JP2011108440A - リチウムイオン二次電池正極材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オリビン型LiMxFe1−xPO4結晶を含有するリチウムイオン二次電池正極材料を安価かつ安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】原料粉末を熱処理することにより、一般式LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)で表されるオリビン構造の結晶を含むリチウムイオン二次電池正極材料を製造する方法であって、原料粉末が3価の鉄化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】原料粉末を熱処理することにより、一般式LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)で表されるオリビン構造の結晶を含むリチウムイオン二次電池正極材料を製造する方法であって、原料粉末が3価の鉄化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、携帯型電子機器や電気自動車に用いられるリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は高容量で軽量な電源として、携帯電子端末や電気自動車に不可欠となっている。リチウムイオン二次電池の正極材料には、これまでコバルト酸リチウム(LiCoO2)やマンガン酸リチウム(LiMnO2)等の無機金属酸化物が用いられてきた。近年、電子機器がますます高性能化しており、それに伴い消費電力が増大しているため、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化が要求されている。また、環境保全問題やエネルギー問題の観点から、CoやMnなどの環境負荷の大きい材料から、より環境調和型の材料への転換が求められている。さらに、コバルト資源の枯渇が問題視されており、そのような観点からもLiCoO2に代わる安価な正極材料への転換が望まれている。
近年、コストおよび資源などの面で有利なことから、鉄を含有するリチウム化合物の中でオリビン型LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)結晶が注目されており、種々の研究および開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。オリビン型LiMxFe1−xPO4はLiCoO2に比べて温度安定性に優れ、高温での安全な動作が期待される。また、リン酸を骨格とする構造ゆえに、充放電反応による構造劣化への耐性に優れるという特徴を有する。
オリビン型LiMxFe1−xPO4結晶は通常、シュウ酸鉄などの2価の鉄化合物を含む原料粉末を熱処理することにより製造される。ところが、2価の鉄化合物は安定に大量生産できる材料が少ないため、材料コストが高くなる傾向がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、オリビン型LiMxFe1−xPO4結晶を含有するリチウムイオン二次電池正極材料を安価かつ安定して製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、従来のシュウ酸鉄などの2価の鉄化合物より安定な鉄化合物を出発物質として用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、原料粉末を熱処理することにより、一般式LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)で表されるオリビン構造の結晶を含むリチウムイオン二次電池正極材料を製造する方法であって、原料粉末が3価の鉄化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法に関する。
一般式LiMxFe1−xPO4で表されるオリビン構造結晶におけるFe成分は2価のFeで構成されるため、従来は原料粉末としてシュウ酸鉄などの2価の鉄化合物が使用されていた。本発明では、原料粉末として、より安定かつ安価な3価の鉄化合物を用いているため、オリビン型LiMxFe1−xPO4結晶を含有するリチウムイオン二次電池正極材料を安定して製造することができ、かつコストも低減することが可能となる。
第二に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、3価の鉄化合物がFe2O3であることを特徴とする。
Fe2O3は、3価の鉄化合物のなかでも安価であり、かつ取扱いが容易であるため好ましい。
第三に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、(1)少なくともLi2O、Fe2O3、P2O5を含有するようにバッチを調合し、原料粉末を得る工程、(2)原料粉末を溶融し、溶融ガラスを得る工程、および(3)溶融ガラスを急冷し前駆体ガラスを得る工程を含むことを特徴とする。
