JP2011103232A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電線の振動に伴い雄雌コネクタにそれぞれ保持されている端子が早期に摺動磨耗するのを抑えることのできる防水コネクタを提供する。
【解決手段】雌コネクタ30のアウタハウジング50に、奥壁52と、外筒部54と、インナハウジング40をアウタハウジング50に対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止する係止部54cと、雄コネクタ130をアウタハウジング50に対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止するロック部54aとを設け、奥壁52に、この奥壁52を端子嵌合方向に貫通して電線10を挿通可能な電線挿通孔52bを形成し、アウタハウジング側防水栓18を、インナハウジング40から端子嵌合方向後側へ離間する位置で電線10に装着するとともに、電線挿通孔52b内に挿入されてこの電線挿通孔52bの内周面と電線10の外周面とにそれぞれ密着する形状とする。
【選択図】図1
【解決手段】雌コネクタ30のアウタハウジング50に、奥壁52と、外筒部54と、インナハウジング40をアウタハウジング50に対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止する係止部54cと、雄コネクタ130をアウタハウジング50に対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止するロック部54aとを設け、奥壁52に、この奥壁52を端子嵌合方向に貫通して電線10を挿通可能な電線挿通孔52bを形成し、アウタハウジング側防水栓18を、インナハウジング40から端子嵌合方向後側へ離間する位置で電線10に装着するとともに、電線挿通孔52b内に挿入されてこの電線挿通孔52bの内周面と電線10の外周面とにそれぞれ密着する形状とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、互いに嵌合する一対のコネクタを有し、一方のコネクタにインナハウジングとアウタハウジングとが設けられた防水コネクタに関するものである。
従来、防水コネクタとして、互いに嵌合する雄コネクタと雌コネクタとを有するとともに、前記雌コネクタが端子を保持するインナハウジングとこのインナハウジングを囲むアウタハウジングとを有するものが用いられる場合がある。
例えば、特許文献1には、図7に示すような電線B10に接続された雌端子B16を有する雌コネクタB30と雄端子B116およびこの雄端子B116を保持する雄側ハウジングB140を有する雄コネクタB130とを備え、雌コネクタB30に前記雌端子B16を保持するインナハウジングB40とこのインナハウジングB40を囲むアウタハウジングB50とが設けられた防水コネクタB20が開示されている。
前記防水コネクタB20では、前記インナハウジングB40の前部に前記雌端子B16が収容される端子収容室B42が形成されており、インナハウジングB40の後部に前記端子収容室B42に連通する電線挿通室B44が形成されている。前記雌端子B16が前記端子収容室B42内に収容保持された状態で、前記電線挿通室B44内には電線B10に装着されたアウタハウジング側防水栓B18が挿入されており、アウタハウジング側防水栓B18の内周面と電線B10の外周面とが密着するとともにアウタハウジング側防水栓B18の外周面と電線挿通室B44の内周面とが密着して電線B10の外周面と電線挿通室B44の内周面との隙間から端子収容室B42へ水が浸入するのが抑制されている。そして、この雌端子B16を前記端子収容室B42の内側に収容保持するインナハウジングB40は、前記アウタハウジングB50に形成されたインナハウジング挿通孔B50aに前記電線挿通部B44が挿通された状態で係止される。
一方、前記雄側ハウジングB140には、前記雄端子B116の周囲を囲むフード部B144が設けられている。この雄側ハウジングB140は、前記フード部B144が前記インナハウジングB40の外周面と前記アウタハウジングB50の内周面との間に介在した状態でこのアウタハウジングB50にロックされる。この状態において、前記雄端子B116は前記端子収容室B42内に挿入され、雄端子B116はこの端子収容室B42に保持された前記雌端子16と嵌合する。
ここで、前記電線B10に外部から振動が加えられると、この振動は前記アウタハウジング側防水栓B18を介して前記インナハウジングB40に伝わり、インナハウジングB40を介して前記雌端子B16に伝わる。このとき、前記雌端子B16と雄端子B116とのこれら端子の嵌合方向と略直交する方向に相対変位すると、端子同士が擦れ合って端子が摺動磨耗するおそれがある。これに対して、この防水コネクタB20では、前記フード部B144に端子の嵌合方向と略直交する方向で前記インナハウジングB40と接触してフード部B144ひいては雄側ハウジングB140と前記インナハウジングB40間のこの端子の嵌合方向と略直交する方向の相対変位を防止するリブB46、B47が設けられており、これらリブB46、B47によるハウジング間の相対変位の規制により前記端子の摺動磨耗を抑制している。
前記従来の防水コネクタB20では、前記雌コネクタB30のインナハウジングB40と雄側ハウジングB140との間の端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制することにより端子の摺動磨耗を抑えているが、電線10がその軸方向と略直交する方向に触れるように振動すると、その振動がインナハウジングB40にそのまま伝えられるおそれがある。特に、この防水コネクタB20では、電線B10に装着された前記アウタハウジング側防水栓B18が前記端子挿通部B44すなわちインナハウジングB40に密着しているために、電線10に加えられた力がインナハウジングB40に伝達されやすく、比較的小さな外力でインナハウジングB40が振動する。しかも、この防水コネクタB20では、前記相対変位防止のためにインナハウジングB40が雄側ハウジングB140に押し付けられていることから防水コネクタB20全体の共振周波数が高くなっており、その共振が防水コネクタB20全体に発生する結果、かえって端子の損傷を促すおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な構成で端子の早期磨耗を抑えることのできる防水コネクタを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、発明者等は、電線に装着されるアウタハウジング側防水栓をインナハウジング側ではなくアウタハウジング側に接触させて、電線の振動に伴ってアウタハウジングをインナハウジングに対して振動させてこのアウタハウジングの振動により電線のもつ振動エネルギを吸収することで前記インナハウジングへ伝達される振動エネルギの量を小さくすることに想到した。