JP2011106968A - 磁気計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気的な情報を、特定の平面のベクトル成分に加え、他の平面のベクトル成分についても得られるようにする。
【解決手段】磁気計測装置は、円偏光により励起される原子を内部に含むセル(11)と、円偏光成分を有し、前記原子を励起させる第1の光を、前記セルに第1の方向に照射する第1の照射部と、前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、直線偏光成分を有する第2の光を前記第1の方向と交差する第2の方向に照射する第2の照射部と、前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、前記第2の照射部により前記第2の光が照射されている期間に、直線偏光成分を有する第3の光を、前記第1の方向と異なり、前記第2の方向と交差する第3の方向に照射する第3の照射部と、前記第2の照射部により照射された第2の光及び前記第3の照射部により照射された第3の光のうちの前記セルを透過した成分を検出する検出部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気計測装置に関する。
光ポンピングを利用した磁気センサーが、いわゆるMRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像法)装置などに用いられている。この種の磁気センサーにおいては、円偏光成分を有するポンプ光と直線偏光成分を有するプローブ光とが交差するように(望ましくは、直交するように)セルに照射され、さらに、これらの光の照射方向に対して直交する方向の磁場が印加される(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−14708号公報
特許文献1に記載された技術の場合、プローブ光により得られる磁気的な情報は、ポンプ光とプローブ光の照射方向に応じた特定の平面のベクトル成分に限られる。
そこで、本発明は、磁気的な情報を、特定の平面のベクトル成分に加え、他の平面のベクトル成分についても得られるようにすることを目的とする。
本発明の一態様に係る磁気計測装置は、円偏光により励起される原子を内部に含むセルと、円偏光成分を有し、前記原子を励起させる第1の光を、前記セルに第1の方向に照射する第1の照射部と、前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、直線偏光成分を有する第2の光を前記第1の方向と交差する第2の方向に照射する第2の照射部と、前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、前記第2の照射部により前記第2の光が照射されている期間に、直線偏光成分を有する第3の光を、前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に照射する第3の照射部と、前記第2の照射部により照射された第2の光のうちの前記セルを透過した成分を検出する第1の検出部と、前記第3の照射部により照射された第3の光のうちの前記セルを透過した成分を検出する第2の検出部とを備える構成を有する。この構成によれば、磁気的な情報を、第2の光によりある平面のベクトル成分について得るとともに、第3の光により当該ある平面と異なる他の平面のベクトル成分について、すなわち2つの平面の成分について得ることが可能となる。
本発明に係る磁気計測装置は、別の好ましい態様において、前記第2の照射部が、前記第1の光と直交する方向に向かうように前記第2の光を照射し、前記第3の照射部が、前記第1の光及び前記第2の光と直交する方向に向かうように前記第3の光を照射する構成を有する。この構成によれば、光の照射方向が直交しない場合に比べ、磁気的な情報を、少ない誤差で、又は容易に得ることが可能である。
本発明の基本的な概念を説明するための模式図 磁気計測装置の構成を示すブロック図 磁気計測装置の構成を示す図 磁気計測装置の構成を示す図
[発明の原理]
図1は、本発明の基本的な概念を説明するための模式図である。本発明は、磁気センサー素子10に対して、第1の光L1と、第2の光L2と、第3の光L3とを照射するものである。ここにおいて、第1の光L1の進行方向をX軸の正方向とする直交座標系を想定すると、第2の光L2及び第3の光L3の進行方向は、それぞれ、Y軸又はZ軸の正方向と一致する。よって、この座標系においては、X軸、Y軸、Z軸の正方向が、本発明に係る「第1の方向」、「第2の方向」、「第3の方向」にそれぞれ相当する。