従来、オリビン型LiMxFe1−xPO4の製造法としては、固相反応、水熱合成、マイクロ波加熱法などが知られているが、これらの方法は、生産性、粉末粒径制御の点において課題を有している。そこで、溶融急冷法を用いて前駆体ガラスを製造することにより、簡便で生産性が良好であり、容易に粉末粒径を制御することが可能となる。しかも、当該方法によれば、リチウム、リン、鉄の各成分が均質に混合された前駆体ガラスを得ることができ、その後の工程により、所望量のLiMxFe1−xPO4結晶が析出した緻密な正極材料が得られやすい。
第四に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、Li2O 20〜50%、Fe2O3 10〜40%、P2O5 20〜50%の組成を含有するようにバッチを調合することを特徴とする。
第五に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、さらに、Nb2O5+V2O5+SiO2+B2O3+GeO2+Al2O3+Ga2O3+Sb2O3+Bi2O3 0.1〜25%の組成を含有するようにバッチを調合することを特徴とする。
上記成分はガラス形成能を向上させる働きを有し、これらの成分を添加することにより、化学的に安定した正極材料を得ることが可能となる。
第六に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、(4)得られた前駆体ガラスを粉砕し、前駆体ガラス粉末を得る工程、および(5)前駆体ガラス粉末をガラス転移温度〜1000℃で焼成し結晶化ガラス粉末を得る工程を含むことを特徴とする。
第七に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、工程(5)において、前駆体ガラス粉末にカーボンまたは有機化合物を添加し、不活性または還元雰囲気にて焼成を行うことを特徴とする。
当該構成により、ガラス粉末を結晶化させる際に、ガラス中における3価のFe成分を2価に還元することができるため、一般式LiMxFe1−xPO4で表されるオリビン構造結晶を選択的に得ることが可能となる。
第八に、本発明は、前記いずれかの製造方法により製造されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料に関する。
第九に、本発明は、酸化物換算のモル%表示で、Li2O 20〜50%、Fe2O3 10〜40%、P2O5 20〜50%の組成を含有し、ガラス中のFe2+/Fe3+濃度比が0.05〜1.5の範囲にあることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラスに関する。
リチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラスにおいて、ガラス中のFe2+/Fe3+濃度比を上記範囲に調整することにより、ガラスの安定性に優れ、かつ結晶化処理により所望量のLiMxFe1−xPO4結晶を析出させることが可能となる。
なお「前駆体ガラス」とは、熱処理することにより結晶化し目的とする結晶が析出するガラスを示す。
第十に、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラスは、酸化物換算のモル%表示で、さらに、Nb2O5+V2O5+SiO2+B2O3+GeO2+Al2O3+Ga2O3+Sb2O3+Bi2O3 0.1〜25%の組成を含有することを特徴とする。
第十一に、本発明は、前記いずれかのリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラスを結晶化させてなることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料に関する。
本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、原料粉末を熱処理することにより、一般式LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)結晶を主成分とするリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法において、原料粉末が3価の鉄化合物を含有することを特徴とする。既述の通り、従来のシュウ酸鉄などの2価の鉄化合物と比較して、3価の鉄化合物は安定かつ安価であるため、オリビン型LiMxFe1−xPO4結晶を含有するリチウムイオン二次電池正極材料を安定して製造することができ、かつコストも低減することが可能となる。
3価の鉄化合物としては、Fe2O3(酸化第二鉄)がコストや取り扱いやすさの点から好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、ガラス溶融プロセスを含むことが好ましい。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、(1)少なくともLi2O、Fe2O3、P2O5を含有するようにバッチを調合し、原料粉末を得る工程、(2)原料粉末を溶融し、溶融ガラスを得る工程、および(3)溶融ガラスを急冷し前駆体ガラスを得る工程を含むことが好ましい。当該製造方法により、リチウム、リン、鉄の各成分が均質に混合された前駆体ガラスを得ることができ、その後の工程により、LiMxFe1−xPO4結晶が得られやすくなる。
