この後、化学センサチップに分析したいサンプルが導入されているかどうか確認する。このとき、サンプルが導入されていれば次の工程に移る。サンプルが導入されていない場合はエラー表示が出されるか、サンプル導入を指示する表示が出される。化学センサチップを分析装置に挿入する前にサンプルを導入する必要がある場合は、分析装置から化学センサチップを取外すよう指示が出される。
この後、化学センサチップ表面のノイズレベルを測定する処理を行う。ノイズレベルを測定するセンサや方法については、上記実施の形態5に記載した手法に従う。
この後、分析装置は、測定したノイズレベルが測定する信号レベルに対して十分低いかどうかを判定する。分析装置内の測定データ演算処理回路(制御部)には、予め判定のための参照データが記憶されており、参照データの信号レベルと比較する。
測定する信号レベルに比べてノイズレベルが大きい、あるいは十分低くない場合、化学センサチップ表面のノイズ源を取り除く。ノイズ低減・除去方法としては、上記実施の形態6〜8に示した構成を用いる。
ノイズレベルが十分低い場合、サンプル分析を開始する。分析が完了した後、分析結果を表示する。分析データは、分析装置のデータ記憶部(DRAM、HDD、フラッシュメモリなど)に記憶される。
このような分析方法を採用することにより、ノイズの影響なく、測定対象からの信号のみを検出することができるので、分析精度が高まる。
(比較例1)
本比較例に係る分析チップ装置は、図16(a)、(b)に示すようにように、遮蔽対策が施されていない化学センサチップ91と、分析装置92と、を有する。
化学センサチップは、図18に示すように、流路1002と、流路1002に設けられた、作用極、対極、参照極からなる電極1005と、流路1002に液を導入する導入部1003と、流路1002から液を排出する排出部1004と、を有している。
主基板への流路1002用の溝の形成には、金型による樹脂成型方法を用いた。金型は、シリコン基板にフォトリソ法でレジストパターンを形成後、ドライエッチングプロセス法によりエッチングを行って作製した。作製された金型型枠を設置し、シリコンゴム(ポリジメチルシロキサン、東レダウコーニング社製 ジルポット184)を厚みが2mmになるまで流し込み、100℃、15分の加熱を行い、硬化させた。硬化後、金型と硬化したシリコンゴムを分離させ、シリコンゴムを縦20mm、横10mm、厚み2mmに整形し、上部基板を作製した。流路幅は50μm、流路高さは50μmとした。
蓋基板は、厚み600μmの石英基板をダイシングソーで縦25mm、横15mmに切断して作製した。電極1005の作製には、フォトリソ法によりレジストをパターニング後、スパッタ法によってチタン層(またはクロム層)50nm、金層100nmを形成し、リフトオフ法によってレジストおよびレジスト上に形成されたチタン層および金層を除去し、所望の形にパターニングされた電極を形成した。
上記主基板と蓋基板とを張り合わせ、実施例1にかかる化学センサチップを作製した。
上記化学センサチップにTrisバッファを流し、サイクリックボルタメントリー法を用いて、分析装置92で測定を行った。この結果(ボルタモグラム)を図17に示す。
図17に示すように、Trisバッファのサイクリックボルタメントリー測定結果において、電流値が±50nA程度ばらついていることがわかる。このばらつきは、化学センサチップ表面に生じた静電気が流路の壁面に移動して、電気化学検出に影響したためである。
(実施例1)
本実施例は、第3の本発明について説明する。本実施例に係る分析チップ装置は、図1に示すように、化学センサチップ1と、化学センサチップ収納アダプター3と、分析装置2とを有する。なお、化学センサチップ1は、図14(a)に示すように、ガードリング状の電極99が設けられていること以外は、上記比較例1と同様のものを用いた。
化学センサチップ収納アダプター3は、アクリル樹脂製の筐体に、アモルファス磁性体からなる遮蔽層8を設けたものを用いた。
分析装置2は、実施の形態7に示す構造のものを用いた。これらの化学センサチップ、化学センサチップ収納アダプター、分析装置を、図1(c)に示すように接続した。
分析装置の傍に市販の電磁波発生器を置いておきノイズ源とした。
上記実施の形態9に示すフローにより、分析を行った。ノイズ測定では、電磁波発生器からの電磁波ノイズ検出されなかったが、挿入時に発生したと思われる静電気由来のノイズが検出された。このことから、化学センサチップ収納アダプターに遮蔽層を設けることにより、外部から化学センサチップに作用するノイズを低減できることがわかった。
この後、実施の形態7に示す方法により、ノイズ低減を行った。この分析結果(ボルタモグラム)を、図15に示す。
図15、17の比較からわかるように、実施例1にかかる測定結果は、比較例1よりも電流のバラツキが小さい。これは、遮蔽層を設けることにより外部ノイズが大きく低減され、且つノイズ低減処理を行うことにより、化学センサチップ挿入時のノイズも低減されたためである。
なお、実施の形態2に即して実施した場合でも、上記実施例1と同様の結果が得られた。
また、実施の形態3に即して実施した場合には、化学センサチップ上に遮蔽層があるため、静電気が残りにくく、静電気由来と思われるノイズレベルは検出されなかった。つまり、この構成では、静電気の発生自体を抑止できる構成であることがわかった。
また、実施の形態4に即して実施した場合には、実施例1と同様に静電気由来のノイズレベルが検出された。しかし、実施例1と同様にノイズ低減・除去を行うことにより、実施例1と同様の結果が得られた。
上述したように、本発明によると、ノイズが低減されることで微小電流など高感度な測定が可能になり、サンプル中の微量検体の検出・検量が容易になることがわかった。
なお、上記実施の形態では、微細流路が設けられた化学センサチップを例として説明したが、本発明は微細流路が設けられた化学センサチップに限定されるものではなく、外界の化学物質の量や種類を電気信号、光信号、熱や質量による信号等の他の信号に変換して検知する化学センサチップ全てに適用できるものである。化学センサとしては、イオンセンサ、ガスセンサ、バイオセンサ、微生物センサ、免疫センサ等を用いることができる。
以上説明したように、第1の本発明によると、化学センサチップに外部から作用するノイズを遮蔽する遮蔽層を設けることにより、精度の高い分析を行うことができる。また、第2の本発明によると、化学センサチップに電気的なノイズレベルを検出するセンサを設けることにより、データ補正が容易となり、また、ノイズを除去する手段を設けることにより、精度の高い分析を行うことができる。また、第3の本発明によると、第1の本発明の効果と第2の本発明の効果をともに得ることができる。よって、産業上の意義は大きい。
1,21,31,41,51,61,71,81: 化学センサチップ
2,22,32,42,52,62,82: 分析装置
3,23: 化学センサチップ収納アダプター
4: チップ収納部(アダプター)
5: アダプター接続部
6,45,66,96: 配線もしくは電極
7a,37a,47a,67a,97a: 主基板
7b,37b,47b,67b,97b: 蓋基板
8,38,48,68: 遮蔽層(遮蔽層)
9: 板バネ電極
10,410,610: 回路基板(分析手段)
11,611: 板バネ電極
12: アダプター接続部
13: 回路領域
14: 絶縁抵抗端子
15: コネクター
16: コード
20,320,910,1002: 流路
35,43,53:チップ収納部(分析装置)
44: 蓋
412: 回路基板支持台
413,613,83: ステージ
56,76,913,1005: 検出用電極
57,78,99: ガードリング状電極
58: アンテナ状電極
59: ノイズ
68: 導電板
69: 移動機構
77: スイッチ
83: ステージ
84: イオン発生器
911,1003: 導入口
912,1004: 排出口

Claims (57)

  1. 化学センサチップと、