本発明は、このような発想に基づいてなされたもので、前記課題を解決するための手段として、電線に接続された雌端子を有する雌コネクタと、前記雌端子と嵌合する雄端子およびこの雄端子を保持する雄側ハウジングを有し前記雌コネクタと嵌合する雄コネクタとを備えた防水コネクタであって、前記雌コネクタは、前記雌端子を保持するインナハウジングと、このインナハウジングを囲むアウタハウジングと、内側に前記電線が挿通されることでこの電線に装着されるアウタハウジング側防水栓と、シール部材とを有し、前記インナハウジングは、端子嵌合方向に延びる略筒状であって、この端子嵌合方向の後側から前記雌端子が挿入されてこの雌端子が収容される端子収容室が内側に形成された本体部と前記アウタハウジングに係止される被係止部とを有し、前記アウタハウジングは、前記インナハウジングの端子嵌合方向の後端を覆う奥壁と、この奥壁の外周から前方に突出して前記インナハウジングの外周を囲む外筒部と、前記被係止部と係合して前記インナハウジングをこのインナハウジングがこのアウタハウジングに対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止する係止部と、前記雌コネクタと雄コネクタとの嵌合状態において前記雄コネクタをこの雄コネクタがこのアウタハウジングに対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止するロック部とを有し、前記シール部材は、前記被係止部と前記係止部とが係合するとともに前記端子収容室に前記雌端子が収容された状態で前記外筒部の内側に収容されて前記雌端子あるいは前記電線の外側を囲み前記外筒部と前記インナハウジングとの隙間から前記端子収容室への浸水を抑止する形状を有し、前記奥壁には、この奥壁を端子嵌合方向に貫通して前記電線をこの端子嵌合方向に挿通可能な電線挿通孔が形成されており、前記アウタハウジング側防水栓は、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記端子収容室に前記雌端子が収容された状態で前記インナハウジングから端子嵌合方向後側へ離間する位置で前記電線に装着されるとともに、その少なくとも一部が、前記電線挿通孔内に挿入されてこの電線挿通孔の内周面とこの電線挿通孔に挿通された電線の外周面とにそれぞれ密着する形状を有することを特徴とする防水コネクタを提供する(請求項1)。
本発明によれば、電線の振動に伴うインナハウジングの振動が抑制されて、このインナハウジングに保持される雌端子と雄端子とが擦れ合ってこれら端子が早期に磨耗するのが抑制される。
すなわち、本防水コネクタでは、前記アウタハウジング側防水栓が前記インナハウジング側ではなく前記アウタハウジング側に密着しているとともにアウタハウジングがインナハウジングに対して相対変位可能であるため、電線がその軸方向すなわち端子嵌合方向と略直交する方向に振動した場合、前記アウタハウジング側防水栓を介して電線の振動エネルギを受けることでアウタハウジングがインナハウジングに対して相対変位しながら振動する。その結果、この振動がインナハウジングに直接伝えられることが防がれるのに加え、このアウタハウジングの振動によって電線のもつ振動エネルギが吸収されることによりインナハウジングの振動が効果的に抑制される。ここで、前記雄コネクタは前記ロック部により前記アウタハウジングに係止されるが、この雄コネクタと前記アウタハウジングとは相対変位可能であるため、前記のようなアウタハウジングの振動が保証される。このようにして、本防水コネクタでは、アウタハウジングによる前記振動エネルギの吸収により、インナハウジングに保持される雌端子および雄コネクタに設けられた雄端子の振動が抑制され、これら端子の摺動磨耗が抑制される。
本発明において、前記インナハウジングは、前記雄側ハウジングと端子嵌合方向に当接することによりこのインナハウジングと雄側ハウジングとの端子嵌合方向の相対変位を規制する端子嵌合方向変位規制部を有し、前記シール部材は、弾性部材であって、前記インナハウジングと前記アウタハウジングの奥壁との間に介在して前記端子収容室の開口部を囲む形状を有するとともに、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記雄コネクタが前記ロック部に係止された状態で前記インナハウジングと前記アウタハウジングの奥壁との間において端子嵌合方向に圧縮変形することによりその弾発力で前記端子嵌合方向変位規制部を前記雄側ハウジング側に押付けるのが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、前記シール部材が端子収容室の開口部を囲むことで端子収容室への浸水をより確実に抑制することができるとともに、このシール部材の弾発力により前記端子嵌合方向変位規制部を前記雄側ハウジング側に押圧することで、前記インナハウジングに対するアウタハウジングの振動を許容しながらインナハウジングと雄側ハウジングとの端子嵌合方向の相対変位を抑制することができる。このことは、この端子嵌合方向での端子どうしの摺動も有効に抑制する。
また、本発明において、前記雄側ハウジングは、端子嵌合方向と略直交する方向に延びて前記雄端子を保持する雄端子保持部と、この雄端子保持部の外周から後方に突出し、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに雄コネクタが係止された状態で前記インナハウジングの本体部の外周を囲むフード部と、前記フード部に設けられて前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で端子嵌合方向と略直交する方向に前記インナハウジングと当接することによりこの雄側ハウジングと前記インナハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制する雄側ハウジング側当接部とを有し、前記インナハウジングは、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記雄側ハウジング側当接部と端子嵌合方向と略直交する方向に当接することによりこのインナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制するインナハウジング側当接部を有するのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、前記のようにインナハウジングに対するアウタハウジングの相対的な振動を許容する一方で、前記雄側ハウジング側当接部とインナハウジング側当接部との当接によって雄側ハウジングとインナハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向への相対変位が規制されることにより、端子どうしの摺動がより有効に抑制される。