工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、Li2O 20〜50%、Fe2O3 10〜40%、P2O5 20〜50%の組成を含有するようバッチを調合することが好ましい。
組成を上記のように限定した理由を以下に説明する。
Li2OはLiMxFe1−xPO4の主成分である。Li2Oの含有量は20〜50%、特に25〜45%であることが好ましい。Li2Oの含有量が20%より少ない、あるいは50%より多いと、得られた前駆体ガラスを焼成した際にLiMxFe1−xPO4結晶が析出しにくくなる。
Li2OはLiMxFe1−xPO4の主成分である。Li2Oの含有量は20〜50%、特に25〜45%であることが好ましい。Li2Oの含有量が20%より少ない、あるいは50%より多いと、得られた前駆体ガラスを焼成した際にLiMxFe1−xPO4結晶が析出しにくくなる。
Fe2O3もLiMxFe1−xPO4の主成分である。Fe2O3の含有量は10〜40%、特に15〜35%であることが好ましい。Fe2O3の含有量が10%より少ない、あるいは40%より多いと、得られた前駆体ガラスを焼成した際にLiMxFe1−xPO4結晶が析出しにくくなる。
P2O5もLiMxFe1−xPO4の主成分である。P2O5の含有量は20〜50%、特に25〜45%であることが好ましい。P2O5の含有量が20%より少ない、あるいは50%より多いと、得られた前駆体ガラスを焼成した際にLiMxFe1−xPO4結晶が析出しにくくなる。
工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、さらに、Nb2O5+V2O5+SiO2+B2O3+GeO2+Al2O3+Ga2O3+Sb2O3+Bi2O3 0.1〜25%の組成を含有することが好ましい。
Nb2O5、V2O5、SiO2、B2O3、GeO2、Al2O3、Ga2O3、Sb2O3およびBi2O3はガラス形成能を向上させる成分である。上記酸化物の含有量の合量が0.1%より少ないと、ガラス化が困難となる。一方、上記酸化物の含有量の合量が25%より多いと、焼成して得られるLiMxFe1−xPO4結晶の割合が低下するおそれがある。
なお、Fe2+/Fe3+濃度比(モル比)は前駆体ガラスの安定性に影響を与える。Fe2+/Fe3+濃度比は0.05〜1.5、0.1〜1.2、特に0.2〜1.0であることが好ましい。Fe2+/Fe3+濃度比が0.05より小さいと、後の焼成工程により析出するLiMxFe1−xPO4結晶の量が低下するおそれがある。一方、Fe2+/Fe3+濃度比が1.5より大きいとガラスが不安定になりやすい。Fe2+/Fe3+濃度比は、原料粉末における2価の鉄化合物と3価の鉄化合物の含有量の割合を適宜変化させることにより調整することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法は、前記工程(1)〜(3)に引き続き、(4)得られた前駆体ガラスを粉砕し、前駆体ガラス粉末を得る工程、および(5)前駆体ガラス粉末をガラス転移温度〜1000℃で焼成し結晶化ガラス粉末を得る工程を含むことが好ましい。これにより、LiMxFe1−xPO4結晶を含有する結晶化ガラス粉末からなるリチウムイオン二次電池正極材料を効率よく得ることが可能になる。
前駆体ガラス粉末の焼成は、例えば温度および雰囲気制御が可能な電気炉中で熱処理することにより行われる。熱処理の温度履歴は、前駆体ガラスの組成、目的とする結晶子サイズによって異なるため特に限定されるものではないが、少なくともガラス転移温度以上、さらには結晶化温度以上で熱処理を行うことが適当である。上限は1000℃、さらには950℃である。熱処理温度がガラス転移温度未満であると、LiMxFe1−xPO4結晶の生成および成長が不十分となり、十分な導電性向上の効果を得ることができないおそれがある。一方、熱処理温度が1000℃を超えると結晶が融解するおそれがある。具体的な熱処理の温度範囲としては、500〜1000℃、特に550〜950℃であることが好ましい。熱処理時間は、前駆体ガラスの結晶化が十分に進行するよう適宜調整される。具体的には、10〜60分間、特に20〜40分間であることが好ましい。
結晶化ガラス粉末の粒径は小さいほど正極材料全体としての表面積が大きくなり、イオンや電子の交換がより行いやすくなるため好ましい。具体的には、結晶化ガラス粉末の平均粒径は50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、特に20μm以下であることが好ましい。下限については特に限定されないが、現実的には0.05μm以上である。結晶化ガラス粉末の粒径はレーザー回折散乱法により測定される。