磁気センサー素子10は、セル11を含んで構成される。セル11は、ガラス等の光を透過する材料で形成された中空の物体である。セル11は、所定の原子を内部に含む。ここにおいて、所定の原子は、円偏光により励起されてスピン偏極される原子であり、例えば、第1族元素のうちの水素(H)を除くもの、すなわちアルカリ金属の原子である。アルカリ金属に該当する元素は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びフランシウム(Fr)である。セル11に封入されているアルカリ金属は、典型的には1種類であるが、複数種類であることを妨げない。セル11には、かかるアルカリ金属の原子が気体の状態(すなわちガス状態)で封入されている。なお、セル11に含まれるアルカリ金属の原子は、磁気センサー素子10を用いて磁気的な信号を検出するときに気体の状態であれば足り、常時気体として存在している必要はない。また、セル11は、ヘリウム(He)、窒素(N)などをバッファーガスとして内部に含んでいてもよい。
セル11は、ここでは立方体であるとする。また、ここにおいて定義される直交座標系は、この立方体の重心を座標系の原点とし、各々の座標軸がこの立方体の各面と平行又は垂直になるものである。なお、セル11は、ここでは説明の便宜上立方体とするだけであり、他の立体形状とすることも可能である。
第1の光L1は、ポンプ光に相当する。ポンプ光は、円偏光成分を有する光であり、セル11内部のアルカリ金属原子を励起させる光である。ここにおいて、原子が励起した状態とは、当該原子の外殻電子のスピンが偏極した状態にあることをいう。ポンプ光は、典型的にはレーザー光である。なお、ポンプ光は、円偏光成分を有していれば足り、他の成分を含んでいてもよい。
第2の光L2及び第3の光L3は、それぞれがプローブ光に相当する。プローブ光は、直線偏光成分を有する光であり、セル11を介して検出される磁気的な信号を取得するための光である。プローブ光は、磁気的な信号を取得するために、ポンプ光に対して直交するようにセル11に照射される。具体的には、第2の光L2は、Y軸正方向に照射され、第3の光L3は、Z軸正方向に照射される。つまり、ここにおいてプローブ光は、ポンプ光と直交するだけでなく、一方のプローブ光が他方のプローブ光と直交するように照射される。プローブ光は、典型的にはレーザー光である。なお、プローブ光は、直線偏光成分を有していれば足り、他の成分を含んでいてもよい。
ここにおいて、第2の光L2は、計測対象から発せられる微小磁場の影響により乱れた電子スピンのうち、X軸及びZ軸を含む平面(以下「XZ平面」という。)のベクトル成分に相当する信号を取得するためのものである。一方、第3の光L3は、計測対象から発せられる微小磁場の影響により乱れた電子スピンのうち、X軸及びY軸を含む平面(以下「XY平面」という。)のベクトル成分に相当する信号を取得するためのものである。つまり、第2の光L2及び第3の光L3のようなプローブ光を磁気センサー素子10に対して照射することにより、電子スピンのXZ平面のベクトル成分に関する情報と、XY平面のベクトル成分に関する情報とが得られる。
[実施形態]
図2は、本発明の一実施形態である磁気計測装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の磁気計測装置100は、磁気センサー素子10と、照射部20、30、40と、検出部50と、磁場発生部60とを備える。なお、磁気センサー素子10は、図1に示したものと同様の構成であるとする。
照射部20は、磁気センサー素子10のセル11にポンプ光を照射する手段であり、本発明に係る「第1の照射部」の一例に相当する。また、照射部30及び40は、セル11にプローブ光を照射する手段であり、それぞれ、本発明に係る「第2の照射部」又は「第3の照射部」の一例に相当する。ここでは、照射部30が第2の光L2を照射し、照射部40が第3の光L3を照射するものとする。照射部30及び40は、セル11に対して同時に光を照射する期間を少なくとも有する。なお、ここでいう「同時」は、照射の開始及び終了のタイミングが一致するものであることが望ましいが、一方が光を照射しているときに他方も光を照射している期間があれば足りるものである。検出部50は、セル11に入射した光のうちのセル11を透過した成分を検出する手段であり、本発明に係る「検出部」の一例に相当する。検出部50は、プローブ光に関する成分を少なくとも検出し、より望ましくは、ポンプ光に関する成分も検出する。検出部50は、検出した光に応じた信号を可視化し、これを表示する手段を含んでもよいが、検出した光に応じた信号を生成し、これを外部装置(表示装置、コンピュータ装置など)に出力する構成のみであってもよい。磁場発生部60は、セル11の周囲に所定の磁場を形成する手段である。