前記雄側ハウジング側当接部としては、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記フード部の内周面から前記インナハウジングの本体部の外周面に設けられた前記インナハウジング側当接部に向かって突出して、前記インナハウジング側当接部と当接することにより前記インナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制する形状を有するものが挙げられる(請求項4)。また、前記インナハウジング側当接部としては、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記インナハウジングの本体部の外周面から前記フード部の内周面に設けられた前記雄側ハウジング側当接部に向かって突出して、前記アウタハウジング側当接部に当接することにより前記インナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制する形状を有するものが挙げられる(請求項5)。
これらの構造によれば、簡単な構造で前記雄側ハウジングとインナハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向への相対変位を抑制することができる。
また、前記インナハウジングに、前記本体部の外周面から端子嵌合方向と略直交する方向に延びる壁部を設け、前記インナハウジング側当接部を、前記壁部から端子嵌合方向と略平行な方向に延びて、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記フード部の内周面あるいは外周面に設けられた前記雄側ハウジング側当接部と当接する形状を有するよう構成してもよい(請求項6)。
また、本発明において、前記雌コネクタは、内側に前記電線が挿通されることでこの電線に装着されるインナハウジング側防水栓を有し、前記端子収容室は、前記雌端子とともにこの雌端子に接続された電線の一部を収容可能な形状を有し、前記インナハウジング側防水栓は、前記端子収容室に前記雌端子および前記電線の一部が収容された状態で、その少なくとも一部が、前記端子収容室内に挿入されてこの端子収容室の内周面とこの端子収容室に収容された電線の外周面とにそれぞれ密着する形状を有するのが好ましい(請求項7)。
このようにすれば、前記アウタハウジング側防水栓に加えてインナハウジング側防水栓が端子収容室の内周面と電線の外周面との間から端子収容室すなわち端子側に水が浸入するのを抑制するため、この浸水を抑制しつつ前記アウタハウジング側防水栓およびシール部材の硬度をより適切な値に調整することができる。すなわち、アウタハウジング側防水栓のみで端子収容室側に水が浸入するのを抑制しようとすると、このアウタハウジング側防水栓に電線挿通孔の内周面および電線の外周面に対する高い密着性が要求されアウタハウジング側防水栓の硬度の設定範囲が制約される。その結果、アウタハウジング側防水栓の硬度を高い振動抑制性能を得るために必要な値に設定するのが困難となる場合がある。これに対して、本構成のようにアウタハウジング側防水栓とインナハウジング側防水栓との協働で浸水を抑制すれば、アウタハウジング側防水栓単独の場合に比べて高い密着性が要求されないためアウタハウジング側防水栓の硬度の設定の自由度を高めることができ、このアウタハウジング側防水栓の硬度を振動抑制性能が高くなるように設定することができる。
以上のように、本発明によれば、インナハウジングへの振動エネルギの伝達を抑制し端子の早期磨耗を抑制することができる防水コネクタを提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る防水コネクタ20を示す。この図に示すように、防水コネクタ20は、電線10に接続された雌端子16を有する雌コネクタ30と、前記雌端子16と嵌合する雄端子116を有し前記雌コネクタ30と嵌合する雄コネクタ130と、シールリング70とを備える。
前記雌コネクタ30は、前記雌端子16を保持するインナハウジング40と、アウタハウジング50と、アウタハウジング側防水栓18と、シール部材60とを有する。
前記雌端子16は、前記雄端子116と電気的に接続される電気接触部16aと、電線10に圧着されるバレル16bと、前記インナハウジング40の後述する端子保持部42aと係合する端子被保持部16cとを有している。
前記電線10は、導体12とこの導体12を被覆する絶縁被覆14とを備えている。この電線10は、前記バレル16bがこの絶縁被覆14に圧着されることで前記雌端子16に固定される。
前記アウタハウジング側防水栓18は、弾性部材であり、前記電線10の外周面と後述するアウタハウジング50の奥壁52の電線挿通孔52bの内周面との隙間から前記雌端子16側に水が侵入するのを防止するためのものである。このアウタハウジング側防水栓18には電線10の長手方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に前記電線10が挿入されることでこのアウタハウジング側防水栓18は前記電線10の外周面にこの外周面に密着した状態で装着されている。
前記インナハウジング40は、端子嵌合方向(以下この方向を、適宜、前後方向と呼ぶ)に延びる略筒状であって、本体部41と、この本体部41の後端に設けられる壁部43とを有している。本実施形態では、この本体部41と壁部43とは合成樹脂により一体に形成されている。
前記本体部41の内側には、前後に開口する端子収容室42が形成されている。本実施形態では、図2等に示すように2つの端子収容室42が互いに平行に形成されている(以下この端子収容室42の並び方向を左右方向と呼ぶとともに、この左右方向および端子嵌合方向と略直交する方向を上下方向と呼ぶ)。前記端子収容室42の底壁には、前記雌端子16の端子被保持部16cと係合する端子保持部42aが設けられている。前記雌端子16は、この端子収容室42の後端の開口部から挿入されて前記端子保持部42aと係合することでこの端子収容室42内に収容保持される。
前記本体部41の前側部分の外周面には、この外周面から外側すなわち端子嵌合方向と直交する方向に突出する複数のインナハウジング側突出部(インナハウジング側当接部)41aが設けられている。本実施形態では、図4に示すように、前記本体部41の外周面に周方向に沿ってほぼ等間隔に6つのインナハウジング側突出部41aが設けられている。