結晶化ガラス粉末におけるLiMxFe1−xPO4結晶の結晶子サイズが小さいほど、結晶化ガラス粉末の粒径を小さくすることが可能となり、電気伝導性を向上させることができる。具体的には、結晶子サイズは100nm以下、特に80nm以下であることが好ましい。下限については特に限定されないが、現実的には1nm以上、さらには10nm以上である。なお、結晶子サイズは、結晶化ガラス粉末に関する粉末X線回折の解析結果からシェラーの式に従って求められる。
結晶化ガラス粉末におけるLiMxFe1−xPO4の結晶量は20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。結晶量が20質量%未満であると、導電性が不十分となる傾向がある。なお、上限については特に限定されないが、現実的には99質量%以下、さらには95質量%以下である。LiMxFe1−xPO4の結晶量は粉末X線回折パターンのピーク強度面積比から算出することができる。
工程(5)において、前駆体ガラス粉末にカーボンまたは有機化合物を添加し、不活性または還元雰囲気にて焼成を行うことが好ましい。カーボンまたは有機化合物は焼成することで還元作用を示すため、ガラス粉末が結晶化する前にガラス中の鉄の価数が3価から2価に変化することから、LiMxFe1−xPO4を高い含有率で得ることができる。
カーボンおよび有機化合物は、結晶化ガラス粉末に対して導電性を付与するための導電活物質としての役割を有する。カーボンとしては、グラファイト、アセチレンブラック、アモルファスカーボンなどが挙げられる。なお、アモルファスカーボンとしては、FTIR分析において、正極材料の導電性低下の原因となるC−O結合ピークやC−H結合ピークが実質的に検出されないものが好ましい。有機化合物としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等のカルボン酸、グルコースおよび有機バインダーなどが挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池正極材料の電気伝導度は、1.0×10−8S・cm−1以上であり、1.0×10−6S・cm−1以上であることが好ましく、1.0×10−4S・cm−1以上であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メタリン酸リチウム(LiPO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)を原料とし、モル%で、Li2O 31.7%、Fe2O3 31.7%、P2O5 31.7%、Nb2O5 4.8%組成となるように原料粉末を調合し、1200℃にて1時間、大気雰囲気中にて溶融を行った。その後、プレス急冷することにより前駆体ガラス試料を作製した。
メタリン酸リチウム(LiPO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)を原料とし、モル%で、Li2O 31.7%、Fe2O3 31.7%、P2O5 31.7%、Nb2O5 4.8%組成となるように原料粉末を調合し、1200℃にて1時間、大気雰囲気中にて溶融を行った。その後、プレス急冷することにより前駆体ガラス試料を作製した。
作製した前駆体ガラスにおける鉄イオンの価数状態をメスバウアー分光法により測定を行った。その結果Fe2+/Fe3+比は0.22と決定された。
(比較例1)
メタリン酸リチウム(LiPO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化第一鉄(FeO)、酸化ニオブ(Nb2O5)を原料とし、モル%で、Li2O 31.7%、2FeO 31.7%、P2O5 31.7%、Nb2O5 4.8%組成となるように原料粉末を調合し、1200℃にて1時間、窒素雰囲気中にて溶融を行った。その後、プレス急冷を行ったが、得られたガラスには失透が発生した。この物質の鉄イオンの価数状態を測定したところ、Fe2+/Fe3+比は2.7と決定された。
メタリン酸リチウム(LiPO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化第一鉄(FeO)、酸化ニオブ(Nb2O5)を原料とし、モル%で、Li2O 31.7%、2FeO 31.7%、P2O5 31.7%、Nb2O5 4.8%組成となるように原料粉末を調合し、1200℃にて1時間、窒素雰囲気中にて溶融を行った。その後、プレス急冷を行ったが、得られたガラスには失透が発生した。この物質の鉄イオンの価数状態を測定したところ、Fe2+/Fe3+比は2.7と決定された。
(実施例2)
実施例1の方法で作製した前駆体ガラスをボールミル粉砕し、得られた前駆体ガラス粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてアクリル樹脂(ポリアクリロニトリル)30質量部(グラファイト換算18.9質量部に相当)、可塑剤として3質量部のブチルベンジルフタレート、溶剤として35質量部のメチルエチルケトンを混合することによってスラリー化した。スラリーを公知のドクターブレード法によって、厚み200μmのシート状に成形した後、室温で約2時間乾燥させた。次いで、シート状の成形体を所定の大きさに切断し、窒素中800℃にて30分間熱処理を行った。得られた試料は、結晶化ガラス粉末同士がカーボン成分を介して結着した構造を有していた。