図3は、磁気計測装置100の構成のうち、特に電子スピンのXZ平面のベクトル成分に関する情報を取得するための構成を示す図である。つまり、図3においては、照射部40と、照射部40による光を検出する構成とが省略されている。
照射部20は、光源21と、半波長板22と、PBS(polarizing beam splitter:偏光ビームスプリッター)23と、四分の一波長板24とを備える。光源21は、無偏光である光(例えばレーザー光)を照射する照射装置である。半波長板22は、光源21から照射された光の偏光面を回転させる光学素子である。PBS23は、半波長板22を透過した光のp偏光成分(入射面に対して平行な成分)を透過させ、s偏光成分(入射面に対して垂直な成分)を反射させる光学素子である。このs偏光成分は、レーザー光の出力のモニタリングに用いられてもよいし、光を吸収する部材により吸収されてもよい。また、s偏光成分の反射方向は、図示した方向に限定されない。四分の一波長板24は、PBS23を透過した光を円偏光に変化させる光学素子である。光源21から照射された光は、半波長板22、PBS23及び四分の一波長板24の作用により、円偏光であるポンプ光になる。このポンプ光は、X軸の負方向から正方向に向かうように照射され、セル11に入射する。
照射部30は、光源31と、半波長板32と、PBS33と、偏光板34とを備える。光源31は、無偏光である光(例えばレーザー光)を照射する。半波長板32は、光源31から照射された光の偏光面を回転させる光学素子である。PBS33は、半波長板32を透過した光のp偏光成分(入射面に対して平行な成分)を透過させ、s偏光成分(入射面に対して垂直な成分)を反射させる光学素子である。偏光板34は、PBS33を透過した光のうちの電場(磁場)の振動方向が特定方向のものを選択的に透過させる光学素子である。光源31から照射された光は、半波長板32、PBS33及び偏光板34の作用により、直線偏光であるプローブ光になる。このプローブ光は、Y軸の負方向から正方向に向かうように照射され、セル11に入射する。
検出部50は、第1検出部50aと、第2検出部50bとを備える。検出部50は、半波長板511と、PBS521と、光センサー531、541と、演算増幅器551とを第1検出部50aとして備え、さらに、光センサー56を備える。半波長板511、PBS521、光センサー531、541及び演算増幅器551は、本発明に係る「第1の検出部」の一例に相当するものである。半波長板511は、光の偏光面を回転させる光学素子であり、照射部30により照射されたプローブ光のうちのセル11を透過した成分が入射される。PBS521は、半波長板511を透過した光のp偏光成分を透過させ、s偏光成分を反射させる光学素子である。光センサー531及び541は、検出した光に応じた電気信号を出力するフォトダイオード等の素子である。光センサー531は、PBS521により透過されたp偏光成分を検出し、光センサー541は、PBS521により反射されたs偏光成分を検出する。演算増幅器551は、光センサー531及び541による検出結果を増幅して出力する。光センサー56は、照射部20により照射されたポンプ光のうちのセル11を透過した成分を検出する手段である。光センサー56は、セル11を透過した光を電気信号に変換する素子であり、例えば、フォトダイオードである。光センサー56による検出結果は、ポンプ光のモニタリングに用いられる。
磁場発生部60は、コイル61と、磁気シールド62とを備える。コイル61は、信号用の磁場を印加するとともに、外部からの磁場に対する補正用の磁場を印加する。コイル61は、X軸、Y軸及びZ軸の各方向の磁場を制御できるように、例えば、3軸ヘルムホルツコイルを含んで構成される。磁気シールド62は、外部からの磁場を抑制する部材であり、セル11及びコイル61を覆うように設けられている(ただし、必要な光が透過するための経路は確保されている。)。
図4は、磁気計測装置100の構成のうち、特に電子スピンのXY平面のベクトル成分に関する情報を取得するための構成を示す図である。つまり、図4においては、照射部30と、照射部30による光を検出する構成とが省略されている。