前記壁部43は、前記本体部41の後端の外周面から外側に突出して端子嵌合方向と略直交する方向に広がる形状を有している。本実施形態では、前記本体部41の外周面全体にわたって外側に壁部43が広がっている。この壁部43の外周端には、前方に突出する外側突出壁(突出壁、インナハウジング側当接部)43bが設けられている。また、この壁部43のうち前記外側突出壁43bより所定量内側に離間した位置には、前方に突出する内側突出壁43dが設けられている。前記外側突出壁43bと内側突出壁43dとの間には、これら外側突出壁43bと内側突出壁43dで囲まれることにより後方に凹む溝部43cが形成されている。前記外側突出壁43bの内周面には、その全周にわたって内側すなわち端子嵌合方向と略直交する方向に突出する環状リブ突起43eが形成されている。
前記壁部43の左右両端部には、左右外側に突出するインナハウジング被係止突起(被係止部)43aが設けられている。このインナハウジング被係止突起43aは、前記アウタハウジング50の後述するインナハウジング係止孔(係止部)54cに係止される部分である。
前記アウタハウジング50は、奥壁52と、前記インナハウジング40を内側に収容してこのインナハウジング40の外周を囲む外筒部54とを有している。本実施形態では、この奥壁52と外筒部54とは合成樹脂により一体に形成されている。
前記奥壁52は、端子嵌合方向と略直交する方向に広がる板状部分であって、前記外筒部54の内側に前記インナハウジング40が収容された状態でこのインナハウジング40の後端を覆う形状を有している。この奥壁52には、前記各端子収容室42と対向する位置にこの奥壁52を前後方向に貫通する電線挿通孔52bがそれぞれ形成されている。この奥壁52のうち前記電線挿通孔52bを囲む部分は、他の部分よりも後方に突出しており、後述するようにこの電線挿通孔52b内に前記アウタハウジング側防水栓18が挿入された際にアウタハウジング側防水栓18がこの電線挿通孔52b内に安定して配置されるよう構成されている。
前記外筒部54は、前記奥壁52の外周端から前方に突出する形状を有している。この外筒部54の内径は、前記インナハウジング40の外径よりも大きく、この外筒部54の内側には前記インナハウジング40が収容される。また、この外筒部54の内径は、外筒部54の内側に前記インナハウジング40が収容された状態で、外筒部54の内周面とインナハウジング40の本体部41との間に前記雄コネクタ130の後述するフード部144が挿入可能な大きさに設定されており、外筒部54の内側には前記インナハウジング40に加えて前記フード部144が収容される。
前記外筒部54の後端付近の左右両端には、この外筒部54を左右に貫通するインナハウジング係止孔54cが形成されている。このインナハウジング係止孔54cは、前記インナハウジング被係止突起43aと係合する部分であり、このインナハウジング係止孔54cにインナハウジング被係止突起43aが挿入され係止されることでインナハウジング40は前記外筒部54の内側に収容された状態で係止される。このインナハウジング係止孔54cの前後方向の深さは、前記インナハウジング被係止突起43aの前後方向の長さよりも長く、このインナハウジング係止孔54cの上下方向の深さは、前記インナハウジング被係止突起43aの上下方向の長さよりも長く、このインナハウジング係止孔54cの内側においてインナハウジング被係止突起43aは上下左右前後に自由に変位することが可能であり、前記インナハウジング40はこの外筒部54の内側でこの外筒部54ひいてはアウタハウジング50に対して上下左右方向すなわち端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能に係止される。
前記外筒部54の天壁には、ロック部54aが設けられている。このロック部54aは、前記雄コネクタ130を係止してこの雄コネクタ130を前記雌コネクタ30と嵌合した状態でロックするためのものである。このロック部54aには、上下方向に貫通して前記雄コネクタ130の後述するロック突起144aと係合するロック孔54bが形成されている。このロック部54aは、上下方向に弾性変位可能であり、上方に変位した状態で前記ロック突起144aを前記ロック孔54b内に導入し、ロック突起144aがロック孔54b内に導入された後下方に変位することで前記ロック突起144aをこのロック孔54b内に係止する。
前記シール部材60は、環状の弾性部材である。このシール部材60は、前記インナハウジング40の壁部43の後端面と前記アウタハウジング50の奥壁52の前端面との間に配置された状態で前記端子収容室42の後側の開口部を囲む形状を有している。そして、このシール部材60は、前記インナハウジング40が前記アウタハウジング50に係止された状態で前記壁部43の後端面と前記奥壁52の前端面との間で前後方向に圧縮変形して、これら後端面および前端面とに密着してこの壁部43と奥壁52との間の隙間を密閉する。この密閉により前記隙間から端子収容室42へ水が浸入するのが防止される。
前記雄コネクタ130は、前記雄端子116に加えて、この雄端子116を保持する雄側ハウジング140を有している。
前記雄端子116は、前後方向に延びる金属片であり、その後側部分が前記雌端子16の電気接触部16a内に挿入されることでこの雌端子16と電気的に接続される。
前記雄側ハウジング140は、前記雄端子116を保持する雄端子保持部142と、フード部144とを有する。
前記雄端子保持部142は、端子嵌合方向と略直交する方向に延びるとともに端子嵌合方向すなわち前後方向に延びる形状を有している。この雄端子保持部142は、内側に前記雄端子116の略中央部分が圧入されることでこれら雄端子116を左右に並んだ状態で保持している。
前記フード部144は、前記雄端子保持部142の後端の外周から後方に突出する略筒状を有している。このフード部144の内径は前記インナハウジング40の本体部41の外径よりも大きく、このフード部144の外径は前記アウタハウジング50の外筒部54の内径よりも小さく、このフード部144は、前記アウタハウジング50の外筒部54と前記インナハウジング40の本体部41との間に挿入されてこの外筒部54の内側であって前記本体部41を囲む位置に配置される。このフード部144が前記外筒部54と本体部41との間に挿入されるのに伴い、前記雄端子116は前記雌端子16の電気接触部16a内に挿入され、雄コネクタ130と雌コネクタ30ひいては雄端子116と雌端子16とは嵌合する。
前記フード部144の天壁には、上方に突出するロック突起144aが設けられている。このロック突起144aは、前記アウタハウジング50のロック孔54bに係止される部分である。このロック突起144aが前記ロック孔54b内に係止されることで、雄コネクタ130は、前記フード部144が前記アウタハウジング50の外筒部54と前記インナハウジング40の本体部41との間に挿入されて前記雌コネクタ30と嵌合する位置にロックされる。