得られた試料の粉末X線回折パターンを確認したところ、LiMxFe1−xPO4由来の回折線が確認されることがわかった。また、粉末X線回折パターンからシェラーの式を用いて求めたLiMxFe1−xPO4結晶子サイズは20〜60nmと見積もられる。
実施例1の方法で作製した前駆体ガラスをボールミル粉砕し、得られた前駆体ガラス粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてアクリル樹脂(ポリアクリロニトリル)30質量部(グラファイト換算18.9質量部に相当)、可塑剤として3質量部のブチルベンジルフタレート、溶剤として35質量部のメチルエチルケトンを混合することによってスラリー化した。スラリーを公知のドクターブレード法によって、厚み200μmのシート状に成形した後、室温で約2時間乾燥させた。次いで、シート状の成形体を所定の大きさに切断し、窒素中800℃にて30分間熱処理を行った。得られた試料は、結晶化ガラス粉末同士がカーボン成分を介して結着した構造を有していた。
得られた試料の粉末X線回折パターンを確認したところ、LiMxFe1−xPO4由来の回折線が確認されることがわかった。また、粉末X線回折パターンからシェラーの式を用いて求めたLiMxFe1−xPO4結晶子サイズは20〜60nmと見積もられる。
Claims (11)
- 原料粉末を熱処理することにより、一般式LiMxFe1−xPO4(0≦x<1、MはNb、Ti、V、Cr、Mn、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類)で表されるオリビン構造の結晶を含むリチウムイオン二次電池正極材料を製造する方法であって、原料粉末が3価の鉄化合物を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- 3価の鉄化合物がFe2O3であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- (1)少なくともLi2O、Fe2O3、P2O5を含有するようにバッチを調合し、原料粉末を得る工程、(2)原料粉末を溶融し、溶融ガラスを得る工程、および(3)溶融ガラスを急冷し前駆体ガラスを得る工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- 工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、Li2O 20〜50%、Fe2O3 10〜40%、P2O5 20〜50%の組成を含有するようにバッチを調合することを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- 工程(1)において、酸化物換算のモル%表示で、さらに、Nb2O5+V2O5+SiO2+B2O3+GeO2+Al2O3+Ga2O3+Sb2O3+Bi2O3 0.1〜25%の組成を含有するようにバッチを調合することを特徴とする請求項3または4に記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- (4)得られた前駆体ガラスを粉砕し、前駆体ガラス粉末を得る工程、および(5)前駆体ガラス粉末をガラス転移温度〜1000℃で焼成し結晶化ガラス粉末を得る工程を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- 工程(5)において、前駆体ガラス粉末にカーボンまたは有機化合物を添加し、不活性または還元雰囲気にて焼成を行うことを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン二次電池正極材料の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料。
- 酸化物換算のモル%表示で、Li2O 20〜50%、Fe2O3 10〜40%、P2O5 20〜50%の組成を含有し、ガラス中のFe2+/Fe3+濃度比が0.05〜1.5の範囲にあることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラス。
- 酸化物換算のモル%表示で、さらに、Nb2O5+V2O5+SiO2+B2O3+GeO2+Al2O3+Ga2O3+Sb2O3+Bi2O3 0.1〜25%の組成を含有することを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラス。
- 請求項9または10に記載のリチウムイオン二次電池正極材料用前駆体ガラスを結晶化させてなることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材料。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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