    前記化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部と、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  2. 請求項1に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽部は、前記化学センサチップの表面を覆う遮蔽層からなる、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  3. 請求項2に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽層は、電気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  4. 請求項2に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽層は、磁気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  5. 請求項2に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽層は、電磁遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  6. 請求項2に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽層は、光遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  7. 請求項2に記載の分析チップ装置において、
    前記遮蔽層は、断熱手段を有する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  8. 請求項1に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、
    前記化学センサチップを収納する化学センサチップ収納アダプターを備え、
    前記遮蔽部は、前記化学センサチップ収納アダプターに設けられている、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  9. 化学センサチップが収納されるチップ収納部と、
    前記化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部と、
    を備えることを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  10. 請求項9に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽部は、前記チップ収納部を覆う遮蔽層からなる、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  11. 請求項10に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽層は、電気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  12. 請求項10に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽層は、磁気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  13. 請求項10に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽層は、電磁遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  14. 請求項10に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽層は、光遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  15. 請求項10に記載の化学センサチップ収納アダプターにおいて、
    前記遮蔽層は、断熱手段を有する、
    ことを特徴とする化学センサチップ収納アダプター。
  16. 請求項10記載の化学センサチップ収納アダプターと、
    化学センサチップと、
    前記化学センサチップ収納アダプターと接続された、分析手段を有する分析装置と、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  17. 請求項10記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップ収納アダプターと前記分析装置とが一体化されてなる、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  18. 請求項1に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、
    分析手段を有し、前記化学センサチップを収納する分析装置を備え、
    前記遮蔽部は、前記分析装置に設けられている、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  19. 化学センサチップが収納されるチップ収納部と、
    前記化学センサチップに外部から作用するノイズを低減する遮蔽部と、
    分析手段と、
    を備えることを特徴とする分析装置。
  20. 請求項19に記載の分析装置において、
    前記遮蔽部は、前記チップ収納部を覆う遮蔽層からなる、
    ことを特徴とする分析装置。
  21. 請求項20に記載の分析装置において、
    前記遮蔽層は、電気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析装置。
  22. 請求項20に記載の分析装置において、
    前記遮蔽層は、磁気遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析装置。
  23. 請求項20に記載の分析装置において、
    前記遮蔽層は、電磁遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析装置。
  24. 請求項20に記載の分析装置において、
    前記遮蔽層は、光遮蔽手段を有する、
    ことを特徴とする分析装置。
  25. 請求項20に記載の分析装置において、
    前記遮蔽層は、断熱手段を有する、
    ことを特徴とする分析装置。
  26. 請求項18に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップは、検出用電極と、前記検出用電極と接続された端子と、を有し、
    前記チップ収納部には、前記端子と接続する配線接続部が設けられ、
    前記配線接続部には、1×1014Ω・cm以上の絶縁抵抗を有する接続端子が設けられている、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  27. 請求項19に記載の分析装置において、
    前記チップ収納部には、前記化学センサチップの端子と接続するための配線接続部が設けられ、
    前記配線接続部には、1×1014Ω・cm以上の絶縁抵抗を有する接続端子が設けられている、
    ことを特徴とする分析装置。
  28. 請求項26に記載の分析チップ装置において、
    上記接続端子が、セラミック、ポリエチレン、又はポリテトラフルオロエチレンからなる、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  29. 請求項27に記載の分析装置において、
    上記接続端子が、セラミック、ポリエチレン、又はポリテトラフルオロエチレンからなる、
    ことを特徴とする分析装置。
  30. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、16、17、18、26又は28に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップには、微細流路が設けられている、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  31. 化学センサチップと、
    前記化学センサチップ上に存在するノイズレベルを検出するセンサと、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  32. 請求項31に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、前記電気ノイズ及び/又は電磁波ノイズを検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  33. 請求項32に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、