前記フード部144の内周面には、内側に突出する複数の雄側ハウジング側突出部(雄側ハウジング側当接部)144bが設けられている。これら雄側ハウジング側突出部144bは、前記雄端子保持部142の後端面からフード部144の中央付近まで前後方向に延びる板状部材である。これら雄側ハウジング側突出部144bは、前記雄コネクタ130と雌コネクタ30とが嵌合した状態で各雄側ハウジング側突出部144bの内側端面が前記インナハウジング側突出部41aの外側端部と端子嵌合方向と略直交する方向に当接して前記フード部144の内周面とインナハウジング40の本体部41の外周面との隙間を埋める形状を有している。前記各雄側ハウジング側突出部144bと前記インナハウジング側突出部41aの当接により前記隙間が埋められると、雄側ハウジング140ひいては雄コネクタ130は前記インナハウジング40に対して端子嵌合方向と略直交する方向への相対変位が規制され雄側ハウジング140とインナハウジング40との加速度差が小さく抑えられる。本実施形態では、前記インナハウジング側突出部41aに対応して、フード部144の内周面に周方向に沿ってほぼ等間隔に6つの雄側ハウジング側突出部144bが設けられている。
前記フード部144の後端面には、後方に突出する環状突出部144cが設けられている。この環状突出部144cは、前記インナハウジング40の壁部43に形成された前記溝部43cと対向する位置に設けられており、前記雄コネクタ130と雌コネクタ30とが嵌合した状態で前記溝部43c内に挿入される。この環状突出部144cは、前記溝部43c内に挿入された状態でその外周端面が前記壁部43の環状リブ突起43eの内周端と当接する形状を有している。この当接により前記フード部144と壁部43との隙間が埋められると、雄コネクタ130は前記インナハウジング40に対して端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位が規制される。また、この環状突出部144cは、前記溝部43c内に挿入された状態でその後端面が前記溝部43cの底壁と当接する形状を有している。そして、前記シール部材60の弾発力により前記壁部43が前方に押圧されて環状突出部144cの後端面に前記溝部43cの底壁が押し当てられることで、雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向の相対変位も規制される。このようにして前記溝部43cの底壁は、雄側ハウジング140に当接して雄側ハウジング140ひいては雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向の相対変位を規制する端子嵌合方向変位規制部として機能する。
前記シールリング70は、環状の弾性部材である。このシールリング70は、内側に前記インナハウジング40の本体部41を挿入可能な形状を有している。また、このシールリング70の肉厚は、前記雄コネクタ130のフード部144の後端部の内周面と前記インナハウジング40の本体部41の後端部の外周面との間の距離よりも大きい。このシールリング70は、前記雄コネクタ130と雌コネクタ30とが嵌合した状態で前記フード部144の後端部の内周面とインナハウジング40の本体部41の後端部の外周面との間に圧縮変形した状態で配置される。そして、このシールリング70は、その弾発力で前記フード部144を外側に押圧して前記環状突出部144cの外側端面を前記インナハウジング40の環状リブ突起43eに押し当て、雄コネクタ130と前記インナハウジング40との端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位をより確実に抑える。
以上の要素で構成された防水コネクタ20は、次のようにして組み立てられる。
まず、前記アウタハウジング50の奥壁52の前端面と前記インナハウジング40の壁部43の後端面との間に前記シール部材60が配置され、このシール部材60が前記奥壁52と前記壁部43との間で圧縮変形した状態で前記インナハウジング40が前記アウタハウジング50の外筒部54の内側に取り付けられる。具体的には、前記アウタハウジング50の電線挿通孔52bおよび前記端子収容室の開口部を囲む位置に前記シール部材60が配置され、このシール部材60の前方に前記インナハウジング40が配置される。そして、前記シール部材60を前記インナハウジング40の壁部43により前記奥壁52に押し当てて圧縮変形させつつ、前記インナハウジング40のインナハウジング被係止突起43aが前記アウタハウジング50のインナハウジング係止孔54cに係止される。これにより、前記インナハウジング40は、その外周を前記アウタハウジング50の外筒部54で囲まれた状態でこのアウタハウジング50に係止される。前述のように、前記係止突起43aは前記インナハウジング係止孔54c内で変位可能であり、インナハウジング40はアウタハウジング50に対して相対変位可能に取り付けられる。この状態において、前記シール部材60は前記端子収容室42の開口部を囲む位置で、その前端面が前記インナハウジング40の壁部43の後端面に密着するとともにその後端面が前記アウタハウジング50の奥壁52の前端面に密着しており、このインナハウジング40とアウタハウジング50との隙間から前記端子収容室42へ水が侵入するのを抑制する。
次に、前記アウタハウジング側防水栓18が装着された前記雌端子16が、前記アウタハウジング50の電線挿通孔52bおよび前記シール部材60の内側を通って前記インナハウジング40の端子収容室42内に挿入され、この端子収容室42内に収容保持される。具体的には、前記雌端子16は、その端子被保持部16cが前記端子保持部42aに係止されるまで前記端子収容室42内に挿入され、この端子被保持部16cと端子保持部42aとの係合により端子収容室42内に保持される。このとき、前記電線10に装着されたアウタハウジング側防水栓18は、前記アウタハウジング50の電線挿通孔52b内に圧縮変形した状態で挿入される。そして、このアウタハウジング側防水栓18は、前記電線挿通孔52b内において、その外周面が前記電線挿通孔52bの内周面に密着するとともにその内周面が前記電線10の外周面に密着する。この密着により、電線挿通孔52bの内周面と電線10の外周面との隙間から前記端子収容室42側に水が侵入するのが防止される。
ここで、前記アウタハウジング側防水栓18は、前記インナハウジング40の壁部43から後方に離間した位置、より詳細には、前記インナハウジング40の壁部43の後端面と前記アウタハウジング50の奥壁52の前端面との略中間位置から前記電線挿通孔52bを通ってこの電線挿通孔52bの後ろ側の開口部よりも後方にわたる位置に配置されて、前記インナハウジング40と非接触の状態とされる。