照射部40は、光源41と、半波長板42と、PBS43と、偏光板44とを備える。照射部40の各部の構成は、照射部30の同名の各部と同様である。つまり、本実施形態の照射部40は、プローブ光の照射方向が照射部30と異なるほかは、照射部30と同様の構成である。
検出部50は、図3に示した構成のほかに、さらに、半波長板512と、PBS522と、光センサー532、542と、演算増幅器552とを第2検出部50bとして備える。これらの各部は、その設けられる位置が異なるほかは、図3に示した同名の各部と同様の構成を有するものである。半波長板512、PBS522、光センサー532、542及び演算増幅器552は、本発明に係る「第2の検出部」の一例に相当するものである。
本実施形態の磁気計測装置100の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、磁気計測装置100は、周知のMRIの原理に基づいて計測を行う。磁気計測装置100による計測の対象は、例えば、人体等の生体である。磁気計測装置100においては、計測対象をセル11の近傍に位置させ、計測が行われる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態によっても実施可能である。また、本発明は、以下に示す変形例を適宜に組み合わせることを妨げない。
本発明において、ポンプ光とプローブ光は、互いに直交する関係にあることが最も望ましい。ただし、ポンプ光とプローブ光は、プローブ光から磁気的な信号を取得できれば足りるため、交差する関係であればよく、完全に直交することを求められるものではない。なお、プローブ光どうしについても、互いに直交する平面のベクトル成分が磁気的な情報として得られるのであれば、プローブ光自体が直交する必要は必ずしもなく、直交する関係からのずれを許容し得る。
また、本発明において、セルに入射される光(第1の光、第2の光又は第3の光)は、出射されてからセルに入射するまでの進行方向が一定である必要はない。つまり、これらの光は、セルに入射するときに所定の方向になっていればよく、途中でミラー等によって反射され、進行方向が変更されてもよい。したがって、例えば、光の照射位置や検出位置を1箇所に集中させることも可能である。
また、本発明において、第1の光は、セルに照射され、セル内の原子を励起すれば十分であり、セルを透過した成分が検出されなくてもよいものである。よって、本発明に係る磁気センサー素子は、ポンプ光(すなわち第1の光)のうちのセルを透過した成分を吸収する部材を設けた構成とすることも可能である。かかる部材は、シート状であると、より好ましい。なお、この場合、上述した光センサー56に相当する構成が不要になる。
100…磁気計測装置、10…磁気センサー素子、11…セル、20、30、40…照射部、50…検出部、60…磁場発生部

Claims (2)

  1. 円偏光により励起される原子を内部に含むセルと、
    円偏光成分を有し、前記原子を励起させる第1の光を、前記セルに第1の方向に照射する第1の照射部と、
    前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、直線偏光成分を有する第2の光を前記第1の方向と交差する第2の方向に照射する第2の照射部と、
    前記第1の照射部により前記第1の光が照射されたセルに、前記第2の照射部により前記第2の光が照射されている期間に、直線偏光成分を有する第3の光を、前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向に照射する第3の照射部と、
    前記第2の照射部により照射された第2の光のうちの前記セルを透過した成分を検出する第1の検出部と、
    前記第3の照射部により照射された第3の光のうちの前記セルを透過した成分を検出する第2の検出部と
    を備えることを特徴とする磁気計測装置。
  2. 前記第2の照射部が、前記第1の光と直交する方向に向かうように前記第2の光を照射し、
    前記第3の照射部が、前記第1の光及び前記第2の光と直交する方向に向かうように前記第3の光を照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気計測装置。
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