    前記化学センサチップに設けられたノイズ検出用電極と、
    前記ノイズ検出用電極のノイズレベルを検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  34. 請求項33に記載の分析チップ装置において、
    前記検出部は、前記ノイズ検出用電極の電位または電位変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  35. 請求項33に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズ検出用電極は、ガードリング状の電極である、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  36. 請求項33に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップは、検出用電極をさらに備え、
    前記ノイズ検出用電極は、前記検出用電極と等しい長さを有する電極である、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  37. 請求項31に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、前記化学センサチップの温度または温度変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  38. 請求項37に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップは、検出用の電極と、前記電極に繋がる配線接続部とを有し、
    前記センサは、前記配線接続部の温度または温度変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  39. 化学センサチップと、
    前記化学センサチップのノイズを除去するノイズ除去手段と、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  40. 請求項39に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズが、化学センサチップに蓄積された静電気である、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  41. 請求項40に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズ除去手段は、
    導電板と、
    前記化学センサチップ表面と前記導電板とを接触させるように移動可能な移動機構と、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  42. 請求項40に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズ除去手段は、前記化学センサチップを基準電位に接続する機構を備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  43. 請求項40に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズ除去手段は、前記化学センサチップ表面に空気イオンを照射するイオン発生器を備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  44. 請求項39に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズが、化学センサチップの温度である、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  45. 請求項44に記載の分析チップ装置において、
    前記ノイズ除去手段は、温度制御手段である、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  46. 請求項39ないし45いずれか1項に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、前記化学センサチップを収納する化学センサチップ収納アダプターをさらに備え、
    前記ノイズ除去手段が前記化学センサチップ収納アダプターに設けられている、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  47. 請求項46記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、分析手段が設けられ、前記化学センサチップ収納アダプターと接続される分析装置をさらに備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  48. 請求項39ないし45いずれか1項に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、前記化学センサチップを収納し、分析手段が設けられた分析装置をさらに備え、
    前記ノイズ除去手段が前記分析装置に設けられている、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  49. 請求項39に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、前記化学センサチップのノイズレベルを検出するセンサをさらに備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  50. 請求項49に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、
    前記化学センサチップに設けられたノイズ検出用電極と、
    前記ノイズ検出用電極のノイズレベルを検出する検出部と、を備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  51. 請求項50に記載の分析チップ装置において、
    前記検出部は、前記ノイズ検出用電極の電位または電位変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  52. 請求項49に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、前記化学センサチップの温度または温度変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  53. 請求項52に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップは、検出用の電極と、前記電極に繋がる配線接続部と、を有し、
    前記センサは、前記配線接続部の温度または温度変化を検出する、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  54. 請求項49に記載の分析チップ装置において、
    前記センサは、
    前記化学センサチップに設けられた配線接続部と、
    前記配線接続部の化学センサチップの温度または温度変化を検出する検出部と、を備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  55. 請求項49に記載の分析チップ装置において、
    前記分析チップ装置は、前記センサで検出されたノイズレベルが基準値以上の場合に、前記ノイズ除去手段を動作させる制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする分析チップ装置。
  56. 請求31ないし55いずれか1項に記載の分析チップ装置において、
    前記化学センサチップには、微細流路が設けられている、
    を備えることを特徴とする分析チップ装置。
  57. 請求項49に記載の分析チップ装置を用いた分析方法であって、
    化学センサチップのノイズレベルを前記センサにより検出するステップと、
    前記ノイズレベルを判定するステップと、
    前記ノイズレベルが基準値以上の場合には、前記ノイズ除去手段を用いてノイズを除去するステップと、
    分析を行うステップと、
    を備えることを特徴とする分析方法。
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