次に、前記インナハウジング40の本体部41の外周に前記シールリング70が取り付けられる。具体的には、前記シールリング70は、その後端部が前記インナハウジング40の本体部41の外周面と前記インナハウジング40の内側突出壁43dの内周面との間に挿入されるようにして取り付けられる。
その後、前記雄コネクタ130のフード部144が、その内周面と前記インナハウジング40の本体部41の外周面との間で前記シールリング70を端子嵌合方向と略直交する方向に圧縮変形させつつ、前記アウタハウジング50の外筒部54と前記インナハウジング40の本体部41との間に挿入される。そして、前記雄端子116が、前記インナハウジング40の端子収容室42内に挿入されこの端子収容室42に保持されている雌端子16の電気接触部16a内に挿入されてこの雌端子16と嵌合し、前記ロック突起144aが前記ロック部54aに係止され、雄コネクタ130と雌コネクタ30とが嵌合状態でロックされる。具体的には、前記ロック突起144aが前記ロック部54aを上方に弾性変形させつつ前記フード部144が前記外筒部54内に挿入されていき、前記ロック突起144aが前記ロック孔54b内に挿入されて前記ロック部54aが下方に復元することで、前記ロック突起144aは前記ロック部54aに係止される。
この状態において、前記雄コネクタ130の環状突出部144cは前記インナハウジング40の壁部43に形成された溝部43c内に挿入される。ここで、前記フード部144の後端部は前記シールリング70の弾発力により外側に押圧され、このフード部144の前記環状突出部144cは前記インナハウジング40の壁部43の前記環状リブ突起43eに押し当てられる。これにより、雄コネクタ130と前記インナハウジング40との端子嵌合方向と直交する方向の相対変位が規制される。また、前記インナハウジング40の壁部43は前記シール部材60の弾発力により前方に押圧されており、前記溝部43cの底面に前記環状突出部144cの後端面が押し当てられる。これにより雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向の相対変位も規制される。さらに、前記雄側ハウジング側突出部144bと前記インナハウジング側突出部41aとは当接し、これによっても雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向と直交する方向の相対変位が規制される。
前記防水コネクタ20では、前記雄コネクタ130と雌コネクタ30とが嵌合した状態において、仮に前記電線10に外力が加えられてこの電線10がその軸方向すなわち端子嵌合方向と略直交する方向に曲がるように振動したとしても、その振動が前記雌端子16と雄端子116の嵌合部位に伝達されることが有効に抑止され、当該振動に起因する端子の破損等が防がれる。
具体的に、前記電線10に装着されたアウタハウジング側防水栓18は、インナハウジング40側には接触せずにアウタハウジング50のみに接触している。そのため、電線10のもつ振動エネルギーはこのアウタハウジング側防水栓18を介して前記アウタハウジング50側に伝達される。しかも、このアウタハウジング50はインナハウジング40に対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるようにこのインナハウジング40に取付けられているから、このアウタハウジング50が前記振動エネルギーを受けて前記インナハウジング40に対して相対的に振動することにより、前記振動エネルギーは有効に吸収され、前記インナハウジング40内の端子嵌合部位に伝達されることが抑制される。
さらに、この防水コネクタ20では、前記環状突出部144cと前記環状リブ突起43eとの当接および前記雄側ハウジング側突出部144bと前記インナハウジング側突出部41aとの当接により、前記雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向と直交する方向の相対変位が規制されており、前記端子嵌合方向と直交する方向について、前記のようにインナハウジング40に対するアウタハウジング50の相対変位が積極的に許容されてこの相対変位すなわちアウタハウジング50の振動により電線10のもつ振動エネルギーが吸収されつつ、端子同士の相対変位に伴うこれら端子の加速度差の違いによる磨耗損傷がより有効に防がれる。また、前記溝部43cの底面と前記環状突出部144cとの当接により、前記雄コネクタ130とインナハウジング40との端子嵌合方向の相対変位も規制されており、この方向の端子どうしの摺動磨耗も抑えられる。
図5に、前記雄コネクタ130に対する前記インナハウジング40の相対変位量を測定した結果を示す。この図において、破線(細線)は図7に示す従来の防水コネクタB20での測定結果を示し、実線(太線)は、本発明に係る前記防水コネクタ20での測定結果を示す。この結果は、電線10に端子嵌合方向と直交する上下方向の振動を種々の周波数で与えた際の結果である。この図5に示すように、本発明に係る防水コネクタ20によれば、前記従来の防水コネクタB20に対して、インナハウジング40の前記雄側ハウジング140に対する最大変位量を約半分以下に抑えることができ、インナハウジング40と雄側ハウジング140との相対移動に伴う加速度差ひいては端子どうしの摺動磨耗を低減することができる。
ここで、前記シール部材60の具体的形状は前記に限らず、前記インナハウジング40と前記アウタハウジング50との隙間から前記端子収容室42への浸水を抑制するものであればよい。例えば、前記インナハウジング40の壁部43の外周面と前記アウタハウジング50の外筒部54の内周面との間に介在してこれら外周面と内周面との隙間を密閉するような形状であってもよい。また、前記端子収容室42の内側に収容されこの端子収容室42の内周面と電線10の外周面との間を密閉するような形状であってもよい。ただし、前記のように、前記インナハウジング40の壁部43と前記アウタハウジング50の奥壁52との間に前後方向に圧縮変形した状態で介在するものにすれば、このシール部材60により前記端子収容室42への浸水を抑制しつつ、その弾発力で前記インナハウジング40を前記雄側ハウジング140に押しあててインナハウジング40と雄側ハウジング140との前後方向の相対変位を規制することができる。
前記インナハウジング40と前記雄コネクタ130とのを端子嵌合方向と直交する方向の相対変位を規制する具体的な構造は前記に限らない。例えば、前記雄側ハウジング側突出部144bおよび前記インナハウジング側突出部41aあるいは前記壁部43および前記環状突出部144cを省略し、前記インナハウジング40の外周面と前記雄コネクタ50のフード部144の内周面とを直接当接させるようにしてもよい。ただし、前記のように雄側ハウジング側突出部144bおよび前記インナハウジング側突出部41a等を設けておけば、前記フード部144の内側に前記インナハウジング40を容易に挿入可能としつつ前記相対変位を規制することができる。
次に、本発明に係る第2の実施形態に係る防水コネクタ220について図6を用いて説明する。この防水コネクタ220では、雌コネクタ230の構造が前記第1の実施形態と異なっている。この雌コネクタ230は、雌端子16を保持するインナハウジング40と、アウタハウジング50と、アウタハウジング側防水栓218と、シール部材260に加えて、インナハウジング側防水栓228を備えている。また、この防水コネクタ220では、前記インナハウジング40の端子収容室42内に雌端子16に接続された電線10の一部が挿入された状態でこの雌端子16が前記端子保持部42aと係合しており、端子収容室42内に雌端子16と電線10の一部とが収容されている。
前記インナハウジング側防水栓228は、弾性部材であり、電線10の長手方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に雌端子16に接続された電線10が挿入されることでこのインナハウジング側防水栓228は電線10の外周面にこの外周面に密着した状態で装着されている。このインナハウジング側防水栓228は、電線10の外周面に密着した状態で、前記端子収容室42内に圧縮変形した状態で挿入される。そして、このインナハウジング側防水栓228は、前記端子収容室42内において、その外周面が端子収容室42の内周面に密着するとともにその内周面が電線10の外周面に密着することで、電線10の外周面と前記端子収容室42の内周面との隙間から端子収容室42に水が浸入するのを防止する。
このように、本第2の実施形態に係る防水コネクタ220では、前記インナハウジング側防水栓228が端子収容室42の開口部においてこの端子収容室42内に水が浸入するのを防止している。そのため、前記アウタハウジング側防水栓218とシール部材260とで端子収容室42内への浸水を防止する前記第1の実施形態に比べて、これらアウタハウジング側防水栓218とシール部材260とに要求される防水性能は低くなる。すなわち、アウタハウジング側防水栓218に要求される電線10の外周面と電線挿通孔52bの内周面への密着性、および、シール部材260に要求されるインナハウジング40の壁部43とアウタハウジング50の奥壁52への密着性は低くなり、これらアウタハウジング側防水栓218とシール部材260の硬度を、その防水性能すなわち密着性によらずに自由に設定することができる。このように、本第2の実施形態に係る防水コネクタ220では、インナハウジング側防水栓228により端子収容室42内への浸水防止効果を維持しつつ、これら防水栓218およびシール部材260の硬度を、防水性能を低く抑える一方電線10の振動エネルギーをアウタハウジング50側でより確実に吸収することができるように設定することができる。
前記アウタハウジング50には前記アウタハウジング側防水栓218を介して電線10からの振動が加えられている。そのため、このアウタハウジング側防水栓218の硬度ひいてはバネ定数を適切な値とすることで、アウタハウジング50に、より適切に電線10の振動を伝達してアウタハウジング50にてより確実に振動エネルギーを吸収することができる。例えば、アウタハウジング側防水栓218の硬度を高く設定することで高周波の振動を吸収し、低く設定することで低周波の振動を吸収するようにする。
また、前記シール部材60は、前記インナハウジング40の壁部43の後端面と前記アウタハウジング50の奥壁52の前端面との間に、前後方向に圧縮変形してこれら後端面および前端面とに密着した状態で配置されており、前記アウタハウジング50はこのシール部材60を弾性変形させつつ振動する。すなわち、アウタハウジング50はこのシール部材60の弾発力に抗して振動しており、シール部材60はアウタハウジング50の振動に対して抵抗力を及ぼしている。そのため、このシール部材60の硬度を適切な値とすれば、アウタハウジング50に対する抵抗力すなわちアウタハウジング50を適切に減衰させることができ、電線10の振動エネルギーをアウタハウジング50等にて確実に吸収することができる。
特に、シール部材60による減衰抵抗を適切な値とすることで、シール部材60およびアウタハウジング50からなる系全体の固有振動数を適切な値として、電線10の特定の周波数と相対変位させることで、電線10のこの特定の周波数をより確実に吸収することができる。
以上のように、本第2の実施形態に係る防水コネクタ220では、前記インナハウジング側防水栓228を設けることで、端子側への浸水を防止しつつ、前記シール部材260およびアウタハウジング側防水栓218の硬度の設定の自由度を高めてこれらの硬度を端子の振動抑制効果が高まるように設定することができ、アウタハウジング50等による振動吸収効果を高めて端子の摺動磨耗をより確実に抑制することができる。
10 電線
16 雌端子
18 アウタハウジング側防水栓
20 防水コネクタ(第1の実施形態)
30 雌コネクタ
40 インナハウジング
42 端子収容室
43 壁部
50 アウタハウジング
52 奥壁
52a 電線挿通孔
54 外筒部
60 シール部材
116 雄端子
130 雄コネクタ
140 雄側ハウジング
144 フード部
220 防水コネクタ(第2の実施形態)
228 インナハウジング側防水栓
16 雌端子
18 アウタハウジング側防水栓
20 防水コネクタ(第1の実施形態)
30 雌コネクタ
40 インナハウジング
42 端子収容室
43 壁部
50 アウタハウジング
52 奥壁
52a 電線挿通孔
54 外筒部
60 シール部材
116 雄端子
130 雄コネクタ
140 雄側ハウジング
144 フード部
220 防水コネクタ(第2の実施形態)
228 インナハウジング側防水栓
Claims (7)
- 電線に接続された雌端子を有する雌コネクタと、前記雌端子と嵌合する雄端子およびこの雄端子を保持する雄側ハウジングを有し前記雌コネクタと嵌合する雄コネクタとを備えた防水コネクタであって、
前記雌コネクタは、前記雌端子を保持するインナハウジングと、このインナハウジングを囲むアウタハウジングと、内側に前記電線が挿通されることでこの電線に装着されるアウタハウジング側防水栓と、シール部材とを有し、
前記インナハウジングは、端子嵌合方向に延びる略筒状であって、この端子嵌合方向の後側から前記雌端子が挿入されてこの雌端子が収容される端子収容室が内側に形成された本体部と前記アウタハウジングに係止される被係止部とを有し、
前記アウタハウジングは、前記インナハウジングの端子嵌合方向の後端を覆う奥壁と、この奥壁の外周から前方に突出して前記インナハウジングの外周を囲む外筒部と、前記被係止部と係合して前記インナハウジングをこのインナハウジングがこのアウタハウジングに対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止する係止部と、前記雌コネクタと雄コネクタとの嵌合状態において前記雄コネクタをこの雄コネクタがこのアウタハウジングに対して端子嵌合方向と略直交する方向に相対変位可能となるように係止するロック部とを有し、
前記シール部材は、前記被係止部と前記係止部とが係合するとともに前記端子収容室に前記雌端子が収容された状態で前記外筒部の内側に収容されて前記雌端子あるいは前記電線の外側を囲み前記外筒部と前記インナハウジングとの隙間から前記端子収容室への浸水を抑止する形状を有し、
前記奥壁には、この奥壁を端子嵌合方向に貫通して前記電線をこの端子嵌合方向に挿通可能な電線挿通孔が形成されており、
前記アウタハウジング側防水栓は、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記端子収容室に前記雌端子が収容された状態で前記インナハウジングから端子嵌合方向後側へ離間する位置で前記電線に装着されるとともに、その少なくとも一部が、前記電線挿通孔内に挿入されてこの電線挿通孔の内周面とこの電線挿通孔に挿通された電線の外周面とにそれぞれ密着する形状を有することを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項1に記載の防水コネクタであって、
前記インナハウジングは、前記雄側ハウジングと端子嵌合方向に当接することによりこのインナハウジングと雄側ハウジングとの端子嵌合方向の相対変位を規制する端子嵌合方向変位規制部を有し、
前記シール部材は、弾性部材であって、前記インナハウジングと前記アウタハウジングの奥壁との間に介在して前記端子収容室の開口部を囲む形状を有するとともに、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記雄コネクタが前記ロック部に係止された状態で前記インナハウジングと前記アウタハウジングの奥壁との間において端子嵌合方向に圧縮変形することによりその弾発力で前記端子嵌合方向変位規制部を前記雄側ハウジング側に押付けることを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項1または2に記載の防水コネクタであって、
前記雄側ハウジングは、端子嵌合方向と略直交する方向に延びて前記雄端子を保持する雄端子保持部と、この雄端子保持部の外周から後方に突出し、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに雄コネクタが係止された状態で前記インナハウジングの本体部の外周を囲むフード部と、前記フード部に設けられて前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で端子嵌合方向と略直交する方向に前記インナハウジングと当接することによりこの雄側ハウジングと前記インナハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制する雄側ハウジング側当接部とを有し、
前記インナハウジングは、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記雄側ハウジング側当接部と端子嵌合方向と略直交する方向に当接することによりこのインナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制するインナハウジング側当接部を有することを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項3に記載の防水コネクタであって、
前記雄側ハウジング側当接部は、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記フード部の内周面から前記インナハウジングの本体部の外周面に設けられた前記インナハウジング側当接部に向かって突出する雄側ハウジング側突出部を有し、この雄側ハウジング側突出部が前記インナハウジング側当接部と当接することにより前記インナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制することを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項3または4に記載の防水コネクタであって、
前記インナハウジング側当接部は、前記係止部と前記被係止部とが係合するとともに前記ロック部により前記アウタハウジングに前記雄コネクタが係止された状態で前記インナハウジングの本体部の外周面から前記フード部の内周面に設けられた前記雄側ハウジング側当接部に向かって突出するインナハウジング側突出部を有し、このインナハウジング側突出部が前記アウタハウジング側当接部に当接することにより前記インナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制することを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項3〜5のいずれかに記載の防水コネクタであって、
前記インナハウジングは、前記本体部の外周面から端子嵌合方向と略直交する方向に延びる壁部を有し、
前記インナハウジング側当接部は、前記壁部から端子嵌合方向と略平行な方向に突出する突出壁を有し、この突出壁の内周面あるいは外周面が前記フード部の内周面あるいは外周面に設けられた前記雄側ハウジング側当接部と当接することにより前記インナハウジングと前記雄側ハウジングとの端子嵌合方向と略直交する方向の相対変位を規制することを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の防水コネクタであって、
前記雌コネクタは、内側に前記電線が挿通されることでこの電線に装着されるインナハウジング側防水栓を有し、
前記端子収容室は、前記雌端子とともにこの雌端子に接続された電線の一部を収容可能な形状を有し、
前記インナハウジング側防水栓は、前記端子収容室に前記雌端子および前記電線の一部が収容された状態で、その少なくとも一部が、前記端子収容室内に挿入されてこの端子収容室の内周面とこの端子収容室に収容された電線の外周面とにそれぞれ密着する形状を有することを特徴とする防水コネクタ。
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